車両管理システム及び方法並びに車両管理用プログラム
【課題】 貸し出し車両の損傷や紛失、さらには、放置を抑制すること。
【解決手段】 貸し出し車両1に設けられ、当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段11と、貸し出し車両を駐車する駐車設備2に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザUから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段26と、貸し出し車両に備えられた無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段23と、ユーザ識別情報受付手段と車両識別情報読取手段とに接続された貸し出し状況を管理するコンピュータ4,20を備え、このコンピュータが、貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段46,47と、この利用情報記憶手段にユーザ識別情報と車両識別情報とを関連付けて利用情報として記憶する貸出状況管理手段43と、を備えた。
【解決手段】 貸し出し車両1に設けられ、当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段11と、貸し出し車両を駐車する駐車設備2に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザUから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段26と、貸し出し車両に備えられた無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段23と、ユーザ識別情報受付手段と車両識別情報読取手段とに接続された貸し出し状況を管理するコンピュータ4,20を備え、このコンピュータが、貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段46,47と、この利用情報記憶手段にユーザ識別情報と車両識別情報とを関連付けて利用情報として記憶する貸出状況管理手段43と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システムにかかり、特に、貸自転車の利用状況を管理するシステムに関する。また、車両管理用コンピュータ、車両管理方法、車両管理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅周辺や都市部では、自転車やバイクなどの路上への放置が増大し、歩行者の妨げになる、という問題が生じている。また、路上への放置自転車の存在は、緊急車両の通行を妨げるなど防災の観点からも問題があり、また、都市の美観を損ねる、という問題も生じうる。これは、ユーザ自身が所有する自転車の数が多く、駐輪場が少ないなどの理由があり、また、必要としない時には路上に放置することが多く、ユーザのマナーが悪化していることにもよる。
【0003】
一方で、必要なとき必要な場所にいつでも利用できる自転車を提供する仕組みが普及することで、自転車を所有する必要がないユーザを増加させ、自転車の放置の削減を図ることも考えられる。現在では、観光地などでレンタルサイクルが普及しているが、都市部などにおいても、レンタルサイクルシステムの普及が望まれる。
【0004】
そして、レンタルサイクルを管理するシステムが、下記の特許文献1,2に開示されている。特許文献1には、ユーザの口座情報が記憶されたメディアから当該口座情報を読み取ると共に、暗号キーカード上の暗号を読み取り、これに応じて自転車の鍵を解除し、自転車を利用可能とするシステムである。そして、口座番号に対して課金し、利用料金を徴収するというものである。
【0005】
また、特許文献2には、自転車の鍵をキーボックスにて管理しており、ユーザのIDを読み取って、これに応じて自転車の鍵を貸し出す、というシステムである。
【0006】
【特許文献1】特開2001−325540号公報
【特許文献2】特開2002−15370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例における技術では、自動的にレンタル自転車を管理するため、返却時には自転車が正常な状態であるか否かを判断することが困難である。そして、後に自転車の損傷を発見した場合であっても、これを利用したユーザを特定することが困難であり、損害の責任を追及することができない、という問題が生じる。例えば、上記特許文献1では、どの自転車がユーザに貸し出されたかということを管理していないために、ユーザを特定することが困難である。また、特許文献2では、キーのみを正常に返却することで、自転車の有無や状態は考慮されないため、やはり自転車を借りたユーザを特定することは困難である、とうい問題が生じる。
【0008】
このため、本発明では、ユーザとこれを借りた自転車とを関連付けて管理し、自転車の損傷や紛失を抑制すると共に、貸し出し車両の増加による放置車両の減少を図る、ことをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明の一形態である車両管理システムは、
貸し出し車両に設けられ、当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段と、
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、
ユーザ識別情報受付手段と車両識別情報読取手段とに接続された貸し出し状況を管理するコンピュータと、を備え、
このコンピュータが、貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段と、この利用情報記憶手段にユーザ識別情報と車両識別情報とを関連付けて利用情報として記憶する貸出状況管理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記発明によると、貸し出し車両から受信した車両識別情報と、ユーザから入力されたユーザ識別情報とが関連付けて管理されるため、各車両を貸し出したユーザを特定することができ、管理の確実性の向上を図ることができる。
【0011】
また、貸し出し車両を駐車する駐車設備に、貸し出し車両の存在を検知して車両存在信号をコンピュータに送信する車両検出手段を備え、コンピュータが備える貸出状況管理手段が、車両検出手段から受信する車両存在信号に基づいて利用情報を利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴としている。このとき、貸出状況管理手段が、車両存在信号の受信の有無に応じて当該車両識別情報に対応する車両識別情報へのユーザ識別情報の関連付けを制御して利用情報を記憶する、ことを特徴としている。さらに、貸出状況管理手段が、車両存在信号の受信時間を当該車両存在信号に対応する車両識別情報と共に利用情報に含めて利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴としている。
【0012】
これにより、駐車設備では、車両の存在を検知しているため、車両の入出庫された状態に応じて当該車両の貸し出し状況を管理することができる。特に、車両存在信号の受信時間を記憶することで、時間に応じた貸し出し管理を行うことができる。従って、管理の正確性の向上を図ることができる。
【0013】
また、貸し出し車両を駐車する駐車設備に、貸し出し車両を施錠して保持する施錠保持手段と、ユーザ識別情報受付手段からのユーザ識別情報に基づいてユーザに貸し出す貸し出し車両の施錠手段を開錠制御する開錠制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
これにより、貸し出しされていない車両は施錠手段にて駐車設備に固定されているため、盗難などを防止することができる一方で、ユーザから申し出があると開錠して、貸し出しが行われる。
【0015】
また、ユーザが所有するユーザ識別情報を記憶したユーザ識別情報保持手段を備えると共に、ユーザ識別情報受付手段が、ユーザ識別情報保持手段からユーザ識別情報を受け付ける、ことを特徴としている。これにより、ユーザによるユーザ識別情報の入力が容易となり、利便性の向上を図ることができる。
【0016】
また、ユーザ識別情報保持手段が、ユーザに対する決済を行うために必要な決済情報を記憶すると共に、
ユーザ識別情報受付手段が、決済情報を受け付け、
コンピュータが、ユーザ識別情報受付手段にて受け付けた決済情報と、利用情報記憶手段に記憶された利用情報と、に基づいて、コンピュータに接続された決済サーバに対して決済処理を依頼する、ことを特徴としている。
【0017】
これにより、車両を管理すると同時に、貸し出し料金の精算までも行うことができ、さらに、その決済が容易となる。特に、決済が自動的に行われるため、ユーザの利便性が向上をすると共に、貸し出し側における料金徴収の確実化を図ることができる。
【0018】
また、駐車設備が複数存在すると共に、これら複数の駐車設備における車両の貸し出し状況を、コンピュータにて管理する、ことを特徴としている。これにより、複数の駐車設備にて車両の存在が管理されるため、ユーザは車両を借りた駐車設備とは異なる別の駐車設備に返却した場合であっても、これを確実に管理することができる。
【0019】
また、本発明の他の形態である車両管理用コンピュータは、
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータであって、
貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段を備えると共に、
ユーザ識別情報受付手段から受信したユーザ識別情報と車両識別情報読取手段から受信した車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を備えたことを特徴としている。
【0020】
また、本発明の他の形態である車両管理用プログラムは、
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータに、
ユーザ識別情報受付手段から受信したユーザ識別情報と車両識別情報読取手段から受信した車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を実現するための車両管理用プログラム、という構成を採っている。
【0021】
さらに、本発明の他の形態である車両管理方法は、
貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、が貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられ、
ユーザ識別情報受付手段と車両識別情報読取手段とに接続されたコンピュータが、貸し出し車両の貸し出し状況を表す利用情報を利用情報記憶手段に記憶して管理する車両管理方法であって、
コンピュータが、ユーザ識別情報受付手段からユーザ識別情報を受信するユーザ識別情報受信工程と、この工程に前後して車両識別情報読取手段から車両識別情報を受信する車両識別情報受信工程と、を備えると共に、
コンピュータが、ユーザ識別情報と車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理工程と、を備えたことを特徴としている。
【0022】
上記構成の車両管理用コンピュータ、プログラム、あるいは、車両管理方法であっても、上述した車両管理システムと同様に作用するため、上記本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上述したように構成され機能するので、これによると、各車両を貸し出したユーザを容易に特定することができるため、管理の確実性の向上を図ることができ、さらに、街頭への放置車両の減少を図ることができる、という従来例に無い優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、貸し出した車両の車両識別情報を車両自身から読み取って、これを貸し出したユーザのユーザ識別情報と関連付けて記憶することで、車両の適切な管理を実現する、というシステムである。以下、システムの具体的な構成及び動作を、実施例を参照して説明する。なお、以下では、貸し出し対象である車両として「自転車」を例示するが、これに限定されず、オートバイやスクータ、さらには、自動車などの種々の車両にも対応可能である。
【実施例1】
【0025】
本発明の第1の実施例を、図1乃至13を参照して説明する。図1乃至図5は、本発明の構成を示す図である。図6乃至図7は、本発明で用いられる情報を示す図である。図8乃至図13は、本発明の動作を示す図である。
【0026】
[構成]
本発明である車両管理システムの全体構成を、図1を参照して説明する。この図に示すように、車両管理システムは、主に、ユーザUに対する貸し出し用の自転車1が保管されている複数箇所の駐輪設備1内に設けられた種々の装置(図2や図4に図示して後述する)と、これら装置にネットワークNを介して接続された管理サーバ4と、により構成されている。また、この管理サーバ4には、路上に放置された自転車1が保管される自治体などが運営する自転車保管所3内の種々の装置と、貸し出し料金を精算するクレジット会社などが管理する決済サーバ5と、に接続されている。以下、構成について詳述するが、本発明において、貸し出し自転車の利用状況の管理処理を行うコンピュータとは、管理サーバ4と駐輪設備1内に設けられたコントローラ20とを組み合わせたものを指すものとする。
【0027】
<ユーザ>
ユーザUは、自転車設備2にて自転車1を借りて利用するユーザであり、自己を識別するためのICカード(C)(ユーザ識別情報保持手段)を携帯している。このICカードは、例えば、クレジットカードであり、クレジット会社番号、クレジットカード番号、有効期限などをカード番号として記憶している。このとき、カード番号が、ユーザを識別するユーザ識別情報となる。
【0028】
なお、ユーザUが所有するICカード(C)は、必ずしもクレジットカードである必要はない。例えば、自転車1の貸し出しが会員登録制である場合には、ユーザは予め貸し出し用の自転車1を利用するためのユーザ登録を行い、カードはその登録番号や決済に必要な金融機関の情報が登録されているものであってもよい。また、ICカード(C)の代わりに、上記カード番号などのユーザ識別情報を記憶して他の読取装置に対して出力可能なユーザUが所有する携帯電話などの装置を用いてもよい。さらには、必ずしもカードを携帯している必要は無く、ユーザ自身にてユーザ識別情報を手入力などにより入力する手法をとってもよい。
【0029】
<自転車>
自転車1は、観光地や都市部などで貸し出される一般的な自転車1である。そして、この自転車1には、各自転車ごとに付された固有の識別番号(車両識別情報)である自転車番号を記憶したICタグ11(無線通信手段)が備えられている。このICタグ11は、例えば、RFIDタグにて構成されており、非接触にて他の通信装置と無線通信し、上記記憶している自転車番号を送信することが可能である。
【0030】
ここで、上記自転車番号は、具体的には、自転車1を所有する組織を表す所有組織番号(5桁)と、自転車自身を識別する番号を表す自転車背番号(10桁)と、をつなぎ合わせた連続した番号にて表されて記憶されている。
【0031】
また、上記ICタグ11は、例えば、自転車1の前輪のキーに内蔵されており、後述するように、駐輪設備2の車両保管部21に収容された際に、タグリーダ23と相互に通信可能な位置に備えられている。
【0032】
なお、自転車1を、貸し自転車と判断可能な色及びデザインにすることで、かかる自転車の盗難等を抑制することができる。
【0033】
<駐輪設備>
駐輪設備2(駐車設備)について、図2乃至図4を参照して説明する。図2は、駐輪設備2の全体的な構成を示す概略図であり、図3は、自転車1を保管する構成を示す概略図である。図4は、駐輪設備2をブロック図にて示した図である。
【0034】
まず、図2に示すように、駐輪設備2には複数台の貸し出し用自転車1が保管されており、当該自転車1を一台ずつ保管する複数の自転車保管部21が駐輪列を形成して備えられている。そして、この自転車保管部21は、主に、L字上に構成された支柱部材と、自転車1の前輪部分を挟む2枚の側板部材21A,21Bと、により構成されている。そして、側板部材21A,21Bには、自転車保管部21に収容された自転車1の存在を検知する検知センサ22(車両検出手段)と、自転車1のキーに内蔵されたICタグ11から自転車番号を読み出すタグリーダ23(車両識別情報読取手段)と、自転車保管部21に自転車を固定する施錠器24(施錠保持手段)と、が備えられている。
【0035】
ここで、検知センサ22は、例えば、赤外線センサにて構成されており、側板部材21A,21B間に自転車1が収容されていることを検出する。また、タグリーダ23は、自転車1に搭載されたICタグ11であるRFIDタグから自転車番号を読み取り可能なRFIDタグリーダにて構成されている。また、施錠器24は、自転車を駐輪列に固定する役割を果たすが、例えば、側板部材21A,21Bに装備され、後述するコントローラ20の指示でマグネット駆動し、施錠時には自転車を駐輪列に固定、開錠時には開放するように動作する。さらに、施錠器24には、施錠開錠状態を表すランプ(LED)が装備されており、その点灯で施錠開錠状態を表示する機能を有する。例えば、施錠時には緑表示、開錠時には黄表示を行い、ユーザUは、黄色から緑色にランプが点灯したことで正常に返却したことを認識する。
【0036】
なお、駐輪列の側板部材21A,22Bは、自転車1がキーを装着して駐輪列に格納された状態では、当該キーを取り外すことができない構造となっている。例えば、施錠器24自体がキー部分が嵌合する構造になっており、施錠器24が施錠状態になると同時に、自転車1のキーの保管も同時にできる。
【0037】
また、駐車設備2には、ユーザUが自転車1の貸し出しを希望する際に操作する利用者認識部25が備えられている。この利用者認識部25には、ユーザUからの利用申し出の際に提示されるICカード(C)からカード番号を読み取る機能を有するICカードリーダ26(ユーザ識別情報受付手段)と、ユーザUに対して利用に関する視覚情報を提示する表示部27及び音情報にて提示する警報部28と、が備えられている。ここで、利用者認識部25は、例えば、公衆電話や自動発券機などのような構造であって、駐車設備2の入り口付近や、自転車所管箇所に隣接して備えられている。そして、上記表示部27は、利用者が見やすい位置に備えられており、例えば、夜間でも読めるバックライト付の横20cm×縦10cm程度の液晶表示板であり、主に文字情報を表示する。また、警報部28は表示部27をユーザUni見てもらうよう注意を促すチャイム音を出力する。
【0038】
また、駐車設備2には、上記自転車保管部21と利用者認識部25の動作を制御するコントローラ20が備えられており、各自転車保管部21と利用者認識部25とに、LANを介して接続されている。また、このコントローラ20はネットワークNであるIP網にも接続されており、後述する管理サーバ4にも接続されている。
【0039】
そして、コントローラ20には、演算部と記憶部とが備えられている(図示せず)。記憶部には、駐車設備1を識別する駐車設備番号と、駐輪列を識別する駐車列番号と、が記憶されている。演算部には、所定のプログラムが組み込まれることで、検知センサ22から車両存在信号を受信する機能と、タグリーダ23から車両識別情報を受信する機能と、施錠器24の施錠開錠を制御する機能(開錠制御手段、施錠制御手段)と、が構築されている。また、演算部には、ICカードリーダ26からユーザ識別情報であるカード番号を読み取る機能と、表示部27や警報部28の動作を制御する機能と、が構築されている。さらに、演算部25には、ユーザUに貸し出す自転車1を特定する機能と、検知センサ22から信号に応じて貸し出した自転車1の自転車番号とユーザUのカード番号とを関連付けて利用情報として管理サーバ4に送信する機能と、同じく検知センサ22からの信号に応じて返却された自転車1に関する信号を管理サーバ4に送信する機能と、が構築されている。但し、ここで説明したコントローラ20の演算部が備えている機能は一例であって、上記機能に限定されるものではない。なお、具体的な機能による処理は、後の動作説明時に詳述する。
【0040】
<自転車保管所>
ここで、自転車保管所3は、自治体が管理する街頭に放置等された自転車1を保管する設備であって、基本的には、上記駐輪設備2と同様の構成を採っている。すなわち、自転車盗難等紛失の場合を考慮して、自転車保管所3にタグリーダ23等を備えて、回収促進を図る。
【0041】
<管理サーバ>
次に、管理サーバ4について、図5のブロック図を参照して説明する。管理サーバ4は、演算装置41及び記憶装置45、さらには、通信機能も有している一般的なサーバコンピュータであり、上述したように、駐輪設備2のコントローラ20(自転車保管所3の図示しないコントローラも含む)や後述する決済サーバ5と相互に通信可能である。
