車椅子用昇降機
【課題】車椅子用昇降機の設置スペースの省スペース化を図りつつ、昇降機を構成する各ユニットを軽量かつコンパクトに構成するとともに容易に組立及び左右それぞれの仕様に組替えできるものとし、さらに、安全に使用することができる車椅子用昇降機を提供する。
【解決手段】ベースフレーム2と、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱3と、この支柱に掛止されるテーブル部4と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープ5と、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジ6と、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵8とからなり車椅子の進入退出方向がL字状となる車椅子用の昇降機において、ブリッジとブリッジの操作手段7及び安全柵を左右組替え可能に構成した。
【解決手段】ベースフレーム2と、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱3と、この支柱に掛止されるテーブル部4と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープ5と、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジ6と、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵8とからなり車椅子の進入退出方向がL字状となる車椅子用の昇降機において、ブリッジとブリッジの操作手段7及び安全柵を左右組替え可能に構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子を使用した状態で段差を越えるために、車椅子を昇降させる車椅子用昇降機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の人口が増加してきており、家庭内においての介護や自宅療養の必要性がますます増大している。そのために、車椅子を利用している方の外出機会も多々発生することとなり、屋内と屋外間に生じる段差を解消するために車椅子用昇降機を設置することは当然のことといえる。そして、かかる車椅子用昇降機は、設置及び搬送といった観点からみると複数のユニットに分解可能とした構造とし、容易に組立できるものが好まれる。また、使用における観点からみると住宅環境により車椅子用昇降機を設置するスペースが十分ない場合も多く、できる限りコンパクトな構造のものが好まれる。
まず、搬送に適した車椅子用昇降機として、例えば、ベースフレームと、このベースフレーム上に立設される支柱と、該支柱に昇降自在に具備されるテーブル部とから主に構成されたものがある(例えば、特許文献1)。
また、テーブル部に隣設するように配置されるスロープにも水平部分を一体的に構成して、テーブル上で車椅子を旋回可能に構成した車椅子用昇降機もある(例えば、特許文献2)。
【0003】
上記特許文献1により提案された車椅子用昇降機においては、それぞれのユニットの搬送及びそれらの組立は非常に容易にできるものとなっている。しかしながら、この車椅子用昇降機は、進入方向と退出方向が同一であるために、テーブル部の外側に車椅子が配置可能なスペースが必要であり、比較的広い屋外スペースがないと使用できないといった問題点があった。
また、上記特許文献2により提案された車椅子用昇降機においては、車椅子のテーブル面とスロープに設けた水平部分を利用することでテーブル部上で車椅子を旋回させることが可能に構成されており、進入方向と退出方向を交差させるように利用する車椅子用昇降機とされている。したがって、この車椅子用昇降機は従来のものと比較して狭いスペースで使用することもできるものとなっている。しかしながら、テーブル部を上昇させて室内に入るときの橋渡し部材が明記されておらず、実際の使用に供する場合、安全に使用できるものか明確ではない。
そして、これを解消するためにテーブル部と段差上面との橋渡しとなるブリッジとこのブリッジの操作手段を設けた場合には、テーブル部に乗り込む方向に対して右側に退出する右仕様(第1図(a)参照)と左側に退出する左仕様(第1図(b)参照)ができる。 これらをそれぞれの仕様毎に提供することは容易いが、例えば客先で実際に使用者に使用状態を見て頂きながら使い勝手の良い仕様を選択して頂くことができるものが好ましいと考えられる。この場合にはスロープの取り付けられるテーブル部側面に隣設する両側面にそれぞれブリッジが取付可能であることと、このブリッジの操作手段が左右何れのブリッジであっても操作可能であることが必要となる。
【特許文献1】特開2004−229798号公報
【特許文献2】登録実用新案第3101000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、車椅子用昇降機の設置スペースの省スペース化を図りつつ、昇降機を構成する各ユニットを軽量かつコンパクトに構成するとともに容易に組立及び左右それぞれの仕様に組替えできるものとし、さらに、安全に使用することができる車椅子用昇降機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ベースフレームと、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープと、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジと、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵とからなり車椅子の進入退出方向がL字状となる車椅子用の昇降機において、ブリッジとブリッジの操作手段及び安全柵を左右組替え可能に構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、操作手段を支持部材に回動自在に枢着された一対のリンク片と、操作レバーとロッドから構成し、操作レバー及びロッドはブリッジの取付方向に応じて向きをかえて支持部材あるいはリンク片に取り付け可能に構成するとともに、支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、操作手段を操作レバーに枢着されたリンク片と、このリンク片を枢着した支持部材と、リンク片に一端部を枢支し他端部を少なくとも180度回転自在に構成してなるロッドからなるように構成するとともに、この操作手段を向きをかえて支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、ベースフレームと、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープと、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジと、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵とからなる各ユニット毎に構成されており、搬送に適している。また、車椅子の進入退出方向がL字状となるようにして使用されるものであるので、狭いスペースでも使用できるものとなっている。さらに、ブリッジとこのブリッジの操作手段及び安全柵が左右どちら側にも取付可能となっているので左右それぞれの仕様形態でも容易に組替えできる。
請求項2の発明によれば、ブリッジの操作手段を一対のリンク片が取り付けられた支持部材と、左右の向きをかえて取付可能な操作レバーと、左右のリンク片のどちらにでも取付可能なロッドから構成しているので、左右それぞれの仕様形態に組替えできる。
請求項3の発明によれば、ブリッジの操作手段を操作レバーに枢着されたリンク片と、このリンク片を枢着した支持部材と、リンク片に一端部を枢支し他端部を少なくとも180度回転自在に構成してなるロッドからなるように構成して、さらに、この操作手段を向きをかえて支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成しているので、分解することなく左右それぞれの使用形態に組替えできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
