説明

車用ごみ容器

【課題】 車内の美観を損ねることなく、ごみ容器の設置が簡潔にできしかも車の走行時に揺れ倒れがなく、ごみ容器の着脱操作性も良好な車用ごみ容器を提供する。
【解決手段】 立方体形の箱体5と、上記箱体5の上面又は側面に設けた開口部5Aと、上記箱体の片側面5B又は底面5Cに設けた第一係着手段10Aと、車内の床面2又は側壁面3Aに設け上記第一係着手段に係着される第二係着手段10Bと、を具備した車用ごみ容器100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、乗用車やトラック・バス等の車内の座席付近に固定して使用する車用ごみ容器に係り、特に、車内の美観を損ねることなく、ごみ容器の設置が簡潔にでき、しかも車の走行時に揺れ倒れがなく、ごみ容器の着脱操作性も良好な車用ごみ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、乗用車やトラック・バス等の車内の座席付近に固定して使用する車用ごみ容器が提供されている。その代表的な事例を挙げれば、必要時に簡単にゴミ袋を装着することができ、不必要な時にはすっきりと収納されて邪魔になることのない車輌用の簡易ゴミ袋装着装置がある。具体的な構成は、車体の内装基材に軸受部材を介してゴミ袋吊下用の半環状部材を前記内装基材の前面に添って折り畳まれた不使用納状態と内装基材の前面から略水平に張出された使用状態の2態様に保持できるように両遊端部をもって軸支させ、また、半環状部材の左右対向位置には一対の袋把手係止用のフック部材を、この半環状部材が使用状態とされたときに下向きに垂下された使用状態とされ、半環状部材が不使用状態とされたときには内装基材の前面に添って折り畳まれた不使用状態とすることのできるように、基端をもって枢着したものである(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
また、別案には、不使用時には、コンパクトに折り畳めて嵩張らず、使用時に、ゴミ収納口を十分に確保できる自動車用ゴミ容器が提供されている。その構成は、可撓性シート材によって形成された一側に開口部を有する容器本体と、この容器本体を座席の所望位置に保持するための位置保持手段とを備え、前記容器本体の開口部周縁には、この開口部を開放状態または開口部を折り畳んで閉止状態に保持する口金が設けられている。そして、位置保持手段が容器本体から延出する紐状体であって、この紐状体が容器本体に分離自在に取りつけられているものである(例えば、特許文献2を参照。)。
【0004】
更に、別案には、自動車のステップ部に装着して種々の目的に使用できるようにしたもので、その構成は、車内側の段差状のステップ部2に、取付部17またはロック部材19により、収納部11をステップ部2のブラケット31に着脱自在に取付けるとともに、アームレスト3のポケット部4に着脱自在に取付けたものである(例えば、特許文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2000−153739号公報
【特許文献2】 実開平5−30004号公報
【特許文献3】 実開平6−87089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特開2000−153739号公報の車輌用の簡易ゴミ袋装着装置によると、必要時に簡単にゴミ袋をドアの内張りや前席シートの背面に装着することができるものの、ゴミ袋をゴミ容器としている為に、外観を損ねるばかりかフロア等に設置させられない問題点がある。
【0007】
また、実開平5−30004号公報の自動車用ゴミ容器は、不使用時には、コンパクトに折り畳めて嵩張らず、使用時に、ゴミ収納口を十分に確保できるものの、運転席や助手席の足下に容器本体を配置するに際してゴム紐を座席の側壁に沿わせて係止金具を座席のヒンジを構成する金具に係止させるか、座席のヘッドレストの支柱にゴム紐を巻きつけ両係止金具同士を係止させるようにして座席後方に吊り下げるものであるから、容器本体の座りが不安定であり、安定した容器本体の車内設置ができない問題点がある。
【0008】
更に、実開平6−87089号公報の自動車用収納箱は、自動車のステップ部に装着するタイプである為に、自動車への乗り降り時に収納箱が邪魔になることと、取付部の結合手段が堅牢なるが故に設置工事を必要とし、簡便な設置手段が採れず素人には設置し辛いと言う問題点がある。
【0009】
本発明は、上記車用ごみ容器の問題点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、車内の美観を損ねることなく、ごみ容器の設置が簡潔にできしかも車の走行時に揺れ倒れがなく、ごみ容器の着脱操作性も良好な車用ごみ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による車用ごみ容器は、立方体形の箱体と、上記箱体の上面又は側面に設けた開口部と、上記箱体の片側面又は底面に設けた第一係着手段と、車内の床面又は側壁面に設け上記第一係着手段に係着される第二係着手段と、を具備したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2による車用ごみ容器は、請求項1記載の車用ごみ容器において、上記第一係着手段及び第二係着手段は、フック部とループ部とかなることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3による車用ごみ容器は、請求項1記載の車用ごみ容器において、上記フック部とループ部とは、金属性又は樹脂材で形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4による車用ごみ容器は、請求項1記載の車用ごみ容器において、上記箱体は、その開口に蓋を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5による車用ごみ容器は、請求項1記載の車用ごみ容器において、上記箱体は、その内部に区画板を設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項1〜3の車用ごみ容器によると、まず、車内の床面又は側壁面に設けた第二係着手段に対して、立方体形の箱体の片側面又は底面に設けた第一係着手段を自由に係着させられるし、自動車の走行・停止によるごみ容器の転がり・移動が無くなり、ごみ容器を社内の所定位置に保持させられる。そして、箱体の上面又は側面には、開口部が設けられているから車内で生じた各種小物ゴミを、上記箱体の開口部から投入でき、車内にゴミが溢れず整理整頓される。更に、上記箱体にゴミが満杯になると、車内の床面又は側壁面に設けた第二係着手段から箱体の片側面又は底面に設けた第一係着手段を簡単な操作で分離でき、ゴミ捨て作業が簡単に行われる。
【0016】
また、本発明の請求項4の車用ごみ容器によると、上記箱体は、その開口に蓋を設けたから、箱体内のゴミが隠れて見えないから、車内の美的環境が整えられる。
また、本発明の請求項5の車用ごみ容器によると、箱体には、その内部に区画板を設けたから、ゴミの分別が行えるから、ゴミを捨てる時の分別作業が簡潔に行える。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車用ごみ容器によると、車内の美観を損ねることなく、ごみ容器の設置が簡潔にできしかも車の走行時に揺れ倒れがなく、ごみ容器の着脱操作性が良好にできる。また、箱体の開口に蓋を設けたから、箱体内のゴミが隠れて車内の美的環境が確保できる。
また、箱体の内部に区画板を設けることで、ゴミの分別ができ、ゴミを捨てる時の分別作業が簡潔にできる。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示し,車用ごみ容器を備えた車の側面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を示し、車用ごみ容器を備えた車内の前面図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態を示し、ごみ容器の離脱作用図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態を示し、ごみ容器の装着作用図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態を示し、車用ごみ容器の斜視図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態を示し、車用ごみ容器の斜視図である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態を示し、車用ごみ容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の車用ごみ容器100の主要な構成要素を図1〜図4により説明する。
【0021】
以上の基本構成を基に車用ごみ容器100の詳細を説明する。先ず、車用ごみ容器100は、図1と図2に示すように、車両1の床面2やドア3等の壁面3Aにインスタントに着脱可能な係着手段10により装着される。車内において、12は計器、13はダツシュボード、14は変速シフトである。続いて、図2〜図4により、車用ごみ容器100の詳細を説明する。車用ごみ容器100は、樹脂製又は金属製・木質紙質からなる立方体形の箱体5を主体とし、上記箱体5の上面又は側面には開口部5Aが設けられている。上記箱体5の片側面5B又は底面5Cには、第一係着手段10Aが全面(又は一部表面でも良い)に設けられ、車内の床面2又は側壁面3Aに設け上記第一係着手段10Aに係着される第二係着手段10Bと、を具備している。
【0022】
上記第一係着手段10A及び第二係着手段10Bは、フック部10Cとループ部10Dとかなり、金属性又は樹脂材で形成されている。しかして、上記フック部10Cをループ部10Dに引き掛けることで、両者間が装着され、強く引く事で分離される関係構成になっている。尚、上記第二係着手段10Bは、車内の床面2において、カーペットが敷かれたものでは、その表面がループ状を呈した突起物群からなるから、これ自体がループ部10Dになる。これにより、カーペットが敷かれた車内の床面2にあっては、このカーペット表面に箱体5を乗せると、底面5Cに設けた第二係着手段10のフック部10Cが突起物群のループ部10Dに引っ掛かり、確実に装着される関係構成を成すことが出来る。従って、上記第二係着手段10Bは、車内の床面2において、ビニール製の敷物に限りこの表面にループ部10Dを貼着すれば良い。
【0023】
