車両整備用リフト
【課題】 本発明は、リフトテーブルの一時的な上昇(仮り上昇)を不要として、使い勝手に優れた車両整備用リフトを提供するものである。
【解決手段】 本発明は、左右一対の昇降装置部110と、これにより昇降される各リフトテーブル120と、車両進入方向のピットP側縁部に踏板130を有してなる車両整備用リフト100において、リフトテーブル120に進退自在に収納されるスライドテーブル140を設け、踏板130の底面側に進退自在に収納でき、かつ、スライドテーブル140と連携されるスライド踏板150を設け、リフトテーブル120の上昇時に生じる昇降装置部110側と踏板130間の空スペースを、リフトテーブル120の上昇に連動してスライド踏板150を進出させて塞ぐリフトにあり、これにより、リフトテーブル120の一時的な仮り上昇が不要となるため、優れた使い勝手が得られる。
【解決手段】 本発明は、左右一対の昇降装置部110と、これにより昇降される各リフトテーブル120と、車両進入方向のピットP側縁部に踏板130を有してなる車両整備用リフト100において、リフトテーブル120に進退自在に収納されるスライドテーブル140を設け、踏板130の底面側に進退自在に収納でき、かつ、スライドテーブル140と連携されるスライド踏板150を設け、リフトテーブル120の上昇時に生じる昇降装置部110側と踏板130間の空スペースを、リフトテーブル120の上昇に連動してスライド踏板150を進出させて塞ぐリフトにあり、これにより、リフトテーブル120の一時的な仮り上昇が不要となるため、優れた使い勝手が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両整備工場などのピット内に適宜収納できる車両整備用リフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、図15に示すように、車両整備用リフト10として、不使用時には、装置本体を整備工場などのピット(穴)P内に収納させておき、略工場床面と同一レベルとする一方、使用時には、この収納状態から、一対の昇降装置部11(一方を図示省略、以下同じ)の駆動により、両リフトテーブル12(一方を図示省略、以下同じ)を上昇させて、このリフトテーブル12により、整備対象の車両Cを持ち上げる方式のリフトが提案されている。
【0003】
この方式の車両整備用リフトでは、不使用時、整備工場などの床面がフラットな状態として使用でき、装置本体が邪魔にならないなどの利点が得られる。また、その分整備工場などの床面積や敷地が狭くてよく、低コスト化が得られる。
【0004】
このような車両整備用リフト10において、車両Cのリフトアップポイント(A点、B点)間の長さが、車種によって、即ち、車両Cのホイールベースによって異なる。
例えば、車両Cのリフトアップポイント間の長さが、リフトテーブル12の長さ以内に納まる場合には、リフトテーブル12の対応するリフトアップポイント部分に、先ず、必要により、アタッチメント(ゴムなどの弾性体)12a、12aを取り付ける。
この後、これらのアタッチメント12a、12aを、車両Cのリフトアップポイント部分に当接させるようにして、リフトテーブル12を上昇させている。
なお、13は通常ピットPの車両進入方向のピット側縁に設けられる踏板で、工場床面と略同一レベル(フラット)としてある。
【0005】
しかしながら、対象車両のホイールベースが長いと、当然リフトアップポイント(A点、B点)間の長さも長くなる。この長さが、リフトテーブル12の長さより長くなると、例えば、図16に示すように、これに対応するため、リフトテーブル12側に進退自在なスライドテーブル14を設けたものが提案されている。
【0006】
このスライドテーブル14を備えたリフトでは、ピットPの踏板13との干渉をさけるため、リフト使用時、少なくとも一旦リフトテーブル12を工場床面上に少々上昇させ、この状態で、スライドテーブル14を引き出している。
そして、この引き出されたスライドテーブル14のリフトアップポイントのB点側にアタッチメント12aを取り付け、他方のアタッチメント12aと共に、車両Cの各リフトアップポイント部分に当接させるようにしている。
このようなスライドテーブルを備えたものとしては、例えば、特許文献1のものを挙げることができる。
【特許文献1】特開2001−39687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記図16のような、車両整備用リフト10では、ホイールベースの長い車両Cに対応する場合、一旦リフトテーブル12を、少々仮り上昇させ、この後、スライドテーブル14を引き出す必要がある。
【0008】
ところが、リフトテーブル12を少々ではあっても、仮り上昇させると、それでなくとも工場床面からの距離があまりない車両底面側にあっては、リフトテーブル12との間隔がさらに狭くなり、作業がやり難くなるという問題があった。
スライドテーブル14を手動で引き出す場合、その引き出しが難しくなる。勿論、アタッチメント12aの取り付け作業などもやり難くなる。
さらに、近年、車両底面を低くした低床タイプの車両が増えているが、このタイプでは、より一層作業性が困難になることは明らかである。車種によっては、対応不可能の場合も生じる。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、ホイールベースの異なる種々の車両に対応するスライドテーブルを備えたタイプのものであるが、スライドテーブルの使用にあたって、リフトテーブルの一時的な上昇(仮り上昇)を不要として、使い勝手に優れた車両整備用リフトを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明は、床面に設けた左右のピットに左右一対の昇降装置部がそれぞれ格納され、当該各昇降装置部により昇降される各リフトテーブルを有し、当該各リフトテーブルに対する車両進入方向のピット側縁部に床面と略同一レベルの踏板を有してなる車両整備用リフトにおいて、
前記リフトテーブルに進退自在に収納されるスライドテーブルを設けると共に、前記踏板の底面側に進退自在に収納でき、かつ、前記スライドテーブルと連携されるスライド踏板を設け、前記リフトテーブルの上昇時に生じる前記昇降装置部側と踏板間の空スペースを、前記リフトテーブルの上昇に連動して前記スライド踏板を進出させることで塞ぐことを特徴とするにある。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記スライド踏板が、前記踏板の床面に対して、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなることを特徴とする請求項1記載の車両整備用リフトにある。
【0012】
請求項3記載の本発明は、スライド踏板の進退機構を、前記昇降装置部の機枠側に設置されて、前記スライド踏板を走行可能に支持する一対の支持レールと、前記スライド踏板の進出方向の先端側に取り付けられて、前記スライドテーブル側の係合部に係止される係止部と、前記昇降装置部の機枠側に組み付けられた概略平行四辺形構造の複数のリンク部材からなるスライドロック機構とで構成し、前記スライド踏板の進退を前記スライドロック機構により制御することを特徴とする請求項2記載の車両整備用リフトにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両整備用リフトによると、メインのリフトテーブルから自在に進退させることができるスライドテーブルと、これと連携されるスライド踏板があるため、整備対象の車両のホイールベースに対応させて、スライドテーブルを進出させ(引き出し)、この段階で、必要により、アタッチメントを取り付けた後、昇降装置部を駆動させて、リフトテーブルを直ちに上昇させることができる。
つまり、上述した従来リフトのような、リフトテーブルの仮り上昇が不要となり、直ちに本格的な上昇が可能となるため、迅速な業性が得られる。
【0014】
また、スライドテーブルの進出(手動など)は、リフトテーブルの上昇前にできるため、整備対象の車両底面側と床面との距離は、一旦リフトテーブルを仮り上昇させる従来方式のリフトに比較して、大きく取れる。
従って、スライドテーブルの引き出し作業や、アタッチメントの取り付け作業などが容易に行える。つまり、作業性の向上が期待できる。特に、低床タイプの車両にあっては、より一層の作業性の向上が期待できる。
【0015】
また、リフトテーブルの上昇時に生じる昇降装置部側と踏板間の空スペースにあっては、そのままであると、危険であるが、スライド踏板がリフトテーブルに連動して自動的に進出して塞ぐため、高い安全性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係る車両整備用リフトの一例になり、リフトテーブルのスライドテーブルを進出させた状態で、装置本体を整備工場などのピット(穴)P内に収納された状態を示し、図2は図1の状態からリフトテーブルを上昇させた状態を示したものである。
図3は図1の車両整備用リフトにおいて、リフトテーブルにスライドテーブルを納めた状態で、整備工場床などのピット内に収納された状態を示し、図4は図3の状態からリフトテーブルを上昇させた状態を示したものである。
【0017】
図中、100は本発明に係る車両整備用リフト、110は床面に設けた左右のピットPにそれぞれ格納される左右一対の昇降装置部、120はこの昇降装置部110の昇降駆動により昇降されるリフトテーブル、130は各リフトテーブル120に対する車両進入方向のピットP側縁に床面と略同一レベルに設けられた踏板、140はリフトテーブル120に進退自在に収納されるスライドテーブル、150は踏板130の底面側にスライドテーブル140に連携して進退自在に収納されるスライド踏板である。
【0018】
上記左右のピットPは、例えば、図5に示すように、車両進入方向APに対して、左右に2個設けられ、そのそれぞれには、図示しないが、左右一対の昇降装置部110、110が、上述した、図1や図3に示す形で格納されるようになっている。
また、左右のピットPの車両進入方向APのピット側縁部には、上述した、床面と略同一レベルに設けられた踏板130、130が敷設してある。
【0019】
上記踏板130は、昇降駆動する昇降装置部110と干渉しない範囲で、ピットPの車両進入方向AP側のピット側縁部を塞ぐためのものである。実際昇降装置部110の構造によっても異なるが、昇降装置部110のリフトテーブル120が、例えば、図2や図4 に示すように、最上段位置に上昇したとき、踏板130があっても、昇降装置部側、即ち、その下端基部と踏板130間には、空スペースが生じる。
この空スペースを塞ぐのが、スライド踏板150であり、これは、スライドテーブル140の繰り出し量(進出量)により異なるが、その全部(図1参照)又は一部が、踏板130の底面側に納められるようになっている。
【0020】
上記昇降装置部110は、図2や図4に示すように、主構成部材であるメインアーム111に対して、従属型の部材となる3個の第1〜第3のサブアーム111a〜cを組み付けて構成してある。つまり、概略平行四辺形型のリフト構造としてある。第1〜第3のサブアーム111a〜cは、例えば、板状の部材として、好ましくは、主構成部材の骨格となるメインアーム111を挟む形で、左右に一対の組みとして設けるとよい。これにより、安定した動作が確保できるからである。
