車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造
【課題】スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等に左右されることなく、荷重受け具の形状・寸法を標準化できるように意図した。
【解決手段】スペアタイヤのホィールのホィールディスク部とスペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、荷室床板から及ぼされる荷重をホィールディスク部で受けるように構成した荷重受け具8が、荷室床板4の下面側に当接して荷室床板4から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部9と、荷重受け本体部9に設けられてホィールディスク部72aにおける車軸クランプ部72bのみに当接する荷重伝達片部10とで構成しており、荷重伝達片部10によって荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるように構成した。
【解決手段】スペアタイヤのホィールのホィールディスク部とスペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、荷室床板から及ぼされる荷重をホィールディスク部で受けるように構成した荷重受け具8が、荷室床板4の下面側に当接して荷室床板4から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部9と、荷重受け本体部9に設けられてホィールディスク部72aにおける車軸クランプ部72bのみに当接する荷重伝達片部10とで構成しており、荷重伝達片部10によって荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に設置して、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図1に示すように、車両例えば乗用車或いはワンボックスカー等の自動車の車体3の後部は、フロアボード1が着脱可能に敷設されていて、フロアボード1の上部が空間部となって、荷室2を構成している。
【0003】
そして、従来の技術においては、図22に示すように、例えばフロアボード1の下部と車体3を構成する荷室床板4との間に、区画空間部4aが形成されていて、収納箱5が車両の前後方向にスライドして区画空間部4aより出し入れ可能に構成されている。
【0004】
荷室床板4の下部には、車体3の一部を凹設することによって、スペアタイヤ収納部6が形成されており、スペアタイヤ収納部6にはスペアタイヤ7が収納されるようになっている。
【0005】
スペアタイヤ7は、ドーナツ状に形成されたタイヤ部71とタイヤ部71を支持して不図示の車軸に装着するためのホィール72とを有して構成している。
【0006】
そして、スペアタイヤ7は、タイヤ部71に比較してホィール72が薄形状に形成されているために、スペアタイヤ収納部6に収納した際には、特にホィール72と荷室床板4の下面との間には、スペースSができてしまう。
【0007】
このようにスペースSが存在している場合には、フロアボード1上に載置収容された荷物や収納箱5に収容された収容物等により、荷室床板4に荷重がかかった場合、荷室床板4がスペースSの方向に下降変形してしまうことがあり、この変形はフロアボード1にまで及ぶことになって、フロアボード1が凹んでしまうことがあった。もしこのような凹み変形を無くすために、荷室床板34を板厚にして高剛性に構成した場合には、車両重量の上昇を招いてしまうことになる。
【0008】
そこで、従来では、スペアタイヤ7のホィール72と荷室床板4との間に荷重受け具8を介在させて、荷室床板4の方から及ぼされた荷重に対して、荷重受け具8がホィール72に当接して、荷室床板4に及ぼされた荷重を支持して、荷室床板4に凹みが生じないようにしていた。
【0009】
このような役目を果す荷重受け具8は、一般のカーショップ等においてオプション品として販売されており、図23に示すように、例えば発泡PPビーズを略ドーナツ形に成形して構成するもので、上面側は荷室床板4に当接する荷室床面側当接面81に構成されており、又、下面側は、ホィール72の凹凸面に嵌合するような凹凸状ホィール側当接面82に形成されている。
【0010】
又、スペアタイヤ7をスペアタイヤ収納部6に収容した際、図23に示すように、荷重受け具8とは別体構成にしたクランプ盤11aを有するクランプボルト11を、ホィール72のホィールディスク部72aの中央部に設けられた車軸クランプ部72bの貫通孔内に挿通した後、車体3側に形成したブラケット31に螺着してクランプ盤11aおよびブラケット31の間で挟着することによって、スペアタイヤ7はスペアタイヤ収納部6に固着収納されることになる(類似している技術として特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−193715号公報
【特許文献2】特開2000−52874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記のように、荷重受け具8は、ホィール72に当接する凹凸状ホィール側当接面82が、ホィール72のほぼ全体に渡って形成されている凹凸形状に嵌合するように形成されているため、スペアタイヤ7のタイヤサイズやホィール72の凹凸形状・寸法が異なる毎に、別形状・寸法に形成したものを用意しておかなければならず、製造コスト的に高くなるばかりでなく、在庫コストにも影響させてしまうことになる。
【0013】
そこで、本発明は、スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等に左右されることなく、荷重受け具の形状・寸法を標準化できるように意図した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、第1に、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接する荷重伝達片部とで構成しており、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重を前記ホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるように構成したことを特徴とするものである。
【0015】
かかる構成により、荷重受け具が、荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、荷重受け本体部に設けられてホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接することによって荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるようにした荷重伝達片部とで構成したことにより、車軸クランプ部の形状は通常スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ所定の形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができる。
【0016】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、前記荷重伝達片部に、前記スペアタイヤを前記スペアタイヤ収納部に固定するためのクランプボルトを設けるようにしてもよい。
【0017】
かかる構成により、荷重受け具によりスペアタイヤをクランプするためのクランプ盤を兼用することができ、部品点数やコストの軽減に寄与することができる。
【0018】
又、本発明に係る前記荷重受け本体部は、前記荷重伝達片部の外周を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部により構成しており、該プレート状突起部が前記ホィールディスク部の上面に対向するようにしてもよい。
【0019】
かかる構成により、荷重受け本体部をプレート状突起部により構成したことにより、ホィールディスク部の凹凸形状の如何に関わらず適宜箇所に当接させることができ、荷室床板から受けた荷重を荷重受け本体部からスペアタイヤのホィールに及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができる。
【0020】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、第2に、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記ホィールディスク部上にスピーカ装置を載置収容し、且つ、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部に前記スピーカ装置を介在させて当接する荷重伝達片部とで構成し、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重が前記スピーカ装置を介して前記ホィールディスク部に支持されるように構成したことを特徴とするものである。
【0021】
かかる構成により、荷重受け具の荷重伝達片部は、スピーカ装置を介在させて、荷重伝達片部からの荷重をホィールディスク部に伝達するように構成することにより、荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部に支持させるように構成したことにより、ホィールディスク部の形状がスペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変化されたとしても、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置上に荷重伝達片部を当接させるだけで、荷室床板からの荷重をホィールディスク部に伝達することができ、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができることになる。