車椅子用昇降機において、ベースフレームと昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部とスロープ及びブリッジ、さらに、ブリッジの起伏操作をするための操作手段とブリッジに対向する側面に取り付けられる安全柵とに分解可能に構成する。そして、上記テーブルはテーブルフレームとテーブル板とからなり、スロープやブリッジはU字上のフックに掛止した状態でテーブル板を止着することにより抜け止めされるように構成する。そして、ベースフレームの一側部に止着される安全柵に連動部材を接触させることでスロープは自動的に起伏するように設ける。さらに、テーブル部にはガイド部材を止着して、安全柵に沿って摺動可能に構成する。これにより、テーブル部のガタツキが軽減するとともに、テーブルからの落下を防止している。
【0008】
さらに、前記安全柵及びブリッジはテーブル部の左右何れにも取付可能となっており、設置条件によって使用しやすい仕様で組み立てることができる。さらに、ブリッジの操作手段についても左右の組替えが容易にできるよう構成されている。したがって、本発明における車椅子用昇降機は、各ユニット毎にコンパクトに構成され、容易に搬送できるものとなっている。さらに、組立も容易にできる構成であり、例えば、レンタル等の搬送や組立作業が必要な場合にも適している。さらに、設置条件などによって左右それぞれの仕様に組替えることも容易にでき、使い勝手にも優れている。
また、使用者にとっては、段差上面とテーブル部との橋渡し部材となるブリッジも備えられており、安全に使用できる。また、スロープやブリッジは起立させておくことで車止めとなっており、テーブル面からの転落を防止でき、非常に安全である。
【実施例1】
【0009】
つぎに、本発明における車椅子用の昇降機を図面に基いて説明する。
第1図は、本発明に係る車椅子用の昇降機の使用形態を示す全体斜視図である。第2図は、その全体平面図である。第3図は、その全体正面図である。第4図は、その全体側面図である。第5図は、組立方法説明図(1)である。第6図は、支柱部を示す全体側断面図である。第7図は、組立方法説明図(2)である。第8図は、ブリッジの操作手段の構成を示す説明図である。第9図は、操作手段の組立方法を示す要部側断面図である。
【0010】
本発明における車椅子用の昇降機1は主として、設置部材となるベースフレーム2と、このベースフレーム2上に立設される支柱3と、該支柱3に掛止され車椅子Kの搭乗面となるテーブル部4と、このテーブル部4の端部に上下回動自在に取り付けられ段差の下面とテーブル部4間の橋渡しとなるスロープ5と、段差の上面とテーブル部4との橋渡しとなるブリッジ6と、このブリッジ6の操作手段7と、前記ブリッジ6に対向するように取り付けられるガイド部材を兼ねた安全柵8とから主に構成され、前記支柱3には昇降機構9が具備されており前記テーブル部4を上下に昇降可能に構成している。
【0011】
最初に、上記各ユニットの構成について説明する。
まず、上記ベースフレーム2について説明する。このベースフレーム2は、支柱3が取り付けられる支持プレート10が固着された基部パイプ11aの両端に前後方向の縦パイプ11b,11bをそれぞれ固着し、さらに該縦パイプ11b,11bの端部に左右方向の横パイプ11cを固着して平面視において略々矩形状に構成された枠フレーム11を備えている。そして、この枠フレーム11内には支持プレート10下面から対向する横パイプ11cに向かって補強パイプ12,12が固着されている。また、この枠フレーム11の四隅にはプレート13,13,・・・を固着し、該プレート13,13,・・・にそれぞれ固着されたナット(図示省略)にアジャスターボルト14,14,・・・を螺着して、安定して設置できるようにしている。なお、前記支持プレート10には上方に突出するピン10aと該ピン10aを挟むように空孔部10b,10bが穿たれており、該空孔部10b,10b下方にナット(図示省略)が固着されている。また、縦パイプ11b,11bには左右に突出する状態で安全柵8の取付部材15,15,15,・・・が固着されている。
【0012】
次に、3は昇降機構9を備えた支柱であり、本実施形態では角柱としている。この支柱3は前記ベースフレーム2の支持プレート10に固定される側面視において略々L字状の取付プレート16上に立設された内側パイプ3aの外周部を摺動自在にライニング(図示省略)を介して外側パイプ3bが取り付けられてなるもので、該内側パイプ3a及び外側パイプ3bに以下に説明する昇降機構9を設けている。なお、前記取付プレート16には前記支持プレート10の空孔部10b,10b及びピン10aに対応する空孔部16a,16a,16aが穿たれている。17は螺軸で、前記内側パイプ3aの上端に止着された螺合体18に螺合されて、上端は外側パイプ3bの上部に止着されたブラケット19により軸受けさるとともに、カップリング20が止着される。そして、この螺軸17の上方に固定されるモーター21の動力軸に取り付けられるカップリング22と前記カップリング20を噛み合わせ、モーター21の回転により前記螺軸17を回転させ、内側パイプ3aに固定されている螺合体18に対して相対的に外側パイプ3bが上下に摺動するよう構成されたものである。なお、前記モーター21の制御装置(図示省略)は摺動枠3bの一側面にとりつけられるカバー23の中に配されている。そして、支柱3に掛止可能な操作スイッチ(図示省略)により昇降操作可能に構成されている。
【0013】
さらに、上記外側パイプ3bの下部にはテーブル部4を取り付けるための取付部材25が固着されている。これは、プレート25a,25aを外側パイプ3b側に向けて固着したもので、このプレート25a,25aの上端にはU字状の切欠き溝25b,25bが穿設されるとともに、この切欠き溝25b,25bの下方に固定ネジ(図示省略)が螺着可能に空孔部25c,25cが穿たれ、さらにナット部材25d,25dが固着されている。なお、26はナットであり、ボルト部材(図示省略)を螺着し、後述するテーブルフレーム27にこのボルト部材(図示省略)を接当させることによりテーブル面の上反角を調節するものである。
【0014】
次に車椅子の搭乗面となるテーブル部4について説明する。このテーブル部4はテーブルフレーム27とテーブル板28とからなり、テーブルフレーム27は次のように構成されている。まず、左右方向の横パイプ27a,27aを一定間隔離間させた状態でこの横パイプ27a,27a両端に縦パイプ27b,27bを固着することで平面視において略々矩形状に構成し、この内部には補強パイプ29,29,29が固着されている。また、支柱3側の横パイプ27aには、この横パイプ27aの中間部に位置するように逆U字状の基部パイプ30の先端部が固着され、この基部パイプ30と該横パイプ27aとの中間部に上記支柱3に設けられた取付部材25に対応する取付プレート31が固着される。この取付プレート31は平面視において支柱3側が開口部となる略々コ字状に構成されており、上部には案内ピン31aが固着され、下部の両側面には円弧状の空孔部31b,31bが穿たれている。
なお、このテーブルフレーム27の縦パイプ27b,27bにはそれぞれ略々U字状のフック32,32,32,・・・が固着されている。このフック32,32,32,・・・には後述するブリッジ6が掛止される。また、基部パイプ30が固着された横パイプ27aに対向する横パイプ27aにも同様にフック32,32が固着されている。このフック32,32には後述するスロープ5が掛止される。そして、テーブルフレーム27上には一側片を上方へ折り曲げてなるL字状のテーブル板28が載置され、ネジ止めにより固定することによってブリッジ6及びスロープ5が抜け止めされた状態となるように構成されている。
【0015】
続いて、段差の下面とテーブル部4との橋渡しとなるスロープ5について説明する。
このスロープ5は、当該昇降機1のテーブルフレーム27よりも僅かに大きいピットを掘り、テーブル部4上面と段差の下面との高さを略々同一とした状態で設置する場合には必要のないものであるが、そのような工事をしない場合にテーブル部4上面と地面との僅かな段差をスロープ5によって緩やかな角度として車椅子Kの進入あるいは退出を容易に行うためのものである。