本発明の車用ごみ容器は、上記のように構成されており、図3と図4のようにして、車両1の床面2やドア3等の壁面3Aに貼着したループ部10Dに対して箱体5の底面5C等に貼着したフック部10Cを引き掛けて装着させられる。先ず、装着は、図4に示すように、上記第一係着手段10Aであるフック部10Cと第二係着手段10Bであるループ部10Dとは、手に持った箱体5の底面5C等に貼着したフック部10Cを、車内の床面2等に設けたループ部10Dに押し付けるだけで引き掛けられて装着させられる。また、図3のように、手に持った箱体5を強く引く事で、ループ部10Dに絡み付くフック部10Cが真っ直ぐに引き伸ばされて引っ掛かりが外れて分離される。
【0024】
かくの如く、車内の床面2又は側壁面3Aに設けた第二係着手段10Bに対して、箱体5の片側面5B又は底面5Cに設けた第一係着手段10Aを自由に係着させられるし、自動車の走行・停止によるごみ容器100の転がり・移動が無くなり、ごみ容器を社内の所定位置に保持させられる。そして、箱体5の上面又は側面には、開口部5Aが設けられているから車内で生じた各種小物ゴミを、上記箱体の開口部から投入でき、車内にゴミが溢れず整理整頓される。更に、上記箱体にゴミが満杯になると、車内の床面又は側壁面に設けた第二係着手段10Bから箱体の片側面又は底面に設けた第一係着手段10Aを簡単な操作で分離でき、ゴミ捨て作業が簡単に行われる。
【0025】
本発明の実施形態となる車用ごみ容器100によれば、下記の効果が奏せられる。
車の美観を損ねることなく、ごみ容器の設置が簡潔にできしかも車の走行時に揺れ倒れがなく、ごみ容器の着脱操作性が良好にできる。また、箱体の開口に蓋を設けたから、箱体内のゴミが隠れて車内の美的環境が確保できる。また、箱体の内部に区画板を設けることで、ゴミの分別ができ、ゴミを捨てる時の分別作業が簡潔にできる。
【0026】
尚、本発明は上記第1の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨内で適宜設計変更することができることは勿論である。例えば、車用ごみ容器100は、上記実施の形態に限定されず、図5に示すように、第2の実施の形態となる車用ごみ容器200のように、上記箱体5は、その上面の開口部5Aに蓋21を設けたものである。その他の構成は上記第1の実施の形態の車用ごみ容器100と同一につき説明を省略する。
【0027】
また、第3の実施の形態となる車用ごみ容器300のように、上記箱体5は、その上面の開口部5Aに蓋21を設けるとともに、片側面5Bにも開口部5Wを設けたものである。その他の構成は上記第1の実施の形態の車用ごみ容器100と同一につき説明を省略する。
【0028】
上記第2の実施の形態となる車用ごみ容器200及び第3の実施の形態となる車用ごみ容器300によると、上記箱体は、その開口に蓋を設けたから、箱体内のゴミが隠れて見えないから、車内の美的環境が整えられ、美感が確保できる。
【0029】
更に、第4の実施の形態となる車用ごみ容器400によると、箱体5は、その内部に区画板5Kを設けたものである。その他の構成は上記第1の実施の形態の車用ごみ容器100と同一につき説明を省略する。この車用ごみ容器400によると、箱体には、その内部に区画板を設けたから、ゴミの分別ができ、ゴミを捨てる時の分別作業が簡潔にできる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の車用ごみ容器100〜400は、乗用車について説明したが、それに限定されるものではなく、通常の小型トラック・大型トラック・ワゴン車・特殊車両・バス等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 車両
2 床面
3A 壁面
5 箱体
5A 開口部
5B 片側面
5C 底面
5K 区画板
5W 開口部
10 係着手段
10A 第一係着手段
10B 第二係着手段
10C フック部
10D ループ部
21 蓋
100 車用ごみ容器
200 車用ごみ容器
300 車用ごみ容器
400 車用ごみ容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立方体形の箱体と、上記箱体の上面又は側面に設けた開口部と、上記箱体の片側面又は底面に設けた第一係着手段と、車内の床面又は側壁面に設け上記第一係着手段に係着される第二係着手段と、を具備したことを特徴とする車用ごみ容器。
【請求項2】
上記第一係着手段及び第二係着手段は、フック部とループ部とかなることを特徴とする請求項1記載の車用ごみ容器。
【請求項3】
上記フック部とループ部とは、金属性又は樹脂材で形成されていることを特徴とする請求項2記載の車用ごみ容器。
【請求項4】
上記箱体は、その開口に蓋を設けたことを特徴とする請求項1記載の車用ごみ容器。
【請求項5】
上記箱体は、その内部に区画板を設けたことを特徴とする請求項1記載の車用ごみ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−241593(P2010−241593A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107007(P2009−107007)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(592005870)
【出願人】(595109720)
【Fターム(参考)】