説明

車いす

【課題】利用者が立ち上がったときにこの利用者から遠ざかりにくい車いす2の提供。
【解決手段】車いす2は、メインフレーム4、車軸8、車輪10、座シート16、検知装置18、制御装置22及び第一ケーブル26を備えている。検知装置18は、座シート16に載せられている。検知装置18は、伸縮しうる。座シート16への利用者の着座の有無が、検知装置22によって検知される。制御装置22には、車軸8が通されている。第一ケーブル26は、検知装置18と制御装置22とを連結している。座シート16に利用者が着座している状態のとき、制御装置22によって車輪10の回転が阻止されない。座シート16に利用者が着座していない状態のとき、制御装置22によって車輪10の回転が阻止されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体障害者、高齢者、負傷者等に利用される車いすに関する。
【背景技術】
【0002】
車いすは、利用者の移動の目的で使用される。利用者は、ハンドリムを回して車いすを走行させる。利用者が着座した車いすを介助者が押すことによっても、車いすは走行しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
目的地点に到着した後、利用者が車いすを降りて、立ち上がることがある。立ち上がるとき、利用者の大腿の背面又は脛の背面が、車いすを後方に押すことがある。立ち上がるとき、利用者が手で車いすを後方に押してしまうこともある。後方に押された車いすは、利用者の意に反し、この利用者から遠ざかる。利用者が自力歩行しない限り、この利用者は車いすに再度座ることができない。
【0004】
本発明の目的は、利用者が立ち上がったときにこの利用者から遠ざかりにくい車いすの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車いすは、
(1)フレーム、
(2)このフレームに取り付けられた車輪、
(3)利用者が着座するための座シート、
(4)この座シートに利用者が着座している状態と着座していない状態とを検知する検知装置
及び
(5)車輪の回転を制御する制御装置
を備える。この車いすでは、座シートに利用者が着座している状態のとき、制御装置によって車輪の回転が阻止されない。座シートに利用者が着座していない状態のとき、制御装置によって車輪の回転が阻止されうる。
【0006】
好ましくは、制御装置は、車輪と一体で回転するギアと、このギアに係合しうる爪とを備える。座シートに利用者が着座している状態のとき、爪はギアに係合しない。座シートに利用者が着座していない状態のとき、爪はギアに係合しうる。
【0007】
好ましくは、制御装置は、バンドブレーキ機構を備える。このバンドブレーキ機構は、バンドと、車輪と一体で回転するドラムとを有する。ギアは、このドラムの内周面に固定されている。
【0008】
好ましくは、検知装置に利用者の体重が負荷された状態から負荷されていない状態へ移行するときにこの検知装置が伸張し、検知装置に利用者の体重が負荷されていない状態から負荷された状態へ移行するときにこの検知装置が収縮する。この検知装置の伸張により、車輪の回転が阻止されない状態から車輪の回転が阻止されうる状態へと移行する。検知装置の収縮により、車輪の回転が阻止されうる状態から車輪の回転が阻止されない状態へと移行する。
【0009】
好ましくは、検知装置は、プレートを備える。このプレートに利用者の体重が負荷された状態から負荷されていない状態へ移行するとき、このプレートが正方向に回動して検知装置が伸張する。このプレートに利用者の体重が負荷されていない状態から負荷された状態へ移行するとき、このプレートが逆方向に回動して検知装置が収縮する。
【0010】
好ましくは、車いすは、検知装置に連結されたワイヤをさらに備える。検知装置の伸張によりこのワイヤが緩み、車輪の回転が阻止されない状態から車輪の回転が阻止されうる状態へと移行する。検知装置の収縮によりこのワイヤが引っ張られ、車輪の回転が阻止されうる状態から車輪の回転が阻止されない状態へと移行する。
【0011】
検知装置の伸張によりワイヤが引っ張られ、検知装置の収縮によりワイヤが緩んでもよい。ワイヤが引っ張られることにより、車輪の回転が阻止されない状態から車輪の回転が阻止されうる状態へと移行する。ワイヤが緩むことにより、車輪の回転が阻止されうる状態から車輪の回転が阻止されない状態へと移行する。
【0012】