このスロープ5は、脱輪防止のため両側部が上方に曲折されたスロープ板33と、このスロープ板33を止着する取付部材34とからなる。詳述すると、この取付部材34はスロープ板33幅よりもやや長いパイプ(図示省略)の両端に取付プレート34a,34aを固着したものである。なお、この取付プレート34a,34aにはそれぞれの回動軸34b,34bの軸心が同一直線上に位置するように固着されるとともに、それぞれ空孔部34c,34cが穿たれている。なお、35はローラーでスロープ5の起伏運動を滑らかにするためのものである。そして、この取付部材34には、プレート(図示省略)が固着されており、これにスロープ板33をネジ止めしてスロープ5は構成されている。
【0016】
次に、安全柵8について説明する。
この安全柵8はコ字状に曲折された下側パイプ36と上側パイプ37とから主に構成されるものである。そして、下側パイプ36には空孔部38aが穿たれたプレート38,38が固着されており、このプレート38,38を上記ベースフレーム2に固着された取付プレート15,15に止着される。そして、上側パイプ37を下側パイプ36と一体となるように止着して安全柵8は構成されている。なお、安全柵8の内部には防護幕あるいはプレートなどを取り付けておく。
【0017】
なお、前記スロープ5の安全柵8側の取付プレート34aには、次のように構成してなる連動部材39が止着され、この連動部材39と前記安全柵8によって自動的に起伏するように構成されている。
まず、この連動部材39はL字状のパイプ39aの一端部に取付プレート34aにネジ止めするプレート39bが固着されており、他端部には転動自在にローラー40が支承されてなるものである。そして、このローラー40は、車椅子用昇降機1の使用状態では安全柵8の下面及び前面に沿って転動する状態となっている。
そして、連動部材39は次のように作用する。
まず、テーブル部4が最低位にある状態では、連動部材39のローラー40が安全柵8の下側パイプ36の水平部の下面に接当する状態となり、段差の下側にスロープ5が倒伏した状態となっている。この状態では、スロープ5によって段差の下面とテーブル部4が緩やかな角度で橋渡しできており、車椅子Kでの進入退出が容易にできるようになっている。
この状態から徐々にテーブル部4を上昇させていくと、ローラー40が下側パイプ36の下面を転動しながら下側パイプ36の垂直部に沿って転動するため、スロープ5が徐々に起立するように構成されている。したがって、テーブル部4が最低位にない場合にはスロープ5が起立した状態となっており、スロープ5自体が転落防止の効果を有している。なお、テーブル部4の下降時には上述した上昇時の作用と逆の作用となり、テーブル部4が最低位に近づくと自動的にスロープ5が倒伏するものである。
【0018】
次に、段差の上面と上記テーブル部4との橋渡しとして使用するブリッジ6について説明する。
このブリッジ6は、上述したスロープ5と略々同様の構成となっており、脱輪防止のため両側部が上方に曲折されたブリッジ板41と、該ブリッジ板41を止着し、回動の基端となるローラー42,42が支承される回動軸(図示省略)を備えた取付部材43とからなる。前記スロープ5と異なる部分は、スロープ幅がテーブルフレーム27の横パイプ27a程度であるのに対して、ブリッジ幅が縦パイプ27b程度であることである。
【0019】
このように構成されたブリッジ6を上下回動する操作手段7は次のように構成されている。まず、テーブルフレーム27の基部パイプ30の肩部に固着された一対の軸受44,44に操作手段7は取り付けられる。
この操作手段7は、主として支持部材45と操作レバー46と、一対のリンク片47,47及びロッド48からなるものである。
まず、支持部材45は、プレートを曲折して一体的に構成した支持プレート49と山型形状の支持パイプ50からなる。この支持プレート49は両端部にブラケット部49a,49aを備えるとともに中間部の断面形状がL字状となっており、中間部の上面は平面視においてブラケット49a,49a面からはみ出すように形成されている。そしてこの上面中間部には凹部切欠き49bが設けられている。そして、この支持プレート49上面に支持パイプ50を固着して支持部材45は構成されている。なお、支持パイプ50上面には空孔部50aが穿たれている。
このように構成した支持部材45には操作レバー46が止着される。この操作レバー46は、テーブル幅程度の把持部を有するものであり、本実施例では台形状の操作レバー46としている。そして、この操作レバー46には上側水平部の下面に突出するようにピン46aを固着し、下側水平部の上面にネジ51を螺着している。
これらの組立方法は、第9図に示すように支持部材45の空孔部50aに操作レバー46のピン46aを挿入し、操作レバー46の下部を支持部材45の中央水平部下面に嵌め込む。このときに、操作レバー46に螺着されているネジ51を切欠き49bに嵌め込むようにして取り付け、ネジ51を締め付けることで操作レバー46を固定する。なお、操作レバー46のピン46a及びネジ51は操作レバー46の中間部から左右何れかに偏った位置に設けてある。これは、操作レバー46を操作して、ブリッジ6を起立させた状態では安全柵8に接触することなく、また、ブリッジ6を倒伏させたときには、ブリッジ6から離れた状態でもブリッジ6の操作をできるようにするためであり、テーブル部4に対してブリッジ6を組替える必要があるときには、操作レバー46を180度回転させて組み立てることによって何れの方向であっても使用し易い位置に操作レバー46の把持部を位置させることができるように構成されたものとなっている。
【0020】
次に、上述した支持部材45のブラケット部49a,49aにはリンク片47,47が回転自在な状態で取り付けられる。このリンク片47は、だるま状の形状をしたプレート52に支軸53及びストッパピン54を固着するとともに、ボス55を固着してなるもので、このボス55と支軸53の間には空孔部52aが穿たれている。このように構成されたリンク片47,47のボス55,55を前記支持部材45のブラケット部45a,45aに枢着している。
そして、この状態でテーブルフレーム27の軸受44,44に支軸53,53を枢着して、操作手段7を取り付ける。さらに、ブリッジ6側のリンク片47の空孔部52aとブリッジ6の取付部材43に設けた空孔部43a間にロッド48を取り付けることによって、操作レバー46の操作によりブリッジ6を起立あるいは倒伏できるように構成したものである。なお、前記ストッパピン54はブリッジ6が起立状態にあるときにロッド48が死点越えした状態でリンク片47,47の回動を拘束するためのものであり、この状態で通常は昇降される。この状態では、ブリッジ6に車椅子Kなどが接触して倒伏させようとしてもブリッジ6は回動しない状態となっており、安全に使用できるようになっている。
なお、ロッド48はクランク状に曲折されたものであり、一端部は軸径以上の形状となる肥大部48aが形成され、他端部には空孔部48bが穿たれている。このロッド48はリンク片47の空孔部52aにロッド48の空孔部48b側から挿通させ、肥大部48aが空孔部52aに引っ掛かる状態として、空孔部48b側をブリッジ6の取付部材43に設けた空孔部43aに挿通させ、ピン等によって抜け止めするように構成されている。
【0021】
なお、56はガイド部材であり、テーブル部4に止着されてテーブル部4の揺れを抑えるとともに、スロープ5を起伏させる連動部材39がずれずにローラー40が正常に下側パイプ36の下面及び側面に沿って転動するように設けられたものである。詳述すると、L字状に曲折した固定部材56aの上部両端に筒体56b,56bを固着してなるものであり、この筒体56b,56bは安全柵8の下側パイプ36に挿通されて、上下に摺動自在となっている。
【0022】
続いて、上述のように構成された各ユニットによる車椅子用昇降機の組立方法について説明する。まず、ベースフレームを設置したい場所に載置する。このベースフレーム2の支持プレート10に固着されたピン10aが内側パイプ3a下端部の取付プレート16の空孔部16aに挿通されるように位置決めし、残る空孔部16a,16aにボルト(図示省略)を挿通し、支持プレート10の空孔部10b,10b下部に固着したナット(図示省略)に螺着することによりベースフレーム2上に支柱3を立設させる。このようにピン10aによって位置決めされるので、片手で支柱3を支えながら位置決めする必要がなく容易に組立できる。
