車載用容器
【課題】温度制御対象物の温度制御を迅速に行うことができ、温度制御された温度制御対象物を長時間にわたって保持することのできる車載用容器を提供する。
【解決手段】温度制御対象物を収容して、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器10であって、該車載用容器10は、略密閉構造をした筒状袋体12であり、筒状袋体12の側周面に配設されて、前記吹き出し口から吹き出た空気を導入するための入口穴30と、該入口穴30から導入された空気を排出するための出口穴40と、を備え、少なくとも前記入口穴30は、開閉可能に構成されている。
【解決手段】温度制御対象物を収容して、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器10であって、該車載用容器10は、略密閉構造をした筒状袋体12であり、筒状袋体12の側周面に配設されて、前記吹き出し口から吹き出た空気を導入するための入口穴30と、該入口穴30から導入された空気を排出するための出口穴40と、を備え、少なくとも前記入口穴30は、開閉可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用容器に関し、詳細には、温度制御対象物を収容するための容器であって、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器に関し、特に、ゲル状蓄熱剤を収容するための車載用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエアコンの吹き出し口近傍に取り付けて、該吹き出し口から吹き出た冷気又は暖気を用いて、飲料物の入った缶やPETボトルのような飲料容器(すなわち温度制御対象物)を冷やしたり暖めたりすることのできるドリンクホルダーが、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−30821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているドリンクホルダーにおいては、飲料容器を、そのままの状態すなわち飲料容器が露出した状態で、ドリンクホルダーに載置するように構成されている。エアコンの吹き出し口から吹き出た冷気又は暖気は、飲料容器の外周面の一部分に吹き付けられて、当該吹き付け部分から外周面全体に広がるような形で飲料容器の全体を冷やしたり暖めたりしている。
【0005】
飲料容器の外周面の一部分に吹き付けられた冷気又は暖気は、飲料容器の外周面に沿って回り込んだあと、飲料容器からすぐに離れてしまうので、熱交換に係る時間が非常に短く、熱交換の効率があまり良くない。したがって、温度制御対象物としての飲料容器を冷やしたり暖めたりするための時間が長いという問題がある。
【0006】
温度制御対象物に収容されたものが液状の飲料物であるならば、液状物の対流という物質移動によって熱を比較的容易に移動させることができるので、このような構成のドリンクホルダーでもあまり問題にはならない。しかしながら、温度制御対象物に収容されたものがゲル状蓄熱剤であるならば、ゲル状蓄熱剤の対流という物質移動があまり起こらないために熱の移動が困難である。したがって、温度制御対象物に収容されたものがゲル状蓄熱剤である場合には、温度制御対象物としてのゲル状蓄熱剤を冷やしたり暖めたりするための時間が非常に長くなるという問題がある。
【0007】
温度制御対象物を冷やしたり暖めたりしたあと、温度制御対象物をすぐに所定の用途に供するとは限らない。温度制御対象物がそのままの状態ですなわち露出した状態であるので、冷やされた又は暖められた温度制御対象物が元の温度に戻る方向に温度制御対象物の温度が変化してしまう。したがって、冷やされた又は暖められた温度制御対象物を所望の温度に保持し続けることが困難であるという問題がある。
【0008】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、温度制御対象物の温度制御を迅速に行うことができ、温度制御された温度制御対象物を長時間にわたって保持することのできる車載用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の車載用容器が提供される。
【0010】
すなわち、本発明の請求項1に係る車載用容器では、
温度制御対象物を収容して、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器であって、
該車載用容器は、略密閉構造をした筒状袋体であり、
前記筒状袋体の側周面に配設されて、前記吹き出し口から吹き出た空気を導入するための入口穴と、
該入口穴から導入された空気を排出するための出口穴と、を備え、
少なくとも前記入口穴は、開閉可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係る車載用容器では、
前記温度制御対象物は、ゲル状蓄熱剤をラミネートフィルム内に封入した蓄熱剤パックであることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に係る車載用容器では、
前記温度制御対象物を出し入れするための取り出し部をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に係る車載用容器では、
前記出口穴は、前記入口穴に対して離間配置されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に係る車載用容器では、