【0021】
上記概略平行四辺形型のリフト構造で、メインアーム111と第1のサブアーム111aが、概略X型に組み付けられていて、第1のサブアーム111aの一方の端部(図2や図4中の下端部)を、ピットP内の一方(車両進入方向APの反対側)の底隅部(図2や図4中の左底隅部)に回動自在に軸着された固定端としてあるため、メインアーム111の一方の端部(図2や図4中の下端部)は、昇降装置部110の昇降駆動時、回転コロなどを介して、ピット底面側を自在に移動できる遊端となる。
このメインアーム111の他方の端部(図2や図4中の上端部)は、回動自在な固定端(軸着端)として、リフトテーブル120の車両進入方向APとは反対方向となる縁部側に軸着してある。また、第3のサブアーム111cの一方の端部(図2や図4中の上端部)は、回転コロなどにより、リフトテーブル120内を自在に移動できる遊端としてある。なお、上記以外のメインアーム111、及び第1〜第3のサブアーム111a〜cにおける各接続部分は、いずれも回動自在な軸着接続としてある。
【0022】
このような構造の昇降装置部110における昇降駆動は、メインアーム111の下端側(図2や図4中の下端側)と、第1のサブアーム111aの上端部(図2や図4中の上端部)との間に設けた昇降用シリンダ160の駆動により行われる。
【0023】
例えば、図1や図3に示す、車両整備用リフト100のピットPへの収納状態において、昇降用シリンダ160を伸長駆動させれば、第1のサブアーム111aの下端部が回動自在な固定端であるため、シリンダロッド161の伸長にしたがって、メインアーム111の下端部が、ピットPの車両進入方向APのピット底縁部側から、図2や図4に示すように、図中左側に移動して、昇降装置部110は、概略平行四辺形型のリフト構造により、上昇する。勿論、これに伴って、リフトテーブル120も上昇する。
【0024】
一方、図2や図4に示す、車両整備用リフト100の上昇状態において、昇降用シリンダ160を収縮駆動させれば、第1のサブアーム111aの下端部は、回動自在な固定端であるため、シリンダロッド161の収縮にしたがって、メインアーム111の下端部が、ピット底面側の上昇位置から、図1や図3に示すように、車両進入方向APのピット底面側、即ち、図中右側に移動して、昇降装置部110は、概略平行四辺形型のリフト構造により、下降し、ピットP内に収納される。勿論、これに伴って、リフトテーブル120も下降する。
【0025】
上記スライドテーブル140は、例えば、図2や図4に示すように、リフトテーブル120の天板下の収縮部121に進退自在に収納させてある。この進退は、手動による、引き出しや押し戻しで行うことができる。なお、電動モータやエア、油圧などのシリンダによる進退機構で行うことも可能である。
【0026】
また、好ましくは、図6、図7に示すように、スライドテーブル140の引き出し状態などを安定して保持できる保持手段122として、例えば、収縮部121側に設けた山谷などの凹凸部122aや、この凹凸部122aに摺動状態で噛み合う同様の山谷などの凹凸部が設けられると共に、スライドテーブル140側に固定されたロックブロック部材122bからなる手段を設けておくとよい。これにより、スライドテーブル140は、任意の位置に安定して保持される。
【0027】
このスライドテーブル140の先端部には、図8に示すように、例えば、上向きのフック部材からなる係合部141が設けてある。この係合部141は、上記スライド踏板150の進出方向の先端側に取り付けられた、例えば、下向きのフック部材からなる係止部151に係止されるようになっている。これらの係合部141及び係止部151の係止(引っ掛け)は、手動で行う。これらの係合部141及び係止部151には、精度的に多少の遊び(余裕)があるため、この引っ掛けは、どちらかを少々上げたり、押し下げたり、或いは、これらの両方を行えば、容易に行うことができる。
【0028】
このスライドテーブル140の場合、例えば、図1に示す車両整備用リフト100のピットPへの収納状態にあっては、スライドテーブル140を全部引き出して、その係合部141を、スライド踏板150側の係止部151に係止させてある。
この状態から、車両整備用リフト100の昇降装置部110を上昇駆動させると、リフトテーブル120が上昇すると同時に、メインアーム111の下端部が、図1中左側に移動するため、後述するように、スライド踏板150は、自動的に左側に繰り出される。
そして、スライド踏板150が、所定量(最大進出量)進むと、リフトテーブル120の上昇に伴って、スライドテーブル140も上昇するため、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151から外れる。
なお、図2の車両整備用リフト100の上昇状態から、昇降装置部110を下降駆動させて、リフトテーブル120を下降させると、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151に上側から係止される。
【0029】
一方、例えば、図3に示す車両整備用リフト100のピットPへの収納状態にあっては、スライドテーブル140の全部が、リフトテーブル120内に収納されていて、その係合部141を、その全部が引き出された状態にあるスライド踏板150側の係止部151に係止させてある。
【0030】
この状態から、車両整備用リフト100の昇降装置部110を上昇駆動させると、リフトテーブル120が上昇すると同時に、メインアーム111の下端部が、図1中左側に移動するが、後述するように、スライド踏板150側が既に全部引き出されていることから、メインアーム111の下端部と関連することなく、スライド踏板150は、そのままの位置を維持する。そして、リフトテーブル120の上昇に伴って、スライドテーブル140も上昇するため、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151から外れる。なお、図4の車両整備用リフト100の上昇状態から、昇降装置部110を下降駆動させて、リフトテーブル120を下降させると、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151に上側から係止される。
【0031】
上記スライド踏板150は、図9〜図12に示すように、固定型の踏板130床面に対して、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなる。
より具体的には、例えば、ほぼピット幅に対応した幅を有する断面箱状(板状なども可)のフレーム体152の複数個(5個)を、蝶番構造部などを介して、接続することにより、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体としてある。
蝶番構造部としては、例えば、図12のように、隣接するフレーム体152間に、互いに嵌め込まれる筒体などの係合部152a、152b、152bを設け、これらを嵌め込んだ後、これらの筒体内にロックピン153を挿入した構造部としてある。
【0032】
このフレーム体152の幅方向の両縁部(端面部)には、例えば、各2個ずつの回転コロ154が設けてあって、一種のトッロコ構造としてある。これらの回転コロ154は、図13に示すように、ピットP内の両縁部で、昇降装置部110の枠体フレームなどの機枠112側に設置された一対の支持レール155、155に支持させてある。
【0033】
支持レール155の長さは、図5や図9〜図11に示すように、踏板130の底面側に収納されるスライド踏板150の長さ+このスライド踏板150が全部繰り出される長さとしてある。約スライド踏板150の長さの2倍としてある。
ただ、この支持レール155の場合、図9〜図11に示すように、踏板130の先端部寄りから、上がりスロープ部分115aを介して、踏板130の前方の露出部分にあっては、少々高めにしてある。これにより、スライド踏板150が進出したとき、その上面高さを、踏板130の床面と略同一レベルとさせることができる。
【0034】
スライド踏板150は、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなるため、支持レール155に、このような多少の上がりスロープ部分115aがあっても、何ら支障なく、支持レール155に沿って、自在に進退することができる。
【0035】
このような構造のスライド踏板150の進退は、例えば、手動による他、昇降装置部110側と連携された概略平行四辺形型の複数のリンク部材156a〜156fからなるスライドロック機構156によって、行われるようになっている。
このスライドロック機構156は、図9〜図11に示す如くである。この機構は、例えば、図13に示すように、好ましくは、昇降装置部110、110の左右の機枠112、112側に組み付けるとよい。これにより、この機構の安定した動作が確保される。
【0036】
上記各リンク部材156a〜156fは、金属製に板材の加工品(鋳物品なども可)からなり、概略平行四辺形型をなすのは、リンク部材156a〜156dで、他のリンク部材156e〜156gは、これらのリンク部材と連携して動作するリンク部材である。
以下、ここで、概略平行四辺形型をなすリンク部材のうち、リンク部材156aは第1のリンク部材、リンク部材156bは第2のリンク部材、リンク部材156cは第3のリンク部材、リンク部材156dは第4のリンク部材と記す。
【0037】
上記第1のリンク部材156aは、概略平板状の長尺片からなり、そのリフトテーブル120側の先端部(図9〜図11中の左側)は、概略L字型のリンク部材156eと軸着させてある。この概略L字型のリンク部材156eは、その上端部(図9〜図11中の上側)を、機枠112側に軸着ピン156e1 などで軸着させる一方、その他端部(図9〜図11中の左側)は、リフトテーブル120側に押圧される押圧部156e2 としてある。また、第1のリンク部材156aに対しては、例えば、バネなどの弾性体157を張設して、常時リフトテーブル120側に張力を掛けてある。
【0038】
第1のリンク部材156aの先端部寄りと後端部(図9〜図11中の右側)には、2個の概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dの上端部(図9〜図11中の上側)が軸着させてある。これらの概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dは、その屈曲部を、機枠112側に軸着ピン156b1 、156d1 などで軸着させてある。
【0039】
また、これらの概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dは、その下端部(図9〜図11中の下側)を、概略コ字型の第3のリンク部材156cの左右の短片側の上端部(図9〜図11中の上側)に軸着させてある。この概略コ字型の第3のリンク部材156cは、図9〜図11に示すように、左右の短片側の中途に設けた上下方向の長穴156c1 、156c1 を介して、機枠112側に軸着ピン156c2 、156c2 などで軸着させてある。つまり、概略コ字型の第3のリンク部材156cは、上記概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dが揺動(回動)したとき、長穴156c1 、156c1 を介して、上下方向へ少々移動(上下動)できるようになっている。
