説明

車窓用防虫網戸

【課題】車窓枠に簡単に装着して使用でき、自然の風を車内に取り入れるとともに小虫(バグ)の侵入を防止する車窓用防虫網戸を提供する。
【解決手段】車窓枠Wに装着されるネットを備えた車窓用防虫網戸であって、ネットの周縁に配置され車窓枠に嵌合される枠部15及び枠部15に設けられた面状ファスナ13を備えるネット本体部11と、面状ファスナ13を介してネット本体部11に着脱自在に連結され車窓枠の端部側に覆設されるネット側端部とを有する。また、前記ネット本体部11の上方の枠部の車内側には、窓ガラスGが上昇したときにその先端を案内するためにガイド部材16が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のガラス窓枠に簡単に装着して使用でき、自然の風を車内に取り入れることができるとともに小虫(バグ)の侵入を防止する車窓用防虫網戸に関する。
【背景技術】
【0002】
夏場などの暑い季節においては、車の走行中や駐車中などに窓を閉め切ったままでは新鮮な外気を車内取り入れて自然な風を感じることができない。しかし、窓を開けておけば蚊などの小虫(バグ)が車内に入り込んでしまうという問題がある。車窓を閉め切って冷房することもできるが、冷房は健康に悪い上に、燃料を浪費するため環境にも悪影響がある。
【0003】
そこで、従来から自動車の窓枠に取り付けるための自動車用網戸が種々提案されている。例えば、特許文献1(特開平6−255363号公報)には、防虫網を張った保形枠を面状ファスナにより車のドアの窓部に内側から固定することによって、駐停車中に虫の侵入を防止するようにした自動車の網戸が記載されている。
【0004】
また、特許文献2(特開平11−78517号公報)には、防虫網を車両用ドアのサッシに被せて、下端側を磁石により車両用ドアに外側から止めた後、周縁部をゴム紐により車両用ドアの内側に絞り込んで止めるようにしたワンタッチ・カー網戸が記載されている。
【0005】
さらに、特許文献3(特開2000−301942号公報)には、防虫網を張った保形枠の下辺部から下側に突出する差し込み部をドアのガラス出没部に差し込み、保形枠の上辺部をマグネットシートによりサッシの上枠部に内側から貼り付けるうようにした自動車用網戸が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−255363号公報
【特許文献2】特開平11−78517号公報
【特許文献3】特開2000−301942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のような車窓用防虫網戸は、その取付に際して網戸周縁の枠部を過度に変形させた状態にして車窓枠に装着せねばならないため、車窓用防虫網戸が歪んだり破損したりして、その隙間からの小虫が車内に侵入してしまう場合があった。
また、車窓用防虫網戸が幅広であるため、車窓枠から取り外した後にはその収納に場所をとるという問題があった。
【0008】
さらに、前記従来の車窓用防虫網戸は、車窓枠の形状に合った保形枠を設ける必要があり、車窓の形状が車種により様々であるため、その各々に対応させた車窓枠を用意するのは効率が悪く、製造コストも高くなるという問題もあった。
【0009】
とくに、特許文献2の車窓用防虫網戸は、車両ドアのサッシに網を被せるため、網を保形するための枠を別途必要としないものの、ドアの外側に網やマグネットが露出してしまうという問題がある。
しかも、これら従来の車用網戸は、マグネットなどの固定具を別途必要とするため、その車窓への取り付け作業が煩雑になるといった問題もあった。
【0010】
本発明は、前記従来の問題点を解決するためになされたもので、車窓枠への装着の作業性に優れるとともに取り付け時の破損等を容易に防止して、車の外観の体裁や収納性に優れた車窓用防虫網戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の車窓用防虫網戸は、
車窓枠に装着されるネットを備えた車窓用防虫網戸であって、
前記ネットの周縁に配置され車窓枠に嵌合される枠部及び前記枠部に設けられた面状ファスナを備えるネット本体部と、
