説明

車両制御システム、車両制御装置及び車両制御方法

【課題】乗用車のドア及びドアロックの制御に関し、特に、多様な場面を想定して事故を回避することを可能とする車両制御システム、車両制御装置及び車両制御方法を提供する。
【解決手段】ボディECU1は、車載LAN8を介して接続されている既存のスイッチ類(21〜23)、及びセンサ類(31,32)、並びに他の制御装置(4,5)から複数の情報を取得し、運転者が停車させたはずであるにも拘わらず、乗用車が動き出す可能性が有るか否かを判断し、動き出す可能性がある場合には、処置が必要であると判断してドアロックモータ6を作動させて強制的に施錠させ、運転者を車外に出させないようにするか、警報装置7から警報を発せさせるか、又はブレーキが自動的にかかるように制御情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車のドア及びドアロックの制御に関し、特に、停車時の多様な場面を想定した総合的なインテリジェンスな判断により事故を回避することを可能とする車両制御システム、車両制御装置及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車はAT(Automatic Transmission)車が主流となっている。AT車はクリープ現象を持つという特性を有しており、アクセルが踏まれていなくとも発進することから、稀に停車時に事故を引き起こす場合がある。
【0003】
例えば、運転者がエンジンをかけたまま、且つシフトレバーをドライブポジションにし、更にパーキングブレーキをかけることなく降車した場合、車両は勝手に発進するから衝突事故を起こす危険性が高い。
【0004】
また、AT車ではクラッチ操作が不要であるから、運転席に着座していなくとも、開いたドアの外又は他の席からアクセルペダル、ブレーキべダルを踏み込むこともでき、事故が発生する場合もある。
【0005】
例えば、以下のような事故の報告例がある。有料駐車場には入口の発券装置にて駐車券を発行するものがある。運転者は乗用車に乗ったまま発券装置から駐車券の発行を受けるが、当該駐車場の発券装置の前の通路は、駐車場内に向けて上り坂であった。運転者は、発券装置の前に乗用車を停車させたが、停車位置が発券装置から離れており、運転席の窓から発券口まで手が届かなかったのでドライブポジションとしたま一時的に降車して駐車券を受け取った。しかしながら、パーキングブレーキがかけられていなかったのか、又はかけ方が不足していたのか、乗用車は坂を後退し始めた。運転者が乗用車の後退を食い止めるべく車外からアクセルペダルを踏み込んだところ乗用車は急加速して前進し、運転者は頭を打った。
【0006】
上述の事故における乗用車の安全設計上の問題点は、シフトレバーがドライブポジションであるにも拘わらず運転者が降車できること、即ちドアロックが解錠されていることであると考えられる。また、坂道で乗用車が動き出す状況にあるにも拘らず運転者が降車できることも問題である。パーキングブレーキでは乗用車を停めきれない場合でも運転者が降車できることも問題であり、運転者が運転席に着座していないにも拘らずアクセルペダルを踏み込むことができ、更にそのアクセルペダルの踏み込みによって発進されることが問題である。
【0007】
乗用車は勿論安全設計がされた上で生産されるものであるが、上述の事故のように想定されない操作がされた場合に、これを回避することは困難である。
【0008】
このような問題に対し、過去にはパーキングブレーキ(サイドブレーキ)及びドアロックに関する制御として、特許文献1及び2に開示されているような技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭62−268749号公報
【特許文献2】実開昭62−082664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1及び2に開示されている技術では、車両の状況によっては危険を回避することができない。特許文献1では、パーキングブレーキのオン/オフの情報のみを条件として降車可であるか否かが判断される。この構成では、パーキングブレーキのかかり方が弱く、クリープ現象又は傾斜によって乗用車が発進する可能性があるときには危険を回避することができない。特許文献2では、シフトポジションがパーキングへ変更されタイミングでドアロックを解除し、運転者の手間を軽減する。しかしながらこの構成では、ドライブポジションのまま運転者がドアロックを手動で解除することを妨げることはできない。
【0011】