前記出口穴は、前記入口穴に対して対向し且つ離間したところに配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に係る車載用容器では、
前記出口穴は、前記入口穴に対してより離間した方の上面又は下面に配置されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項7に係る車載用容器では、
前記筒状袋体を把持するための把持部材をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項8に係る車載用容器では、
前記把持部材は、着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項9に係る車載用容器では、
前記筒状袋体は、保温構造をしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る本発明では、筒状袋体の略密閉構造をした車載用容器の入口穴からエアコンの吹き出し口の空気を導入すると、当該空気は、筒状袋体と温度制御対象物との間に形成された隙間を拡散しながら流通し、その過程で温度制御対象物の外表面の様々なところに接触しながら、出口穴から排出される。したがって、空気との接触面積が増大し且つ接触時間が長くなるために、温度制御対象物の温度制御を迅速に行うことができるという効果を奏する。そして、入口穴を閉じて車載用容器を略密閉状態にすることにより、温度制御された温度制御対象物の温度変化を抑制することができるという効果を奏する。
【0020】
温度制御対象物に収容されたものが飲料物等の液状物であってもよいことは言うまでもないが、請求項2に係る本発明では、冷却又は加熱するための時間が非常に長い蓄熱剤パックに関してとりわけ好適であるという効果を奏する。
【0021】
入口穴の開口領域を大きく構成しておけば、温度制御対象物を出し入れするための取り出し部として当該入口穴を共用することができるが、請求項3に係る本発明では、別体に設けた取り出し部によって出し入れのスムーズ化を可能にするという効果を奏する。
【0022】
請求項4に係る本発明では、空気が筒状袋体と温度制御対象物との間に形成された隙間を拡散しながら流通する空気の流通距離が増大して、温度制御対象物の冷却又は加熱をより迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0023】
請求項5に係る本発明では、空気の流通距離がより増大して、温度制御対象物の温度制御をより迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0024】
請求項6に係る本発明では、空気の流通距離がより増大して、温度制御対象物の温度制御をより迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0025】
請求項7に係る本発明では、車載用容器の携帯性が向上するという効果を奏する。
【0026】
車載用容器を吹き出し口近傍に設置して冷却又は加熱するときには把持部材を必要としないために把持部材が邪魔になることもあり得る。そこで、請求項8に係る本発明では、車載用容器の設置の自由度が向上するという効果を奏する。
【0027】
請求項9に係る本発明では、温度制御対象物の入った車載用容器を車外に持ち出して使用するときに、温度制御された温度制御対象物を保温することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の車載用容器を載置する、自動車の車室前部の概略斜視図である。
【図2】本発明の車載用容器を載置するための、側方吹き出し口に組み込まれたホルダーの斜視図である。
【図3】本発明の車載用容器を載置するための、中央吹き出し口に組み込まれたホルダーの斜視図である。
【図4】本発明の車載用容器を載置するための、吹き出し口に装着される後付けホルダー及び車載用容器の斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る車載用容器の正面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図7】図6の第二実施形態の変形例に係る車載用容器の斜視図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図10】本発明の第五実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図11】本発明に係る車載用容器に収容される蓄熱剤パックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明の第一実施形態に係る車載用容器10を、図1乃至5を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の車載用容器10を載置する、自動車の車室前部の概略斜視図である。図1において、インストルメントパネル10の車幅方向の左右の側方部分には、エアコンの側方吹き出し口2がそれぞれ配設されている。側方吹き出し口2の下方には、側方ホルダー3が設置されている。また、インストルメントパネル10の車幅方向の略中央部分には、エアコンの中央吹き出し口4が配設されている。中央吹き出し口4の下方には、中央ホルダー5が設置されている。側方吹き出し口2及び中央吹き出し口4からは、エアコンで温度制御された冷風又は温風が吹き出る。
【0031】