【0042】
そして、記憶装置45(利用情報記憶手段)には、自転車1を借りるユーザに関する情報を記憶する利用者DB46(利用者データベース)と、貸し出し用の自転車1に関する情報を記憶する自転車DB47(自転車データベース)と、が形成されている。
【0043】
また、演算装置41には、所定のプログラムが組み込まれることにより、駐輪設備2のICカードリーダ26にて読み取ったユーザU固有のカード情報を受信して、かかるカードが決済利用可能か否かをネットワークNを介して決済サーバ5に問い合わせるユーザ照合処理部42と、駐輪設備2から受信した情報に基づいて自転車1の利用状況を管理する利用管理処理部43(貸出状況管理手段)と、ユーザUによる自転車1の利用状況に応じて当該ユーザに対する課金処理を決済サーバ5に対して行う課金処理部44と、が構築されている。但し、ここで説明した演算装置41が備えている機能は一例であって、上記機能に限定されるものではない。なお、具体的な機能による処理は、後の動作説明時に詳述する。
【0044】
<決済サーバ>
決済サーバ5は、クレジット会社などの金融機関が管理するサーバコンピュータであって、予めユーザUが契約しているクレジットカードのクレジットカード番号やそれに対応する引き落とし口座の口座番号などを登録している。そして、管理サーバ4から通知されるカード番号と課金金額とを含む決済要求に応じて決済処理を行う。
【0045】
[動作]
次に、上記構成の車両管理システムの動作を、図6乃至図13を参照して説明する。ここで、図6乃至図7は、駐輪設備2のコントローラ20にて取り扱われる情報の一例を示す図であり、図8乃至図13は、システムの動作を示す図である。特に、図8は自転車1を貸し出す際の動作を示すシステム全体のシーケンス図であり、図9はそのときの駐車設備2の動作を示し、図10はそのときの管理サーバ4の動作を示すフローチャートである。また、図11は、自転車1が返却されるときの動作を示すシステム全体のシーケンス図であり、図12はそのときの駐車設備2の動作を示し、図13はそのときの管理サーバ4の動作を示すフローチャートである。
【0046】
はじめに、ユーザUが自転車1を借りる際の動作を、図8乃至図10を参照して説明する。まず、ユーザUは、自転車1を借りるべく駐輪設備2へと行き、そこに設置されている利用者認識部25のICカードリーダ26にICカード(C)を提示する(ステップS1)。すると、ICカードリーダ26にてICカード(C)に記憶されているカード情報が読み取られる(ステップS2、ステップS3、図9のステップS21にて肯定判断)。そして、ICカード(C)からカード情報を読み取った利用者認識部25は、かかる情報をコントローラ20に通知し、このコントローラ20にてカード情報が管理サーバ4に送信され、ICカードが有効か否かの照会が依頼される(ステップS4、図9のステップS23)。
【0047】
その後、カード照会依頼を受けた管理サーバ4は(図10にてステップS41)、決済サーバ5にクレジットカード番号が有効であるか否かの照会を依頼する(ステップS5、図10のステップS42)。すると、かかる依頼に対して決済サーバ5にてカードの有効性について照会処理が実行され(ステップS6)、管理サーバ4に対して回答がなされる(ステップS7)。このとき、ユーザUにて入力されたカードが利用不可である場合には(図9のステップS23にて否定判断)、表示部27に貸し出し不可を表す文字情報を表示すると共に、警報部28から警告音を出力する(図9のステップS33)。
【0048】
一方、上記決済サーバ5からのカード利用照会の回答が、カードが有効であって利用可能である、との回答であると(ステップS7、図10のステップS43にて肯定判断)、これを受けた管理サーバ4は駐輪設備2のコントローラ20に対して、利用可能である旨の回答を行う(ステップS8、図10のステップS44)。そして、かかる回答を駐輪設備2のコントローラ20が受けると(図9のステップS23にて肯定判断)、実際に貸し出す自転車1を選定すべく、駐輪列の選定が行われる(ステップS9)。
【0049】
具体的に、自転車の選択処理は、まず、コントローラ20が任意の検知センサ22から自転車1が存在する自転車存在信号の有無を収集する(図9のステップS24)。そして、自転車が存在する旨の信号を得た駐輪列から任意の駐輪列を特定し、かかる駐輪列に保持されている自転車1を貸し出し用に選定する(図9のステップS25)。その後は、コントローラ20が、選定された駐輪列番号を表示部27に表示するよう制御することで、貸し出す自転車1が収容されている駐車列番号が表示部27に表示され(ステップS10,図9のステップS26。)、ユーザUは借りる自転車1を知ることができる。
【0050】
続いて、あるいは、上記ユーザUへの表示に前後して、コントローラ20は、貸し出すと選定した駐車列に設置されたタグリーダ23に対して、自転車1の自転車番号を読み出すよう指示を出す。すると、タグリーダ23は読み取り信号を発することで(ステップS11)、これに反応したRFIDタグ11から自転車情報が読み出されることとなる(ステップS12、図9のステップS27)。そして、自転車番号を受けたコントローラ20は、かかる駐車列の施錠器24を開錠するよう制御する(ステップS13、図9のステップS28)。すると、施錠器24のランプが開錠を表す黄色表示となり、ユーザUをかかる表示を見て、自転車1を取り出す。
【0051】
その後、コントローラ20は、開錠した駐輪列に自転車1が存在するか否かを検知センサ22からの信号を調べる(図9のステップS29)。このとき、開錠してから一定時間以内に自転車1の存在がなくなり、自転車1が駐輪列(自転車保持部21)から取り出されたと判断した場合には(図9のステップS30にて肯定判断)、正常に自転車1が貸し出されたものとみなす(ステップS14)。
【0052】
その後、駐輪設備2のコントローラ20は、図6(a)に示すように貸し出し内容を表す貸出情報を生成する(図9のステップS31)。この図に示すように、貸出情報は、例えば、貸出/返却情報の識別子、自転車番号、駐車設備番号、駐車列番号、利用者カード番号、貸出日時、返却日時、などからなる。ここで、駐車設備番号や駐輪列番号は、コントローラ20に予め記憶された番号であり、特に、駐輪列番号は、ユーザUに対して貸し出された自転車1の駐輪列番号である。また、自転車番号はタグリーダ23にて自転車1のキーに装備されたICタグ11から読み取った自転車番号であり、利用者カード番号は、上記ICカードリーダ26にて読み取ったカード番号である。さらに、貸出/返却の有無には、貸し出しの時は「1」が、返却のときは「2」が、それぞれ入力されることとなり、情報の区別を図ることができる。なお、処理で不要な情報欄は、「0」が入力される。例えば、貸し出し処理の場合には、「返却日時」の項目に「0」が入力される。このようにして貸出情報が生成され、管理サーバ4に送信される(ステップS15図9のステップS32)。
【0053】
そして、上記貸出情報を受けた管理サーバ4は(図10のステップS45にて肯定判断)、当該貸出情報を受信した旨の回答を返答する。例えば、図6(b)に示す情報である。なお、コントローラ20が、かかる回答を受信した後に、上述したように、貸し出す自転車1の施錠器24の開錠を行ってもよい。
【0054】
また、貸出情報を受信した管理サーバ4は、当該貸出情報をデータベースに登録可能なようデータ加工する(図10のステップS46)。このとき、受信した貸出情報から貸し出している自転車1の自転車番号と借りているユーザのカード番号とを関連付け、さらに、貸し出し中を表す識別子を入力して、図7(a)に示すように自転車DB47に登録するデータを生成する。また、同様に、ユーザのカード番号に自転車番号を関連付け、さらに、ユーザが自転車1を自転車保持部21から自転車1を取り外した日時情報をデータに含め、図7(b)に示すように利用者DB46に登録するデータも生成する。そして、記憶装置45の各DB46,47にそれぞれ登録する(ステップS16、図10のステップS47)。このとき、図7(b)に示す利用者DB用の貸出中識別子に「1」を入力して登録しておくことで、貸し出した日時から課金が開始される。
【0055】
次に、ユーザUが自転車1を返却するときの動作を、図11乃至図13を参照して説明する。まず、ユーザUが自転車1の利用を終えると、近くに位置する駐輪設備2に自転車1を返却する。このとき、駐輪設備2の任意の駐輪列に自転車1が入庫されると(ステップS51)、検知センサ22にて自転車1が駐輪列に戻されたことが検知され(ステップS52、図12のステップS71にて肯定判断)、その旨がコントローラ20に通知される。すると、コントローラ20は、かかる駐輪列に設置されたタグリーダ23に対して、入庫された自転車1から自転車番号を読み出すよう指令を出す。すると、返却された自転車1の前輪のキー部にあるICタグ11内の情報が、タグリーダ23にて読み取られる(ステップS53,S54、図12にてステップS73)。このとき、正常に読み取ることができないと(図12のステップS73にて肯定判断)、コントローラ20は返却に不備がある旨の表示を利用者認識部25の表示部27に表示し、同時に、警告音を警報部28から発するよう制御する(ステップS78)。また、施錠器24のランプ表示が開錠状態を表す黄表示であり、これにより、ユーザUに対して、返却に不備があることを認識させることができる。
【0056】
一方、自転車1から正常に自転車番号を読み取ると、コントローラ20は、かかる自転車番号と、返却日時情報を含めた図6(a)に図示する情報を生成して(図12のステップS74)、返却情報として管理サーバ4に送信する(ステップS55、図12のステップS75)。そして、返却情報を受信した管理サーバ4は(図13のステップS81にて肯定判断)、受信した返却情報と、利用者DB46及び自転車DB47内の情報とを照合して、返却が正常が否かを確認すると共に、ユーザの確認を行う(ステップS56、図12のステップS82にて肯定判断)。例えば、返却された自転車1が貸し出された登録があるか否かを調べる。その後、管理サーバ4は、正常な返却である旨の回答として図6(b)に示す情報をコントローラに送信する(ステップS57、図13のステップS83)。このとき、図6(b)に示す回答情報の利用可否識別子には、返却エラーであった場合の情報が入力され、返却が正常である場合にはその旨の情報が入力される。
【0057】
