車両類用の三相交流発電機
【目的】 三相交流発電機の整流装置用の保護キャップの配置と連携させて発電機の、外部へ通じる接続部を、出来るかぎり簡単かつ信頼のおける構造にする。
【構成】 整流装置の接続板に統合された接続ボルトを、電気的接続連結部のうちの少なくとも若干を放射状に接続するために配置し、そのさい、配線基板が、接続区域において接続部の電気的隔離と、保護キャップ内のカットアウト部により他の場合には露出している整流装置のカバーとを引受け、同時に保護キャップ縁部区域のための受容部を形成するようにした。
【構成】 整流装置の接続板に統合された接続ボルトを、電気的接続連結部のうちの少なくとも若干を放射状に接続するために配置し、そのさい、配線基板が、接続区域において接続部の電気的隔離と、保護キャップ内のカットアウト部により他の場合には露出している整流装置のカバーとを引受け、同時に保護キャップ縁部区域のための受容部を形成するようにした。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は請求の範囲第1項の上位概念部分に記載の車両類用の三相交流発電機に関する。
【0002】
【従来技術】
この種の公知三相交流発電機(ドイツ実用新案G8711417)の場合、整流装置は、サンドイッチ状に互いに間隔をおいて並列配置された整流ダイオード用冷却板から成っている。これらダイオードの間には、絶縁材製の配線基板又は接続板が位置し、配線基板内には、ダイオードを相互に接続し、かつ三相交流発電機の固定子巻線の相応の接続線と接続する電気導体が埋込まれている。
【0003】
この公知整流装置の場合、DINによりB+で表わされる整流装置接続部用の接続ボルトが、互いに間隔をおいて並列された2個の整流ダイオード冷却板の外側の冷却板内へ差込まれている。すなわち、接続ボルトは、ローレット切りされた部分を介して外側冷却板の相応の穴内へ押込まれ、ねじヘッドの環状肩を冷却板の裏側に密着させている。接続ボルトは、更に、ナットで冷却板に締付け固定される。整流装置は、三相交流発電機の、いわゆるB側に組付けられる。発電機を車両に組付けたのち、接続ボルトの自由端部に、車両バッテリのプラス極用の接続ケーブルが、ねじ固定される。
【0004】
整流装置を有する、この形式による構成の別の三相交流発電機の場合、更に、DINによりB+で表わされる、発電機ケーシング内の整流装置の接続部を半径方向で外方へ導出することは公知である。この外方への導出は、まず、接続ボルトを軸方向に整流装置のプラス冷却板内へ差込み、発電機ケーシング及び接続アングル材とねじ止めすることで行なわれる。この接続アングル材は、折曲げた保持板として半径方向で外方へ向いた接続ボルトを保持している。この接続アングル材は、そのさい、接続ボルトは除いて絶縁材部分により包み込まれている。この絶縁材部分は、接続部を大地電位にある発電機ケーシングに対して保護している。このような半径方向の放射状接続部は、特に次の場合に用いられる。すなわち、自動車に組付けたのち、発電機端側でのスペース不足から軸方向の接続が困難又は不可能になった場合である。
【0005】
更に、三相交流発電機用のアダプタを、次のように構成することも公知である(DE−OS 3533065)。すなわち、この発電機が電気接続部のための軸方向のボルト出力端子を有する三相交流発電機に対し相応の付加措置を加えることにより、前記接続部を半径方向に延びる出力端子に切換えることができるようにするのである。そのさい、アダプタはプラスチック成形部品から成るようにする。この成形部品内には、有利には適当な薄板から成る導電性扁平部材をはめ込んでおき、はじめの軸方向ボルト出力端子用の貫通穴が形成されている。この扁平部材は、半径方向の終りをなすアダプタ端壁まで延び、そこで半径方向に突出するボルト出力端子を形成する。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の課題は、外方へ導出される三相交流発電機接続部を、発電機の整流装置用保護キャップの配置との関連で、出来るだけ簡単かつ信頼性を有する構造にすることにある。
【0007】
【考案の効果】
本考案による、請求項1記載の特徴を有する三相交流発電機の場合、次の効果が得られる。すなわち、割増費用なしで、三相交流発電機に通常存在する接続ボルトB+,D+,Wの、所望とあればすべてに対する統合放射状接続部を設けることが可能となる。しかし、従来式のカバーキャップが存在すれば、車内配線網の相応の電気導線が接続される、植込みボルトの放射状の出力端子は当然、妨害されることになる。
【0008】
しかし、本考案の場合、相応の保護キャップ区域を、巧みに移行させることにより、整流器内の配線基板ないし接続板の一体部分をなす接続ブロックと結合することに成功した。加えて、その場合に、保護キャップは、簡単かつ問題なしに整流装置上方に取付ける、すなわちクリップ止めすることができる。
【0009】
請求項2以下に記載の措置により、請求項1記載の特徴を効果的に更に形成し、改善することができる。特に効果的なのは、保護キャップを、プラスチックの押出し成形品の場合に通例の弾性を利用することにより、整流装置と係止状態に固定することである。すなわち、保護キャップの底板を支持ピンにより加圧保持するようにする。この支持ピンは、整流装置の配線基板の一つで支えるようにしておく。したがって、極めて粗い使用条件下でも発電機から保護キャップが外れることがない。
【0010】
最後に挙げる効果的な点は、次の点である。すなわち、保護キャップを差しはめるさい、配線基板の接続ブロックを取囲むキャップ縁部エッジを、引出し状にブロックの案内内へ受容し、保持するようにし、この結果、配線基板が、その接続ブロックとともに、この区域で整流装置のカバーを引受けるようにした点である。このカバーは、従来は、保護キャップが引受けていたものである。この場合、配線基板の接続ブロックを取囲む保護キャップ部分が、かなりの角度域にわたって延びることになる。なぜなら、整流装置の配線基板内に統合された、D+,B+,Wの各接続部用の合計3個の接続ボルトが、有利には接続ブロックに収容されるからである。
【0011】
