説明

車両拘束装置

【課題】シャシーダイナモメータ全体の省スペース化を図るとともに、車両拘束時の安定性及び試験の計測精度を保証する車両拘束装置を提供する。
【解決手段】シャシーダイナモメータ上に載置した試験車両10の前方及び後方に支柱14を立設し、各支柱と試験車両10との間に拘束部材17を張架することで試験車両10を拘束する車両拘束装置において、拘束部材17の一端に支柱14と連結するための滑車18を設け、この滑車18が支柱14の上下において固定されたベルと16と係合するようにすることで、滑車18を支柱14に対して上下動可能となるようにし、試験車両10の上下動に追従し得るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャシーダイナモメータ上に載置された車両を拘束する車両拘束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等を始めとする車両の性能試験において、シャシーダイナモメータが使用されている。この種の車両性能試験ではシャシーダイナモメータ上に試験車両をセットし、実走試験を模して所定の走行パターンで車両試験を擬似運転することにより、燃費・馬力性能等、種々の性能特性の計測が可能となる。
【0003】
図6は、性能試験のためにシャシーダイナモメータ上に試験車両をセットした様子を示す図である。図6において、性能試験の対象となる試験車両60は、その車輪がローラ61に載置されている。支柱62は試験車両60の前後方向の床面において配置固定されており、ワイヤやベルト等でなる拘束部材63は、支柱62と試験車両60とを連結する。
【0004】
以上のように試験車両60の性能試験をするに際しては、試験車両60の前後の車輪を、ローラ61上にそれぞれ載置する。この状態において、拘束部材63により試験車両60を前後から拘束し、試験車両60の飛び出し等を防止するとともに、試験車両60の車輪をローラ61のセンタに設定保持する。
【0005】
ここで、拘束部材63による拘束に際しては、まず試験車両60側の拘束部材63の固定部の高さと、支柱62側の拘束部材63の固定部62aとの高さを調整し、拘束部材63を支柱62と試験車両60との間において水平に張架できるようにする。なお、支柱62は固定部62aと螺着しており、固定部62aが支柱62の上下に移動可能なように構成されている。これにより、高さ調整時に固定部62aを上下に移動させて、性能試験時に高さ調整位置に固定できるようになっている。そして、拘束部材63の両端をそれぞれ支柱62及び試験車両60の固定部に固定し、例えばラチェット等でなる巻き取り具64により拘束部材63のたるみを調整するようにし、試験車両60を拘束する。
【0006】
シャシーダイナモメータにおいては、上述のように試験車両60をセットし、性能試験を開始するが、試験車両60を試験走行させた際、試験車両60はその加減速により、ピッチング方向において上下に揺動する。この場合、拘束部材63はピッチング動作に応じて水平に対して斜め上方又は斜め下方に引っ張られ、拘束部材63には試験車両60の上下動に伴う垂直方向の力(垂直分力)が生じることになる。この垂直分力は試験車両60の自由な上下動を阻害し、車両拘束の安定性に影響を及ぼしたり、試験の計測精度に影響を及ぼしたりする。
【0007】
従来、上記のような拘束部材63に生じる垂直分力に対する対策が講じられている。例えば、試験車両60と支柱62との間の距離をなるべく長くして、試験車両60の上下動に伴う支柱62と試験車両60との高低差により生じる拘束部材63の水平となす角度を小さくするようにし、拘束部材63に生じる垂直分力を小さくするようにする手法等がある。
【0008】
なお、この種のシャシーダイナモメータにおける車両の拘束機構に関する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−306122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来のように、車両と支柱との間の距離を長くするようにして、車両の上下動を阻害する垂直分力を抑制する手法では、長さを確保するためのスペースが必要であり、設備全体が大規模になってしまうという問題があった。また、車両と支柱との間の距離を長くしたところで、車両の上下動を阻害する垂直分力を皆無にすることは実質的に不可能であり、車両拘束時の安定性及び試験の計測精度に少なからず影響を及ぼしてしまう。
【0011】
