説明

車室内の騒音低減装置

【目的】 車室内に気柱共鳴が発生した場合においても消音動作を正確且つ敏速に行えるようにする。
【構成】 騒音検出用マイクM1および消音確認用マイクM2を、車室内で気柱共鳴を起こすときの音圧が対称となる線に対し、その線を中心にしてして垂直方向に等距離位置になるよう配置した騒音低減装置。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音に対して逆位相音を付加して騒音を低減するための騒音低減装置であり、乗用車、1ボックスカー等の車室の騒音の低減に適用できる。
【0002】
【従来の技術】騒音に対して逆位相音を付加して騒音を低減する方法として、一般には、適応制御方式がある。図10は適応制御方式を示す。騒音検出用のマイク25は騒音を検出し、トランスバーサルフィルタ26は検出信号を畳み込み演算し、スピーカ27から音を発生させる。一方、消音確認マイク28から検出された信号は適応アルゴリズム29に基づき最適と思われるトランスバーサルフィルタ26のフィルタ係数を推定し、更新する。騒音低減は、消音確認マイクが検出する残騒音の平均2乗誤差を最小にする様働く。
【0003】上記の方式の装置は、例えば、特開平2−158296号公報や、特開平3−50998号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、車室内に気柱共鳴が発生すると、室内の各所で音圧が変化する。例えば、消音確認用マイクをシートのヘッドレストに、騒音検出用マイクを足元に置いた場合、ヘッドレスト付近と足元では音圧が著しく違うため、消音動作が正確且つ敏速に行えない場合がある。
【0005】そこで、本発明においては、車室内の騒音低減装置において、車室内に気柱共鳴が発生した場合においても消音動作を正確且つ敏速に行えるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明において用いた第1の手段は、騒音検出用マイクおよび消音確認用マイクを、車室内で気柱共鳴を起こすときの音圧が対称となる線に対し、その線を中心にしてして垂直方向に等距離位置になるよう配置したことである。
【0007】また、上記課題を解決するために本発明において用いた第2の手段は、車室内を直方体に近似し、該直方体の中心線に対し、垂直方向等距離位置に騒音検出用マイクと消音確認用マイクを設置したことである。
【0008】更に、上記課題を解決するために本発明において用いた第3の手段は、消音確認用マイクおよびスピーカをシートのヘッドレスト近傍に設置し、騒音検出用マイクはシートの背もたれ部の下部に設置したことである。
【0009】
【作用】上記第1の手段によれば、騒音検出用マイクと消音確認用マイクの検出する音の音圧は、車室内で気柱共鳴が発生しても略等しくなるので、消音動作が正確に行える。
【0010】上記第2の手段においては、車室内を直方体に近似した場合、直方体の中心線に対し、垂直方向等距離位置にある点は、気柱共鳴が発生した場合、音圧レベルが略等しくなる。したがって、騒音検出用マイクと消音確認用マイクの検出する音の音圧は、車室内で気柱共鳴が発生しても略等しくなるので、消音動作が正確に行える。
【0011】上記第3の手段においては、車室内で気柱共鳴が発生してもヘッドレスト近傍とシートの背もたれ部の下部は音圧レベルが略等しくなる。したがって、騒音検出用マイクと消音確認用マイクの検出する音の音圧は、車室内で気柱共鳴が発生しても略等しくなるので、消音動作が正確に行える。
【0012】
【実施例】以下、本発明を車両に搭載した場合の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明の構成図である。スピーカSPおよび消音確認マイクM2は座席10のヘッドレスト11または座席10の背もたれ部14から延びて、耳元に配置される。エンジン12の回転数を検出するためにエンジン回転数センサPPが置かれている。騒音検出マイクM1は座席10の背もたれ部の下部に設置されている。コントローラ13はスピーカSP、消音確認マイクM2、エンジン回転数センサPPおよび騒音検出マイクM1に接続されている。
【0014】スピーカSPおよび消音確認マイクM2が人の耳元に配置されるため、スピーカSPは大きな音をだす必要がない。このため、スピーカSPからでた音が座席10から離れた部分や車外に影響し、他の部分で音が強調されることもない。したがって確実に座席に座っている人の耳に入る騒音のみを低減するとともに、他に影響を与えない。