このように、従来の方法では停車時になされるべき処置が不足する可能性がある。より高性能に、坂道であるか、車速がどれほどであるかなどの多様な条件に対応させた処置が必要である。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、多様な場面を想定して事故を回避することを可能とする車両制御装置、車両制御システム及び車両制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係る車両制御システムは、乗用車に搭載される複数の車載機器と、該複数の車載機器から情報を取得し、取得した情報に基づき前記複数の車載機器の内のいずれかを制御する制御装置とを含む車両制御システムにおいて、前記制御装置は、複数の異なる車載機器から取得した複数の情報に基づき、停車時の処置の要否を判断する判断手段と、該判断手段が要と判断した場合に前記処置の内容を指示する情報を作成する作成手段と、作成した情報を前記複数の車載機器の内のいずれかへ出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係る車両制御システムは、前記複数の車載機器は、ドアロックの施錠/解錠を検知するドアロックセンサ、ギアシフト装置におけるシフトポジションを検知する手段、及び車速を測定する車速センサであり、前記制御装置の前記判断手段は、前記ドアロックセンサからの情報に基づきドアロックが解錠された場合に、シフトポジションがパーキング以外であるとき、又は、前記車速センサから取得した車速が車両が動いていると判断されるべき速度以上であるとき、処置を要と判断するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係る車両制御システムは、前記複数の車載機器は、乗用車のギアシフト装置におけるシフトポジションを検知する手段、パーキングブレーキのオン/オフを検知する手段、車両の水平面又は鉛直方向からの傾きを検知するセンサ、及び運転席ドアの開閉を検知するドアセンサであり、前記制御装置の前記判断手段は、前記シフトポジションがパーキング及びニュートラル以外である場合、又は、前記シフトポジションがニュートラルであり、且つ、前記パーキングブレーキがオフであり、且つ、前記センサが検知した傾きが所定角度以上である場合、前記ドアセンサが開を検知したときに処置を要と判断するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
第4発明に係る車両制御システムは、前記複数の車載機器は、運転者が着座しているか否かを検知する着座センサ、車速を測定する車速センサ、及び運転席ドアの開閉を検知するドアセンサであり、前記制御装置の前記判断手段は、前記着座センサからの情報に基づき運転者が着座しておらず、且つ、前記車速センサから取得した車速が、車両が動いていると判断されるべき速度以上であり、且つ、前記ドアセンサが開を検知した場合に処置を要と判断するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
第5発明に係る車両制御システムは、前記作成手段は、安全制御情報としてドアロックを施錠させる指示情報を作成するようにしてあり、前記出力手段は、ドアロックを施錠/解錠をさせるドアロックモータへ作成した指示情報を出力するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
第6発明に係る車両制御システムは、前記作成手段は、ブレーキの作動を要求する情報を作成するようにしてあり、前記出力手段は、前記自動的にブレーキを作動させる装置へ前記情報を出力するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
第7発明に係る車両制御システムは、運転者への警報を発する警報手段を備え、前記判断手段が要と判断した場合、前記警告手段から警報を発せさせるようにしてあることを特徴とする。
【0020】
第8発明に係る車両制御装置は、乗用車に搭載される車載機器から取得した情報に基づき車載機器を制御する車両制御装置において、複数の異なる車載機器から取得した複数の情報に基づき、停車時の処置の要否を判断する判断手段と、該判断手段が要と判断した場合に前記処置の内容を指示する情報を作成する作成手段と、作成した情報を前記複数の車載機器の内のいずれかへ出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
第9発明に係る車両制御方法は、乗用車に搭載される複数の車載機器と、該複数の車載機器から情報を取得し、取得した情報に基づき前記複数の車載機器の内のいずれかを制御する制御装置とを含む車両制御システムにて前記制御装置が、前記複数の車載機器の内のいずれかの動作を制御する方法において、前記制御装置は、複数の異なる車載機器から取得した複数の情報に基づき、停車時の処置の要否を判断し、要と判断した場合に前記処置の内容を指示する情報を作成し、作成した情報を前記複数の車載機器の内のいずれかへ出力することを特徴とする。
【0022】
本発明では、乗用車に搭載される複数の車載機器に接続されてこれらを制御する制御装置が、各車載機器からの単一の情報でなく、複数の異なる機器から取得した複数の情報に基づいて総合的に、乗用車が停車されたときの処置の必要性を判断し、必要である場合に処置の内容を指示する情報を作成して出力する。これにより、単一の情報から単一の車載機器へ指示を出力するよりも総合的な判断で多様な場面での処置を実現することが可能となる。
【0023】