図2は、車載用容器10を載置するための、側方吹き出し口2に組み込まれた側方ホルダー3の斜視図である。側方ホルダー3は、側方吹き出し口2の下側に格納自在に予め設置された事前装備型ホルダーである。すなわち、側方ホルダー3を必要とするときには引き出して、不要なときには格納できるように構成されている。側方ホルダー3は、本発明の車載用容器10や飲料容器(缶やPETボトル)を着脱可能に保持することができる保持凹部3aを備えている。当該保持凹部3aに保持された車載用容器10の底部よりも若干上側部分が、側方吹き出し口2から吹き出る冷風又は温風に当たるようになっている。すなわち、後述するように、車載用容器10の入口穴30に対して側方吹き出し口2からの冷風又は温風が導かれるように構成されている。なお、車種によって、保持凹部3aの深さや側方吹き出し口2と側方ホルダー3との間の距離が異なるが、側方吹き出し口2のルーバー角度を最適化して風向調節を行うことにより、側方吹き出し口2からの冷風又は温風を入口穴30に導くことができる。
【0032】
図3は、車載用容器10を載置するための、中央吹き出し口4に組み込まれた中央ホルダー5の斜視図である。中央ホルダー5は、中央吹き出し口4の下側に格納自在に予め設置された事前装備型ホルダーである。すなわち、中央ホルダー5を必要とするときには引き出して、不要なときには格納できるように構成されている。中央ホルダー5は、本発明の車載用容器10や飲料容器(缶やPETボトル)を着脱可能に保持することができる保持凹部5aを車幅方向に2連で備えている。当該保持凹部5aに保持された車載用容器10の底部よりも若干上側部分が、中央吹き出し口4から吹き出る冷風又は温風に当たるようになっている。すなわち、後述するように、車載用容器10の入口穴30に対して中央吹き出し口4からの冷風又は温風が導かれるように構成されている。なお、車種によって、保持凹部5aの深さや中央吹き出し口4と中央ホルダー5との間の距離が異なるが、中央吹き出し口4のルーバー角度を最適化して風向調節を行うことにより、中央吹き出し口4からの冷風又は温風を入口穴30に導くことができる。
【0033】
図4は、車載用容器10を載置するための、側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4に後付けで装着される後付けホルダー6、及び車載用容器10の斜視図である。後付けホルダー6は、側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4のルーバー部分に対して着脱可能に設置される。後付けホルダー6は、下側の有底環状アーム6aと、上側の環状アーム6cと、両環状アーム6a,6cを連結支持する支持柱6bと、ルーバー部分に着脱自在に係着する係着取付具6dと、を備えている。すなわち、後付けホルダー6を必要とするときには側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4の適切な位置のルーバーに装着して、不要なときには取り外すことができるように構成されている。本発明の車載用容器10や飲料容器は、下側の有底環状アーム6aと、上側の環状アーム6cとの中で収容・支持される。なお、車載用容器10の入口穴30に対して側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4からの冷風又は温風が吹き付けられるように係着取付具6dの係着位置を適宜に変えることができるので、吹き出し口2,4と入口穴30との位置合わせの自由度は比較的高い。
【0034】
図5は、本発明の第一実施形態に係る車載用容器10の正面図である。車載用容器10は、筒状袋体の略密閉構造をしている。筒状袋体は、不織布又は発泡シートからなる保温構造と、筒状本体12と、上面14と、下面16によって略密閉された構造と、を形成している。したがって、車載用容器10は、蓄熱剤パック70や飲料容器等の温度制御対象物を収容する円筒状の収容部を有する。筒状袋体の内面には、熱反射層としてのアルミ蒸着層を備えることができる。保温構造のために、厚手の織物や編み物も使用することができる。
【0035】
上面14と筒状本体12との間での境界部分には、円周方向に延在するファスナーにより、温度制御対象物としての蓄熱剤パック70や飲料容器を出し入れするための取り出し部50が形成されている。取り出し部50の下部には、左右の係着ホック60が固着されており、車載用容器10の携帯性を向上させる把持部材18の両端部に固着されたホックに対してそれぞれ着脱可能に係着するように構成されている。把持部材18は、ストラップのように、一端部だけ着脱可能に係着するようにしてもよい。さらに、把持部材18は、車載用容器10に対して着脱不可に固着するようにしてもよい。下面16よりも少し上方の筒状本体12の側周面にも、左右の係着ホック60を固着することができる。
【0036】
下面16よりも上方の筒状本体12の側周面には、入口穴30及び該入口穴30を開閉自在に覆う開閉窓部材20が形成されている。入口穴30及び開閉窓部材20は、例えば方形形状をしている。開閉窓部材20は、入口穴30の全体を覆い被さるように、入口穴30より一回り大きく寸法構成されている。開閉窓部材20の右端部は、固着部22を介して筒状本体12の側周面に固着されている。開閉窓部材20の左端部は、面ファスナーやホックやプラスチック磁石・ゴム磁石のような着脱可能に係着する側方係着部24を介して、筒状本体12の側周面に対して着脱可能に係着している。同様に、開閉窓部材20の上端部及び下端部は、面ファスナーやホックやプラスチック磁石・ゴム磁石のような着脱可能に係着する上方係着部26及び下方係着部28を介して、筒状本体12の側周面に対して着脱可能に係着している。したがって、当該開閉構造によれば、固着部22を基点に開閉窓部材20を回動することにより入口穴30を開閉させ、開閉窓部材20による入口穴30の開閉状態を保持することができる。
【0037】