更に、車両を拘束するための拘束部材は車両の加減速時に受ける力に応じて伸びが生じるが、この伸びは拘束部材の長さに比例して、即ち長いほど伸びが大きくなる。そのため長い拘束部材を用いる場合には、その伸びに起因して、車両拘束時の安定性の点で不利にならざるを得ない。
【0012】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、シャシーダイナモメータ全体の省スペース化を図るとともに、車両拘束の安定性及び試験の計測精度を保証する車両拘束装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車両拘束装置は、シャシーダイナモメータ上に載置した試験車両の前方及び後方に支柱を立設し、各支柱と前記試験車両との間に拘束部材を張架することで前記試験車両を拘束する車両拘束装置であって、前記拘束部材の一端に前記支柱と連結するための支点を有し、該支点を前記支柱に対して上下動可能に構成し、前記支点が前記試験車両の上下動に追従し得るようにしたことを特徴とする。
また、本発明の車両拘束において、前記支点に滑車を設けるとともに、前記支柱に沿って上下両端が固定されたベルトを付設し、前記滑車が前記ベルトと係合するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の車両拘束装置において、前記滑車は、前記ベルトの両端部固定点を焦点とする楕円軌道に沿って、前記ベルト上を転動することを特徴とする。
また、本発明の車両拘束装置において、前記拘束部材上の適所に配され、前記拘束部材の長さを調整する第1の長さ調整手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の車両拘束装置において、前記ベルトの長さを調整する第2の長さ調整手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の車両拘束装置において、前記支柱は、垂直に立設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、拘束部材の一端の支点を試験車両の上下動に伴い、上下に移動可能とし、該支点が試験車両の上下動に追従することで、拘束部材の水平状態が維持される。これにより結果として、シャシーダイナモメータ全体の省スペース化を図るとともに、車両拘束の安定性及び試験の計測精度の保証を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明による車両拘束装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る車両拘束装置を説明する平面図及び側面図である。図1において、性能試験の対象となる試験車両10は、その車輪がローラ11に載置されている。ローラ11は、床面12の下方に設けられたピット13内において回転可能に支持されており、その頂部が床面12から露出する。床面12にはローラ11の露出のための開口が設けられており、ピット13内にはローラ11の回転軸と結合し、ローラ11に対し負荷を与えて各種走行条件を設定可能とする不図示の動力計(モータ)等が配される。
【0016】
支柱14は、床面12上の試験車両10の前後において1対ずつ計4本配置固定され、それぞれは試験車両10の前後斜方に位置し、垂直に立設される。支柱14には、一定長のベルト16が固定されており、その上端は支柱14の上部において固定され、下端は支柱14の下部において固定される。また、ベルト16の長さは、支柱14におけるベルト16の両端固定点間距離よりも長く設定されている。
【0017】
拘束部材17は、支柱14と試験車両10とを連結し、試験車両10の飛び出し等を防止する。拘束部材17は例えばナイロン製の幅広ベルト等でなり、その一端には滑車18が設けられベルト16を介して支柱14と結合する。拘束部材17の他端は試験車両10の掛止部15と結合する。
【0018】
滑車18は、拘束部材17の一端に回転自在に設けられており、拘束部材17による車両拘束時にベルト16に係合して、支柱14側の支持支点となるとともに、ベルト16上を回転移動(転動)可能となるように構成される。なお、滑車18は、拘束部材17に設けられた固定具19を介して拘束部材17と結合しており、固定具19は滑車18の回転軸を軸支する。また、巻き取り具20は、拘束部材17上の適所に配されており、例えばラチェット式緊締具等で構成され、拘束部材17のたるみを調整可能であり、これにより、拘束部材17を十分に張架することが可能となる。なお、巻き取り具20は、本発明でいう第1の長さ調整手段の一構成例に対応する。