本発明では、複数の車載機器がドアロックセンサ、シフトポジションを検知する機器、車速センサである場合、制御装置はこれらの機器から得られるドアロックの施錠/解錠の情報、シフトポジションの情報、及び車速の情報に基づき総合的に判断し、シフトポジションがパーキングでなく、又は車両が動いていると判断できる程度の速度であるにも拘らず、ドアロックが解錠されたときには、処置の内容を指示する指示情報を作成して各対象装置へ出力する。
ここで情報は例えば、再度ドアロックを施錠させるか、又は、自動的にブレーキを作動させるか、更には警告音及び警告の表示を行なうこと即ち警報を指示する情報である。
これにより、パーキングブレーキがかかっていたとしても、シフトポジションがパーキングでなく、乗用車が坂の上又は途中などの傾斜面に停車していて動き出す可能性がある場合に、運転者が降車しようとドアロックを解錠したときには危険だと総合的に判断して処置を実行させることができる。
【0024】
本発明では、複数の車載機器がシフトポジションを検知する機器、パーキングブレーキのオン/オフを検知する機器、車両の傾きを検知するセンサ、及び運転席ドアの開閉を検知するドアセンサである場合、制御装置はこれらの機器から得られるシフトポジションの情報、パーキングブレーキのオン/オフの情報、傾きの情報、及びドアの開閉の情報に基づき総合的に判断し、シフトポジションがパーキングでもニュートラルでもない場合に、ドアが開けられようとしたときには、車両が動き出す可能性が高いためこれを回避させるべく指示情報を作成して出力する。又は、各情報に基づき総合的に判断し、シフトポジションがニュートラルであってパーキングブレーキがオフであり、更に乗用車が坂の上又は途中などの傾斜面に停車していて動きだす可能性がある場合に、運転者が降車しようとドアを開けようとしたときには総合的に、危険である可能性があると判断して停車時に行なわれるべき処置を実行させることが可能となる。
【0025】
本発明では、複数の車載機器が運転者の着座センサ、車速センサ、及び運転席ドアの開閉を検知するドアセンサである場合、制御装置はこれらの機器から得られる運転者が運転席に着座しているか否か、車速の情報、及び運転席ドアが開けられたか否かに基づき、運転者が自力でブレーキを作動させることができないにも拘わらず、車両が動き出したときに、車両を停止させるべく指示情報を作成して出力する。運転席ドアが閉まっている場合は、運転者が腰を浮かせた無理な体勢で運転している可能性があるが、運転席ドアが開けられたときは外部から開けられている可能性が高く、その場合に処置が行なわれることが望ましい。これにより、自動的にブレーキを作動させるか、単純に警報を発するかなどの停車時の処置を実行させることが可能となる。なおこのとき、車両の傾きを検知するセンサなどを併用してもよい。
【0026】
本発明では、運転者が乗用車を停車させたつもりであっても乗用車が動き出す可能性があるときに、運転者が降車できないようにドアロックを施錠させる。これにより、運転者は、乗用車が動き出さないように処置を行なうように促され、危険が回避される。なお、ドアロックが自動的に強制施錠されて、緊急時に運転者が脱出できなくなることを回避するため、緊急時には強制施錠が解除されることが望ましい。
【0027】
本発明では、運転者が乗用車を停車させたつもりであっても乗用車が動き出す可能性があるときに、乗用車を自動的に停車させることができるようにブレーキを作動させる。これにより、運転者の停車処置が不十分であっても乗用車が動き出すことを回避できる。
【0028】
本発明では、運転者が乗用車を停車させたつもりであっても乗用車が動き出す可能性があるときに、運転者へ警報が発せられる。これにより、運転者は、乗用車が動き出さないように処置を行なうように促され、危険が回避される。なお警報は、ドアロックの自動施錠又は自動ブレーキが実行されると共に行なわれてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明による場合、運転者が乗用車を停車させたつもりであっても乗用車が動き出す可能性があるか否かが、単一の情報ではなく複数の異なる車載機器からの複数の情報に基づき総合的に判断され処置が実行される。したがって、停車時の安全制御に関する判断をインテリジェンスに行なうことができ、多様な危険な場面を想定して事故を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施の形態におけるボディ系制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のボディECUの内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態のボディECUの制御部による安全制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態のボディECUの制御部による安全制御処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態のボディECUの制御部による安全制御処理の他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるボディ系制御システムの構成を示すブロック図である。ボディ系制御システムは、乗用車のドアの開/閉、ドアロックの施錠/解錠、ランプ類のオン/オフなどの所謂ボディ系のアクチューエータの動作制御をECU(Electronic Controller Unit)、各種センサ、及びスイッチで連携して行なう。
