説明

車両用防霜雪装置

【課題】自動車等のウインドガラス上での積雪を防止し、ウインドガラスに霜や氷が付着することを確実に防止して取り扱いやすい車両用防霜雪装置を提供する。
【解決手段】車両のウインドガラスへの降霜および積雪を防止する装置であって、前記ウインドガラス5上に、ウインドガラス5を短手方向に横断する配置に、脱着可能に設置される支持バー20と、該支持バー20と前記ウインドガラス5を覆って装着される撥水性を備えた保護シート10とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防霜、防雪用のシートを利用して構成した自動車等の車両の防霜雪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
寒冷地では、気温が下がる冬季に自動車を戸外に置いた場合に、しばしば自動車のフロントガラス、リアガラス、ドアガラスに霜や氷、雪が付着するため、発進する前に、暖気運転によって霜や氷を溶かすようにしたり、ガラスに付着した氷などを削り落としたり、除雪したりしなければならない。暖気運転や、ガラスに付着した氷を落としたり、除雪したりする作業は煩雑であり、自動車を発進させるまでに時間がかかるという問題がある。
【0003】
このため、フロントガラスなどに霜や氷が付着することを防止する方法として、フロントガラスやリヤガラスを保護シートで覆い、自動車を使用する際に、保護シートを取り外して、直ちに発進できるようにする方法が考えられている。たとえば、特許文献1、2には、これらの操作を簡単に行えるように、フロントガラスやリヤガラスに、簡単に取りつけおよび取り外しして使用できる自動車用の保護シートが記載されている。これらの保護シートを使用すれば、フロントガラスやリヤガラス、ドアガラスの霜や氷が付着することを防止でき、自動車を使用する際には保護シートを取り外すだけで、フロントガラス等の視界を確保することができる。
【特許文献1】特開2006−7846号公報
【特許文献2】特開2006−35919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フロントガラスやリヤガラスの表面を保護シートで覆って、ガラスに霜や氷が付着しないようにする従来方法では、雪が降ると保護シートの上に雪が積もってしまう。この場合は、保護シートを外しながらともに雪を取り除くようにするのであるが、積雪量が多くなると保護シートを外してもフロントガラスの上に雪が残ってしまい、簡単に雪を排除することができないという問題がある。
また、従来は、保護シートをフロントガラスから外す際に、保護シートがフロントガラスに氷結してしまって、取り外しにくくなるという問題があった。
【0005】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、寒冷地において自動車等の車両のウインドガラスに雪や霜が付着することを防止し、始動時の自動車等の発進を容易にする車両用防霜雪装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、車両のウインドガラスへの降霜および積雪を防止する装置であって、前記ウインドガラス上に、ウインドガラスを短手方向に横断する配置に、脱着可能に設置される支持バーと、該支持バーと前記ウインドガラスを覆って装着される、撥水性を備えた保護シートとを備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記支持バーは、ウインドガラスに氷結しない素材を用いて、端面形状がL字形のバー状体として形成され、該支持バーの内側面に、端面形状がL字形に形成された支持突起が、突起端を前記支持バーの両側縁の端縁位置よりも突出させ、支持バーの内側面から離反する向きに突出させて固定されていることにより、支持バーが揺動して、保護シートが振動しやすくなり保護シート上に雪が積もることを防止することができる。
また、前記支持バーの内面に沿わせるように支持紐が装着され、支持紐の両端に弾性紐が接続され、該弾性紐が車体に吸着されたマグネット吸着体に係合可能に設けられていることにより、前記保護シートを張るようにしてウインドガラスを覆って装着することができる。
【0008】
また、前記支持バーは、撥水性を備えたシート体により円筒体を被覆して形成された円柱状に形成され、前記保護シートの内面に、面ファスナーにより脱着可能に装着されていることを特徴とする。前記シート体を袋状に形成し、円筒体をシート体の袋に収容することによって外径が円柱状の支持バーが形成できる。円筒体は紙あるいはプラスチック等の適宜素材によって形成したものが使用できる。保護シートと支持バーの双方に面ファスナーを取り付けることにより、支持バーが脱着可能に保護シートに取り付けられる。
【0009】
また、前記面ファスナーは、前記保護シートの内面に、保護シートの幅方向を長手方向として、保護シートの長手方向の複数個所に取り付けられ、前記支持バーは、前記保護シートに取り付けられた面ファスナーの少なくとも一つを選択して前記保護シートに係止されていることを特徴とする。保護シートで面ファスナーが取り付けられた個所を選択して支持バーを取り付けることにより簡単に適宜形態の防霜雪装置とすることができる。