前記面状ファスナを介して前記ネット本体部に着脱自在に接合され前記車窓枠の端部側に覆設されるネット側端部とを有するように構成されている。
【0012】
(2)本発明は前記(1)の車窓用防虫網戸において、前記ネット本体部の上方の枠部の車内側には、
窓ガラスが上昇したときにその先端を案内するためにガイド部材を設けることもできる。
【0013】
(3)本発明は前記(1)または(2)の車窓用防虫網戸において、前記ネットに虫忌避成分が含有されていることにも特徴を有している。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車窓用防虫網戸は、ネットの周縁に配置され車窓枠に嵌合される枠部及び前記枠部に設けられた面状ファスナを備えるネット本体部と、前記面状ファスナを介して前記ネット本体部に着脱自在に接合され前記車窓枠の端部側に覆設されるネット側端部とを有するので、車窓枠への装着の作業性に優れるとともに取り付け時の破損等を容易に防止して、車の外観の体裁や収納性に優れ、小虫(バグ)が入り込むすき間がない車窓用防虫網戸とすることができる。
また、本発明の車窓用防虫網戸は、取り付けにあたってビスやボルトを使うことがなく、工具を必要とせず、取り付けや取り外しが簡便である。
そして、車窓用防虫網戸を取り付けたままで窓ガラスの開閉が可能なので、突然の雨や冷気の浸入などに即応できるとともに、取り付けたままで走行することもできるので、シーズン中は付けっぱなしにすることもでき利便性が高い。
さらに、暑い季節には、海や山でのオートキャンプなどにおいて、カーエアコンはつけることなく自然の風が車内を通り抜けていき、快適に過ごすことができる。
さらにまた、日中でも、本発明の車窓用防虫網戸を装着していれば、直射日光を半分遮り、窓を開けておけば通風もでき、環境に優しいエコなアウトドアライフをおくることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の車窓用防虫網戸を車窓枠に取りつけた状態を示す概略説明図である。
【図2】実施例1の車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付ける様子を示す概略説明図である。
【図3】実施例1の車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付ける手順を示す概略説明図である。
【図4】実施例1の車窓用防虫網戸におけるガイド部材の役割を示す概略説明図である。
【図5】実施例2の車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付ける手順を示す概略説明図である。
【図6】実施例3の車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付ける手順を示す概略説明図である。
【図7】実施例4の車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付ける手順を示す概略説明図である。
【図8】実施例4の車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付ける手順を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る車窓用防虫網戸は、車窓枠に装着されるネットを備えた車窓用防虫網戸であって、前記ネットの周縁に配置され車窓枠に嵌合される枠部及び前記枠部に設けられた面状ファスナを備えるネット本体部と、前記面状ファスナを介して前記ネット本体部に着脱自在に接合され前記車窓枠の端部側に覆設されるネット側端部とを有するように構成されている。
これによって、車窓枠に取り付けられる車窓用防虫網戸が、ネット本体部とネット側端部とに分割されているために、その装着時における取扱いが容易であり、また、取り外し後の収納性も良好に確保することができる。
また、車窓枠への装着の作業性に優れるとともに取り付け時の破損等を容易に防止して、車の外観の体裁や収納性に優れた車窓用防虫網戸とすることができる。
【0017】
