説明

車室内仕切装置

【課題】左右のセパレートシート間における空間も含めて車室内を前後に仕切ることができるようにする。
【解決手段】左右のセパレートシート18の各シートバック18A、18Bの後面における車幅方向外側部分に一端部22側のみが取り付けられて回動可能とされた支持部材20と、各支持部材20に引出及び巻取可能に支持されるとともに各シートバック18A、18Bの車幅方向の長さよりも長くされたロールカーテンと、各シートバック18A、18Bに設けられ、ロールカーテンの不使用時に各支持部材20の他端部24側を上方位置に保持する第1保持手段46と、各シートバック18A、18Bに設けられ、ロールカーテン30の使用時に各支持部材20の他端部24側を下方位置に保持する第2保持手段44と、車室S内の天井14に設けられ、ロールカーテン30に設けられた係止部が係止される被係止部48と、を有する車室内仕切装置10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室内を前後に仕切る車室内仕切装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンチ型のリアシートにおけるシートバックの上部にロールカーテンを収容し、そのロールカーテンを上方へ引き出して天井のフックに係止させ、後席空間と荷物室空間とを仕切るようにした車両用仕切装置は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−78043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、運転席と助手席、或いは3列シートの2列目シートなどのように、左右にセパレートされているセパレートシートに、特許文献1に記載の車両用仕切装置を適用する場合には、左右のセパレートシートは、それぞれ独立して前後方向に動くため、セパレートシート毎にロールカーテンを設置する必要がある。したがって、この場合、左右のセパレートシート間における空間を前後に仕切ることができない。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、左右のセパレートシート間における空間も含めて車室内を前後に仕切ることができる車室内仕切装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の車室内仕切装置は、左右のセパレートシートの各シートバックの後面に取り付けられるとともに、少なくとも一方は、前記シートバックの後面における車幅方向外側部分に、一端部側のみが取り付けられて、前記後面に沿って回動可能とされた支持部材と、前記各支持部材に、引出及び巻取可能に支持されるとともに、前記少なくとも一方の支持部材に支持される方が、前記シートバックの車幅方向の長さよりも長くされたロールカーテンと、回動可能とされる前記支持部材が取り付けられた前記シートバックに設けられ、前記ロールカーテンの不使用時に、該支持部材の他端部側を上方位置に保持する第1保持手段と、回動可能とされる前記支持部材が取り付けられた前記シートバックに設けられ、前記ロールカーテンの使用時に、該支持部材の他端部側を下方位置に保持する第2保持手段と、車室内の天井に設けられ、前記各ロールカーテンに設けられた係止部が係止される被係止部と、を有することを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、左右のセパレートシートに設けられた各ロールカーテンのうち、少なくとも一方のロールカーテンは、シートバックの車幅方向の長さよりも長くされているので、そのロールカーテンによって、左右のセパレートシート間における空間も含めて、車室内を前後に仕切ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の車室内仕切装置は、請求項1に記載の車室内仕切装置であって、回動可能とされる前記支持部材の前記一端部側は、前記シートバックの下部に取り付けられており、前記ロールカーテンは、前記シートバックの対角線の長さ以下とされていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、回動可能とされる支持部材の一端部側が、シートバックの下部に取り付けられており、ロールカーテンが、シートバックの対角線の長さ以下とされているので、不使用時に、ロールカーテンをシートバックの対角線に沿って配置することにより、そのロールカーテンが邪魔にならないようにできる。
【0010】
また、本発明に係る請求項3に記載の車室内仕切装置は、左右のセパレートシートの各シートバックの後面に取り付けられた第1支持部材と、前記各第1支持部材に、引出及び巻取可能に支持されたロールカーテンと、前記各セパレートシートのうち、一方のシートバックの後面における車幅方向内側部分に、一端部側のみが取り付けられて回動可能とされた第2支持部材と、前記第2支持部材に、引出及び巻取可能に支持されるとともに、前記各セパレートシート間の車幅方向における間隙と同じ長さとされた補助ロールカーテンと、前記第2支持部材が取り付けられた前記シートバックに設けられ、前記補助ロールカーテンの不使用時に、前記第2支持部材の他端部側を保持する保持手段と、車室内の天井に設けられ、前記ロールカーテンに設けられた第1係止部が係止される第1被係止部と、車室内の天井に設けられ、前記補助ロールカーテンに設けられた第2係止部が係止される第2被係止部と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、左右のセパレートシートにそれぞれロールカーテンが設けられるとともに、一方のセパレートシートには、各セパレートシート間の車幅方向における間隙と同じ長さとされた補助ロールカーテンが回動可能に設けられているので、左右のセパレートシート間における空間は、その補助ロールカーテンによって前後に仕切ることができる。つまり、これにより、左右のセパレートシート間における空間も含めて、車室内を前後に仕切ることができる。
【0012】