また、前記保護シートの周縁部に、車体に磁気的に吸着されるマグネットが取り付けられていることによって、保護シートを簡単に車体に取り付けることができる。また、前記保護シートの周縁部に、車体に吸着されたマグネット吸着体に係止される弾性紐が取り付けられていることによって、保護シートを張るようにしてウインドガラスに装着することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る車両用防霜雪装置によれば、フロントガラス、リヤガラス、ドアガラス等のウインドガラスに装着することにより、霜や氷および雪がウインドガラスに付着することを確実に防止することができ、取り扱いやすい車両用防霜雪装置として使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面にしたがって詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1、2は、本発明に係る車両用防霜雪装置の第1の実施の形態の構成を示す。
本発明に係る車両用防霜雪装置は、フロントガラス等の設置対象物を覆うように保護シート10を装着して防霜、防雪作用をなすものである。本実施形態の車両用防霜雪装置は、フロントガラス5の上に支持バー20を配置し、この支持バー20とフロントガラス5を覆うように保護シート10を配置し、フロントガラス5の表面から保護シート10を若干浮かせる(離間させる)ようにして装着する。
【0012】
図1は、自動車のフロントガラス5に支持バー20を取り付けた状態、図2は、支持バー20とフロントガラス5の全面を覆うように保護シート10を取り付けた状態を示す。図1に示すように、支持バー20はフロントガラス5の短手方向(幅方向)に横断するように配置する。また、支持バー20はフロントガラス5の左右位置に1本ずつ配置する。支持バー20は保護シート10をフロントガラス5から若干浮かせる作用と、保護シート10を揺動可能に支持する作用をなすもので、フロントガラス5の左右中央に1本配してもよいし、フロントガラス5の中央位置とその左右位置に1本ずつ配してもよい。
【0013】
図3に、支持バー20の内面側の構造と、支持バー20を車体に取り付ける際に使用する取り付け器具の構成を示す。
支持バー20は、端面形状がL字形をなすアングル状のバー状体として形成され、本実施形態では支持バー20の基材は、柔軟性を備えたウレタンゴムである。支持バー20はフロントガラス等の自動車の外面に直接接触させて使用するから、ガラスの表面や車体の表面を傷つけない材質からなり、フロントガラス等の設置対象面の曲面にならって装着できるように柔軟性を備える材質からなるものが好適に使用でき、また、ガラスに氷結せず、ガラスから簡単に取り外すことができる材料が好適に用いられる。
【0014】
支持バー20の内側面には、端面形状がL字形の支持突起26が、突起端を支持バー20の内側面とは離反する向きに突出させるようにして固定される。本実施形態では、支持バー20の長手方向の中央部に1つ支持突起26を固定している。なお、支持バー20の中央部に加えて長手方向の両端近傍に支持突起26を設けるようにしてもよい。
【0015】
図4に、支持バー20に支持突起26を取り付けた状態を拡大して示す。支持突起26は支持バー20の両内側面に端部をビス止めして固定される。支持突起26は端面形状がL字形をなすから、支持バー20の内側面に支持突起26を固定することにより、支持バー20と支持突起26とで端面形状が矩形の挿通孔Aが形成される。
【0016】
支持突起26は、端面形状がL字形に形成された支持金具24と、支持金具24のL形部分の外面に貼着された保護体としての保護ゴム25とからなる。保護ゴム25は支持バー20をフロントガラス等に装着した際に、ガラス表面に支持金具24が直接接触して、ガラス表面を傷つけたりすることを防止するために設けられる。保護ゴム25以外の保護用の素材を使用することももちろん可能である。
【0017】
図4に示すように、支持突起26は、突起端が支持バー20の両側縁位置よりも突出する位置関係となるように形成される。すなわち、図4において支持バー20の両側縁の端縁位置をB位置とすると、支持突起26を支持バー20に取り付けた状態で、支持突起26の突起端(C位置)がB位置よりも突出した位置となるように設定する。
【0018】
図3に示すように、支持紐22は支持バー20の内面に沿わせるようにして支持バー20のほぼ全長にわたって取り付ける。支持突起26を取り付けた位置では、支持紐22は支持突起26の内側(挿通孔A)を通過させるように配置する。支持紐22の両端に弾性紐23を連結し、弾性紐23の端部が、支持バー20の両端から10〜15cm程度延出するように弾性紐23の長さを設定する。弾性紐23の端部にはマグネット吸着体30に係止される係止部23aが設けられる。係止部23aは、たとえば弾性紐23に円形の係止リングを取り付けることによって形成できる。