【0015】車両の騒音源の内、一番大きなものはエンジンであるので、車両に搭載する場合はエンジンからの音を消音することが望まれる。図4は4気筒エンジンの車室内の騒音分布を示したものである。図におけるエンジン回転数は4016rpm(66.9Hz)であり、2次高調波成分の134Hz程度の部分cで大きな山ができている。aはエンジン音の1次成分である。他の部分はロードノイズ等のエンジン回転以外によるものである。cの山はエンジンの回転数の変化に追従し、周波数が上下するが、この2次成分の音が特に乗客に取って騒音と感じられる。また、人間の耳に聞こえる可聴音は約50Hz以上となるので、0〜40Hz程度の部分にできてきるピーク部分は無視してよい。したがって、4気筒エンジンにおいては、図示cに示される2次成分のみを抽出し消音してやればよい。
【0016】図2にコントローラ13の詳細を示す。騒音検出マイクM1は車室内の音を検出する。検出された音は第1周波数選択器SCF1を通過した後、位相調整器BBD1および増幅器A1を通してスピーカSPに送られる。エンジン回転数センサPPはパルスピックアップであり、エンジン出力軸もしくはエンジン出力軸に間接的に接続された軸の近傍に設置され、エンジン12の回転数を検出する。
【0017】第1周波数選択器SCF1はエンジン回転数センサPPの出力eを受ける。第1周波数選択器SCF1の内部構造を図3に示す。第1周波数選択器SCF1はスイッチドキャパシタフィルタSCF、位相差検出器20、チャージポンプ21、ループフィルタ22、電圧コントロールオシレータVCOおよび分周器23よりなる。位相差検出器20は分周器からのパルスとエンジンからのパルスの位相差を求める。チャージポンプ21は分周器23からのパルスとエンジンからのパルスの位相差を零にするよう働き、位相調整した量の電圧パルスを出力する。ループフィルタ22は積分器の構成をとっており、チャージポンプ21からの電圧パルスをアナログ電圧の形にして電圧コントロールオシレータVCOに送出する。電圧コントロールオシレータVCOは入力電圧に応じた周波数パルスを発振し、クロックパルスCLとしてスイッチドキャパシタフィルタSCFおよび分周器23へ送る。分周器23は入力パルスを1/Nに分周し周波数を1/Nに落とす。このNは整数であり、予め設定しておく。本実施例ではN=100としている。
【0018】今、エンジン回転パルスの周波数のN倍がスイッチドキャパシタフィルタSCFへのクロック周波数に一致しているとする。ここで、エンジン回転数が上昇すると、分周器23からのパルスとエンジン回転パルスとの間に位相差が生ずる。
【0019】このとき、チャージポンプ21はこの位相差を零にするよう働き、位相が増大するときには出力パルス電圧を上げ、位相差が減少するときには出力パルス電圧を下げる。ループフィルタ22は出力パルスをアナログ電圧に変換し、電圧コントロールオシレータVCOはこのアナログ電圧に相当する周波数のクロックパルスを発生するので、位相差が増大するときにはクロック周波数が増加し、位相差が減少するときにはクロック周波数が減少する。したがって、クロック周波数はエンジン回転数に応じて上下する。ループフィルタ22は積分器の構成をとっているので、位相差が一致して、チャージポンプからのパルスが出力されなくなってもそれまでの値を出力し続ける。したがって、スイッチドキャパシタフィルタSCFヘ出力されるクロックパルスCLの周波数はエンジン回転数のN倍となる。
【0020】スイッチドキャパシタフィルタはクロックCLの周波数に応じて等価抵抗Reqが変化する特性を有するスイッチドキャパシタを応用したものである。等価抵抗Reqは、1/(C・fc)となる。フィルタを設計するときに、このReqを抵抗とすれば、fcの変化に追従するフィルタを実現することができる。ナショナルセミコンダクタ製のMF10ユニバーサルモノリシックデュアルスイッチドキャパシタフィルタを用いれば、クロックパルスCLの周波数fcに応じた周波数帯域のみを抽出するバンドパスフィルタを形成することができる。
【0021】このように、エンジン回転数の周波数のN倍の周波数をもつクロックパルスがスイッチドキャパシタフィルタSCFに与えられ、スイッチドキャパシタフィルタSCFはクロックパルスの周波数に応じて選択する周波数帯域を調整する。この値Nと、電圧コントロールオシレータVCOの電圧範囲を調整すれば、エンジン回転数の2倍の周波数のみを抽出できるようなバンドパスフィルタが得られる。これにより、騒音検出マイクM1により検出された車室内音のうち、エンジン回転数の2次高調波成分だけ抽出できる。