【0022】
本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は前記荷重受け本体部に、前記スピーカ装置より引き出されたハーネスを収容するハーネス収容部を形成するようにしてもよい。
【0023】
かかる構成により、たとえホィールディスク部上にスピーカ装置を載置収容したとしても、スピーカ装置のハーネスがハーネス収容部内に収容されていることになって、ハーネスを整理整頓して車体側に案内配設することができ、周囲の見栄え向上に寄与することができる。
【0024】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、前記ハーネス収容部を構成する天井壁部を切り落とすことによってハーネス受け部を形成して、該ハーネス受け部と前記天井壁部との間で前記ハーネスを固定するように構成してもよい。
【0025】
かかる構成により、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置のハーネスが、ハーネス収容部内おいて、天井壁部とハーネス受け部との間で固定されることになって、ハーネスの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネスを整理整頓した状態で車体側に案内配設することができ、周囲の見栄え向上に寄与することができる。
【0026】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、前記ハーネス用収容部を構成する天井壁部に係合孔部を形成して、該係合孔部に前記ハーネスを束ねるハーネスクランプ片の係合取付け部を係合して、前記ハーネスを前記ハーネス用収容部内で固定するように構成するようにしてもよい。
【0027】
かかる構成により、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置のハーネスは、ハーネス収容部内において、クランプ片の係合片が係合孔に係合することにより固定されることになって、ハーネスの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネスを整理整頓した状態で車体側に案内配設することができ、周囲の見栄え向上に寄与することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、荷重受け具が、荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、荷重受け本体部に設けられた荷重伝達片部とにより構成して、荷重伝達片部が、ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接するか、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置を介してホィールディスク部に当接することによって、荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるようにした構成したことにより、車軸クランプ部の形状は通常スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変更されたとしても、一般化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一般的な車両例えば乗用車或いはワンボックスカー等の自動車の後部荷室の概略斜視図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例を描画した図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例による荷重受け具を一部破断して描画した斜視図である。
【図4】図2における要部分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図6】本発明に係る第2の実施例による荷重受け具を描画した斜視図である。
【図7】図5における要部分解斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図9】本発明に係る第3の実施例による荷重受け具を描画した斜視図である。
【図10】は図8における要部分解斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図12】本発明に係る第4の実施例による荷重受け具を描画した斜視図である。
【図13】図11における要部分解斜視図である。
【図14】本発明の第5の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例を採用した荷重受け具の斜視図である。
【図16】図15における円内を拡大して描画した斜視図である。
【図17】図16のB−B断面図である。
【図18】本発明の第6の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図19】本発明の第6の実施例を採用した荷重受け具の斜視図である。
【図20】スピーカ装置のハーネスの一部を描画した斜視図である。
【図21】図20に示すハーネスを本発明に係る第6の実施例におけるハーネス収容部内に収容した状態を部分的に描画した平面図である。
【図22】従来の技術における図1のA−A断面図である。
【図23】同じく従来の技術における分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明による自動車用ドアトリムの実施例について、図面を用いて説明する。なお、従来の技術の説明で使用した符号に対応する構成については、同一の符号を付して説明することとする。
【0031】
図1は一般的な車両例えば乗用車或いはワンボックスカー等の自動車の後部の概略斜視図、図2は本発明に係る第1の実施例を描画した図1のA−A断面図、図3は本発明に係る第1の実施例による荷重受け具を一部破断して描画した斜視図、図4は図2における要部分解斜視図である。
【0032】
先ず、図1において、自動車の後部は、フロアボード1が着脱可能に敷設されていて、フロアボード1の上部が空間部となって、荷室2を構成している。
【0033】
そして、図2に示すように、フロアボード1の下部と車体3を構成する荷室床板4との間に、区画空間部4aが形成されていて、収納箱5が車両の前後方向にスライドして区画空間部4aより出し入れ可能に構成されている。
【0034】
荷室床板4の下部には、車体3の一部を凹設することによって、スペアタイヤ収納部6が形成されており、スペアタイヤ収納部6にはスペアタイヤ7を収納するようになっている。
【0035】
スペアタイヤ7は、ドーナツ状に形成されたタイヤ部71とタイヤ部71を支持して不図示の車軸に装着するためのホィール72とを有して構成している。
【0036】
そして、スペアタイヤ7は、タイヤ部71に比較してホィール72が薄形状に形成されているために、スペアタイヤ収納部6に収納した際には、特にホィール72と荷室床板4の下面との間には、スペースSができている。
【0037】
そこで、従来と同様に、スペアタイヤ7のホィール72と荷室床板4との間に荷重受け具8を介在させて、荷室床板4の方から及ぼされた荷重に対して、荷重受け具8がホィール72に当接して、荷室床板4に及ぼされた荷重をホィール72によって支持させて、荷室床板4に凹みが生じないようにしている。
【0038】
このような役目を果す荷重受け具8は、図3に示すように、インジェクション成形などによりPPビーズ樹脂を発泡成形して構成し、概ね全体形状が下方が開口すると共に上部に天井壁部を有する円筒状を呈しており、天井壁部が荷室床板4の下面側に当接して荷室床板4から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部9を構成し、また、荷重受け本体部9の下方に延在するように一体に設けられて荷重受け本体部9から及ぼされた荷重を受ける荷重伝達片部10を有して構成している。
【0039】
荷重伝達片部10は、ホィール72を構成するホィールディスク部72aの中央部に設けられた車軸クランプ部72bにのみ当接するだけの形状を有しおり、荷室床板4から荷重受け本体部9を介して及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるように構成している。
【0040】
又、スペアタイヤ7をスペアタイヤ収納部6に収容した際、図2および図4に示すように、荷重受け具8とは別体構成にしたクランプ盤11aを有するクランプボルト11を、車軸クランプ部72bの貫通孔内に挿通した後、車体3側に形成したブラケット31に螺着することによって、スペアタイヤ7はスペアタイヤ収納部6に固着収納される点、従来と同様である。
【0041】
なお、荷重受け本体部9は、その上面に膨出形状部9aが形成されると共に、膨出形状部9aの外周部は、凹凸形状に形成されて、剛性構造をとっている。
【0042】
以上のように構成する本発明の第1の実施例においては、荷重受け具8が、荷室床板4の下面側に当接して荷室床板4から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部9と、荷重受け本体部9に設けられてホィールディスク部72aにおける車軸クランプ部72bのみに当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにした荷重伝達片部10とで構成したことにより、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ標準化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができる。