【0033】
実施の形態1におけるボディ系制御システムは、ボディECU1と、パーキングブレーキ検知スイッチ(以下、スイッチはSWと略す)21、ドア開閉検知SW22、及びドアロックポジション検知SW23などのスイッチ類と、着座センサ31及び傾斜センサ32などのセンサ類と、メータECU4及びギアシフト装置5などの走行制御装置と、制御対象の内の1つであるドアロックモータ6と、運転者への警告を行う警報装置7と、これらが接続される車載LAN(Local Area Network)8とを含んで構成される。
【0034】
ボディECU1、スイッチ類(21〜23)、センサ類(31,32)、走行制御装置(4,5)、ドアロックモータ6及び警報装置7はいずれも、車載LAN8に接続されている。実施の形態1では、各装置はいずれも通信機能を備え、車載LAN8で採用される通信プロトコルCANに基づき情報を相互に送信又は受信する。勿論、スイッチ類、及びセンサ類はボディECU1へジカ線にて接続されている構成であってもよい。
【0035】
なお、車載LAN8における通信プロトコルはCANに限らず、FlexRay(登録商標)、LINなどの通信プロトコルでもよい。また、実施の形態1ではCANに基づく車載LAN8に、全ての装置が接続されて通信を行なう構成としたが、勿論、本発明はこれに限らず、車載LAN8は複数の異なるネットワークに分けられ、夫々異なる通信プロトコルにて通信するようにしてもよい。例えば走行制御装置は、制御系のネットワークに接続されており、その他の装置はボディ系のネットワークに接続され、異なるネットワークはGW(Gate Way)を介して送受信が可能となるように構成されており、ボディECUは走行制御装置からGWを介して車速、シフトポジションなどの走行制御に関する情報を取得し、ボディ系装置の制御に用いる。
【0036】
ボディECU1は、車載LAN8を介して受信する各車載機器からの情報に基づき、例えば、ドアロックモータ6などの車載機器を制御する情報を対象の車載機器へ出力する。ボディECU1にて実行される処理内容の詳細は後述する。
【0037】
パーキングブレーキ検知SW21は、パーキングブレーキのオン/オフを検知する。ドア開閉検知SW22は、運転席のドアの開閉を検知する。ドアロックポジション検知SW23は、運転席のドアロックが施錠されているか、解錠されているかを検知する。ボディECU1が300ミリ秒などの一定期間毎に、各スイッチの状態を取得する。なお、各スイッチがいずれも、オンからオフ、オフからオン、開から閉、閉から開、施錠から解錠、解錠から施錠へと状態が変化したタイミングでこれを検知し、ボディECU1へ送信するようにしてもよい。
【0038】
着座センサ31は、運転者の着座の有無を検知する。着座センサ31は、運転者シート内部に備えられた圧電素子等を用いたスイッチでもよいし、赤外線又は画像処理によって運転者の有無を判断してもよい。傾斜センサ32は、車両の水平面からの傾きを検知し、傾きの情報をボディECU1へ送信する。
【0039】
メータECU4には車速センサが接続しており、メータECU4は車速センサから車速情報を取得し、運転者が確認するメータへ表示させる制御を行なうと共に、車速情報を必要とするボディECU1へ車速情報を送信する。なお、車速センサが車載LAN8へ直接に車速情報を送信するようにしてもよい。
【0040】
ギアシフト装置5は、オートマティックトランスミッションを実現する。ギアシフト装置5はシフトレバーと接続されており、シフトポジションを検知する。ギアシフト装置5は、シフトポジションに基づきギアシフトを実行すると共に、シフトポジションをボディECU1及びメータECU4へ送信する。
【0041】
ドアロックモータ6は、ドアロックの施錠/解錠を実現するロック機構を動作させるモータであり、ボディECU1から送信される指示情報に基づき動作する。基本的に、ボディECU1は、車速が15km/hなどの一定速度以上となったか、又は100mなどの一定距離以上を走行したことに連動してドアロックモータ6へ施錠を指示する情報を送信する。
【0042】
警報装置7は、警報用のスピーカ及びランプ又はモニタを有し、運転者への警報を通知する。警報装置7は、ボディECU1から警報を指示する情報を受信した場合、スピーカから危険を通知するブザー又は音声を出力させ、ランプを点灯させるか又はモニタに、ボディECU1から送信された内容を示す文字情報を表示する。
【0043】
図2は、本実施の形態のボディECU1の内部構成を示すブロック図である。ボディECU1は、制御部10と、記憶部11と、一時記憶部12と、通信部13とを備える。
【0044】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を用い、後述の記憶部11に記憶してある制御プログラム1Pを読み出して実行するこちにより、車両制御装置として動作する。
【0045】
