説明

車両用オーナメント装置

【課題】車両室内及び/または室外に固定される車両オーナメント照明装置において、ロゴプレートの交換を簡単にする。
【解決手段】照明装置の長手方向の側面に設けた第二の開口部12からアプリケーター21と一体化したロゴプレート7を長手方向にスライドさせて挿入または抜出しできるようにする。アプリケーター21とロゴプレート7とは第一の係合部22と第一の係合受け部27との係合により固定される。アプリケーター21と第一のケース4とは第二の係合部と第二の係合受け部との係合により固定される。また、アプリケーター21のスライド方向端部がまわりこんでロゴプレート7の一側端面からの光経路を遮断する光経路遮断部が設けられる。このため、アプリケーター21を介してロゴプレート7を簡単に取り付けでき、また光経路遮断部によりロゴプレート7の中をスライド方向10に進行する光の漏れを遮光することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車室内のウィンドーやインパネ、ドアライニング部に発光ユニットを取り付け、その間に挟まれたロゴプレートからの光を透過させ、文字や図形を表示するもので、照明の付加価値アップや自車の存在感の強調を図り、ファッション性を高める車両用オーナメント装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光を透過させて文字や図形などを表示するものとして、車両用のフロアーマットないしフロアーカーペット等の敷物に装着して用いられる灯体ユニットであって、本体と、この本体に組み込まれその表面に発光面を有する発光部と、発光面の上面に配置され表示部を構成する透過型の表示体と、この表示体を覆うようにして、本体に着脱自在に設けられ表示体が視認可能となる透光性を有するカバーケースとを有し、そして、本体からカバーケースを取外して、表示体を所望する表示態様を備えたものと差し替えるだけで、表示体で表示される表示態様を簡単に変更することができるものが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−100175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、表示体は本体側とカバーケース側との間に挟まれて固定されるものであるが、交換するためにはケースカバー全体を外さなければならず、交換には手間がかかっていた。
【0005】
そして、フロアーマットないしフロアーカーペット等の敷物ではなく、灯体ユニットを備えて自動車室内のウィンドーやインパネ、ドアライニング部に取り付けられ車外から視認されるような車両用オーナメント装置においては、光漏れが生じないように遮光する必要がある。
【0006】
そこで、本発明の解決しようとする問題点は、表示部を簡単に取り付けでき、さらに車両走行時やドアの開閉などに伴う振動によって交換可能な表示体が位置ずれするおそれがない車両用オーナメント装置を提供する点である。また、本発明の解決しようとする問題点は、表示体まわりから光漏れが生じない車両用オーナメント装置を提供する点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の車両用オーナメント装置は、車両室内及び/または室外に固定される車両オーナメント照明装置であって、前記車両オーナメント照明装置は、第一のケース、該第一のケースに組み込まれ面発光する灯体ユニット、前記灯体ユニットの発光面側に配置され文字や図形などの表示部が表れた光透過性のロゴプレート、前記ロゴプレートと係合するように第一の係合部を有するアプリケーター、前記アプリケーターと一体化したロゴプレートを覆うように前記第一のケースに固定され、前記ロゴプレートが視認可能なように第一の開口部を有する第二のケースによって構成され、前記第一のケースと前記第二のケースによって挟持され、前記照明装置の長手方向の一端に設けた第二の開口部から前記アプリケーターと一体化したロゴプレートを長手方向にスライドさせて挿入または抜出すことにより自由に入れ替え可能にし、且つ前記ロゴプレートと一体化した前記アプリケーターと前記第一のケース及び/または第二のケースと係合するように第二の係合部を設けて前記ロゴプレートを固定可能とすることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は請求項1記載の車両用オーナメント装置において、前記アプリケーターのスライド方向端部が前記ロゴプレートに回り込む形状により、前記