三相交流発電機ケーシングとの、特に整流装置冷却板との保護キャップの係止は、保護キャップ周囲に分配された少なくとも3個のクリップホルダーを介して行なわれる。これらクリップホルダーの、内方へ突入した突起は、整流装置のプラス冷却体の、相応に構成された対向縁部エッジ区域のところに係止される。
【0012】
【実施例】
次に本考案の実施例を添付図面につき説明する。
【0013】
本考案の根底をなす思想は次の点に存する。すなわち、三相交流発電機の場合に、整流装置の2個の冷却体の間に配線基板を相応に統合形成することにより、たとえば車内配線網の、発電機から出る電気導線の放射状接続を実現し、かつまた適切な形式で保護キャップを取付けることができるという点である。
【0014】
その場合、三相交流発電機の基本構成は、自体公知の形式で、すなわち、整流装置の構造を含めて既述の実用新案G8711417に説明されている形式で行なわれる。要するに、整流装置に関しては、図1に示した配線基板10を、図示されていない上下の金属製冷却板の間にサンドイッチ状に配置するのである。これら冷却板は、配線基板に対して、かつまた相互に並列的に間隔をおいて延びている。その場合、第1のプラス冷却板には、必要数のプラスのダイオードが備えられ、かぶせられた保護キャップから見て通常その後方に位置するマイナス冷却板には、必要数のマイナスのダイオードが備えられている。これらダイオードの配線は、その場合、実質的に配線基板を介して行なわれる。その目的のために、マイナスのダイオードとプラスのダイオードの一方の接続部、すなわちケーシング接続部が、それぞれ冷却板と接続され、他方の接続部は、冷却板から出て配線基板の相応の接続部へ導かれている。
【0015】
したがって、図1の図平面で見て左方へ放射状に突出する電気接続ブロック区域を除いて、基板の構造は、本考案にとって二義的な意味しかもたないので、説明は要しない。図1には、たとえば、配線基板の縁部側から突出しているクリンプ・コネクタ12が示されている。これらのコネクタは、発電機に整流装置を組付けた後に固定子巻線の相応の接続線と電気接続される。更に、内側にもクリンプ・コネクタ13が設けられている。これらのコネクタは、整流ダイオード接続部を受容するのに役立つが、これについても詳述する必要はない。
【0016】
図1には、相応の絶縁材から成る配線基板10のプラスチック製外被内での、ウエブ状電気導体の延びが、破線で示してある。配線基板10は、また、接続ブロック11の電気的なボルト接続部まで導かれている。この結果、このブロック11のところには、D+極用の、半径方向で外方へ突出する第1のねじボルト接続部14と、W極用の第2のねじボルト接続部15と、D+極の受容に役立つ準備受用区域16とが設けられる。この区域については、あとで簡単に触れる。配線基板10から半径方向に突出する接続ブロック11の全区域は、配線基板の材料と一体に成形され、要するに配線基板に付加的に統合されている。その場合、電気接続用の接続ボルト14,15,16より、むしろ、これらの接続ボルトを取囲み、その限りで保護してもいるウエブ又は隔て板17,18,19,20が、半径方向に外方へより多く突出し、所定の軸方向延びを有し、かつまた部分的に部分円形の湾曲部を有している。この結果、ねじボルトにねじ込まれるナットは、ねじ締め工具の差込み穴を介して締付けたり外したりすることができる。そのさい、接続ブロック11の全区域が、所定の軸方向延びを有し、軸方向の部分エプロンを形成している。この部分エプロンは、接続区域で整流装置の外方への保護カバーを形成している。この保護カバーは、従来は、この実施例では切除された保護キャップ材料(カットアウト部26)が引受けていた。
【0017】
接続極B+用の接続ボルトを除いて、他の接続ボルトは配線基板及び(又は)
一体の接続ブロック11のプラスチック材料によりエクストル−ジョン・コーティングされ、接続ブロック内に保持されている。たとえば、この様子は、図4と図5の部分図に示されている。接続ボルト14,15のそれぞれは、したがって、外方へ突出したねじ山部から一体の状態で移行し、突出する環状肩14a,15aに達する。環状肩14a,15aは、内方へ向って再び細い部分、すなわちピン14b,15bに移行する。これらのピン14b,15bには、金属製の電気導体接続部材21が、配線基板から導かれて来て、たとえば舌状に導電接触ないし導電固定される。
【0018】
エクストル−ジョン・コーティングによるプラスチック材料内への肩付き接続ボルトの埋込みは、ボルトが弛んだり外れたりしないように行なう。各ボルトの中央の環状肩14a,15aは、不規則な外側輪郭、たとえば4角形を有するようにしてもよい。
【0019】
B+接続部を特に耐震的に、曲げ強く固定するため、B+ボルト22は、折曲げた保持板23を介してプラス冷却板に取付けられている。保持板23は、少なくとも1個のリベットにより直接にプラス冷却板と結合されている。その場合、接続ブロック11は、基板内でB+接続部取付部材を受容し、かつ支持するもう1つのポケツト状案内を形成する。
【0020】
このように基板10から半径方向に延びる、接続ブロック11の電気接続部は、当然保護キャップ25(図7参照)の縁部エッジを貫通せねばならないので、保護キャップは接続ブロック11の区域に、そのカットアウト部26(図7)を有している。言いかえると、接続ブロックは、この区域では、従来は保護キャップが行なっていたカバリングを自ら引受け、同時に各接続部の電気的な分離を行なうのである。
【0021】
この場合、もう一つの特別な措置が施されている。すなわち、保護キャップ25の確実な係止と固定のために、特に、接続ブロック11への縁部側移行区域に相互係止手段ないし相互固定手段が設けられている。これらの手段により、保護キャップのカットアウト部26の、従来は開いているか、ないしは遊びがあった双方の縁部エッジ26a,26bが固定される。
【0022】
