説明

車両シート用オットマン装置

【課題】ロック手段の取り付け、及び、ロック手段及びオットマン変位機構を動作させるための駆動源の取り付けが容易であり、しかもロック手段をロック状態にしたときにオットマン及びオットマン変位機構を不動状態に保持できる車両シート用オットマン装置を提供。
【解決手段】ロック手段とオットマン変位機構を連結するロック手段側リンク機構を備え、ロック手段がアンロック状態にあるときに回転可能な回転部を有し、ロック手段側リンク機構が、ロック手段の回転部と一緒に回転するロック手段側リンクと、ロック手段側リンクに回転可能に接続する中間リンクと、オットマン変位機構の動作と一体で回転し、かつ中間リンクに回転可能に接続する変位機構側リンクと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シートに取り付けて使用する乗客の足を載せるための車両シート用オットマン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両シート用オットマン装置の従来技術としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
このオットマン装置は、伸張及び短縮可能なオットマン変位機構(リンク装置)と、オットマン変位機構の一端で支持したオットマンと、一端をオットマン変位機構に係止したスプリングと、オットマン変位機構の伸張及び短縮動作を規制又は許容するマニュアル式のロック手段と、を具備している。
オットマン変位機構の他端はロック手段に接続しており、ロック手段はシートと一体化した取付ブラケットに取り付けてある。またスプリングの他端は取付ブラケットに係止してある。
【0003】
オットマン変位機構が短縮状態にありかつロック手段がロック状態にあるとき、オットマンは取付ブラケット側に接近してシートクッションの直下に位置する。
ロック操作手段によってロック手段をアンロック状態にすると、スプリングによって付勢されたオットマン変位機構が伸張状態となりオットマンが取付ブラケットから前方に離間する。そしてオットマンが乗客にとって使い易い位置まで移動したときにロック操作手段を元の位置に戻すと、ロック手段が再びロック状態となってオットマン変位機構が変形不能となる。その結果、オットマンが当該位置に保持されるので、シートに座った乗客は自身の足をオットマンに載せることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4664689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ロック手段を取付ブラケットとオットマン変位機構の端部(他端)との間に設けており、側面視においてオットマン変位機構の端部及び取付ブラケットとロック手段が重なっている。しかし取付ブラケット及びオットマン変位機構の端部と重なる部分には狭い空間しか存在しないので、ロック手段を当該部分に設けるのは容易でない。
【0006】
また、オットマン装置の一例として、ロック手段を駆動源(モータ等)の駆動力によって操作し、かつ(スプリングの代わりに)該駆動源の駆動力を利用してオットマン変位機構を動作させるパワー式オットマン装置が知られている。パワー式オットマン装置では駆動源をロック手段に連係させる必要があるが、ロック手段を設けた部分(オットマン変位機構の端部及び取付ブラケットと重なる部分)には狭い空間しか存在しないので、駆動源をロック手段に対して連係させる作業は困難なものになる。
【0007】
本発明は、ロック手段の取り付け、及び、ロック手段及びオットマン変位機構を動作させるための駆動源の取り付けが容易であり、しかもロック手段をロック状態にしたときにオットマン及びオットマン変位機構を不動状態に保持できる車両シート用オットマン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両シート用オットマン装置は、車両シートに固定する固定部と、該固定部に接近する格納位置と、該固定部から離間する使用領域との間を移動可能なオットマンと、上記固定部に接続すると共に上記オットマンを支持する、上記オットマンを上記格納位置と上記使用領域とに移動させるオットマン変位機構と、手動操作手段と駆動源を選択的に着脱可能で、該手動操作手段の操作力又は該駆動源の駆動力によって該オットマン変位機構の動作を規制するロック状態と規制解除するアンロック状態とに切り替わるロック手段と、上記ロック手段と上記オットマン変位機構を連結するロック手段側リンク機構と、を備え、上記ロック手段が、上記アンロック状態にあるときに回転可能な回転部を有し、上記ロック手段側リンク機構が、上記ロック手段の上記回転部と一緒に回転するロック手段側リンクと、該ロック手段側リンクに回転可能に接続する中間リンクと、上記オットマン変位機構の動作と一体で回転し、かつ上記中間リンクに回転可能に接続する変位機構側リンクと、を備えることを特徴としている。
【0009】