入口穴30及び開閉窓部材20に関する着脱可能に係着する開閉構造は、他の構造を用いることができる。例えば、当該開閉構造は、入口穴30に取り付けられるキャップ本体と、このキャップ本体の上部を蓋するとともに係着する、キャップ本体に対してヒンジを介して接続されたキャップカバー(開閉窓部材20に相当)と、からなる所謂ヒンジキャップ構造とすることもできる。
【0038】
入口穴30が下面16よりも上方の筒状本体12の側周面に設けられているので、冷却又は加熱するための空気が流通する流通距離をかせぐために、出口穴40は入口穴30から遠方に設けられる。例えば、図4に示すように、出口穴40は上面14の中心部に設けられる。あるいは、出口穴40は、筒状本体12の側周面の上面14の近くであって、入口穴30と反対側のところに設けられる。出口穴40は、その開口サイズをあまり大きくしなくとも、筒状袋体内の空気を排出するという排出機能を十分に発揮することができる。出口穴40は、蓋を有しないで常時開となる態様であってもよいし、上述した入口穴30と同様に、着脱可能に係着する開閉構造とすることもできる。
【0039】
あるいは、筒状本体12の側周面や上面14や下面16に出口穴40を形成しないで、取り出し部50を構成するファスナーを全閉することなく一部分だけ開口するようにして、当該開口部を出口穴40として利用することができる。ファスナーの開口部を入口穴30と反対側に形成することが、空気の流通距離を大きくするという観点から好ましい。
【0040】
なお、本発明を限定しない具体的な数値を例示すると、車載用容器10の直径が約7cm、車載用容器10の高さが約19cm、入口穴30の開口領域が約5cm角、下面16から入口穴30の下辺までの距離が約3cmである。
【0041】
次に、本発明の第二実施形態に係る車載用容器10について、図6及び7を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0042】
当該第二実施形態では、入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されていること、取り出し部50が高さ方向の中心側にシフトして形成されていることを特徴としている。したがって、当該第二実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0043】
本発明の第二実施形態に係る車載用容器10では、図6に示すように、入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されている。入口穴30及び開閉窓部材20が下面16から上方に配置されているので、図2及び3に示した、吹き出し口2,4の下側に予め設置されていて、ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口2,4まで少し離間した事前装備型のホルダー3,5に好適である。
【0044】
上面14には、出口穴40が形成されている。取り出し部50が、係着ホック60に対して高さ方向の中心側にシフトして形成されている。
【0045】
図7は、図6の変形例を示しており、車載用容器10の上下位置を逆にしている。すなわち、図7において、下面16が上側に位置している。また、把持部材18が下面16の近くに設けた係着ホック60に係着するように、係着部位を変更している。ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口までの距離が大きく離れている事前装備型のホルダー3,5に好適である。上面14及び下面16に形成された出口穴40は、蓋を有しないで常時開となる態様であってもよいし、着脱可能に係着する開閉構造とすることもできる。
【0046】
したがって、第二実施形態に係る車載用容器10は、事前装備型のホルダー3,5を有する幅広い車種に対応することができる。
【0047】
次に、本発明の第三実施形態に係る車載用容器10について、図8を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
当該第三実施形態では、第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20という上下二つの入口穴30及び開閉窓部材20が、同じ側に配置されていることを特徴としている。したがって、当該第三実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0049】
本発明の第三実施形態に係る車載用容器10では、図8に示すように、第一の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されているとともに、第二の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されている。第一の入口穴30及び開閉窓部材20と、第二の入口穴30及び開閉窓部材20とは、同じ側(図8の左側)に配置されている。第一の入口穴30及び開閉窓部材20と、第二の入口穴30及び開閉窓部材20とは、高さ方向に対称とすることもできるし非対称とすることもできる。
【0050】
出口穴40は、筒状本体12の側周面、上面14又は下面16に設けることができる。出口穴40を容器上に別体に設けない場合には、一方の入口穴30を本来の空気導入穴として使用し、他方の入口穴30を出口穴40として使用することができる。
【0051】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とが高さ方向の中心側にシフト配置されているので、図2及び3に示した、吹き出し口2,4の下側に予め設置されていて、ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口2,4まで少し離間した事前装備型のホルダー3,5に好適である。