ネット本体部は、車窓枠の溝部分にその縁部が嵌合するプラスチック材などの枠部と、合成樹脂材や金属線材などによって網目状に形成されたネットとからなる。
このネットの周縁を支持する枠部は、それぞれ形状やサイズの異なる車種毎に所定形状に設定されており、枠部の一部が車窓枠の溝に嵌合することによって車窓枠の主要部を覆設するように配置される。
このような枠部の一部側端には、面状ファスナ(例えばマジックテープ(登録商標))が取り付けられており、ネット本体部が車窓枠に取り付けられた後に、この面状ファスナを介してネット側端部が接合できるようになっている。
【0018】
ネット側端部は、例えば、湾曲して狭まった車窓枠の側端を覆うための支持部分であり、その主要部分となる面に、ネット本体部分と同様のネットや枠支持部分が設けられ、前記ネット本体の面状ファスナにそのテープ面同士で接合するための対となる面状ファスナが配置されている。
ネット側端部の形状やサイズは適用される車種毎に多少変動はあるが、予め規定サイズのものが準備されており、所定の自由度をもってネット本体部に面状ファスナを介して接合させることができる。
【0019】
本実施形態の車窓用防虫網戸は、前記ネット本体部の上方の枠部の車内側に、窓ガラスが上昇したときにその先端を案内するためにガイド部材が設けることもできる。
これによって、予め車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付けたままで、ガラス窓の開閉ができ外気の取り込みを自在に行うことができる。
ガイド部材は、例えば、ポリエチレン樹脂などのプラスチック材やアルミ金属材を素材として、ネット本体部の上方の枠部の略中央位置に、接着やビス留めなどの手段によって枠部の車内側に固定されて形成されている。
【0020】
本実施形態の車窓用防虫網戸は、前記ネットが虫忌避成分が含有されているようにすることもできる。これによって、駐車中などに外部からの新鮮な外気を取り入れることができるともに、蚊や蛾、その他の小虫(バグ)が車内に侵入するのをさらに確実に防止することができ、快適な車内環境を維持させることができる。
虫忌避成分としては、例えば、ジエチルトルアミド、ジメチルフタレートなどの他、ジャスミン油、ネロリ油、ペパーミント油、ベルガモット油、オレンジ油、ゼラニウム油、プチグレン油、レモン油、シトロネラ油、レモングラス油、シナモン油、ユーカリ油、タイム油などが挙げられる。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
続いて、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
実施例1の車窓用防虫網戸10は、図1〜図4に示すように、車窓枠Wの主要部を覆設するネット本体部11と、このネット本体部11でカバーされない窓枠側端部分に配置されるネット側端部12とを備えている。すなわち、車窓用防虫網戸10は、ネット本体部11とネット側端部12とが面状ファスナ13を介して互いに接合可能な2分割構造を有している。
【0022】
ネット本体部11は、ポリエチレン樹脂やポリスチレン樹脂などの比較的軟質のプラスチック樹脂材からなる網目状に形成されたネット14と、このネット14の周縁に配置されて車窓枠Wに嵌合される比較的硬質のプラスチック樹脂材などからなる枠部15と、枠部15に設けられた面状ファスナ13とを備えている。
また、ネット側端部12は、ネット本体部11と同様の枠部及びネットを有するとともに、面状ファスナ13を介してネット本体部11に着脱自在に接合されるようになっている。
【0023】
ネット本体部11及びネット側端部12の各枠部は、車窓枠Wの大きさに略対応して形成されており、車窓枠内の窓ガラスGの内側の溝Mに沿って嵌合掛止されるようになっている。
なお、ネット14は、枠部15の内部全域に亘って通気性のある防虫用の小孔を有した網目状可撓性シートであり、可撓性のプラスチック製糸材を編んでシート状に形成されたものや、溶融プラスチックを型成形して網目の崩れない状態で成形されたプラスチックシートなどからなる。
図2に示すように、このようなネット14が、車窓枠Wに合わせて形成された枠部15の内部全域に亘って張設されてネット本体部11を構成し、車窓枠Wに取り付けられるのである。