また、本発明に係る請求項4に記載の車室内仕切装置は、左右のセパレートシートの各シートバックの後面に取り付けられた第1支持部材と、前記各第1支持部材に、引出及び巻取可能に支持されたロールカーテンと、前記各第1支持部材のうち、一方の第1支持部材における車幅方向内側部分に、一端部側のみが取り付けられて回動可能とされた第2支持部材と、前記第2支持部材に、引出及び巻取可能に支持されるとともに、前記各セパレートシート間の車幅方向における間隙と同じ長さとされた補助ロールカーテンと、前記ロールカーテンの引出方向側における車幅方向内側端部と前記補助ロールカーテンの引出方向側における車幅方向外側端部とを回動可能に連結する連結手段と、前記第2支持部材が取り付けられた前記第1支持部材を備えた前記シートバックに設けられ、前記補助ロールカーテンの不使用時に、前記第2支持部材の他端部側を保持する保持手段と、車室内の天井に設けられ、前記ロールカーテンに設けられた係止部が係止される被係止部と、を有することを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、左右のセパレートシートにそれぞれロールカーテンが設けられるとともに、各セパレートシートに取り付けられた第1支持部材の一方に、各セパレートシート間の車幅方向における間隙と同じ長さとされた補助ロールカーテンを支持する第2支持部材が回動可能に設けられているので、左右のセパレートシート間における空間は、その補助ロールカーテンによって前後に仕切ることができる。つまり、これにより、左右のセパレートシート間における空間も含めて、車室内を前後に仕切ることができる。また、補助ロールカーテンは、ロールカーテンに連結されているので、補助ロールカーテンを独立して引き出したり、収納したりする作業が不要となる。
【0014】
また、請求項5に記載の車室内仕切装置は、請求項3又は請求項4に記載の車室内仕切装置であって、前記補助ロールカーテンは、車両上方側と車両下方側にそれぞれ引き出される2枚のカーテンで構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、左右のセパレートシート間における下方空間も含めて車室内を前後に仕切ることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の車室内仕切装置は、請求項5に記載の車室内仕切装置であって、前記補助ロールカーテンの2枚のカーテンのうち、車両下方側に引き出されるカーテンには、錘が取り付けられていることを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、補助ロールカーテンを車両下方側へ自動的に引き出すことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、左右のセパレートシート間における空間も含めて車室内を前後に仕切ることができる車室内仕切装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る車室内仕切装置の不使用時における背面図である。
【図2】第1実施形態に係る車室内仕切装置を拡大して示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る車室内仕切装置の使用時における背面図である。
【図4】第1実施形態に係る車室内仕切装置の使用時における側面図である。
【図5】ロールカーテンのフック部と天井に設けられた被係止部とを示す斜視図である。
【図6】第2実施形態に係る車室内仕切装置の不使用時における背面図である。
【図7】第2実施形態に係る車室内仕切装置を拡大して示す斜視図である。
【図8】第2実施形態に係る車室内仕切装置の使用時における背面図である。
【図9】(A)補助ロールカーテンの構成を示す斜視図である。(B)補助ロールカーテンの構成を示す側面図である。
【図10】第3実施形態に係る車室内仕切装置の不使用時における背面図である。
【図11】第3実施形態に係る車室内仕切装置を拡大して示す斜視図である。
【図12】ロールカーテンに補助ロールカーテンが係合する前の状態を示す斜視図である。
【図13】ロールカーテンに補助ロールカーテンが係合した後の状態を示す斜視図である。
【図14】第3実施形態に係る車室内仕切装置の使用時における背面図である。
【図15】第1実施形態に係る車室内仕切装置の変形例を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、各図において、車体上方向を矢印UPで示し、車体前方向を矢印FRで示し、車幅方向外側を矢印OUTで示す。また、本実施形態に係る車室内仕切装置10は、車両12の運転席と助手席のように、左右にセパレートされたセパレートシート18の各シートバック18A、18Bの後面に、それぞれ設けられるようになっている。
【0021】
まず、第1実施形態に係る車室内仕切装置10について、図1〜図5を基に説明する。なお、図1で示す左右の車室内仕切装置10は、左右対称な形状とされているだけで、それぞれ同じ構成とされている。そのため、図2では右ハンドルとされた車両12の助手席側の車室内仕切装置10のみを示している。
【0022】
図1、図2で示すように、この車室内仕切装置10は、各シートバック18A、18Bの後面下部の車幅方向外側部分に、一端部(側壁22)側のみが取り付けられることで、その後面に沿って回動可能とされた樹脂製の支持部材20を備えている。この支持部材20は、平面視略「U」字状に形成されており、その車幅方向外側における側壁22(一端部)及び車幅方向内側における側壁24(他端部)には、それぞれ貫通孔22A、24Aが形成されている。
【0023】
ロールカーテン30は、後方視界が確保できるとともに通気度が比較的小さくなるようなメッシュ状(図3、図5参照)に形成されており、図示しない付勢部材としてのスプリングにより、巻き取り方向に付勢されて、略矩形箱状のカバー部材36内に収容されている。そして、このロールカーテン30は、その上端部32に設けられたフック部34を把持して引き上げることにより、カバー部材36の上壁に形成されたスリット部36Aから(カバー部材36内から)スプリングの付勢力に抗して引き出されるようになっている。
【0024】
上記したように、ロールカーテン30の上端部32には、後述する被係止部48(図4、図5参照)に係止される係止部としてのフック部34が設けられている。このフック部34は、図5で詳細に示すように、ロールカーテン30の上端部32から、スリット部36Aの長手方向と直交する方向に一体に張り出した座部34Aと、その座部34Aの上面に一体に突設された円柱状の支柱34Bと、その支柱34Bの上端に一体に取り付けられた円板部34Cと、を有している。
【0025】
そして、このフック部34の座部34Aが、カバー部材36のスリット部36Aを構成する辺縁部36Bに下方から支持されることにより、ロールカーテン30の上端部32が、カバー部材36内へ引き込まれることがないようにされるとともに、ロールカーテン30の引き出し操作が、フック部34を把持して行い易いようになっている。
【0026】
また、カバー部材36の両側壁38の外面には、カバー部材36の長手方向に突出する支軸38Aがそれぞれ突設されている。これら各支軸38Aが、支持部材20の各側壁22、24に形成された各貫通孔22A、24Aに、支持部材20が撓み変形することで、それぞれ嵌合されることにより、そのカバー部材36が支持部材20に取り付けられるようになっている。