【0040】
この概略コ字型の第3のリンク部材156cの長片部(左右の短片側に挟まれる水平方向部分)には、ほぼその全長に渡る長い長穴156c3 が設けてある。
この長穴156c3 には、概略く字型のリンク部材156fに設けた係合ピン156f1 が噛み合せてある。この概略く字型のリンク部材156fの下向きに屈曲した短片側の下端部(図9〜図11中の右下側)は、ピットPの底面側に摺動自在に当接させてある。この部分には、回転コロ156f2 を設けてもよい。
【0041】
一方、この概略く字型のリンク部材156fのほぼ水平に延びる長片側の先端部(図9〜図11中の左側)には、概略L字型のリンク部材156gのほぼ水平に延びる長片側に設けた山谷の凹凸部などからなる摩擦部156g1 と噛み合う肉厚のブロック部などからなる摩擦部156f3 が設けてある。
つまり、図14に示すように、概略L字型のリンク部材156gの長片側、例えば、その上面に設けた摩擦部156g1 に対して、概略く字型のリンク部材156fのブロック部に、例えば、突出肉厚部156f4 を設け、この部分の上記摩擦部156g1 に対向する面に、やはり山谷の凹凸部などからなる摩擦部156f3 を設けてある。
【0042】
従って、これらの両摩擦部156g1 、156f3 が互いに噛み合ったときには、両リンク部材156g、156fは、適度の摩擦力を持って連結されることになる。
つまり、図10に示すように、リフトテーブル120が上昇して、その先端部(図10中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から離れると、この概略L字型のリンク部材156eが、図10中時計方向に回る。
【0043】
そうすると、第1のリンク部材156aが、図10中左側に移動するため、2個の概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dが、図10中反時計方向に回る。
これにより、概略コ字型の第3のリンク部材156cの長片側が、少々下降する。この第3のリンク部材156cの下降に連動して、係合ピン156f1 を介して、概略く字型のリンク部材156fも少々下降する。このため、図14に示す、このリンク部材156fの摩擦部156f3 が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の摩擦部156g1 に噛み合って連結(ロック)される。この連結の摩擦力(ブレーキ力)は、第1のリンク部材156aを、常時図10中左側に引いている弾性体157の張力に対応する。
【0044】
一方、上記両摩擦部156g1 、156f3 が互いに離間すると、両リンク部材156g、156fの連結(ロック)は、解除されることになる。
上記図10の場合と略逆の動作が行われる。つまり、図9や図11に示すように、リフトテーブル120が上昇前にあって、その先端部(図9や図11中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 を押圧していると、この概略L字型のリンク部材156eは、図9や図11中反時計方向に回る。
【0045】
そうすると、第1のリンク部材156aが、図9や図11中右側に移動するため、2個の概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dが、図9や図11中時計方向に回る。これにより、概略コ字型の第3のリンク部材156cの長片側が、少々上昇する。この第3のリンク部材156cの上昇に連動して、係合ピン156f1 を介して、概略く字型のリンク部材156fも少々上昇する。このため、図14に示す、このリンク部材156fの摩擦部156f3 が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の摩擦部156g1 から離間して、連結(ロック)が解除される。
【0046】
一方、上記概略L字型のリンク部材156gの長片側の一方(図9〜図11中の右側)から上側に延びる垂直片側の先端部は、図13に示すように、例えば、その折曲部と、これに固着されたU字型の軸着部材156g2 と、上記スライド踏板150の進出方向の後端側、例えば、フレーム体152の底面側に設けた軸着ピン152aとを介して、連設させてある。
【0047】
また、この概略L字型のリンク部材156gの長片側の他方(図9〜図11中の左側)から下向き延びる先端部は、例えば、上記メインアーム111の下端部(図9〜図11中の右側、図13中の下側)に設けたロッド軸113の内側(図9〜図11中の左側)にあって、ピットPの底面側に摺動自在に当接させてある。この部分には、回転コロ156g4 を設けてもよい。
【0048】
従って、後述するように、車両整備用リフト100のピットPへの収納状態から、昇降装置部110を昇降駆動させれば、メインアーム111の下端部が、図9〜図11中左側に移動するため、ある時点から、概略L字型のリンク部材156gの下向きの先端部にロッド軸113が当接して、この概略L字型のリンク部材156gを左側に移動されるようになっている。
【0049】
次に、本発明の車両整備用リフト100の動作について説明する。
先ず、車両のホイールベースの長さによって、2箇所のリフトアップポイント間の距離が異なるため、対象車種によって、ピットP内に収納された状態の車両整備用リフト100における、スライドテーブル140の位置が異なる。
【0050】
対象車種のホイールベースが長い場合、即ち、2箇所のリフトアップポイント間の距離が、リフトテーブル120より長いときには、これに対応するため、スライドテーブル140をリフトテーブル120から、適宜引き出して、進出させる必要がある。
一方、対象車種のホイールベースが短い場合、即ち、2箇所のリフトアップポイント間の距離が、リフトテーブル120より短いときには、スライドテーブル140をリフトテーブル120から、特に引き出して、進出させる必要はない。リフトテーブル120内に収納させたままでよい。
【0051】
例えば、上記図1の状態は、対象車両のホイールベースが長く、スライドテーブル140をリフトテーブル120から、引き出した状態である。これは、その引き出し量を最大とした場合であるが、任意の引き出し量であってもかまわない。
【0052】
一方、上記図3の状態は、対象車両のホイールベースが短く、スライドテーブル140をリフトテーブル120内に収納させた状態である。このとき、ピットPの踏板130とリフトテーブル120側との間に空スペースが生じるため、スライド踏板150を、引き出し、進出させて塞いである。
【0053】
なお、リフトテーブル120が下降した収納状態では、上述したように、概略平行四辺形型のスライドロック機構156の働きにより、即ち、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 が、リフトテーブル120側に押圧されている。
このため、スライドロック機構156のロックが解除状態にある。これによって、概略L字型のリンク部材156gが、移動自在のフリ状態となるため、スライド踏板150は、手動などで、任意に位置に進退させることができる。
【0054】
〈対象車種のホイールベースが長い場合−I〉
本発明の車両整備用リフト100では、上述したように、スライドテーブル140の使用にあたって、従来リフトのように、仮り上昇を不要とした点に特徴があるため、先ず、図1の状態からの動作について説明する。
【0055】
図1の状態では、スライドテーブル140の全部を、リフトテーブル120側から引き出して、その先端部の係合部141を、図9に示すように、スライド踏板150の係止部151に係止させてある。これによって、ホイールベースの長い車両に対応することができる。この際、必要により、車両のリフトアップポイント部分に、ゴムなどの弾性体からなるアタッチメント123、123を取り付ける。
【0056】
このとき、リフトテーブル120は、昇降装置部110と共に、ピットPへの収納状態のままであるから、車両底面側と工場床面との距離は、特に狭くなることはない。
従って、スライドテーブル140の引き出し作業も、アタッチメントの取り付け作業も、比較的スムーズに、かつ、迅速に行うことができる。
【0057】
この図1の状態から、昇降用シリンダ160を伸長駆動させて、昇降装置部110を上昇駆動させると、スライドテーブル140がリフトテーブル120と共に、上昇する。
そうすると、スライドテーブル140の係合部141が、スライド踏板150の係止部151から外れる。一方、リフトテーブル120の先端部(図9中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から外れる。これにより、スライドロック機構156がロック状態となる。つまり、スライドロック機構156の概略く字型のリンク部材156fと概略L字型のリンク部材156gは連結される。
【0058】
この後、引き続き、リフトテーブル120が上昇すると、これに連動して、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図1、図9中左側に移動する。
このとき、メインアーム111の下端部、例えば、ロッド軸113が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の下向き延びる先端部(図9中の左側)に当接するため、このリンク部材156gも、図1、図9中左側に移動する。
これによって、スライド踏板150は、自動的に図1、図9中左側に進出させられる。この際、概略L字型のリンク部材156gと連結されている、概略く字型のリンク部材156fも連動して、図1、図9中左側に移動する。
【0059】
そして、図2に示すように、リフトテーブル120が所定の高さに上昇すると、スライド踏板150が、図2中左側に進出して、昇降装置部110側と踏板130間の空スペースは、自動的に塞がれる。これにより、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険を未然に防止することができ、高い安全性が得られる。
【0060】
図2に示す、リフトテーブル120の上昇した状態から、昇降用シリンダ160を伸縮駆動させて、昇降装置部110を下降駆動させると、リフトテーブル120が下降する一方、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図2中右側に移動する。
この下降駆動が、引き続き続くと、メインアーム111の下端部が、概略く字型のリンク部材156fの下向きの短片側の下端部(図2中右側)に当接し、最終的に図1、図9に示す元の位置まで、概略く字型のリンク部材156fを移動させる。
【0061】
このとき、概略く字型のリンク部材156fには、概略L字型のリンク部材156gが連結されているため、この概略L字型のリンク部材156gも同方向に移動する。
そして、概略L字型のリンク部材156gも、最終的に図1、図9に示す元の位置まで、移動するため、概略L字型のリンク部材156gの垂直片側の先端部に軸着されたスライド踏板150も、自動的に元のスタート位置まで退出させられる。
【0062】
従って、スライド踏板の押し戻し忘れのうっかりミスや、これに伴うスライドテーブル140との衝突の危険を未然に防止することができ、高い安全性が得られる。