【0019】
上記のような構成において、本発明による車両拘束装置では、拘束部材17を介して、支柱14と試験車両10とを連結し試験車両10を拘束する。具体的には、試験車両10の車輪をローラ11上に載置した状態において、ベルト16と拘束部材17の一端に設けられた滑車18とを係合させて、拘束部材17の他端を試験車両10の掛止部15に固定し、拘束部材17を支柱14と試験車両10との間で水平に横架するようにする。そして巻き取り具20により拘束部材17のたるみを調整して水平に張架し、試験車両10の飛び出しを防止するとともに、試験車両10の車輪をローラ11のセンタに設定保持して拘束する。
【0020】
このような本発明による車両拘束装置の作用について図2を用いて説明する。図2は、試験車両10が性能試験のための走行を開始した状態における本発明による車両拘束装置の車両拘束状態を示す図である。図2(a)は、試験車両10が停止した状態又は一定の速度で走行している状態を示しており、図2(b)は、試験車両10が加速した状態を示している。なお、本図においては、試験車両10の前方をFrと示す。
【0021】
図2(a)においては、拘束部材17は支柱14と試験車両10との間で水平状態を維持している。図2(b)においては、試験車両10のフロント側(前輪側)が停止状態又は一定速度の状態に比して浮き上っており(矢印A方向)、試験車両10の拘束部材17との掛止部15が上方に移動し、拘束部材17が斜め上方に引っ張られ、拘束部材17において垂直分力が働くことになる。
【0022】
図3を用いて、試験車両10の加速時における拘束部材17の様子を詳細に説明する。図3において拘束部材17を固定する試験車両10の掛止部15は、試験車両10の加速時には試験車両10の重心点Gを中心とする円弧方向(矢印C方向)へ向けて上方に移動しようとする。一方、拘束部材17は一定長固定のため、掛止部15に固定された拘束部材17の端部は、滑車18の軸を中心とする円弧方向(矢印C'方向)へ向けて移動しようとする。このように、試験車両10の掛止部15により拘束部材17の端部が位置的に制約されつつ移動するため、拘束部材17は試験車両10によって斜め上方に引っ張られることになる。つまり、拘束部材17には、図3に参照されるような水平に対して傾斜する引っ張り力Fが働き、それに伴い垂直分力Fvが働くこととなる。
【0023】
以上のように拘束部材17に垂直分力が働いた場合、本発明による車両拘束装置では、図2(b)の矢印B方向に、拘束部材17の一端に設けられた滑車18が引っ張られることになり上方向に転動し、図2(b)に参照されるように試験車両10の掛止部15の高さと同一となった際に停止するように作用する。そして、試験車両10の加速状態が継続し、フロント側(前輪側)が浮き上がった状態が継続するような場合には、加速前の状態よりも高い位置において拘束部材17の水平状態が維持され、加速後一定速度となった場合には、試験車両10のフロント側(前輪側)は加速時の上体よりも下がることになり、滑車18は下方向に転動し、加速時の状態よりも低い位置において拘束部材17の水平状態が維持されることになる。なお、試験車両10が減速した場合には、試験車両10のフロント側(前輪側)は停止状態又は一定速度の状態に比して下がることになるが、この際は、滑車18は下方向に転動することになる。このように本発明による車両拘束装置は、試験車両10の上下動に伴い、滑車18、即ち支点が上下に移動し追従することで、拘束部材17の水平状態が自動的に維持される機構を有している。
【0024】
ここで、ベルト16の長さの設定について説明する。上述したように、ベルト16は一定長であり、その両端を2定点で固定され、その長さは支柱14におけるベルト16の両端固定点間距離よりも長く設定されている。このベルト16の長さは、ベルト16の2定点を焦点とする楕円の楕円軌道上に沿って滑車18がベルト16上を円滑に転動するように設定される(図4参照のこと)。このように滑車18が楕円軌道に沿って転動するようにベルト16の長さ設定をすることで、滑車18がベルト16上を転動し易くなり、試験車両10の上下動に伴う、転動の追従性が向上する。なお、ベルト16の長さ設定は、拘束部材17を引っ張る力の垂直分力(図3の例であれば、垂直分力Fv)が滑車18とベルト16との間に生じる摩擦力を上回る範囲で設定するようにすればよい。また、滑車18が転動する軌道を、楕円軌道上に沿ったものとすることで、図4に参照されるように滑車18の上下動に伴う前後方向の変位量を少なくすることができる(滑車18の実線と点線を比較のこと)。これにより、拘束部材17の前後方向の長さが上下動の影響によらず略一定となるため、結果的にたるみを抑えることができる。