上記オットマン変位機構が、上記固定部に対して回転可能に支持される連結軸を有し、上記変位機構側リンクが、上記連結軸の軸線方向における上記オットマン変位機構の中央部において上記連結軸に固定状態で接続してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両シート用オットマン装置は、ロック手段をロック手段側リンク機構を介してオットマン変位機構に接続しているので、ロック手段をオットマン変位機構の周辺(側面視においてオットマン変位機構と重なる部分とは異なる場所)に配置できる。そのためオットマン変位機構と重なる部分(一般的に狭い空間しか存在しない)にロック手段を配置する場合に比べて、ロック手段を簡単に取り付けることが可能である。
さらに、ロック手段に対して駆動源を連係させることにより、マニュアル式オットマン装置を、該駆動源の駆動力を利用してロック手段及びオットマン変位機構を動作させるパワー式オットマン装置に設計変更できる。しかもロック手段をオットマン変位機構の周辺に配置しているので、ロック手段と連係する駆動源もオットマン変位機構の周辺に配置できる。そのためオットマン変位機構と重なる部分に駆動源を配置する場合に比べて、マニュアル式オットマン装置からパワー式オットマン装置への設計変更が容易である。
またロック手段側リンク機構を3つのリンク(ロック手段側リンク、中間リンク、及び、変異機構側リンク)によって構成しているので、ロック手段をロック状態に切り換えたときにオットマン及びオットマン変位機構を不動状態に保持できる。即ち、オットマン変位機構と固定部を接続するリンク機構は2つのリンクを利用して構成することも可能であるが、2つのリンクによってリンク機構を構成する場合は(相対回転可能に接続した一方のリンクを固定部側に接続し、他方のリンクをオットマン変位機構側に接続する場合は)、一方のリンクに取り付けたピンを、他方のリンクに穿設した長孔に相対移動可能に嵌合することになるので、ロック手段をロック状態に切り換えたときに、オットマン及びオットマン変位機構が長孔とピンの隙間分だけガタついてしまう。
【0011】
請求項2の発明のように構成すると、オットマンを介してオットマン変位機構に掛かる(乗客の足の)荷重を、(変位機構側リンクを連結軸に対して、オットマン変位機構の中央部ではなく端部側に接続した場合に比べて)ロック手段側リンク機構によって確実に受け止めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の車両シートのシートクッションと、シートクッションの前部に取り付けたマニュアル式オットマン装置の、オットマンが格納位置に位置するときのバネ手段側リンク機構を省略して示す側面図である。
【図2】ロック手段側リンク機構を省力して示す図1と同様の側面図である。
【図3】オットマンが前端位置まで移動したときのマニュアル式オットマン装置のバネ手段側リンク機構を省略して示す側面図である。
【図4】ロック手段側リンク機構を省力して示す図3と同様の側面図である。
【図5】マニュアル式オットマン装置の前方から見た分解斜視図である。
【図6】オットマンが前端位置に位置するときのマニュアル式オットマン装置の固定部側上部リンクを省略して示す平面図である。
【図7】オットマンが格納位置に位置するときのバネ手段側リンク機構の拡大側面図である。
【図8】オットマンが前端位置に位置するときのバネ手段側リンク機構の拡大側面図である。
【図9】シートクッションと、シートクッションの前部に取り付けた格納状態にあるパワー式オットマン装置の、オットマンが格納位置に位置するときの固定部の一部を省略して示す側面図である。
【図10】オットマンが前端位置まで移動したときのパワー式オットマン装置の固定部の一部を省略して示す側面図である。
【図11】パワー式オットマン装置の前方から見た分解斜視図である。
【図12】オットマンが前端位置に位置するときのパワー式オットマン装置の固定部側上部リンクを省略して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明中の方向は図中の矢印方向を基準としている。
図1に示す車両用シート10は、車両床面に取り付けられるシートクッション11と、シートクッション11の後部に対して回転可能に接続したシートバック(図示略)とを備えるリクライニングシートである。車両用シート10のシートクッション11の下面の前端部にはオットマン装置が取り付けてある。このオットマン装置は、一部の部品を交換することによりマニュアル式オットマン装置13とパワー式オットマン装置70の二態様で実施可能である。以下の説明では、まずマニュアル式オットマン装置13について説明し、次いでパワー式オットマン装置70について説明する。
【0014】
オットマン装置13は以下に説明する構造である。