【0019】
マグネット吸着体30は、マグネットが装着された本体と、本体に連結されたフック部とを備える。
自動車のフロントガラスに支持バー20を装着する際は、フロントガラスを短手方向に横断する位置に対応してマグネット吸着体30を車体の外面に吸着支持し、各々のマグネット吸着体30に支持バー20の両端から延出している弾性紐23の係止部23aを係止させればよい。弾性紐23を外向きに(延出側)引っ張るようにしてマグネット吸着体30に係止させる。これによって、支持バー20は弾性紐23と支持紐22によりフロントガラス5の外面にならうようにして支持される。
【0020】
図1は、フロントガラス5の左右両側に1本ずつ支持バー20を取り付けた状態を示す。支持バー20は、支持バー20の内面すなわち支持突起26を設けた側をフロントガラス5の表面に向けて取り付ける。これによって、フロントガラス5の上に、支持バー20の外面の山形があらわれる。
図2は、支持バー20の外面を覆うように保護シート10を取り付けた状態を示す。保護シート10は端縁部にマグネット12が取り付けられており、長手方向に張るようにしながら、車体にマグネット12を吸着させて取り付ける。保護シート10の端部にドアミラーに引っ掛けて係止する弾性紐からなる係止バンドを取り付けるようにしてもよい。
【0021】
本実施形態で使用している保護シート10は、シート上に積もった雪を滑落させる作用と、ガラスとは氷結しない作用を有する。このような保護シートとしては、撥水性および持続耐水性を備えた高密度織物が好適に使用される。本実施形態では傘地等にも使用される高密度織物(商標名:ツインバリア(特開2001-192946号公報))を使用した。
【0022】
図5は、フロントガラス5に支持バー20を設置し、支持バー20とフロントガラス5を覆うように保護シート10を装着した状態を示す。上述したように、支持バー20は弾性紐23をマグネット吸着体30に係止することで簡単に取り付けることができ、保護シート10も支持バー20とフロントガラス5を覆うように設ければよいから、設置操作は簡単である。
このように、支持バー20の上に保護シート10をかぶせるようにして保護シート10を設置すると、保護シート10が支持バー20間に張られるように支持され、フロントガラス5と保護シート10との間に5cm程度の空間が形成される。このフロントガラス5と保護シート10との間に形成される空間は、支持バー20を揺動させ、これとともに保護シート10を揺動させる作用をなす。また、保護シート10がフロントガラス5の表面に氷結することを防止する作用もなす。
【0023】
支持バー20は支持突起26をフロントガラス5に当接させた状態で設置されるから、支持バー20は支持突起26の突起端を支点として左右に揺動する。支持突起26の突起端を支持バー20の側縁よりも突出させたのは、突起端を支点として支持バー20が左右に揺動しやすくさせるためである。
図5(a)は、支持バー20がフロントガラス5上で正立している状態、図5(b)は、支持バー20が揺動して正立位置から傾いた状態を説明的に示す。支持バー20の長手方向の中央に1つの支持突起26を設けた場合は、支持バー20が変形しやすく、かつ揺動しやすくなる。支持バー20の長手方向の3箇所に支持突起26を設けた場合は主として揺動作用となる。
【0024】
このように、支持バー20によって保護シート10を支持しながら、保護シート10をフロントガラス5から離間させて支持すると、保護シート10は風の影響によって揺動し、保護シート10が振動しやすくなる。この保護シート10が振動することによる作用は、保護シート10上に積もる雪を滑落させ、保護シート10上に雪が積もることを防止するように作用する。
本実施形態においては、保護シート10が風によって揺動し、振動しやすくなることによって、保護シート10上に雪が付着しにくくなり、保護シート10上に雪が積もらないようになる。
【0025】
フロントガラス5を覆う保護シート10上に雪が積もらなくなることにより、朝の始動時など、自動車を発進させる際には、保護シート10を取り外すだけで簡単に自動車を発進させることができる。支持バー20は、保護シート10を外した後、弾性紐23をマグネット吸着体30から外すことによって簡単に取り外せる。
また、保護シート10によってフロントガラス5を覆っているから、フロントガラス5に霜や氷が付着することも防止でき、効果的な防霜雪装置として使用できる。
【0026】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明に係る車両用防霜雪装置の第2の実施の形態の構成を示す。本実施の形態の車両用防霜雪装置も、自動車のフロントガラス5を覆う大きさに形成された保護シート10と、保護シート10をフロントガラス5から離間させて揺動可能に支持する支持バー40とを備える。本実施形態においては、保護シート10の内面に、面ファスナーを用いて支持バー40を脱着可能に取り付け、保護シート10をフロントガラス5に取り付ける際に、保護シート10とともに支持バー40が装着されるようにしたことが特徴的である。
