説明

車両用照明プレート

【課題】 特定の表示部が立体的に見えることを可能とした車両用照明プレートを提供する。
【解決手段】 カバーレンズ4の裏面4aには、文字・マークなどの特定の表示部6を立体的に形成してなり、該特定の表示部6に光拡散処理7を施してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体の一部に取付けられる車両用照明プレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体(その装備品も含む)には、例えば、サイドステップ部に取付けられるスカッフプレートのように、車体表面に照明プレートが組み込まれる場合がある。この種の照明プレートは、全体が発光することによりインテリアになると共に、特定の表示(文字・マーク等)が施されている場合は、その表示を光らせて目立たせる働きをする。
【0003】
この照明プレートは、透明ガラス又は透明樹脂製の導光体と、該導光体を表面側から覆う遮光性能を有するカバーと、前記導光体の裏面に形成されてなる光反射層と、導光体の一側面に設けられた光源とより構成されている。この光源からの光を、導光体の一側面から導光体内に導入する。導光体の裏面に形成された光反射層で導入された光を反射させながら拡散させることにより、前記カバーに形成した特定の表示を適宜の透過部からのみ光が発光させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−163117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の照明プレートにあっては、透過部を介して発光した特定の表示は、導光体の裏面に形成されてなる平板状の光反射層によってのみ反射されるため、立体感が無いものとなる。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、特定の表示部が立体的に見えることを可能とした車両用照明プレートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、四辺に側壁を有するベース及び該ベースの側壁の先端に取付けられてなるカバーレンズより構成されてなるハウジングと、該ハウジングの側壁に配置されてなる光源と、該光源に対向し且つハウジングの内部に収納されてなると共に光源からの光をハウジングの内部に拡散させてカバーレンズを光らせる導光体と、該導光体の裏面に配されてなる光拡散反射部とよりなる車両用照明プレートであって、前記カバーレンズの裏面には、文字・マークなどの特定の表示部を立体的に形成してなり、該特定の表示部に光拡散処理を施してなることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用照明プレートであって、前記特定の表示部は、縦壁部と底面部とより構成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、カバーレンズの裏面には、文字・マークなどの特定の表示部を立体的に形成してなり、該特定の表示部に光拡散処理を施してなるので、導光体からの光が特定の表示部で拡散されてカバーレンズから出射できるため、特定の表示部のより示される文字・マークなどが立体的に見えることになり、光束利用効率が高く、且つ高輝度となる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載の効果に加え、前記特定の表示部は、縦壁部と底面部とより構成されてなることにより、入光した光が縦壁部と底面部と向きを異にすることで、特定の表示部が立体的に見えることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
特定の表示部が立体的に見えることを可能とした車両用照明プレートを提供するため、カバーレンズの裏面には、文字・マークなどの特定の表示部を立体的に形成してなり、該特定の表示部に光拡散処理を施してなることで、実現した。
【実施例1】
【0011】
以下、この発明の一実施例を図1〜図3に基づいて説明する。符号Sは、周知の自動車のサイドステップ部に取付けられるスカッフプレート(照明プレート)である。このスカッフプレートSは、ハウジング1と、光源2とから構成されている。符号15は、光を透過しないスカッフプレートSの周囲に配される部材である。
【0012】
ハウジング1は、ベース3と、カバーレンズ4と、導光体5とから構成された長方形の中空箱状をしている。ハウジング1が中空箱状のため、とても軽量である。
【0013】
ベース3は、白色の合成樹脂製で、光反射性に優れてなり、四辺に側壁3a、3bを有する上部開放の容器形状をしている。ベース3を白色の合成樹脂製にしたのは、高反射率を得るためである。また、ベース3の内面は、拡散反射を促すために微細凹凸状のシボ加工も施されている。尚、ベース3は、合成樹脂自体を白色にする代わりに、別の色の合成樹脂の表面に白色塗装を施しても良く、ホーニング状の金属系光択面等で形成しても良い。
【0014】