【0023】
次に、支柱3の取付部材25とテーブルフレーム27の取付プレート31の組立について説明する。
これは、取付部材25の切欠き溝25b,25bに取付プレート31の案内ピン31aを掛止して、空孔部31b,31bにボルト(図示省略)を挿通し、取付部材25の空孔部25c,25cに通して、ナット部材25d,25dに螺着することによって固定するものである。
次にスロープ5とブリッジ6をテーブルフレーム27に固着したフック32,32,32,・・・に掛けておく。そして、ブリッジ6に対向するベースフレーム2の取付部材15,15に安全柵8の下側パイプ37を止着しておく。なお、安全柵8は下側パイプ37にガイド部材56の筒体56b,56bを挿通させ、下側パイプ36に上側パイプ37を止着した状態にある。また、スロープ5の安全柵8側に位置する取付部材34には連動部材39を止着しておく。
そして、テーブル板28をテーブルフレーム27上に載置し、ガイド部材56とテーブル板27をネジ止めしてテーブルフレーム27に固定する。この状態で、スロープ5とブリッジ6はテーブル板28によって抜け止めされた状態となっている。
最後に、ブリッジ6の操作手段7について説明する。
まず、テーブルフレーム27に固着された軸受44,44にはリンク片47,47のそれぞれの支軸53,53を枢着する。そして、リンク片47,47が取り付けられている支持部材45に操作レバー46を固定する。このとき、操作レバー46のピン46aを中心として長い方をブリッジ6側になるように取り付けるもので、ピン46aを支持パイプ50の空孔部50aに挿通して、操作レバー46に螺着されているネジ51を支持プレート49の切欠き49bに嵌め込むようにして挿通させ、ネジ51により固定する。なお、操作レバー46は支持プレート49と支持パイプ50との間隔よりも僅かに狭く構成されており、このテンションによってガタツキが防止されている。また、切欠き49bがスリットが一体的に構成されたものであるので操作レバー46のネジ51を外さなくても組みつけられるようになっており、ネジ51の紛失防止の効果がある。
最後に、ブリッジ6側に位置するリンク片47の空孔部52aとブリッジ6の操作手段7側の取付部材43の空孔部43aにロッド48を取り付けて車椅子用昇降機1となる。このロッド48は一端部が空孔部52aに引っ掛かる肥大部48aとなっているので、他方側から空孔部52aに通して、取付部材43の空孔部43aに挿通させ、ピンなどによって固定する。
【0024】
続いて、上述の車椅子用昇降機1の使用方法について説明する。この車椅子用昇降機1は、テーブル部4を最低位にした状態で車椅子Kで乗り込む。このとき、スロープ7は安全柵8と連動部材39の作用によって倒伏しており、車椅子Kで乗り込める状態となっている。そこで、車椅子Kの使用者はテーブル部4上に後退しながら搭乗する(第2図矢印(イ))。然る後、車椅子Kを旋回させて車椅子Kが完全にテーブル部4上に位置するように移動する。このとき、車椅子Kの後部が支柱3側に接触するが、第3図に示すように操作レバー46の下側水平部の高さを車椅子Kの最後部の高さと略々同一高さにしておくことによって、これがバンパーとなって旋回時に他の部材に引っ掛かったり、破損したりすることが軽減できる。
そして、スイッチの操作によってテーブル部4を上昇させる。この上昇動作に連動するようにスロープ5は起立状態となり、転落防止のためのガード部材として機能するように構成されている。
テーブル部4の高さが段差上面の高さと略々同一となった時点で、テーブル部4の上昇操作を止める。そして、操作レバー46を押し出すようにしてブリッジ6を倒伏させる。ブリッジが倒伏されると、段差上面と略々同一平面が形成されるのでそのまま前進する(第2図矢印(ロ))。段差上面に移動できれば、再度操作レバー46を押し込みブリッジ6を起立させておく。
なお、段差上面から段差下面に降りる場合にはこの逆の手順となる。
【0025】
これまで説明してきたように、本発明に係る車椅子用昇降機1は各ユニットに分解及び組立できるように構成されており、狭い通路であっても搬送作業が容易に行えるようになっている。また、各部を調節することなく容易に組立ができるので不慣れな方であっても問題なく組立することができる。また、ブリッジ6と安全柵8が入れ替わった逆の仕様であっても操作手段7は容易く組替えできるように構成されているので使用者の要望により、素早く組替えができる。
また、ブリッジとスロープを隣設するテーブルフレームに取り付けることによって、車椅子の進入方向と退出方向が直交する状態で使用できるので設置スペース及び使用に必要なスペースが従来よりも狭いところで使用できる。
【実施例2】
【0026】
続いて、実施例2として上述と異なる操作手段7について説明する。
第10図は、ブリッジ6の操作手段7の構成を示す説明図である。第11図は、その取付方法を示す説明図である。
この操作手段7は、支持部材57を備えている。この支持部材57は空孔部58a,58aを備えたパイプ58の両端にコ字状のブラケット59,59を固着してなるものである。このブラケット59,59には実施例1と略々同様なリンク片60,60がそれぞれ支承されており、このリンク片60,60間にロッド61が回動自在な状態で支承されている。そして、このリンク片60,60は操作レバー62に取り付けられている。この操作レバー62は実施例1と略々同様な形状で内部には補強パイプ63を固着している。そして、適所にリンク片60,60を取り付けるためのブラケット64,64を固着している。このように構成された操作レバー62のブラケット64,64をリンク片60,60に支承して操作手段7としている。なお、この実施例ではロッド61の先端を少なくとも180度回動できるようにナット部材61aを固着した第一ロッド61bと一端部にネジ部61cを設けた第2ロッド61dからなるよう構成している。そして、実施例1と同様に第2ロッドの他端部には空孔部61eが穿たれており、ブリッジ6の取付部材43の空孔部43aに挿通後、ピン止めできるようになっている。
このように構成された操作手段7は、実施例1のように組替えの際に分解することなく、向きを変えるだけで取り付けることができ、実施例1よりもさらに組立しやすいように構成されている。
そして、この操作手段7は第11図のように支柱3に固着した軸受65,65に取り付けられるようにしているが、実施例1のようにテーブルフレーム27に設けた軸受44,44に取り付けるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】車椅子用昇降機の使用形態を示す全体斜視図
【図2】その全体平面図
【図3】その全体正面図
【図4】その全体側面図
【図5】組立方法説明図(1)
【図6】支柱を示す全体側断面図
【図7】組立方法説明図(2)
【図8】ブリッジの操作手段の構成を示す説明図(実施例1)
【図9】その組立方法を示す要部側断面図(実施例1)
【図10】ブリッジの操作手段の構成を示す説明図(実施例2)
【図11】取付方法を示す説明図(実施例2)
【符号の説明】
【0028】
1 車椅子昇降機
2 ベースフレーム
3 支柱
4 テーブル部
5 スロープ
6 ブリッジ
7 操作手段
8 安全柵
9 昇降機構
27 テーブルフレーム
28 テーブル板
45 支持部材
46 操作レバー
47 リンク片
48 ロッド
51 ネジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子を使用した状態で段差を越えるために、車椅子を昇降させる車椅子用昇降機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の人口が増加してきており、家庭内においての介護や自宅療養の必要性がますます増大している。そのために、車椅子を利用している方の外出機会も多々発生することとなり、屋内と屋外間に生じる段差を解消するために車椅子用昇降機を設置することは当然のことといえる。そして、かかる車椅子用昇降機は、設置及び搬送といった観点からみると複数のユニットに分解可能とした構造とし、容易に組立できるものが好まれる。また、使用における観点からみると住宅環境により車椅子用昇降機を設置するスペースが十分ない場合も多く、できる限りコンパクトな構造のものが好まれる。