なお、ネット14を構成する網目状可撓性シートは、その外周縁を、枠部15の外周から内側に折り返して枠部15の内側に強固に固着されており、車窓枠Wへの取り付け作業時に容易に剥離することはないようになっている。
【0024】
また、図4に示すように、ネット本体部11の上方の枠部15の車内側には、ガイド部材16が、その下方が内側に折り曲がるようにして取り付けられている。
ガイド部材16は、窓ガラスGが上昇すると、その先端をガイド部材16の外側に案内して、ネット本体部11の上方の枠部15に突接させる役割を果たす。すなわち、窓ガラスGの上昇は、枠部15に突接することにより停止するようになっている。このようなガイド部材16の材質としては、弾性のある樹脂などが好ましく挙げられる。
こうして、ネット本体部11を車窓枠Wに装着してある状態で窓ガラスGを安全に昇降させることができ、窓ガラスGの開閉が従来と同じようにできる。
【0025】
さらに、必要に応じて、車窓用防虫網戸10の枠部15の上下中央部に、蝶番などの折り曲げ部材17を設けるとともに、折り曲げ部材17を起点として車窓用防虫網戸10を2つに折り畳み、収納の簡便化を図ることもできる。
これにより、車窓用防虫網戸10の不使用時には、ネット側端部12やネット本体部11を車窓枠Wに設けられたウェザーストリップモールなどの溝Mから取り外した後、折り畳んで整理し収納することができる。
こうして、本実施例の車窓用防虫網戸10によれば、小虫(バグ)の浸入を防止して自然の風を車内に取り込むことができるとともに、併せて遮光作用もあるので、省エネや地球環境の改善に貢献できる。
【0026】
以下、実施例1の車窓用防虫網戸10の取り付け方法について、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
まず、図2(b)に示すように、窓ガラスGを、ウェザーストリップモールの溝Mよりも上側に3〜4センチほど上げた状態にする。窓ガラスGが全開しない車種の場合は最下側まで下降させる。
次に、車内側から、ネット本体部11の枠部15をを弓なりに反らせながら、ネット本体部11の上側を車窓枠Wのガラス溝GMに嵌め込み、下側をウェザーストリップモールの溝Mに嵌め込む。
このとき、図2(a)(b)に示すように、面状ファスナ13のテープ面が車内側かつ後ろ側、ガイド部材16が車内側かつ上側になるように取り付ける。
【0027】
次に、図3(a)に示すように、上のガラス溝GM、下の溝Mに嵌め込んだ状態のネット本体部11を前側(車の進行方向)に移動させて、前側のガラス溝GMにも嵌め込む。
そして、図3(b)に示すように、ネット本体部11の後ろ側に、ネット側端部12を上下のガラス溝GMと後ろ側のガラス溝GMにも嵌め込む。
【0028】
次に、図4に示すように、窓ガラスGをゆっくり上昇させ、窓ガラスGがガイド部材16の外側とネット14の隙間に入るのを確認する。
このとき、窓ガラスGがガイド部材16の内側に入るようであれば、ガイド部材16の折れ曲がりを手で少し内側に折り曲げ、窓ガラスGがガイド部材16の外側を上昇するように調整することができる。
そして、図3(c)に示すように、窓ガラスGを完全に上昇させた状態で、面状ファスナ13のテープ面の上を押さえて、ネット本体部11とネット側端部12とを接合する。
このとき、上述したように、ガイド部材16が内側に折れ曲がっていないと、窓ガラスGがガイド部材16の内側に入ってしまい、ネット14を支持する枠部15を壊すことにもなるので、車窓用防虫網戸10の使用前及び保管時には窓ガラスGの開閉確認を行っておくことが望ましい。
【0029】
次に、図3(d)に示すように、車窓用防虫網戸10を車窓枠Wから取り外すときは、窓ガラスGを予め下降させネット側端部12をネット本体部11から外し、ネット本体部11を後ろ側に移動させた状態で車窓枠Wから外す。
なお、ネット側端部12は、紛失防止のために、上下を逆向きにして面状ファスナ13でネット本体部11に接合しておき、蝶番などの折り曲げ部材17を起点として2つに折り畳んだ状態で収納することができる。
【0030】
図5は、実施例2の車窓用防虫網戸20を車窓枠Wに取り付ける様子を示す概略説明図である。