オットマン装置13は左右一対の固定部14A(ロック手段側固定部)、14B(付勢手段側固定部)を具備している。左右の固定部14A、14Bに形成した円形孔には、左右方向に延びる円柱形状の連結軸16(第2回転中心)の両端部がそれぞれ回転可能に嵌合している。連結軸16の2カ所には、断面形状がコ字形状をなす固定部側上部リンク17の左右両側壁に形成した結合用凹部17aがそれぞれ固定状態で嵌合している。また左右の固定部14A、14Bには、左右一対の固定部側下部リンク18の一方の端部が左右方向に伸びる一対の回転接続ピン20によってそれぞれ回転可能に接続している。図示するように固定部側上部リンク17と固定部側下部リンク18は側面視においてほぼ平行であり、側面視における固定部側下部リンク18の長さは固定部側上部リンク17のほぼ半分である。固定部側上部リンク17の両側壁の中間部と左右の固定部側下部リンク18の他方の端部には、固定部側上部リンク17及び固定部側下部リンク18と異なる方向に伸びる左右一対のオットマン側後部リンク21の中間部と一方の端部がそれぞれ、共に左右方向に延びかつ左右一対の回転接続ピン22、23によって回転可能に接続してある。固定部側上部リンク17の両側壁の他方の端部には、オットマン側後部リンク21とほぼ平行なオットマン側前部リンク24の左右両側壁の一方の端部がそれぞれ、左右方向に延びる左右一対の回転接続ピン25によって回転可能に接続してある。
連結軸16、固定部側上部リンク17、固定部側下部リンク18、回転接続ピン20、オットマン側後部リンク21、回転接続ピン22、23、オットマン側前部リンク24、回転接続ピン25がリンク機構からなるオットマン変位機構15の構成要素である(左側の固定部側下部リンク18、オットマン側後部リンク21と右側の固定部側上部リンク17、オットマン側後部リンク21は互いに同期しながら回転する)。オットマン変位機構15は、図1、図2に示す短縮状態、図3、図4に示す最大展開状態、及び、短縮状態と最大展開状態の間の各状態に変形可能である。
【0015】
オットマン変位機構15の左右のオットマン側後部リンク21及びオットマン側前部リンク24の前端部にはオットマン32が取り付けてある。オットマン32は、左右方向に長い矩形形状のベース板33と、ベース板33の表面及び周面に固着したクッション35(図1、図2の仮想線参照)と、を具備している。
ベース板33の左右両側壁には、オットマン側前部リンク24の左右両側壁の端部が左右方向に延びる左右一対の回転接続ピン37によって回転可能に接続してある。またベース板33の左右両側壁には、左右のオットマン側後部リンク21の端部が左右方向に延びる左右一対の回転接続軸39によって回転可能に接続してある。このようにオットマン32はオットマン変位機構15(オットマン側後部リンク21、オットマン側前部リンク24)に回転可能に支持されているので、オットマン変位機構15の短縮動作及び展開動作に連動して固定部14A、14Bに対する前後方向距離を変化させる。即ち、オットマン変位機構15が上記短縮状態にあるときオットマン32は図1、図2に示す格納位置に位置し、短縮状態にあるオットマン変位機構15が前方に向かって伸張するとオットマン32は使用領域(格納位置より前方の領域)に移動する。そしてオットマン変位機構15が前方に向かって最大限伸張したときに、オットマン32は図3、図4、図6に示す前端位置(使用領域の前端位置)に位置する。
【0016】
右側の固定部14Aの内側面にはロック手段40が取り付けてある。このロック手段40は、シートクッション11とシートバックの回転接続部にも適用可能な周知のものである。そのためロック手段40の詳細な説明は省略するが、その構造を簡単に説明すると、大きな構成要素としてギヤプレート41、ベースプレート42、回転中心軸43、可動ロック部材、及び、バネを具備している。円盤状のギヤプレート41は、その右側面に形成した凸部を固定部14Aに形成した結合孔14A1に嵌合することにより、固定部14Aに対して固定してある。ギヤプレート41の左側面に形成された円形凹部の内周面全体には、(数十個又は100個以上の多数のギヤ歯を周方向に並べた構造である)内歯ギヤが形成してある。ギヤプレート41は、ギヤプレート41の左側に位置する円盤状のベースプレート42の右側面に形成された円形空間(環状壁によって囲まれた空間)に相対回転可能に嵌合している。ギヤプレート41とベースプレート42の中心部には、左右方向に延びかつ該中心部を貫通する回転中心軸43が、相対回転可能に支持してある。ベースプレート42の上記円形空間には、ベースプレート42に対して相対回転不能かつ径方向に相対移動可能な可動ロック部材が配設してある。可動ロック部材は外歯ギヤ(ギヤプレート41の内歯ギヤより少ない数のギヤ歯を有する)を具備している。可動ロック部材は、外歯ギヤがギヤプレート41の内歯ギヤと噛合するロック位置と、内歯ギヤから内周側に離間するアンロック位置との間を、ベースプレート42に対して径方向に相対移動可能であり、図示を省略したバネの付勢力によってロック位置側に付勢されている。従って、可動ロック部材がロック位置に位置するときは、ギヤプレート41とベースプレート42は相対回転不能であるが、バネの付勢力に抗して回転中心軸43を一方向に回転させると可動ロック部材がアンロック位置に移動するので、ギヤプレート41とベースプレート42が相対回転可能になる。