まず、搬送に適した車椅子用昇降機として、例えば、ベースフレームと、このベースフレーム上に立設される支柱と、該支柱に昇降自在に具備されるテーブル部とから主に構成されたものがある(例えば、特許文献1)。
また、テーブル部に隣設するように配置されるスロープにも水平部分を一体的に構成して、テーブル上で車椅子を旋回可能に構成した車椅子用昇降機もある(例えば、特許文献2)。
【0003】
上記特許文献1により提案された車椅子用昇降機においては、それぞれのユニットの搬送及びそれらの組立は非常に容易にできるものとなっている。しかしながら、この車椅子用昇降機は、進入方向と退出方向が同一であるために、テーブル部の外側に車椅子が配置可能なスペースが必要であり、比較的広い屋外スペースがないと使用できないといった問題点があった。
また、上記特許文献2により提案された車椅子用昇降機においては、車椅子のテーブル面とスロープに設けた水平部分を利用することでテーブル部上で車椅子を旋回させることが可能に構成されており、進入方向と退出方向を交差させるように利用する車椅子用昇降機とされている。したがって、この車椅子用昇降機は従来のものと比較して狭いスペースで使用することもできるものとなっている。しかしながら、テーブル部を上昇させて室内に入るときの橋渡し部材が明記されておらず、実際の使用に供する場合、安全に使用できるものか明確ではない。
そして、これを解消するためにテーブル部と段差上面との橋渡しとなるブリッジとこのブリッジの操作手段を設けた場合には、テーブル部に乗り込む方向に対して右側に退出する右仕様(第1図(a)参照)と左側に退出する左仕様(第1図(b)参照)ができる。 これらをそれぞれの仕様毎に提供することは容易いが、例えば客先で実際に使用者に使用状態を見て頂きながら使い勝手の良い仕様を選択して頂くことができるものが好ましいと考えられる。この場合にはスロープの取り付けられるテーブル部側面に隣設する両側面にそれぞれブリッジが取付可能であることと、このブリッジの操作手段が左右何れのブリッジであっても操作可能であることが必要となる。
【特許文献1】特開2004−229798号公報
【特許文献2】登録実用新案第3101000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、車椅子用昇降機の設置スペースの省スペース化を図りつつ、昇降機を構成する各ユニットを軽量かつコンパクトに構成するとともに容易に組立及び左右それぞれの仕様に組替えできるものとし、さらに、安全に使用することができる車椅子用昇降機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ベースフレームと、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープと、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジと、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵とからなり車椅子の進入退出方向がL字状となる車椅子用の昇降機において、ブリッジとブリッジの操作手段及び安全柵を左右組替え可能に構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、操作手段を支持部材に回動自在に枢着された一対のリンク片と、操作レバーとロッドから構成し、操作レバー及びロッドはブリッジの取付方向に応じて向きをかえて支持部材あるいはリンク片に取り付け可能に構成するとともに、支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、操作手段を操作レバーに枢着されたリンク片と、このリンク片を枢着した支持部材と、リンク片に一端部を枢支し他端部を少なくとも180度回転自在に構成してなるロッドからなるように構成するとともに、この操作手段を向きをかえて支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、ベースフレームと、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープと、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジと、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵とからなる各ユニット毎に構成されており、搬送に適している。また、車椅子の進入退出方向がL字状となるようにして使用されるものであるので、狭いスペースでも使用できるものとなっている。さらに、ブリッジとこのブリッジの操作手段及び安全柵が左右どちら側にも取付可能となっているので左右それぞれの仕様形態でも容易に組替えできる。
請求項2の発明によれば、ブリッジの操作手段を一対のリンク片が取り付けられた支持部材と、左右の向きをかえて取付可能な操作レバーと、左右のリンク片のどちらにでも取付可能なロッドから構成しているので、左右それぞれの仕様形態に組替えできる。
請求項3の発明によれば、ブリッジの操作手段を操作レバーに枢着されたリンク片と、このリンク片を枢着した支持部材と、リンク片に一端部を枢支し他端部を少なくとも180度回転自在に構成してなるロッドからなるように構成して、さらに、この操作手段を向きをかえて支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成しているので、分解することなく左右それぞれの使用形態に組替えできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
車椅子用昇降機において、ベースフレームと昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部とスロープ及びブリッジ、さらに、ブリッジの起伏操作をするための操作手段とブリッジに対向する側面に取り付けられる安全柵とに分解可能に構成する。そして、上記テーブルはテーブルフレームとテーブル板とからなり、スロープやブリッジはU字上のフックに掛止した状態でテーブル板を止着することにより抜け止めされるように構成する。そして、ベースフレームの一側部に止着される安全柵に連動部材を接触させることでスロープは自動的に起伏するように設ける。さらに、テーブル部にはガイド部材を止着して、安全柵に沿って摺動可能に構成する。これにより、テーブル部のガタツキが軽減するとともに、テーブルからの落下を防止している。
【0008】
さらに、前記安全柵及びブリッジはテーブル部の左右何れにも取付可能となっており、設置条件によって使用しやすい仕様で組み立てることができる。さらに、ブリッジの操作手段についても左右の組替えが容易にできるよう構成されている。したがって、本発明における車椅子用昇降機は、各ユニット毎にコンパクトに構成され、容易に搬送できるものとなっている。さらに、組立も容易にできる構成であり、例えば、レンタル等の搬送や組立作業が必要な場合にも適している。さらに、設置条件などによって左右それぞれの仕様に組替えることも容易にでき、使い勝手にも優れている。
また、使用者にとっては、段差上面とテーブル部との橋渡し部材となるブリッジも備えられており、安全に使用できる。また、スロープやブリッジは起立させておくことで車止めとなっており、テーブル面からの転落を防止でき、非常に安全である。
【実施例1】
【0009】
つぎに、本発明における車椅子用の昇降機を図面に基いて説明する。
第1図は、本発明に係る車椅子用の昇降機の使用形態を示す全体斜視図である。第2図は、その全体平面図である。第3図は、その全体正面図である。第4図は、その全体側面図である。第5図は、組立方法説明図(1)である。第6図は、支柱部を示す全体側断面図である。第7図は、組立方法説明図(2)である。第8図は、ブリッジの操作手段の構成を示す説明図である。第9図は、操作手段の組立方法を示す要部側断面図である。
【0010】
本発明における車椅子用の昇降機1は主として、設置部材となるベースフレーム2と、このベースフレーム2上に立設される支柱3と、該支柱3に掛止され車椅子Kの搭乗面となるテーブル部4と、このテーブル部4の端部に上下回動自在に取り付けられ段差の下面とテーブル部4間の橋渡しとなるスロープ5と、段差の上面とテーブル部4との橋渡しとなるブリッジ6と、このブリッジ6の操作手段7と、前記ブリッジ6に対向するように取り付けられるガイド部材を兼ねた安全柵8とから主に構成され、前記支柱3には昇降機構9が具備されており前記テーブル部4を上下に昇降可能に構成している。