なお、スライドテーブル140が、元のスタート位置まで下降したタイミングで、上記のように、スライド踏板150も自動的に元の位置まで戻るため、スライドテーブル140の先端部の係合部141が、スライド踏板150の係止部151に自動的に係止される。従って、これらの係止のための手間が不要となる。次回の対象車種のホイールベースも長い場合には、この状態から直ちに使用することができる。
【0063】
〈対象車種のホイールベースが短い場合〉
これは、図3の状態に対応し、スライドテーブル140の全部を、リフトテーブル120側に収納させたままとして、その先端部の係合部141を、図11に示すように、その全部が引き出されたスライド踏板150の係止部151に係止させてある。この際、必要により、車両のリフトアップポイント部分に、ゴムなどの弾性体からなるアタッチメント123、123を取り付ける。
【0064】
この図3の状態から、昇降用シリンダ160を伸長駆動させて、昇降装置部110を上昇駆動させると、上記図1の状態の場合と同様、スライドテーブル140がリフトテーブル120と共に、上昇する。
そうすると、スライドテーブル140の係合部141が、スライド踏板150の係止部151から外れる一方、リフトテーブル120の先端部(図11中左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から外れる。これにより、スライドロック機構156がロック状態となる。
【0065】
この後は、上記図1の状態の場合と同様の動作となる。ただし、スライド踏板150は、その全部が引き出されているため、そのままでよい。
そして、引き続き、リフトテーブル120が上昇すると、図4に示すように、リフトテーブル120は、所定の高さとなる。
【0066】
図4に示す、リフトテーブル120の上昇した状態から、昇降用シリンダ160を伸縮駆動させて、昇降装置部110を下降駆動させると、リフトテーブル120が下降する。一方、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図3中右側に移動する。
【0067】
この下降駆動が、引き続き続くと、メインアーム111の下端部が、最終的に図3に示す位置まで移動するが、概略く字型のリンク部材156fの下向きの短片側の下端部(図4中右側)が、図3に示す位置のままであるため、この概略く字型のリンク部材156fの下端部と当接することはない。このリンク部材156fが移動しないことで、これに連結されている概略L字型のリンク部材156gも移動しない。
【0068】
従って、概略L字型のリンク部材156gに軸着されているスライド踏板150は、元のスタート位置がそのまま維持される。言い換えれば、スライド踏板150の元の位置が記憶されていることになる。
また、このように昇降装置部110側と踏板130間の空スペースが、塞がれたまま維持されるため、高い安全性が得られる。勿論、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険は、根本的に解消される。
【0069】
〈対象車種のホイールベースが長い場合−II〉
車両のホイールベースが長い場合であっても、スライドテーブル140を全部引き出すほどでないときには、任意の位置に引き出して行うこともできる。
例えば、図11に示すように、スライドテーブル140を、全長の半分ほど引き出し、これに対応して、スライド踏板150も全長の半分ほど進出させて、これら両者のそれぞれの係合部141と係止部151とを係止させる。
勿論この際、必要により、車両のリフトアップポイント部分に、ゴムなどの弾性体からなるアタッチメント123、123を取り付ける。
【0070】
このとき、リフトテーブル120は、昇降装置部110と共に、ピットPへの収納状態のままであるから、車両底面側と工場床面との距離は、特に狭くなることはない。
従って、スライドテーブル140の引き出し作業も、アタッチメントの取り付け作業も、比較的スムーズに、かつ、迅速に行うことができる。
【0071】
この図11の状態から、昇降用シリンダ160を伸長駆動させて、昇降装置部110を上昇駆動させると、上記図1の状態の場合と同様、スライドテーブル140がリフトテーブル120と共に、上昇する。
そうすると、スライドテーブル140の係合部141が、スライド踏板150の係止部151から外れる一方、リフトテーブル120の先端部(図11中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から外れる。これにより、スライドロック機構156がロック状態となる。
【0072】
この後は、上記図1の状態の場合と同様の動作となる。
つまり、引き続き、リフトテーブル120が上昇すると、これに連動して、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図11中左側に移動する。
このとき、メインアーム111の下端部、例えば、ロッド軸113が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の下向き延びる先端部(図11中の左側)に当接するため、このリンク部材156gも、図11中左側に移動する。
【0073】
これによって、スライド踏板150は、自動的に図11中左側に進出させられる。この際、概略L字型のリンク部材156gと連結されている、概略く字型のリンク部材156fも連動して、図11中左側に移動する。ここで、両リンク部材156g、156fの連結関係は、スライドロック機構156のロック状態により、そのまま維持される。
【0074】
そして、上記図2の場合と同様、リフトテーブル120が所定の高さに上昇すると、スライド踏板150が、図11中左側に進出して、昇降装置部110側と踏板130間の空スペースは、自動的に塞がれる。これにより、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険を未然に防止することができ、高い安全性が得られる。
【0075】
上記図2の場合と同様、リフトテーブル120の上昇した状態から、昇降用シリンダ160を伸縮駆動させて、昇降装置部110を下降駆動させると、リフトテーブル120が下降する一方、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図2の場合と同様、図中右側に移動する。
【0076】
この下降駆動が続き、メインアーム111の下端部が、ある程度進んだところで、概略く字型のリンク部材156fの下向きの短片側の下端部に当接し、最終的に図11に示す位置まで、概略く字型のリンク部材156fを移動させる。
【0077】
しかし、概略く字型のリンク部材156fのブロック部の摩擦部156f3 は、図11に示すように、概略L字型のリンク部材156gの摩擦部156g1 の途中部分で連結されているため、概略L字型のリンク部材156g自体の移動は、図11に示す位置、即ち、リフトテーブル120の上昇前の位置で止まる。
【0078】
従って、スライド踏板150も、自動的にリフトテーブル120の上昇前の位置で止まる。そして、スライド踏板150の係止部151には、スライドテーブル140の係合部141が、自動的に係止される。
つまり、スライド踏板150は、元のスタート位置がそのまま維持される。言い換えれば、スライド踏板150の元の位置が記憶されていることになる。
また、このように昇降装置部110側と踏板130間の空スペースが、塞がれたまま維持されるため、高い安全性が得られる。勿論、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険は、根本的に解消される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る車両整備用リフトの一例になり、リフトテーブルのスライドテーブルを進出させた状態での収納状態を示した概略説明図である。
【図2】図1の状態からリフトテーブルを上昇させた状態の概略説明図である。
【図3】本発明に係る車両整備用リフトの一例になり、リフトテーブルのスライドテーブルを収納させた状態での収納状態を示した概略説明図である。
【図4】図3の状態からリフトテーブルを上昇させた状態の概略説明図である。
【図5】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるピット、スライド踏板、支持レールの状態を示した概略説明図である。
【図6】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるリフトテーブル及びスライドテーブルを示した概略説明図である。
【図7】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるスライドテーブルの保持手段を示した概略説明図である。
【図8】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるスライドテーブルの係合部を示した概略説明図である。
【図9】図1の状態におけるスライドテーブル、スライド踏板、スライドロック機構を示した概略拡大説明図である。
【図10】図2の状態におけるスライドテーブル、スライド踏板、スライドロック機構を示した概略拡大説明図である。
【図11】図1と同様の状態におけるスライドテーブル、スライド踏板、スライドロック機構を示した概略拡大説明図である。
【図12】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるスライド踏板の一部を示した概略拡大説明図である。
【図13】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるピット内、スライドロック機構の一部を示した概略拡大説明図である。
【図14】本発明に係る車両整備用リフトの一例における両リンク部材の互いに噛み合うそれぞれの摩擦部を示した概略拡大説明図である。
【図15】従来の車両整備用リフトの一例を示した概略説明図である。
【図16】従来の車両整備用リフトの他の例を示した概略説明図である。
【符号の説明】
【0080】
100・・・車両整備用リフト、110・・・昇降装置部、111・・・メインアーム、112・・・機枠、120・・・リフトテーブル、130・・・踏板、140・・・スライドテーブル、141・・・係合部、150・・・スライド踏板、151・・・係止部、155・・・支持レール、156・・・スライドロック機構、156a〜156f・・・複数のリンク部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両整備工場などのピット内に適宜収納できる車両整備用リフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、図15に示すように、車両整備用リフト10として、不使用時には、装置本体を整備工場などのピット(穴)P内に収納させておき、略工場床面と同一レベルとする一方、使用時には、この収納状態から、一対の昇降装置部11(一方を図示省略、以下同じ)の駆動により、両リフトテーブル12(一方を図示省略、以下同じ)を上昇させて、このリフトテーブル12により、整備対象の車両Cを持ち上げる方式のリフトが提案されている。
【0003】