そして、上記回答を受信したコントローラ20は、管理サーバ4による返却の確認結果に応じた処理を行う。例えば、返却エラーである場合には(図12のステップS76にて否定判断)、表示部27及び警報部28を介してエラー通知を行い(図12のステップS78)、正常である場合には(図12のステップS76にて肯定判断)、施錠器24に対して施錠制御を行い(ステップS58、図12のステップS77)、自転車1を駐輪列に固定する。このとき、施錠器24に備えられたランプが施錠状態を表す表示となり、ユーザUは確認することができる。さらに、施錠状態になることで、自転車1のキーが取り出せない構造であることから、キーも同時に保管することになる。
【0058】
また、管理サーバ4は、返却の確認を行うと共に、利用情報の管理及び課金処理を行う。まず、返却情報に基づいて、必要なDBの変更登録を行う(ステップS59、図13のステップS84)。具体的には、自転車1を利用していた利用者DBに返却情報を記録し、貸出中識別子を「0」とし、今回の料金を課金情報に記録する。同時に該当する自転車の貸出識別子も「0」にする。そして、課金は貸出しから返却までの時間に、1時間当たり利用料金を掛けて算出し、一時的に保存しておく(ステップS60、図13のステップS85)。
【0059】
その後、例えば、精算が月次処理されている場合には、管理サーバ4は、所定の月日になると(図13のステップS86にて肯定判断)、1ヶ月間の利用者DBの課金情報を集計し、指定口座から自動的に引き落とす手続きをクレジット会社の決済サーバ5に送信する(ステップS61、図13のステップS87)。すると、決済サーバ5では、ユーザUのカード番号と決済情報とに基づいて、引き落とし処理などが実行される(ステップS62)。
【0060】
このようにすることにより、貸し出し自転車1から受信した自転車番号と、ユーザUから入力されたカード番号とが、管理サーバ4にて関連付けられて管理されるため、各自転車1を借りたユーザUを容易に特定することができる。従って、自転車1が返却されなかったり、損傷していた場合であっても、ユーザUへの問い合わせが容易となり、一方で、ユーザUに対する注意を促すことができ、管理の確実性の向上を図ることができる。さらに、その結果、放置自転車の抑制を図ることができる。
【0061】
また、自転車1を管理すると同時に、貸し出し料金の精算も自動的に行うことができ、その決済が容易となるため、ユーザUの利便性が向上をすると共に、貸し出し側における料金徴収の確実化を図ることができる。
【0062】
さらに、複数の駐車設備2における自転車1の存在を一台の管理サーバ4にて管理することができるため、ユーザUを自転車1を、借りた駐輪設備2とは異なる別の駐輪設備2に返却することも可能であり、さらなる利便性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、自転車等の車両を貸し出す設備に設置することで、貸し出し車両の管理の確実化を測ることができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の全体構成を示すブロック図である。
【図2】駐輪設備の構成を示す概略図である。
【図3】自転車保持部の構成を示す概略図である。
【図4】自転車設備の構成を示すブロック図である。
【図5】管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6(a),(b)は、システムにて用いられる情報の一例を示す説明図である。
【図7】図7(a),(b)は、システムにて用いられる情報の一例を示す説明図である。
【図8】自転車貸し出し時におけるシステム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図9】自転車貸し出し時における駐輪設備の動作を示すフローチャートである。
【図10】自転車貸し出し時における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図11】自転車返却時におけるシステム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図12】自転車返却時における駐輪設備の動作を示すフローチャートである。
【図13】自転車返却時における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 自転車(車両)
2 駐輪設備(駐車設備)
3 自転車保管所
4 管理サーバ(コンピュータ)
5 決済サーバ
11 ICタグ(無線通信手段)
20 コントローラ(コンピュータ)
21 自転車保管部
22 検知センサ(車両検出手段)
23 タグリーダ(車両識別情報読取手段)
24 施錠器(施錠保持手段)
25 利用者認識部
26 ICカードリーダ(ユーザ識別情報受付手段)
43 利用管理処理部(貸出状況管理手段)
46 利用者DB(利用情報記憶手段)
47 自転車DB(利用情報記憶手段)
C ICカード(ユーザ識別情報保持手段)
N ネットワーク
U ユーザ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システムにかかり、特に、貸自転車の利用状況を管理するシステムに関する。また、車両管理用コンピュータ、車両管理方法、車両管理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅周辺や都市部では、自転車やバイクなどの路上への放置が増大し、歩行者の妨げになる、という問題が生じている。また、路上への放置自転車の存在は、緊急車両の通行を妨げるなど防災の観点からも問題があり、また、都市の美観を損ねる、という問題も生じうる。これは、ユーザ自身が所有する自転車の数が多く、駐輪場が少ないなどの理由があり、また、必要としない時には路上に放置することが多く、ユーザのマナーが悪化していることにもよる。
【0003】
一方で、必要なとき必要な場所にいつでも利用できる自転車を提供する仕組みが普及することで、自転車を所有する必要がないユーザを増加させ、自転車の放置の削減を図ることも考えられる。現在では、観光地などでレンタルサイクルが普及しているが、都市部などにおいても、レンタルサイクルシステムの普及が望まれる。
【0004】
そして、レンタルサイクルを管理するシステムが、下記の特許文献1,2に開示されている。特許文献1には、ユーザの口座情報が記憶されたメディアから当該口座情報を読み取ると共に、暗号キーカード上の暗号を読み取り、これに応じて自転車の鍵を解除し、自転車を利用可能とするシステムである。そして、口座番号に対して課金し、利用料金を徴収するというものである。
【0005】
また、特許文献2には、自転車の鍵をキーボックスにて管理しており、ユーザのIDを読み取って、これに応じて自転車の鍵を貸し出す、というシステムである。
【0006】
【特許文献1】特開2001−325540号公報
【特許文献2】特開2002−15370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例における技術では、自動的にレンタル自転車を管理するため、返却時には自転車が正常な状態であるか否かを判断することが困難である。そして、後に自転車の損傷を発見した場合であっても、これを利用したユーザを特定することが困難であり、損害の責任を追及することができない、という問題が生じる。例えば、上記特許文献1では、どの自転車がユーザに貸し出されたかということを管理していないために、ユーザを特定することが困難である。また、特許文献2では、キーのみを正常に返却することで、自転車の有無や状態は考慮されないため、やはり自転車を借りたユーザを特定することは困難である、とうい問題が生じる。
【0008】
このため、本発明では、ユーザとこれを借りた自転車とを関連付けて管理し、自転車の損傷や紛失を抑制すると共に、貸し出し車両の増加による放置車両の減少を図る、ことをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明の一形態である車両管理システムは、
貸し出し車両に設けられ、当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段と、
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、
ユーザ識別情報受付手段と車両識別情報読取手段とに接続された貸し出し状況を管理するコンピュータと、を備え、
このコンピュータが、貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段と、この利用情報記憶手段にユーザ識別情報と車両識別情報とを関連付けて利用情報として記憶する貸出状況管理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記発明によると、貸し出し車両から受信した車両識別情報と、ユーザから入力されたユーザ識別情報とが関連付けて管理されるため、各車両を貸し出したユーザを特定することができ、管理の確実性の向上を図ることができる。
【0011】
また、貸し出し車両を駐車する駐車設備に、貸し出し車両の存在を検知して車両存在信号をコンピュータに送信する車両検出手段を備え、コンピュータが備える貸出状況管理手段が、車両検出手段から受信する車両存在信号に基づいて利用情報を利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴としている。このとき、貸出状況管理手段が、車両存在信号の受信の有無に応じて当該車両識別情報に対応する車両識別情報へのユーザ識別情報の関連付けを制御して利用情報を記憶する、ことを特徴としている。さらに、貸出状況管理手段が、車両存在信号の受信時間を当該車両存在信号に対応する車両識別情報と共に利用情報に含めて利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴としている。
【0012】
これにより、駐車設備では、車両の存在を検知しているため、車両の入出庫された状態に応じて当該車両の貸し出し状況を管理することができる。特に、車両存在信号の受信時間を記憶することで、時間に応じた貸し出し管理を行うことができる。従って、管理の正確性の向上を図ることができる。
【0013】
また、貸し出し車両を駐車する駐車設備に、貸し出し車両を施錠して保持する施錠保持手段と、ユーザ識別情報受付手段からのユーザ識別情報に基づいてユーザに貸し出す貸し出し車両の施錠手段を開錠制御する開錠制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
これにより、貸し出しされていない車両は施錠手段にて駐車設備に固定されているため、盗難などを防止することができる一方で、ユーザから申し出があると開錠して、貸し出しが行われる。