図示の実施例は、保護キャップ25を整流装置にかぶせるさい、カットアウト部の縁部エッジ26a,26bが引出し状に受容され固定されるように構成されている。この目的のために、接続ブロック11の区域には、ブロック11と一体の案内条片27a,27bが設けられている。これら案内条片は、両側に縦開口28を形成し、これら縦開口内へは、縁部エッジ26a,26bのところに相応に相補的に構成された縁部条片がはめ込まれるので、この個所で保護キャップを引出し状に押込むことができる。案内条片27a,27bは、その場合、同時に、相応に厚くされた保護キャップ開口縁部区域の後方を掴み、この区域を側方へ開かないようにロツクし、固定する。接続ブロック11の区域では、この場合、その相応の保護ウエブ17,18,19,20が外方へ保護キャップ25の円周部を超えて延びている。この様子は図6に最もよく示されている。図6には、また、半径方向で外方へ合計3個の接続ボルト14,15,22が、相応の三相交流発電機接続部用に突出している様子が示されている。
【0023】
本考案のもう一つの有利な構成によれば、保護キャップ25の固定のために、キャップ25を整流装置と係止するようにする。特殊な実施例では、この係止が次のように行なわれる。すなわち、保護キャップのところにクリップホルダーを設け、このホルダーが、有利には、直接に向き合った冷却体、すなわちプラス冷却体(図示せず)の縁部エッジのところに突起を介して係止され、ホルダーが冷却体の後方を掴む形となる。
【0024】
もちろん、接続ブロック11の案内条片27a,27bの場合にも、クリップホルダー(又は案内条片)を、それぞれ他の部分に固定できることは言うまでもない。
【0025】
保護キャップのところのクリップホルダーの有利な配置は、図6と図7から最もよく知ることができる。保護キャップの半径方向壁部区域に設けられた両側の切込み30a,30bにより、相応に全周にわたって分配された中間ウエブ31が切離されている。これらのウエブは、内方向きで鼻状の係止突起32を有している。これらのウエブは、したがって、下方へ、ないしは図7の図平面で見て左方へ、両側の切込み30a,30bが終っている個所で、一体に形成された移行部がたとえば円形の保護キャップ側壁と結合されている。更に、これらのウエブは、係止突起32の区域を超えて更に上方へ、ないしは図7の図平面で右方へ延びているが、図7には図示されていない。そのさい、保護キャップ25の環状壁部に、上方へ案内されたクリップホルダー・ウエブ31のこの個所で、図6に示したように、補足的に切欠き32が形成されており、その結果、次のことが可能である。すなわち、保護キャップをかぶせられ固定されている場合、つまり係止突起32がプラス冷却体の縁部後方を掴んでいる場合、切欠き33と延長ウエブ31との間へ指を突込んで、ウエブ31を矢印A(図6)の方向で外方へ押出すことが可能である。そうすることにより、係止突起は冷却体から外され、保護キャップを再び除くことができる。
【0026】
これと関連して、本発明の別の構成によれば、クリップホルダーのウエブ31を介してプラス冷却体に固定される保護キャップ25が整流装置上に加圧されて載置され、しかも有利なケースでは、保護キャップ底板の弾性が利用される。この目的のために、図6に別の側の平面図を示してある保護キャップ底部から支持ピン34が出ている。これらのピンは、周囲の縁部区域から内方へ向いており、係止突起32がプラス冷却体の縁部エッジ後方を掴むさい、この冷却体のピン側に押付けられる。この結果、底板がいく分変形されて、係止突起が実際にロックされる。これによって極めて僅かながら保護キャップも変形し、加圧下で整流装置上に不動にかぶせられ、外部の影響で外れるようなことがない。取外しは、クリップホルダーのウエブ31を、既述のように外方へ押出すようにして行なう。
【0027】
図7に見られる、接続ブロック用のカットアウト部26の縁部上方エッジ26cのところに、保護キャップと一体の、半径方向で外方へ突出した壁部を設けることが可能である。これらの壁部は、その場合、接続ブロックの保護ウエブ17,18,19,20を補完し、接続部を適切な形式で保護する。これらの突起は、電気接続線を通す穴を有するようにすることができる。このことは、三相交流発電機の特殊な要求やその時々の組付け場所に大幅に左右される。
【0028】
更に、一般に指摘できる点は、配線基板自体は僅かな軸方向厚しか有していない点である。いずれにしても、この厚みは、そのなかにウエブ状の扁平な構成の電気接続部が埋込まれ、互いに絶縁することができるだけの厚みである。他方、接続ブロックの区域では、このブロック自体が際立った延びを有しており、要するに、所定軸方向長さにわたり半径方向の壁部カットアウト部を形成している。
このカットアウト部から一体に外方へ向ってそれぞれの保護ウエブが突出し、同時に双方の縁部エッジのところに案内条片が形成されている。このようにして、接続ブロックは、この軸方向のエプロン状延長部によりカットアウト区域を引受け、この個所での整流装置のカバーを引受けている。この区域やカバーは、本来、保護キャップが引受けねばならないものだが、この個所で保護キャップは、接続ブロックの半径方向通過のためのカットアウト部を有していなければならない。
【0029】
終りに、保護キャップを、なお付加的にねじ固定により整流装置に固定することも可能である。そのためには、接続板から保護キャップの方向へ突出する円頂部を形成しておき、この円頂部内へ保護キャップ側から穴を通してねじをねじ込むようにする。
【0030】
以上、本文、請求の範囲、図面に示した特徴は、すべて個々にも、任意に組合せた形式でも、本考案にとって重要なものである。特に請求項1は、従来技術の知識なしに仮に言いまとめた試みであり、この従来技術は当局の調査をまって初めに明らかにされるものである。本出願人は、請求項1の特徴の削減を留保する。
【図面の簡単な説明】
【図1】適当な絶縁材(プラスチック)から成る基板の可能な一形式の平面図で、配線基板の上下に通常は冷却板が配置されている。
【図2】図1の配線基板を左側から見た図で、半径方向に突出した接続ブロック区域を、残りの部分を除去して示した図。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図。
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図。
【図5】図2のV−V線に沿った断面図。