好ましくは、車いすは、レバーをさらに備える。このレバーの操作により、利用者が着座していない状態において、制御装置による車輪の回転の阻止が解除される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る車いすでは、利用者が立ち上がると、制御装置によって車輪の回転が阻止される。従って車いすは、後方へと移動しない。利用者は、容易にこの車いすに再度着座できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る車いすが示された正面図である。
【図2】図2は、図1の車いすの一部が示された平面図である。
【図3】図3は、図1の車いすの検知装置の一部及び第一ケーブルの一部が示された拡大図である。
【図4】図4は、図1の車いすの検知装置の一部及び第一ケーブルの一部が示された拡大図である。
【図5】図5は、図1の車いすの制御装置が示された拡大図である。
【図6】図6は、図5の制御装置が示された、鉛直方向に沿った断面図である。
【図7】図7は、図5のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】図8は、図7の制御装置が示された断面図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態に係る車いすの一部が示された正面図である。
【図10】図10は、図9の車いすの一部が示された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0016】
図1及び2に示された車いす2は、メインフレーム4、背フレーム6、レバー7、一対の車軸8、一対の車輪10、一対のハンドリム12、一対のキャスター14、座シート16、検知装置18、クッション20、一対の制御装置22、一対の第一ケーブル26、一対の第二ケーブル28、一対のフットレスト30及び一対のアームレスト32を備えている。図1において、右方向が車いす2の前進方向であり、左方向が車いす2の後進方向である。
【0017】
背フレーム6は、メインフレーム4に固定されている。背フレーム6は、メインフレーム4から上方に延びている。背フレーム6は、押し手34を備えている。介助者が車いす2を押すとき、この押し手34を把持する。背フレーム6には、さらにレバー7が取り付けられている。
【0018】
それぞれの車軸8は、メインフレーム4に固定されている。それぞれの車輪10は、この車軸8を介してメインフレーム4に取り付けられている。車輪10は、車軸8に対して回転しうる。それぞれのハンドリム12は、車輪10に固定されている。このハンドリム12は、車輪10と同心である。それぞれのキャスター14は、パイプ36を介してメインフレーム4に取り付けられている。このパイプ36は、メインフレーム4に溶接によって固定されている。
【0019】
座シート16は、布からなる。他の材料から、座シート16がなってもよい。座シート16は、メインフレーム4に張られている。この座シート16の上に、検知装置18が置かれている。検知装置18は、座シート16に固定されている。この検知装置18の上に、クッション20が置かれている。
【0020】
それぞれの制御装置22には、車軸8が貫通している。それぞれの第一ケーブル26は、検知装置18と制御装置22とを連結している。それぞれの第二ケーブル28は、レバー7と制御装置22とを連結している。
【0021】
図3及び4に示されるように、検知装置18は、下プレート38、ヒンジ40、上プレート42及びスプリング44を備えている。下プレート38は、接着剤により、座シート16に接着されている。ヒンジ40は、下プレート38及び上プレート42に、溶接によって接合されている。上プレート42は、ヒンジ40を中心として回動しうる。スプリング44は、下プレート38と上プレート42とに挟まれている。スプリング44の下端は下プレート38に固定されており、その上端は上プレート42に固定されている。このスプリング44は、圧縮コイルである。スプリング44は、上プレート42を上方に向けて付勢している。
【0022】
図3では、上プレート42はほぼ水平に延びている。一方図4では、上プレート42は、右上がりに傾斜している。従って、下プレート38の端46と上プレート42の端48との距離Lは、図3において大きく、図4において小さい。
【0023】
図3及び4に示されるように、第一ケーブル26は、第一ワイヤ50とこの第一ワイヤ50を覆う第一チューブ52とを備えている。第一ワイヤ50は、下プレート38及び上プレート42を貫通している。第一ワイヤ50の上端54にはストッパー56が取り付けられている。このストッパー56により、第一ワイヤ50の上端54と上プレート42との位置が固定されている。
【0024】