【0015】
また、ユーザが所有するユーザ識別情報を記憶したユーザ識別情報保持手段を備えると共に、ユーザ識別情報受付手段が、ユーザ識別情報保持手段からユーザ識別情報を受け付ける、ことを特徴としている。これにより、ユーザによるユーザ識別情報の入力が容易となり、利便性の向上を図ることができる。
【0016】
また、ユーザ識別情報保持手段が、ユーザに対する決済を行うために必要な決済情報を記憶すると共に、
ユーザ識別情報受付手段が、決済情報を受け付け、
コンピュータが、ユーザ識別情報受付手段にて受け付けた決済情報と、利用情報記憶手段に記憶された利用情報と、に基づいて、コンピュータに接続された決済サーバに対して決済処理を依頼する、ことを特徴としている。
【0017】
これにより、車両を管理すると同時に、貸し出し料金の精算までも行うことができ、さらに、その決済が容易となる。特に、決済が自動的に行われるため、ユーザの利便性が向上をすると共に、貸し出し側における料金徴収の確実化を図ることができる。
【0018】
また、駐車設備が複数存在すると共に、これら複数の駐車設備における車両の貸し出し状況を、コンピュータにて管理する、ことを特徴としている。これにより、複数の駐車設備にて車両の存在が管理されるため、ユーザは車両を借りた駐車設備とは異なる別の駐車設備に返却した場合であっても、これを確実に管理することができる。
【0019】
また、本発明の他の形態である車両管理用コンピュータは、
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータであって、
貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段を備えると共に、
ユーザ識別情報受付手段から受信したユーザ識別情報と車両識別情報読取手段から受信した車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を備えたことを特徴としている。
【0020】
また、本発明の他の形態である車両管理用プログラムは、
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータに、
ユーザ識別情報受付手段から受信したユーザ識別情報と車両識別情報読取手段から受信した車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を実現するための車両管理用プログラム、という構成を採っている。
【0021】
さらに、本発明の他の形態である車両管理方法は、
貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、が貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられ、
ユーザ識別情報受付手段と車両識別情報読取手段とに接続されたコンピュータが、貸し出し車両の貸し出し状況を表す利用情報を利用情報記憶手段に記憶して管理する車両管理方法であって、
コンピュータが、ユーザ識別情報受付手段からユーザ識別情報を受信するユーザ識別情報受信工程と、この工程に前後して車両識別情報読取手段から車両識別情報を受信する車両識別情報受信工程と、を備えると共に、
コンピュータが、ユーザ識別情報と車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理工程と、を備えたことを特徴としている。
【0022】
上記構成の車両管理用コンピュータ、プログラム、あるいは、車両管理方法であっても、上述した車両管理システムと同様に作用するため、上記本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上述したように構成され機能するので、これによると、各車両を貸し出したユーザを容易に特定することができるため、管理の確実性の向上を図ることができ、さらに、街頭への放置車両の減少を図ることができる、という従来例に無い優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、貸し出した車両の車両識別情報を車両自身から読み取って、これを貸し出したユーザのユーザ識別情報と関連付けて記憶することで、車両の適切な管理を実現する、というシステムである。以下、システムの具体的な構成及び動作を、実施例を参照して説明する。なお、以下では、貸し出し対象である車両として「自転車」を例示するが、これに限定されず、オートバイやスクータ、さらには、自動車などの種々の車両にも対応可能である。
【実施例1】
【0025】
本発明の第1の実施例を、図1乃至13を参照して説明する。図1乃至図5は、本発明の構成を示す図である。図6乃至図7は、本発明で用いられる情報を示す図である。図8乃至図13は、本発明の動作を示す図である。
【0026】
[構成]
本発明である車両管理システムの全体構成を、図1を参照して説明する。この図に示すように、車両管理システムは、主に、ユーザUに対する貸し出し用の自転車1が保管されている複数箇所の駐輪設備1内に設けられた種々の装置(図2や図4に図示して後述する)と、これら装置にネットワークNを介して接続された管理サーバ4と、により構成されている。また、この管理サーバ4には、路上に放置された自転車1が保管される自治体などが運営する自転車保管所3内の種々の装置と、貸し出し料金を精算するクレジット会社などが管理する決済サーバ5と、に接続されている。以下、構成について詳述するが、本発明において、貸し出し自転車の利用状況の管理処理を行うコンピュータとは、管理サーバ4と駐輪設備1内に設けられたコントローラ20とを組み合わせたものを指すものとする。
【0027】
<ユーザ>
ユーザUは、自転車設備2にて自転車1を借りて利用するユーザであり、自己を識別するためのICカード(C)(ユーザ識別情報保持手段)を携帯している。このICカードは、例えば、クレジットカードであり、クレジット会社番号、クレジットカード番号、有効期限などをカード番号として記憶している。このとき、カード番号が、ユーザを識別するユーザ識別情報となる。
【0028】
なお、ユーザUが所有するICカード(C)は、必ずしもクレジットカードである必要はない。例えば、自転車1の貸し出しが会員登録制である場合には、ユーザは予め貸し出し用の自転車1を利用するためのユーザ登録を行い、カードはその登録番号や決済に必要な金融機関の情報が登録されているものであってもよい。また、ICカード(C)の代わりに、上記カード番号などのユーザ識別情報を記憶して他の読取装置に対して出力可能なユーザUが所有する携帯電話などの装置を用いてもよい。さらには、必ずしもカードを携帯している必要は無く、ユーザ自身にてユーザ識別情報を手入力などにより入力する手法をとってもよい。
【0029】
<自転車>
自転車1は、観光地や都市部などで貸し出される一般的な自転車1である。そして、この自転車1には、各自転車ごとに付された固有の識別番号(車両識別情報)である自転車番号を記憶したICタグ11(無線通信手段)が備えられている。このICタグ11は、例えば、RFIDタグにて構成されており、非接触にて他の通信装置と無線通信し、上記記憶している自転車番号を送信することが可能である。
【0030】
ここで、上記自転車番号は、具体的には、自転車1を所有する組織を表す所有組織番号(5桁)と、自転車自身を識別する番号を表す自転車背番号(10桁)と、をつなぎ合わせた連続した番号にて表されて記憶されている。
【0031】
また、上記ICタグ11は、例えば、自転車1の前輪のキーに内蔵されており、後述するように、駐輪設備2の車両保管部21に収容された際に、タグリーダ23と相互に通信可能な位置に備えられている。
【0032】
なお、自転車1を、貸し自転車と判断可能な色及びデザインにすることで、かかる自転車の盗難等を抑制することができる。
【0033】
<駐輪設備>
駐輪設備2(駐車設備)について、図2乃至図4を参照して説明する。図2は、駐輪設備2の全体的な構成を示す概略図であり、図3は、自転車1を保管する構成を示す概略図である。図4は、駐輪設備2をブロック図にて示した図である。
【0034】
まず、図2に示すように、駐輪設備2には複数台の貸し出し用自転車1が保管されており、当該自転車1を一台ずつ保管する複数の自転車保管部21が駐輪列を形成して備えられている。そして、この自転車保管部21は、主に、L字上に構成された支柱部材と、自転車1の前輪部分を挟む2枚の側板部材21A,21Bと、により構成されている。そして、側板部材21A,21Bには、自転車保管部21に収容された自転車1の存在を検知する検知センサ22(車両検出手段)と、自転車1のキーに内蔵されたICタグ11から自転車番号を読み出すタグリーダ23(車両識別情報読取手段)と、自転車保管部21に自転車を固定する施錠器24(施錠保持手段)と、が備えられている。
【0035】
ここで、検知センサ22は、例えば、赤外線センサにて構成されており、側板部材21A,21B間に自転車1が収容されていることを検出する。また、タグリーダ23は、自転車1に搭載されたICタグ11であるRFIDタグから自転車番号を読み取り可能なRFIDタグリーダにて構成されている。また、施錠器24は、自転車を駐輪列に固定する役割を果たすが、例えば、側板部材21A,21Bに装備され、後述するコントローラ20の指示でマグネット駆動し、施錠時には自転車を駐輪列に固定、開錠時には開放するように動作する。さらに、施錠器24には、施錠開錠状態を表すランプ(LED)が装備されており、その点灯で施錠開錠状態を表示する機能を有する。例えば、施錠時には緑表示、開錠時には黄表示を行い、ユーザUは、黄色から緑色にランプが点灯したことで正常に返却したことを認識する。
【0036】
なお、駐輪列の側板部材21A,22Bは、自転車1がキーを装着して駐輪列に格納された状態では、当該キーを取り外すことができない構造となっている。例えば、施錠器24自体がキー部分が嵌合する構造になっており、施錠器24が施錠状態になると同時に、自転車1のキーの保管も同時にできる。
【0037】
また、駐車設備2には、ユーザUが自転車1の貸し出しを希望する際に操作する利用者認識部25が備えられている。この利用者認識部25には、ユーザUからの利用申し出の際に提示されるICカード(C)からカード番号を読み取る機能を有するICカードリーダ26(ユーザ識別情報受付手段)と、ユーザUに対して利用に関する視覚情報を提示する表示部27及び音情報にて提示する警報部28と、が備えられている。ここで、利用者認識部25は、例えば、公衆電話や自動発券機などのような構造であって、駐車設備2の入り口付近や、自転車所管箇所に隣接して備えられている。そして、上記表示部27は、利用者が見やすい位置に備えられており、例えば、夜間でも読めるバックライト付の横20cm×縦10cm程度の液晶表示板であり、主に文字情報を表示する。また、警報部28は表示部27をユーザUni見てもらうよう注意を促すチャイム音を出力する。