【0043】
次に、図5乃至図7を用いて、本発明に係る第2の実施例について説明する。
【0044】
図5は本発明の第2の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図6は本発明に係る第2の実施例による荷重受け具を描画した斜視図、図7は図5における要部分解斜視図である。
【0045】
図5乃至図7によれば、荷重受け具8は、荷重伝達片部10を下方側に底壁部10aを有するほぼ円筒状に形成すると共に、荷重受け本体部9を、荷重伝達片部10の上端部側を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部によって構成し、荷重受け本体部9はホィールディスク部72aの上面に対向すると共にホィールディスク部72aの外周部に当接するように形成されており、荷重伝達片部10は、第1の実施例と同様に、車軸クランプ部72bにのみ当接するように形成されている。
【0046】
このように構成することにより、第2の実施例においては、第1の実施例と同様に、荷重伝達片部10が、車軸クランプ部72bのみに当接すると共に荷重受け部9がホィールディスク部72aの外周部に当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにした荷重伝達片部10とで構成したことにより、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、一般化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができることに加えて、荷重受け本体部9が、プレート状突起部により構成したことにより、ホィールディスク部の凹凸形状の如何に関わらず適宜箇所に当接させることができ、荷室床板から受けた荷重を荷重受け本体部からスペアタイヤのホィールに及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができることになる。
【0047】
なお、第2の実施例においても、上記第1の実施例と同様に、スペアタイヤ7をスペアタイヤ収納部6に収容した際、図5および図7に示すように、荷重受け具8とは別体構成にしたクランプ盤11aを有するクランプボルト11を、車軸クランプ部72bの貫通孔内に挿通した後、車体3側に形成したブラケット31に螺着することによって、スペアタイヤ7はスペアタイヤ収納部6に固着収納されるようになっている。
【0048】
又、荷重受け本体部9は、上記第2の実施例と同様に、その上面にその外周部に凹凸を有する膨出形状部9aが形成されていて、補強構造を呈しており、さらに、膨出形状部9aの上面または下面に図示しないが放射線状等の補強リブを立設することにより、更に剛性をアップするようにしてもよい。
【0049】
次に、本発明に係る第3の実施例について、図8乃至図10を用いて説明する。
【0050】
図8は本発明の第3の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図9は本発明に係る第3の実施例による荷重受け具を描画した斜視図、図10は図8における要部分解斜視図である。
【0051】
図8乃至図10によれば、荷重受け具8は、荷重伝達片部10をその下端側に底壁部10aを有した円筒状に形成すると共に、荷重受け本体部9を、荷重伝達片部10の上端部側を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部によって構成し、荷重受け本体部9はホィールディスク部72aの上面に対向する形成されていると共に、荷重伝達片部10の底壁部10aには、クランプボルト11が植設設置されており、底壁部10aがクランプ盤11aを兼用するようになっている。
【0052】
又、荷重伝達片部10は、上記第1の実施例と同様に、車軸クランプ部72bにのみ当接するように構成されていると共に、荷重受け本体部9がホィールディスク部72aの外周部に当接するように構成されている。
【0053】
このように構成することにより、第3の実施例においては、第1の実施例と同様に、荷重伝達片部10が、車軸クランプ部72bのみに当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにした荷重伝達片部10とで構成したことにより、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ標準化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コスト及び在庫コストの軽減に寄与することができることに加えて、荷重受け本体部9が、プレート状突起部により構成したことにより、ホィールディスク部72aの凹凸形状の如何に関わらず外周部に当接させることができ、荷室床板4から受けた荷重を荷重受け本体部9からスペアタイヤ7のホィール72に及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができることになる。
【0054】
さらに、荷重伝達片部10は、下方に底壁部10aには、スペアタイヤ7を車体3にクランプするためのクランプ盤11aを兼用している。この結果、スペアタイヤ7のクランプ機構の部品点数を少なくして、コスト低減に寄与することができる。
【0055】
なお、荷重受け本体部9は、上記第2の実施例と同様に、その上面にその外周部に凹凸を有する膨出形状部9aが形成されていて、補強構造を呈しており、さらに、膨出形状部9aの上面または下面に図示しないが放射線状等の補強リブを立設することにより、更に剛性をアップするようにしてもよい。
【0056】
次に、本発明に係る第4の実施例について、図11乃至図13を用いて説明する。
【0057】
図11は本発明の第4の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図12は本発明に係る第4の実施例による荷重受け具を描画した斜視図、図13は図11における要部分解斜視図である。
【0058】
図11乃至図13によれば、荷重受け具8における荷重受け本体部9が、プレート状に形成されており、荷重受け本体部9の下面側に長寸法のクランプボルト11を植設すると共に、クランプボルト11の下方中間部に車軸クランプ部72bに当接する荷重伝達片部10を設けており、荷重伝達片部62bはスペアタイヤ7を車体3にクランプするためのクランプ盤を兼用している点特徴としており、荷重伝達片部10がホィール72の車軸クランプ部72bにのみ当接すると共に、荷重受け本体部9がホィールディスク部72aの外周部に当接していること、上記第2及び第3の実施例と同様である。
【0059】
なお、荷重受け本体部9は、上記第2及び第3の実施例と同様に、その上面にその外周部に凹凸を有する膨出形状部9aが形成されていて、補強構造を呈しており、さらに、膨出形状部9aの上面または下面に図示しないが放射線状等の補強リブを立設することにより、更に剛性をアップするようにしてもよい。
【0060】
このように構成することにより、第4の実施例においては、クランプ盤を兼用構成する荷重伝達片部10を、車軸クランプ部72bのみに当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにしており、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ標準化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の軽減に寄与することができることに加えて、荷重受け本体部9が、プレート状を呈してホィールディスク部72aの外周部に当接するだけであることから、ホィールディスク部72aの凹凸形状の如何に関わらず適宜箇所に当接させることができ、荷室床板4から受けた荷重を荷重受け本体部9からスペアタイヤ7のホィール72に及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができることになる。
【0061】
さらに、クランプ盤11aが荷重受け具8の荷重伝達片部10を構成していることにより、従来のクランプ盤を廃止することができて、部品点数や製造コストの低減に寄与することができる。
【0062】
次に、本発明に係る第5の実施例について、図14乃至図17を用いて説明する。
【0063】
図14は本発明の第5の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図15は本発明の第5の実施例を採用した荷重受け具の斜視図、図16は図15における円内を拡大して描画した斜視図、図17は図16のB−B断面図である。
【0064】
図14乃至図17によれば、荷重受け具8が、ほぼ円筒状の荷重伝達片部10と、荷重伝達片部10の外周を囲繞するように突出形成したほぼプレート状の荷重受け本体部9とで構成する点、上記実施例と同様であるが、荷重受け本体部9の上面に形成した外周に凹凸形状を有する膨出形状部9aは、その中央部が荷重伝達片部10を囲繞するように下方に陥没しており、陥没部9bには、放射状に立設された補強リブ9cが複数個形成されていて、更なる補強構造を呈している。
【0065】
第5の実施例においては、ホィールディスク部72a上のデッドスペースに、単体のプレート状を呈するスピーカ装置13(通常、ウーハー)を載置収容するようになっている。
【0066】
このために、荷重受け具8は、荷重伝達片部10がスピーカ装置13上に当接することによって荷室床板4からの荷重をホィールディスク部72aに伝達するように構成されている。