【0022】抽出された2次高調波成分の信号PAは位相調整器BBD1を通過する。位相調整器BBD1はBBD(Bucket Brigade Device)により構成される。このBBDは複数段の遅延線を有し、クロックを入れる毎に順次電荷を入力側から出力側へ転送するものであり、市販品として松下電子製のMN3005がある。クロック周波数を可変とすると、クロック周波数に応じた信号の遅延ができ、位相をずらすことができる。位相調整器BBD1に与えられるクロック周波数fはマイクロプロセッシングユニットMPUから与えられる。
【0023】位相調整器BBD1を通過した信号PBは増幅器A1に与えられる。増幅器A1は入力信号PB1をゲインKだけ増幅し、出力信号PC1を得る。ゲインKは可変であり、マイクロプロセッシングユニットMPUから与えられる。出力信号PCはスピーカSPに与えられる。したがって、騒音検出マイクM1により検出された車室内音のうち、エンジン回転数の2次高調波成分を位相調整し、増幅した音がスピーカから発せられる。
【0024】スピーカの発生した音は騒音源であるエンジンや車室内外から到達する音と一緒に運転者,乗客の耳に入る。同時にこれらの音は消音確認マイクM2により検出される。消音確認マイクM2の出力VBは第2周波数選択手段である第2周波数選択器SCF11により周波数選択され、信号PDとしてマイクロプロセッシングユニットMPUに送られる。第2周波数選択器SCF11は第1周波数選択器SCF1と同一の構成をしており、エンジン回転数の2次高調波成分に相当する周波数帯域の信号のみ抽出される。
【0025】マイクロプロセッシングユニットMPUは、前述したように、第2周波数選択器SCF11からの信号を受け、位相調整器BBD1へクロック周波数fを、増幅器A1へゲインKを送出する。マイクロプロセッシングユニットMPUは図5のフローチャートに沿って作動する。
【0026】マイクロプロセッシングユニットMPUがスタートすると、まず、ステップ30において内部のメモリーや入出力ポート等の初期化が行われ、次に、位相調整ステップ(ステップ31〜40)およびゲイン調整ステップ(ステップ41〜49)が繰り返される。
【0027】位相調整ステップにおいては、まず、パワースペクトルの算出が行われる。パワースペクトルとは時間的に変動する量の、2乗平均を周波数成分の分布として表したものである。
【0028】通常、スイッチドキャパシタフィルタSCF11を通過した信号をX(t)と仮定し、 T≦t≦Tの区間だけ観測した信号をxt(t)とすると、パワースペクトルφxx(ω)は、
【0029】
【数1】


【0030】ここで、XT(ω)はxt(t)のフーリエ変換、E[]は期待値を表す。実際にはT→無限大とすることは不可能であるので、ここでは取り込んだデータ数nを用いる。この場合、パワースペクトルφxx(ω)は、
【0031】
【数2】φxx(ω)=E〔lXT(ω)l2 /2n〕
で表される。
【0032】ステップ31では上記のようにしてパワースペクトルφxx(ω)を求め、パワースペクトルφxxiとしている。次に、パワースペクトルを最小にするよう位相調整する。ステップ32にて、位相を現在の値よりΔθだけ進める。これにより位相調整器BBD1によりスイッチドキャパシタフィルタSCF1から出力された信号の位相がΔθだけ進められる。次に、ステップ33にて再びパワースペクトルφxxiを求め、ステップ34にて前回の値に対してレベルが上がったか下がったかを判断する。パワースペクトルφxxiのレベルが下がれば、位相を進めたことがパワースペクトルφxxiを下げることにつながっているので、再び位相をΔθだけ進める(ステップ38)。ステップ39にて再びパワースペクトルφxxiを求め、パワースペクトルφxxiが最小値になるまで位相を進め続ける。ステップ34にてパワースペクトルが前回の値に対して上がっていたならば、位相を遅らせてパワースペクトルを下げる。この場合もパワースペクトルφxxiが最小値になるまで位相を遅らせ続ける。パワースペクトルが最小になった時点で騒音に対して付加音が逆位相になったと判断する。
【0033】次に、ゲイン調整ステップを行う。騒音と付加音のレベルの絶対値が一致したならば騒音と付加音は相殺されるのでパワースペクトルが最小になる。そこで、位相調整ステップと同様にパワースペクトルを最小にするようなゲインを求める。まず、ゲインを上げ、パワースペクトルが増加したならばゲインを下げ続け、パワースペクトルが減少したならばゲインを上げ続ける。パワースペクトルが最小となった時点でゲイン調整ステップを終わる。