この方式の車両整備用リフトでは、不使用時、整備工場などの床面がフラットな状態として使用でき、装置本体が邪魔にならないなどの利点が得られる。また、その分整備工場などの床面積や敷地が狭くてよく、低コスト化が得られる。
【0004】
このような車両整備用リフト10において、車両Cのリフトアップポイント(A点、B点)間の長さが、車種によって、即ち、車両Cのホイールベースによって異なる。
例えば、車両Cのリフトアップポイント間の長さが、リフトテーブル12の長さ以内に納まる場合には、リフトテーブル12の対応するリフトアップポイント部分に、先ず、必要により、アタッチメント(ゴムなどの弾性体)12a、12aを取り付ける。
この後、これらのアタッチメント12a、12aを、車両Cのリフトアップポイント部分に当接させるようにして、リフトテーブル12を上昇させている。
なお、13は通常ピットPの車両進入方向のピット側縁に設けられる踏板で、工場床面と略同一レベル(フラット)としてある。
【0005】
しかしながら、対象車両のホイールベースが長いと、当然リフトアップポイント(A点、B点)間の長さも長くなる。この長さが、リフトテーブル12の長さより長くなると、例えば、図16に示すように、これに対応するため、リフトテーブル12側に進退自在なスライドテーブル14を設けたものが提案されている。
【0006】
このスライドテーブル14を備えたリフトでは、ピットPの踏板13との干渉をさけるため、リフト使用時、少なくとも一旦リフトテーブル12を工場床面上に少々上昇させ、この状態で、スライドテーブル14を引き出している。
そして、この引き出されたスライドテーブル14のリフトアップポイントのB点側にアタッチメント12aを取り付け、他方のアタッチメント12aと共に、車両Cの各リフトアップポイント部分に当接させるようにしている。
このようなスライドテーブルを備えたものとしては、例えば、特許文献1のものを挙げることができる。
【特許文献1】特開2001−39687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記図16のような、車両整備用リフト10では、ホイールベースの長い車両Cに対応する場合、一旦リフトテーブル12を、少々仮り上昇させ、この後、スライドテーブル14を引き出す必要がある。
【0008】
ところが、リフトテーブル12を少々ではあっても、仮り上昇させると、それでなくとも工場床面からの距離があまりない車両底面側にあっては、リフトテーブル12との間隔がさらに狭くなり、作業がやり難くなるという問題があった。
スライドテーブル14を手動で引き出す場合、その引き出しが難しくなる。勿論、アタッチメント12aの取り付け作業などもやり難くなる。
さらに、近年、車両底面を低くした低床タイプの車両が増えているが、このタイプでは、より一層作業性が困難になることは明らかである。車種によっては、対応不可能の場合も生じる。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、ホイールベースの異なる種々の車両に対応するスライドテーブルを備えたタイプのものであるが、スライドテーブルの使用にあたって、リフトテーブルの一時的な上昇(仮り上昇)を不要として、使い勝手に優れた車両整備用リフトを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明は、床面に設けた左右のピットに左右一対の昇降装置部がそれぞれ格納され、当該各昇降装置部により昇降される各リフトテーブルを有し、当該各リフトテーブルに対する車両進入方向のピット側縁部に床面と略同一レベルの踏板を有してなる車両整備用リフトにおいて、
前記リフトテーブルに進退自在に収納されるスライドテーブルを設けると共に、前記踏板の底面側に進退自在に収納でき、かつ、前記スライドテーブルと連携されるスライド踏板を設け、前記リフトテーブルの上昇時に生じる前記昇降装置部側と踏板間の空スペースを、前記リフトテーブルの上昇に連動して前記スライド踏板を進出させることで塞ぐことを特徴とするにある。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記スライド踏板が、前記踏板の床面に対して、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなることを特徴とする請求項1記載の車両整備用リフトにある。
【0012】
請求項3記載の本発明は、スライド踏板の進退機構を、前記昇降装置部の機枠側に設置されて、前記スライド踏板を走行可能に支持する一対の支持レールと、前記スライド踏板の進出方向の先端側に取り付けられて、前記スライドテーブル側の係合部に係止される係止部と、前記昇降装置部の機枠側に組み付けられた概略平行四辺形構造の複数のリンク部材からなるスライドロック機構とで構成し、前記スライド踏板の進退を前記スライドロック機構により制御することを特徴とする請求項2記載の車両整備用リフトにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両整備用リフトによると、メインのリフトテーブルから自在に進退させることができるスライドテーブルと、これと連携されるスライド踏板があるため、整備対象の車両のホイールベースに対応させて、スライドテーブルを進出させ(引き出し)、この段階で、必要により、アタッチメントを取り付けた後、昇降装置部を駆動させて、リフトテーブルを直ちに上昇させることができる。
つまり、上述した従来リフトのような、リフトテーブルの仮り上昇が不要となり、直ちに本格的な上昇が可能となるため、迅速な業性が得られる。
【0014】
また、スライドテーブルの進出(手動など)は、リフトテーブルの上昇前にできるため、整備対象の車両底面側と床面との距離は、一旦リフトテーブルを仮り上昇させる従来方式のリフトに比較して、大きく取れる。
従って、スライドテーブルの引き出し作業や、アタッチメントの取り付け作業などが容易に行える。つまり、作業性の向上が期待できる。特に、低床タイプの車両にあっては、より一層の作業性の向上が期待できる。
【0015】
また、リフトテーブルの上昇時に生じる昇降装置部側と踏板間の空スペースにあっては、そのままであると、危険であるが、スライド踏板がリフトテーブルに連動して自動的に進出して塞ぐため、高い安全性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係る車両整備用リフトの一例になり、リフトテーブルのスライドテーブルを進出させた状態で、装置本体を整備工場などのピット(穴)P内に収納された状態を示し、図2は図1の状態からリフトテーブルを上昇させた状態を示したものである。
図3は図1の車両整備用リフトにおいて、リフトテーブルにスライドテーブルを納めた状態で、整備工場床などのピット内に収納された状態を示し、図4は図3の状態からリフトテーブルを上昇させた状態を示したものである。
【0017】
図中、100は本発明に係る車両整備用リフト、110は床面に設けた左右のピットPにそれぞれ格納される左右一対の昇降装置部、120はこの昇降装置部110の昇降駆動により昇降されるリフトテーブル、130は各リフトテーブル120に対する車両進入方向のピットP側縁に床面と略同一レベルに設けられた踏板、140はリフトテーブル120に進退自在に収納されるスライドテーブル、150は踏板130の底面側にスライドテーブル140に連携して進退自在に収納されるスライド踏板である。
【0018】
上記左右のピットPは、例えば、図5に示すように、車両進入方向APに対して、左右に2個設けられ、そのそれぞれには、図示しないが、左右一対の昇降装置部110、110が、上述した、図1や図3に示す形で格納されるようになっている。
また、左右のピットPの車両進入方向APのピット側縁部には、上述した、床面と略同一レベルに設けられた踏板130、130が敷設してある。
【0019】
上記踏板130は、昇降駆動する昇降装置部110と干渉しない範囲で、ピットPの車両進入方向AP側のピット側縁部を塞ぐためのものである。実際昇降装置部110の構造によっても異なるが、昇降装置部110のリフトテーブル120が、例えば、図2や図4 に示すように、最上段位置に上昇したとき、踏板130があっても、昇降装置部側、即ち、その下端基部と踏板130間には、空スペースが生じる。
この空スペースを塞ぐのが、スライド踏板150であり、これは、スライドテーブル140の繰り出し量(進出量)により異なるが、その全部(図1参照)又は一部が、踏板130の底面側に納められるようになっている。
【0020】
上記昇降装置部110は、図2や図4に示すように、主構成部材であるメインアーム111に対して、従属型の部材となる3個の第1〜第3のサブアーム111a〜cを組み付けて構成してある。つまり、概略平行四辺形型のリフト構造としてある。第1〜第3のサブアーム111a〜cは、例えば、板状の部材として、好ましくは、主構成部材の骨格となるメインアーム111を挟む形で、左右に一対の組みとして設けるとよい。これにより、安定した動作が確保できるからである。
【0021】
上記概略平行四辺形型のリフト構造で、メインアーム111と第1のサブアーム111aが、概略X型に組み付けられていて、第1のサブアーム111aの一方の端部(図2や図4中の下端部)を、ピットP内の一方(車両進入方向APの反対側)の底隅部(図2や図4中の左底隅部)に回動自在に軸着された固定端としてあるため、メインアーム111の一方の端部(図2や図4中の下端部)は、昇降装置部110の昇降駆動時、回転コロなどを介して、ピット底面側を自在に移動できる遊端となる。
このメインアーム111の他方の端部(図2や図4中の上端部)は、回動自在な固定端(軸着端)として、リフトテーブル120の車両進入方向APとは反対方向となる縁部側に軸着してある。また、第3のサブアーム111cの一方の端部(図2や図4中の上端部)は、回転コロなどにより、リフトテーブル120内を自在に移動できる遊端としてある。なお、上記以外のメインアーム111、及び第1〜第3のサブアーム111a〜cにおける各接続部分は、いずれも回動自在な軸着接続としてある。
【0022】
このような構造の昇降装置部110における昇降駆動は、メインアーム111の下端側(図2や図4中の下端側)と、第1のサブアーム111aの上端部(図2や図4中の上端部)との間に設けた昇降用シリンダ160の駆動により行われる。
【0023】
例えば、図1や図3に示す、車両整備用リフト100のピットPへの収納状態において、昇降用シリンダ160を伸長駆動させれば、第1のサブアーム111aの下端部が回動自在な固定端であるため、シリンダロッド161の伸長にしたがって、メインアーム111の下端部が、ピットPの車両進入方向APのピット底縁部側から、図2や図4に示すように、図中左側に移動して、昇降装置部110は、概略平行四辺形型のリフト構造により、上昇する。勿論、これに伴って、リフトテーブル120も上昇する。
【0024】
一方、図2や図4に示す、車両整備用リフト100の上昇状態において、昇降用シリンダ160を収縮駆動させれば、第1のサブアーム111aの下端部は、回動自在な固定端であるため、シリンダロッド161の収縮にしたがって、メインアーム111の下端部が、ピット底面側の上昇位置から、図1や図3に示すように、車両進入方向APのピット底面側、即ち、図中右側に移動して、昇降装置部110は、概略平行四辺形型のリフト構造により、下降し、ピットP内に収納される。勿論、これに伴って、リフトテーブル120も下降する。