実施例2の車窓用防虫網戸20は、水平方向にスライドして開閉させる窓ガラスを備えた車種に適用されるものである。
図示するように、車窓用防虫網戸20は、車窓枠Wの主要部を覆設するネット本体部21と、この車窓枠W中央に配置された中央サッシ側に取り付けられるネット側端部22と、を備えた2分割構造を有し、互いに面状ファスナ23により接合されるようになっている。
【0031】
以下、車窓用防虫網戸20を車窓枠Wに取り付ける方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、車外側から後ろ側ガラスの外側の上下の溝(前側ガラスがスライドする溝)に、ネット本体部21を弓なりに反らせながら嵌め込む。
このとき面状ファスナ23のテープ面は車外側でかつ前側となる。
【0032】
上下の溝に嵌め込んだ状態のネット本体部21を、後ろ側に移動させて後ろ側のガラス溝GMにもはめ込む。
次に、図5(b)に示すようにネット側端部22を中央サッシの溝に差し込み、図5(c)に示すように面状ファスナ23のテープ面を上から押えてネット本体部21と接合させる。
車窓用防虫網戸20の装着車がキャラバン型で、後ろ側ガラスのロックカバーが大きく凸起になっていて枠部と干渉する場合は、前側ガラスのロックカバーと交換することができる。この場合、車内側からプラスドライバーなどで交換可能である。
【0033】
車窓用防虫網戸20を車窓枠Wから外すには、そのネット本体部21とネット側端部22との面状ファスナ23の接合を外し、ネット側端部22、ネット本体部21の順で車窓枠Wの溝から外す。
ネット側端部22は、その紛失防止のために、上下を逆向きにしてネット本体部21と面状ファスナ23で接合しておき、折り畳んで保管することができる。
なお、ネット14の周縁部分を支持する枠部は耐熟プラスチック製であり、約90°Cが熱変形温度であるが、保管する場合は、念のために車内の直射日光の当たる場所は避けることが望ましい。
枠部が高温のために歪んでしまうと枠部が各溝に差し入れにくくなったり、車窓用防虫網戸20を装着した状態で、窓ガラスが閉まり難くなったりする。この場合には、各溝の部分にシリコンスプレーのような潤滑剤を吹き付けることで回避することができる。
【0034】
(実施例3)
図6は、実施例3の車窓用防虫網戸30を車窓枠Wに取り付ける様子を示す概略説明図である。
実施例3の車窓用防虫網戸30は、スライドドアを備えた車種に適用され、その車窓枠Wの主要部を覆設するネット本体部31と、この車窓枠W中央上下に配置されたサッシ溝に差し入れて取り付けられるネット側端部32、32’とを備えている。
ネット本体部31とネット側端部32、32’とは、互いに面状ファスナ33を介して接合される構造になっている。
【0035】
以下、車窓用防虫網戸30を車窓枠Wに取り付ける方法について説明する。
まず、図6(a)に示すように、左右にスライドして開閉可能な窓ガラスGを半開し、車外からネット側端部32を窓ガラスと窓枠ゴムとの間に差し込む。このとき面状ファスナ33のテープ面が外側となるように配置する。
【0036】
次に、図6(b)に示すように、ネット本体部31を弓なりに反らせながら車窓枠W左右の溝に差し入れる。裏側の面状ファスナ33のテープ部分が上下位置となる。
【0037】
一旦、窓ガラスGを閉めて、面状ファスナ33の接合部分の上を軽く押さえることによって、面状ファスナ33のテープ面同士を接合させる(図6(c))。
【0038】
(実施例4)
図7は、実施例4の車窓用防虫網戸40を車窓枠Wに取り付ける様子を示す概略説明図である。図8は、実施例4の車窓用防虫網戸を車窓枠に取り付ける手順を示す概略断面図である。
実施例4の車窓用防虫網戸40は、上下駆動開閉式窓ガラスGを備えた車種に適用され、その車窓枠Wの主要部を覆設するネット本体部41と、この車窓枠Wの下方に配置されたウェザーストリップモールの溝Mに差し入れて取り付けられるネット側端部42とを備えている。ネット本体部41とネット側端部42とは、互いに面状ファスナ43を介して接合される構造になっている。
【0039】
以下、車窓用防虫網戸40を車窓枠Wに取り付ける方法について説明する。