【0067】
そして、ホィールディスク部72a上にスピーカ装置13を載置収容したことから、スピーカ装置13から引出されたハーネス13aを、スペアタイヤ7上を這設した後、車体3側に配設する必要が出てくる。
【0068】
このために、膨出形状部9aの外周部には、上面に天井壁部12aを有するハーネス収容部12が外方に突出するように形成されているおり、ハーネス収容部12内にハーネス13aを案内収容して、車体3側に配設するようになっている。
【0069】
ハーネス収容部12の天井壁部12aは、適宜箇所を切落し状に陥没形成して、天井壁部12aに対向するように突起状のハーネス受け部12bが形成されており、ハーネス受け部12bと天井壁部12aとの間で、ハーネス13aをハーネス収容部12内で固定するように構成されている。
【0070】
又、ハーネス収容部12の外端側先端には、ハーネス係止突起12cが形成されていて、ハーネス収容部12から表出したハーネス13aを係止するように構成されている。
【0071】
更に、荷重伝達片部10の下端部側には、底壁部10aが形成されており、底壁部10aには、クランプボルト11が植設されるようになっている。
【0072】
したがって、底壁部10aはスペアタイヤ7のホィールディスク部72aを挟着するクランプ盤を構成している。
【0073】
このように構成することにより、第5の実施例においては、荷重受け具8の荷重伝達片部10は、スピーカ装置13を介在させて、荷重伝達片部10からの荷重をホィールディスク部72aに伝達するように構成することにより、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにしており、ホィールディスク部72aの形状がスペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変化されたとしても、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13上に荷重伝達片部10を当接させるだけで、荷室床板4からの荷重をホィールディスク部72aに伝達することができ、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の軽減に寄与することができることになる。
【0074】
又、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13のハーネス13aは、ハーネス収容部12内に収容されると共に、ハーネス13aが天井壁部12aとハーネス受け部12bとの間で固定されることになって、ハーネス13aの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネス13aを整理整頓した状態で車体3側に案内配設することができ、見栄え向上ともなりえる。
【0075】
次に、本発明に係る第6の実施例について、図18乃至図21を用いて説明する。
【0076】
図18は本発明の第6の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図19は本発明の第6の実施例を採用した荷重受け具の斜視図、図20はスピーカ装置のハーネスの一部を描画した斜視図、図21は図20に示すハーネスを第6の実施例におけるハーネス収容部内に収容した状態を部分的に描画した平面図である。
【0077】
かかる第6の実施例は、上記第5の実施例と対して、ハーネス13aのハーネス収容部12内の固定構造を変形したものである。
【0078】
すなわち、第6の実施例によれば、第5実施例のハーネス受け部12bを廃止して、その代わりに、ハーネス収容部12の天井壁部12aに貫通する係合孔12dを形成して、ハーネス13aを束ねるためのクランプ片13bに形成した係合片13cを係合することによって、ハーネス13aをハーネス収容部12内に固定した点異なっている。
【0079】
そして、係合片13cは、クランプ片13bをハーネス13aに挿入した際には、ハーネス13aの軸線上に平行しているように形成されており、図21に示すように、この状態で係合孔12dに挿入し、その後、クランプ片13bに対して回転させた状態で係合孔12dから抜け止めされるようになっている。
【0080】
このように構成することにより、第6の実施例においては、荷重受け具8の荷重伝達片部10は、スピーカ装置13を介在させて、荷重伝達片部10からの荷重をホィールディスク部72aに伝達するように構成することにより、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにしており、ホィールディスク部72aの形状がスペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変化されたとしても、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13上に荷重伝達片部10を当接させるだけで、荷室床板4からの荷重をホィールディスク部72aに伝達することができ、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができることになる。
【0081】
又、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13のハーネス13aは、ハーネス収容部12内に収容されると共に、ハーネス13aがクランプ片13bの係合片13cが係合孔12dに係合することによりハーネス収容部12内に固定されることになって、ハーネス13aの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネス13aを整理整頓した状態で車体3側に案内配設することができ、見栄え向上ともなりえる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、荷重受け具が、荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、荷重受け本体部に設けられた荷重伝達片部とにより構成して、荷重伝達片部が、ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接するか、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置を介してホィールディスク部に当接することによって、荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるようにした構成したことにより、車軸クランプ部の形状は通常スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変更されたとしても、一般化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができるために、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に設置して、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造等に好適であるといえる。
【符号の説明】
【0083】
2 荷室
3 車体
4 荷室床板
6 スペアタイヤ収納部
7 スペアタイヤ
72 ホィール
72a ホィールディスク部
72b 車軸クランプ部
8 荷重受け具
9 荷重受け本体部
10 荷重伝達片部
11 クランプボルト
11a クランプ盤
12 ハーネス収容部
12a 天井壁部
12b ハーネス受け部
12c 係合孔
13 スピーカ装置
13a ハーネス
13b クランプ片
13c 係合片
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に設置して、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図1に示すように、車両例えば乗用車或いはワンボックスカー等の自動車の車体3の後部は、フロアボード1が着脱可能に敷設されていて、フロアボード1の上部が空間部となって、荷室2を構成している。
【0003】
そして、従来の技術においては、図22に示すように、例えばフロアボード1の下部と車体3を構成する荷室床板4との間に、区画空間部4aが形成されていて、収納箱5が車両の前後方向にスライドして区画空間部4aより出し入れ可能に構成されている。
【0004】
荷室床板4の下部には、車体3の一部を凹設することによって、スペアタイヤ収納部6が形成されており、スペアタイヤ収納部6にはスペアタイヤ7が収納されるようになっている。
【0005】
スペアタイヤ7は、ドーナツ状に形成されたタイヤ部71とタイヤ部71を支持して不図示の車軸に装着するためのホィール72とを有して構成している。
【0006】
そして、スペアタイヤ7は、タイヤ部71に比較してホィール72が薄形状に形成されているために、スペアタイヤ収納部6に収納した際には、特にホィール72と荷室床板4の下面との間には、スペースSができてしまう。
【0007】
このようにスペースSが存在している場合には、フロアボード1上に載置収容された荷物や収納箱5に収容された収容物等により、荷室床板4に荷重がかかった場合、荷室床板4がスペースSの方向に下降変形してしまうことがあり、この変形はフロアボード1にまで及ぶことになって、フロアボード1が凹んでしまうことがあった。もしこのような凹み変形を無くすために、荷室床板34を板厚にして高剛性に構成した場合には、車両重量の上昇を招いてしまうことになる。
【0008】
そこで、従来では、スペアタイヤ7のホィール72と荷室床板4との間に荷重受け具8を介在させて、荷室床板4の方から及ぼされた荷重に対して、荷重受け具8がホィール72に当接して、荷室床板4に及ぼされた荷重を支持して、荷室床板4に凹みが生じないようにしていた。
