説明

車両用空気調和装置

【課題】 良好な操作性を保って騒音の発生を防止または抑制し、かつ、安価に製造することができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本体カバー3内を通って空調される空気の流れがエアミックスダンパ23の開閉操作によって制御され、エアミックスダンパ23のダンパ軸31が、本体カバー3の軸受部37に回動可能に支持されている車両用空気調和装置であって、軸受部37の内周面38に、周方向に連続するように形成された軸受突起部39と、ダンパ軸31の外周面32に、ダンパ軸31の軸線方向で軸受突起部39から離隔し、周方向に連続するように形成されたダンパ軸突起部33と、が備えられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内の冷暖房等に用いられる車両用空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車室内の冷暖房を行って快適な車室内空間を提供する車両用空調装置は、送風ファン、エバポレータおよびヒータコア等を収納して空気の流路を形成するケーシング内に各種のダンパを設置した構成とされる。
ケーシング内に設置されるダンパとしては、導入する空気の切換を行う内外気切換ダンパ、空調温度の制御に使用されるエアミックスダンパ、空調した空気の吹出モードに応じてフェース吹出口、フット吹出口およびデフロスト吹出口の開閉操作を行う吹出口ダンパ(フェースダンパ等)がある。
【0003】
上述したダンパは、板状のダンパ本体と一体のダンパ軸を備えており、このダンパ軸がケーシングの軸受部に回動可能に支持されている。
このような板ダンパ構造においては、従来、ダンパ軸はケーシングの軸受部に面で支持されている。
冷暖房運転による温度変化の影響を受けた場合の熱膨張およびダンパの開閉動作を可能とする点を考慮すると、ダンパ軸と軸受部との間に隙間を設けることになり、この隙間を空気が流れる、いわゆる、風漏れが発生することになるので、条件によっては耳障りな異音を発生することがある。
この風漏れの対策として、軸受部がダンパ軸の外側を覆うように形成されるものが提案されている。しかし、これは軸受部の構造が大きくなり、コストアップとなるし、また、隙間を大きくした場合に、振動によってダンパ軸と軸受面とが衝突し、カタカタ音が発生するという問題がある。
【0004】
この風漏れおよびカタカタ音を抑制するものとして、例えば、特許文献1に示されるものが提案されている。
これは、全周にかけて外側に突出する凸状部を形成した弾性のシール部材をダンパ軸13に被覆し、この凸状部を軸受面に接触させるものである。
これにより、弾性を有するシール部材で隙間をシールするので、ダンパ軸と軸受部との隙間を設けても空気漏れの防止を図れるとともに、ガタツキが抑えられるのでカタカタ音の発生の防止を図れるものである。
【0005】
【特許文献1】特開平9−58249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されるものは、ケーシングとダンパ以外にシール部材が必要であるので、その分だけ部品代が増加するし、かつ、組み立ての手間も増加して組立作業時間も増加する。このため、車両用空気調和装置の製造コストが増加するという問題がある。
また、ダンパの自重、あるいは、車両用空気調和装置の稼動中にダンパに作用する空気圧等によってダンパ軸はある方向に、あるいは振動してあちらこちらに移動するが、シール部材が弾性を有しているので、この移動する方向のシール部材が圧縮され、移動する方向と反対側に隙間が生じ、風漏れが発生する恐れがあるという問題がある。
このように、シール部材は力が作用する側でつぶれて面接触となるので、ダンパ操作力が増大し、ダンパの開閉動作に支障となるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、良好な操作性を保って騒音の発生を防止または抑制し、かつ、安価に製造することができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明にかかる車両用空気調和装置は、ケーシング内を通って空調される空気の流れがダンパの開閉操作によって制御され、前記ダンパの軸部が、前記ケーシングの軸受部に回動可能に支持されている車両用空気調和装置であって、前記軸受部の内周面に、周方向に連続するように形成された軸受突起部と、前記軸部の外周面に、前記軸部の軸線方向で前記軸受突起部から離隔し、周方向に連続するように形成された軸突起部と、が備えられていることを特徴とする。
【0009】