【図6】保護キャップをかぶせた整流装置を示す図で、半径方向に側方から突出している、配線基板の接続ブロックが示されている。
【図7】図6の左方から見た側面図で、保護キャップを外し、他の部分を省略し、接続ブロック区域と保護キャップの相応の一部分のみを示した図。
【符号の説明】
10 配線基板
11 接続ブロック
12,13 クリンプ・コネクタ
14,15,16 接続ボルト
17,18,19,20 隔て板
22 B+ボルト
23 保持板
24 リベット
25 保護キャップ
26 カットアウト部
26a,26b 縁部エッジ
27a,27b 案内条片
28 縦開口
30a,30b 切込み
31 クリップホルダーのウエブ
32 係止突起
33 切欠き
34 支持ピン
35 ねじ固定部
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は請求の範囲第1項の上位概念部分に記載の車両類用の三相交流発電機に関する。
【0002】
【従来技術】
この種の公知三相交流発電機(ドイツ実用新案G8711417)の場合、整流装置は、サンドイッチ状に互いに間隔をおいて並列配置された整流ダイオード用冷却板から成っている。これらダイオードの間には、絶縁材製の配線基板又は接続板が位置し、配線基板内には、ダイオードを相互に接続し、かつ三相交流発電機の固定子巻線の相応の接続線と接続する電気導体が埋込まれている。
【0003】
この公知整流装置の場合、DINによりB+で表わされる整流装置接続部用の接続ボルトが、互いに間隔をおいて並列された2個の整流ダイオード冷却板の外側の冷却板内へ差込まれている。すなわち、接続ボルトは、ローレット切りされた部分を介して外側冷却板の相応の穴内へ押込まれ、ねじヘッドの環状肩を冷却板の裏側に密着させている。接続ボルトは、更に、ナットで冷却板に締付け固定される。整流装置は、三相交流発電機の、いわゆるB側に組付けられる。発電機を車両に組付けたのち、接続ボルトの自由端部に、車両バッテリのプラス極用の接続ケーブルが、ねじ固定される。
【0004】
整流装置を有する、この形式による構成の別の三相交流発電機の場合、更に、DINによりB+で表わされる、発電機ケーシング内の整流装置の接続部を半径方向で外方へ導出することは公知である。この外方への導出は、まず、接続ボルトを軸方向に整流装置のプラス冷却板内へ差込み、発電機ケーシング及び接続アングル材とねじ止めすることで行なわれる。この接続アングル材は、折曲げた保持板として半径方向で外方へ向いた接続ボルトを保持している。この接続アングル材は、そのさい、接続ボルトは除いて絶縁材部分により包み込まれている。この絶縁材部分は、接続部を大地電位にある発電機ケーシングに対して保護している。このような半径方向の放射状接続部は、特に次の場合に用いられる。すなわち、自動車に組付けたのち、発電機端側でのスペース不足から軸方向の接続が困難又は不可能になった場合である。
【0005】
更に、三相交流発電機用のアダプタを、次のように構成することも公知である(DE−OS 3533065)。すなわち、この発電機が電気接続部のための軸方向のボルト出力端子を有する三相交流発電機に対し相応の付加措置を加えることにより、前記接続部を半径方向に延びる出力端子に切換えることができるようにするのである。そのさい、アダプタはプラスチック成形部品から成るようにする。この成形部品内には、有利には適当な薄板から成る導電性扁平部材をはめ込んでおき、はじめの軸方向ボルト出力端子用の貫通穴が形成されている。この扁平部材は、半径方向の終りをなすアダプタ端壁まで延び、そこで半径方向に突出するボルト出力端子を形成する。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の課題は、外方へ導出される三相交流発電機接続部を、発電機の整流装置用保護キャップの配置との関連で、出来るだけ簡単かつ信頼性を有する構造にすることにある。
【0007】
【考案の効果】
本考案による、請求項1記載の特徴を有する三相交流発電機の場合、次の効果が得られる。すなわち、割増費用なしで、三相交流発電機に通常存在する接続ボルトB+,D+,Wの、所望とあればすべてに対する統合放射状接続部を設けることが可能となる。しかし、従来式のカバーキャップが存在すれば、車内配線網の相応の電気導線が接続される、植込みボルトの放射状の出力端子は当然、妨害されることになる。
【0008】
しかし、本考案の場合、相応の保護キャップ区域を、巧みに移行させることにより、整流器内の配線基板ないし接続板の一体部分をなす接続ブロックと結合することに成功した。加えて、その場合に、保護キャップは、簡単かつ問題なしに整流装置上方に取付ける、すなわちクリップ止めすることができる。
【0009】
請求項2以下に記載の措置により、請求項1記載の特徴を効果的に更に形成し、改善することができる。特に効果的なのは、保護キャップを、プラスチックの押出し成形品の場合に通例の弾性を利用することにより、整流装置と係止状態に固定することである。すなわち、保護キャップの底板を支持ピンにより加圧保持するようにする。この支持ピンは、整流装置の配線基板の一つで支えるようにしておく。したがって、極めて粗い使用条件下でも発電機から保護キャップが外れることがない。
【0010】
最後に挙げる効果的な点は、次の点である。すなわち、保護キャップを差しはめるさい、配線基板の接続ブロックを取囲むキャップ縁部エッジを、引出し状にブロックの案内内へ受容し、保持するようにし、この結果、配線基板が、その接続ブロックとともに、この区域で整流装置のカバーを引受けるようにした点である。このカバーは、従来は、保護キャップが引受けていたものである。この場合、配線基板の接続ブロックを取囲む保護キャップ部分が、かなりの角度域にわたって延びることになる。なぜなら、整流装置の配線基板内に統合された、D+,B+,Wの各接続部用の合計3個の接続ボルトが、有利には接続ブロックに収容されるからである。
【0011】
三相交流発電機ケーシングとの、特に整流装置冷却板との保護キャップの係止は、保護キャップ周囲に分配された少なくとも3個のクリップホルダーを介して行なわれる。これらクリップホルダーの、内方へ突入した突起は、整流装置のプラス冷却体の、相応に構成された対向縁部エッジ区域のところに係止される。