図3では、スプリング44は収縮している。従って、検知装置18も、高さ方向において収縮している。図4では、スプリング44は伸張している。従って、検知装置18も、高さ方向において伸張している。図4における矢印Aの方向に上プレート42が回動することにより、検知装置18が収縮する。図3における矢印Bの方向に上プレート42が回動することにより、検知装置18が伸張する。図3における矢印Bの方向は、「正方向」である。図4における矢印Aの方向は、「逆方向」である。
【0025】
図5から7に示されるように、制御装置22は、ケーシング58、ステー60、バンド62、ドラム64、ギア66、ピン68及びロック70を備えている。図5から7には、利用者の左側の制御装置22が示されている。右側の制御装置22は、左側の制御装置22の形状が反転した形状を有する。
【0026】
ケーシング58は、穴72を備えている。この穴72に、車軸8が通されている。ケーシング58はさらに、窓74を備えている。この窓74には、ロック70が通されている。ケーシング58には、溶接によってステー60が接合されている。
【0027】
バンド62は、ケーシング58の内周面に沿って存在している。ドラム64は、ケーシング58に収容されている。ドラム64は、バンド62の内側に位置している。このドラム64は、ナット76によって車軸8と固定されている。従って、車輪10、車軸8及びドラム64は、一体で回転する。図6では、バンド62はドラム64と離間している。図示されていないが、この車いす2は、ブレーキ用のレバーとワイヤとを備えている。このレバーが操作されることによってワイヤが引かれ、このワイヤによってバンド62が引かれる。引かれたバンド62は、ドラム64の外周面に当接する。このバンド62がドラム64を締め付けることにより、車輪10にブレーキがかかる。ドラム64とバンド62とは、バンドブレーキ機構を構成する。この制御装置22は、バンドブレーキ機構を含んでいる。
【0028】
ギア66は、いわゆる内歯タイプである。ギア66は、ドラム64の内周面に当接している。ギア66は、溶接によってドラム64に接合されている。ギア66は、ドラム64と同心に位置している。ギア66は、ドラム64と一体で回転する。従ってギア66は、車輪10と一体で回転する。
【0029】
ピン68は、ステー60に固定されている。ロック70は、シャンク78とジョー80とを備えている。シャンク78には、ピン68が通されている。ロック70は、ピン68を中心として回動しうる。図6に示されるように、ジョー80は爪82を備えている。
【0030】
図7には、第一ケーブル26及び第二ケーブル28も示されている。第一ケーブル26の第一ワイヤ50は、ロック70を通されている。この第一ワイヤ50の下端84の、ロック70に対する位置は、ストッパー86によって固定されている。第一ワイヤ50には、第一スプリング88が通されている。この第一スプリング88は、ステー60とロック70との間に位置している。第一スプリング88は、圧縮コイルである。第一スプリング88は、図7における右方向にロック70を付勢している。
【0031】
第二ケーブル28は、第二ワイヤ90とこの第二ワイヤ90を覆う第二チューブ92とを備えている。第二ワイヤ90は、ロック70を通されている。この第二ワイヤ90の下端94の、ロック70に対する位置は、ストッパー96によって固定されている。第二ワイヤ90には、第二スプリング98が通されている。この第二スプリング98は、ステー60とロック70との間に位置している。第二スプリング98は、圧縮コイルである。第二スプリング98は、図7における右方向にロック70を付勢している。図1に示されるように、第二ケーブル28の上端100はレバー7と連結されている。
【0032】
図7では、第一スプリング88及び第二スプリング98は伸張している。爪82は、ギア66と係合している(図6参照)。図7に示された状態では、爪82によりギア66の回転が阻止されている。換言すれば、車輪10の回転が阻止されている。
【0033】
図8では、第一スプリング88及び第二スプリング98は収縮している。爪82は、ギア66から離間している。離間した爪82が、図6において二点鎖線で示されている。図8に示された状態では、爪82はギア66の回転を阻止していない。換言すれば、車輪10の回転が阻止されていない。
【0034】
図7における矢印Aの方向にロック70が回動することにより、爪82がギア66から離間する。図8における矢印Bの方向にロック70が回動することにより、爪82がギア66と係合する。
【0035】