固定部14Aの右側には、その一端部(基端部)を回転中心軸43の右端部に固定した回転レバー45が配設してあり、回転レバー45の他端部(先端部)には操作ワイヤ46の一端が接続している。操作ワイヤ46の他端には図示を省略した操作ノブが取り付けてある。操作ノブを操作しないとき(初期位置に位置するとき)ロック手段40は上記バネの付勢力によってロック状態に保持され(可動ロック部材がロック位置に位置する)、上記バネの付勢力に抗して操作ノブを操作すると(操作位置に移動させると)ロック手段40はアンロック状態になる(可動ロック部材がアンロック位置に位置する)。
【0017】
ベースプレート42の左側面にはロック手段側リンク機構48が連係している。ロック手段側リンク機構48は、ブラケット49(第1リンク50)、第2リンク51、連結ピン52、第3リンク53(結合用凹部54)、及び、連結ピン55を具備するものである。
ベースプレート42の左側面に固定したブラケット49には第1リンク50(ロック手段側リンク)が一体的に突設してある。第1リンク50の先端部の左側には、直線的に延びる板状の第2リンク51(中間リンク)の一端部が位置しており、第1リンク50の先端部と第2リンク51の一端部は左右方向に延びる連結ピン52によって回転可能に接続してある。第2リンク51の他端部の右側には、板状の第3リンク53(変位機構側リンク)の一端部が位置しており、第2リンク51の他端部と第3リンク53の一端部は左右方向に延びる連結ピン55によって回転可能に接続してある。第3リンク53には結合用凹部54が凹設してあり、結合用凹部54はオットマン変位機構15の(連結軸16の軸線方向の)中央部、即ち、連結軸16の軸線方向の中央部(オットマン変位機構15の該軸線方向の中央点よりやや右側)に嵌合固定してある(図6参照)。
このようにロック手段側リンク機構48はロック手段40を介して固定部14Aとオットマン変位機構15(連結軸16)を連係しているので、ロック手段側リンク機構48の動きはオットマン変位機構15の動きと連係する。即ち、オットマン変位機構15が図1、図2に示す短縮状態にあるときロック手段側リンク機構48は図2に示す折畳状態となり、オットマン変位機構15が図3、図4に示す最大展開状態にあるときロック手段側リンク機構48は図4に示す最大伸張状態となる。ただし、ロック手段側リンク機構48はオットマン変位機構15の動き(連結軸16の回転)に追従するだけであり、ロック手段側リンク機構48側からオットマン変位機構15(連結軸16)へ回転力を伝達することはない。
またロック手段40がロック状態にあるとき(可動ロック部材がロック位置に位置するとき)ロック手段側リンク機構48は動作不能となり、ロック手段側リンク機構48と連係しているオットマン変位機構15も動作不能になる。そのためロック手段40をロック状態にすることにより、オットマン変位機構15の状態及びオットマン32の位置を保持できる。
【0018】
左側の固定部14Bの内側面と連結軸16の間には、第1リンク58、連結ピン59(第1回転中心)、第2リンク60、連結ピン61(第1接続中心)、第3リンク62(結合用凹部63)、及び、連結ピン64(第2接続中心)を具備するバネ手段側リンク機構57(付勢手段側リンク機構)が設けてある。
板状の第1リンク58の一端部は、左右方向に延びる連結ピン59によって、固定部14Bの内側面に対して回転可能に取り付けてある。第1リンク58の他端部の右側には、板状の第2リンク60の一端部が位置しており、第1リンク58の他端部と第2リンク60の一端部は左右方向に延びる連結ピン61によって回転可能に接続してある。第2リンク60の他端部の左側には、第3リンク53とほぼ同じ形状である第3リンク62の一端部が位置しており、第2リンク60の他端部と第3リンク62の一端部は左右方向に延びる連結ピン64によって回転可能に接続してある。第3リンク62の結合用凹部63は、連結軸16の軸線方向の左端部近傍に嵌合固定してある(図6参照)。
バネ手段側リンク機構57はロック手段側リンク機構48と実質的に同期しながら動作する。即ち、第1リンク58は第1リンク50と実質的に同期しながら回転し、第2リンク60は第2リンク51と実質的に同期しながら回転し、第3リンク62は第3リンク53と実質的に同期しながら回転する。そのためオットマン変位機構15が図1、図2に示す短縮状態にあるときバネ手段側リンク機構57は図1に示す折畳状態となり、オットマン変位機構15が図3、図4に示す最大展開状態にあるときバネ手段側リンク機構57は図3に示す最大伸張状態となる。
【0019】
固定部14Bの内側面には取付用ブラケット66が固定してあり、取付用ブラケット66にはゼンマイ式(渦巻き状)のバネ手段67(付勢手段)の一端部(内周側端部)が固定してある。さらにバネ手段67の他端部(外周側端部)は連結ピン61の右側端部に固定してある。図2、図4に示すようにバネ手段側リンク機構57(及び、オットマン変位機構15、ロック手段側リンク機構48)がいかなる状態にあるときも、側面視において連結ピン59はバネ手段側リンク機構57の中心部に位置する(図2、図4参照)。