【0027】
なお、カバー部材36の下壁には、後述する面ファスナー45の一方、例えばループ状に密集して起毛された側(以下「ループ側45A」という)が貼り付けられている(図1、図3参照)。また、支持部材20の車幅方向外側下部には、各支持部材20を各シートバック18A、18Bの後面に回動可能に取り付けるための貫通孔26Aが形成された取付ブラケット26が一体に形成されている。
【0028】
そして、各支持部材20の車幅方向内側上部には、ロールカーテン30の不使用時において、各支持部材20の他端部(側壁24)側を、各シートバック18A、18Bにおける上方位置(ロールカーテン30(カバー部材36)を水平方向に対して所定の角度に傾けた状態)で保持するためのボタン孔28Aが形成された布状の保持部28が取り付けられている。
【0029】
一方、図4で示すように、各シートバック18A、18Bの後面下部における車幅方向外側部分には、ネジ穴42が形成されており、ボルト等の取付部材40が、取付ブラケット26に形成された貫通孔26Aに挿通されて、そのネジ穴42に螺合されるようになっている。これにより、各支持部材20が、各シートバック18A、18Bの後面に、取付部材40(ネジ穴42)を中心に回動可能となるように取り付けられる構成である。
【0030】
また、図1、図3で示すように、各シートバック18A、18Bの後面下部における車幅方向内側には、ロールカーテン30の使用時に、そのカバー部材36を下方位置で保持するための第2保持手段としての面ファスナー45の他方を備えたストッパー部材44が設けられている。
【0031】
すなわち、このストッパー部材44の上面には、面ファスナー45の例えばフック状に起毛された側(以下「フック側45B」という)が設けられており、カバー部材36の下壁に設けられた面ファスナー45のループ側45Aが、その面ファスナー45のフック側45Bに剥離可能に貼り付けられることで、カバー部材36(支持部材20)が下方位置に保持されるようになっている。
【0032】
更に、各シートバック18A、18Bの後面上部における車幅方向内側には、ロールカーテン30の不使用時に、そのカバー部材36(支持部材20)を上方位置で保持するための第1保持手段としてのボタン46が設けられている。つまり、このボタン46が保持部28のボタン孔28Aに嵌められることで、カバー部材36(支持部材20)が上方位置に保持されるようになっている。
【0033】
ここで、ロールカーテン30、即ちカバー部材36の長さは、セパレートシート18のシートバック18A、18Bの幅(車幅方向の長さ)よりも長く、かつシートバック18A、18Bの対角線の長さ以下とされている(対角線の長さと同じか、それよりも若干短くされている)。
【0034】
したがって、このカバー部材36は、不使用時に対角線に沿って配置される上方位置で保持されても、背面視で、シートバック18A、18Bから斜め上方へはみ出ることのない構成である。そして、このロールカーテン30(カバー部材36)は、シートバック18A、18Bの幅方向(車幅方向)に沿って配置される下方位置で保持された使用時に、各セパレートシート18間における空間へはみ出る構成である。
【0035】
つまり、これにより、左右のセパレートシート18間における空間が、各ロールカーテン30の車幅方向内側端部30A(図3参照)によって前後に仕切られる構成である。なお、左右のカバー部材36の長さは、シートバック18A、18Bの幅や対角線の長さ、左右のセパレートシート18間の距離(間隙の大きさ)等によって、適宜(互いに干渉しないように)設定される。
【0036】
また、図3、図4で示すように、カバー部材36から引き出されたロールカーテン30は、車室S内の天井14に設けられた被係止部48にフック部34が係止されることで、その車室S内を前後に仕切るようになっている。すなわち、この被係止部48は、天井14に形成された開口部14Aを閉塞するように、その天井14に設けられるとともに、ルーフリインフォースメント16に支持される構成になっている。
【0037】
詳細には、ルーフリインフォースメント16には、孔部16Aが形成されており、その孔部16Aに、被係止部48の上部に形成された爪部48Aが嵌合係止されることにより、その被係止部48がルーフリインフォースメント16に支持されるようになっている。これにより、被係止部48の剛性が確保される構成である。そして、この被係止部48には、図5で示すように、所謂達磨穴49が形成されている。
【0038】
すなわち、達磨穴49の大きい方の大穴部49Aの内径は、フック部34の円板部34Cを許容可能な大きさとされており、達磨穴49の小さい方の小穴部49Bの内径は、円板部34Cの外径より小さく、かつフック部34の支柱34Bの外径より若干大径とされている。これにより、円板部34Cが大穴部49Aに挿入され、支柱34Bが小穴部49Bに沿って移動することにより、フック部34(円板部34C)が被係止部48に係止される構成である。
【0039】
以上のような構成の第1実施形態に係る車室内仕切装置10において、次にその作用について説明する。
【0040】
まず、ロールカーテン30の不使用時には、図1で示すように、支持部材20(カバー部材36)の車幅方向内側(側壁24側)を、各セパレートシート18の各シートバック18A、18Bの上方位置に保持させる。すなわち、各シートバック18A、18Bの後面上方の車幅方向内側に設けられたボタン46を、保持部28のボタン孔28Aに嵌める。
【0041】
これにより、車両12の走行時において、地面から振動が加えられても、支持部材20(カバー部材36)の車幅方向内側(側壁24側)が、下方位置へ回動することがないようにできる。なお、ロールカーテン30の不使用時に、支持部材20(カバー部材36)の車幅方向内側を保持する第1保持手段は、図示のボタン46(ボタン孔28A)に限定されるものではなく、例えば図示しない面ファスナー等であってもよい。
【0042】
ロールカーテン30を使用する際には、ボタン孔28Aからボタン46を外し、支持部材20(カバー部材36)の車幅方向内側(側壁24側)を下方位置へ回動させる。そして、図3で示すように、そのカバー部材36の下面に取り付けられている面ファスナー45のループ側45Aを、ストッパー部材44の上面に取り付けられている面ファスナー45のフック側45Bに貼り付け、カバー部材36をストッパー部材44に固定する。
【0043】
こうして、カバー部材36をストッパー部材44に固定したら、フック部34を把持してロールカーテン30をスプリングの付勢力に抗して引き上げる。そして、そのフック部34を天井14に設けられた被係止部48に係止する。すなわち、フック部34の円板部34Cを大穴部49Aに挿入し、支柱34Bを小穴部49Bに沿って、大穴部49Aから離れる方向へ移動させる。