【0038】
また、駐車設備2には、上記自転車保管部21と利用者認識部25の動作を制御するコントローラ20が備えられており、各自転車保管部21と利用者認識部25とに、LANを介して接続されている。また、このコントローラ20はネットワークNであるIP網にも接続されており、後述する管理サーバ4にも接続されている。
【0039】
そして、コントローラ20には、演算部と記憶部とが備えられている(図示せず)。記憶部には、駐車設備1を識別する駐車設備番号と、駐輪列を識別する駐車列番号と、が記憶されている。演算部には、所定のプログラムが組み込まれることで、検知センサ22から車両存在信号を受信する機能と、タグリーダ23から車両識別情報を受信する機能と、施錠器24の施錠開錠を制御する機能(開錠制御手段、施錠制御手段)と、が構築されている。また、演算部には、ICカードリーダ26からユーザ識別情報であるカード番号を読み取る機能と、表示部27や警報部28の動作を制御する機能と、が構築されている。さらに、演算部25には、ユーザUに貸し出す自転車1を特定する機能と、検知センサ22から信号に応じて貸し出した自転車1の自転車番号とユーザUのカード番号とを関連付けて利用情報として管理サーバ4に送信する機能と、同じく検知センサ22からの信号に応じて返却された自転車1に関する信号を管理サーバ4に送信する機能と、が構築されている。但し、ここで説明したコントローラ20の演算部が備えている機能は一例であって、上記機能に限定されるものではない。なお、具体的な機能による処理は、後の動作説明時に詳述する。
【0040】
<自転車保管所>
ここで、自転車保管所3は、自治体が管理する街頭に放置等された自転車1を保管する設備であって、基本的には、上記駐輪設備2と同様の構成を採っている。すなわち、自転車盗難等紛失の場合を考慮して、自転車保管所3にタグリーダ23等を備えて、回収促進を図る。
【0041】
<管理サーバ>
次に、管理サーバ4について、図5のブロック図を参照して説明する。管理サーバ4は、演算装置41及び記憶装置45、さらには、通信機能も有している一般的なサーバコンピュータであり、上述したように、駐輪設備2のコントローラ20(自転車保管所3の図示しないコントローラも含む)や後述する決済サーバ5と相互に通信可能である。
【0042】
そして、記憶装置45(利用情報記憶手段)には、自転車1を借りるユーザに関する情報を記憶する利用者DB46(利用者データベース)と、貸し出し用の自転車1に関する情報を記憶する自転車DB47(自転車データベース)と、が形成されている。
【0043】
また、演算装置41には、所定のプログラムが組み込まれることにより、駐輪設備2のICカードリーダ26にて読み取ったユーザU固有のカード情報を受信して、かかるカードが決済利用可能か否かをネットワークNを介して決済サーバ5に問い合わせるユーザ照合処理部42と、駐輪設備2から受信した情報に基づいて自転車1の利用状況を管理する利用管理処理部43(貸出状況管理手段)と、ユーザUによる自転車1の利用状況に応じて当該ユーザに対する課金処理を決済サーバ5に対して行う課金処理部44と、が構築されている。但し、ここで説明した演算装置41が備えている機能は一例であって、上記機能に限定されるものではない。なお、具体的な機能による処理は、後の動作説明時に詳述する。
【0044】
<決済サーバ>
決済サーバ5は、クレジット会社などの金融機関が管理するサーバコンピュータであって、予めユーザUが契約しているクレジットカードのクレジットカード番号やそれに対応する引き落とし口座の口座番号などを登録している。そして、管理サーバ4から通知されるカード番号と課金金額とを含む決済要求に応じて決済処理を行う。
【0045】
[動作]
次に、上記構成の車両管理システムの動作を、図6乃至図13を参照して説明する。ここで、図6乃至図7は、駐輪設備2のコントローラ20にて取り扱われる情報の一例を示す図であり、図8乃至図13は、システムの動作を示す図である。特に、図8は自転車1を貸し出す際の動作を示すシステム全体のシーケンス図であり、図9はそのときの駐車設備2の動作を示し、図10はそのときの管理サーバ4の動作を示すフローチャートである。また、図11は、自転車1が返却されるときの動作を示すシステム全体のシーケンス図であり、図12はそのときの駐車設備2の動作を示し、図13はそのときの管理サーバ4の動作を示すフローチャートである。
【0046】
はじめに、ユーザUが自転車1を借りる際の動作を、図8乃至図10を参照して説明する。まず、ユーザUは、自転車1を借りるべく駐輪設備2へと行き、そこに設置されている利用者認識部25のICカードリーダ26にICカード(C)を提示する(ステップS1)。すると、ICカードリーダ26にてICカード(C)に記憶されているカード情報が読み取られる(ステップS2、ステップS3、図9のステップS21にて肯定判断)。そして、ICカード(C)からカード情報を読み取った利用者認識部25は、かかる情報をコントローラ20に通知し、このコントローラ20にてカード情報が管理サーバ4に送信され、ICカードが有効か否かの照会が依頼される(ステップS4、図9のステップS23)。
【0047】
その後、カード照会依頼を受けた管理サーバ4は(図10にてステップS41)、決済サーバ5にクレジットカード番号が有効であるか否かの照会を依頼する(ステップS5、図10のステップS42)。すると、かかる依頼に対して決済サーバ5にてカードの有効性について照会処理が実行され(ステップS6)、管理サーバ4に対して回答がなされる(ステップS7)。このとき、ユーザUにて入力されたカードが利用不可である場合には(図9のステップS23にて否定判断)、表示部27に貸し出し不可を表す文字情報を表示すると共に、警報部28から警告音を出力する(図9のステップS33)。
【0048】
一方、上記決済サーバ5からのカード利用照会の回答が、カードが有効であって利用可能である、との回答であると(ステップS7、図10のステップS43にて肯定判断)、これを受けた管理サーバ4は駐輪設備2のコントローラ20に対して、利用可能である旨の回答を行う(ステップS8、図10のステップS44)。そして、かかる回答を駐輪設備2のコントローラ20が受けると(図9のステップS23にて肯定判断)、実際に貸し出す自転車1を選定すべく、駐輪列の選定が行われる(ステップS9)。
【0049】
具体的に、自転車の選択処理は、まず、コントローラ20が任意の検知センサ22から自転車1が存在する自転車存在信号の有無を収集する(図9のステップS24)。そして、自転車が存在する旨の信号を得た駐輪列から任意の駐輪列を特定し、かかる駐輪列に保持されている自転車1を貸し出し用に選定する(図9のステップS25)。その後は、コントローラ20が、選定された駐輪列番号を表示部27に表示するよう制御することで、貸し出す自転車1が収容されている駐車列番号が表示部27に表示され(ステップS10,図9のステップS26。)、ユーザUは借りる自転車1を知ることができる。
【0050】
続いて、あるいは、上記ユーザUへの表示に前後して、コントローラ20は、貸し出すと選定した駐車列に設置されたタグリーダ23に対して、自転車1の自転車番号を読み出すよう指示を出す。すると、タグリーダ23は読み取り信号を発することで(ステップS11)、これに反応したRFIDタグ11から自転車情報が読み出されることとなる(ステップS12、図9のステップS27)。そして、自転車番号を受けたコントローラ20は、かかる駐車列の施錠器24を開錠するよう制御する(ステップS13、図9のステップS28)。すると、施錠器24のランプが開錠を表す黄色表示となり、ユーザUをかかる表示を見て、自転車1を取り出す。
【0051】
その後、コントローラ20は、開錠した駐輪列に自転車1が存在するか否かを検知センサ22からの信号を調べる(図9のステップS29)。このとき、開錠してから一定時間以内に自転車1の存在がなくなり、自転車1が駐輪列(自転車保持部21)から取り出されたと判断した場合には(図9のステップS30にて肯定判断)、正常に自転車1が貸し出されたものとみなす(ステップS14)。
【0052】
その後、駐輪設備2のコントローラ20は、図6(a)に示すように貸し出し内容を表す貸出情報を生成する(図9のステップS31)。この図に示すように、貸出情報は、例えば、貸出/返却情報の識別子、自転車番号、駐車設備番号、駐車列番号、利用者カード番号、貸出日時、返却日時、などからなる。ここで、駐車設備番号や駐輪列番号は、コントローラ20に予め記憶された番号であり、特に、駐輪列番号は、ユーザUに対して貸し出された自転車1の駐輪列番号である。また、自転車番号はタグリーダ23にて自転車1のキーに装備されたICタグ11から読み取った自転車番号であり、利用者カード番号は、上記ICカードリーダ26にて読み取ったカード番号である。さらに、貸出/返却の有無には、貸し出しの時は「1」が、返却のときは「2」が、それぞれ入力されることとなり、情報の区別を図ることができる。なお、処理で不要な情報欄は、「0」が入力される。例えば、貸し出し処理の場合には、「返却日時」の項目に「0」が入力される。このようにして貸出情報が生成され、管理サーバ4に送信される(ステップS15図9のステップS32)。
【0053】
そして、上記貸出情報を受けた管理サーバ4は(図10のステップS45にて肯定判断)、当該貸出情報を受信した旨の回答を返答する。例えば、図6(b)に示す情報である。なお、コントローラ20が、かかる回答を受信した後に、上述したように、貸し出す自転車1の施錠器24の開錠を行ってもよい。
【0054】
また、貸出情報を受信した管理サーバ4は、当該貸出情報をデータベースに登録可能なようデータ加工する(図10のステップS46)。このとき、受信した貸出情報から貸し出している自転車1の自転車番号と借りているユーザのカード番号とを関連付け、さらに、貸し出し中を表す識別子を入力して、図7(a)に示すように自転車DB47に登録するデータを生成する。また、同様に、ユーザのカード番号に自転車番号を関連付け、さらに、ユーザが自転車1を自転車保持部21から自転車1を取り外した日時情報をデータに含め、図7(b)に示すように利用者DB46に登録するデータも生成する。そして、記憶装置45の各DB46,47にそれぞれ登録する(ステップS16、図10のステップS47)。このとき、図7(b)に示す利用者DB用の貸出中識別子に「1」を入力して登録しておくことで、貸し出した日時から課金が開始される。