【0011】
最初に、上記各ユニットの構成について説明する。
まず、上記ベースフレーム2について説明する。このベースフレーム2は、支柱3が取り付けられる支持プレート10が固着された基部パイプ11aの両端に前後方向の縦パイプ11b,11bをそれぞれ固着し、さらに該縦パイプ11b,11bの端部に左右方向の横パイプ11cを固着して平面視において略々矩形状に構成された枠フレーム11を備えている。そして、この枠フレーム11内には支持プレート10下面から対向する横パイプ11cに向かって補強パイプ12,12が固着されている。また、この枠フレーム11の四隅にはプレート13,13,・・・を固着し、該プレート13,13,・・・にそれぞれ固着されたナット(図示省略)にアジャスターボルト14,14,・・・を螺着して、安定して設置できるようにしている。なお、前記支持プレート10には上方に突出するピン10aと該ピン10aを挟むように空孔部10b,10bが穿たれており、該空孔部10b,10b下方にナット(図示省略)が固着されている。また、縦パイプ11b,11bには左右に突出する状態で安全柵8の取付部材15,15,15,・・・が固着されている。
【0012】
次に、3は昇降機構9を備えた支柱であり、本実施形態では角柱としている。この支柱3は前記ベースフレーム2の支持プレート10に固定される側面視において略々L字状の取付プレート16上に立設された内側パイプ3aの外周部を摺動自在にライニング(図示省略)を介して外側パイプ3bが取り付けられてなるもので、該内側パイプ3a及び外側パイプ3bに以下に説明する昇降機構9を設けている。なお、前記取付プレート16には前記支持プレート10の空孔部10b,10b及びピン10aに対応する空孔部16a,16a,16aが穿たれている。17は螺軸で、前記内側パイプ3aの上端に止着された螺合体18に螺合されて、上端は外側パイプ3bの上部に止着されたブラケット19により軸受けさるとともに、カップリング20が止着される。そして、この螺軸17の上方に固定されるモーター21の動力軸に取り付けられるカップリング22と前記カップリング20を噛み合わせ、モーター21の回転により前記螺軸17を回転させ、内側パイプ3aに固定されている螺合体18に対して相対的に外側パイプ3bが上下に摺動するよう構成されたものである。なお、前記モーター21の制御装置(図示省略)は摺動枠3bの一側面にとりつけられるカバー23の中に配されている。そして、支柱3に掛止可能な操作スイッチ(図示省略)により昇降操作可能に構成されている。
【0013】
さらに、上記外側パイプ3bの下部にはテーブル部4を取り付けるための取付部材25が固着されている。これは、プレート25a,25aを外側パイプ3b側に向けて固着したもので、このプレート25a,25aの上端にはU字状の切欠き溝25b,25bが穿設されるとともに、この切欠き溝25b,25bの下方に固定ネジ(図示省略)が螺着可能に空孔部25c,25cが穿たれ、さらにナット部材25d,25dが固着されている。なお、26はナットであり、ボルト部材(図示省略)を螺着し、後述するテーブルフレーム27にこのボルト部材(図示省略)を接当させることによりテーブル面の上反角を調節するものである。
【0014】
次に車椅子の搭乗面となるテーブル部4について説明する。このテーブル部4はテーブルフレーム27とテーブル板28とからなり、テーブルフレーム27は次のように構成されている。まず、左右方向の横パイプ27a,27aを一定間隔離間させた状態でこの横パイプ27a,27a両端に縦パイプ27b,27bを固着することで平面視において略々矩形状に構成し、この内部には補強パイプ29,29,29が固着されている。また、支柱3側の横パイプ27aには、この横パイプ27aの中間部に位置するように逆U字状の基部パイプ30の先端部が固着され、この基部パイプ30と該横パイプ27aとの中間部に上記支柱3に設けられた取付部材25に対応する取付プレート31が固着される。この取付プレート31は平面視において支柱3側が開口部となる略々コ字状に構成されており、上部には案内ピン31aが固着され、下部の両側面には円弧状の空孔部31b,31bが穿たれている。
なお、このテーブルフレーム27の縦パイプ27b,27bにはそれぞれ略々U字状のフック32,32,32,・・・が固着されている。このフック32,32,32,・・・には後述するブリッジ6が掛止される。また、基部パイプ30が固着された横パイプ27aに対向する横パイプ27aにも同様にフック32,32が固着されている。このフック32,32には後述するスロープ5が掛止される。そして、テーブルフレーム27上には一側片を上方へ折り曲げてなるL字状のテーブル板28が載置され、ネジ止めにより固定することによってブリッジ6及びスロープ5が抜け止めされた状態となるように構成されている。
【0015】
続いて、段差の下面とテーブル部4との橋渡しとなるスロープ5について説明する。
このスロープ5は、当該昇降機1のテーブルフレーム27よりも僅かに大きいピットを掘り、テーブル部4上面と段差の下面との高さを略々同一とした状態で設置する場合には必要のないものであるが、そのような工事をしない場合にテーブル部4上面と地面との僅かな段差をスロープ5によって緩やかな角度として車椅子Kの進入あるいは退出を容易に行うためのものである。
このスロープ5は、脱輪防止のため両側部が上方に曲折されたスロープ板33と、このスロープ板33を止着する取付部材34とからなる。詳述すると、この取付部材34はスロープ板33幅よりもやや長いパイプ(図示省略)の両端に取付プレート34a,34aを固着したものである。なお、この取付プレート34a,34aにはそれぞれの回動軸34b,34bの軸心が同一直線上に位置するように固着されるとともに、それぞれ空孔部34c,34cが穿たれている。なお、35はローラーでスロープ5の起伏運動を滑らかにするためのものである。そして、この取付部材34には、プレート(図示省略)が固着されており、これにスロープ板33をネジ止めしてスロープ5は構成されている。
【0016】
次に、安全柵8について説明する。
この安全柵8はコ字状に曲折された下側パイプ36と上側パイプ37とから主に構成されるものである。そして、下側パイプ36には空孔部38aが穿たれたプレート38,38が固着されており、このプレート38,38を上記ベースフレーム2に固着された取付プレート15,15に止着される。そして、上側パイプ37を下側パイプ36と一体となるように止着して安全柵8は構成されている。なお、安全柵8の内部には防護幕あるいはプレートなどを取り付けておく。
【0017】
なお、前記スロープ5の安全柵8側の取付プレート34aには、次のように構成してなる連動部材39が止着され、この連動部材39と前記安全柵8によって自動的に起伏するように構成されている。
まず、この連動部材39はL字状のパイプ39aの一端部に取付プレート34aにネジ止めするプレート39bが固着されており、他端部には転動自在にローラー40が支承されてなるものである。そして、このローラー40は、車椅子用昇降機1の使用状態では安全柵8の下面及び前面に沿って転動する状態となっている。
そして、連動部材39は次のように作用する。
まず、テーブル部4が最低位にある状態では、連動部材39のローラー40が安全柵8の下側パイプ36の水平部の下面に接当する状態となり、段差の下側にスロープ5が倒伏した状態となっている。この状態では、スロープ5によって段差の下面とテーブル部4が緩やかな角度で橋渡しできており、車椅子Kでの進入退出が容易にできるようになっている。
この状態から徐々にテーブル部4を上昇させていくと、ローラー40が下側パイプ36の下面を転動しながら下側パイプ36の垂直部に沿って転動するため、スロープ5が徐々に起立するように構成されている。したがって、テーブル部4が最低位にない場合にはスロープ5が起立した状態となっており、スロープ5自体が転落防止の効果を有している。なお、テーブル部4の下降時には上述した上昇時の作用と逆の作用となり、テーブル部4が最低位に近づくと自動的にスロープ5が倒伏するものである。
【0018】
次に、段差の上面と上記テーブル部4との橋渡しとして使用するブリッジ6について説明する。