このように、軸受部の内周面に、周方向に連続するように形成された軸受突起部と、軸部の外周面に、軸部の軸線方向で軸受突起部から離隔し、周方向に連続するように形成された軸突起部と、が備えられているので、軸受突起部および軸突起部によって軸受部とダンパ軸との間の隙間にラビリンス構造が形成されることになる。
このため、軸受部とダンパ軸との間の隙間を通る空気流れはこのラビリンス構造によって抑制されるので、風漏れ音の発生を抑制することができる。
【0010】
また、冷暖房運転による温度変化等によって径方向位置が変動して軸受突起部あるいは軸突起部が対向するダンパ軸あるいは軸受部に当接しても、略線接触となるので、摩擦抵抗は小さくダンパの開閉操作を阻害することはない。
さらに、軸受突起部および軸突起部はそれぞれケーシングあるいはダンパと一体として形成されるので、材料費がわずかに増加するだけで部材数の増加はなく、組み立ての手間も変わらない。このため、車両用空気調和装置の製造コストはほとんど増加することはなく、安価に製造することができる。
なお、軸受突起部および軸突起部は、例えば三角形断面のように頂部、すなわち、先端部が尖っているのが好ましい。
【0011】
また、本発明にかかる車両用空気調和装置は、前記軸受突起部および前記軸突起部の内、外側に配置される方の高さは、他方よりも高くされていることを特徴とする。
【0012】
このように、軸受突起部および軸突起部の内、外側に配置される方の高さは、他方よりも高くされているので、ダンパ軸を軸受部に挿入する時に低い方が抵抗とならない。このため、ダンパ軸を軸受部に挿入し易くなるので、組立作業を容易に行うことができる。
また、外側の隙間が内側に比べて小さくなるので、ラビリンス構造で抑制された空気流れが外部に伝わることをより抑制することができる。
【0013】
また、本発明にかかる車両用空気調和装置は、前記軸受突起部および前記軸突起部の少なくとも一方の頂部に、その延長部分となるように薄板状の薄膜部が備えられていることを特徴とする。
【0014】
このように、軸受突起部および軸突起部の少なくとも一方の頂部に、その延長部分となるように薄板状の薄膜部が備えられているので、この薄膜部が軸受部の内周面あるいは軸部の外周面に当接すると容易に変形することができる。
このため、軸受突起部および/または軸突起部と、軸部の外周面および/または軸受部の内周面との間を密封することができるので、風漏れ音の発生を防止することができる。
また、軸受突起部あるいは軸突起部の移動は、薄膜部の変形で吸収することができるので、衝突現象が発生せず、カタカタ音を防止することができる。
【0015】
また、上記発明では、前記薄膜部の厚さは、0.1〜0.3mmとされていることが好ましい。
このようにすると、一応の強度を保持(0.1mm以上)して、容易な変形を確保(0.3mm以下)することができる。
【0016】
また、本発明にかかる車両用空気調和装置は、前記軸受突起部および前記軸突起部は、その頂部にパーティングラインがあるようにして形成されていることを特徴とする。
【0017】
このように、軸受突起部および軸突起部は、その頂部にパーティングラインがあるようにして形成されているので、頂部にバリが形成されることがある。このバリが、上述の薄膜部と同様な効果を備えるので、騒音の発生を防止することができる。
【0018】
また、本発明にかかる車両用空気調和装置は、前記軸線方向における前記軸受突起部および前記軸突起部の間隔は、前記軸線方向における前記ケーシングおよび前記ダンパの間隔よりも小さくされていることを特徴とする。
【0019】
このように、軸線方向における軸受突起部および軸突起部の間隔は、軸線方向におけるケーシングおよびダンパの間隔よりも小さくされているので、例えば、冷暖房運転による温度変化等の要因で、ダンパとケーシングとが接近しても、軸受突起部および軸突起部が先に当接する。
このため、ダンパの側部がケーシングに当るのを防止できるので、ダンパが開閉動作を行えなくなる事態を防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、軸受部の内周面に、周方向に連続するように形成された軸受突起部と、軸部の外周面に、軸部の軸線方向で軸受突起部から離隔し、周方向に連続するように形成された軸突起部と、が備えられているので、風漏れ音の発生を抑制することができる。
また、ダンパの開閉操作を阻害することはない。
さらに、車両用空気調和装置を安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明にかかる車両用空気調和装置の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