ロゴプレートの中をスライド方向に進行する光を遮光できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、複数種のロゴプレートに対して一つのアプリケーターを選択的に取り付け第一のケース側に挿入することで、ロゴプレートの交換を簡単に行うことが出来、さらにロゴプレートとアプリケーターとを係合し、アプリケーターと第一のケース及び/または第二のケースとを係合することにより、車両の各種振動などによってロゴプレートが位置ずれすることなく、取り付けすることができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、ロゴプレートにおけるアプリケーター側からの光漏れをなくして効果的に発光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1を示す取り付け状態を示す斜視図である。
【図2】同全体斜視図である。
【図3】同分解斜視図である。
【図4】同要部の平断面図である。
【図5】同要部の縦断面図である。
【図6】同ロゴプレートの引き出し状態を示す一部切り欠き斜視図である。
【図7】同第二の係合部まわりの斜視図である。
【図8】同第二の係合受け部まわりの斜視図である。
【図9】同本発明の実施例2を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0013】
図1乃至図8は実施例1を示しており、図1に示すように車両用オーナメント装置1は、車両であるワゴン車のリアウインドウガラス2の内側、すなわち車内側に装着されるもので、後述する表示部がリアウインドウガラス2を通して車外より視認できるようになっている。実施例の車両用オーナメント装置1はリアウインドウガラス2の周囲を覆う枠カバー3の下辺部3Aの上方に、下辺部3Aに沿うように横長に装着されている。
【0014】
車両用オーナメント装置1は、枠カバー3側に固定され本体ケースを形成する第一のケース4の室外側、すなわち外側に順次、反射シート5、灯体ユニット6(例えば、PCB ASSYを含む)、ロゴプレート7、さらに第一のケース4と周縁相互が爪部4Aやタッピングスクリュー(図示せず)を介し接続してカバーケースを形成する第二のケース8が一体的に設けられており、この第二のケース8には室内側、すなわち内側と外側方向を貫通した横長窓孔状の第一の開口部9が形成されており、この第一の開口部9はリアウインドウガラス2の車内側に臨んでいる。さらに、第一のケース4及び第二のケース8間、または第一のケース4或いは第二のケース8においてロゴプレート7を出し入れするためのスライド方向10となる横長方向の一方である第一の側端面11に第二の開口部12が設けられている。第二の開口部12は、第一のケース4と第二のケース8間の中空部13側と連通する。そして実施例では第二の開口部12は第一のケース4及び第二のケース8間の接合部をそれぞれ切り欠いてが縦長に形成されている。
【0015】
第一のケース4は合成樹脂製であって、図3に示すように外側に横長な第三の開口部14を設けると共に、下部には枠カバー3の下辺部3Aに載置するための取り付け部15が形成されている。第一のケース4の中空部13に設けられた支持部16を介して第一の開口部9に対向するように第三の開口部14に配置される反射シート5は反射部5Aを有している。そして、反射シート5の外側に設けられると共に、第一の開口部9に対向するように配置される灯体ユニット6は導光板17と、この導光板17に光を導入する光源18が配置されているもので、導光板17に例えばLED(発光ダイオード)素子が配置されて光源18が設けられ、さらに光源18から射出された光は導光板17内に導入され、導光板17の外側向きの主面に対して光が導出されるようになっている。すなわち、光源18からの光は、導光板17、反射シート5により導光板17の外側面が面光源化されるようになっている。尚、光源18には基板が含まれ、配線19が接続されている。
【0016】
ロゴプレート7は第一の開口部9に対向する光透過性合成樹脂板により形成されており、印刷或いは二色成形などにより文字(数字を含む)や図形などの表示部20である光非透過性或いは光半透過性のロゴが設けられている。尚、ロゴとしては「メ―カー名文字」「車名文字」「グレイド文字」或いは「社章」「初心者ドライバーマーク用図形」「高齢者ドライバーマーク用図形」など各種の表示がある。尚、このようなロゴプレート7は複数種類そろえておき、所望のものを取り付けるようになっている。
【0017】