【0044】
これにより、フック部34が被係止部48に係止され、各ロールカーテン30により、車室S内が前席側空間と後席側空間とに仕切られる。すなわち、左右のロールカーテン30は、各シートバック18A、18Bの幅よりも長く形成されているため、図3で示すように、各ロールカーテン30の車幅方向内側端部30Aは、それぞれセパレートシート18間における空間にはみ出る。
【0045】
したがって、セパレートシート18間における空間を、各ロールカーテン30の車幅方向内側端部30Aによって、ある程度仕切ることができる。よって、乗員が運転席と助手席にしかいないときに、空調装置によって消費される燃料を低減することができ、燃費の向上を図ることができる。
【0046】
なお、ロールカーテン30をスプリングの付勢力に抗して引き上げる際、カバー部材36は、面ファスナー45によってストッパー部材44に固定されているので、そのカバー部材36が、ロールカーテン30と共に上方へ回動(移動)してしまうような不具合は起きない。
【0047】
さて、各ロールカーテン30を収納するときには、各被係止部48から各フック部34を外す。すなわち、支柱34Bを小穴部49Bに沿って大穴部49Aの方へ移動させ、大穴部49Aから円板部34Cを抜き取る。すると、ロールカーテン30は、スプリングの付勢力によって順次巻き取られ、カバー部材36内に自動的に収容される。
【0048】
その後、ストッパー部材44の面ファスナー45のフック側45Bから、カバー部材36の面ファスナー45のループ側45Aを剥がし、支持部材20(カバー部材36)を、取付部材40(ネジ穴42)を中心に上方へ回動させ、ボタン孔28Aにボタン46を嵌める。これにより、支持部材20(カバー部材36)が上方位置に保持される。
【0049】
ここで、各ロールカーテン30、詳細には各ロールカーテン30を収容した各カバー部材36は、各シートバック18A、18Bの対角線の長さと同じか、それよりも若干短く形成されている。したがって、図1で示したように、ロールカーテン30が、その対角線に沿って配置される不使用時において、背面視で、各カバー部材36が各シートバック18A、18Bからはみ出ることがない。よって、ロールカーテン30の不使用時において、カバー部材36が邪魔になることがない。
【0050】
次に、第2実施形態に係る車室内仕切装置10について、図6〜図9を基に説明する。なお、第1実施形態と同等の部位には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。また、図7では右ハンドルとされた車両12の運転席側の車室内仕切装置10のみを示している。
【0051】
図6で示すように、この第2実施形態に係る車室内仕切装置10では、ロールカーテン30を収容するカバー部材36(支持部材20)が、それぞれ左右のセパレートシート18の各シートバック18A、18Bの後面下部に、車幅方向に沿って固定されている。そして、一方(例えば運転席)のセパレートシート18のシートバック18Bの後面に、ロールカーテン30と同等の補助ロールカーテン60を収容したカバー部材66(支持部材50)が、180°回動可能に設けられている。
【0052】
詳細には、各ロールカーテン30は、各シートバック18A、18Bの幅(車幅方向に沿った長さ)とほぼ同じ長さとされており、支持部材20(第1支持部材)は、図示しないビス等によって、各シートバック18A、18Bの後面下部に車幅方向に沿って固定されている。したがって、例えば図7で示すように、支持部材20には2個のビス孔20Aが形成されている。そして、その支持部材20に、ロールカーテン30(図8参照)が収容されたカバー部材36が、上記第1実施形態と同様に取り付けられている。
【0053】
一方、補助ロールカーテン60は、図8で示すように、各セパレートシート18間における空間を仕切ることができるように、各セパレートシート18間の幅(車幅方向における間隙)とほぼ同じ幅(長さ)に形成されており、例えば運転席側のセパレートシート18のシートバック18Bの後面で、かつ車幅方向内側に設けられた取付部材40により、その取付部材40を中心に180°回動可能に支持されるようになっている。
【0054】
なお、本発明では、補助ロールカーテン60の長さを、各セパレートシート18間の幅(車幅方向における間隙)と同じ長さとしたが、本発明で言う「同じ長さ」とは、実際に長さが同じということだけではなく、各セパレートシート18間における空間を仕切ることができる程度に実質的に長さが同じであるということも含むものである。
【0055】
図7で詳細に示すように、補助ロールカーテン60が収容されるカバー部材66の両側壁68の外面には、支軸38Aと同様の支軸68Aが突設されており、平面視略「U」字状に形成された樹脂製の支持部材50(第2支持部材)の側壁52、54には、それぞれ貫通孔52A、54Aが形成されている。したがって、カバー部材66の各支軸68Aが、各貫通孔52A、54Aに、支持部材50が撓み変形することで嵌合されることにより、そのカバー部材66が支持部材50に取り付けられるようになっている。
【0056】
そして、支持部材50の側壁52側(補助ロールカーテン60の使用時に車幅方向外側に配置される側)には、取付ブラケット56が一体に形成されており、その取付ブラケット56には、貫通孔(図示省略)が形成されている。また、シートバック18Bの後面における車幅方向内側には、ネジ穴(図示省略)が形成されている。したがって、第1実施形態と同様に、取付部材40が貫通孔に挿通されてネジ穴に螺合されることにより、支持部材50がシートバック18Bに、その取付部材40を中心に180°回動可能に取り付けられる構成である。
【0057】
なお、支持部材50の側壁54側(補助ロールカーテン60の使用時に車幅方向内側に配置される側)には、ボタン孔58Aが形成された布状の保持部58が取り付けられている。この保持部58のボタン孔58Aが、シートバック18Bの後面に取り付けられた保持手段としてのボタン76(図6参照)に嵌められることで、支持部材50(補助ロールカーテン60が収容されたカバー部材66)が上方位置に保持される構成である。
【0058】
そして、この支持部材50(カバー部材66)は、図7で示すように、取付ブラケット56の下部側(補助ロールカーテン60の使用時において下方を向く側)の辺縁部56Aが、支持部材20の上端面20Bの車幅方向内側端部に突設されたストッパー部21に当接して支持されることで、下方位置に保持されるようになっている。
【0059】