車両用空気調和装置は、大きくは冷暖房などの空気調和を行う空気調和ユニットと、冷房運転時に空気調和ユニット内へ冷媒を供給するための冷媒系と、暖房運転時に空気調和ユニット内へ熱源となるエンジン冷却水を供給するための加熱源系と、装置全体の作動制御を行う制御部と、により構成されている。
【0022】
冷媒系は、後述する空気調和ユニット内のエバポレータに低温低圧の液冷媒を供給する冷媒回路であり、ガス冷媒を圧縮するコンプレッサと、ガス冷媒を凝縮させるコンデンサと、高温高圧の液冷媒を減圧および膨張させて低温低圧の液(霧状)冷媒をエバポレータに供給する膨張弁とを具備している。
加熱源系は、後述する空気調和ユニット内のヒータコアに熱源となる高温のエンジン冷却水を供給する温水回路であり、エンジンとラジエタとの間を循環しているエンジン冷却水系から、温水の一部をウォータバルブによる流量制御を行ってヒータコアに導入するように構成されている。
【0023】
制御部CPは、空調装置を構成している空気調和ユニット1、冷媒系および加熱源系の作動制御を行うものであり、通常、乗員が各種の設定を行う操作パネルに制御回路を組み込んで、車室内のインスツルメントパネル中央部等に配置されている。この制御部CPでは、各種ダンパ類の開閉操作による運転モードの選択切り換え、内気/外気切換ダンパの切換操作による導入空気の選択切り換え、送風ファンの風量切り換え操作および所望の温度設定操作等を行うことができる。
【0024】
ここで、一般的な空気調和ユニット1の構成を図1に基づいて説明する。
空気調和ユニット1は、通常HVAC(heating ventilation air-conditioning)モジュールと呼ばれており、中空の本体カバー(ケーシング)3をケーシングとしている。この本体カバー3内は空調する空気の流路となり、同流路の上流側から順に、送風ファン5、エバポレータ7およびヒータコア9等の機器類が収納設置されている。
【0025】
本体カバー3の外表面には、車室外の空気(外気)または車室内の空気(内気)を選択して導入するための空気取入口である外気導入口11および内気導入口13と、空調した冷風や温風等を選択した運転モードに応じて車室内へ吹き出すための空気吹出口であるデフロスト吹出口15、フェース吹出口17およびフット吹出口19とが開口している。
なお、以下の説明では、空気取入口から導入する車室外の空気(外気)および車室内の空気(内気)を総称して「導入空気」と呼ぶ。
【0026】
本体カバー3の内部には、導入空気の選択切換を行う内外気切換ダンパ(ダンパ)21と、ヒータコア9を通過する導入空気量を調整して温度制御するエアミックスダンパ(ダンパ)23と、各吹出口に各々設置されたデフロストダンパ(ダンパ)25、フェースダンパ(ダンパ)27およびフットダンパ(ダンパ)29の吹出口ダンパとが配設されている。ここで使用される各種ダンパは、いずれも片持ちダンパである。
また、本体カバー3の内部には、必要に応じて各種のセンサ(不図示)が設置されている。
【0027】
図2は、エアミックスダンパ23の一端部の構造を示す要部断面図である。図3は、図2の側面図である。図4および図5は、図2のA部拡大図である。
エアミックスダンパ23を操作して図1に実線表示の最大冷房位置とすれば、導入空気の全量がヒータコア9をバイパスして流れる。一方、図1に破線表示の最大暖房位置とすれば、導入空気の全量がヒータコア9を通過して加熱される。
【0028】
エアミックスダンパ23には、一端部に、略円筒形状をしたダンパ軸31が両側に突出するように備えられている。
ダンパ軸31の外周面32の略中間部分には、周方向に連続するように形成されたダンパ軸突起部(軸突起部)33が形成されている。ダンパ軸突起部33は、軸線中心を含む平面で切断した断面形状が、外側に1角部を有する三角形状とされている。
【0029】
エアミックスダンパ23は、たとえば、マイカを40%含有したポリプロピレンで一体成型された成型品である。その硬度は、例えば、ロックウェル硬度112である。
なお、エアミックスダンパ23の成型素材としては、タルクを40%含有したポリプロピレン等が用いられる。
【0030】
本体カバー3の適所に、中空円筒形状をした軸受部37が備えられている。軸受部37の内径は、たとえば、略8mmとされている。
軸受部37の内周面38には、周方向に連続するように形成された軸受突起部39が形成されている。軸受突起部39は、軸線中心を含む平面で切断した断面形状が、内側に1角部を有する三角形状とされている。
【0031】