【0012】
【実施例】
次に本考案の実施例を添付図面につき説明する。
【0013】
本考案の根底をなす思想は次の点に存する。すなわち、三相交流発電機の場合に、整流装置の2個の冷却体の間に配線基板を相応に統合形成することにより、たとえば車内配線網の、発電機から出る電気導線の放射状接続を実現し、かつまた適切な形式で保護キャップを取付けることができるという点である。
【0014】
その場合、三相交流発電機の基本構成は、自体公知の形式で、すなわち、整流装置の構造を含めて既述の実用新案G8711417に説明されている形式で行なわれる。要するに、整流装置に関しては、図1に示した配線基板10を、図示されていない上下の金属製冷却板の間にサンドイッチ状に配置するのである。これら冷却板は、配線基板に対して、かつまた相互に並列的に間隔をおいて延びている。その場合、第1のプラス冷却板には、必要数のプラスのダイオードが備えられ、かぶせられた保護キャップから見て通常その後方に位置するマイナス冷却板には、必要数のマイナスのダイオードが備えられている。これらダイオードの配線は、その場合、実質的に配線基板を介して行なわれる。その目的のために、マイナスのダイオードとプラスのダイオードの一方の接続部、すなわちケーシング接続部が、それぞれ冷却板と接続され、他方の接続部は、冷却板から出て配線基板の相応の接続部へ導かれている。
【0015】
したがって、図1の図平面で見て左方へ放射状に突出する電気接続ブロック区域を除いて、基板の構造は、本考案にとって二義的な意味しかもたないので、説明は要しない。図1には、たとえば、配線基板の縁部側から突出しているクリンプ・コネクタ12が示されている。これらのコネクタは、発電機に整流装置を組付けた後に固定子巻線の相応の接続線と電気接続される。更に、内側にもクリンプ・コネクタ13が設けられている。これらのコネクタは、整流ダイオード接続部を受容するのに役立つが、これについても詳述する必要はない。
【0016】
図1には、相応の絶縁材から成る配線基板10のプラスチック製外被内での、ウエブ状電気導体の延びが、破線で示してある。配線基板10は、また、接続ブロック11の電気的なボルト接続部まで導かれている。この結果、このブロック11のところには、D+極用の、半径方向で外方へ突出する第1のねじボルト接続部14と、W極用の第2のねじボルト接続部15と、D+極の受容に役立つ準備受用区域16とが設けられる。この区域については、あとで簡単に触れる。配線基板10から半径方向に突出する接続ブロック11の全区域は、配線基板の材料と一体に成形され、要するに配線基板に付加的に統合されている。その場合、電気接続用の接続ボルト14,15,16より、むしろ、これらの接続ボルトを取囲み、その限りで保護してもいるウエブ又は隔て板17,18,19,20が、半径方向に外方へより多く突出し、所定の軸方向延びを有し、かつまた部分的に部分円形の湾曲部を有している。この結果、ねじボルトにねじ込まれるナットは、ねじ締め工具の差込み穴を介して締付けたり外したりすることができる。そのさい、接続ブロック11の全区域が、所定の軸方向延びを有し、軸方向の部分エプロンを形成している。この部分エプロンは、接続区域で整流装置の外方への保護カバーを形成している。この保護カバーは、従来は、この実施例では切除された保護キャップ材料(カットアウト部26)が引受けていた。
【0017】
接続極B+用の接続ボルトを除いて、他の接続ボルトは配線基板及び(又は)
一体の接続ブロック11のプラスチック材料によりエクストル−ジョン・コーティングされ、接続ブロック内に保持されている。たとえば、この様子は、図4と図5の部分図に示されている。接続ボルト14,15のそれぞれは、したがって、外方へ突出したねじ山部から一体の状態で移行し、突出する環状肩14a,15aに達する。環状肩14a,15aは、内方へ向って再び細い部分、すなわちピン14b,15bに移行する。これらのピン14b,15bには、金属製の電気導体接続部材21が、配線基板から導かれて来て、たとえば舌状に導電接触ないし導電固定される。
【0018】
エクストル−ジョン・コーティングによるプラスチック材料内への肩付き接続ボルトの埋込みは、ボルトが弛んだり外れたりしないように行なう。各ボルトの中央の環状肩14a,15aは、不規則な外側輪郭、たとえば4角形を有するようにしてもよい。
【0019】
B+接続部を特に耐震的に、曲げ強く固定するため、B+ボルト22は、折曲げた保持板23を介してプラス冷却板に取付けられている。保持板23は、少なくとも1個のリベットにより直接にプラス冷却板と結合されている。その場合、接続ブロック11は、基板内でB+接続部取付部材を受容し、かつ支持するもう1つのポケツト状案内を形成する。
【0020】
このように基板10から半径方向に延びる、接続ブロック11の電気接続部は、当然保護キャップ25(図7参照)の縁部エッジを貫通せねばならないので、保護キャップは接続ブロック11の区域に、そのカットアウト部26(図7)を有している。言いかえると、接続ブロックは、この区域では、従来は保護キャップが行なっていたカバリングを自ら引受け、同時に各接続部の電気的な分離を行なうのである。
【0021】
この場合、もう一つの特別な措置が施されている。すなわち、保護キャップ25の確実な係止と固定のために、特に、接続ブロック11への縁部側移行区域に相互係止手段ないし相互固定手段が設けられている。これらの手段により、保護キャップのカットアウト部26の、従来は開いているか、ないしは遊びがあった双方の縁部エッジ26a,26bが固定される。
【0022】