また、補助ロールカーテン60は、図9で示すように、車両上方側と車両下方側にそれぞれ引き出される2枚のカーテン(以下「上カーテン62」、「下カーテン64」という)が互いに重ねられて巻かれることで構成されている。そして、この補助ロールカーテン60(上カーテン62及び下カーテン64)は、図示しないスプリングにより、巻き取り方向に付勢された状態で、カバー部材66内に収容されている。
【0060】
図7で示すように、上カーテン62は、カバー部材66の上壁に形成されたスリット部66Aから引き出し可能に構成されており、下カーテン64は、カバー部材66の下壁に形成されたスリット部(図示省略)から引き出し可能とされている。そして、下カーテン64の下端部には、下カーテン64の幅方向全体に亘って錘70(図9参照)が取り付けられている。
【0061】
また、上カーテン62の上端部72には、フック部34と同様のフック部74が設けられている。すなわち、このフック部74は、図9で示すように、スリット部66Aの辺縁部66Bに下方から支持される座部74Aと、座部74Aに一体に突設された円柱状の支柱74Bと、支柱74Bの上端部に一体に設けられた円板部74Cと、を有している。
【0062】
したがって、フック部74を把持し、スプリングの付勢力に抗して、上カーテン62を上方へ引き出す動作に伴い、下カーテン64が、錘70の自重によって自動的に下方へ引き出される構成である。これにより、図8で示すように、左右のセパレートシート18間の車体下方側における空間が、下カーテン64によって仕切られる構成である。
【0063】
また、この第2実施形態に係る車室内仕切装置10では、図6、図8で示すように、各ロールカーテン30の各フック部34に対応する各被係止部48と、補助ロールカーテン60(上カーテン62)のフック部74に対応する被係止部78と、が天井14に設けられている。なお、フック部74(第2係止部)に対応する被係止部78(第2被係止部)は、フック部34(第1係止部)に対応する被係止部48(第1被係止部)と同一の構成である。
【0064】
以上のような構成の第2実施形態に係る車室内仕切装置10において、次にその作用について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の作用については、その説明を省略する。
【0065】
まず、補助ロールカーテン60の不使用時には、図6で示すように、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側を、運転席側のセパレートシート18のシートバック18Bの上方位置に保持させる。すなわち、シートバック18Bの後面に設けられたボタン76を、保持部58のボタン孔58Aに嵌める。
【0066】
これにより、車両12の走行時において、地面から振動が加えられても、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側が、下方位置へ回動することがないようにできる。なお、補助ロールカーテン60の不使用時に、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側を保持する保持手段は、図示のボタン76(ボタン孔58A)に限定されるものではなく、例えば面ファスナー等であってもよい。
【0067】
ロールカーテン30及び補助ロールカーテン60を使用する際には、まずボタン孔58Aからボタン76を外し、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側を下方位置へ取付部材40を中心に180°回動させる。このとき、取付ブラケット56の辺縁部56Aが、支持部材20の上端面20Bに突設されたストッパー部21に当接して支持されることで、支持部材50(カバー部材66)が下方位置に保持される。
【0068】
こうして、カバー部材66を左右のセパレートシート18間における空間に配置したら、図8で示すように、フック部74を把持して補助ロールカーテン60における上カーテン62をスプリングの付勢力に抗して引き上げる。すると、その引き上げ動作に伴って、下カーテン64が錘70の自重によって車体下方側へ向かって自動的に引き出される(垂れ下がる)。
【0069】
そして、上カーテン62のフック部74が、天井14に設けられた被係止部78に、上記第1実施形態と同様にして係止されると、下カーテン64の錘70が、車室Sのフロア80に接触する。これにより、セパレートシート18間における空間が、前席側空間と後席側空間とに仕切られる。
【0070】
また、各シートバック18A、18Bに設けられたロールカーテン30のフック部34を把持して、各ロールカーテン30をスプリングの付勢力に抗して引き上げる。そして、各ロールカーテン30の各フック部34を各被係止部48に上記第1実施形態と同様に係止する。これにより、左右のセパレートシート18の車体上方側における空間が、前席側空間と後席側空間とに仕切られる。
【0071】
なお、上カーテン62の引き上げ動作に伴って、下カーテン64が錘70の自重によって、引き出される(垂れ下がる)構成であるため、カバー部材66を上記第1実施形態のように下方位置に固定しなくても、上カーテン62の引き上げ動作時に、カバー部材66が上方位置へ回動するおそれはない。
【0072】
さて、ロールカーテン30及び補助ロールカーテン60を収納するときには、各被係止部48から各ロールカーテン30の各フック部34を外す。すると、各ロールカーテン30は、スプリングの付勢力によって順次巻き取られ、各カバー部材36内に自動的に収容される。
【0073】
また、被係止部78から上カーテン62(補助ロールカーテン60)のフック部74を外す。すると、上カーテン62は、スプリングの付勢力によって順次巻き取られ、カバー部材66内に自動的に収容される。また、この上カーテン62の巻き取り動作に伴って、下カーテン64が錘70の自重に抗して、順次巻き取られ、カバー部材66内に自動的に収容される。
【0074】
こうして、補助ロールカーテン60がカバー部材66内に収容されたら、支持部材50(カバー部材66)を、取付部材40を中心に上方へ回動させ、ボタン孔58Aにボタン76を嵌める。これにより、支持部材50(カバー部材66)が上方位置に保持される。
【0075】
次に、第3実施形態に係る車室内仕切装置10について、図10〜図14を基に説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同等の部位には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。また、図11では右ハンドルとされた車両12の運転席側の車室内仕切装置10のみを示している。
【0076】