【0055】
次に、ユーザUが自転車1を返却するときの動作を、図11乃至図13を参照して説明する。まず、ユーザUが自転車1の利用を終えると、近くに位置する駐輪設備2に自転車1を返却する。このとき、駐輪設備2の任意の駐輪列に自転車1が入庫されると(ステップS51)、検知センサ22にて自転車1が駐輪列に戻されたことが検知され(ステップS52、図12のステップS71にて肯定判断)、その旨がコントローラ20に通知される。すると、コントローラ20は、かかる駐輪列に設置されたタグリーダ23に対して、入庫された自転車1から自転車番号を読み出すよう指令を出す。すると、返却された自転車1の前輪のキー部にあるICタグ11内の情報が、タグリーダ23にて読み取られる(ステップS53,S54、図12にてステップS73)。このとき、正常に読み取ることができないと(図12のステップS73にて肯定判断)、コントローラ20は返却に不備がある旨の表示を利用者認識部25の表示部27に表示し、同時に、警告音を警報部28から発するよう制御する(ステップS78)。また、施錠器24のランプ表示が開錠状態を表す黄表示であり、これにより、ユーザUに対して、返却に不備があることを認識させることができる。
【0056】
一方、自転車1から正常に自転車番号を読み取ると、コントローラ20は、かかる自転車番号と、返却日時情報を含めた図6(a)に図示する情報を生成して(図12のステップS74)、返却情報として管理サーバ4に送信する(ステップS55、図12のステップS75)。そして、返却情報を受信した管理サーバ4は(図13のステップS81にて肯定判断)、受信した返却情報と、利用者DB46及び自転車DB47内の情報とを照合して、返却が正常が否かを確認すると共に、ユーザの確認を行う(ステップS56、図12のステップS82にて肯定判断)。例えば、返却された自転車1が貸し出された登録があるか否かを調べる。その後、管理サーバ4は、正常な返却である旨の回答として図6(b)に示す情報をコントローラに送信する(ステップS57、図13のステップS83)。このとき、図6(b)に示す回答情報の利用可否識別子には、返却エラーであった場合の情報が入力され、返却が正常である場合にはその旨の情報が入力される。
【0057】
そして、上記回答を受信したコントローラ20は、管理サーバ4による返却の確認結果に応じた処理を行う。例えば、返却エラーである場合には(図12のステップS76にて否定判断)、表示部27及び警報部28を介してエラー通知を行い(図12のステップS78)、正常である場合には(図12のステップS76にて肯定判断)、施錠器24に対して施錠制御を行い(ステップS58、図12のステップS77)、自転車1を駐輪列に固定する。このとき、施錠器24に備えられたランプが施錠状態を表す表示となり、ユーザUは確認することができる。さらに、施錠状態になることで、自転車1のキーが取り出せない構造であることから、キーも同時に保管することになる。
【0058】
また、管理サーバ4は、返却の確認を行うと共に、利用情報の管理及び課金処理を行う。まず、返却情報に基づいて、必要なDBの変更登録を行う(ステップS59、図13のステップS84)。具体的には、自転車1を利用していた利用者DBに返却情報を記録し、貸出中識別子を「0」とし、今回の料金を課金情報に記録する。同時に該当する自転車の貸出識別子も「0」にする。そして、課金は貸出しから返却までの時間に、1時間当たり利用料金を掛けて算出し、一時的に保存しておく(ステップS60、図13のステップS85)。
【0059】
その後、例えば、精算が月次処理されている場合には、管理サーバ4は、所定の月日になると(図13のステップS86にて肯定判断)、1ヶ月間の利用者DBの課金情報を集計し、指定口座から自動的に引き落とす手続きをクレジット会社の決済サーバ5に送信する(ステップS61、図13のステップS87)。すると、決済サーバ5では、ユーザUのカード番号と決済情報とに基づいて、引き落とし処理などが実行される(ステップS62)。
【0060】
このようにすることにより、貸し出し自転車1から受信した自転車番号と、ユーザUから入力されたカード番号とが、管理サーバ4にて関連付けられて管理されるため、各自転車1を借りたユーザUを容易に特定することができる。従って、自転車1が返却されなかったり、損傷していた場合であっても、ユーザUへの問い合わせが容易となり、一方で、ユーザUに対する注意を促すことができ、管理の確実性の向上を図ることができる。さらに、その結果、放置自転車の抑制を図ることができる。
【0061】
また、自転車1を管理すると同時に、貸し出し料金の精算も自動的に行うことができ、その決済が容易となるため、ユーザUの利便性が向上をすると共に、貸し出し側における料金徴収の確実化を図ることができる。
【0062】
さらに、複数の駐車設備2における自転車1の存在を一台の管理サーバ4にて管理することができるため、ユーザUを自転車1を、借りた駐輪設備2とは異なる別の駐輪設備2に返却することも可能であり、さらなる利便性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、自転車等の車両を貸し出す設備に設置することで、貸し出し車両の管理の確実化を測ることができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の全体構成を示すブロック図である。
【図2】駐輪設備の構成を示す概略図である。
【図3】自転車保持部の構成を示す概略図である。
【図4】自転車設備の構成を示すブロック図である。
【図5】管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6(a),(b)は、システムにて用いられる情報の一例を示す説明図である。
【図7】図7(a),(b)は、システムにて用いられる情報の一例を示す説明図である。
【図8】自転車貸し出し時におけるシステム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図9】自転車貸し出し時における駐輪設備の動作を示すフローチャートである。
【図10】自転車貸し出し時における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図11】自転車返却時におけるシステム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図12】自転車返却時における駐輪設備の動作を示すフローチャートである。
【図13】自転車返却時における管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 自転車(車両)
2 駐輪設備(駐車設備)
3 自転車保管所
4 管理サーバ(コンピュータ)
5 決済サーバ
11 ICタグ(無線通信手段)
20 コントローラ(コンピュータ)
21 自転車保管部
22 検知センサ(車両検出手段)
23 タグリーダ(車両識別情報読取手段)
24 施錠器(施錠保持手段)
25 利用者認識部
26 ICカードリーダ(ユーザ識別情報受付手段)
43 利用管理処理部(貸出状況管理手段)
46 利用者DB(利用情報記憶手段)
47 自転車DB(利用情報記憶手段)
C ICカード(ユーザ識別情報保持手段)
N ネットワーク
U ユーザ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸し出し車両に設けられ、当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段と、
前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、前記貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた前記無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、
前記ユーザ識別情報受付手段と前記車両識別情報読取手段とに接続された貸し出し状況を管理するコンピュータと、を備え、
このコンピュータが、前記貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段と、この利用情報記憶手段に前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報とを関連付けて利用情報として記憶する貸出状況管理手段と、を備えたことを特徴とする車両管理システム。
【請求項2】
前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に、前記貸し出し車両の存在を検知して車両存在信号を前記コンピュータに送信する車両検出手段を備え、
前記コンピュータが備える貸出状況管理手段が、前記車両検出手段から受信する前記車両存在信号に基づいて前記利用情報を前記利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴とする請求項1記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記貸出状況管理手段が、前記車両存在信号の受信の有無に応じて当該車両識別情報に対応する前記車両識別情報への前記ユーザ識別情報の関連付けを制御して前記利用情報を記憶する、ことを特徴とする請求項2記載の車両管理システム。
【請求項4】
前記貸出状況管理手段が、前記車両存在信号の受信時間を当該車両存在信号に対応する前記車両識別情報と共に前記利用情報に含めて前記利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴とする請求項3記載の車両管理システム。
【請求項5】
前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に、前記貸し出し車両を施錠して保持する施錠保持手段と、前記ユーザ識別情報受付手段からの前記ユーザ識別情報に基づいて前記ユーザに貸し出す貸し出し車両の前記施錠手段を開錠制御する開錠制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の車両管理システム。
【請求項6】