まず、図7(a)に示すように、上下にスライドして開閉可能な窓ガラスGを下方に降ろして、車内側からネット本体部41を弓なりに反らせながら左右のガラス溝GMに嵌め込む。このとき、折り曲げ部材(蝶番)17が付いている側を車内側とし、面状ファスナ43のテープ面を下側として配置する。
【0040】
次に、図7(b)、図8(a)に示すように、上側のガラス溝GMにもネット本体部41を差し込み、その状態で、車外側からネット側端部42の下側をウェザーストリップモールの溝Mに差し込み、面状ファスナ43のテープ面でネット本体部41と接合する。
【0041】
続いて、図8(b)、(c)に示すように、窓ガラスGを上昇させ、ネット側端部42の下側がウェザーストリップモールの溝Mから浮き上がらないことを確認する。浮き上がるようならば、再度、ネット側端部42とネット本体部41との接合をやり直して、浮き上がりのない状態に保持する。
【0042】
そして、車窓用防虫網戸40の使用時には、図8(d)に示すように、窓ガラスGを下から5センチほど上げた状態に保つ。これにより、ネット側端部42と車窓枠Wとの隙間からの虫の侵入を防ぐことができ、車内側からの外力がかかっても車窓用防虫網戸40の脱落を防ぐことができる。
車窓用防虫網戸40を車窓枠Wから外すときは、窓ガラスGを開けてネット側端部42をネット本体部41から外した後、ネット本体部41を車窓枠Wから外す。
【0043】
以上説明したように、本発明は、分割構造の車窓用防虫網戸を開閉可能な窓ガラスに取り付けるようにしたことを要旨とするものであり、実施例に示した特定タイプのものに限定されるものではない。
例えば、本実施例では、2分割構造の車窓用防虫網戸について説明したが、面状ファスナを介して3分割や4分割などの多分割構造とすることも可能であり、これによって、車種毎に異なる形状の車窓枠に柔軟に対応させることも可能となり、車窓用防虫網戸を車窓枠に配置する際の自由度が高められる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の車窓用防虫網戸は、その本体部分を面状ファスナにより接合する分割構造としているため、車窓枠への装着の際の作業性に優れるとともにその使用後における収納性も確保できる。
こうして、フロントタイプや、スライドドアタイプなどの特定車種のものに限定されることなく広く適用することが可能であり、産業上の利用可能性の高いものといえる。
【符号の説明】
【0045】
10 実施例1の車窓用防虫網戸
11 ネット本体部
12 ネット側端部
13 面状ファスナ
14 ネット
15 枠部
16 ガイド部材
17 折り曲げ部材(蝶番)
20 実施例2の車窓用防虫網戸
21 ネット本体部
22 ネット側端部
23 面状ファスナ
30 実施例3の車窓用防虫網戸
31 ネット本体部
32、32’ ネット側端部
33 面状ファスナ
40 実施例4の車窓用防虫網戸
41 ネット本体部
42 ネット側端部
43 面状ファスナ
W 車窓枠
G 窓ガラス
GM ガラス溝
M 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車窓枠に装着されるネットを備えた車窓用防虫網戸であって、
前記ネットの周縁に配置され車窓枠に嵌合される硬弾性材の枠部及び前記枠部に設けられた面状ファスナを備えるネット本体部と、
前記面状ファスナを介して前記ネット本体部に着脱自在に連結され前記車窓枠の端部側に覆設されるネット側端部とを有することを特徴とする車窓用防虫網戸。
【請求項2】
前記ネット本体部の上方の枠部の車内側には、
窓ガラスが上昇したときにその先端を案内するためにガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車窓用防虫網戸。
【請求項3】
前記ネットに虫忌避成分が含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車窓用防虫網戸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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