カバーレンズ4は、透明性の合成樹脂製で、ベース3の側壁3a、3bの先端で区画される開口の全てを覆うように取付けられる。カバーレンズ4の裏面4aには、ベース3内に突出する表示部(文字)6が設けられ、その表示部6の縦壁部6a及び底面部6bのそれぞれには、光拡散処理7が施されている。従って、表示部6は、それ以外の領域よりも拡散率が大きく立体的であるし、入光した光が縦壁部6aと底面部6bと向きを異にすることで、特定の表示部6が立体的に見えるので、表示部6を明瞭に視認することができる。
【0015】
前記導光体5は、前記光源2に対向し且つハウジング1の内部に収納されてなると共に光源2からの光Lをハウジング1の内部に拡散させてカバーレンズ4を光らせるものであって、該導光体5の裏面5aには、光拡散反射板22を配設してなる。前記導光体5は、透明合成樹脂をカットして形成してなる。
【0016】
前記光源2は、ベース3の底面における長手方向端部に支持されてなる基板10と、該基板10に支持されてなるLED9と、該LED9に接続した配線8と、より構成される。LED9は、ベース3の底面に形成された一対の突起部11、11により固定されている。この突起部11、11には、LED9の側面を挟持すると共に先端側への抜けを防止する凸部11a,11aが形成されている。配線8は、ベース3の側壁3bに形成された貫通孔13を貫通して外部へ導かれていると共に該貫通孔13に支持されたゴムキャップ14により密封支持されている。
【0017】
また、この突起部11、11の端部からは、光Lの照射方向に向けて開いたテーパ状のリフレクタ12、12が側壁3a、3aまで延設されている。このリフレクタ12、12の表面も、ベース3の表面と同じ表面処理が施されている。
【0018】
以上のように構成されたスカッフプレートSは、カバーレンズ4の裏面4aには、文字・マークなどの特定の表示部6を突出することで立体的に形成してなり、該特定の表示部6の縦壁部6aと底面部6bとに光拡散処理7を施してなるので、導光体5が入光された光源2からの光が、該導光体5の裏面5aに配された光拡散反射板22により上側に発光され、その光が特定の表示部6の縦壁部6aと底面部6bとに施された光拡散処理7により拡散されて向きを変えた光が、カバーレンズ4から出射できるため、特定の表示部6に形成されてなる、例えば、「ICHK−H」などの文字・マークが立体的に見えることになり、光束利用効率が高く、且つ高輝度となる。
【0019】
また、前記ハウジング1のベース3の内面は、白色系樹脂、高反射塗装、アルミ蒸着などによる光反射性に優れてなることにより、更に、輝度が増すことになる。
【0020】
また、前記導光体5は、透明合成樹脂をカットして形成してなることにより、導光体5の製造原価が低減できることになる。
【0021】
リフレクタ12、12が、光源2のLED9に対してテーパ状に傾斜しており、このリフレクタ12、12は、LED9からの光を最初に反射するだけでなく、反射されて戻ってきた光を、LED9の向きとは交差する方向へ更に二次反射させることができるため、光の更なる拡散状態が得られ、カバーレンズ4をより一層均一に発光させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明によれば、ベース3は、白色系樹脂として説明したが、これに限定されるものではなく、高反射塗装、アルミ蒸着などによっても良い。
【0023】
カバーレンズ4の表示部6は、ベース3内に突出する旨を説明したが、これに限定されるものではなく、逆に凹んでいても良い。また、該表示部6に施される光拡散処理7は、表示部6の縦壁部6aと底面部6bとに施すだけでなく、底面部6bだけに施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施例に係るスカッフプレートを示す一部破断の平面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図。
【符号の説明】
【0025】
S スカッフプレート
1 ハウジング
2 光源
3 ベース
3a、3b 側壁
4 カバーレンズ
5 導光体
6 表示部
6a 縦壁部
6b 底面部
7 光拡散処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四辺に側壁を有するベース及び該ベースの側壁の先端に取付けられてなるカバーレンズより構成されてなるハウジングと、該ハウジングの側壁に配置されてなる光源と、該光源に対向し且つハウジングの内部に収納されてなると共に光源からの光をハウジングの内部に拡散させてカバーレンズを光らせる導光体と、該導光体の裏面に配されてなる光拡散反射部とよりなる車両用照明プレートであって、
前記カバーレンズの裏面には、文字・マークなどの特定の表示部を立体的に形成してなり、該特定の表示部に光拡散処理を施してなることを特徴とする車両用照明プレート。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用照明プレートであって、
前記特定の表示部は、縦壁部と底面部とより構成されてなることを特徴とする車両用照明プレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−221073(P2006−221073A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36265(P2005−36265)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】