【0009】
このような役目を果す荷重受け具8は、一般のカーショップ等においてオプション品として販売されており、図23に示すように、例えば発泡PPビーズを略ドーナツ形に成形して構成するもので、上面側は荷室床板4に当接する荷室床面側当接面81に構成されており、又、下面側は、ホィール72の凹凸面に嵌合するような凹凸状ホィール側当接面82に形成されている。
【0010】
又、スペアタイヤ7をスペアタイヤ収納部6に収容した際、図23に示すように、荷重受け具8とは別体構成にしたクランプ盤11aを有するクランプボルト11を、ホィール72のホィールディスク部72aの中央部に設けられた車軸クランプ部72bの貫通孔内に挿通した後、車体3側に形成したブラケット31に螺着してクランプ盤11aおよびブラケット31の間で挟着することによって、スペアタイヤ7はスペアタイヤ収納部6に固着収納されることになる(類似している技術として特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−193715号公報
【特許文献2】特開2000−52874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記のように、荷重受け具8は、ホィール72に当接する凹凸状ホィール側当接面82が、ホィール72のほぼ全体に渡って形成されている凹凸形状に嵌合するように形成されているため、スペアタイヤ7のタイヤサイズやホィール72の凹凸形状・寸法が異なる毎に、別形状・寸法に形成したものを用意しておかなければならず、製造コスト的に高くなるばかりでなく、在庫コストにも影響させてしまうことになる。
【0013】
そこで、本発明は、スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等に左右されることなく、荷重受け具の形状・寸法を標準化できるように意図した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、第1に、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接する荷重伝達片部とで構成しており、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重を前記ホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるように構成したことを特徴とするものである。
【0015】
かかる構成により、荷重受け具が、荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、荷重受け本体部に設けられてホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接することによって荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるようにした荷重伝達片部とで構成したことにより、車軸クランプ部の形状は通常スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ所定の形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができる。
【0016】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、前記荷重伝達片部に、前記スペアタイヤを前記スペアタイヤ収納部に固定するためのクランプボルトを設けるようにしてもよい。
【0017】
かかる構成により、荷重受け具によりスペアタイヤをクランプするためのクランプ盤を兼用することができ、部品点数やコストの軽減に寄与することができる。
【0018】
又、本発明に係る前記荷重受け本体部は、前記荷重伝達片部の外周を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部により構成しており、該プレート状突起部が前記ホィールディスク部の上面に対向するようにしてもよい。
【0019】
かかる構成により、荷重受け本体部をプレート状突起部により構成したことにより、ホィールディスク部の凹凸形状の如何に関わらず適宜箇所に当接させることができ、荷室床板から受けた荷重を荷重受け本体部からスペアタイヤのホィールに及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができる。
【0020】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、第2に、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記ホィールディスク部上にスピーカ装置を載置収容し、且つ、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部に前記スピーカ装置を介在させて当接する荷重伝達片部とで構成し、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重が前記スピーカ装置を介して前記ホィールディスク部に支持されるように構成したことを特徴とするものである。
【0021】
かかる構成により、荷重受け具の荷重伝達片部は、スピーカ装置を介在させて、荷重伝達片部からの荷重をホィールディスク部に伝達するように構成することにより、荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部に支持させるように構成したことにより、ホィールディスク部の形状がスペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変化されたとしても、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置上に荷重伝達片部を当接させるだけで、荷室床板からの荷重をホィールディスク部に伝達することができ、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができることになる。
【0022】
本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は前記荷重受け本体部に、前記スピーカ装置より引き出されたハーネスを収容するハーネス収容部を形成するようにしてもよい。
【0023】
かかる構成により、たとえホィールディスク部上にスピーカ装置を載置収容したとしても、スピーカ装置のハーネスがハーネス収容部内に収容されていることになって、ハーネスを整理整頓して車体側に案内配設することができ、周囲の見栄え向上に寄与することができる。
【0024】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、前記ハーネス収容部を構成する天井壁部を切り落とすことによってハーネス受け部を形成して、該ハーネス受け部と前記天井壁部との間で前記ハーネスを固定するように構成してもよい。
【0025】
かかる構成により、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置のハーネスが、ハーネス収容部内おいて、天井壁部とハーネス受け部との間で固定されることになって、ハーネスの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネスを整理整頓した状態で車体側に案内配設することができ、周囲の見栄え向上に寄与することができる。
【0026】
又、本発明に係る車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造は、前記ハーネス用収容部を構成する天井壁部に係合孔部を形成して、該係合孔部に前記ハーネスを束ねるハーネスクランプ片の係合取付け部を係合して、前記ハーネスを前記ハーネス用収容部内で固定するように構成するようにしてもよい。
【0027】
かかる構成により、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置のハーネスは、ハーネス収容部内において、クランプ片の係合片が係合孔に係合することにより固定されることになって、ハーネスの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネスを整理整頓した状態で車体側に案内配設することができ、周囲の見栄え向上に寄与することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、荷重受け具が、荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、荷重受け本体部に設けられた荷重伝達片部とにより構成して、荷重伝達片部が、ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接するか、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置を介してホィールディスク部に当接することによって、荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるようにした構成したことにより、車軸クランプ部の形状は通常スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変更されたとしても、一般化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一般的な車両例えば乗用車或いはワンボックスカー等の自動車の後部荷室の概略斜視図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例を描画した図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例による荷重受け具を一部破断して描画した斜視図である。