図示の実施例は、保護キャップ25を整流装置にかぶせるさい、カットアウト部の縁部エッジ26a,26bが引出し状に受容され固定されるように構成されている。この目的のために、接続ブロック11の区域には、ブロック11と一体の案内条片27a,27bが設けられている。これら案内条片は、両側に縦開口28を形成し、これら縦開口内へは、縁部エッジ26a,26bのところに相応に相補的に構成された縁部条片がはめ込まれるので、この個所で保護キャップを引出し状に押込むことができる。案内条片27a,27bは、その場合、同時に、相応に厚くされた保護キャップ開口縁部区域の後方を掴み、この区域を側方へ開かないようにロツクし、固定する。接続ブロック11の区域では、この場合、その相応の保護ウエブ17,18,19,20が外方へ保護キャップ25の円周部を超えて延びている。この様子は図6に最もよく示されている。図6には、また、半径方向で外方へ合計3個の接続ボルト14,15,22が、相応の三相交流発電機接続部用に突出している様子が示されている。
【0023】
本考案のもう一つの有利な構成によれば、保護キャップ25の固定のために、キャップ25を整流装置と係止するようにする。特殊な実施例では、この係止が次のように行なわれる。すなわち、保護キャップのところにクリップホルダーを設け、このホルダーが、有利には、直接に向き合った冷却体、すなわちプラス冷却体(図示せず)の縁部エッジのところに突起を介して係止され、ホルダーが冷却体の後方を掴む形となる。
【0024】
もちろん、接続ブロック11の案内条片27a,27bの場合にも、クリップホルダー(又は案内条片)を、それぞれ他の部分に固定できることは言うまでもない。
【0025】
保護キャップのところのクリップホルダーの有利な配置は、図6と図7から最もよく知ることができる。保護キャップの半径方向壁部区域に設けられた両側の切込み30a,30bにより、相応に全周にわたって分配された中間ウエブ31が切離されている。これらのウエブは、内方向きで鼻状の係止突起32を有している。これらのウエブは、したがって、下方へ、ないしは図7の図平面で見て左方へ、両側の切込み30a,30bが終っている個所で、一体に形成された移行部がたとえば円形の保護キャップ側壁と結合されている。更に、これらのウエブは、係止突起32の区域を超えて更に上方へ、ないしは図7の図平面で右方へ延びているが、図7には図示されていない。そのさい、保護キャップ25の環状壁部に、上方へ案内されたクリップホルダー・ウエブ31のこの個所で、図6に示したように、補足的に切欠き32が形成されており、その結果、次のことが可能である。すなわち、保護キャップをかぶせられ固定されている場合、つまり係止突起32がプラス冷却体の縁部後方を掴んでいる場合、切欠き33と延長ウエブ31との間へ指を突込んで、ウエブ31を矢印A(図6)の方向で外方へ押出すことが可能である。そうすることにより、係止突起は冷却体から外され、保護キャップを再び除くことができる。
【0026】
これと関連して、本発明の別の構成によれば、クリップホルダーのウエブ31を介してプラス冷却体に固定される保護キャップ25が整流装置上に加圧されて載置され、しかも有利なケースでは、保護キャップ底板の弾性が利用される。この目的のために、図6に別の側の平面図を示してある保護キャップ底部から支持ピン34が出ている。これらのピンは、周囲の縁部区域から内方へ向いており、係止突起32がプラス冷却体の縁部エッジ後方を掴むさい、この冷却体のピン側に押付けられる。この結果、底板がいく分変形されて、係止突起が実際にロックされる。これによって極めて僅かながら保護キャップも変形し、加圧下で整流装置上に不動にかぶせられ、外部の影響で外れるようなことがない。取外しは、クリップホルダーのウエブ31を、既述のように外方へ押出すようにして行なう。
【0027】
図7に見られる、接続ブロック用のカットアウト部26の縁部上方エッジ26cのところに、保護キャップと一体の、半径方向で外方へ突出した壁部を設けることが可能である。これらの壁部は、その場合、接続ブロックの保護ウエブ17,18,19,20を補完し、接続部を適切な形式で保護する。これらの突起は、電気接続線を通す穴を有するようにすることができる。このことは、三相交流発電機の特殊な要求やその時々の組付け場所に大幅に左右される。
【0028】
更に、一般に指摘できる点は、配線基板自体は僅かな軸方向厚しか有していない点である。いずれにしても、この厚みは、そのなかにウエブ状の扁平な構成の電気接続部が埋込まれ、互いに絶縁することができるだけの厚みである。他方、接続ブロックの区域では、このブロック自体が際立った延びを有しており、要するに、所定軸方向長さにわたり半径方向の壁部カットアウト部を形成している。
このカットアウト部から一体に外方へ向ってそれぞれの保護ウエブが突出し、同時に双方の縁部エッジのところに案内条片が形成されている。このようにして、接続ブロックは、この軸方向のエプロン状延長部によりカットアウト区域を引受け、この個所での整流装置のカバーを引受けている。この区域やカバーは、本来、保護キャップが引受けねばならないものだが、この個所で保護キャップは、接続ブロックの半径方向通過のためのカットアウト部を有していなければならない。
【0029】
終りに、保護キャップを、なお付加的にねじ固定により整流装置に固定することも可能である。そのためには、接続板から保護キャップの方向へ突出する円頂部を形成しておき、この円頂部内へ保護キャップ側から穴を通してねじをねじ込むようにする。
【0030】
以上、本文、請求の範囲、図面に示した特徴は、すべて個々にも、任意に組合せた形式でも、本考案にとって重要なものである。特に請求項1は、従来技術の知識なしに仮に言いまとめた試みであり、この従来技術は当局の調査をまって初めに明らかにされるものである。本出願人は、請求項1の特徴の削減を留保する。
【図面の簡単な説明】
【図1】適当な絶縁材(プラスチック)から成る基板の可能な一形式の平面図で、配線基板の上下に通常は冷却板が配置されている。
【図2】図1の配線基板を左側から見た図で、半径方向に突出した接続ブロック区域を、残りの部分を除去して示した図。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図。
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図。
【図5】図2のV−V線に沿った断面図。
【図6】保護キャップをかぶせた整流装置を示す図で、半径方向に側方から突出している、配線基板の接続ブロックが示されている。