図10で示すように、この第3実施形態に係る車室内仕切装置10では、上記第2実施形態と同様に、ロールカーテン30を収容するカバー部材36(支持部材20)が、それぞれ左右のセパレートシート18の各シートバック18A、18Bの後面下部に、車幅方向に沿って固定されている。そして、一方(例えば運転席)のセパレートシート18のシートバック18Bの後面に、補助ロールカーテン60を収容したカバー部材66(支持部材50)が、180°回動可能に設けられている。
【0077】
詳細には、各ロールカーテン30は、各シートバック18A、18Bの幅(車幅方向に沿った長さ)とほぼ同じ長さとされており、支持部材20(第1支持部材)は、図示しないビス等により、各シートバック18A、18Bの後面下部に車幅方向に沿って固定されている。したがって、例えば図11で示すように、支持部材20には2個のビス孔20Aが形成されている。そして、その支持部材20に、ロールカーテン30が収容されたカバー部材36が、上記第1実施形態と同様に取り付けられる。
【0078】
すなわち、図11〜図13で示すように、補助ロールカーテン60が設けられる運転席側のカバー部材36の車幅方向外側の側壁38の外面には、カバー部材36の長手方向に突出する支軸(図示省略)が突設されている。そして、このカバー部材36の車幅方向内側の側壁38には貫通孔38Bが形成されている。この貫通孔38Bからロールカーテン30の巻取軸31の車幅方向内側端部31Aが突出しており、この巻取軸31の車幅方向内側端部31Aは、後述する巻取軸61が嵌合される断面略「D」字状の穴部31Bを有する筒状とされている。
【0079】
したがって、そのカバー部材36が取り付けられる支持部材20の車幅方向内側における側壁24には、その巻取軸31の筒状とされた車幅方向内側端部31Aを挿通できるように、車幅方向外側における側壁22に形成される貫通孔22Aよりも大径とされた貫通孔24Bが形成されている。
【0080】
一方、補助ロールカーテン60は、図14で示すように、各セパレートシート18間における空間を仕切ることができるように、各セパレートシート18間の幅(車幅方向における間隙)とほぼ同じ幅(長さ)に形成されている。なお、本発明では、補助ロールカーテン60の長さを、各セパレートシート18間の幅(車幅方向における間隙)と同じ長さとしたが、本発明で言う「同じ長さ」とは、実際に長さが同じということだけではなく、各セパレートシート18間における空間を仕切ることができる程度に実質的に長さが同じであるということも含むものである。
【0081】
また、図11で示すように、補助ロールカーテン60(上カーテン62)の上端部72における車幅方向外側端部には、貫通孔72Aが形成されており、ロールカーテン30の上端部32における車幅方向内側端部には、貫通孔32Aが形成されている。したがって、連通された各貫通孔32A、72Aに、連結手段としての連結部材41が挿通嵌合されることにより、ロールカーテン30に対して補助ロールカーテン60が、その連結部材41を中心に180°回動可能に連結されるようになっている。つまり、この連結部材41は、筒部(凹部)41Aに凸部41Bが嵌合されることによって取り付けられる構成になっている。
【0082】
また、補助ロールカーテン60の使用時に、カバー部材66の車幅方向内側に配置される側壁68には、支軸68Aが突設されており、カバー部材66の車幅方向外側に配置される側壁69には、貫通孔(図示省略)が形成されている。そして、その貫通孔から、補助ロールカーテン60の巻取軸61の車幅方向外側(補助ロールカーテン60の使用時に車幅方向外側を向く)端部61Aが突出されている。
【0083】
図12、図13で詳細に示すように、補助ロールカーテン60の巻取軸61の少なくとも車幅方向外側端部61Aは、断面略「D」字状に形成されており、ロールカーテン30の巻取軸31の車幅方向内側端部31Aに形成されている断面略「D」字状の穴部31Bに嵌合可能になっている。これにより、ロールカーテン30の巻取軸31と補助ロールカーテン60の巻取軸61とが一体に回転可能となる構成である。
【0084】
また、図11で示すように、平面視略「U」字状に形成された支持部材50(第2支持部材)の側壁52、54には、それぞれ貫通孔52A、54Aが形成されている。したがって、カバー部材66の支軸68Aが貫通孔54Aに嵌合され、巻取軸61が貫通孔52Aに挿通されることにより、カバー部材66が支持部材50に取り付けられるようになっている。
【0085】
また、支持部材50の側壁52側(補助ロールカーテン60の使用時に車幅方向外側に配置される側)には、枢支ブラケット57が一体に形成されており、その枢支ブラケット57には、貫通孔57Aが形成されている。そして、支持部材20の車幅方向内側端部には、枢支ブラケット57、即ち支持部材50を回動可能に支持する支持ブラケット27が一体に形成されており、その支持ブラケット27には、貫通孔27Aが形成されている。
【0086】
したがって、支持ブラケット27の貫通孔27Aと枢支ブラケット57の貫通孔57Aを連通させ、その貫通孔27A、57Aに、連結手段としての連結部材43が挿通嵌合されることにより、支持部材20に対して支持部材50が、その連結部材43を中心に180°回動可能に取り付けられるようになっている。
【0087】
なお、この連結部材43も、筒部(凹部)43Aに凸部43Bが嵌合されることによって取り付けられる構成になっている。また、連結部材41(貫通孔32A、72A)と連結部材43(貫通孔27A、57A)とは、車体前後方向から見て同軸となるように構成されている。
【0088】
また、支持部材50の側壁54側(補助ロールカーテン60の使用時に車幅方向内側に配置される側)には、ボタン孔58Aが形成された布状の保持部58が取り付けられている。この保持部58のボタン孔58Aが、シートバック18Aの後面に取り付けられた保持手段としてのボタン76(図10参照)に嵌められることで、支持部材50(補助ロールカーテン60が収容されたカバー部材66)が上方位置に保持される構成である。
【0089】
そして、この支持部材50(カバー部材66)は、図13、図14で示すように、補助ロールカーテン60の巻取軸61の車幅方向外側端部61Aが、ロールカーテン30の巻取軸31の車幅方向内側端部31Aに形成されている穴部31Bに嵌合されることにより、下方位置に保持される構成である。
【0090】
また、この補助ロールカーテン60も、第2実施形態と同様に、車両上方側と車両下方側にそれぞれ引き出される2枚のカーテン、即ち上カーテン62と下カーテン64とで構成されている。但し、この第3実施形態における補助ロールカーテン60の巻取軸61は、ロールカーテン30の巻取軸31と一体に連結されるため、補助ロールカーテン60(上カーテン62及び下カーテン64)は、スプリングが設けられずに、カバー部材66内に収容されている。
【0091】