このブリッジ6は、上述したスロープ5と略々同様の構成となっており、脱輪防止のため両側部が上方に曲折されたブリッジ板41と、該ブリッジ板41を止着し、回動の基端となるローラー42,42が支承される回動軸(図示省略)を備えた取付部材43とからなる。前記スロープ5と異なる部分は、スロープ幅がテーブルフレーム27の横パイプ27a程度であるのに対して、ブリッジ幅が縦パイプ27b程度であることである。
【0019】
このように構成されたブリッジ6を上下回動する操作手段7は次のように構成されている。まず、テーブルフレーム27の基部パイプ30の肩部に固着された一対の軸受44,44に操作手段7は取り付けられる。
この操作手段7は、主として支持部材45と操作レバー46と、一対のリンク片47,47及びロッド48からなるものである。
まず、支持部材45は、プレートを曲折して一体的に構成した支持プレート49と山型形状の支持パイプ50からなる。この支持プレート49は両端部にブラケット部49a,49aを備えるとともに中間部の断面形状がL字状となっており、中間部の上面は平面視においてブラケット49a,49a面からはみ出すように形成されている。そしてこの上面中間部には凹部切欠き49bが設けられている。そして、この支持プレート49上面に支持パイプ50を固着して支持部材45は構成されている。なお、支持パイプ50上面には空孔部50aが穿たれている。
このように構成した支持部材45には操作レバー46が止着される。この操作レバー46は、テーブル幅程度の把持部を有するものであり、本実施例では台形状の操作レバー46としている。そして、この操作レバー46には上側水平部の下面に突出するようにピン46aを固着し、下側水平部の上面にネジ51を螺着している。
これらの組立方法は、第9図に示すように支持部材45の空孔部50aに操作レバー46のピン46aを挿入し、操作レバー46の下部を支持部材45の中央水平部下面に嵌め込む。このときに、操作レバー46に螺着されているネジ51を切欠き49bに嵌め込むようにして取り付け、ネジ51を締め付けることで操作レバー46を固定する。なお、操作レバー46のピン46a及びネジ51は操作レバー46の中間部から左右何れかに偏った位置に設けてある。これは、操作レバー46を操作して、ブリッジ6を起立させた状態では安全柵8に接触することなく、また、ブリッジ6を倒伏させたときには、ブリッジ6から離れた状態でもブリッジ6の操作をできるようにするためであり、テーブル部4に対してブリッジ6を組替える必要があるときには、操作レバー46を180度回転させて組み立てることによって何れの方向であっても使用し易い位置に操作レバー46の把持部を位置させることができるように構成されたものとなっている。
【0020】
次に、上述した支持部材45のブラケット部49a,49aにはリンク片47,47が回転自在な状態で取り付けられる。このリンク片47は、だるま状の形状をしたプレート52に支軸53及びストッパピン54を固着するとともに、ボス55を固着してなるもので、このボス55と支軸53の間には空孔部52aが穿たれている。このように構成されたリンク片47,47のボス55,55を前記支持部材45のブラケット部45a,45aに枢着している。
そして、この状態でテーブルフレーム27の軸受44,44に支軸53,53を枢着して、操作手段7を取り付ける。さらに、ブリッジ6側のリンク片47の空孔部52aとブリッジ6の取付部材43に設けた空孔部43a間にロッド48を取り付けることによって、操作レバー46の操作によりブリッジ6を起立あるいは倒伏できるように構成したものである。なお、前記ストッパピン54はブリッジ6が起立状態にあるときにロッド48が死点越えした状態でリンク片47,47の回動を拘束するためのものであり、この状態で通常は昇降される。この状態では、ブリッジ6に車椅子Kなどが接触して倒伏させようとしてもブリッジ6は回動しない状態となっており、安全に使用できるようになっている。
なお、ロッド48はクランク状に曲折されたものであり、一端部は軸径以上の形状となる肥大部48aが形成され、他端部には空孔部48bが穿たれている。このロッド48はリンク片47の空孔部52aにロッド48の空孔部48b側から挿通させ、肥大部48aが空孔部52aに引っ掛かる状態として、空孔部48b側をブリッジ6の取付部材43に設けた空孔部43aに挿通させ、ピン等によって抜け止めするように構成されている。
【0021】
なお、56はガイド部材であり、テーブル部4に止着されてテーブル部4の揺れを抑えるとともに、スロープ5を起伏させる連動部材39がずれずにローラー40が正常に下側パイプ36の下面及び側面に沿って転動するように設けられたものである。詳述すると、L字状に曲折した固定部材56aの上部両端に筒体56b,56bを固着してなるものであり、この筒体56b,56bは安全柵8の下側パイプ36に挿通されて、上下に摺動自在となっている。
【0022】
続いて、上述のように構成された各ユニットによる車椅子用昇降機の組立方法について説明する。まず、ベースフレームを設置したい場所に載置する。このベースフレーム2の支持プレート10に固着されたピン10aが内側パイプ3a下端部の取付プレート16の空孔部16aに挿通されるように位置決めし、残る空孔部16a,16aにボルト(図示省略)を挿通し、支持プレート10の空孔部10b,10b下部に固着したナット(図示省略)に螺着することによりベースフレーム2上に支柱3を立設させる。このようにピン10aによって位置決めされるので、片手で支柱3を支えながら位置決めする必要がなく容易に組立できる。
【0023】
次に、支柱3の取付部材25とテーブルフレーム27の取付プレート31の組立について説明する。
これは、取付部材25の切欠き溝25b,25bに取付プレート31の案内ピン31aを掛止して、空孔部31b,31bにボルト(図示省略)を挿通し、取付部材25の空孔部25c,25cに通して、ナット部材25d,25dに螺着することによって固定するものである。
次にスロープ5とブリッジ6をテーブルフレーム27に固着したフック32,32,32,・・・に掛けておく。そして、ブリッジ6に対向するベースフレーム2の取付部材15,15に安全柵8の下側パイプ37を止着しておく。なお、安全柵8は下側パイプ37にガイド部材56の筒体56b,56bを挿通させ、下側パイプ36に上側パイプ37を止着した状態にある。また、スロープ5の安全柵8側に位置する取付部材34には連動部材39を止着しておく。
そして、テーブル板28をテーブルフレーム27上に載置し、ガイド部材56とテーブル板27をネジ止めしてテーブルフレーム27に固定する。この状態で、スロープ5とブリッジ6はテーブル板28によって抜け止めされた状態となっている。
最後に、ブリッジ6の操作手段7について説明する。
まず、テーブルフレーム27に固着された軸受44,44にはリンク片47,47のそれぞれの支軸53,53を枢着する。そして、リンク片47,47が取り付けられている支持部材45に操作レバー46を固定する。このとき、操作レバー46のピン46aを中心として長い方をブリッジ6側になるように取り付けるもので、ピン46aを支持パイプ50の空孔部50aに挿通して、操作レバー46に螺着されているネジ51を支持プレート49の切欠き49bに嵌め込むようにして挿通させ、ネジ51により固定する。なお、操作レバー46は支持プレート49と支持パイプ50との間隔よりも僅かに狭く構成されており、このテンションによってガタツキが防止されている。また、切欠き49bがスリットが一体的に構成されたものであるので操作レバー46のネジ51を外さなくても組みつけられるようになっており、ネジ51の紛失防止の効果がある。
最後に、ブリッジ6側に位置するリンク片47の空孔部52aとブリッジ6の操作手段7側の取付部材43の空孔部43aにロッド48を取り付けて車椅子用昇降機1となる。このロッド48は一端部が空孔部52aに引っ掛かる肥大部48aとなっているので、他方側から空孔部52aに通して、取付部材43の空孔部43aに挿通させ、ピンなどによって固定する。
【0024】