【0027】
図7に、保護シート10に支持バー40を取り付ける構成を示す。
図7(a)は、支持バー40を支持する面ファスナー50が保護シート10の内面に取り付けられた状態を示す。面ファスナー50は保護シート10の幅方向(短手方向)に長手となるように縫いつけられている。本実施形態では、保護シート10の長手方向の中央位置とその左右位置に一個所ずつ面ファスナー50が縫い付けられている。支持バー40は保護シート10の幅方向を長手方向として取り付けられる。したがって、面ファスナー50は支持バー40の全長と略同じ長さに、所定幅で保護シート10の幅方向に延びるように設けられる。
【0028】
支持バー40は、保護シート10に用いられるシート材と同一のシート材44を用いて円筒体42を袋状に覆うようにして、全体形状が円柱体状に形成されている。具体的には、保護シート10を構成する撥水性を備えた高密度織物を用いて細長の袋を形成し、この袋に紙製の筒体を挿入することによって支持バー40が形成されている。円筒体42の直径は5cm程度である。
円筒体42を被覆するシート材44には、保護シート10に縫いつけられている面ファスナー50と係合する面ファスナー(不図示)が縫い付けられる。支持バー40には、その長手方向の略全長にわたって所定幅に面ファスナーが取り付けられている。
【0029】
図7(a)では、保護シート10に取り付けた面ファスナー50に位置合わせするようにして支持バー40を取り付ける様子を説明的に示している。支持バー40に取り付けられた面ファスナーを保護シート10に取り付けられた面ファスナーに位置合わせして押圧することによって、簡単に保護シート10に支持バー40が取り付けられる。
図7(b)は、保護シート10に支持バー40を取り付けた状態を示す。保護シート10に形成された3個所の面ファスナー50にそれぞれ支持バー40を取り付けた状態である。
【0030】
保護シート10に支持バー40を取り付けたことにより、保護シート10と一体に、保護シート10を幅方向に横切る向きに支持バー40が支持される。本実施形態では、支持バー40の一方の端部40aを斜めにカットし、支持バー40の一方の端部が傾斜した形態となっている。自動車のフロントガラスに保護シート10を装着する際には、支持バー40の斜めにカットされた側を上側として取り付ける。これによって、保護シート10は自動車のルーフからフロントガラスに沿うようにして装着される。
【0031】
保護シート10の周縁部には、第1の実施の形態におけると同様に、保護シート10を車体に磁気的に吸着させるマグネット12が設けられている。また、保護シート10の周縁部にはゴム等の弾性体からなる弾性紐60が取り付けられている。弾性紐60には車体に脱着可能に取り付けられたマグネット吸着体30に弾性紐60を係止するためのフック62が設けられている。
【0032】
図6は、支持バー40が取り付けられた保護シート10を自動車のフロントガラス5に取り付けた状態を示す。前述したように、支持バー40を内側、すなわちフロントガラス5に当接する側として保護シート10によりフロントガラス5を覆うように配置する。マグネット12により保護シート10の周縁部を車体に吸着させ、弾性紐60を引っ張るようにして弾性紐60のフック62を車体に吸着支持したマグネット吸着体30に係止する。これによって保護シート10が張られた状態、すなわち、フロントガラス5の表面から若干離間した状態になる。
【0033】
図8は、支持バー40が取り付けられた保護シート10をフロントガラス5を覆うように装着した状態を説明的に示している。支持バー40が面ファスナー50、51によって保護シート10に取り付けられていること、支持バー40により保護シート10がフロントガラス5から離間して支持されていることを示す。
保護シート10によってフロントガラス5の前面が遮蔽されていることにより、フロントガラス5に霜や雪が付着することが防止でき、保護シート10に風があたることによって支持バー40が揺動し、保護シート10が振動することによって保護シート10に雪が積もることを効果的に防止する。フロントガラス5の傾斜角度にもよるが、本実施形態で使用している保護シート10はきわめて撥水性が高いから、フロントガラス5の傾斜角度が30度以上程度であれば、保護シート10上にはほとんど雪が積もらなくなる。
【0034】
また、保護シート10はフロントガラス5から離間した状態になっているから、フロントガラス5の表面に保護シート10が氷結することが防止でき、保護シート10を取り払う操作も簡単に行える。支持バー40はフロントガラス5に接触した状態にあるが、支持バー40は保護シート10と同じ撥水性を備えたシート材によって円筒体を被覆して形成されているから、支持バー40がフロントガラス5に氷結することが防止でき、保護シート10を取り外す操作によって、保護シート10とともに支持バー40を外すことができる。
【0035】
また、本実施形態の車両用防霜雪装置では、支持バー40が保護シート10に取り付けられているから、フロントガラス5を覆うように保護シート10を取り付けるだけで支持バー40も装着することができ、車両用防霜雪装置を装着する操作を簡単に行うことができる。
