車両用防眩装置
【課題】遮光部材を、運転者から見て左右方向に移動させる自動タイプのもので、使い勝手がよく、また、モータに対する電気配線の処理が容易で、しかも視界を極力妨げないようにする。
【解決手段】車両用防眩装置1は、車両におけるフロントウインド2の内側上部に取り付けられ、運転者から見て左右方向に延びる透明なベースプレート3と、ベースプレート3に左右方向に移動可能に設けられた遮光部材10と、ベースプレート3に設けられたモータ15と、モータ15の駆動に基づき遮光部材10を移動させる移動機構25と、車両に対する光源の位置を検出する日射センサ31と、この日射センサ31の検出信号に基づきモータ15を駆動制御することにより移動機構25を介して遮光部材10の移動位置を制御する制御回路とを具備する。
【解決手段】車両用防眩装置1は、車両におけるフロントウインド2の内側上部に取り付けられ、運転者から見て左右方向に延びる透明なベースプレート3と、ベースプレート3に左右方向に移動可能に設けられた遮光部材10と、ベースプレート3に設けられたモータ15と、モータ15の駆動に基づき遮光部材10を移動させる移動機構25と、車両に対する光源の位置を検出する日射センサ31と、この日射センサ31の検出信号に基づきモータ15を駆動制御することにより移動機構25を介して遮光部材10の移動位置を制御する制御回路とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントウインドから入射する光、特に太陽光の眩しさを防止するための車両用防眩装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用防眩装置は、従来より種々考えられている。
例えば特許文献1には、手動タイプの補助防眩装置(補助サンバイザ)が示されている。具体的には、フックを介して自動車の備え付けのサンバイザに取り付けられるケースと、このケースに上下方向に進退可能に収容された遮光板とを備え、運転者が遮光板の突出量を手動にて調整し、運転者の目線に入る太陽光を遮光板にて遮ることにより眩しさを防止する構成となっている。
【0003】
特許文献2には、自動タイプの防眩装置(自動サンバイザ)が示されている。このものは、車両における運転席の天井部の前部に、備え付けのサンバイザに代えて、取り付ける構成となっている。具体的には、運転席の天井部の前部に取り付けられるケースと、このケースに前後方向に出没可能に収納された有色透明の遮光板と、モータと、このモータを駆動源として前記遮光板を移動させるための移動機構と、車両に対する太陽光の入射方向を検出するための受光センサと、制御回路とを備えている。そして、受光センサの検出信号に基づき、モータを駆動して遮光板の出入り量を制御することにより、運転者の目線に入る太陽光を遮光板にて遮る構成となっている。このものによれば、受光センサの検出信号に基づき、遮光板の突出位置が自動的に制御されるので、運転者が遮光板の位置を手動にて調整する必要がない。
【0004】
特許文献3には、遮光部材として、光の透過率を制御可能な偏光板を用いた偏光手段を備えたものが示されている。具体的には、フロントウインドの内側上部に取り付けられる有色透明なベースプレートと、偏光手段を収納してベースプレートに、運転者から見て左右方向(横方向)に移動可能に設けられた可動ケースとを備え、運転者が可動ケースの左右方向の位置を手動にて調整するとともに、偏光手段による光透過率を調整することにより眩しさを防止する構成となっている。
【0005】
また、この特許文献3には、自動タイプのものも開示されている。具体的には、偏光手段を収納してベースプレートに左右方向(横方向)に移動可能に設けられた可動ケースと、当該可動ケースの位置調整用の第1のモータおよび移動機構と、偏光手段の光透過率調整用の第2のモータおよび移動機構と、車両に対する太陽の位置および入射光の光強度を検出するための受光センサと、制御回路とを備え、受光センサの検出信号に基づき、第1のモータを駆動して可動ケース(偏光手段)の左右方向の移動位置を制御するとともに、第2のモータを駆動して偏光手段による光透過率を制御する構成となっている。
【特許文献1】実開昭63−19428号公報
【特許文献2】特開平7−329566号公報
【特許文献3】特許第3796263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2の構成のものでは、遮光板は、運転者から見て左右方向へ移動させることができない。このため、運転者から見て左右方向に広い領域まで防眩効果を得るためには、遮光板の左右方向の幅を大きくする必要がある。しかしながら、左右方向に幅の広い遮光板を下方へ大きく突出させた場合には、その遮光板により運転者の視界が広く遮られてしまうことになる。
【0007】
特許文献3の手動タイプのものでは、遮光部材(偏光手段)が左右方向に移動できるので、横方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる利点がある。しかしながら、その遮光部材を運転者が手で移動させる必要があるため、使い勝手が悪いという欠点がある。一方、特許文献3の自動タイプのものでは、遮光部材を運転者が手で移動させる必要がなく、使い勝手がよいという利点があるが、次のような欠点がある。それは、モータが左右方向に移動する可動ケースに配設されているため、そのモータに対する電気配線の処理が面倒となる。また、可動ケース内には、モータのほか、ギヤなどの移動機構も配設されているため、それらが視界を妨げるおそれもある。
【0008】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮光部材を、運転者から見て左右方向に移動させる自動タイプのもので、使い勝手がよく、また、モータに対する電気配線の処理が容易で、しかも視界を極力妨げないようにできる車両用防眩装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明の車両用防眩装置は、車両におけるフロントウインドの内側上部に取り付けられ、運転者から見て左右方向に延びる透明なベースプレートと、このベースプレートに左右方向に移動可能に設けられた遮光部材と、前記ベースプレートに設けられたモータと、このモータと前記遮光部材との間に設けられ、前記モータの駆動に基づき前記遮光部材を移動させる移動機構と、前記車両に対する光源の位置を検出する日射センサと、この日射センサの検出信号に基づき前記モータを駆動制御することにより前記移動機構を介して前記遮光部材の移動位置を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記した構成のものにおいては、日射センサの検出信号に基づき、遮光部材を、モータを駆動源としてベースプレートの左右方向に自動的に移動させる構成としているので、遮光部材の左右方向の幅を大きくすることなく、左右方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる。また、その遮光部材が適正な位置に自動的に移動される自動タイプの構成であるから、使い勝手もよい。さらに、遮光部材を移動させるための駆動源であるモータを、静止部位側であるベースプレートに設けているので、そのモータに対する電気配線の処理が容易にできる。また、そのモータで視界を妨げることも極力防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
まず、図1において、本発明の防眩装置1は、車両におけるフロントウインド2の内側の上部に設置される。防眩装置1のベースプレート3は、運転者から見て左右方向に長い矩形状をなしている。このベースプレート3は、有色透明のプラスチック板により形成されている。ベースプレート3の上部には、断面がほぼ円形をなす軸部4(図2、図3参照)が左右方向にわたって形成されているとともに、この軸部4の下側に当該軸部4に沿って左右方向に延びるスリット状のガイド用開口部5が形成されている。ガイド用開口部5の右端は、ベースプレート3のほぼ右端近くまで形成されているが、左端はベースプレート3の左端までは延びていない。ベースプレート3の左部は、駆動部取付部3aとされている。
【0012】