【0025】
上記スライドテーブル140は、例えば、図2や図4に示すように、リフトテーブル120の天板下の収縮部121に進退自在に収納させてある。この進退は、手動による、引き出しや押し戻しで行うことができる。なお、電動モータやエア、油圧などのシリンダによる進退機構で行うことも可能である。
【0026】
また、好ましくは、図6、図7に示すように、スライドテーブル140の引き出し状態などを安定して保持できる保持手段122として、例えば、収縮部121側に設けた山谷などの凹凸部122aや、この凹凸部122aに摺動状態で噛み合う同様の山谷などの凹凸部が設けられると共に、スライドテーブル140側に固定されたロックブロック部材122bからなる手段を設けておくとよい。これにより、スライドテーブル140は、任意の位置に安定して保持される。
【0027】
このスライドテーブル140の先端部には、図8に示すように、例えば、上向きのフック部材からなる係合部141が設けてある。この係合部141は、上記スライド踏板150の進出方向の先端側に取り付けられた、例えば、下向きのフック部材からなる係止部151に係止されるようになっている。これらの係合部141及び係止部151の係止(引っ掛け)は、手動で行う。これらの係合部141及び係止部151には、精度的に多少の遊び(余裕)があるため、この引っ掛けは、どちらかを少々上げたり、押し下げたり、或いは、これらの両方を行えば、容易に行うことができる。
【0028】
このスライドテーブル140の場合、例えば、図1に示す車両整備用リフト100のピットPへの収納状態にあっては、スライドテーブル140を全部引き出して、その係合部141を、スライド踏板150側の係止部151に係止させてある。
この状態から、車両整備用リフト100の昇降装置部110を上昇駆動させると、リフトテーブル120が上昇すると同時に、メインアーム111の下端部が、図1中左側に移動するため、後述するように、スライド踏板150は、自動的に左側に繰り出される。
そして、スライド踏板150が、所定量(最大進出量)進むと、リフトテーブル120の上昇に伴って、スライドテーブル140も上昇するため、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151から外れる。
なお、図2の車両整備用リフト100の上昇状態から、昇降装置部110を下降駆動させて、リフトテーブル120を下降させると、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151に上側から係止される。
【0029】
一方、例えば、図3に示す車両整備用リフト100のピットPへの収納状態にあっては、スライドテーブル140の全部が、リフトテーブル120内に収納されていて、その係合部141を、その全部が引き出された状態にあるスライド踏板150側の係止部151に係止させてある。
【0030】
この状態から、車両整備用リフト100の昇降装置部110を上昇駆動させると、リフトテーブル120が上昇すると同時に、メインアーム111の下端部が、図1中左側に移動するが、後述するように、スライド踏板150側が既に全部引き出されていることから、メインアーム111の下端部と関連することなく、スライド踏板150は、そのままの位置を維持する。そして、リフトテーブル120の上昇に伴って、スライドテーブル140も上昇するため、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151から外れる。なお、図4の車両整備用リフト100の上昇状態から、昇降装置部110を下降駆動させて、リフトテーブル120を下降させると、スライドテーブル140の係合部141は、自動的にスライド踏板150の係止部151に上側から係止される。
【0031】
上記スライド踏板150は、図9〜図12に示すように、固定型の踏板130床面に対して、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなる。
より具体的には、例えば、ほぼピット幅に対応した幅を有する断面箱状(板状なども可)のフレーム体152の複数個(5個)を、蝶番構造部などを介して、接続することにより、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体としてある。
蝶番構造部としては、例えば、図12のように、隣接するフレーム体152間に、互いに嵌め込まれる筒体などの係合部152a、152b、152bを設け、これらを嵌め込んだ後、これらの筒体内にロックピン153を挿入した構造部としてある。
【0032】
このフレーム体152の幅方向の両縁部(端面部)には、例えば、各2個ずつの回転コロ154が設けてあって、一種のトッロコ構造としてある。これらの回転コロ154は、図13に示すように、ピットP内の両縁部で、昇降装置部110の枠体フレームなどの機枠112側に設置された一対の支持レール155、155に支持させてある。
【0033】
支持レール155の長さは、図5や図9〜図11に示すように、踏板130の底面側に収納されるスライド踏板150の長さ+このスライド踏板150が全部繰り出される長さとしてある。約スライド踏板150の長さの2倍としてある。
ただ、この支持レール155の場合、図9〜図11に示すように、踏板130の先端部寄りから、上がりスロープ部分115aを介して、踏板130の前方の露出部分にあっては、少々高めにしてある。これにより、スライド踏板150が進出したとき、その上面高さを、踏板130の床面と略同一レベルとさせることができる。
【0034】
スライド踏板150は、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなるため、支持レール155に、このような多少の上がりスロープ部分115aがあっても、何ら支障なく、支持レール155に沿って、自在に進退することができる。
【0035】
このような構造のスライド踏板150の進退は、例えば、手動による他、昇降装置部110側と連携された概略平行四辺形型の複数のリンク部材156a〜156fからなるスライドロック機構156によって、行われるようになっている。
このスライドロック機構156は、図9〜図11に示す如くである。この機構は、例えば、図13に示すように、好ましくは、昇降装置部110、110の左右の機枠112、112側に組み付けるとよい。これにより、この機構の安定した動作が確保される。
【0036】
上記各リンク部材156a〜156fは、金属製に板材の加工品(鋳物品なども可)からなり、概略平行四辺形型をなすのは、リンク部材156a〜156dで、他のリンク部材156e〜156gは、これらのリンク部材と連携して動作するリンク部材である。
以下、ここで、概略平行四辺形型をなすリンク部材のうち、リンク部材156aは第1のリンク部材、リンク部材156bは第2のリンク部材、リンク部材156cは第3のリンク部材、リンク部材156dは第4のリンク部材と記す。
【0037】
上記第1のリンク部材156aは、概略平板状の長尺片からなり、そのリフトテーブル120側の先端部(図9〜図11中の左側)は、概略L字型のリンク部材156eと軸着させてある。この概略L字型のリンク部材156eは、その上端部(図9〜図11中の上側)を、機枠112側に軸着ピン156e1 などで軸着させる一方、その他端部(図9〜図11中の左側)は、リフトテーブル120側に押圧される押圧部156e2 としてある。また、第1のリンク部材156aに対しては、例えば、バネなどの弾性体157を張設して、常時リフトテーブル120側に張力を掛けてある。
【0038】
第1のリンク部材156aの先端部寄りと後端部(図9〜図11中の右側)には、2個の概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dの上端部(図9〜図11中の上側)が軸着させてある。これらの概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dは、その屈曲部を、機枠112側に軸着ピン156b1 、156d1 などで軸着させてある。
【0039】
また、これらの概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dは、その下端部(図9〜図11中の下側)を、概略コ字型の第3のリンク部材156cの左右の短片側の上端部(図9〜図11中の上側)に軸着させてある。この概略コ字型の第3のリンク部材156cは、図9〜図11に示すように、左右の短片側の中途に設けた上下方向の長穴156c1 、156c1 を介して、機枠112側に軸着ピン156c2 、156c2 などで軸着させてある。つまり、概略コ字型の第3のリンク部材156cは、上記概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dが揺動(回動)したとき、長穴156c1 、156c1 を介して、上下方向へ少々移動(上下動)できるようになっている。
【0040】
この概略コ字型の第3のリンク部材156cの長片部(左右の短片側に挟まれる水平方向部分)には、ほぼその全長に渡る長い長穴156c3 が設けてある。
この長穴156c3 には、概略く字型のリンク部材156fに設けた係合ピン156f1 が噛み合せてある。この概略く字型のリンク部材156fの下向きに屈曲した短片側の下端部(図9〜図11中の右下側)は、ピットPの底面側に摺動自在に当接させてある。この部分には、回転コロ156f2 を設けてもよい。
【0041】
一方、この概略く字型のリンク部材156fのほぼ水平に延びる長片側の先端部(図9〜図11中の左側)には、概略L字型のリンク部材156gのほぼ水平に延びる長片側に設けた山谷の凹凸部などからなる摩擦部156g1 と噛み合う肉厚のブロック部などからなる摩擦部156f3 が設けてある。
つまり、図14に示すように、概略L字型のリンク部材156gの長片側、例えば、その上面に設けた摩擦部156g1 に対して、概略く字型のリンク部材156fのブロック部に、例えば、突出肉厚部156f4 を設け、この部分の上記摩擦部156g1 に対向する面に、やはり山谷の凹凸部などからなる摩擦部156f3 を設けてある。
【0042】
従って、これらの両摩擦部156g1 、156f3 が互いに噛み合ったときには、両リンク部材156g、156fは、適度の摩擦力を持って連結されることになる。
つまり、図10に示すように、リフトテーブル120が上昇して、その先端部(図10中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から離れると、この概略L字型のリンク部材156eが、図10中時計方向に回る。
【0043】
そうすると、第1のリンク部材156aが、図10中左側に移動するため、2個の概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dが、図10中反時計方向に回る。
これにより、概略コ字型の第3のリンク部材156cの長片側が、少々下降する。この第3のリンク部材156cの下降に連動して、係合ピン156f1 を介して、概略く字型のリンク部材156fも少々下降する。このため、図14に示す、このリンク部材156fの摩擦部156f3 が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の摩擦部156g1 に噛み合って連結(ロック)される。この連結の摩擦力(ブレーキ力)は、第1のリンク部材156aを、常時図10中左側に引いている弾性体157の張力に対応する。