バネ手段67は自由状態から縮径方向に弾性変形可能であり、縮径方向への弾性変形状態を解除すると自由状態に戻ろうとし、このときに回転付勢力を発生する。バネ手段67が縮径状態から自由状態へ戻ることにより発生する回転付勢力の方向は図2、図4の時計方向であるため、ロック手段40がアンロック状態になると(可動ロック部材がアンロック位置に位置すると)、バネ手段67の回転付勢力によってバネ手段側リンク機構57は最大伸張状態側に変形する。またバネ手段67の弾性変形量(回転付勢力)は、バネ手段側リンク機構57が図1、図2に示す折畳状態にあるとき(オットマン変位機構15が短縮状態にあるとき)が最も大きく、オットマン変位機構15が伸張するにつれて徐々に小さくなり、バネ手段側リンク機構57が図3、図4に示す最大伸張状態になったとき(オットマン変位機構15が最大展開状態になったとき)に最も小さくなる。
【0020】
バネ手段側リンク機構57が図1、図2に示す折畳状態にあるとき、第1リンク58、第2リンク60、及び、第3リンク62の位置関係は図7に示すようになる。L1は連結ピン59(第1回転中心)と連結ピン61(第1接続中心)を結ぶ直線、L2は連結ピン61と連結ピン64(第2接続中心)を結ぶ直線、L3は連結ピン64と連結軸16(第2回転中心)を結ぶ直線である。P1は第1リンク58の移動力(L1に直交する方向の回転力)、P2は第2リンク60の移動力(L2の延長方向の移動力)、P3は第3リンク62の移動力(L3に直交する方向の回転力)である。また、このときのL1とL2がなす角度θ1は鋭角であり、L2とL3がなす角度θ2は鋭角である。
バネ手段67の回転付勢力によって第1リンク58が移動力P1を発生すると、P2=P1・cos(90°−θ1)はP1に比べてかなり小さくなる。またP3=P2・cos(90°−θ2)なので、P3はP2に比べてかなり小さくなる。従って、バネ手段67の回転付勢力は、当該回転付勢力より極めて小さい力P3となって第3リンク62に伝わるので、バネ手段側リンク機構57が図1、図2に示す折畳状態にあるとき(オットマン32が格納位置に位置するとき)のバネ手段側リンク機構57による当該回転付勢力のオットマン変位機構15(連結軸16)への伝達効率は最も小さくなる。
一方、バネ手段側リンク機構57が図3、図4に示す最大伸張状態にあるとき、第1リンク58、第2リンク60、及び、第3リンク62の位置関係は図8に示すようになる。P1’は第1リンク58の移動力(L1に直交する方向の回転力)、P2’は第2リンク60の移動力(L2の延長方向の移動力)、P3’は第3リンク62の移動力(L3に直交する方向の回転力)である。また、このときのL1とL2がなす角度θ1’は90°より僅かに小さい鋭角であり、L2とL3がなす角度θ2’は90°より僅かに大きい鈍角である。
バネ手段67の回転付勢力によって第1リンク58が移動力P1’を発生すると、P2’=P1’・cos(90°−θ1’)はP1’とほぼ同じ大きさになる(僅かに小さくなる)。またP3’=P2’・cos(90°−θ2’)なので、P3’はP2’とほぼ同じ大きさになる(僅かに小さくなる)。従って、このときバネ手段67の回転付勢力は、当該回転付勢力とほぼ同じ大きさ(僅かに小さい)の力P3となって第3リンク62に伝わる。即ち、バネ手段側リンク機構57による上記回転付勢力のオットマン変位機構15(連結軸16)への伝達効率は、バネ手段側リンク機構57が折畳状態から最大伸張状態に向けて変化するにつれて徐々に大きくなり、バネ手段側リンク機構57が図3、図4に示す最大伸張状態になったとき(オットマン32が前端位置に位置するとき)には、バネ手段67の回転付勢力は殆どロスすることなくオットマン変位機構15に伝達される。
【0021】
以上説明した構成のオットマン装置13は、左右の固定部14A、14Bをシートクッション11の下面の前端部に対してボルト等によってそれぞれ固定することにより、車両用シート10に取り付けることが可能である(図1参照)。
【0022】
続いてオットマン装置13の動作について説明する。
オットマン32が図1、図2に示す格納位置に位置し(オットマン変位機構15が短縮状態にあり)、かつ、操作ノブを操作しないとき(操作ノブが上記初期位置に位置し、ロック手段40がロック状態にあるとき)、オットマン32は図1、図2に示すように水平方向に対して略直交する状態に保持される。
乗客が手等で操作ノブを操作する(上記操作位置に移動させる)ことによりロック手段40がアンロック状態になると、バネ手段67の回転付勢力によって折畳状態にあったバネ手段側リンク機構57(及びロック手段側リンク機構48)が伸張するので、バネ手段側リンク機構57(及びロック手段側リンク機構48)の動きに連動して、短縮状態にあったオットマン変位機構15が前方に伸張する。そしてオットマン32が所望の位置(使用領域の任意の位置)に到達したときに乗客が操作ノブへの操作力を解除すると(操作ノブが初期位置に戻ると)、ロック手段40の上記バネの付勢力によってロック手段40がロック状態に復帰するので、ロック手段40によってオットマン32が当該所望位置に保持される。