軸受突起部39は、たとえば、タルクを15%含有したポリプロピレンで、本体カバー3と一体成型されている。その硬度は、例えば、ロックウェル硬度102で、ダンパ23(ダンパ軸31)よりも軟らかく形成されている。
なお、本体カバー3の成型素材としては、タルクを20%含有したポリプロピレン等が用いられる。
【0032】
軸受突起部39の先端部(頂部)には、周方向に連続して内側に突出するように薄膜部41が一体に形成されている。
この薄膜部41の軸線方向に沿った厚さは、たとえば、0.2mmとされている。この厚さが、0.1mmよりも小さいと破れる等、破壊され易くなる。また、0.3mmを超えると、剛性が大きくなり変形しづらくなる。したがって、大きな力が作用すると破壊されることになる。
【0033】
なお、本体カバー3の成型時、軸受突起部39の頂部にパーティングラインがある金型を用いて成型してもよい。
このようにすると、頂部にバリが形成されることがある。このバリが、上述の薄膜部41となる。この場合、積極的にバリが形成されるようにするとよい。
【0034】
軸受突起部39の高さSは、ダンパ軸突起部33の高さHよりも大きくされている。
図2は、ダンパ軸31が軸受部37に装着された状態を示している。この時、軸受突起部39は、ダンパ軸突起部33よりも外側に位置するようにされている。
また、ダンパ軸突起部33と軸受突起部39との間隔Xは、ダンパ23の側部とケーシング3の内面との間隔Yよりも小さくなるようにされている。
以上、エアミックスダンパ23について説明したが、内外気切換ダンパ21、デフロストダンパ25、フェースダンパ27およびフットダンパ29も略同様に構成されている。
【0035】
以上のように構成された車両用空気調和装置1の動作、作用・効果について説明する。
まず、各ダンパの本体カバー3への組付けについてエアミックスダンパ23を代表として説明する。
エアミックスダンパ23を本体カバー3の内側に持ち込み、ダンパ軸31を軸受部37の内側から挿入する。図4に示すように、ダンパ軸31の外周面32先端が軸受部37の内部に進入し、薄膜部41に当接する。さらに、ダンパ軸31を進入させると、薄膜部41が図5に示すように変形し、ダンパ軸31の外周面32と軸受突起部39との間が密封される。
【0036】
このとき、ダンパ軸突起部33の高さHは、軸受突起部39の高さよりも低くされているので、ダンパ軸突起部33の先端は軸受部37の内周面38と接触しない。このため、その分抵抗が少なくなるので、ダンパ軸31を軸受部37に挿入し易くなり、組立作業を容易に行うことができる。
また、ダンパ軸突起部33が軸受突起部39よりも内側に配置されているので、ダンパ軸31を内側から挿入するのが容易に行うことができる。
【0037】
ダンパ軸31が所定の位置まで挿入されると、図2に示される状態となり、エアミックスダンパ23の本体カバー3への取付けが終了する。
内外気切換ダンパ21、デフロストダンパ25、フェースダンパ27およびフットダンパ29も同様にして本体カバー3に取付ける。
また、送風ファン5、エバポレータ7およびヒータコア9等の機器類を収納設置する。
【0038】
次に、車両用空気調和装置1の冷暖房運転時について説明する。
冷暖房運転を行うと、本体カバー3内を導入空気が流動し、それがダンパ軸31と軸受部37との間の隙間に流入する。
本実施形態では、薄膜部41が軸受突起部39とダンパ軸31の外周面32との間を密封しているので、外部に流出するような事態とならず、風漏れ音の発生を防止することができる。
また、たとえば、冷暖房運転の温度変化に伴う膨張により軸受突起部39あるいはダンパ軸31が相対的に半径方向に移動しても、薄膜部41は、容易に変形できるので、それを吸収することができる。このため、衝突現象が発生しないので、カタカタ音の発生を防止することができる。
したがって、騒音を外部に出さないので、静かで快適な車室内空間とすることができる。
【0039】
さらに、軸受突起部39およびダンパ軸突起部33はそれぞれ本体カバー3あるいはエアミックスダンパ23と一体成型されるので、材料費がわずかに増加するだけで部材数の増加はなく、組み立ての手間も変わらない。
このため、車両用空気調和装置1の製造コストはほとんど増加することはなく、安価に製造することができる。
【0040】
また、ダンパ軸突起部33と軸受突起部39との間隔Xは、ダンパ23の側部とケーシング3の内面との間隔Yよりも小さくなるようにされているので、例えば、冷暖房運転による温度変化等の要因で、エアミックスダンパ23と本体カバー3とが接近しても、軸受突起部39およびダンパ軸突起部33が先に当接する。
このため、エアミックスダンパ23の側部が本体カバー3に当るのを防止できるので、エアミックスダンパ23が開閉動作を行えなくなる事態を防止することができる。