【図4】図2における要部分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図6】本発明に係る第2の実施例による荷重受け具を描画した斜視図である。
【図7】図5における要部分解斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図9】本発明に係る第3の実施例による荷重受け具を描画した斜視図である。
【図10】は図8における要部分解斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図12】本発明に係る第4の実施例による荷重受け具を描画した斜視図である。
【図13】図11における要部分解斜視図である。
【図14】本発明の第5の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例を採用した荷重受け具の斜視図である。
【図16】図15における円内を拡大して描画した斜視図である。
【図17】図16のB−B断面図である。
【図18】本発明の第6の実施例を採用した図1におけるA−A断面図である。
【図19】本発明の第6の実施例を採用した荷重受け具の斜視図である。
【図20】スピーカ装置のハーネスの一部を描画した斜視図である。
【図21】図20に示すハーネスを本発明に係る第6の実施例におけるハーネス収容部内に収容した状態を部分的に描画した平面図である。
【図22】従来の技術における図1のA−A断面図である。
【図23】同じく従来の技術における分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明による自動車用ドアトリムの実施例について、図面を用いて説明する。なお、従来の技術の説明で使用した符号に対応する構成については、同一の符号を付して説明することとする。
【0031】
図1は一般的な車両例えば乗用車或いはワンボックスカー等の自動車の後部の概略斜視図、図2は本発明に係る第1の実施例を描画した図1のA−A断面図、図3は本発明に係る第1の実施例による荷重受け具を一部破断して描画した斜視図、図4は図2における要部分解斜視図である。
【0032】
先ず、図1において、自動車の後部は、フロアボード1が着脱可能に敷設されていて、フロアボード1の上部が空間部となって、荷室2を構成している。
【0033】
そして、図2に示すように、フロアボード1の下部と車体3を構成する荷室床板4との間に、区画空間部4aが形成されていて、収納箱5が車両の前後方向にスライドして区画空間部4aより出し入れ可能に構成されている。
【0034】
荷室床板4の下部には、車体3の一部を凹設することによって、スペアタイヤ収納部6が形成されており、スペアタイヤ収納部6にはスペアタイヤ7を収納するようになっている。
【0035】
スペアタイヤ7は、ドーナツ状に形成されたタイヤ部71とタイヤ部71を支持して不図示の車軸に装着するためのホィール72とを有して構成している。
【0036】
そして、スペアタイヤ7は、タイヤ部71に比較してホィール72が薄形状に形成されているために、スペアタイヤ収納部6に収納した際には、特にホィール72と荷室床板4の下面との間には、スペースSができている。
【0037】
そこで、従来と同様に、スペアタイヤ7のホィール72と荷室床板4との間に荷重受け具8を介在させて、荷室床板4の方から及ぼされた荷重に対して、荷重受け具8がホィール72に当接して、荷室床板4に及ぼされた荷重をホィール72によって支持させて、荷室床板4に凹みが生じないようにしている。
【0038】
このような役目を果す荷重受け具8は、図3に示すように、インジェクション成形などによりPPビーズ樹脂を発泡成形して構成し、概ね全体形状が下方が開口すると共に上部に天井壁部を有する円筒状を呈しており、天井壁部が荷室床板4の下面側に当接して荷室床板4から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部9を構成し、また、荷重受け本体部9の下方に延在するように一体に設けられて荷重受け本体部9から及ぼされた荷重を受ける荷重伝達片部10を有して構成している。
【0039】
荷重伝達片部10は、ホィール72を構成するホィールディスク部72aの中央部に設けられた車軸クランプ部72bにのみ当接するだけの形状を有しおり、荷室床板4から荷重受け本体部9を介して及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるように構成している。
【0040】
又、スペアタイヤ7をスペアタイヤ収納部6に収容した際、図2および図4に示すように、荷重受け具8とは別体構成にしたクランプ盤11aを有するクランプボルト11を、車軸クランプ部72bの貫通孔内に挿通した後、車体3側に形成したブラケット31に螺着することによって、スペアタイヤ7はスペアタイヤ収納部6に固着収納される点、従来と同様である。
【0041】
なお、荷重受け本体部9は、その上面に膨出形状部9aが形成されると共に、膨出形状部9aの外周部は、凹凸形状に形成されて、剛性構造をとっている。
【0042】
以上のように構成する本発明の第1の実施例においては、荷重受け具8が、荷室床板4の下面側に当接して荷室床板4から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部9と、荷重受け本体部9に設けられてホィールディスク部72aにおける車軸クランプ部72bのみに当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにした荷重伝達片部10とで構成したことにより、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ標準化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができる。
【0043】
次に、図5乃至図7を用いて、本発明に係る第2の実施例について説明する。
【0044】
図5は本発明の第2の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図6は本発明に係る第2の実施例による荷重受け具を描画した斜視図、図7は図5における要部分解斜視図である。
【0045】
図5乃至図7によれば、荷重受け具8は、荷重伝達片部10を下方側に底壁部10aを有するほぼ円筒状に形成すると共に、荷重受け本体部9を、荷重伝達片部10の上端部側を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部によって構成し、荷重受け本体部9はホィールディスク部72aの上面に対向すると共にホィールディスク部72aの外周部に当接するように形成されており、荷重伝達片部10は、第1の実施例と同様に、車軸クランプ部72bにのみ当接するように形成されている。
【0046】
このように構成することにより、第2の実施例においては、第1の実施例と同様に、荷重伝達片部10が、車軸クランプ部72bのみに当接すると共に荷重受け部9がホィールディスク部72aの外周部に当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにした荷重伝達片部10とで構成したことにより、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、一般化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができることに加えて、荷重受け本体部9が、プレート状突起部により構成したことにより、ホィールディスク部の凹凸形状の如何に関わらず適宜箇所に当接させることができ、荷室床板から受けた荷重を荷重受け本体部からスペアタイヤのホィールに及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができることになる。
【0047】
なお、第2の実施例においても、上記第1の実施例と同様に、スペアタイヤ7をスペアタイヤ収納部6に収容した際、図5および図7に示すように、荷重受け具8とは別体構成にしたクランプ盤11aを有するクランプボルト11を、車軸クランプ部72bの貫通孔内に挿通した後、車体3側に形成したブラケット31に螺着することによって、スペアタイヤ7はスペアタイヤ収納部6に固着収納されるようになっている。
【0048】
又、荷重受け本体部9は、上記第2の実施例と同様に、その上面にその外周部に凹凸を有する膨出形状部9aが形成されていて、補強構造を呈しており、さらに、膨出形状部9aの上面または下面に図示しないが放射線状等の補強リブを立設することにより、更に剛性をアップするようにしてもよい。
【0049】
次に、本発明に係る第3の実施例について、図8乃至図10を用いて説明する。
【0050】
図8は本発明の第3の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図9は本発明に係る第3の実施例による荷重受け具を描画した斜視図、図10は図8における要部分解斜視図である。
【0051】
図8乃至図10によれば、荷重受け具8は、荷重伝達片部10をその下端側に底壁部10aを有した円筒状に形成すると共に、荷重受け本体部9を、荷重伝達片部10の上端部側を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部によって構成し、荷重受け本体部9はホィールディスク部72aの上面に対向する形成されていると共に、荷重伝達片部10の底壁部10aには、クランプボルト11が植設設置されており、底壁部10aがクランプ盤11aを兼用するようになっている。