前記軸部4には、2個のクリップ6が取り付けられている。2個のクリップ6は同一形状のもので、図2および図3に示すように、ほぼU字状をなす挟み込み部7と、C字状をなす軸保持部8とを一体に有していて、その軸保持部8を前記軸部4に嵌め込むことにより、軸部4に回動可能に取り付けられている。このとき、軸保持部8の下部の先端部が、上記ガイド用開口部5に挿入されている。これら2個のクリップ6は、上記ガイド用開口部5の範囲内で左右方向の取付位置を調整できるようになっている。
【0013】
ベースプレート3は、2個のクリップ6の各挟み込み部7を、車両の天井部2aに設けられた備え付けのサンバイザ9に下方から挟み付けるようにして取り付けることにより、フロントウインド2の内側上部に取り付けられている。なお、サンバイザ9は、通常不透明の材料で形成されていて、不使用位置である格納位置に配置されている。ベースプレート3は、このように2個のクリップ6を介してサンバイザ9に取り付けた状態で、前記軸部4を中心にして上下方向へ回動可能となっている。
【0014】
ベースプレート3の手前側(運転者側)の面には、遮光部材10が配置されている。この遮光部材10は、有色透明のプラスチック板により、上部より下部が幅広な段付きの矩形状に形成されている。この遮光部材10には、図2および図3に示すように、上記ガイド用開口部5の下縁部に上方から引っ掛かる上部係合爪11と、ベースプレート3の下縁部に下方から引っ掛かる下部係合爪12が、それぞれ2個ずつ形成されている。遮光部材10は、これら上部係合爪11および下部係合爪12をベースプレート3に係合させることにより、ベースプレート3にこれの左右方向に移動可能に取り付けられている。遮光部材10において、上部係合爪11および下部係合爪12と対応する手前側の面には、それらを形成するための型抜き孔13a、13bが形成されている。遮光部材10の左右方向の幅は、ベースプレート3の左右方向の幅よりも小さく形成され、遮光部材10の下部は、ベースプレート3から下方へ大きく突出している。
【0015】
ベースプレート3における上記駆動部取付部3aには、正逆回転可能なパルスモータからなるモータ15が、回転軸16を下向きにした状態で固定状態に取り付けられている。その回転軸16には、ウォーム歯車17が取着されている。駆動部取付部3aにおいて、そのウォーム歯車17の近くに位置させてウォームホイール18が回転自在に取り付けられていて、このウォームホイール18がウォーム歯車17に噛み合っている。駆動部取付部3aにおいて、ウォームホイール18の近くに位置させて、図4にも示すように、回転ドラム19と一体化された平歯車20が回転自在に取り付けられていて、この平歯車20がウォームホイール18に噛み合っている。ここで、モータ15の回転軸16によりウォーム歯車17が回転されると、ウォームホイール18および平歯車20を介して回転ドラム19が回転される構成となっている。
【0016】
回転ドラム19の外周部にはV字状の溝19aが形成されていて、ここに線条部材を構成するワイヤ21が掛けられている。ワイヤ21は、ループ状をなしていて、回転ドラム19の溝19aに複数回巻き付けられている。ワイヤ21の右側は、ベースプレート3に回転自在に設けられた2個のガイド車22に掛け渡されている。ワイヤ21は、回転ドラム19とガイド車22,22との間の一部が、遮光部材10の裏側とベースプレート3との間に左右方向に貫通するように通されている。遮光部材10の裏側には、ワイヤ21を通すための凹部23(図2、図3参照)が形成されている。また、遮光部材10の上部には皿ねじ24が取り付けられていて、ワイヤ21をこの皿ねじ24の頭部に巻き付けることによって遮光部材10に連結している。
【0017】
ここで、上記モータ15の回転軸16が回転駆動されると、ウォーム歯車17、ウォームホイール18および平歯車20を介して回転ドラム19が回転され、この回転ドラム19の回転に伴いワイヤ21が、図1において右回り或いは左回りに移動し、これに伴い遮光部材10が、図1において右方向或いは左方向へスライド移動される。この場合、ウォーム歯車17、ウォームホイール18、平歯車20、回転ドラム19、ワイヤ21、ガイド車22により、モータ15の駆動に基づき遮光部材10を左右方向へ移動させる移動機構25を構成している。ベースプレート3の駆動部取付部3a付近には、動作開始スイッチ26が設けられている。
【0018】
一方、吸着クリップ28は、フロントウインド2の内面上部に吸盤による吸着によって取り付けられている。この吸着グリップ28に基板ケース29が保持されていて、この基板ケース29に回路基板30が収容されている。回路基板30に、車両に対する光源(太陽)の位置を検出するための日射センサ31が配設されている。日射センサ31は、受光面がフロントウインド2側に向くように配置されている。
【0019】
日射センサ31は、図6(a),(b)に示すように円筒状をなしている。この日射センサ31の内部に受光面32が形成されており、入口31aから入る光は受光面32にて受けられる構成となっている。受光面32は4分割されていて(図6(b)参照)、各受光面にフォトセンサなどの光電デバイス33,34,35,36が設けられている。各光電デバイス33〜36は、受光強度に応じた検知信号を出力する。
【0020】
図7には、防眩装置1の電気的構成がブロックによって示されている。この図7において、制御回路37は、例えばマイクロコンピュータを含む構成とされていて、回路基板30に設けられている。制御回路37は、本発明における制御手段を構成している。この制御回路37には、上記日射センサ31(光電デバイス33〜36)の検出信号と、動作開始スイッチ26のスイッチ信号が入力される。制御回路37は、日射センサ31における光電デバイス33〜36の検出信号に基づき、次のようにして車両に対する光源の位置を検出する。
【0021】
具体的には、4個の光電デバイス33〜36のうち、図6(b)において右側の2個の光電デバイス33,36の検出信号の合計または平均に基づく光強度と、図6(b)において左側の2個の光電デバイス34,35の検出信号の合計または平均に基づく光強度とを比較し、これにより水平面での光源の方向(光が入る方向)を判別する。さらに、4個の光電デバイス33〜36のうち、図6(b)において上側の2個の光電デバイス33,34の検出信号の合計または平均に基づく光強度と、図6(b)において下側の2個の光電デバイス35,36の検出信号の合計または平均に基づく光強度とを比較し、これにより光源の高さ方向(光が入る方向)を判別する。制御回路37は、このようにして車両に対する光源の位置(光が入る方向)を検出する。
制御回路37は、上記動作開始スイッチ26の信号と、日射センサ31の信号と、予め備えた制御プログラムに基づき、駆動回路38を介してモータ15を駆動制御する機能を有している。
【0022】
次に上記構成の作用について、図8の制御回路37の制御内容を示すフローチャートも参照して説明する。
図1に示すように、ベースプレート3を、既存のサンバイザ9の下方となる使用位置に位置させた状態で、使用者(運転者)が動作開始スイッチ26をオンさせると、制御回路37は、図8のフローチャートをスタートさせる。制御回路37は、まず、モータ15を、予め設定された一方向へ回転させて、移動機構25を介して遮光部材10を原位置へ移動させる(ステップS1)。この場合、図1において、遮光部材10を右側へ一杯まで移動させた位置を原位置A1(遮光部材10の中心線の位置)とする。遮光部材10は、その原位置A1と、左側へ一杯まで移動させた左最大位置A2との間で移動可能となっている。
【0023】
制御回路37は、遮光部材10が原位置A1まで移動したらモータ15を停止させる(ステップS2,S3参照)。次に、制御回路37は、日射センサ31の検出信号に基づき車両に対する光源(太陽)の位置を検出し、これに基づき、遮光部材10が、光源と運転者の目の位置との間で、かつこれらを結ぶ線上に位置するように、遮光部材10の移動すべき移動位置を演算により求める(ステップS4)。制御回路37は、この演算結果に基づき、モータ15を先程とは反対方向に回転駆動して、移動機構25を介して遮光部材10を移動すべき移動位置まで移動させ、移動すべき移動位置に到達したらモータ15を停止させる(ステップS5〜S7参照)。これにより、遮光部材10が、光源と運転者の目の位置との間で、かつこれらを結ぶ線上に位置されるようになり、光源の光を遮光部材10にて遮ることにより眩しさを防ぐことができる。この後、光源(太陽)位置の変動に応じてステップS4へ戻る。そして、車両に対する光源の位置がずれた分、その位置に対応するように遮光部材10を自動的に移動させることになる。動作開始スイッチ26がオフされたら、動作を終了する(ステップS8)。