以上、エアミックスダンパ23について説明したが、内外気切換ダンパ21、デフロストダンパ25、フェースダンパ27およびフットダンパ29についても同様である。
【0041】
なお、本実施形態では薄膜部41を用いているが、この薄膜部41を用いないようにしてもよい。
この場合、軸受突起部39とダンパ軸突起部33とによって、ラビリンス構造が形成されることになる。
このため、軸受部37とダンパ軸31との間の隙間を通る空気流れはこのラビリンス構造によって抑制されるので、風漏れ音の発生を抑制することができる。
また、たとえば、冷暖房運転の温度変化に伴う膨張により軸受突起部39あるいはダンパ軸31が相対的に半径方向に移動して軸受突起部39あるいはダンパ軸突起部33が対向するダンパ軸31あるいは軸受部37に当接しても、略線接触となるので、摩擦抵抗は小さくダンパ23の開閉操作を阻害することはない。
【0042】
また、本実施形態では、ダンパ軸突起部33の高さを軸受突起部39よりも低くしているが、反対に高くなるようにしてもよい。
さらに、ダンパ軸突起部33を軸受突起部39よりも外側に位置するようにしてもよい。
また、さらに、ダンパ軸突起部33の先端に薄膜部41を備えるようにしてもよい。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態にかかる車両用空気調和装置の空気調和ユニットの構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるエアミックスダンパの一端部の構造を示す要部断面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるエアミックスダンパの装着作業時の状態を示す図2のA部拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるエアミックスダンパの装着時の状態を示す図2のA部拡大図である。
【符号の説明】
【0045】
3 本体カバー
21 内外気切換ダンパ
23 エアミックスダンパ
25 デフロストダンパ
27 フェースダンパ
29 フットダンパ
31 ダンパ軸
32 外周面
33 ダンパ軸突起部
37 軸受部
38 内周面
39 軸受突起部
41 薄膜部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内を通って空調される空気の流れがダンパの開閉操作によって制御され、前記ダンパの軸部が、前記ケーシングの軸受部に回動可能に支持されている車両用空気調和装置であって、
前記軸受部の内周面に、周方向に連続するように形成された軸受突起部と、
前記軸部の外周面に、前記軸部の軸線方向で前記軸受突起部から離隔し、周方向に連続するように形成された軸突起部と、が備えられていることを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項2】
前記軸受突起部および前記軸突起部の内、外側に配置される方の高さは、他方よりも高くされていることを特徴とする請求項1に記載された車両用空気調和装置。
【請求項3】
前記軸受突起部および前記軸突起部の少なくとも一方の頂部に、その延長部分となるように薄板状の薄膜部が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載された車両用空気調和装置。
【請求項4】
前記薄膜部の厚さは、0.1〜0.3mmとされていることを特徴とする請求項3に記載された車両用空気調和装置。
【請求項5】
前記軸受突起部および前記軸突起部は、その頂部にパーティングラインがあるようにして形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載された車両用空気調和装置。
【請求項6】
前記軸線方向における前記軸受突起部および前記軸突起部の間隔は、前記軸線方向における前記ケーシングおよび前記ダンパの間隔よりも小さくされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載された車両用空気調和装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−149845(P2008−149845A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−338824(P2006−338824)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】