【0052】
又、荷重伝達片部10は、上記第1の実施例と同様に、車軸クランプ部72bにのみ当接するように構成されていると共に、荷重受け本体部9がホィールディスク部72aの外周部に当接するように構成されている。
【0053】
このように構成することにより、第3の実施例においては、第1の実施例と同様に、荷重伝達片部10が、車軸クランプ部72bのみに当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにした荷重伝達片部10とで構成したことにより、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ標準化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コスト及び在庫コストの軽減に寄与することができることに加えて、荷重受け本体部9が、プレート状突起部により構成したことにより、ホィールディスク部72aの凹凸形状の如何に関わらず外周部に当接させることができ、荷室床板4から受けた荷重を荷重受け本体部9からスペアタイヤ7のホィール72に及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができることになる。
【0054】
さらに、荷重伝達片部10は、下方に底壁部10aには、スペアタイヤ7を車体3にクランプするためのクランプ盤11aを兼用している。この結果、スペアタイヤ7のクランプ機構の部品点数を少なくして、コスト低減に寄与することができる。
【0055】
なお、荷重受け本体部9は、上記第2の実施例と同様に、その上面にその外周部に凹凸を有する膨出形状部9aが形成されていて、補強構造を呈しており、さらに、膨出形状部9aの上面または下面に図示しないが放射線状等の補強リブを立設することにより、更に剛性をアップするようにしてもよい。
【0056】
次に、本発明に係る第4の実施例について、図11乃至図13を用いて説明する。
【0057】
図11は本発明の第4の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図12は本発明に係る第4の実施例による荷重受け具を描画した斜視図、図13は図11における要部分解斜視図である。
【0058】
図11乃至図13によれば、荷重受け具8における荷重受け本体部9が、プレート状に形成されており、荷重受け本体部9の下面側に長寸法のクランプボルト11を植設すると共に、クランプボルト11の下方中間部に車軸クランプ部72bに当接する荷重伝達片部10を設けており、荷重伝達片部62bはスペアタイヤ7を車体3にクランプするためのクランプ盤を兼用している点特徴としており、荷重伝達片部10がホィール72の車軸クランプ部72bにのみ当接すると共に、荷重受け本体部9がホィールディスク部72aの外周部に当接していること、上記第2及び第3の実施例と同様である。
【0059】
なお、荷重受け本体部9は、上記第2及び第3の実施例と同様に、その上面にその外周部に凹凸を有する膨出形状部9aが形成されていて、補強構造を呈しており、さらに、膨出形状部9aの上面または下面に図示しないが放射線状等の補強リブを立設することにより、更に剛性をアップするようにしてもよい。
【0060】
このように構成することにより、第4の実施例においては、クランプ盤を兼用構成する荷重伝達片部10を、車軸クランプ部72bのみに当接することによって、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにしており、車軸クランプ部72bの形状は通常スペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変更されたとしても、ほぼ標準化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の軽減に寄与することができることに加えて、荷重受け本体部9が、プレート状を呈してホィールディスク部72aの外周部に当接するだけであることから、ホィールディスク部72aの凹凸形状の如何に関わらず適宜箇所に当接させることができ、荷室床板4から受けた荷重を荷重受け本体部9からスペアタイヤ7のホィール72に及ぼすことができ、荷重支持を確実なものとすることができることになる。
【0061】
さらに、クランプ盤11aが荷重受け具8の荷重伝達片部10を構成していることにより、従来のクランプ盤を廃止することができて、部品点数や製造コストの低減に寄与することができる。
【0062】
次に、本発明に係る第5の実施例について、図14乃至図17を用いて説明する。
【0063】
図14は本発明の第5の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図15は本発明の第5の実施例を採用した荷重受け具の斜視図、図16は図15における円内を拡大して描画した斜視図、図17は図16のB−B断面図である。
【0064】
図14乃至図17によれば、荷重受け具8が、ほぼ円筒状の荷重伝達片部10と、荷重伝達片部10の外周を囲繞するように突出形成したほぼプレート状の荷重受け本体部9とで構成する点、上記実施例と同様であるが、荷重受け本体部9の上面に形成した外周に凹凸形状を有する膨出形状部9aは、その中央部が荷重伝達片部10を囲繞するように下方に陥没しており、陥没部9bには、放射状に立設された補強リブ9cが複数個形成されていて、更なる補強構造を呈している。
【0065】
第5の実施例においては、ホィールディスク部72a上のデッドスペースに、単体のプレート状を呈するスピーカ装置13(通常、ウーハー)を載置収容するようになっている。
【0066】
このために、荷重受け具8は、荷重伝達片部10がスピーカ装置13上に当接することによって荷室床板4からの荷重をホィールディスク部72aに伝達するように構成されている。
【0067】
そして、ホィールディスク部72a上にスピーカ装置13を載置収容したことから、スピーカ装置13から引出されたハーネス13aを、スペアタイヤ7上を這設した後、車体3側に配設する必要が出てくる。
【0068】
このために、膨出形状部9aの外周部には、上面に天井壁部12aを有するハーネス収容部12が外方に突出するように形成されているおり、ハーネス収容部12内にハーネス13aを案内収容して、車体3側に配設するようになっている。
【0069】
ハーネス収容部12の天井壁部12aは、適宜箇所を切落し状に陥没形成して、天井壁部12aに対向するように突起状のハーネス受け部12bが形成されており、ハーネス受け部12bと天井壁部12aとの間で、ハーネス13aをハーネス収容部12内で固定するように構成されている。
【0070】
又、ハーネス収容部12の外端側先端には、ハーネス係止突起12cが形成されていて、ハーネス収容部12から表出したハーネス13aを係止するように構成されている。
【0071】
更に、荷重伝達片部10の下端部側には、底壁部10aが形成されており、底壁部10aには、クランプボルト11が植設されるようになっている。
【0072】
したがって、底壁部10aはスペアタイヤ7のホィールディスク部72aを挟着するクランプ盤を構成している。
【0073】
このように構成することにより、第5の実施例においては、荷重受け具8の荷重伝達片部10は、スピーカ装置13を介在させて、荷重伝達片部10からの荷重をホィールディスク部72aに伝達するように構成することにより、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにしており、ホィールディスク部72aの形状がスペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変化されたとしても、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13上に荷重伝達片部10を当接させるだけで、荷室床板4からの荷重をホィールディスク部72aに伝達することができ、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の軽減に寄与することができることになる。
【0074】
又、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13のハーネス13aは、ハーネス収容部12内に収容されると共に、ハーネス13aが天井壁部12aとハーネス受け部12bとの間で固定されることになって、ハーネス13aの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネス13aを整理整頓した状態で車体3側に案内配設することができ、見栄え向上ともなりえる。
【0075】
次に、本発明に係る第6の実施例について、図18乃至図21を用いて説明する。
【0076】
図18は本発明の第6の実施例を採用した図1におけるA−A断面図、図19は本発明の第6の実施例を採用した荷重受け具の斜視図、図20はスピーカ装置のハーネスの一部を描画した斜視図、図21は図20に示すハーネスを第6の実施例におけるハーネス収容部内に収容した状態を部分的に描画した平面図である。
【0077】
かかる第6の実施例は、上記第5の実施例と対して、ハーネス13aのハーネス収容部12内の固定構造を変形したものである。
【0078】
すなわち、第6の実施例によれば、第5実施例のハーネス受け部12bを廃止して、その代わりに、ハーネス収容部12の天井壁部12aに貫通する係合孔12dを形成して、ハーネス13aを束ねるためのクランプ片13bに形成した係合片13cを係合することによって、ハーネス13aをハーネス収容部12内に固定した点異なっている。