【0044】
一方、上記両摩擦部156g1 、156f3 が互いに離間すると、両リンク部材156g、156fの連結(ロック)は、解除されることになる。
上記図10の場合と略逆の動作が行われる。つまり、図9や図11に示すように、リフトテーブル120が上昇前にあって、その先端部(図9や図11中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 を押圧していると、この概略L字型のリンク部材156eは、図9や図11中反時計方向に回る。
【0045】
そうすると、第1のリンク部材156aが、図9や図11中右側に移動するため、2個の概略L字型の第2及び第4のリンク部材156b、156dが、図9や図11中時計方向に回る。これにより、概略コ字型の第3のリンク部材156cの長片側が、少々上昇する。この第3のリンク部材156cの上昇に連動して、係合ピン156f1 を介して、概略く字型のリンク部材156fも少々上昇する。このため、図14に示す、このリンク部材156fの摩擦部156f3 が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の摩擦部156g1 から離間して、連結(ロック)が解除される。
【0046】
一方、上記概略L字型のリンク部材156gの長片側の一方(図9〜図11中の右側)から上側に延びる垂直片側の先端部は、図13に示すように、例えば、その折曲部と、これに固着されたU字型の軸着部材156g2 と、上記スライド踏板150の進出方向の後端側、例えば、フレーム体152の底面側に設けた軸着ピン152aとを介して、連設させてある。
【0047】
また、この概略L字型のリンク部材156gの長片側の他方(図9〜図11中の左側)から下向き延びる先端部は、例えば、上記メインアーム111の下端部(図9〜図11中の右側、図13中の下側)に設けたロッド軸113の内側(図9〜図11中の左側)にあって、ピットPの底面側に摺動自在に当接させてある。この部分には、回転コロ156g4 を設けてもよい。
【0048】
従って、後述するように、車両整備用リフト100のピットPへの収納状態から、昇降装置部110を昇降駆動させれば、メインアーム111の下端部が、図9〜図11中左側に移動するため、ある時点から、概略L字型のリンク部材156gの下向きの先端部にロッド軸113が当接して、この概略L字型のリンク部材156gを左側に移動されるようになっている。
【0049】
次に、本発明の車両整備用リフト100の動作について説明する。
先ず、車両のホイールベースの長さによって、2箇所のリフトアップポイント間の距離が異なるため、対象車種によって、ピットP内に収納された状態の車両整備用リフト100における、スライドテーブル140の位置が異なる。
【0050】
対象車種のホイールベースが長い場合、即ち、2箇所のリフトアップポイント間の距離が、リフトテーブル120より長いときには、これに対応するため、スライドテーブル140をリフトテーブル120から、適宜引き出して、進出させる必要がある。
一方、対象車種のホイールベースが短い場合、即ち、2箇所のリフトアップポイント間の距離が、リフトテーブル120より短いときには、スライドテーブル140をリフトテーブル120から、特に引き出して、進出させる必要はない。リフトテーブル120内に収納させたままでよい。
【0051】
例えば、上記図1の状態は、対象車両のホイールベースが長く、スライドテーブル140をリフトテーブル120から、引き出した状態である。これは、その引き出し量を最大とした場合であるが、任意の引き出し量であってもかまわない。
【0052】
一方、上記図3の状態は、対象車両のホイールベースが短く、スライドテーブル140をリフトテーブル120内に収納させた状態である。このとき、ピットPの踏板130とリフトテーブル120側との間に空スペースが生じるため、スライド踏板150を、引き出し、進出させて塞いである。
【0053】
なお、リフトテーブル120が下降した収納状態では、上述したように、概略平行四辺形型のスライドロック機構156の働きにより、即ち、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 が、リフトテーブル120側に押圧されている。
このため、スライドロック機構156のロックが解除状態にある。これによって、概略L字型のリンク部材156gが、移動自在のフリ状態となるため、スライド踏板150は、手動などで、任意に位置に進退させることができる。
【0054】
〈対象車種のホイールベースが長い場合−I〉
本発明の車両整備用リフト100では、上述したように、スライドテーブル140の使用にあたって、従来リフトのように、仮り上昇を不要とした点に特徴があるため、先ず、図1の状態からの動作について説明する。
【0055】
図1の状態では、スライドテーブル140の全部を、リフトテーブル120側から引き出して、その先端部の係合部141を、図9に示すように、スライド踏板150の係止部151に係止させてある。これによって、ホイールベースの長い車両に対応することができる。この際、必要により、車両のリフトアップポイント部分に、ゴムなどの弾性体からなるアタッチメント123、123を取り付ける。
【0056】
このとき、リフトテーブル120は、昇降装置部110と共に、ピットPへの収納状態のままであるから、車両底面側と工場床面との距離は、特に狭くなることはない。
従って、スライドテーブル140の引き出し作業も、アタッチメントの取り付け作業も、比較的スムーズに、かつ、迅速に行うことができる。
【0057】
この図1の状態から、昇降用シリンダ160を伸長駆動させて、昇降装置部110を上昇駆動させると、スライドテーブル140がリフトテーブル120と共に、上昇する。
そうすると、スライドテーブル140の係合部141が、スライド踏板150の係止部151から外れる。一方、リフトテーブル120の先端部(図9中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から外れる。これにより、スライドロック機構156がロック状態となる。つまり、スライドロック機構156の概略く字型のリンク部材156fと概略L字型のリンク部材156gは連結される。
【0058】
この後、引き続き、リフトテーブル120が上昇すると、これに連動して、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図1、図9中左側に移動する。
このとき、メインアーム111の下端部、例えば、ロッド軸113が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の下向き延びる先端部(図9中の左側)に当接するため、このリンク部材156gも、図1、図9中左側に移動する。
これによって、スライド踏板150は、自動的に図1、図9中左側に進出させられる。この際、概略L字型のリンク部材156gと連結されている、概略く字型のリンク部材156fも連動して、図1、図9中左側に移動する。
【0059】
そして、図2に示すように、リフトテーブル120が所定の高さに上昇すると、スライド踏板150が、図2中左側に進出して、昇降装置部110側と踏板130間の空スペースは、自動的に塞がれる。これにより、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険を未然に防止することができ、高い安全性が得られる。
【0060】
図2に示す、リフトテーブル120の上昇した状態から、昇降用シリンダ160を伸縮駆動させて、昇降装置部110を下降駆動させると、リフトテーブル120が下降する一方、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図2中右側に移動する。
この下降駆動が、引き続き続くと、メインアーム111の下端部が、概略く字型のリンク部材156fの下向きの短片側の下端部(図2中右側)に当接し、最終的に図1、図9に示す元の位置まで、概略く字型のリンク部材156fを移動させる。
【0061】
このとき、概略く字型のリンク部材156fには、概略L字型のリンク部材156gが連結されているため、この概略L字型のリンク部材156gも同方向に移動する。
そして、概略L字型のリンク部材156gも、最終的に図1、図9に示す元の位置まで、移動するため、概略L字型のリンク部材156gの垂直片側の先端部に軸着されたスライド踏板150も、自動的に元のスタート位置まで退出させられる。
【0062】
従って、スライド踏板の押し戻し忘れのうっかりミスや、これに伴うスライドテーブル140との衝突の危険を未然に防止することができ、高い安全性が得られる。
なお、スライドテーブル140が、元のスタート位置まで下降したタイミングで、上記のように、スライド踏板150も自動的に元の位置まで戻るため、スライドテーブル140の先端部の係合部141が、スライド踏板150の係止部151に自動的に係止される。従って、これらの係止のための手間が不要となる。次回の対象車種のホイールベースも長い場合には、この状態から直ちに使用することができる。
【0063】
〈対象車種のホイールベースが短い場合〉
これは、図3の状態に対応し、スライドテーブル140の全部を、リフトテーブル120側に収納させたままとして、その先端部の係合部141を、図11に示すように、その全部が引き出されたスライド踏板150の係止部151に係止させてある。この際、必要により、車両のリフトアップポイント部分に、ゴムなどの弾性体からなるアタッチメント123、123を取り付ける。
【0064】
この図3の状態から、昇降用シリンダ160を伸長駆動させて、昇降装置部110を上昇駆動させると、上記図1の状態の場合と同様、スライドテーブル140がリフトテーブル120と共に、上昇する。
そうすると、スライドテーブル140の係合部141が、スライド踏板150の係止部151から外れる一方、リフトテーブル120の先端部(図11中左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から外れる。これにより、スライドロック機構156がロック状態となる。
【0065】
この後は、上記図1の状態の場合と同様の動作となる。ただし、スライド踏板150は、その全部が引き出されているため、そのままでよい。
そして、引き続き、リフトテーブル120が上昇すると、図4に示すように、リフトテーブル120は、所定の高さとなる。
【0066】
図4に示す、リフトテーブル120の上昇した状態から、昇降用シリンダ160を伸縮駆動させて、昇降装置部110を下降駆動させると、リフトテーブル120が下降する。一方、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図3中右側に移動する。
【0067】
この下降駆動が、引き続き続くと、メインアーム111の下端部が、最終的に図3に示す位置まで移動するが、概略く字型のリンク部材156fの下向きの短片側の下端部(図4中右側)が、図3に示す位置のままであるため、この概略く字型のリンク部材156fの下端部と当接することはない。このリンク部材156fが移動しないことで、これに連結されている概略L字型のリンク部材156gも移動しない。