またオットマン32が当該所望位置に移動した後に、操作ノブを操作することによりロック手段40をアンロック状態にした上で、バネ手段67の付勢力に抗してオットマン32を後方に押圧すると、オットマン変位機構15が短縮してオットマン32が格納位置側に移動する。そしてオットマン32が格納位置まで移動したときにロック手段40をロック状態に戻せば、オットマン32を格納位置に保持できる。
【0023】
上記したようにバネ手段67の弾性変形量(回転付勢力)は、バネ手段側リンク機構57が図1に示す折畳状態にあるとき(オットマン32が格納位置に位置するとき)に最大となるので、オットマン32が格納位置に位置するときにロック状態にあったロック手段40をアンロック状態に切り換えると、バネ手段67が発生する大きな回転付勢力がバネ手段側リンク機構57(及び、ロック手段側リンク機構48、オットマン変位機構15)に及ぶことになる。しかしオットマン32が格納位置に位置するときのバネ手段側リンク機構57による当該回転付勢力の伝達効率は最も小さいので、格納位置において静止していたオットマン32がバネ手段67の強い付勢力によって急激に使用領域側に移動することはない。
その一方で、バネ手段側リンク機構57は最大伸張状態に近づくにつれて徐々に伝達効率を高めるので、(バネ手段側リンク機構57が最大伸張状態に近づくにつれてバネ手段67の回転付勢力が徐々に低下するものの)オットマン32を前端位置まで円滑に(素早く)移動させることが可能である。
【0024】
次いでパワー式オットマン装置70について説明する。
オットマン装置70は、マニュアル式オットマン装置13から固定部14A、ロック手段40、回転レバー45、操作ワイヤ46、バネ手段側リンク機構57、取付用ブラケット66、及び、バネ手段67を取り除き、代わりに固定部14C、ロック手段71、及び、モータユニット77を取り付けた構造である。
固定部14Cには円弧状をなす3つの結合孔14C1が穿設してある。
ロック手段71は周知技術である所謂タウメル式のロック手段(リクライニングロック装置)であり、その右側面に突設した円弧状の嵌合突部72aを各結合孔14C1に嵌合した状態で固定部14Cに固定した円盤状のベースプレート72と、ベースプレート72の左側に位置しかつベースプレート72に対して相対回転可能な内歯歯車73(回転部)と、ベースプレート72に固定した状態で、ベースプレート72と内歯歯車73の間の空間に配置した外歯歯車(図示略)と、内歯歯車73の中心部を相対回転可能に貫通しかつ外歯歯車の中央部に対して固定した、左右方向に延びる回転駆動軸75と、を具備している。内歯歯車73の内周面全域には、外歯歯車の外歯ギヤよりもギヤ数の多い(ロック手段40の内歯ギヤとほぼ同数)内歯ギヤが形成してある。回転駆動軸75が自身の軸線回りに回転しないとき、外歯歯車の外歯ギヤが内歯歯車73の内歯ギヤの一部に噛合するので、ロック手段71は内歯歯車73がベースプレート72に対して回転不能なロック状態となる。一方、回転駆動軸75が自身の軸線回りに正転又は逆転すると、外歯歯車が外歯ギヤの内歯ギヤに対する噛合位置を変えながら回転するので、内歯歯車73がベースプレート72に対して時計方向又は反時計方向に回転する。
固定部14Bの右側面にはモータユニット77が固定してある。モータユニット77はモータ78(駆動源)を有しており、モータ78の上部には、モータ78の出力回転軸に固定したピニオンと連係するギヤ機構を内蔵するギヤケース79が設けてある。
回転駆動軸75の左端部はギヤケース79に形成した接続孔80に相対回転可能に嵌合しており、モータ78の内部において上記ギヤ機構と連係している。従って、図示を省略したスイッチをON操作(正転操作又は逆転操作)することによりバッテリ(図示略)からモータ78に電力を供給すると、モータ78が正逆両方向に回転し回転駆動軸75が自身の軸線回りに正逆両方向に回転する。一方、該スイッチをOFF操作すると、バッテリからモータ78への電力の供給が遮断されるのでモータ78が回転を停止する。
【0025】
続いてオットマン装置70の動作について説明する。
オットマン32が図9に示す格納位置に位置し(オットマン変位機構15が短縮状態にあり)、かつ、上記スイッチがOFF位置にあるとき、オットマン装置70がロック状態となるので、オットマン32は図9に示すように水平方向に対して略直交する状態に保持される。
乗客が上記スイッチをON操作(正転操作)することにより回転駆動軸75が自身の軸線回りに正転すると、内歯歯車73がベースプレート72に対して正転(図9、図10の時計方向に回転)するので、折畳状態にあったロック手段側リンク機構48が伸張し、短縮状態にあったオットマン変位機構15が前方に伸張する。このようにパワー式オットマン装置70のロック手段側リンク機構48は、自身の回転力をオットマン変位機構15(連結軸16)へ伝達して、オットマン変位機構15を伸張(及び短縮)させる機能を有している。そしてオットマン32が所望の位置(使用領域の任意の位置)に到達したときに乗客が上記スイッチをOFF操作すると、ロック手段71がロック状態に復帰するので、オットマン32が当該所望位置に保持される(図10参照)。