また、上カーテン62は、カバー部材66の上壁に形成されたスリット部66A(図11参照)から引き出し可能に構成されており、下カーテン64は、カバー部材66の下壁に形成されたスリット部(図示省略)から引き出し可能とされている。そして、下カーテン64の下端部には、第2実施形態と同様に、錘70が取り付けられている。
【0092】
また、上カーテン62は、ロールカーテン30と一体に連結されているので、上カーテン62の上端部72には、フック部34が設けられていない。なお、補助ロールカーテン60と連結されているロールカーテン30にフック部34を設けずに、上カーテン62の上端部72にフック部34を設ける構成にしてもよい。
【0093】
何れにしても、フック部34を把持し、ロールカーテン30に設けられたスプリングの付勢力に抗して、ロールカーテン30及び上カーテン62を上方へ引き出す動作に伴い、下カーテン64が、錘70の自重によって自動的に下方へ引き出される構成である。これにより、図14で示すように、左右のセパレートシート18間の車体下方側における空間が、下カーテン64によって仕切られる構成である。
【0094】
また、この第3実施形態に係る車室内仕切装置10では、各ロールカーテン30の各フック部34に対応する各被係止部48のみが天井14に設けられている。つまり、助手席側のロールカーテン30のフック部34に対応する被係止部48と、運転席側のロールカーテン30(又は補助ロールカーテン60)のフック部34に対応する被係止部48だけが設けられている。
【0095】
以上のような構成の第3実施形態に係る車室内仕切装置10において、次にその作用について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の作用については、その説明を省略する。
【0096】
まず、補助ロールカーテン60の不使用時には、図10で示すように、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側を、運転席側のセパレートシート18のシートバック18Bの上方位置に保持させる。すなわち、シートバック18Bの後面に設けられたボタン76を、保持部58のボタン孔58Aに嵌める。
【0097】
これにより、車両12の走行時において、地面から振動が加えられても、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側が、下方位置へ回動することがないようにできる。なお、補助ロールカーテン60の不使用時に、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側を保持する保持手段は、図示のボタン76(ボタン孔58A)に限定されるものではなく、例えば面ファスナー等であってもよい。
【0098】
ロールカーテン30及び補助ロールカーテン60を使用する際には、まずボタン孔58Aからボタン76を外し、支持部材50(カバー部材66)の側壁54側を下方位置へ連結部材41、43を中心に180°回動させる。そして、補助ロールカーテン60の巻取軸61の車幅方向外側端部61Aを、ロールカーテン30の巻取軸31の車幅方向内側端部31Aに形成された穴部31Bに嵌合させる。
【0099】
これにより、支持部材50(カバー部材66)が下方位置に保持されるとともに、補助ロールカーテン60の巻取軸61とロールカーテン30の巻取軸31とが一体に連結される。つまり、これにより、ロールカーテン30と補助ロールカーテン60(上カーテン62)とが同期して引出及び巻取可能(回転可能)となる。
【0100】
こうして、カバー部材66を左右のセパレートシート18間における空間に配置したら、図14で示すように、各ロールカーテン30の上端部32に取り付けられたフック部34を把持して、各ロールカーテン30をスプリングの付勢力に抗して引き上げる。
【0101】
すると、運転席側のロールカーテン30に連結されている補助ロールカーテン60の上カーテン62が引き上げられるとともに、その引き上げ動作に伴って、下カーテン64が錘70の自重によって車体下方側へ向かって自動的に引き出される(垂れ下がる)。
【0102】
そして、各ロールカーテン30のフック部34が、天井14に設けられた被係止部48に、上記第1実施形態と同様にして係止されると、下カーテン64の錘70が、車室Sのフロア80に接触する。これにより、各セパレートシート18の車体上方側における空間と、各セパレートシート18間における空間とが、前席側空間と後席側空間とに仕切られる。
【0103】
なお、上カーテン62の引き上げ動作に伴って、下カーテン64が錘70の自重によって、引き出される(垂れ下がる)構成であるため、カバー部材66を上記第1実施形態と同様に下方位置に固定しなくても、上カーテン62の引き上げ動作時に、カバー部材66が上方位置へ回動するおそれはない。
【0104】
また、運転席側のロールカーテン30を引き上げる動作だけで、補助ロールカーテン60(上カーテン62及び下カーテン64)を引き出すことができるので、ロールカーテン30とは別に(独立して)補助ロールカーテン60を引き出したり、収納したりする作業が不要となる。
【0105】
したがって、この第3実施形態に係る構成は、第2実施形態に係る構成に比べて、ロールカーテン30及び補助ロールカーテン60を引き出したり、収納したりする作業が煩瑣にならない。また、補助ロールカーテン60には、スプリングやフック部34を設けなくて済むので、第2実施形態に係る構成に比べて、製造コストを低減することができる。
【0106】
さて、ロールカーテン30及び補助ロールカーテン60を収納するときには、各被係止部48から各ロールカーテン30の各フック部34を外す。すると、各ロールカーテン30及び補助ロールカーテン60(上カーテン62)は、ロールカーテン30のスプリングの付勢力によって順次巻き取られ、各カバー部材36、66内に自動的に収容される。また、上カーテン62の巻き取り動作に伴って、下カーテン64が錘70の自重に抗して、順次巻き取られ、カバー部材66内に自動的に収容される。
【0107】
こうして、補助ロールカーテン60がカバー部材66内に収容されたら、支持部材50(カバー部材66)を、連結部材43(連結部材41)を中心に上方位置へ回動させ、ボタン孔58Aにボタン76を嵌める。これにより、支持部材50(カバー部材66)が上方位置に保持される。
【0108】
以上、本実施形態に係る車室内仕切装置10について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る車室内仕切装置10は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、第1実施形態において、回動させるロールカーテン30は、左右のセパレートシート18のうち、少なくとも一方のシートバック18Bに設けられる構成としてもよい。