記憶部11は、フラッシュメモリ、マスクROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)又はEEPROM(Electrically EPROM)などの不揮発性メモリを用いる。記憶部11には、コンピュータを車両制御装置として動作させる制御プログラム1Pが記憶されていると共に、制御に用いられる閾値などが設定されて記憶されてある。
【0046】
一時記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic RAM)などの揮発性メモリを用い、制御部10の処理によって発生する情報を一時的に記憶する。
【0047】
通信部13は、ネットワークコントローラ機能を有し、車載LAN8を介した他の車載機器との情報の送受信を実現する。
【0048】
このように構成されるボディ系制御システムにて、ボディECU1にて判断される安全制御処理の例をフローチャートを参照して説明する。
【0049】
1つ目の例としてまず、ボディECU1は、停車された車両が動き出す可能性があり、シフトポジションがパーキングでない場合に、運転者が降車しようとしたときにこれを妨げるべくドアロックを強制的に自動施錠する処置を行なう。
【0050】
図3は、本実施の形態のボディECU1の制御部10による安全制御処理の一例を示すフローチャートである。制御部10は、記憶部11に記憶されている制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、以下の処理を10ミリ秒が経過する都度繰り返して実行する。10ミリ秒に限定されないことは勿論である。
【0051】
制御部10は、ドアロック強制施錠中であるか否かを示すロック中フラグのオン/オフを判断する(ステップS101)。後述のステップに示すように、ドアロック強制施錠中である場合、ロック中フラグはオンにセットされ、ドアロック強制施錠中でない場合はロック中フラグはオフにセットされている。
【0052】
制御部10は、ステップS101にてロック中フラグがオンであると判断した場合(S101:YES)、ドアロック強制施錠中の期間を測定するためのロック中カウントを1つ加算する(ステップS102)。制御部10は、ステップS101にてロック中フラグがオフであると判断した場合(S101:NO)、ステップS102をスキップして処理を次に進める。
【0053】
次に制御部10は、ロック中カウントは10秒以上を示すか否かを判断する(ステップS103)。図3のフローチャートに示す処理は、上述したように10ミリ秒間隔で繰り返されるから、ロック中カウントが1000以上であれば10秒以上経過したことになる。したがって、図3の例では、ステップS103で制御部10は具体的には、ロック中カウントは1000以上であるか否かを判断する。
【0054】
制御部10は、ロック中カウントが10秒以上を示すと判断した場合(S103:YES)、ロック中フラグをオフにセットし(ステップS104)、ロック中カウントをゼロリセットし(ステップS105)、処理を次のステップS106へ進める。なお、制御部10は、ステップS103でロック中カウントが10秒未満を示すと判断した場合(S103:NO)、ステップS104及びS105をスキップして処理をステップS106へ進める。
【0055】
制御部10は、ギアシフト装置5からシフトポジションの情報を取得し(ステップS106)、メータECU4から車速情報を取得し(ステップS107)、更に、ドアロックポジション検知SW23からドアロックのポジションが施錠に対応する位置にあるか解錠に対応する位置にあるかの情報を取得する(ステップS108)。
【0056】
制御部10は、ステップS106で取得したシフトポジションが「P(パーキング)」以外であり、且つ、ステップS107で取得した車速情報が示す車速が1km/h以上であり、且つドアロックが「解錠」されているか否かを判断する(ステップS109)。ステップS109にてドアロックが「解錠」されたか否かは、ステップS101〜ステップS112の処理が繰り返される中で、ドアロックのポジションが前回は施錠に対応する位置であったにも拘わらず、今回解錠に対応する位置に変化した場合に、「解錠された」と判断する。
【0057】
制御部10は、ステップS109の判断で条件を満たすと判断した場合(S109:YES)、警報を通知させるべく制御信号を作成して通信部13から警報装置7へ出力し(ステップS110)、次に、ロック中フラグはオフであるか否かを判断する(ステップS111)。制御部10は、ロック中フラグはオフであると判断した場合(S111:YES)、ドアロックを施錠させるべく制御信号を作成して通信部13からドアロックモータ6へ出力し(ステップS112)、ロック中フラグをオンとし(ステップS113)、1回の処理を終了する。なお制御部10は、その後10ミリ秒経過するとステップS101〜S113の処理を再度実行する。
【0058】
制御部10は、ステップS109にて、否と判断した場合(S109:NO)、1回の処理をそのまま終了し、その後10ミリ秒経過するとステップS101〜S113の処理を再度実行する。
【0059】