【0052】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とを高さ方向中心から大きく離間したところに対称的に設置することもできる。当該構成は、図4に示した、吹き出し口2,4のルーバー部分に係着して、ホルダー6の下側有底環状アーム6aの底部から吹き出し口2,4まであまり離間していない後付け型のホルダー6に好適である。なお、当該構成によれば、吹き出し口2,4からの空気の流通距離が長くなる。
【0053】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向の中心側に設置し、第二の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向中心から大きく離間したところに設置した非対称構造とすることもできる。当該構成によれば、図2及び3に示した事前装備型のホルダー3,5と、図4に示した後付け型のホルダー6との両方に対応することができる。
【0054】
次に、本発明の第四実施形態に係る車載用容器10について、図9を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0055】
当該第四実施形態では、第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20という上下二つの入口穴30及び開閉窓部材20が、異なった側に配置されていることを特徴としている。したがって、当該第四実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0056】
本発明の第四実施形態に係る車載用容器10では、図9に示すように、第一の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されているとともに、第二の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されている。第一の入口穴30及び開閉窓部材20が図9の左側に、第二の入口穴30及び開閉窓部材20が図9の右側にそれぞれ配置されている。当該構成によれば、吹き出し口2,4からの空気の流通距離が長くなる。第一の入口穴30及び開閉窓部材20と、第二の入口穴30及び開閉窓部材20とは、高さ方向に対称とすることもできるし非対称とすることもできる。
【0057】
出口穴40は、筒状本体12の側周面、上面14又は下面16に設けることができる。出口穴40を容器上に別体で設けない場合には、一方の入口穴30を本来の空気導入穴として使用し、他方の入口穴30を出口穴40として使用することができる。
【0058】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とが高さ方向の中心側にシフト配置されているので、図2及び3に示した、吹き出し口2,4の下側に予め設置されていて、ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口2,4まで少し離間した事前装備型のホルダー3,5に好適である。
【0059】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とを高さ方向中心から大きく離間したところに対称的に設置することもできる。当該構成は、図4に示した、吹き出し口2,4のルーバー部分に係着して、ホルダー6の下側有底環状アーム6aの底部から吹き出し口2,4まであまり離間していない後付け型のホルダー6に好適である。なお、当該構成によれば、吹き出し口2,4からの空気の流通距離が長くなる。
【0060】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向の中心側に設置し、第二の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向中心から大きく離間したところに設置した非対称構造とすることもできる。当該構成によれば、図2及び3に示した事前装備型のホルダー3,5と、図4に示した後付け型のホルダー6との両方に対応することができる。
【0061】
次に、本発明の第五実施形態に係る車載用容器10について、図10を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0062】
当該第五実施形態では、入口穴30の位置を自在に変えることができることを特徴としている。当該第五実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10とは若干異なるので、相違点を中心に以下に説明する。
【0063】
筒状本体12の側周面には、上面14と下面16との間で高さ方向(長手方向)に延在するファスナーが設けられている。当該ファスナーは、面ファスナー、線ファスナー、点ファスナーである。図10に示したファスナーは、筒状本体12の側周面の高さ方向(長手方向)に延在する切り目を形成し、当該切り目に対して、2つのスライダーを備えたチャックテープを固着したものである。2つのスライダーが接近するほど開口領域が狭小になり、2つのスライダーが離間するほど開口領域が拡大する。当該開口領域が、高さ方向(長手方向)に細長い入口穴30を構成する。スライダーの高さ方向(長手方向)の位置を変えることにより、入口穴30の高さ方向(長手方向)の位置を変えることができる。2つのスライダーが当接すると、開口領域が無くなって入口穴30が閉じられる。したがって、入口穴30は、開閉可能に構成されている。
【0064】