この車いす2では、検知装置18における距離Lの変化により、利用者が座シート16に着座しているか否かが検知される。この車いす2に利用者が着座すると、この利用者の体重がクッション20を介して検知装置18にかかる。体重を受けた上プレート42は、スプリング44を圧縮しつつ、図4における矢印Aの方向に回動する。換言すれば、検知装置18が収縮する。検知装置18は、図4に示された状態から図3に示された状態へと移行する。この移行により、距離Lが拡大する。上プレート42の回動により、第一ワイヤ50が引っ張られる。
【0036】
第一ワイヤ50が引っ張られることにより、ロック70が、図7における矢印Aの方向に回動する。ロック70は、図7に示された状態から、図8に示された状態へと移行する。この移行により、ジョー80がギア66から離間し、爪82(図6参照)とギア66との係合が解除される。爪82は、ギア66の回転を阻止しない。換言すれば、制御装置22は車輪10の回転を阻止しない。利用者は、ハンドリム12を回して車いす2を走行させることができる。介助者は、押し手34を把持して車いす2を走行させることができる。
【0037】
利用者が車いす2から立ち上がると、検知装置18にかかっていた利用者の体重が除かれる。上プレート42は、スプリング44に押され、図3における矢印Bの方向に回動する。換言すれば、検知装置18が伸張する。検知装置18は、図3に示された状態から図4に示された状態へと移行する。この移行により、距離Lが縮小する。上プレート42の回動により、第一ワイヤ50が緩む。
【0038】
第一ワイヤ50の緩みにより、ロック70が、図8における矢印Bの方向に回動する。ロック70は、図8に示された状態から、図7に示された状態へと移行する。この移行により、ジョー80がギア66に当接し、爪82(図6参照)がギア66と係合する。爪82は、ギア66の回転を阻止する。換言すれば、制御装置22が車輪10の回転を阻止する。立ち上がるとき、利用者の大腿の背面又は脛の背面が、車いす2を後方に押すことがある。立ち上がるとき、利用者が手で車いす2を後方に押してしまうこともある。車輪10の回転が阻止されているので、後方に押されても、車いす2はほとんど後進しない。利用者は、車いす2を支えとして立ち上がることができる。利用者が立ち上がった後も、車いす2は利用者から遠ざからない。利用者は、歩行することなく、車いす2に再度着座できる。利用者は健常者に比べて筋力に劣るので、立ち上がった利用者がすぐに後方に転んでしまうこともある。転んだ場合でも、車いす2が利用者を受け止める。
【0039】
利用者が車いす2に着座していないとき、前述の通り、制御装置22によって車輪10の回転が阻止されている。換言すれば、車いすの意図せぬ前進及び後進が阻止されている。この制御装置22は、パーキングブレーキとしても機能する。
【0040】
利用者が車いす2に着座していないときに介助者がレバー7(図1参照)を引くと、第二ワイヤ90が引っ張られる。これにより、ロック70が、図7における矢印Aの方向に回動する。ロック70は、図7に示された状態から、図8に示された状態へと移行する。この移行により、ジョー80がギア66から離間し、爪82(図6参照)とギア66との係合が解除される。爪82は、ギア66の回転を阻止しない。換言すれば、レバー7の操作は、車輪10の回転の阻止を解除する。利用者が着座していない、いわゆる「空車状態」の車いす2を、レバー7を引きつつ、介助者が移動させることができる。レバー7が引かれた状態をロックする機構を、車いす2が備えてもよい。
【0041】
この車いす2では、一般的な車いすが備えているブレーキ機構が、制御装置22に利用されている。従って、部品点数が過大ではない。この車いす2では、ギア66がドラム64に収納されている。換言すれば、ギア66が露出していない。この車いす2では、ギア66に衣服等が挟まれることがない。
【0042】
図9及び10には、本発明の他の実施形態に係る車いすが示されている。この車いすの、図9及び10に示された部分以外の部分の構成は、図1から8に示された車いす2のそれと同等である。
【0043】
図9には、検知装置102が示されている。この検知装置102では、第一ワイヤ50は、ヒンジ40よりも右側に位置している。この検知装置102に利用者の体重がかかると、上プレート42は、スプリング44を圧縮しつつ回動する。この回動によって検知装置102が収縮し、第一ワイヤ50が緩む。利用者が立ち上がると、上プレート42がスプリング44に押されて回動する。この回動によって検知装置102が伸張し、第一ワイヤ50が引っ張られる。
【0044】