【0024】
上記した第1の実施形態によれば次のような効果を得ることができる。
日射センサ31の検出信号に基づき、遮光部材10を、モータ15を駆動源としてベースプレート3の左右方向に自動的に移動させる構成としているので、遮光部材10の左右方向の幅を大きくすることなく、左右方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる。また、その遮光部材10が適正な位置に自動的に移動される自動タイプの構成であるから、使い勝手もよい。さらに、遮光部材10を移動させるための駆動源であるモータ15を、静止部位側であるベースプレート3に設けているので、そのモータ15に対する電気配線の処理が容易にできる。また、そのモータ15で視界を妨げることも極力防止することができる。
【0025】
遮光部材10を移動させるための移動機構25は、モータ15により回転されるように設けられた回転ドラム19と、遮光部材10に連結されるとともに前記回転ドラム19に掛け渡されたループ状をなすワイヤ21とを備え、回転ドラム19の回転に基づきワイヤ21介して遮光部材10を移動させる構成としているので、遮光部材10が移動する範囲内には運転者の視界を妨げるものを極力少なくすることができる。
また、遮光部材10を移動させるためのモータ15としてはパルスモータを用いているので、遮光部材10の位置を検出するために専用の位置センサを設ける必要がない利点がある。
【0026】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について図9〜図13を参照して説明する。上記した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
図9は、運転者側から見た防眩装置41の斜視図であり、図10は、その防眩装置41を裏返した状態で見た斜視図である。防眩装置41のベースプレート42は、運転者から見て左右方向に長い矩形状をなしていて、有色透明のプラスチック板により形成されている。ベースプレート42の上部には、断面がほぼ円形をなす軸部43が左右方向にわたって形成されているとともに、この軸部43の下側に当該軸部43に沿って左右方向に延びるスリット状のガイド用開口部44が形成されている。図9においてベースプレート42の左部(図10では右部)は、駆動部取付部42aとされている。軸部43には、第1の実施形態と同様な構成のクリップ45が2個取り付けられている。各クリップ45は、U字状をなす挟み込み部46と、C字状をなす軸保持部47とを一体に有している。
【0027】
ベースプレート42は、第1の実施形態の場合と同様に、2個のクリップ45を利用して備え付けのサンバイザ9(図1参照)に取り付けることにより、フロントウインド2の内側上部に取り付けられ、そのサンバイザ9に取り付けた状態で、軸部43を中心にして上下方向へ回動可能となる。
【0028】
ベースプレート42の手前側(運転者側)の面には、遮光部材50が配置されている。この遮光部材50は、第1の実施形態の遮光部材10と同様に、有色透明のプラスチック板により、上部より下部が幅広な段付きの矩形状に形成されている。この遮光部材50には、図10に示すように、上記ガイド用開口部44の下縁部に上方から引っ掛かる上部係合爪51と、ベースプレート42の下縁部に下方から引っ掛かる下部係合爪52が、それぞれ2個ずつ形成されている。遮光部材50は、これら上部係合爪51および下部係合爪52をベースプレート42に係合させることにより、ベースプレート42にこれの左右方向に移動可能に取り付けられている。遮光部材50において、上部係合爪51および下部係合爪52と対応する手前側の面には、それらを形成するための型抜き孔53a、53bが形成されている。遮光部材50の左右方向の幅は、ベースプレート42の左右方向の幅よりも小さく形成され、遮光部材50の下部は、ベースプレート42から下方へ大きく突出している。
【0029】
ベースプレート42の下部には、上記ガイド用開口部44と平行に、左右方向に延びる開口部55が形成されている。ベースプレート42の裏面側(運転者側とは反対側の面)において、前記駆動部取付部42aには、正逆回転可能なDCモータからなるモータ56が、回転軸57を下向きにした状態で固定状態に取り付けられている。その回転軸57にウォーム歯車58が取着されている。
【0030】
ベースプレート42の裏面側において、前記開口部55に対応する部分に、軸方向が左右方向に延びるねじ軸60が軸周り方向に回転可能に配設されている。ねじ軸60の左右両端部は、軸受61,62により回転可能に支持されている。ねじ軸60の外周部には雄ねじ部60aが形成されている。このねじ軸60の外周部には、雄ねじ部60aに螺合する可動ナット63が嵌められていて、この可動ナット63が、開口部55を貫通して遮光部材50に連結されている。図10において、ねじ軸60の右側の軸受61から右方向へ突出した端部にウォームホイール64が取着されていて、このウォームホイール64が、前記ウォーム歯車58に噛み合っている。
【0031】
ここで、モータ56の回転軸57が回転駆動されると、ウォーム歯車58、ウォームホイール64を介してねじ軸60が回転され、このねじ軸60の回転に伴い可動ナット63を介して遮光部材50がベースプレート42の左右方向に移動される。この場合、ウォーム歯車58、ウォームホイール64、ねじ軸60、可動ナット63により、モータ56の駆動に基づき遮光部材50を左右方向へ移動させる移動機構65を構成している。
【0032】
ベースプレート42の裏面側において、ねじ軸60の上方に位置させて当該ねじ軸60と平行に補助ねじ軸66が軸周りに回転可能に配設されている。この補助ねじ軸66は、ねじ軸60よりも細く形成されているとともに、外周部にねじ軸60の雄ねじ部60aよりもピッチの細かな雄ねじ部66aが形成されている。この場合、補助ねじ軸66の雄ねじ部66aのねじピッチは、ねじ軸60の雄ねじ部60aのねじピッチの半分の細かさに設定されている。
【0033】
補助ねじ軸66の左右両端部も、軸受61,62により回転可能に支持されている。補助ねじ軸66の外周部には、雄ねじ部66aに螺合する位置検出用可動ナット67が嵌められている。ベースプレート42の裏面側において、補助ねじ軸66の上方に位置させて、可変抵抗器からなる位置センサ68が取り付けられている。この位置センサ68の操作子69に、前記位置検出用可動ナット67が連結されている。
【0034】
図10において、上記ねじ軸60の左端部と、補助ねじ軸66の左端部には、それぞれ平歯車70,71が取着されていて、これら平歯車70,71が噛み合っている。ここで、上記モータ56の回転軸57の回転に伴いねじ軸60が回転されると、その回転が、平歯車70,71を介して補助ねじ軸66が回転し、この補助ねじ軸66の回転に伴い位置検出用可動ナット67を介して位置センサ68の操作子69が左右方向に移動される。このとき、ねじ軸60の回転方向と、補助ねじ軸66の回転方向とは逆方向となる。また、位置検出用可動ナット67の左右方向への移動量は、可動ナット63の移動量の半分になる。操作子69の左右方向への移動が遮光部材50の左右方向への移動に同期しているので、その操作子69の移動位置に応じた位置センサ68の信号に基づき、遮光部材50の移動位置を検出することができる。位置センサ68が、遮光部材50の位置検出手段を構成している。ベースプレート42の表面側(運転者側)には、駆動部取付部42aの裏側に位置させて、動作開始スイッチ26が設けられている。
【0035】
図12は、この第2の実施形態における防眩装置41の電気的構成がブロックによって示されている。この図12において、制御回路75は、例えばマイクロコンピュータを含む構成とされていて、本発明における制御手段を構成している。この制御回路75は、動作開始スイッチ26、日射センサ31、位置センサ68の信号と、予め備えた制御プログラムに基づき、駆動回路76を介してモータ56を駆動制御する機能を有している。