【0025】
以上のように本発明の第1の実施の形態に係る車両拘束装置では、拘束部材17の一端に設けた滑車18を介して試験車両10を支柱14に固定し、この滑車18が試験車両10の上下動に伴い、上下に移動可能となり、試験車両10の上下動に追従するようにすることで、試験車両10の加減速により拘束部材17において生じる試験車両10の上下動を阻害する垂直分力を避けることができる。即ち、滑車18は試験車両10の上下動により拘束部材17に垂直分力が生じた場合に自動的に上下に移動するため、常に拘束部材17の水平状態を維持するように作用する。よって、拘束部材17の長さによらず、即ち拘束部材17を短く抑えても、試験車両10の加減速等による上下動により従来のような拘束部材17で生じていた垂直分力を避けることができ、支柱14と試験車両10との間の距離を短くすることが可能である。つまり結果として、シャシーダイナモメータ全体の省スペース化を図ることができる。また、拘束部材17を短く抑えることで、拘束部材17において生じる伸びを抑えることができるため、伸びによる車両拘束時の安定性及び試験における計測精度への影響を小さくすることができる。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に本発明による車両拘束装置の第2の実施の形態を説明する。図5は、第2の実施の形態に係る車両拘束装置を説明する図である。なお、第1の実施の形態と重複する部位に関しては同符号で示し、説明を省略する。
【0027】
図5において、30は巻き取り装置であり、床面上の支柱14近傍に配されており、支柱14の頂部に設けられた滑車31に巻回されたベルト16を巻き取る装置である。本実施の形態に係る車両拘束装置では、ベルト16が支柱14の頂部に設けられた滑車31を介して巻き取り装置30まで延伸する。このような構成を有することで、拘束部材17の張架を容易にすることができる。なお、巻き取り装置30は、本発明でいう第2の長さ調整手段の一構成例に対応する。
【0028】
詳細に説明すると、本実施の形態に係る車両拘束装置においても、試験車両の車輪をローラ上に載置した状態において、ベルト16と拘束部材17の一端に設けられた滑車18とを係合させて、拘束部材17の他端を試験車両の掛止部に固定し、拘束部材17を支柱14と試験車両との間で水平に横架するようにする。ここで、拘束部材17のたるみを、巻き取り装置30によりベルト16を巻き取ることで調整する。これにより、拘束部材17を水平張架の状態とすることができる。なお、その後の性能試験時における試験車両の上下動に伴う、滑車18による水平状態の維持機構は第1の実施の形態と同様である。
【0029】
また、シャシーダイナモメータにおいては、様々な機種の試験車両を性能試験するが、支柱14から試験車両までの距離は車種に応じて固有の値をとる。本実施の形態に係る車両拘束装置によれば、このような固有の値に適切に対応することができる。つまり、例えば支柱14までの距離が長くなってしまうような小型車両の場合は図3の二点破線で示すように試験車両に近い側で拘束部材17を支持するようにすることができ、支柱14までの距離が短い大型車両の場合は図3の実線で示すように支柱14に近い側で拘束部材17を支持するようにすることができる。
【0030】
以上のように本発明の第2の実施の形態に係る車両拘束装置では、支柱14の近傍に配された巻き取り装置30により、滑車18を介して拘束部材17と係合するベルト16を巻き取り、拘束部材17のたるみを調整するようにした。これにより、試験車両の拘束作業が容易になる。また、試験車両の車種の違いによって拘束部材17の支持点を変更して試験車両を拘束することができるため、シャシーダイナモメータを大規模にすることなく、大型車両から小型車両まで柔軟に対応できる。
【0031】
なお、本発明による車両拘束装置は、以上で説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施の形態においては、拘束部材17の一端を滑車18を介して支柱14のベルト16に係合し、滑車18が拘束部材17の支柱14側の支点となるようにしたが、例えばベルト16と嵌合しベルト16上を摺動するようなスライダ等を用いて、このスライダを拘束部材17の一端に設け、拘束部材17の支柱14側の支点となるようにしてもよい。