図10には、制御装置104が示されている。図10から明らかなように、第一ワイヤ50が緩むと、ロック70が第一スプリング88によって押され、回動する。この回動により、ジョー80がギア66から離間する。離間した状態では、車輪10の回転は阻止されない。第一ワイヤ50が引っ張られると、ロック70が第一スプリング88を圧縮しつつ回動する。この回動により、ジョー80がギア66に当接する。当接した状態では、車輪10の回転が阻止される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明された制御装置は、種々のタイプの車いすに用いられうる。
【符号の説明】
【0046】
2・・・車いす
4・・・メインフレーム
7・・・レバー
8・・・車軸8
10・・・車輪
16・・・座シート
18、102・・・検知装置
22、104・・・制御装置
26・・・第一ケーブル
28・・・第二ケーブル
38・・・下プレート
40・・・ヒンジ
42・・・上プレート
44・・・スプリング
50・・・第一ワイヤ
58・・・ケーシング
60・・・ステー
62・・・バンド
64・・・ドラム
66・・・ギア
68・・・ピン
70・・・ロック
78・・・シャンク
80・・・ジョー
82・・・爪
88・・・第一スプリング
90・・・第二ワイヤ
98・・・第二スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)フレーム、
(2)このフレームに取り付けられた車輪、
(3)利用者が着座するための座シート、
(4)この座シートに利用者が着座している状態と着座していない状態とを検知する検知装置
及び
(5)車輪の回転を制御する制御装置
を備えており、
上記座シートに利用者が着座している状態のとき、制御装置によって車輪の回転が阻止されず、
上記座シートに利用者が着座していない状態のとき、制御装置によって車輪の回転が阻止されうる車いす。
【請求項2】
上記制御装置が、車輪と一体で回転するギアと、このギアに係合しうる爪とを備えており、
上記座シートに利用者が着座している状態のときに上記爪がギアに係合せず、上記座シートに利用者が着座していない状態のときに上記爪がギアに係合しうる請求項1に記載の車いす。
【請求項3】
上記制御装置が、バンドブレーキ機構を備えており、
上記バンドブレーキ機構が、バンドと、車輪と一体で回転するドラムとを有しており、
上記ギアが、上記ドラムの内周面に固定されている請求項2に記載の車いす。
【請求項4】
上記検知装置に利用者の体重が負荷された状態から負荷されていない状態へ移行するとき、この検知装置が伸張し、
上記検知装置に利用者の体重が負荷されていない状態から負荷された状態へ移行するとき、この検知装置が収縮し、
上記検知装置の伸張により、車輪の回転が阻止されない状態から車輪の回転が阻止されうる状態へと移行し、
上記検知装置の収縮により、車輪の回転が阻止されうる状態から車輪の回転が阻止されない状態へと移行する請求項1から3のいずれかに記載の車いす。
【請求項5】
上記検知装置がプレートを備えており、
上記プレートに利用者の体重が負荷された状態から負荷されていない状態へ移行するとき、このプレートが正方向に回動して検知装置が伸張し、
上記プレートに利用者の体重が負荷されていない状態から負荷された状態へ移行するとき、このプレートが逆方向に回動して検知装置が収縮する請求項4に記載の車いす。
【請求項6】
上記検知装置に連結されたワイヤをさらに備えており、
上記検知装置の伸張によりこのワイヤが緩み、車輪の回転が阻止されない状態から車輪の回転が阻止されうる状態へと移行し、
上記検知装置の収縮によりこのワイヤが引っ張られ、車輪の回転が阻止されうる状態から車輪の回転が阻止されない状態へと移行する請求項4又は5に記載の車いす。
【請求項7】
上記検知装置に連結されたワイヤをさらに備えており、
上記検知装置の伸張によりこのワイヤが引っ張られ、車輪の回転が阻止されない状態から車輪の回転が阻止されうる状態へと移行し、
上記検知装置の収縮によりこのワイヤが緩み、車輪の回転が阻止されうる状態から車輪の回転が阻止されない状態へと移行する請求項4又は5に記載の車いす。
【請求項8】
レバーをさらに備えており、このレバーの操作により、利用者が着座していない状態において、制御装置による車輪の回転の阻止が解除される請求項1から7のいずれかに記載の車いす。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−259645(P2010−259645A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113374(P2009−113374)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(598026851)株式会社カワムラサイクル (42)