一方、オットマン32が使用領域の任意の位置に位置するときに、上記スイッチをON操作(逆転操作)すると回転駆動軸75が自身の軸線回りに逆転する。すると内歯歯車73がベースプレート72に対して逆転(図9、図10の反時計方向に回転)するのでロック手段側リンク機構48が短縮する。そしてオットマン32が格納位置に復帰すると、バッテリからモータ78への電力供給が遮断されるので、ロック手段71はロック状態となり、オットマン32は格納位置に保持される(図9参照)。
【0026】
以上説明したように本実施形態のオットマン装置13、70は、ロック手段40、71をロック手段側リンク機構48を介してオットマン変位機構15に接続しているので、ロック手段40、71をオットマン変位機構15の周辺(側面視においてオットマン変位機構15と重なる部分とは異なる場所)に配置できる。そのため(一般的に狭い空間しか存在しない)オットマン変位機構15と重なる部分にロック手段40、71を配置する場合に比べて、ロック手段40、71を簡単に取り付けることが可能である。
さらにパワー式オットマン装置70の場合にロック手段71をオットマン変位機構15の周辺に配置しているので、ロック手段71と連係するモータユニット77もオットマン変位機構15の周辺に配置することになる。そのためオットマン変位機構15と重なる部分にモータユニット77を配置する場合に比べて、マニュアル式オットマン装置13からパワー式オットマン装置70への設計変更を容易に行うことが可能である。
さらにマニュアル式オットマン装置13の場合は、ロック手段40及びバネ手段67をリンク機構(ロック手段側リンク機構48、バネ手段側リンク機構57)を介してオットマン変位機構15に接続しているので、ロック手段40及びバネ手段67をオットマン変位機構15の周辺(側面視においてオットマン変位機構15と重なる部分とは異なる場所)に配置できる。そのためオットマン変位機構15と重なる部分(狭い空間しか存在しない部分)にロック手段40及びバネ手段67を配置する場合に比べて、ロック手段40及びバネ手段67を簡単に取り付けることができる。
またオットマン装置13は、固定部14Bとバネ手段側リンク機構57の間にバネ手段67を設けているので、固定部14A、14Bを車両用シート10に対して固定するだけで車両用シート10に対して取り付けることが可能である。そのためオットマン32を移動付勢するバネ手段67を具備する構造でありながら、車両用シート10側への取り付けを容易に行うことが可能である。
さらにオットマン32を使用領域まで移動させた後に乗客がオットマン32に足を載せると、足の重みがオットマン32とオットマン変位機構15を通じて第3リンク53に掛かるものの、第3リンク53(結合用凹部54)を連結軸16の軸線方向の中央部(オットマン変位機構15の該軸線方向の中央部)に固定してあるので、第3リンク53を連結軸16の軸線方向の端部(オットマン変位機構15の該軸線方向の端部)に接続した場合に比べて、ロック手段側リンク機構48はこの重みを確実に受け止めることが可能である。またパワー式オットマン装置70の場合には、モータ78の駆動力を、ロック手段側リンク機構48を介してオットマン変位機構15に対して左右均等に伝達できるので、オットマン変位機構15を円滑に動作させることが可能である。
【0027】
またロック手段側リンク機構48及びバネ手段側リンク機構57を3つのリンク(第1リンク50、第2リンク51、及び、第3リンク53と、第1リンク58、第2リンク60、及び、第3リンク62)によって構成しているので、ロック手段40をロック状態に切り換えたときにオットマン32(及びオットマン変位機構15)を不動状態に維持できるという利点がある。即ち、変形可能なオットマン変位機構15と固定部14A、14Bとを接続するリンク機構は2つのリンクを利用して構成することも可能であるが、2つのリンクによってリンク機構を構成する場合は(相対回転可能に接続した一方のリンクを固定部14A、14B側に接続し、他方のリンクをオットマン変位機構15側に接続する場合は)、一方のリンクに取り付けたピンを、他方のリンクに穿設した長孔に相対移動可能に嵌合することになるので、ロック手段40をロック状態に切り換えたときに、オットマン32(及びオットマン変位機構15)が長孔とピンの隙間分だけガタついてしまう。
【0028】
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を施しながら実施可能である。
例えば固定部14A(14C)と固定部14Bを一体化することにより、一つの部材によって固定部を構成してもよい。
また、ゼンマイ式のバネ手段67とはタイプの異なるバネ手段(例えばコイルバネ、板バネ等)を固定部とバネ手段側リンク機構の間に設けてもよい(これらのバネ手段の両端部を固定部とバネ手段側リンク機構にそれぞれ接続してもよい)。さらに付勢手段としてガスダンパを利用し、ガスダンパの両端部(シリンダとスライドロッド)を固定部とバネ手段側リンク機構にそれぞれ接続してもよい。
さらに取付用ブラケット66を省略して、固定部14Bに一体的に形成した突部にバネ手段の一端を係止してもよい。
さらにオットマン変位機構15を、リンクの数や配置或いは各リンクの具体的形状を変更することにより別の構造からなるリンク機構としてもよい。