そして、ロゴプレート7のスライド方向、すなわち横向き長手方向の端部に、アプリケーター21を着脱自在に設ける。このアプリケーター21は、ロゴプレート7の継ぎ手となる光非透過性を有する合成樹脂製であって、ロゴプレート7を接続するための第一の係合部22を備えロゴプレート7の内側面との当接板部23と、この当接板部23の一側に一体に設けられて第二の開口部12に嵌合可能でロゴプレート7の出し入れ操作部となる摘み部24と、スライド方向10の一側端側面側にある摘み部24と一体に設けられアプリケーター21のスライド方向10の端部がまわりこんでロゴプレート7の一側端面7Aからの光経路25を遮断する光経路遮断部26とを備える。
【0018】
ロゴプレート7の横向き方向の一側にはプレート延長部7Bが一体に設けられており、このプレート延長部7Bは第二のケース8の第二の開口部12側の一側の後側に設けられており、そして、当接板部23の外面の上下二か所に外側面にボスのような突起状の第一の係合部22が設けられると共に、プレート延長部7Bに上下二か所に内外方向を貫通したボス孔のような第一の係合受け部27が設けられており、第一の係合部22に第一の係合受け部27を係合することで、当接板部23にプレート延長部7Bを交換可能に接続できると共に、車両の走行時の振動などによりロゴプレート7と当接板部23との位置ずれを防ぐことができるようになっている。
【0019】
摘み部24の後面には内側向き突起状の第二の係合部28が設けられており、この第二の係合部28の左右方向一側には指掛け部24Aが溝或いは小突起によって形成されており、さらに第二の係合部28の上下には横方向の切り込み溝30が設けられて、第二の係合部28は片持ち弾片形状となっている。一方、第二の開口部12の後面には第二の係合部28が係合可能な第二の係合受け部29が凹状に形成されており、第二の係合受け部29に第二の係合部28が係合することで、摘み部24、ひいてはロゴプレート7が第二の開口部12より抜け止めできると共に、車両の走行時の振動などによりロゴプレート7と第一のケース4、第二のケース8との位置ずれを防ぐことができるようになっている。尚、第二の開口部12に差し込まれた摘み部24の指掛け部24Aを指で引き出しやすくするため、第一の側端面11には指掛け部24Aが常時あらわれるように凹部31が形成されている。
【0020】
さらに、実施例ではアプリケーター21のスライド方向10にある第二の側端面32がロゴプレート7に回り込むように設けられる光経路遮断部26は、摘み部24の長手方向の一方である第二の側端面32から外側に突設してロゴプレート7の一側端面7Aに対向して面接触或いは近接すると共に、外側端面26Aを第二の開口部12の外側面12Aに当接或いは近接する突片により形成されており、外側面12Aは第二のケース8の内側面より段状となってやや外側に設けられている。
【0021】
次に前記構成についてその作用を説明する。所望の表示部20があらわされたロゴプレート7の中空部13への取り付けは、第二の係合部28に第二の係合受け部29を係合させてロゴプレート7をアプリケーター21に位置ずれすることなく接続できる。そして、摘み部24を摘まんでロゴプレート7の左右方向の他方を第二の開口部12に差し込み、表示部20を導光板17の外側に配置すると共に第一の開口部9の内側に配置する。この差し込み直後において、第二の係合部28を第二の係合受け部29と係合することで、摘み部24、ひいてはロゴプレート7を、第一のケース4、第二のケース8に対して位置ずれすることなく固定することができる。
【0022】
そして、車両イルミネーション用スイッチ(図示せず)を閉成することで給電がなされて光源18が点灯すると、その光は導光板17から外側向きの主面に対して光が導出されて面光源化し、ロゴプレート7を内側から外側に向けて照明することで、表示部20が外側より視認できるようになる。この際、光がロゴプレート7を通り抜けて端面より漏れてしまうおそれがあるが、端面には光経路遮断部26が対向して当接しているので、端面より光が漏れるようなことはないようになっている。
【0023】
一方、ロゴプレート7を交換するためなどのときには、凹部31に指を入れて指掛け部24Aに指を掛けて摘み部24を引き出す。この際、片持ち弾片形状の第二の係合部28は弾性変形して第二の係合受け部29との係合状態が解除される。そして、第一の係合部22と第一の係合受け部27との係合を解除することで、ロゴプレート7を摘み部24側と離すことができる。
【0024】