【0036】
次に上記構成の作用について、図13の制御回路75の制御内容を示すフローチャートも参照して説明する。
ベースプレート42を、既存のサンバイザ9(図1参照)の下方となる使用位置に位置させた状態で、使用者(運転者)が動作開始スイッチ26をオンさせると、制御回路75は、図13のフローチャートをスタートさせる。制御回路75は、まず、位置センサ68の信号により遮光部材50の位置を検出する(ステップT1)。次に、日射センサ31の情報に基づき遮光部材50の移動すべき移動位置を演算により求める(ステップT2)。制御回路75は、遮光部材50の現在位置と、移動すべき移動位置とを比較し、遮光部材50を移動させる必要があるか否かを判別する(ステップT3)。
【0037】
遮光部材50を移動させる必要がある場合には、「YES」に従ってステップT4へ移行し、モータ56を駆動して、移動機構65を介し遮光部材50を移動すべき移動位置へ移動させる。遮光部材50が移動すべき移動位置まで到達したら、モータ56を停止させる(ステップT5,T6参照)。これにより、遮光部材50が、光源と運転者の目の位置との間で、かつこれらを結ぶ線上に位置されるようになり、光源の光を遮光部材50にて遮ることにより眩しさを防ぐことができる。この後、制御回路75は、動作開始スイッチ26がオフされたか否かを判断した後(ステップT7)、ステップT2へ戻る。そして、車両に対する光源の位置がずれたら、その位置に対応するように遮光部材50を自動的に移動させることになる。
【0038】
ステップT3において、遮光部材50を移動させる必要がないと判断した場合には、ステップT7へ移行する。動作開始スイッチ26がオフされたら、動作を終了する。
上記した第2の実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0039】
日射センサ31の検出信号に基づき、遮光部材50を、モータ56を駆動源としてベースプレート42の左右方向に自動的に移動させる構成としているので、遮光部材50の左右方向の幅を大きくすることなく、左右方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる。また、その遮光部材50が適正な位置に自動的に移動される自動タイプの構成であるから、使い勝手もよい。さらに、遮光部材50を移動させるための駆動源であるモータ56を、静止部位側であるベースプレート42に設けているので、そのモータ56に対する電気配線の処理が容易にできる。また、そのモータ56で視界を妨げることも極力防止することができる。
【0040】
遮光部材50の現在位置を位置センサ68により検出することができるので、遮光部材50の位置制御を容易に行うことができる。
上記した第2の実施形態において、位置センサ68の検出範囲が、遮光部材50の移動範囲と同等か大きい場合には、遮光部材50(可動ナット63)の位置を直接検出する構成とすることもできる。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した両実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
動作開始スイッチ26をベースプレート3,42または既存のサンバイザ9に設けておき、ベースプレート3,42を、既存のサンバイザ9に重なるように収納位置に回動させた状態では、その動作開始スイッチ26の操作子が相手側に押されてオフ状態を維持し、ベースプレート3,42を、既存のサンバイザ9の下方の使用位置へ回動させることに伴い、動作開始スイッチ26の操作子に対する押圧が解除されて動作開始スイッチ26がオンする構成とすることができる。このような構成とした場合には、動作開始スイッチ26を使用者が逐一操作する必要がなくなる利点がある。
遮光部材10,50は、有色透明なプラスチック板に限られず、目の細かな網状のものでも良く、また、光の透過率を可変できる偏光手段により構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、防眩装置を運転者側から見た状態の正面図
【図2】図1中、X1−X1線に沿う縦断側面図
【図3】図1中、X2−X2線に沿う縦断側面図
【図4】図1中、X3−X3線に沿う縦断側面図
【図5】図1中、X4−X4線に沿う縦断側面図
【図6】(a)は日射センサの側面図、(b)は日射センサの受光面を示す図
【図7】電気的構成を示すブロック図
【図8】制御回路の制御内容を示すフローチャート
【図9】本発明の第2の実施形態を示すもので、防眩装置を運転者側から見た状態の斜視図
【図10】図9の防眩装置を裏返した状態で見た斜視図
【図11】図9中、X5−X5線に沿う縦断側面図
【図12】図7相当図
【図13】図8相当図
【符号の説明】
【0043】
図面中、1は防眩装置、2はフロントウインド、3はベースプレート、6はクリップ、9は既存のサンバイザ、10は遮光部材、15はモータ(パルスモータ)、19は回転ドラム、21はワイヤ(線条部材)、25は移動機構、26は動作開始スイッチ、30は回路基板、31は日射センサ、32は受光面、33〜36は光電デバイス、37は制御回路(制御手段)、41は防眩装置、42はベースプレート、50は遮光部材、56はモータ(DCモータ)、60はねじ軸、60aは雄ねじ部、63は可動ナット、65は移動機構、66は補助ねじ軸、67は位置検出用可動ナット、68は位置センサ(位置検出手段)、75は制御回路(制御手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントウインドから入射する光、特に太陽光の眩しさを防止するための車両用防眩装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用防眩装置は、従来より種々考えられている。
例えば特許文献1には、手動タイプの補助防眩装置(補助サンバイザ)が示されている。具体的には、フックを介して自動車の備え付けのサンバイザに取り付けられるケースと、このケースに上下方向に進退可能に収容された遮光板とを備え、運転者が遮光板の突出量を手動にて調整し、運転者の目線に入る太陽光を遮光板にて遮ることにより眩しさを防止する構成となっている。
【0003】
特許文献2には、自動タイプの防眩装置(自動サンバイザ)が示されている。このものは、車両における運転席の天井部の前部に、備え付けのサンバイザに代えて、取り付ける構成となっている。具体的には、運転席の天井部の前部に取り付けられるケースと、このケースに前後方向に出没可能に収納された有色透明の遮光板と、モータと、このモータを駆動源として前記遮光板を移動させるための移動機構と、車両に対する太陽光の入射方向を検出するための受光センサと、制御回路とを備えている。そして、受光センサの検出信号に基づき、モータを駆動して遮光板の出入り量を制御することにより、運転者の目線に入る太陽光を遮光板にて遮る構成となっている。このものによれば、受光センサの検出信号に基づき、遮光板の突出位置が自動的に制御されるので、運転者が遮光板の位置を手動にて調整する必要がない。
【0004】
特許文献3には、遮光部材として、光の透過率を制御可能な偏光板を用いた偏光手段を備えたものが示されている。具体的には、フロントウインドの内側上部に取り付けられる有色透明なベースプレートと、偏光手段を収納してベースプレートに、運転者から見て左右方向(横方向)に移動可能に設けられた可動ケースとを備え、運転者が可動ケースの左右方向の位置を手動にて調整するとともに、偏光手段による光透過率を調整することにより眩しさを防止する構成となっている。
【0005】
また、この特許文献3には、自動タイプのものも開示されている。具体的には、偏光手段を収納してベースプレートに左右方向(横方向)に移動可能に設けられた可動ケースと、当該可動ケースの位置調整用の第1のモータおよび移動機構と、偏光手段の光透過率調整用の第2のモータおよび移動機構と、車両に対する太陽の位置および入射光の光強度を検出するための受光センサと、制御回路とを備え、受光センサの検出信号に基づき、第1のモータを駆動して可動ケース(偏光手段)の左右方向の移動位置を制御するとともに、第2のモータを駆動して偏光手段による光透過率を制御する構成となっている。