【図7】図6の左方から見た側面図で、保護キャップを外し、他の部分を省略し、接続ブロック区域と保護キャップの相応の一部分のみを示した図。
【符号の説明】
10 配線基板
11 接続ブロック
12,13 クリンプ・コネクタ
14,15,16 接続ボルト
17,18,19,20 隔て板
22 B+ボルト
23 保持板
24 リベット
25 保護キャップ
26 カットアウト部
26a,26b 縁部エッジ
27a,27b 案内条片
28 縦開口
30a,30b 切込み
31 クリップホルダーのウエブ
32 係止突起
33 切欠き
34 支持ピン
35 ねじ固定部
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 車両類用の三相交流発電機であって、整流装置を有しており、この整流装置が、互いに並列配置されたそれぞれプラスとマイナスのダイオードと、ダイオードのケーシングを受容する冷却板と、冷却板の間に配置された、絶縁材としての配線基板(接続板)とから成り、この基板には、ダイオードを相互に接続し、かつ三相交流発電機の固定子巻線の接続線と接続するための導体が埋込まれている形式のものにおいて、配線基板(10)に一体に付加形成された半径方向に突出した接続ブロック(11)が設けられており、この接続ブロック(11)が、半径方向に冷却板から突出する少なくとも1個の接続ボルト(14,15,22)と、接続ブロック(11)を取囲む、保護キャップ(25)の部分(26)により形成される縁部エッジ(26a,26b)用の案内を両側に有しており、そのさい、保護キャップ(25)が整流装置上にかぶせられ、この装置と係止されることを特徴とする車両類用の三相交流発電機。
【請求項2】 接続ブロック(11)が、配線基板(10)の材料により周囲をエクストル−ジョンコーティングされた半径方向で外方へ突出する接続ボルト(14,15)と、これらのボルトの、有利には両側に設けられた保護ウエブ(17,18,19,20)とを有し、これら保護ウエブが、同じく一体に配線基板(10)の材料から形成され、半径方向で外方へ突出していることを特徴とする、請求項1記載の三相交流発電機。
【請求項3】 接続極(D+及びW)を形成する2個の接続ボルト(14,15)と並んで、接続極(B+)を形成する第3の接続ボルト(20)が、接続ブロック(11)の区域に配置されており、このボルト(20)は、半径方向に突出する軸方向延びを有する保護ウエブ(19,20)により形成された受容部内にはめ込まれ、この受容部により支えられ、ボルト(20)自体は、折曲げた保持板を介してプラスの冷却板と固定結合(リベット止め)されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の三相交流発電機。
【請求項4】 配線基板/接続ブロックの絶縁材によって取囲まれた、D+接続部及びW接続部用の接続ボルト(14,15)が、それぞれ突出した中央肩(14a,15a)と、これらの肩に続く細くなったピン(14b,15b)とを有し、これらのピンは、同時に配線基板(10)の材料の導電路に接触しながら、同じく配線基板(10)内へ埋込まれていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項5】 配線基板(10)と結合されている接続ブロック(11)が、縁部側に軸方向の縦案内条片(27a,27b)を有し、これらの条片が、保護キャップを差しはめるさい、保護キャップ(25)の部分(26)の、前記条片に向いた縁部エッジ(26a,26b)を引出し状に受容し、固定することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項6】 保護キャップ(25)が、半径方向に外方へ曲げることのできる、クリップホルダーを形成する一体の係止ウエブ(31)を介して、整流装置に付加されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項7】 係止ウエブが、両側に切れ目を入れることで保護キャップ(25)の側壁材料から形成された、内方へ突出する係止突起(32)を有しており、これらの突起(32)を介して、係止ウエブが整流装置のプラス冷却体の縁部エッジの後方を掴むことを特徴とする、請求項6記載の三相交流発電機。
【請求項8】 保護キャップ底部の弾性特性を利用して、周囲区域の支持ピン(34)が、この保護キャップ底部から出るようにすることによって、保護キャップ(25)が整流装置上に圧力を受けて保持され、前記支持ピン(34)は、係止突起が冷却体縁部エッジの後方を掴むと、圧力を受けて、整流装置のプラス冷却体上に支えられることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項9】 保護キャップ用の付加的なねじ固定部(35)が備えられており、この固定部のなかを、ねじが整流装置のねじ穴まで案内されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項10】 接続ブロック(11)の区域に配置された3個の接続ボルト接続部が、配線基板円周に沿って順次に配置され、D+、W、B+の各接続部を形成していることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項11】 保護キャップが、接続ブロック(11)用のカットアウト区域内に半径方向に突出する材料部分を有しており、これらの部分が、接続ブロック(11)内の保護ウエブ(17,18,19,20)に付加されるか、もしくは保護ウエブを補完するかしていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項12】 接続ブロックが、更に、この個所で整流装置用のカバーを同時に形成する部分エプロン状の明確な軸方向延びを有していることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項1】 車両類用の三相交流発電機であって、整流装置を有しており、この整流装置が、互いに並列配置されたそれぞれプラスとマイナスのダイオードと、ダイオードのケーシングを受容する冷却板と、冷却板の間に配置された、絶縁材としての配線基板(接続板)とから成り、この基板には、ダイオードを相互に接続し、かつ三相交流発電機の固定子巻線の接続線と接続するための導体が埋込まれている形式のものにおいて、配線基板(10)に一体に付加形成された半径方向に突出した接続ブロック(11)が設けられており、この接続ブロック(11)が、半径方向に冷却板から突出する少なくとも1個の接続ボルト(14,15,22)と、接続ブロック(11)を取囲む、保護キャップ(25)の部分(26)により形成される縁部エッジ(26a,26b)用の案内を両側に有しており、そのさい、保護キャップ(25)が整流装置上にかぶせられ、この装置と係止されることを特徴とする車両類用の三相交流発電機。