【0109】
すなわち、例えば図15で示すように、助手席側の支持部材20(カバー部材36)は固定とし、運転席側の支持部材20(カバー部材36)のみを第1実施形態のように回動させる構成にしてもよい。また、図示の支持部材20は、シートバック18A、18Bに取り付けるための取付部材40によって回動可能となるように構成されているが、取付部材40とは、別に回動支点を設ける構成にしてもよい。
【0110】
また、第2実施形態及び第3実施形態において、補助ロールカーテン60を収容するカバー部材66がフロア80の近傍に配置される構成にすれば、下カーテン64を設けなくてもよい。また、下カーテン64に錘70を設けなくてもよいが、錘70を設けた方が、使用性が向上するので望ましい。更に、図示の支持部材50は、支持部材20の上方位置へ回動されるようになっているが、支持部材50は、支持部材20の下方位置へ回動される構成としてもよい。
【0111】
また、図示の被係止部48、78は、各フック部34、74に対応させて、それぞれ1つずつ設けられているが、各フック部34、74に対応する各被係止部48、78を車体前後方向に複数設け、セパレートシート18の車体前後方向の位置の変動に対応できるようにしてもよい。更に、被係止部48、78を車体前後方向に複数設けるのではなく、図示しないレール等に沿って移動できるように構成してもよい。
【0112】
また、上記実施形態におけるロールカーテン30及び補助ロールカーテン60は、それぞれカバー部材36、66を介して、各支持部材20、50に引出及び巻取可能に支持される構成としたが、カバー部材36、66が設けられず、直接各支持材20、50にロールカーテン30及び補助ロールカーテン60が引出及び巻取可能に支持される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 車室内仕切装置
14 天井
18 セパレートシート
18A シートバック
18B シートバック
20 支持部材(第1支持部材)
22 側壁(一端部)
24 側壁(他端部)
30 ロールカーテン
34 フック部(係止部/第1係止部)
41 連結部材(連結手段)
44 ストッパー部材(第2保持手段)
46 ボタン(第1保持手段)
48 被係止部(第1被係止部)
50 支持部材(第2支持部材)
60 補助ロールカーテン
70 錘
74 フック部(第2係止部)
76 ボタン(保持手段)
78 被係止部(第2被係止部)
S 車室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のセパレートシートの各シートバックの後面に取り付けられるとともに、少なくとも一方は、前記シートバックの後面における車幅方向外側部分に、一端部側のみが取り付けられて、前記後面に沿って回動可能とされた支持部材と、
前記各支持部材に、引出及び巻取可能に支持されるとともに、前記少なくとも一方の支持部材に支持される方が、前記シートバックの車幅方向の長さよりも長くされたロールカーテンと、
回動可能とされる前記支持部材が取り付けられた前記シートバックに設けられ、前記ロールカーテンの不使用時に、該支持部材の他端部側を上方位置に保持する第1保持手段と、
回動可能とされる前記支持部材が取り付けられた前記シートバックに設けられ、前記ロールカーテンの使用時に、該支持部材の他端部側を下方位置に保持する第2保持手段と、
車室内の天井に設けられ、前記各ロールカーテンに設けられた係止部が係止される被係止部と、
を有することを特徴とする車室内仕切装置。
【請求項2】
回動可能とされる前記支持部材の前記一端部側は、前記シートバックの下部に取り付けられており、
前記ロールカーテンは、前記シートバックの対角線の長さ以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の車室内仕切装置。
【請求項3】
左右のセパレートシートの各シートバックの後面に取り付けられた第1支持部材と、
前記各第1支持部材に、引出及び巻取可能に支持されたロールカーテンと、
前記各セパレートシートのうち、一方のシートバックの後面における車幅方向内側部分に、一端部側のみが取り付けられて回動可能とされた第2支持部材と、
前記第2支持部材に、引出及び巻取可能に支持されるとともに、前記各セパレートシート間の車幅方向における間隙と同じ長さとされた補助ロールカーテンと、
前記第2支持部材が取り付けられた前記シートバックに設けられ、前記補助ロールカーテンの不使用時に、前記第2支持部材の他端部側を保持する保持手段と、
車室内の天井に設けられ、前記ロールカーテンに設けられた第1係止部が係止される第1被係止部と、
車室内の天井に設けられ、前記補助ロールカーテンに設けられた第2係止部が係止される第2被係止部と、
を有することを特徴とする車室内仕切装置。
【請求項4】
左右のセパレートシートの各シートバックの後面に取り付けられた第1支持部材と、
前記各第1支持部材に、引出及び巻取可能に支持されたロールカーテンと、
前記各第1支持部材のうち、一方の第1支持部材における車幅方向内側部分に、一端部側のみが取り付けられて回動可能とされた第2支持部材と、
前記第2支持部材に、引出及び巻取可能に支持されるとともに、前記各セパレートシート間の車幅方向における間隙と同じ長さとされた補助ロールカーテンと、
前記ロールカーテンの引出方向側における車幅方向内側端部と前記補助ロールカーテンの引出方向側における車幅方向外側端部とを回動可能に連結する連結手段と、
前記第2支持部材が取り付けられた前記第1支持部材を備えた前記シートバックに設けられ、前記補助ロールカーテンの不使用時に、前記第2支持部材の他端部側を保持する保持手段と、
車室内の天井に設けられ、前記ロールカーテンに設けられた係止部が係止される被係止部と、
を有することを特徴とする車室内仕切装置。
【請求項5】
前記補助ロールカーテンは、車両上方側と車両下方側にそれぞれ引き出される2枚のカーテンで構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車室内仕切装置。
【請求項6】
前記補助ロールカーテンの2枚のカーテンのうち、車両下方側に引き出されるカーテンには、錘が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の車室内仕切装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−236447(P2012−236447A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105239(P2011−105239)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】