また、連結軸16や固定部側上部リンク17に、ロック手段側リンク機構48の構成要素である第3リンク53や、付勢手段側リンク機構の構成要素である第3リンク62に相当するリンク(突片)を一体的に成形してもよい。またベースプレート42に、ロック手段側リンク機構48の構成要素であるブラケット49(第1リンク50)を一体的に形成してもよい。また内歯歯車73(回転部)に、ロック手段側リンク機構48の構成要素であるブラケット49(第1リンク50)を一体的に形成してもよい。
【0029】
また第3リンク53(結合用凹部54)を、オットマン変位機構15における連結軸16の軸線方向の中央点や中央点よりやや左側に固定してもよい。
ロック手段40のギヤプレート41とベースプレート42を、ロック手段側リンク機構を介して、オットマン変位機構15とオットマン32にそれぞれ接続したり、固定部14Aとオットマン32にそれぞれ接続してもよい。
さらにパワー式オットマン装置70におけるロック手段側リンク機構48の各リンクの形状を、マニュアル式オットマン装置13におけるロック手段側リンク機構48の各リンクとは別形状としてもよい。
さらに、マニュアル式オットマン装置13の場合に、ギヤプレート41の内歯ギヤの歯数と同じ数の位置にオットマン32を選択的に保持できる上記ロック手段40の代わりに、保持位置が少ないロック手段を利用してもよい。この種のロック手段は、例えば、オットマン変位機構15とオットマン32の一方に形成した複数のロック溝と、他方に設けた各ロック溝に対して選択的に係脱可能なロックピンと、により構成できる。
【符号の説明】
【0030】
10 車両用シート
11 シートクッション
13 マニュアル式オットマン装置
14A 固定部
14A1 結合孔
14B 固定部
14C 固定部
14C1 結合孔
15 オットマン変位機構
16 連結軸
17 固定部側上部リンク
17a 結合用凹部
18 固定部側下部リンク
20 回転接続ピン
21 オットマン側後部リンク
22 23 回転接続ピン
24 オットマン側前部リンク
25 回転接続ピン
32 オットマン
33 ベース板
35 クッション
37 回転接続ピン
39 回転接続軸
40 ロック装置
41 ギヤプレート
42 ベースプレート
43 回転中心軸
45 回転レバー
46 操作ワイヤ
48 ロック手段側リンク機構
49 ブラケット
50 第1リンク(ロック手段側リンク)
51 第2リンク(中間リンク)
52 連結ピン
53 第3リンク(変位機構側リンク)
54 結合用凹部
55 連結ピン
57 バネ手段側リンク機構
58 第1リンク
59 連結ピン
60 第2リンク
61 連結ピン
62 第3リンク
63 結合用凹部
64 連結ピン
66 取付用ブラケット(固定部)
67 バネ手段(付勢手段)
70 パワー式オットマン装置
71 ロック手段
72 ベースプレート
72a 嵌合突部
73 内歯歯車(回転部)
75 回転駆動軸
77 モータユニット
78 モータ(駆動源)
79 ギヤケース
80 接続孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両シートに固定する固定部と、
該固定部に接近する格納位置と、該固定部から離間する使用領域との間を移動可能なオットマンと、
上記固定部に接続すると共に上記オットマンを支持する、上記オットマンを上記格納位置と上記使用領域とに移動させるオットマン変位機構と、
手動操作手段と駆動源を選択的に着脱可能で、該手動操作手段の操作力又は該駆動源の駆動力によって該オットマン変位機構の動作を規制するロック状態と規制解除するアンロック状態とに切り替わるロック手段と、
上記ロック手段と上記オットマン変位機構を連結するロック手段側リンク機構と、
を備え、
上記ロック手段が、上記アンロック状態にあるときに回転可能な回転部を有し、
上記ロック手段側リンク機構が、
上記ロック手段の上記回転部と一緒に回転するロック手段側リンクと、
該ロック手段側リンクに回転可能に接続する中間リンクと、
上記オットマン変位機構の動作と一体で回転し、かつ上記中間リンクに回転可能に接続する変位機構側リンクと、
を備えることを特徴とする車両シート用オットマン装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両シート用オットマン装置において、
上記オットマン変位機構が、上記固定部に対して回転可能に支持される連結軸を有し、
上記変位機構側リンクが、上記連結軸の軸線方向における上記オットマン変位機構の中央部において上記連結軸に固定状態で接続する車両シート用オットマン装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−94299(P2013−94299A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237952(P2011−237952)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(590001164)シロキ工業株式会社 (610)