【0032】
また、上述の実施の形態においては、試験車両10の上下動に伴って、上下動する拘束部材17の支点を支柱14側に設ける構成としたが、このような上下動可能な支点を試験車両側に構成するようにしてもよい。この場合、試験車両10側においてベルト16と同様のベルトを設け、このベルトに滑車が係合するようにすればよい。
【0033】
また、上述の実施の形態においては、支柱14を、試験車両の前後において1対ずつ計4本配置固定し、それぞれが試験車両10の前後斜方に位置するようにしたが、本発明による車両拘束装置は、これと異なる支柱の配置であっても有効に利用することができる。
【0034】
また、上述の実施の形態においては、支柱14を所定の位置において垂直に立設するようにしたが、垂直でなくても構わない。支柱14試験車両10に対して前傾又は後傾させて立設した場合であっても、滑車18は傾いた楕円軌道上に沿って転動することになり、試験車両10の上下動に伴って滑車18が上下動する作用に特に影響を及ぼすものではない。但し、傾きが大きくなり過ぎると、拘束部材17に生じる垂直分力と、滑車18とベルト16との間に生じる摩擦力との関係において滑車18の追従性が変化するため、この点を考慮して傾きを設定するのが好ましい。
【0035】
また、第2の実施の形態においては、巻き取り装置30を床面上の支柱14の近傍に配するようにしたが、例えば支柱14上に配置し、滑車31を直接駆動して巻き取るような構成であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による車両拘束装置の第1の実施の形態を説明する図である。
【図2】本発明による車両拘束装置の車両拘束状態を説明する図である。
【図3】試験車両加速時における、本発明による車両拘束装置に含まれる拘束部材の様子を説明する図である。
【図4】本発明による車両拘束装置に含まれる滑車の動作を説明する図である。
【図5】本発明による車両拘束装置の第2の実施の形態を説明する図である。
【図6】シャシーダイナモメータ上に試験車両をセットした様子を示す図であり、従来の車両拘束装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0037】
10 試験車両
11 ローラ
12 床面
13 ピット
14 支柱
15 掛止部
16 ベルト
17 拘束部材
18 滑車
19 固定具
20 巻き取り具
30 巻き取り装置
31 滑車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシーダイナモメータ上に載置した試験車両の前方及び後方に支柱を立設し、各支柱と前記試験車両との間に拘束部材を張架することで前記試験車両を拘束する車両拘束装置であって、
前記拘束部材の一端に前記支柱と連結するための支点を有し、該支点を前記支柱に対して上下動可能に構成し、前記支点が前記試験車両の上下動に追従し得るようにしたことを特徴とする車両拘束装置。
【請求項2】
前記支点に滑車を設けるとともに、前記支柱に沿って上下両端が固定されたベルトを付設し、前記滑車が前記ベルトと係合するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両拘束装置。
【請求項3】
前記滑車は、前記ベルトの両端部固定点を焦点とする楕円軌道に沿って、前記ベルト上を転動することを特徴とする請求項2に記載の車両拘束装置。
【請求項4】
前記拘束部材上の適所に配され、前記拘束部材の長さを調整する第1の長さ調整手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項5】
前記ベルトの長さを調整する第2の長さ調整手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両拘束装置。
【請求項6】
前記支柱は、垂直に立設されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両拘束装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−74940(P2009−74940A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244397(P2007−244397)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000145806)株式会社小野測器 (230)