また制御部10は、ステップS111にて、オンであると判断した場合(S111:NO)、処理を終了し、その後10ミリ秒経過するとステップS101〜S113の処理を再度実行する。
【0060】
このように、図3のフローチャートに示した処理を制御部10が実行することにより、シフトポジションがパーキング以外で車速が1km/h以上となった場合にはドアロックを強制させる信号が10ミリ秒毎に出力される。したがって、手動でドアロックを解錠したとしても直ぐさまドアロックされ、運転者は運転席のドアを開けることができない。この間に運転者は、シフトレバーがパーキングでないこと、乗用車が進む可能性があることを認識できるから、シフトレバーをパーキングに変更し、パーキングブレーキを確かめて乗用車が進む危険がないかを判断するという動作を行なうことができる。
【0061】
更に、図3のフローチャートに示す処理では、ドアロック強制施錠の処理が開始されてから10秒以内に、再度ドアロックが手動で解除されようとした場合には、緊急脱出の可能性があることから、ドアロックを強制施錠しない。これにより、事故が発生して緊急脱出が望まれる時に、運転者が開けられるはずのドアが開けられないという状況は回避される。
【0062】
なおステップS112のドアロックを強制施錠させる制御信号の出力に代替して、自動的にブレーキが作動されるべく制御部10が制御信号を作成し、通信部13からブレーキ制御装置へ出力する構成としてもよい。ただしこのとき、取得した車速が急ブレーキにならない程度の速度であると判断できるときに行なう。これにより、シフトポジションがパーキング以外であるときにドアがアンロックされた場合には、ブレーキを自動的に作動させて危険な発進を回避することも可能である。
【0063】
2つ目の例では、ボディECU1は、停車した道が傾斜しており、乗用車が動き出す可能性がある場合に運転者が降車しようとしたときにこれを妨げるべく警報を発する処置を行なう。
【0064】
図4は、本実施の形態のボディECU1の制御部10による安全制御処理の一例を示すフローチャートである。制御部10は、記憶部11に記憶されている制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、以下の処理を実行する。
【0065】
制御部10は、ギアシフト装置5からシフトポジションの情報を取得し(ステップS201)、パーキングブレーキ検知SW21からパーキングブレーキのオン/オフの情報を取得し(ステップS202)、傾斜センサ32から車両の傾きを測定した傾斜角度の情報を取得し(ステップS203)、ドア開閉検知SW22からドアの開閉の情報を取得する(ステップS204)。
【0066】
制御部10は、イグニッションスイッチがオンであり、且つ、ステップS201で取得したシフトポジションが「1(ファーストギア)」、「2(セカンドギア)」、「D(ドライブ)」又は「R(リバース)」であるか(「P」及び「N(ニュートラル」以外)否かを判断する(ステップS205)。つまり制御部10は、乗用車が動き出す可能性が有るか否かを判断する。
【0067】
一方、制御部10は、イグニッションスイッチがオフであるか、又は、シフトポジションが「1」「2」「D」又は「R」でないと判断した場合(S205:NO)、ステップS201で取得したシフトポジションが「N」であり、且つ、ステップS202で取得したパーキングブレーキの情報がオフであり、且つ、ステップS203で取得した傾斜角度が0.1°以上であるか否かを判断する(ステップS206)。なお、ステップS206では傾斜角度を0.1°としたが、数字は例であって、乗用車が自然に動き出す角度に設定し、記憶部11に記憶しておけばよい。当該傾斜角度は車種などによって異なる。
【0068】
制御部10は、シフトポジションが「N」であり、且つ、パーキングブレーキがオフであり、且つ傾斜角度が0.1°以上であると判断した場合(S206:YES)、処理をステップS207へ進める。制御部10は、シフトポジションが「N」でなく、又は、パーキングブレーキがオンであるか、又は傾斜角度が0.1°未満であると判断した場合(S206:NO)、処理をステップS201へ戻す。
【0069】
制御部10は、イグニッションスイッチはオンであり、シフトポジションが「1」「2」「D」又は「R」であると判断した場合(S205:YES)、及び、シフトポジションが「N」であり、且つ、パーキングブレーキがオフであり、且つ傾斜角度が0.1°以上であると判断した場合(S206:YES)、ステップS204で取得した情報に基づき、ドアが開けられたか否かを判断する(ステップS207)。
【0070】
制御部10は、ステップS207でドアが開けられたと判断した場合(S207:YES)、警報装置7から警報(ランプ点灯及びブザー鳴)を発せさせるべく制御情報を作成して通信部13から警報装置7へ出力し(ステップS208)、処理を終了する。
【0071】
制御部10は、ステップS207でドアが開けられていないと判断した場合(S207:NO)、処理をステップS201へ戻す。
【0072】
以上の処理は、車速が所定の速度例えば1km/h以下に低下した場合に実行される条件としてもよいし、その後、運転者が着座されていることが着座センサ21から確認できた上で車速が15km/h以上となったときには、ステップS206がNOであった場合に繰り返される処理を中断するようにしてもよい。