【0034】上記のように、エンジン回転数の2次成分に相当する範囲の周波数帯域において、消音確認マイクM2により検出された音のパワースペクトルが最小となるようにスピーカから発生する音の位相およびゲインを調整することにより、エンジンから直接耳に届く騒音と、スピーカから発せられる付加音が相殺され、エンジン回転数の2次成分が耳から入らなくなる。上記において、位相調整器BBD1,増幅器A1,スピーカSP,消音確認マイクM2,第2周波数選択器SCF11,マイクロプロセッシングユニットMPUはフィートバック系を構成しており、騒音に対する逆位相音を発生する逆位相音付与手段として構成されている。
【0035】6気筒エンジンの場合や、他に周波数に追従する騒音が発生する場合には、それぞれの周波数に応じて複数個の逆位相音付与手段を設けてやればよい。
【0036】内部に空間を有する物体に音圧を周期的に印加すると気柱共鳴を起こす。図6は直方体内部における気柱共鳴を示すものである。縦方向長さLを有する気柱の共鳴周波数fは
【0037】
【数3】f=c/2L×iで示される。ここで、cは音速、iは次数である。気柱共鳴が発生すると内部の空間内に音圧分布が発生する。図7は乗用車の室内における縦1次モードの音圧分布を示す。縦1次モードおおける音圧は車室内の前後方向中央付近で最小となり、車室内前後方向に向かうにつれ増大する。また、図8に示すように、図示点線のまわりに対称に発生する。1ボックスカーにおける気柱共鳴は、図9に示すようにより明確である。音圧分布は車室内の縦方向の中心線を中心に上下に対称となる。実際の車両においては、座席の配置や乗客の影響で若干音圧分布がずれるが、ほぼ長さLの点線のまわりに対称となる。
【0038】上述したように、スピーカSPや消音確認用マイクM2は人の耳元に配置することが望ましい。また、通常は、騒音検出用マイクM1は騒音源の近くに配置される。しかし、車室内に気柱共鳴が発生すると、騒音掲出用マイクM1と消音検出用マイクM2の位置によっては音圧が著しく異なってしまう。音圧が異なると消音動作が正確且つ敏速に行えない場合がある。したがって、騒音検出用マイクM1と消音検出用マイクM2は音圧レベルの略等しい位置に配置することが望まれる。
【0039】そこで、騒音検出用マイクM1と消音検出用マイクM2の配置位置における音圧を等しくするには、騒音検出用マイクおよび消音確認用マイクを、車室内で気柱共鳴を起こすときの音圧が対称となる線に対し、その線を中心にしてして垂直方向に等距離位置になるよう配置すればよい。騒音検出用マイクと消音確認用マイクの検出する音の音圧は、車室内で気柱共鳴が発生しても略等しくなるので、消音動作が正確に行える。
【0040】また、車室内を直方体に近似し、該直方体の中心線に対し、垂直方向等距離位置に騒音検出用マイクと消音確認用マイクを設置するようにしてもよい。車室内を直方体に近似すれば、直方体の中心線に対し、垂直方向等距離位置にある点は、気柱共鳴が発生した場合、音圧レベルが略等しくなる。したがって、騒音検出用マイクと消音確認用マイクの検出する音の音圧は、車室内で気柱共鳴が発生しても略等しくなるので、消音動作が正確に行える。
【0041】また、消音確認用マイクおよびスピーカをシートのヘッドレスト近傍に設置し、騒音検出用マイクはシートの背もたれ部の下部に設置するようにしてもよい。
【0042】車室内で気柱共鳴が発生してもヘッドレスト近傍とシートの背もたれ部の下部は音圧レベルが略等しくなる。したがって、騒音検出用マイクと消音確認用マイクの検出する音の音圧は、車室内で気柱共鳴が発生しても略等しくなるので、消音動作が正確に行える。
【0043】上記実施例は車両におけるエンジンの騒音を低減する装置を示したが、本発明はエンジンに限らず、騒音源の状態に応じて騒音部の周波数が変化するようなものにも適用できる。例えば、飛行機の室内において、エンジン音を低減する場合等数々の応用が考えられる。この場合、スイッチドキャパシタフィルタのクロックを調整することで、任意の周波数帯域の騒音を低減すればよい。車両用としては、他に、シートアジャスタの作動音やワイパーの摺動音、トランスミッションの発するシフトチェンジ時の騒音、車両に搭載された電磁弁等の作動音等の低減にも効果を発する。
【0044】本発明を車両に搭載する場合、各座席毎に本発明の騒音低減装置を搭載できる。この場合、本装置の作動を許可・禁止するスイッチを設け、個々の座席で切り換えれるようにするとよい。例えば、後部座席で寝ている人に対しては本装置を作動させ、また、運転者はエンジン音の確認や眠気防止のため本装置の作動を切るようにできる等、その場に応じた対応が可能になる。