【特許文献1】実開昭63−19428号公報
【特許文献2】特開平7−329566号公報
【特許文献3】特許第3796263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2の構成のものでは、遮光板は、運転者から見て左右方向へ移動させることができない。このため、運転者から見て左右方向に広い領域まで防眩効果を得るためには、遮光板の左右方向の幅を大きくする必要がある。しかしながら、左右方向に幅の広い遮光板を下方へ大きく突出させた場合には、その遮光板により運転者の視界が広く遮られてしまうことになる。
【0007】
特許文献3の手動タイプのものでは、遮光部材(偏光手段)が左右方向に移動できるので、横方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる利点がある。しかしながら、その遮光部材を運転者が手で移動させる必要があるため、使い勝手が悪いという欠点がある。一方、特許文献3の自動タイプのものでは、遮光部材を運転者が手で移動させる必要がなく、使い勝手がよいという利点があるが、次のような欠点がある。それは、モータが左右方向に移動する可動ケースに配設されているため、そのモータに対する電気配線の処理が面倒となる。また、可動ケース内には、モータのほか、ギヤなどの移動機構も配設されているため、それらが視界を妨げるおそれもある。
【0008】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮光部材を、運転者から見て左右方向に移動させる自動タイプのもので、使い勝手がよく、また、モータに対する電気配線の処理が容易で、しかも視界を極力妨げないようにできる車両用防眩装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明の車両用防眩装置は、車両におけるフロントウインドの内側上部に取り付けられ、運転者から見て左右方向に延びる透明なベースプレートと、このベースプレートに左右方向に移動可能に設けられた遮光部材と、前記ベースプレートに設けられたモータと、このモータと前記遮光部材との間に設けられ、前記モータの駆動に基づき前記遮光部材を移動させる移動機構と、前記車両に対する光源の位置を検出する日射センサと、この日射センサの検出信号に基づき前記モータを駆動制御することにより前記移動機構を介して前記遮光部材の移動位置を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記した構成のものにおいては、日射センサの検出信号に基づき、遮光部材を、モータを駆動源としてベースプレートの左右方向に自動的に移動させる構成としているので、遮光部材の左右方向の幅を大きくすることなく、左右方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる。また、その遮光部材が適正な位置に自動的に移動される自動タイプの構成であるから、使い勝手もよい。さらに、遮光部材を移動させるための駆動源であるモータを、静止部位側であるベースプレートに設けているので、そのモータに対する電気配線の処理が容易にできる。また、そのモータで視界を妨げることも極力防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
まず、図1において、本発明の防眩装置1は、車両におけるフロントウインド2の内側の上部に設置される。防眩装置1のベースプレート3は、運転者から見て左右方向に長い矩形状をなしている。このベースプレート3は、有色透明のプラスチック板により形成されている。ベースプレート3の上部には、断面がほぼ円形をなす軸部4(図2、図3参照)が左右方向にわたって形成されているとともに、この軸部4の下側に当該軸部4に沿って左右方向に延びるスリット状のガイド用開口部5が形成されている。ガイド用開口部5の右端は、ベースプレート3のほぼ右端近くまで形成されているが、左端はベースプレート3の左端までは延びていない。ベースプレート3の左部は、駆動部取付部3aとされている。
【0012】
前記軸部4には、2個のクリップ6が取り付けられている。2個のクリップ6は同一形状のもので、図2および図3に示すように、ほぼU字状をなす挟み込み部7と、C字状をなす軸保持部8とを一体に有していて、その軸保持部8を前記軸部4に嵌め込むことにより、軸部4に回動可能に取り付けられている。このとき、軸保持部8の下部の先端部が、上記ガイド用開口部5に挿入されている。これら2個のクリップ6は、上記ガイド用開口部5の範囲内で左右方向の取付位置を調整できるようになっている。
【0013】
ベースプレート3は、2個のクリップ6の各挟み込み部7を、車両の天井部2aに設けられた備え付けのサンバイザ9に下方から挟み付けるようにして取り付けることにより、フロントウインド2の内側上部に取り付けられている。なお、サンバイザ9は、通常不透明の材料で形成されていて、不使用位置である格納位置に配置されている。ベースプレート3は、このように2個のクリップ6を介してサンバイザ9に取り付けた状態で、前記軸部4を中心にして上下方向へ回動可能となっている。
【0014】
ベースプレート3の手前側(運転者側)の面には、遮光部材10が配置されている。この遮光部材10は、有色透明のプラスチック板により、上部より下部が幅広な段付きの矩形状に形成されている。この遮光部材10には、図2および図3に示すように、上記ガイド用開口部5の下縁部に上方から引っ掛かる上部係合爪11と、ベースプレート3の下縁部に下方から引っ掛かる下部係合爪12が、それぞれ2個ずつ形成されている。遮光部材10は、これら上部係合爪11および下部係合爪12をベースプレート3に係合させることにより、ベースプレート3にこれの左右方向に移動可能に取り付けられている。遮光部材10において、上部係合爪11および下部係合爪12と対応する手前側の面には、それらを形成するための型抜き孔13a、13bが形成されている。遮光部材10の左右方向の幅は、ベースプレート3の左右方向の幅よりも小さく形成され、遮光部材10の下部は、ベースプレート3から下方へ大きく突出している。
【0015】
ベースプレート3における上記駆動部取付部3aには、正逆回転可能なパルスモータからなるモータ15が、回転軸16を下向きにした状態で固定状態に取り付けられている。その回転軸16には、ウォーム歯車17が取着されている。駆動部取付部3aにおいて、そのウォーム歯車17の近くに位置させてウォームホイール18が回転自在に取り付けられていて、このウォームホイール18がウォーム歯車17に噛み合っている。駆動部取付部3aにおいて、ウォームホイール18の近くに位置させて、図4にも示すように、回転ドラム19と一体化された平歯車20が回転自在に取り付けられていて、この平歯車20がウォームホイール18に噛み合っている。ここで、モータ15の回転軸16によりウォーム歯車17が回転されると、ウォームホイール18および平歯車20を介して回転ドラム19が回転される構成となっている。
【0016】
回転ドラム19の外周部にはV字状の溝19aが形成されていて、ここに線条部材を構成するワイヤ21が掛けられている。ワイヤ21は、ループ状をなしていて、回転ドラム19の溝19aに複数回巻き付けられている。ワイヤ21の右側は、ベースプレート3に回転自在に設けられた2個のガイド車22に掛け渡されている。ワイヤ21は、回転ドラム19とガイド車22,22との間の一部が、遮光部材10の裏側とベースプレート3との間に左右方向に貫通するように通されている。遮光部材10の裏側には、ワイヤ21を通すための凹部23(図2、図3参照)が形成されている。また、遮光部材10の上部には皿ねじ24が取り付けられていて、ワイヤ21をこの皿ねじ24の頭部に巻き付けることによって遮光部材10に連結している。
【0017】