また、本実施形態の車両用防霜雪装置では、保護シート10に面ファスナーによって支持バー40を取り付ける構成としたから、支持バー40を装着する場合に、気候等の条件に応じて、保護シート10の中央位置に1本のみ支持バー40を取り付ける構成とすることもできるし、保護シート10の中央位置を除いた左右の2個所に設けた面ファスナー50に支持バー40を取り付けるようにすることもできる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、自動車のフロントガラス5に防霜雪装置を装着する例について説明したが、本発明に係る防霜雪装置は、乗用車のフロントガラスに装着する他、バスやトラックなどのフロントガラスに装着して使用することができ、また、除雪車等の特殊車両についても利用することができる。また、自動車のフロントガラスの他に、サイドガラスやリヤガラスのウインドガラスに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】フロントガラスに支持バーを取り付けた状態の説明図である。
【図2】支持バーとフロントガラスを覆うように保護シートを取り付けた状態の説明図である。
【図3】支持バーの斜視図である。
【図4】支持バーの端面図である。
【図5】支持バーと保護シートを端面方向から見た状態を示す説明図である。
【図6】フロントガラスを覆うように保護シートと支持バーとを取り付けた状態を示す説明図である。
【図7】保護シートに支持バーを取り付けて車両用防霜雪装置を組み立てる例を示す説明図である。
【図8】ウインドガラス上での支持バーと保護シートの配置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
5 フロントガラス
10 保護シート
20、40 支持バー
22 支持紐
23 弾性紐
23a 係止部
24 支持金具
25 保護ゴム
26 支持突起
30 マグネット吸着体
42 円筒体
44 シート材
50、51 面ファスナー
60 弾性紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウインドガラスへの降霜および積雪を防止する装置であって、
前記ウインドガラス上に、ウインドガラスを短手方向に横断する配置に、脱着可能に設置される支持バーと、
該支持バーと前記ウインドガラスを覆って装着される、撥水性を備えた保護シートとを備えることを特徴とする車両用防霜雪装置。
【請求項2】
前記支持バーは、ウインドガラスに氷結しない素材を用いて、端面形状がL字形のバー状体として形成され、
該支持バーの内側面に、端面形状がL字形に形成された支持突起が、突起端を前記支持バーの両側縁の端縁位置よりも突出させ、支持バーの内側面から離反する向きに突出させて固定されていることを特徴とする請求項1記載の車両用防霜雪装置。
【請求項3】
前記支持バーの内面に沿わせるように支持紐が装着され、
支持紐の両端に弾性紐が接続され、
該弾性紐が車体に吸着されたマグネット吸着体に係合可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用防霜雪装置。
【請求項4】
前記支持バーは、撥水性を備えたシート体により円筒体を被覆して形成された円柱状に形成され、
前記保護シートの内面に、面ファスナーにより脱着可能に装着されていることを特徴とする請求項1記載の車両用防霜雪装置。
【請求項5】
前記面ファスナーは、前記保護シートの内面に、保護シートの幅方向を長手方向として、保護シートの長手方向の複数個所に取り付けられ、
前記支持バーは、前記保護シートに取り付けられた面ファスナーの少なくとも一つを選択して前記保護シートに係止されていることを特徴とする請求項4記載の車両用防霜雪装置。
【請求項6】
前記保護シートの周縁部に、車体に磁気的に吸着されるマグネットが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の車両用防霜雪装置。
【請求項7】
前記保護シートの周縁部に、車体に吸着されたマグネット吸着体に係止される弾性紐が取り付けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載の車両用防霜雪装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−94378(P2008−94378A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13571(P2007−13571)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【特許番号】特許第4044600号(P4044600)
【特許公報発行日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(301062857)株式会社ニシキ (4)