以上のように、前記実施例では、照明装置の長手方向の側面に設けた第二の開口部12からアプリケーター21と一体化したロゴプレート7を長手方向にスライドさせて挿入または抜出すことにより、各種のロゴプレート7を一つのアプリケーター21でカートリッジ式に自由に入れ替え可能にできると共に、ロゴプレート7と係合するようにアプリケーター21に第一の係合部22を設けることで、ロゴプレート7とアプリケーター21との接続が車両の走行時の振動などが原因となって位置ずれすることはない。
【0025】
さらに、アプリケーター21を第二の係合部28、第二の係合受け部29を介して第一のケース4を固定できるようにしたので、アプリケーター21、ひいてはロゴプレート7を車両の走行時の振動などで位置ずれすることを防止することができる。
【0026】
また、アプリケーター21のスライド方向10端部にロゴプレート7に回り込む光経路遮断部26により、前記ロゴプレート7の中をスライド方向10に進行する光を遮光できるので、車両用オーナメント装置1からの光の漏れをなくすことができる。
【実施例2】
【0027】
図9は実施例2を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例2では、光経路遮断部26´はアプリケーター21のスライド方向端部がロゴプレート7に鉤形状に回り込むように、摘み部24の長手方向の一方である第二の側端面32から外側に突設してロゴプレート7の一側端面7Aに対向して面接触或いは近接すると共に、外側端面を第二の開口部12の外側面に当接する突片の先端に光経路25と逆方向に屈曲部33を延長したものであり、アプリケーター21のスライド方向端部を包み込むようにして遮光したものである。
【0028】
このような実施例2においても、実施例1と同様にロゴプレート7のカートリッジ式交換、ロゴプレート7とアプリケーター21、さらには第一のケース4との固定の他に、光経路遮断部26´による遮光を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように本発明に係る車両用オーナメント装置は、各種の用途に適用できる。そして、実施例では車両用オーナメント装置は車両室内に固定したものを示したが、室外に固定してもよく、また実施例では第二の係合部はアプリケーターと第一のケースの間に介在したが、アプリケーターと第二のケースの間に介在してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 オーナメント装置
4 第一のケース
6 灯体ユニット
7 ロゴプレート
8 第二のケース
9 第一の開口部
10 スライド方向
12 第二の開口部
21 アプリケーター
22 第一の係合部
26 光経路遮断部
28 第二の係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両室内及び/または室外に固定される車両オーナメント照明装置であって、前記車両オーナメント照明装置は、第一のケース、該第一のケースに組み込まれ面発光する灯体ユニット、前記灯体ユニットの発光面側に配置され文字や図形などの表示部が表れた光透過性のロゴプレート、前記ロゴプレートと係合するように第一の係合部を有するアプリケーター、前記アプリケーターと一体化したロゴプレートを覆うように前記第一のケースに固定され、前記ロゴプレートが視認可能なように第一の開口部を有する第二のケースによって構成され、前記第一のケースと前記第二のケースによって挟持され、前記照明装置の長手方向の一端に設けた第二の開口部から前記アプリケーターと一体化したロゴプレートを長手方向にスライドさせて挿入または抜出すことにより自由に入れ替え可能にし、且つ前記ロゴプレートと一体化した前記アプリケーターと前記第一のケース及び/または第二のケースと係合するように第二の係合部を設けて前記ロゴプレートを固定可能とすることを特徴とする車両用オーナメント装置。
【請求項2】
前記アプリケーターのスライド方向端部が前記ロゴプレートに回り込む形状により、前記ロゴプレートの中をスライド方向に進行する光を遮光できることを特徴とする請求項1記載の車両用オーナメント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−28218(P2013−28218A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164198(P2011−164198)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】