ここで、上記モータ15の回転軸16が回転駆動されると、ウォーム歯車17、ウォームホイール18および平歯車20を介して回転ドラム19が回転され、この回転ドラム19の回転に伴いワイヤ21が、図1において右回り或いは左回りに移動し、これに伴い遮光部材10が、図1において右方向或いは左方向へスライド移動される。この場合、ウォーム歯車17、ウォームホイール18、平歯車20、回転ドラム19、ワイヤ21、ガイド車22により、モータ15の駆動に基づき遮光部材10を左右方向へ移動させる移動機構25を構成している。ベースプレート3の駆動部取付部3a付近には、動作開始スイッチ26が設けられている。
【0018】
一方、吸着クリップ28は、フロントウインド2の内面上部に吸盤による吸着によって取り付けられている。この吸着グリップ28に基板ケース29が保持されていて、この基板ケース29に回路基板30が収容されている。回路基板30に、車両に対する光源(太陽)の位置を検出するための日射センサ31が配設されている。日射センサ31は、受光面がフロントウインド2側に向くように配置されている。
【0019】
日射センサ31は、図6(a),(b)に示すように円筒状をなしている。この日射センサ31の内部に受光面32が形成されており、入口31aから入る光は受光面32にて受けられる構成となっている。受光面32は4分割されていて(図6(b)参照)、各受光面にフォトセンサなどの光電デバイス33,34,35,36が設けられている。各光電デバイス33〜36は、受光強度に応じた検知信号を出力する。
【0020】
図7には、防眩装置1の電気的構成がブロックによって示されている。この図7において、制御回路37は、例えばマイクロコンピュータを含む構成とされていて、回路基板30に設けられている。制御回路37は、本発明における制御手段を構成している。この制御回路37には、上記日射センサ31(光電デバイス33〜36)の検出信号と、動作開始スイッチ26のスイッチ信号が入力される。制御回路37は、日射センサ31における光電デバイス33〜36の検出信号に基づき、次のようにして車両に対する光源の位置を検出する。
【0021】
具体的には、4個の光電デバイス33〜36のうち、図6(b)において右側の2個の光電デバイス33,36の検出信号の合計または平均に基づく光強度と、図6(b)において左側の2個の光電デバイス34,35の検出信号の合計または平均に基づく光強度とを比較し、これにより水平面での光源の方向(光が入る方向)を判別する。さらに、4個の光電デバイス33〜36のうち、図6(b)において上側の2個の光電デバイス33,34の検出信号の合計または平均に基づく光強度と、図6(b)において下側の2個の光電デバイス35,36の検出信号の合計または平均に基づく光強度とを比較し、これにより光源の高さ方向(光が入る方向)を判別する。制御回路37は、このようにして車両に対する光源の位置(光が入る方向)を検出する。
制御回路37は、上記動作開始スイッチ26の信号と、日射センサ31の信号と、予め備えた制御プログラムに基づき、駆動回路38を介してモータ15を駆動制御する機能を有している。
【0022】
次に上記構成の作用について、図8の制御回路37の制御内容を示すフローチャートも参照して説明する。
図1に示すように、ベースプレート3を、既存のサンバイザ9の下方となる使用位置に位置させた状態で、使用者(運転者)が動作開始スイッチ26をオンさせると、制御回路37は、図8のフローチャートをスタートさせる。制御回路37は、まず、モータ15を、予め設定された一方向へ回転させて、移動機構25を介して遮光部材10を原位置へ移動させる(ステップS1)。この場合、図1において、遮光部材10を右側へ一杯まで移動させた位置を原位置A1(遮光部材10の中心線の位置)とする。遮光部材10は、その原位置A1と、左側へ一杯まで移動させた左最大位置A2との間で移動可能となっている。
【0023】
制御回路37は、遮光部材10が原位置A1まで移動したらモータ15を停止させる(ステップS2,S3参照)。次に、制御回路37は、日射センサ31の検出信号に基づき車両に対する光源(太陽)の位置を検出し、これに基づき、遮光部材10が、光源と運転者の目の位置との間で、かつこれらを結ぶ線上に位置するように、遮光部材10の移動すべき移動位置を演算により求める(ステップS4)。制御回路37は、この演算結果に基づき、モータ15を先程とは反対方向に回転駆動して、移動機構25を介して遮光部材10を移動すべき移動位置まで移動させ、移動すべき移動位置に到達したらモータ15を停止させる(ステップS5〜S7参照)。これにより、遮光部材10が、光源と運転者の目の位置との間で、かつこれらを結ぶ線上に位置されるようになり、光源の光を遮光部材10にて遮ることにより眩しさを防ぐことができる。この後、光源(太陽)位置の変動に応じてステップS4へ戻る。そして、車両に対する光源の位置がずれた分、その位置に対応するように遮光部材10を自動的に移動させることになる。動作開始スイッチ26がオフされたら、動作を終了する(ステップS8)。
【0024】
上記した第1の実施形態によれば次のような効果を得ることができる。
日射センサ31の検出信号に基づき、遮光部材10を、モータ15を駆動源としてベースプレート3の左右方向に自動的に移動させる構成としているので、遮光部材10の左右方向の幅を大きくすることなく、左右方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる。また、その遮光部材10が適正な位置に自動的に移動される自動タイプの構成であるから、使い勝手もよい。さらに、遮光部材10を移動させるための駆動源であるモータ15を、静止部位側であるベースプレート3に設けているので、そのモータ15に対する電気配線の処理が容易にできる。また、そのモータ15で視界を妨げることも極力防止することができる。
【0025】
遮光部材10を移動させるための移動機構25は、モータ15により回転されるように設けられた回転ドラム19と、遮光部材10に連結されるとともに前記回転ドラム19に掛け渡されたループ状をなすワイヤ21とを備え、回転ドラム19の回転に基づきワイヤ21介して遮光部材10を移動させる構成としているので、遮光部材10が移動する範囲内には運転者の視界を妨げるものを極力少なくすることができる。
また、遮光部材10を移動させるためのモータ15としてはパルスモータを用いているので、遮光部材10の位置を検出するために専用の位置センサを設ける必要がない利点がある。
【0026】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について図9〜図13を参照して説明する。上記した第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
図9は、運転者側から見た防眩装置41の斜視図であり、図10は、その防眩装置41を裏返した状態で見た斜視図である。防眩装置41のベースプレート42は、運転者から見て左右方向に長い矩形状をなしていて、有色透明のプラスチック板により形成されている。ベースプレート42の上部には、断面がほぼ円形をなす軸部43が左右方向にわたって形成されているとともに、この軸部43の下側に当該軸部43に沿って左右方向に延びるスリット状のガイド用開口部44が形成されている。図9においてベースプレート42の左部(図10では右部)は、駆動部取付部42aとされている。軸部43には、第1の実施形態と同様な構成のクリップ45が2個取り付けられている。各クリップ45は、U字状をなす挟み込み部46と、C字状をなす軸保持部47とを一体に有している。
【0027】
ベースプレート42は、第1の実施形態の場合と同様に、2個のクリップ45を利用して備え付けのサンバイザ9(図1参照)に取り付けることにより、フロントウインド2の内側上部に取り付けられ、そのサンバイザ9に取り付けた状態で、軸部43を中心にして上下方向へ回動可能となる。
【0028】
ベースプレート42の手前側(運転者側)の面には、遮光部材50が配置されている。この遮光部材50は、第1の実施形態の遮光部材10と同様に、有色透明のプラスチック板により、上部より下部が幅広な段付きの矩形状に形成されている。この遮光部材50には、図10に示すように、上記ガイド用開口部44の下縁部に上方から引っ掛かる上部係合爪51と、ベースプレート42の下縁部に下方から引っ掛かる下部係合爪52が、それぞれ2個ずつ形成されている。遮光部材50は、これら上部係合爪51および下部係合爪52をベースプレート42に係合させることにより、ベースプレート42にこれの左右方向に移動可能に取り付けられている。遮光部材50において、上部係合爪51および下部係合爪52と対応する手前側の面には、それらを形成するための型抜き孔53a、53bが形成されている。遮光部材50の左右方向の幅は、ベースプレート42の左右方向の幅よりも小さく形成され、遮光部材50の下部は、ベースプレート42から下方へ大きく突出している。