【0045】また、上記実施例において、ゲインを調整する際にゲインの量等の定数を加減することで、消音量を任意に決定することができる。これによれば、エンジンの発する音を消すのではなく、音量を低下できるので、エンジンの状態も確認できる上、騒音も低下し、快適にドライブすることができる。スピーカからでる音は単なる逆位相音ではなくなり、騒音をユーザーの好みの音に変えることもできる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、騒音検出用マイクと消音確認用マイクの検出音圧が略等しくなるので、消音動作が正確且つ敏速に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の騒音低減装置の実施例の構成図
【図2】図1のコントローラの回路図
【図3】図2の第1,第2周波数選択器SCF1,SCF11の構造を示す回路図
【図4】4気筒車の室内の騒音分布図
【図5】図2のマイクロプロセッシングユニットMPUのフローチャート
【図6】気柱共鳴の説明図
【図7】乗用車の室内の縦1次モードの音圧分布図
【図8】乗用車の室内の気柱共鳴の説明図
【図9】1ボックスカーの気柱共鳴の説明図
【図10】適合制御方式を使用した従来技術の説明図
【符号の説明】
10 座席
11 ヘッドレスト
12 エンジン
13 コントローラ
14 背もたれ部
20 位相差検出器
21 チャージポンプ
22 ループフィルタ
23 分周器
25 騒音検出用マイク
26 トランスバーサルフィルタ
27 スピーカ
28 消音確認用マイク
29 適応アルゴリズム
A1 増幅器
M1 騒音検出マイク
M2 消音確認マイク
MPU マイクロプロセッシングユニット
N 分周値
BBD1 位相調整器
PP エンジン回転数センサ
SCF スイッチドキャパシタフィルタ
SCF1 第1周波数選択器
SCF11 第2周波数選択器
SP スピーカ
VCO 電圧コントロールオシレータ
φxx(ω),φxxi パワースペクトル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の騒音源の発生する音を検出する騒音検出用マイク、騒音検出用マイクの検出音の逆位相音を発生する逆位相音発生手段、逆位相音発生手段により作成された逆位相音を鳴らすスピーカ、スピーカの近傍に設けられた消音確認用マイク、消音確認用マイクの検出音に応じて逆位相音発生手段の制御を補正する補正手段、を備える騒音低減装置において、前記騒音検出用マイクおよび消音確認用マイクは、車室内で気柱共鳴を起こすときの音圧が対称となる線に対し、その線を中心にしてして垂直方向に等距離位置になるよう配置したことを特徴とする車室内の騒音低減装置。
【請求項2】 1ボックスカーの騒音源の発生する音を検出する騒音検出用マイク、騒音検出用マイクの検出音の逆位相音を発生する逆位相音発生手段、逆位相音発生手段により作成された逆位相音を鳴らすスピーカ、スピーカの近傍に設けられた消音確認用マイク、消音確認用マイクの検出音に応じて逆位相音発生手段の制御を補正する補正手段、を備える騒音低減装置において、前記消音検出マイク及び騒音確認マイクは車室内の中心線に対し、垂直方向の等距離位置に設置したことを特徴とする1ボックスカーの騒音低減装置。
【請求項3】 車両の騒音源の発生する音を検出する騒音検出用マイク、騒音検出用マイクの検出音の逆位相音を発生する逆位相音発生手段、逆位相音発生手段により作成された逆位相音を鳴らすスピーカ、スピーカの近傍に設けられた消音確認用マイク、消音確認用マイクの検出音に応じて逆位相音発生手段の制御を補正する補正手段、を備える騒音低減装置において、車室内を直方体に近似し、該直方体の中心線に対し、垂直方向等距離位置に騒音検出用マイクと消音確認用マイクを設置したことを特徴とする車両の騒音低減装置。
【請求項4】 車両の騒音源の発生する音を検出する騒音検出用マイク、騒音検出用マイクの検出音の逆位相音を発生する逆位相音発生手段、逆位相音発生手段により作成された逆位相音を鳴らすスピーカ、スピーカの近傍に設けられた消音確認用マイク、消音確認用マイクの検出音に応じて逆位相音発生手段の制御を補正する補正手段、を備える騒音低減装置において、前記消音確認用マイクおよびスピーカは、シートのヘッドレスト近傍に設置され、前記騒音検出用マイクはシートの背もたれ部の下部に設置されたことを特徴とする車室内の騒音低減装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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