前記ユーザが所有するユーザ識別情報を記憶したユーザ識別情報保持手段を備えると共に、前記ユーザ識別情報受付手段が、前記ユーザ識別情報保持手段から前記ユーザ識別情報を受け付ける、ことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の車両管理システム。
【請求項7】
前記ユーザ識別情報保持手段が、前記ユーザに対する決済を行うために必要な決済情報を記憶すると共に、
前記ユーザ識別情報受付手段が、前記決済情報を受け付け、
前記コンピュータが、前記ユーザ識別情報受付手段にて受け付けた前記決済情報と、前記利用情報記憶手段に記憶された前記利用情報と、に基づいて、前記コンピュータに接続された決済サーバに対して決済処理を依頼する、ことを特徴とする請求項6記載の車両管理システム。
【請求項8】
前記駐車設備が複数存在すると共に、これら複数の駐車設備における前記車両の貸し出し状況を、前記コンピュータにて管理する、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の車両管理システム。
【請求項9】
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、前記貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータであって、
前記貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段を備えると共に、
前記ユーザ識別情報受付手段から受信した前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報読取手段から受信した前記車両識別情報とを関連付けて前記利用情報として前記利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を備えたことを特徴とする車両管理用コンピュータ。
【請求項10】
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、前記貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータに、
前記ユーザ識別情報受付手段から受信した前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報読取手段から受信した前記車両識別情報とを関連付けて前記利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を実現するための車両管理用プログラム。
【請求項11】
貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、が前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられ、
前記ユーザ識別情報受付手段と前記車両識別情報読取手段とに接続されたコンピュータが、前記貸し出し車両の貸し出し状況を表す利用情報を利用情報記憶手段に記憶して管理する車両管理方法であって、
前記コンピュータが、前記ユーザ識別情報受付手段から前記ユーザ識別情報を受信するユーザ識別情報受信工程と、この工程に前後して前記車両識別情報読取手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報受信工程と、を備えると共に、
前記コンピュータが、前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理工程と、を備えたことを特徴とする車両管理方法。
【請求項1】
貸し出し車両に設けられ、当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段と、
前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、前記貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた前記無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、
前記ユーザ識別情報受付手段と前記車両識別情報読取手段とに接続された貸し出し状況を管理するコンピュータと、を備え、
このコンピュータが、前記貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段と、この利用情報記憶手段に前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報とを関連付けて利用情報として記憶する貸出状況管理手段と、を備えたことを特徴とする車両管理システム。
【請求項2】
前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に、前記貸し出し車両の存在を検知して車両存在信号を前記コンピュータに送信する車両検出手段を備え、
前記コンピュータが備える貸出状況管理手段が、前記車両検出手段から受信する前記車両存在信号に基づいて前記利用情報を前記利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴とする請求項1記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記貸出状況管理手段が、前記車両存在信号の受信の有無に応じて当該車両識別情報に対応する前記車両識別情報への前記ユーザ識別情報の関連付けを制御して前記利用情報を記憶する、ことを特徴とする請求項2記載の車両管理システム。
【請求項4】
前記貸出状況管理手段が、前記車両存在信号の受信時間を当該車両存在信号に対応する前記車両識別情報と共に前記利用情報に含めて前記利用情報記憶手段に記憶する、ことを特徴とする請求項3記載の車両管理システム。
【請求項5】
前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に、前記貸し出し車両を施錠して保持する施錠保持手段と、前記ユーザ識別情報受付手段からの前記ユーザ識別情報に基づいて前記ユーザに貸し出す貸し出し車両の前記施錠手段を開錠制御する開錠制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の車両管理システム。
【請求項6】
前記ユーザが所有するユーザ識別情報を記憶したユーザ識別情報保持手段を備えると共に、前記ユーザ識別情報受付手段が、前記ユーザ識別情報保持手段から前記ユーザ識別情報を受け付ける、ことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の車両管理システム。
【請求項7】
前記ユーザ識別情報保持手段が、前記ユーザに対する決済を行うために必要な決済情報を記憶すると共に、
前記ユーザ識別情報受付手段が、前記決済情報を受け付け、
前記コンピュータが、前記ユーザ識別情報受付手段にて受け付けた前記決済情報と、前記利用情報記憶手段に記憶された前記利用情報と、に基づいて、前記コンピュータに接続された決済サーバに対して決済処理を依頼する、ことを特徴とする請求項6記載の車両管理システム。
【請求項8】
前記駐車設備が複数存在すると共に、これら複数の駐車設備における前記車両の貸し出し状況を、前記コンピュータにて管理する、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の車両管理システム。
【請求項9】
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、前記貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータであって、
前記貸し出し車両の利用情報が記憶される利用情報記憶手段を備えると共に、
前記ユーザ識別情報受付手段から受信した前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報読取手段から受信した前記車両識別情報とを関連付けて前記利用情報として前記利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を備えたことを特徴とする車両管理用コンピュータ。
【請求項10】
貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられた、前記貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、に接続された車両管理用コンピュータに、
前記ユーザ識別情報受付手段から受信した前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報読取手段から受信した前記車両識別情報とを関連付けて前記利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理手段、を実現するための車両管理用プログラム。
【請求項11】
貸し出し車両の貸し出しを希望するユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付けるユーザ識別情報受付手段と、前記貸し出し車両に備えられた当該貸し出し車両を識別する車両識別情報が記憶された無線通信手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報読取手段と、が前記貸し出し車両を駐車する駐車設備に設けられ、
前記ユーザ識別情報受付手段と前記車両識別情報読取手段とに接続されたコンピュータが、前記貸し出し車両の貸し出し状況を表す利用情報を利用情報記憶手段に記憶して管理する車両管理方法であって、
前記コンピュータが、前記ユーザ識別情報受付手段から前記ユーザ識別情報を受信するユーザ識別情報受信工程と、この工程に前後して前記車両識別情報読取手段から前記車両識別情報を受信する車両識別情報受信工程と、を備えると共に、
前記コンピュータが、前記ユーザ識別情報と前記車両識別情報とを関連付けて利用情報として利用情報記憶手段に記憶する貸出状況管理工程と、を備えたことを特徴とする車両管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−163921(P2006−163921A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355582(P2004−355582)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
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