【0029】
ベースプレート42の下部には、上記ガイド用開口部44と平行に、左右方向に延びる開口部55が形成されている。ベースプレート42の裏面側(運転者側とは反対側の面)において、前記駆動部取付部42aには、正逆回転可能なDCモータからなるモータ56が、回転軸57を下向きにした状態で固定状態に取り付けられている。その回転軸57にウォーム歯車58が取着されている。
【0030】
ベースプレート42の裏面側において、前記開口部55に対応する部分に、軸方向が左右方向に延びるねじ軸60が軸周り方向に回転可能に配設されている。ねじ軸60の左右両端部は、軸受61,62により回転可能に支持されている。ねじ軸60の外周部には雄ねじ部60aが形成されている。このねじ軸60の外周部には、雄ねじ部60aに螺合する可動ナット63が嵌められていて、この可動ナット63が、開口部55を貫通して遮光部材50に連結されている。図10において、ねじ軸60の右側の軸受61から右方向へ突出した端部にウォームホイール64が取着されていて、このウォームホイール64が、前記ウォーム歯車58に噛み合っている。
【0031】
ここで、モータ56の回転軸57が回転駆動されると、ウォーム歯車58、ウォームホイール64を介してねじ軸60が回転され、このねじ軸60の回転に伴い可動ナット63を介して遮光部材50がベースプレート42の左右方向に移動される。この場合、ウォーム歯車58、ウォームホイール64、ねじ軸60、可動ナット63により、モータ56の駆動に基づき遮光部材50を左右方向へ移動させる移動機構65を構成している。
【0032】
ベースプレート42の裏面側において、ねじ軸60の上方に位置させて当該ねじ軸60と平行に補助ねじ軸66が軸周りに回転可能に配設されている。この補助ねじ軸66は、ねじ軸60よりも細く形成されているとともに、外周部にねじ軸60の雄ねじ部60aよりもピッチの細かな雄ねじ部66aが形成されている。この場合、補助ねじ軸66の雄ねじ部66aのねじピッチは、ねじ軸60の雄ねじ部60aのねじピッチの半分の細かさに設定されている。
【0033】
補助ねじ軸66の左右両端部も、軸受61,62により回転可能に支持されている。補助ねじ軸66の外周部には、雄ねじ部66aに螺合する位置検出用可動ナット67が嵌められている。ベースプレート42の裏面側において、補助ねじ軸66の上方に位置させて、可変抵抗器からなる位置センサ68が取り付けられている。この位置センサ68の操作子69に、前記位置検出用可動ナット67が連結されている。
【0034】
図10において、上記ねじ軸60の左端部と、補助ねじ軸66の左端部には、それぞれ平歯車70,71が取着されていて、これら平歯車70,71が噛み合っている。ここで、上記モータ56の回転軸57の回転に伴いねじ軸60が回転されると、その回転が、平歯車70,71を介して補助ねじ軸66が回転し、この補助ねじ軸66の回転に伴い位置検出用可動ナット67を介して位置センサ68の操作子69が左右方向に移動される。このとき、ねじ軸60の回転方向と、補助ねじ軸66の回転方向とは逆方向となる。また、位置検出用可動ナット67の左右方向への移動量は、可動ナット63の移動量の半分になる。操作子69の左右方向への移動が遮光部材50の左右方向への移動に同期しているので、その操作子69の移動位置に応じた位置センサ68の信号に基づき、遮光部材50の移動位置を検出することができる。位置センサ68が、遮光部材50の位置検出手段を構成している。ベースプレート42の表面側(運転者側)には、駆動部取付部42aの裏側に位置させて、動作開始スイッチ26が設けられている。
【0035】
図12は、この第2の実施形態における防眩装置41の電気的構成がブロックによって示されている。この図12において、制御回路75は、例えばマイクロコンピュータを含む構成とされていて、本発明における制御手段を構成している。この制御回路75は、動作開始スイッチ26、日射センサ31、位置センサ68の信号と、予め備えた制御プログラムに基づき、駆動回路76を介してモータ56を駆動制御する機能を有している。
【0036】
次に上記構成の作用について、図13の制御回路75の制御内容を示すフローチャートも参照して説明する。
ベースプレート42を、既存のサンバイザ9(図1参照)の下方となる使用位置に位置させた状態で、使用者(運転者)が動作開始スイッチ26をオンさせると、制御回路75は、図13のフローチャートをスタートさせる。制御回路75は、まず、位置センサ68の信号により遮光部材50の位置を検出する(ステップT1)。次に、日射センサ31の情報に基づき遮光部材50の移動すべき移動位置を演算により求める(ステップT2)。制御回路75は、遮光部材50の現在位置と、移動すべき移動位置とを比較し、遮光部材50を移動させる必要があるか否かを判別する(ステップT3)。
【0037】
遮光部材50を移動させる必要がある場合には、「YES」に従ってステップT4へ移行し、モータ56を駆動して、移動機構65を介し遮光部材50を移動すべき移動位置へ移動させる。遮光部材50が移動すべき移動位置まで到達したら、モータ56を停止させる(ステップT5,T6参照)。これにより、遮光部材50が、光源と運転者の目の位置との間で、かつこれらを結ぶ線上に位置されるようになり、光源の光を遮光部材50にて遮ることにより眩しさを防ぐことができる。この後、制御回路75は、動作開始スイッチ26がオフされたか否かを判断した後(ステップT7)、ステップT2へ戻る。そして、車両に対する光源の位置がずれたら、その位置に対応するように遮光部材50を自動的に移動させることになる。
【0038】
ステップT3において、遮光部材50を移動させる必要がないと判断した場合には、ステップT7へ移行する。動作開始スイッチ26がオフされたら、動作を終了する。
上記した第2の実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0039】
日射センサ31の検出信号に基づき、遮光部材50を、モータ56を駆動源としてベースプレート42の左右方向に自動的に移動させる構成としているので、遮光部材50の左右方向の幅を大きくすることなく、左右方向に広い領域まで防眩効果を得ることができる。また、その遮光部材50が適正な位置に自動的に移動される自動タイプの構成であるから、使い勝手もよい。さらに、遮光部材50を移動させるための駆動源であるモータ56を、静止部位側であるベースプレート42に設けているので、そのモータ56に対する電気配線の処理が容易にできる。また、そのモータ56で視界を妨げることも極力防止することができる。
【0040】
遮光部材50の現在位置を位置センサ68により検出することができるので、遮光部材50の位置制御を容易に行うことができる。
上記した第2の実施形態において、位置センサ68の検出範囲が、遮光部材50の移動範囲と同等か大きい場合には、遮光部材50(可動ナット63)の位置を直接検出する構成とすることもできる。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した両実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
動作開始スイッチ26をベースプレート3,42または既存のサンバイザ9に設けておき、ベースプレート3,42を、既存のサンバイザ9に重なるように収納位置に回動させた状態では、その動作開始スイッチ26の操作子が相手側に押されてオフ状態を維持し、ベースプレート3,42を、既存のサンバイザ9の下方の使用位置へ回動させることに伴い、動作開始スイッチ26の操作子に対する押圧が解除されて動作開始スイッチ26がオンする構成とすることができる。このような構成とした場合には、動作開始スイッチ26を使用者が逐一操作する必要がなくなる利点がある。