【請求項2】 接続ブロック(11)が、配線基板(10)の材料により周囲をエクストル−ジョンコーティングされた半径方向で外方へ突出する接続ボルト(14,15)と、これらのボルトの、有利には両側に設けられた保護ウエブ(17,18,19,20)とを有し、これら保護ウエブが、同じく一体に配線基板(10)の材料から形成され、半径方向で外方へ突出していることを特徴とする、請求項1記載の三相交流発電機。
【請求項3】 接続極(D+及びW)を形成する2個の接続ボルト(14,15)と並んで、接続極(B+)を形成する第3の接続ボルト(20)が、接続ブロック(11)の区域に配置されており、このボルト(20)は、半径方向に突出する軸方向延びを有する保護ウエブ(19,20)により形成された受容部内にはめ込まれ、この受容部により支えられ、ボルト(20)自体は、折曲げた保持板を介してプラスの冷却板と固定結合(リベット止め)されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の三相交流発電機。
【請求項4】 配線基板/接続ブロックの絶縁材によって取囲まれた、D+接続部及びW接続部用の接続ボルト(14,15)が、それぞれ突出した中央肩(14a,15a)と、これらの肩に続く細くなったピン(14b,15b)とを有し、これらのピンは、同時に配線基板(10)の材料の導電路に接触しながら、同じく配線基板(10)内へ埋込まれていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項5】 配線基板(10)と結合されている接続ブロック(11)が、縁部側に軸方向の縦案内条片(27a,27b)を有し、これらの条片が、保護キャップを差しはめるさい、保護キャップ(25)の部分(26)の、前記条片に向いた縁部エッジ(26a,26b)を引出し状に受容し、固定することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項6】 保護キャップ(25)が、半径方向に外方へ曲げることのできる、クリップホルダーを形成する一体の係止ウエブ(31)を介して、整流装置に付加されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項7】 係止ウエブが、両側に切れ目を入れることで保護キャップ(25)の側壁材料から形成された、内方へ突出する係止突起(32)を有しており、これらの突起(32)を介して、係止ウエブが整流装置のプラス冷却体の縁部エッジの後方を掴むことを特徴とする、請求項6記載の三相交流発電機。
【請求項8】 保護キャップ底部の弾性特性を利用して、周囲区域の支持ピン(34)が、この保護キャップ底部から出るようにすることによって、保護キャップ(25)が整流装置上に圧力を受けて保持され、前記支持ピン(34)は、係止突起が冷却体縁部エッジの後方を掴むと、圧力を受けて、整流装置のプラス冷却体上に支えられることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項9】 保護キャップ用の付加的なねじ固定部(35)が備えられており、この固定部のなかを、ねじが整流装置のねじ穴まで案内されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項10】 接続ブロック(11)の区域に配置された3個の接続ボルト接続部が、配線基板円周に沿って順次に配置され、D+、W、B+の各接続部を形成していることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項11】 保護キャップが、接続ブロック(11)用のカットアウト区域内に半径方向に突出する材料部分を有しており、これらの部分が、接続ブロック(11)内の保護ウエブ(17,18,19,20)に付加されるか、もしくは保護ウエブを補完するかしていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【請求項12】 接続ブロックが、更に、この個所で整流装置用のカバーを同時に形成する部分エプロン状の明確な軸方向延びを有していることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の三相交流発電機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【登録番号】第3021255号
【登録日】平成7年(1995)11月22日
【発行日】平成8年(1996)2月20日
【考案の名称】車両類用の三相交流発電機
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−8081
【出願日】平成7年(1995)8月3日
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【登録日】平成7年(1995)11月22日
【発行日】平成8年(1996)2月20日
【考案の名称】車両類用の三相交流発電機
【国際特許分類】
【出願番号】実願平7−8081
【出願日】平成7年(1995)8月3日
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
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