【0068】
従って、概略L字型のリンク部材156gに軸着されているスライド踏板150は、元のスタート位置がそのまま維持される。言い換えれば、スライド踏板150の元の位置が記憶されていることになる。
また、このように昇降装置部110側と踏板130間の空スペースが、塞がれたまま維持されるため、高い安全性が得られる。勿論、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険は、根本的に解消される。
【0069】
〈対象車種のホイールベースが長い場合−II〉
車両のホイールベースが長い場合であっても、スライドテーブル140を全部引き出すほどでないときには、任意の位置に引き出して行うこともできる。
例えば、図11に示すように、スライドテーブル140を、全長の半分ほど引き出し、これに対応して、スライド踏板150も全長の半分ほど進出させて、これら両者のそれぞれの係合部141と係止部151とを係止させる。
勿論この際、必要により、車両のリフトアップポイント部分に、ゴムなどの弾性体からなるアタッチメント123、123を取り付ける。
【0070】
このとき、リフトテーブル120は、昇降装置部110と共に、ピットPへの収納状態のままであるから、車両底面側と工場床面との距離は、特に狭くなることはない。
従って、スライドテーブル140の引き出し作業も、アタッチメントの取り付け作業も、比較的スムーズに、かつ、迅速に行うことができる。
【0071】
この図11の状態から、昇降用シリンダ160を伸長駆動させて、昇降装置部110を上昇駆動させると、上記図1の状態の場合と同様、スライドテーブル140がリフトテーブル120と共に、上昇する。
そうすると、スライドテーブル140の係合部141が、スライド踏板150の係止部151から外れる一方、リフトテーブル120の先端部(図11中の左側)が、概略L字型のリンク部材156eの押圧部156e2 から外れる。これにより、スライドロック機構156がロック状態となる。
【0072】
この後は、上記図1の状態の場合と同様の動作となる。
つまり、引き続き、リフトテーブル120が上昇すると、これに連動して、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図11中左側に移動する。
このとき、メインアーム111の下端部、例えば、ロッド軸113が、概略L字型のリンク部材156gの長片側の下向き延びる先端部(図11中の左側)に当接するため、このリンク部材156gも、図11中左側に移動する。
【0073】
これによって、スライド踏板150は、自動的に図11中左側に進出させられる。この際、概略L字型のリンク部材156gと連結されている、概略く字型のリンク部材156fも連動して、図11中左側に移動する。ここで、両リンク部材156g、156fの連結関係は、スライドロック機構156のロック状態により、そのまま維持される。
【0074】
そして、上記図2の場合と同様、リフトテーブル120が所定の高さに上昇すると、スライド踏板150が、図11中左側に進出して、昇降装置部110側と踏板130間の空スペースは、自動的に塞がれる。これにより、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険を未然に防止することができ、高い安全性が得られる。
【0075】
上記図2の場合と同様、リフトテーブル120の上昇した状態から、昇降用シリンダ160を伸縮駆動させて、昇降装置部110を下降駆動させると、リフトテーブル120が下降する一方、昇降装置部110のメインアーム111の下端部が、図2の場合と同様、図中右側に移動する。
【0076】
この下降駆動が続き、メインアーム111の下端部が、ある程度進んだところで、概略く字型のリンク部材156fの下向きの短片側の下端部に当接し、最終的に図11に示す位置まで、概略く字型のリンク部材156fを移動させる。
【0077】
しかし、概略く字型のリンク部材156fのブロック部の摩擦部156f3 は、図11に示すように、概略L字型のリンク部材156gの摩擦部156g1 の途中部分で連結されているため、概略L字型のリンク部材156g自体の移動は、図11に示す位置、即ち、リフトテーブル120の上昇前の位置で止まる。
【0078】
従って、スライド踏板150も、自動的にリフトテーブル120の上昇前の位置で止まる。そして、スライド踏板150の係止部151には、スライドテーブル140の係合部141が、自動的に係止される。
つまり、スライド踏板150は、元のスタート位置がそのまま維持される。言い換えれば、スライド踏板150の元の位置が記憶されていることになる。
また、このように昇降装置部110側と踏板130間の空スペースが、塞がれたまま維持されるため、高い安全性が得られる。勿論、スライド踏板の引き出し忘れのうっかりミスや、これに伴う危険は、根本的に解消される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る車両整備用リフトの一例になり、リフトテーブルのスライドテーブルを進出させた状態での収納状態を示した概略説明図である。
【図2】図1の状態からリフトテーブルを上昇させた状態の概略説明図である。
【図3】本発明に係る車両整備用リフトの一例になり、リフトテーブルのスライドテーブルを収納させた状態での収納状態を示した概略説明図である。
【図4】図3の状態からリフトテーブルを上昇させた状態の概略説明図である。
【図5】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるピット、スライド踏板、支持レールの状態を示した概略説明図である。
【図6】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるリフトテーブル及びスライドテーブルを示した概略説明図である。
【図7】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるスライドテーブルの保持手段を示した概略説明図である。
【図8】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるスライドテーブルの係合部を示した概略説明図である。
【図9】図1の状態におけるスライドテーブル、スライド踏板、スライドロック機構を示した概略拡大説明図である。
【図10】図2の状態におけるスライドテーブル、スライド踏板、スライドロック機構を示した概略拡大説明図である。
【図11】図1と同様の状態におけるスライドテーブル、スライド踏板、スライドロック機構を示した概略拡大説明図である。
【図12】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるスライド踏板の一部を示した概略拡大説明図である。
【図13】本発明に係る車両整備用リフトの一例におけるピット内、スライドロック機構の一部を示した概略拡大説明図である。
【図14】本発明に係る車両整備用リフトの一例における両リンク部材の互いに噛み合うそれぞれの摩擦部を示した概略拡大説明図である。
【図15】従来の車両整備用リフトの一例を示した概略説明図である。
【図16】従来の車両整備用リフトの他の例を示した概略説明図である。
【符号の説明】
【0080】
100・・・車両整備用リフト、110・・・昇降装置部、111・・・メインアーム、112・・・機枠、120・・・リフトテーブル、130・・・踏板、140・・・スライドテーブル、141・・・係合部、150・・・スライド踏板、151・・・係止部、155・・・支持レール、156・・・スライドロック機構、156a〜156f・・・複数のリンク部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設けた左右のピットに左右一対の昇降装置部がそれぞれ格納され、当該各昇降装置部により昇降される各リフトテーブルを有し、当該各リフトテーブルに対する車両進入方向のピット側縁部に床面と略同一レベルの踏板を有してなる車両整備用リフトにおいて、
前記リフトテーブルに進退自在に収納されるスライドテーブルを設けると共に、前記踏板の底面側に進退自在に収納でき、かつ、前記スライドテーブルと連携されるスライド踏板を設け、前記リフトテーブルの上昇時に生じる前記昇降装置部側と踏板間の空スペースを、前記リフトテーブルの上昇に連動して前記スライド踏板を進出させることで塞ぐことを特徴とする車両整備用リフト。
【請求項2】
前記スライド踏板が、前記踏板の床面に対して、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなることを特徴とする請求項1記載の車両整備用リフト。
【請求項3】
スライド踏板の進退機構を、前記昇降装置部の機枠側に設置されて、前記スライド踏板を走行可能に支持する一対の支持レールと、前記スライド踏板の進出方向の先端側に取り付けられて、前記スライドテーブル側の係合部に係止される係止部と、前記昇降装置部の機枠側に組み付けられた概略平行四辺形構造の複数のリンク部材からなるスライドロック機構とで構成し、前記スライド踏板の進退を前記スライドロック機構により制御することを特徴とする請求項2記載の車両整備用リフト。
【請求項1】
床面に設けた左右のピットに左右一対の昇降装置部がそれぞれ格納され、当該各昇降装置部により昇降される各リフトテーブルを有し、当該各リフトテーブルに対する車両進入方向のピット側縁部に床面と略同一レベルの踏板を有してなる車両整備用リフトにおいて、
前記リフトテーブルに進退自在に収納されるスライドテーブルを設けると共に、前記踏板の底面側に進退自在に収納でき、かつ、前記スライドテーブルと連携されるスライド踏板を設け、前記リフトテーブルの上昇時に生じる前記昇降装置部側と踏板間の空スペースを、前記リフトテーブルの上昇に連動して前記スライド踏板を進出させることで塞ぐことを特徴とする車両整備用リフト。
【請求項2】
前記スライド踏板が、前記踏板の床面に対して、上下方向に揺動可能な帯状の連設構造体からなることを特徴とする請求項1記載の車両整備用リフト。
【請求項3】
スライド踏板の進退機構を、前記昇降装置部の機枠側に設置されて、前記スライド踏板を走行可能に支持する一対の支持レールと、前記スライド踏板の進出方向の先端側に取り付けられて、前記スライドテーブル側の係合部に係止される係止部と、前記昇降装置部の機枠側に組み付けられた概略平行四辺形構造の複数のリンク部材からなるスライドロック機構とで構成し、前記スライド踏板の進退を前記スライドロック機構により制御することを特徴とする請求項2記載の車両整備用リフト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−222096(P2010−222096A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70981(P2009−70981)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000226600)株式会社アルティア (48)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000226600)株式会社アルティア (48)
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