【0073】
図4のフローチャートに示した処理手順をボディECU1が実行することにより、運転者が乗用車を停車させたつもりで降車しようとしたときに、当該乗用車が動き出す可能性があるときに、運転者へ警報が発せられる。これにより、運転者は、乗用車が動き出さないように改めて処置を行なうように促され、危険が回避される。
【0074】
なお、図4のフローチャートに示した処理手順にて、ステップS206でシフトポジションが「N」であり、且つ、パーキングブレーキがオフであり、且つ傾斜角度が0.1°以上であると判断した場合(S206:YES)、図3のフローチャートに示したステップS110〜S112の処理を実行し、ドアロックを強制施錠するように処理してもよい。このとき、図3のフローチャートに示したように、緊急脱出の際に対応できるようにロック中フラグ及びカウントを用いて10秒以内に再度ドアロックが解除されようとした場合にはドアロックを強制施錠しない。
【0075】
その他、自動的にブレーキをかけるようにボディECU1からブレーキ制御装置へ制御情報を送信するようにしてもよい。
【0076】
3つ目の例では、ボディECU1は、シフトポジションによらず、運転者が運転席にいないにも拘らず、乗用車が動き出した場合に、乗用車を止めるべく自動的にブレーキを作動させる処置を行なう。
【0077】
図5は、本実施の形態のボディECU1の制御部10による安全制御処理の他の一例を示すフローチャートである。制御部10は、記憶部11に記憶されている制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、以下の処理を実行する。
【0078】
制御部10は、着座センサ31から着座の有無の情報を取得し(ステップS301)、運転者が着座しているか否かを判断する(ステップS302)。制御部10は、運転者が着座していると判断した場合(S302:YES)、処理を終了する。
【0079】
制御部10は、ステップS302で運転者が着座していないと判断した場合(S302:NO)、メータECU4から車速情報を取得する(ステップS303)。制御部10は、車速が1km/h以上であるか否かを判断する(ステップS304)。
【0080】
制御部は、ステップS304で車速が1km/h未満であると判断した場合(S304:NO)、処理をステップ301へ戻す。このとき、着座センサ31から運転者が着座したと判断できるまで処理を繰り返す。
【0081】
制御部10は、ステップS304で車速が1km/h以上であると判断した場合(S304:YES)、運転者が着座していない可能性があるので、警報装置7から警報(ランプ点灯及びブザー鳴)を発せさせるべく制御情報を作成して通信部13から警報装置7へ出力し(ステップS305)。
【0082】
制御部10は、ドア開閉検知SW22からドアの開閉の情報を取得し(ステップS306)、ドアが開いているか否かを判断する(ステップS307)。制御部10は、ドアが開いていると判断した場合(S307:YES)、運転者がおらず、外部からブレーキをかけることは危険であるので処置が必要であると判断して図示しないブレーキ制御装置へ向けて自動的にブレーキを作動させるべく制御情報を作成して通信部13から出力し(ステップS308)、処理を終了する。
【0083】
制御部10は、ステップS307にてドアが開いていないと判断した場合(S307:NO)、運転者が腰を浮かせた無理な体勢で運転している可能性があり、強制的にブレーキをかけるまでもないのでそのまま処理を終了する。
【0084】
図5のフローチャートに示した処理手順をボディECU1が実行することにより、運転者が乗用車を停車させたつもりで車外に出た後に、乗用車が動き出したときに、乗用車を自動的に停車させることができる。運転者がパーキングブレーキをかけ忘れて車外へ出たときに、坂道又はクリープ現象で乗用車が前進又は後進することを回避できる。
【0085】
なお、図5のフローチャートに示した処理手順は、パーキングブレーキをかけることなくイグニッションスイッチがオフとされたときでも動作するように、ボディECU1及びブレーキ制御装置が待機状態でも実行されるようにすることが望ましい。
【0086】
本実施の形態に示したように、ボディECU1が車載LAN8に本来、様々な用途で接続されている既存のセンサ類、スイッチ類又は他のECU(制御装置)からの情報を用い、停車時に処置が必要か否かを総合的に判断することができる。これにより、運転者が乗用車を停車させたつもりであっても乗用車が動き出す可能性があるか否かが、総合的にインテリジェンスに判断でき、多様な危険な場面を想定して事故を回避することができる。
【0087】
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
1 ボディECU(制御装置)
10 制御部(制御装置)
11 記憶部
21 パーキングブレーキ検知SW
22 ドア開閉検知SW
23 ドアロックポジション検知SW
31 着座センサ
32 傾斜センサ
4 メータECU(車速取得手段)