2つのスライダーを離間させて開口領域を拡大させることにより、当該開口領域を、蓄熱剤パック70や飲料容器を出し入れするための取り出し部50として利用することもできる。筒状本体12の側周面や上面14や下面16には、出口穴40が形成されている。出口穴40は、蓋を有しないで常時開となる態様であってもよいし、着脱可能に係着する開閉構造とすることもできる。
【0065】
当該構成によれば、入口穴30の位置を自在に変えることができるので、図2及び3に示した事前装備型のホルダー3,5と、図4に示した後付け型のホルダー6との両方に対応することができる。
【0066】
第一実施形態乃至第五実施形態として説明した車載用容器10に対しては、好適には、以下のような蓄熱剤パック70がそれぞれ収容される。
【0067】
蓄熱剤パック70は、ナイロンフィルムとポリエチレンフィルムとを積層した上下のラミネートフィルムを重ね合わせて三辺を熱圧着(熱融着)して袋状体を形成し、形成された袋状空間に蓄熱剤を封入したあと開口部を熱圧着して閉止したものである。蓄熱剤パック70は、車載用容器10の筒状収容部に装着可能なように寸法構成されている。
【0068】
ラミネートフィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・メチルメタクリレート共重合体等も使用可能である。後述するゲル状の蓄熱剤の成分が透過して漏出しないように、すなわち高いバリア性を得るために、ナイロンフィルムの厚みを厚くしたり、ナイロンフィルムの上にアルミニウムをコーティングしたりすることもできる。
【0069】
ゲル状の蓄熱剤としては、保冷剤として公知である様々な材料が使用可能であるが、ポリアクリル酸ナトリウムに多量の水を含んだゲル状物質や、硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)と水(H2O)とを適量調合した硫酸ナトリウム10水塩が例示される。
【0070】
蓄熱剤パック70は、複数の小分けされた蓄熱剤パック要素が、境界部分を介して連結されている複数個連結形態をしている。各蓄熱剤パック要素には、上述したゲル状の蓄熱剤が密封される。したがって、蓄熱剤パック70は、全体として、捻れや折り曲げに抗する柔軟性を備えている。
【0071】
蓄熱剤パック70は、図11に示すように、渦巻きのように丸めた状態にして、車載用容器10の筒状収容部に装着される。蓄熱剤パック70は、比較的小型サイズであるので、人間の頭部や頸部を局所的に冷却又は加熱したり、小型ペットを冷却又は加熱したりするために使用される。
【0072】
なお、本願明細書等において、「筒状」という文言は、円筒形状を始めとして、三角形や四角形や五角形等の多角形、楕円形状の筒状も含む広い概念である。また、入口穴30は、方形形状に加えて、三角形や五角形等の多角形、円形あるいは楕円形等の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0073】
1:インストルメントパネル
2:側方吹き出し口
3:側方ホルダー
4:中央吹き出し口
5:中央ホルダー
6:後付けホルダー
10:車載用容器
12:筒状本体
14:上面
16:下面
18:把持部材
20:開閉窓部材
22:固着部
24:側方係着部
26:上方係着部
28:下方係着部
30:入口穴
40:出口穴
50:取り出し部
60:係着ホック
70:蓄熱剤パック
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用容器に関し、詳細には、温度制御対象物を収容するための容器であって、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器に関し、特に、ゲル状蓄熱剤を収容するための車載用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエアコンの吹き出し口近傍に取り付けて、該吹き出し口から吹き出た冷気又は暖気を用いて、飲料物の入った缶やPETボトルのような飲料容器(すなわち温度制御対象物)を冷やしたり暖めたりすることのできるドリンクホルダーが、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−30821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているドリンクホルダーにおいては、飲料容器を、そのままの状態すなわち飲料容器が露出した状態で、ドリンクホルダーに載置するように構成されている。エアコンの吹き出し口から吹き出た冷気又は暖気は、飲料容器の外周面の一部分に吹き付けられて、当該吹き付け部分から外周面全体に広がるような形で飲料容器の全体を冷やしたり暖めたりしている。
【0005】
飲料容器の外周面の一部分に吹き付けられた冷気又は暖気は、飲料容器の外周面に沿って回り込んだあと、飲料容器からすぐに離れてしまうので、熱交換に係る時間が非常に短く、熱交換の効率があまり良くない。したがって、温度制御対象物としての飲料容器を冷やしたり暖めたりするための時間が長いという問題がある。
【0006】
温度制御対象物に収容されたものが液状の飲料物であるならば、液状物の対流という物質移動によって熱を比較的容易に移動させることができるので、このような構成のドリンクホルダーでもあまり問題にはならない。しかしながら、温度制御対象物に収容されたものがゲル状蓄熱剤であるならば、ゲル状蓄熱剤の対流という物質移動があまり起こらないために熱の移動が困難である。したがって、温度制御対象物に収容されたものがゲル状蓄熱剤である場合には、温度制御対象物としてのゲル状蓄熱剤を冷やしたり暖めたりするための時間が非常に長くなるという問題がある。
【0007】