【0079】
そして、係合片13cは、クランプ片13bをハーネス13aに挿入した際には、ハーネス13aの軸線上に平行しているように形成されており、図21に示すように、この状態で係合孔12dに挿入し、その後、クランプ片13bに対して回転させた状態で係合孔12dから抜け止めされるようになっている。
【0080】
このように構成することにより、第6の実施例においては、荷重受け具8の荷重伝達片部10は、スピーカ装置13を介在させて、荷重伝達片部10からの荷重をホィールディスク部72aに伝達するように構成することにより、荷室床板4から及ぼされた荷重をホィールディスク部72aの車軸クランプ部72bに支持させるようにしており、ホィールディスク部72aの形状がスペアタイヤ7のサイズやホィール72の凹凸形状等が変化されたとしても、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13上に荷重伝達片部10を当接させるだけで、荷室床板4からの荷重をホィールディスク部72aに伝達することができ、荷重伝達片部10の形状延いては荷重受け具8の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができることになる。
【0081】
又、ホィールディスク部72a上に載置収容されたスピーカ装置13のハーネス13aは、ハーネス収容部12内に収容されると共に、ハーネス13aがクランプ片13bの係合片13cが係合孔12dに係合することによりハーネス収容部12内に固定されることになって、ハーネス13aの這設処理を非常に簡単なものとしており、しかもハーネス13aを整理整頓した状態で車体3側に案内配設することができ、見栄え向上ともなりえる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、荷重受け具が、荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、荷重受け本体部に設けられた荷重伝達片部とにより構成して、荷重伝達片部が、ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接するか、ホィールディスク部上に載置収容されたスピーカ装置を介してホィールディスク部に当接することによって、荷室床板から及ぼされた荷重をホィールディスク部の車軸クランプ部に支持しさせるようにした構成したことにより、車軸クランプ部の形状は通常スペアタイヤのサイズやホィールの凹凸形状等が変更されたとしても、一般化された形状寸法を呈していることから、荷重伝達片部の形状延いては荷重受け具の形状の標準化を果すことができ、製造コストや在庫管理工数の低減に寄与することができるために、車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に設置して、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造等に好適であるといえる。
【符号の説明】
【0083】
2 荷室
3 車体
4 荷室床板
6 スペアタイヤ収納部
7 スペアタイヤ
72 ホィール
72a ホィールディスク部
72b 車軸クランプ部
8 荷重受け具
9 荷重受け本体部
10 荷重伝達片部
11 クランプボルト
11a クランプ盤
12 ハーネス収容部
12a 天井壁部
12b ハーネス受け部
12c 係合孔
13 スピーカ装置
13a ハーネス
13b クランプ片
13c 係合片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接する荷重伝達片部とで構成しており、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重を前記ホィールディスク部の車軸クランプ部に支持させるように構成したことを特徴とする車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項2】
前記荷重伝達片部に、前記スペアタイヤを前記スペアタイヤ収納部に固定するためのクランプボルトを設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項3】
前記荷重受け本体部が、前記荷重伝達片部の外周を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部により構成しており、該プレート状突起部が前記ホィールディスク部の上面に対向していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項4】
車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記ホィールディスク部上にスピーカ装置を載置収容し、且つ、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部に前記スピーカ装置を介在させて当接する荷重伝達片部とで構成し、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重が前記スピーカ装置を介して前記ホィールディスク部に支持されるように構成したことを特徴とする車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項5】
前記荷重受け本体部に、前記スピーカ装置より引き出されたハーネスを収容するハーネス収容部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項6】
前記ハーネス収容部を構成する天井壁部を切り落とすことによってハーネス受け部を形成して、該ハーネス受け部と前記天井壁部との間で前記ハーネスを固定するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項7】
前記ハーネス用収容部を構成する天井壁部に係合孔部を形成して、該係合孔部に前記ハーネスを束ねるハーネスクランプ片の係合取付け部を係合して、前記ハーネスを前記ハーネス用収容部内で固定するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項1】
車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部における車軸クランプ部のみに当接する荷重伝達片部とで構成しており、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重を前記ホィールディスク部の車軸クランプ部に支持させるように構成したことを特徴とする車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項2】
前記荷重伝達片部に、前記スペアタイヤを前記スペアタイヤ収納部に固定するためのクランプボルトを設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項3】
前記荷重受け本体部が、前記荷重伝達片部の外周を囲繞するように一体に形成したプレート状突起部により構成しており、該プレート状突起部が前記ホィールディスク部の上面に対向していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項4】
車両の荷室に形成したスペアタイヤ収納部にスペアタイヤを収納した際に、該スペアタイヤを構成するホィールのホィールディスク部と前記スペアタイヤ収納部上に載置された荷室床板との間に配設されて、該荷室床板から及ぼされる荷重を前記ホィールディスク部で受けるように構成した車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造であって、前記ホィールディスク部上にスピーカ装置を載置収容し、且つ、前記荷重受け具が、前記荷室床板の下面側に当接して荷室床板から及ぼされる荷重を受ける荷重受け本体部と、該荷重受け本体部に設けられて前記ホィールディスク部に前記スピーカ装置を介在させて当接する荷重伝達片部とで構成し、該荷重伝達片部によって前記荷室床板から及ぼされた荷重が前記スピーカ装置を介して前記ホィールディスク部に支持されるように構成したことを特徴とする車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項5】
前記荷重受け本体部に、前記スピーカ装置より引き出されたハーネスを収容するハーネス収容部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項6】
前記ハーネス収容部を構成する天井壁部を切り落とすことによってハーネス受け部を形成して、該ハーネス受け部と前記天井壁部との間で前記ハーネスを固定するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【請求項7】
前記ハーネス用収容部を構成する天井壁部に係合孔部を形成して、該係合孔部に前記ハーネスを束ねるハーネスクランプ片の係合取付け部を係合して、前記ハーネスを前記ハーネス用収容部内で固定するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の車両用荷室床板からの荷重をスペアタイヤに受けさせるための荷重受け具構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−42336(P2011−42336A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193552(P2009−193552)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
[ Back to top ]