遮光部材10,50は、有色透明なプラスチック板に限られず、目の細かな網状のものでも良く、また、光の透過率を可変できる偏光手段により構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、防眩装置を運転者側から見た状態の正面図
【図2】図1中、X1−X1線に沿う縦断側面図
【図3】図1中、X2−X2線に沿う縦断側面図
【図4】図1中、X3−X3線に沿う縦断側面図
【図5】図1中、X4−X4線に沿う縦断側面図
【図6】(a)は日射センサの側面図、(b)は日射センサの受光面を示す図
【図7】電気的構成を示すブロック図
【図8】制御回路の制御内容を示すフローチャート
【図9】本発明の第2の実施形態を示すもので、防眩装置を運転者側から見た状態の斜視図
【図10】図9の防眩装置を裏返した状態で見た斜視図
【図11】図9中、X5−X5線に沿う縦断側面図
【図12】図7相当図
【図13】図8相当図
【符号の説明】
【0043】
図面中、1は防眩装置、2はフロントウインド、3はベースプレート、6はクリップ、9は既存のサンバイザ、10は遮光部材、15はモータ(パルスモータ)、19は回転ドラム、21はワイヤ(線条部材)、25は移動機構、26は動作開始スイッチ、30は回路基板、31は日射センサ、32は受光面、33〜36は光電デバイス、37は制御回路(制御手段)、41は防眩装置、42はベースプレート、50は遮光部材、56はモータ(DCモータ)、60はねじ軸、60aは雄ねじ部、63は可動ナット、65は移動機構、66は補助ねじ軸、67は位置検出用可動ナット、68は位置センサ(位置検出手段)、75は制御回路(制御手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両におけるフロントウインドの内側上部に取り付けられ、運転者から見て左右方向に延びる透明なベースプレートと、
このベースプレートに左右方向に移動可能に設けられた遮光部材と、
前記ベースプレートに設けられたモータと、
このモータと前記遮光部材との間に設けられ、前記モータの駆動に基づき前記遮光部材を移動させる移動機構と、
前記車両に対する光源の位置を検出する日射センサと、
この日射センサの検出信号に基づき前記モータを駆動制御することにより前記移動機構を介して前記遮光部材の移動位置を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする車両用防眩装置。
【請求項2】
前記移動機構は、
前記モータにより回転されるように設けられた回転ドラムと、
前記遮光部材に連結されるとともに前記回転ドラムに掛け渡されたループ状をなす線条部材とを備え、
前記回転ドラムの回転に基づき前記線条部材を介して前記遮光部材を移動させる構成であることを特徴とする請求項1記載の車両用防眩装置。
【請求項3】
前記モータをパルスモータにより構成するとともに、動作開始スイッチを備え、
前記制御手段は、前記動作開始スイッチがオンされたときに、前記モータを予め設定された一方向へ回転させて前記遮光部材を原位置へ移動させた後、前記日射センサの検出信号に基づき前記遮光部材の移動すべき移動位置を演算し、前記遮光部材を前記原位置から前記移動すべき移動位置へ移動させるように前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項2記載の車両用防眩装置。
【請求項4】
前記移動機構は、
外周部に雄ねじ部を有し、前記ベースプレートに、軸方向が前記遮光部材の移動方向に延びる状態で前記モータにより軸周り方向に回転されるように設けられたねじ軸と、
このねじ軸の前記雄ねじ部に螺合するとともに前記遮光部材に連結され、前記ねじ軸の回転に基づき前記ねじ軸の軸方向に沿って移動する可動ナットとを備え、
前記ねじ軸の回転に基づき前記可動ナットを介して前記遮光部材を移動させる構成であることを特徴とする請求項1記載の車両用防眩装置。
【請求項5】
前記モータをDCモータにより構成するとともに、動作開始スイッチと、前記遮光部材の移動位置を検出する位置検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記動作開始スイッチがオンされたときに、前記位置検出手段により前記遮光部材の現在位置を検出するとともに、前記日射センサの検出信号に基づき前記遮光部材の移動すべき移動位置を演算し、前記遮光部材を前記現在位置から前記移動すべき移動位置へ移動させるように前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項4記載の車両用防眩装置。
【請求項1】
車両におけるフロントウインドの内側上部に取り付けられ、運転者から見て左右方向に延びる透明なベースプレートと、
このベースプレートに左右方向に移動可能に設けられた遮光部材と、
前記ベースプレートに設けられたモータと、
このモータと前記遮光部材との間に設けられ、前記モータの駆動に基づき前記遮光部材を移動させる移動機構と、
前記車両に対する光源の位置を検出する日射センサと、
この日射センサの検出信号に基づき前記モータを駆動制御することにより前記移動機構を介して前記遮光部材の移動位置を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする車両用防眩装置。
【請求項2】
前記移動機構は、
前記モータにより回転されるように設けられた回転ドラムと、
前記遮光部材に連結されるとともに前記回転ドラムに掛け渡されたループ状をなす線条部材とを備え、
前記回転ドラムの回転に基づき前記線条部材を介して前記遮光部材を移動させる構成であることを特徴とする請求項1記載の車両用防眩装置。
【請求項3】
前記モータをパルスモータにより構成するとともに、動作開始スイッチを備え、
前記制御手段は、前記動作開始スイッチがオンされたときに、前記モータを予め設定された一方向へ回転させて前記遮光部材を原位置へ移動させた後、前記日射センサの検出信号に基づき前記遮光部材の移動すべき移動位置を演算し、前記遮光部材を前記原位置から前記移動すべき移動位置へ移動させるように前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項2記載の車両用防眩装置。
【請求項4】
前記移動機構は、
外周部に雄ねじ部を有し、前記ベースプレートに、軸方向が前記遮光部材の移動方向に延びる状態で前記モータにより軸周り方向に回転されるように設けられたねじ軸と、
このねじ軸の前記雄ねじ部に螺合するとともに前記遮光部材に連結され、前記ねじ軸の回転に基づき前記ねじ軸の軸方向に沿って移動する可動ナットとを備え、
前記ねじ軸の回転に基づき前記可動ナットを介して前記遮光部材を移動させる構成であることを特徴とする請求項1記載の車両用防眩装置。
【請求項5】
前記モータをDCモータにより構成するとともに、動作開始スイッチと、前記遮光部材の移動位置を検出する位置検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記動作開始スイッチがオンされたときに、前記位置検出手段により前記遮光部材の現在位置を検出するとともに、前記日射センサの検出信号に基づき前記遮光部材の移動すべき移動位置を演算し、前記遮光部材を前記現在位置から前記移動すべき移動位置へ移動させるように前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項4記載の車両用防眩装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−213672(P2008−213672A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54163(P2007−54163)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(501278423)野場電工株式会社 (18)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(501278423)野場電工株式会社 (18)
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