続いて、上述の車椅子用昇降機1の使用方法について説明する。この車椅子用昇降機1は、テーブル部4を最低位にした状態で車椅子Kで乗り込む。このとき、スロープ7は安全柵8と連動部材39の作用によって倒伏しており、車椅子Kで乗り込める状態となっている。そこで、車椅子Kの使用者はテーブル部4上に後退しながら搭乗する(第2図矢印(イ))。然る後、車椅子Kを旋回させて車椅子Kが完全にテーブル部4上に位置するように移動する。このとき、車椅子Kの後部が支柱3側に接触するが、第3図に示すように操作レバー46の下側水平部の高さを車椅子Kの最後部の高さと略々同一高さにしておくことによって、これがバンパーとなって旋回時に他の部材に引っ掛かったり、破損したりすることが軽減できる。
そして、スイッチの操作によってテーブル部4を上昇させる。この上昇動作に連動するようにスロープ5は起立状態となり、転落防止のためのガード部材として機能するように構成されている。
テーブル部4の高さが段差上面の高さと略々同一となった時点で、テーブル部4の上昇操作を止める。そして、操作レバー46を押し出すようにしてブリッジ6を倒伏させる。ブリッジが倒伏されると、段差上面と略々同一平面が形成されるのでそのまま前進する(第2図矢印(ロ))。段差上面に移動できれば、再度操作レバー46を押し込みブリッジ6を起立させておく。
なお、段差上面から段差下面に降りる場合にはこの逆の手順となる。
【0025】
これまで説明してきたように、本発明に係る車椅子用昇降機1は各ユニットに分解及び組立できるように構成されており、狭い通路であっても搬送作業が容易に行えるようになっている。また、各部を調節することなく容易に組立ができるので不慣れな方であっても問題なく組立することができる。また、ブリッジ6と安全柵8が入れ替わった逆の仕様であっても操作手段7は容易く組替えできるように構成されているので使用者の要望により、素早く組替えができる。
また、ブリッジとスロープを隣設するテーブルフレームに取り付けることによって、車椅子の進入方向と退出方向が直交する状態で使用できるので設置スペース及び使用に必要なスペースが従来よりも狭いところで使用できる。
【実施例2】
【0026】
続いて、実施例2として上述と異なる操作手段7について説明する。
第10図は、ブリッジ6の操作手段7の構成を示す説明図である。第11図は、その取付方法を示す説明図である。
この操作手段7は、支持部材57を備えている。この支持部材57は空孔部58a,58aを備えたパイプ58の両端にコ字状のブラケット59,59を固着してなるものである。このブラケット59,59には実施例1と略々同様なリンク片60,60がそれぞれ支承されており、このリンク片60,60間にロッド61が回動自在な状態で支承されている。そして、このリンク片60,60は操作レバー62に取り付けられている。この操作レバー62は実施例1と略々同様な形状で内部には補強パイプ63を固着している。そして、適所にリンク片60,60を取り付けるためのブラケット64,64を固着している。このように構成された操作レバー62のブラケット64,64をリンク片60,60に支承して操作手段7としている。なお、この実施例ではロッド61の先端を少なくとも180度回動できるようにナット部材61aを固着した第一ロッド61bと一端部にネジ部61cを設けた第2ロッド61dからなるよう構成している。そして、実施例1と同様に第2ロッドの他端部には空孔部61eが穿たれており、ブリッジ6の取付部材43の空孔部43aに挿通後、ピン止めできるようになっている。
このように構成された操作手段7は、実施例1のように組替えの際に分解することなく、向きを変えるだけで取り付けることができ、実施例1よりもさらに組立しやすいように構成されている。
そして、この操作手段7は第11図のように支柱3に固着した軸受65,65に取り付けられるようにしているが、実施例1のようにテーブルフレーム27に設けた軸受44,44に取り付けるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】車椅子用昇降機の使用形態を示す全体斜視図
【図2】その全体平面図
【図3】その全体正面図
【図4】その全体側面図
【図5】組立方法説明図(1)
【図6】支柱を示す全体側断面図
【図7】組立方法説明図(2)
【図8】ブリッジの操作手段の構成を示す説明図(実施例1)
【図9】その組立方法を示す要部側断面図(実施例1)
【図10】ブリッジの操作手段の構成を示す説明図(実施例2)
【図11】取付方法を示す説明図(実施例2)
【符号の説明】
【0028】
1 車椅子昇降機
2 ベースフレーム
3 支柱
4 テーブル部
5 スロープ
6 ブリッジ
7 操作手段
8 安全柵
9 昇降機構
27 テーブルフレーム
28 テーブル板
45 支持部材
46 操作レバー
47 リンク片
48 ロッド
51 ネジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレームと、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープと、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジと、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵とからなり車椅子の進入退出方向がL字状となる車椅子用の昇降機において、ブリッジとブリッジの操作手段及び安全柵を左右組替え可能に構成したことを特徴とする車椅子用昇降機。
【請求項2】
上記操作手段を支持部材に回動自在に枢着された一対のリンク片と、操作レバーとロッドから構成し、操作レバー及びロッドはブリッジの取付方向に応じて向きをかえて支持部材あるいはリンク片に取り付け可能に構成するとともに、支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする操作手段を備えた請求項1記載の車椅子用昇降機。
【請求項3】
上記操作手段を操作レバーに枢着されたリンク片と、このリンク片を枢着した支持部材と、リンク片に一端部を枢支し他端部を少なくとも180度回転自在に構成してなるロッドからなるように構成するとともに、この操作手段を向きをかえて支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする操作手段を備えた請求項1記載の車椅子用昇降機。
【請求項1】
ベースフレームと、このベースフレームに立設される昇降機構を備えた支柱と、この支柱に掛止されるテーブル部と、このテーブル部の支柱取付側に対向する側部に取り付けられるスロープと、このスロープに隣設する側部に取り付けられるブリッジと、ブリッジの取付側に対向する側部に配されベースフレームに取り付けられる安全柵とからなり車椅子の進入退出方向がL字状となる車椅子用の昇降機において、ブリッジとブリッジの操作手段及び安全柵を左右組替え可能に構成したことを特徴とする車椅子用昇降機。
【請求項2】
上記操作手段を支持部材に回動自在に枢着された一対のリンク片と、操作レバーとロッドから構成し、操作レバー及びロッドはブリッジの取付方向に応じて向きをかえて支持部材あるいはリンク片に取り付け可能に構成するとともに、支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする操作手段を備えた請求項1記載の車椅子用昇降機。
【請求項3】
上記操作手段を操作レバーに枢着されたリンク片と、このリンク片を枢着した支持部材と、リンク片に一端部を枢支し他端部を少なくとも180度回転自在に構成してなるロッドからなるように構成するとともに、この操作手段を向きをかえて支柱あるいはテーブルフレームの基部パイプに取付可能に構成したことを特徴とする操作手段を備えた請求項1記載の車椅子用昇降機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−213461(P2006−213461A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27820(P2005−27820)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(394006129)株式会社いうら (63)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(394006129)株式会社いうら (63)
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