5 ギアシフト装置(シフトポジションを検知する手段)
6 ドアロックモータ
8 車載LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車に搭載される複数の車載機器と、該複数の車載機器から情報を取得し、取得した情報に基づき前記複数の車載機器の内のいずれかを制御する制御装置とを含む車両制御システムにおいて、
前記制御装置は、
複数の異なる車載機器から取得した複数の情報に基づき、停車時の処置の要否を判断する判断手段と、
該判断手段が要と判断した場合に前記処置の内容を指示する情報を作成する作成手段と、
作成した情報を前記複数の車載機器の内のいずれかへ出力する出力手段と
を備えることを特徴とする車両制御システム。
【請求項2】
前記複数の車載機器は、ドアロックの施錠/解錠を検知するドアロックセンサ、ギアシフト装置におけるシフトポジションを検知する手段、及び車速を測定する車速センサであり、
前記制御装置の前記判断手段は、前記ドアロックセンサからの情報に基づきドアロックが解錠された場合に、シフトポジションがパーキング以外であるとき、又は、前記車速センサから取得した車速が車両が動いていると判断されるべき速度以上であるとき、処置を要と判断するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項3】
前記複数の車載機器は、乗用車のギアシフト装置におけるシフトポジションを検知する手段、パーキングブレーキのオン/オフを検知する手段、車両の水平面又は鉛直方向からの傾きを検知するセンサ、及び運転席ドアの開閉を検知するドアセンサであり、
前記制御装置の前記判断手段は、
前記シフトポジションがパーキング及びニュートラル以外である場合、又は、前記シフトポジションがニュートラルであり、且つ、前記パーキングブレーキがオフであり、且つ、前記センサが検知した傾きが所定角度以上である場合、前記ドアセンサが開を検知したときに処置を要と判断するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項4】
前記複数の車載機器は、運転者が着座しているか否かを検知する着座センサ、車速を測定する車速センサ、及び運転席ドアの開閉を検知するドアセンサであり、
前記制御装置の前記判断手段は、前記着座センサからの情報に基づき運転者が着座しておらず、且つ、前記車速センサから取得した車速が、車両が動いていると判断されるべき速度以上であり、且つ、前記ドアセンサが開を検知した場合に処置を要と判断するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項5】
前記作成手段は、安全制御情報としてドアロックを施錠させる指示情報を作成するようにしてあり、
前記出力手段は、ドアロックを施錠/解錠をさせるドアロックモータへ作成した指示情報を出力するようにしてあること
を特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の車両制御システム。
【請求項6】
前記作成手段は、ブレーキの作動を要求する情報を作成するようにしてあり、
前記出力手段は、前記自動的にブレーキを作動させる装置へ前記情報を出力するようにしてあること
を特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の車両制御システム。
【請求項7】
運転者への警報を発する警報手段を備え、
前記判断手段が要と判断した場合、前記警告手段から警報を発せさせるようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車両制御システム。
【請求項8】
乗用車に搭載される車載機器から取得した情報に基づき車載機器を制御する車両制御装置において、
複数の異なる車載機器から取得した複数の情報に基づき、停車時の処置の要否を判断する判断手段と、
該判断手段が要と判断した場合に前記処置の内容を指示する情報を作成する作成手段と、
作成した情報を前記複数の車載機器の内のいずれかへ出力する出力手段と
を備えることを特徴とする車両制御装置。
【請求項9】
乗用車に搭載される複数の車載機器と、該複数の車載機器から情報を取得し、取得した情報に基づき前記複数の車載機器の内のいずれかを制御する制御装置とを含む車両制御システムにて前記制御装置が、前記複数の車載機器の内のいずれかの動作を制御する方法において、
前記制御装置は、
複数の異なる車載機器から取得した複数の情報に基づき、停車時の処置の要否を判断し、
要と判断した場合に前記処置の内容を指示する情報を作成し、
作成した情報を前記複数の車載機器の内のいずれかへ出力する
ことを特徴とする車両制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−235709(P2011−235709A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107516(P2010−107516)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)