温度制御対象物を冷やしたり暖めたりしたあと、温度制御対象物をすぐに所定の用途に供するとは限らない。温度制御対象物がそのままの状態ですなわち露出した状態であるので、冷やされた又は暖められた温度制御対象物が元の温度に戻る方向に温度制御対象物の温度が変化してしまう。したがって、冷やされた又は暖められた温度制御対象物を所望の温度に保持し続けることが困難であるという問題がある。
【0008】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、温度制御対象物の温度制御を迅速に行うことができ、温度制御された温度制御対象物を長時間にわたって保持することのできる車載用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の車載用容器が提供される。
【0010】
すなわち、本発明の請求項1に係る車載用容器では、
温度制御対象物を収容して、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器であって、
該車載用容器は、略密閉構造をした筒状袋体であり、
前記筒状袋体の側周面に配設されて、前記吹き出し口から吹き出た空気を導入するための入口穴と、
該入口穴から導入された空気を排出するための出口穴と、を備え、
少なくとも前記入口穴は、開閉可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係る車載用容器では、
前記温度制御対象物は、ゲル状蓄熱剤をラミネートフィルム内に封入した蓄熱剤パックであることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に係る車載用容器では、
前記温度制御対象物を出し入れするための取り出し部をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に係る車載用容器では、
前記出口穴は、前記入口穴に対して離間配置されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に係る車載用容器では、
前記出口穴は、前記入口穴に対して対向し且つ離間したところに配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に係る車載用容器では、
前記出口穴は、前記入口穴に対してより離間した方の上面又は下面に配置されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項7に係る車載用容器では、
前記筒状袋体を把持するための把持部材をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項8に係る車載用容器では、
前記把持部材は、着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項9に係る車載用容器では、
前記筒状袋体は、保温構造をしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る本発明では、筒状袋体の略密閉構造をした車載用容器の入口穴からエアコンの吹き出し口の空気を導入すると、当該空気は、筒状袋体と温度制御対象物との間に形成された隙間を拡散しながら流通し、その過程で温度制御対象物の外表面の様々なところに接触しながら、出口穴から排出される。したがって、空気との接触面積が増大し且つ接触時間が長くなるために、温度制御対象物の温度制御を迅速に行うことができるという効果を奏する。そして、入口穴を閉じて車載用容器を略密閉状態にすることにより、温度制御された温度制御対象物の温度変化を抑制することができるという効果を奏する。
【0020】
温度制御対象物に収容されたものが飲料物等の液状物であってもよいことは言うまでもないが、請求項2に係る本発明では、冷却又は加熱するための時間が非常に長い蓄熱剤パックに関してとりわけ好適であるという効果を奏する。
【0021】
入口穴の開口領域を大きく構成しておけば、温度制御対象物を出し入れするための取り出し部として当該入口穴を共用することができるが、請求項3に係る本発明では、別体に設けた取り出し部によって出し入れのスムーズ化を可能にするという効果を奏する。
【0022】
請求項4に係る本発明では、空気が筒状袋体と温度制御対象物との間に形成された隙間を拡散しながら流通する空気の流通距離が増大して、温度制御対象物の冷却又は加熱をより迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0023】
請求項5に係る本発明では、空気の流通距離がより増大して、温度制御対象物の温度制御をより迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0024】
請求項6に係る本発明では、空気の流通距離がより増大して、温度制御対象物の温度制御をより迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0025】
請求項7に係る本発明では、車載用容器の携帯性が向上するという効果を奏する。
【0026】
車載用容器を吹き出し口近傍に設置して冷却又は加熱するときには把持部材を必要としないために把持部材が邪魔になることもあり得る。そこで、請求項8に係る本発明では、車載用容器の設置の自由度が向上するという効果を奏する。
【0027】
請求項9に係る本発明では、温度制御対象物の入った車載用容器を車外に持ち出して使用するときに、温度制御された温度制御対象物を保温することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の車載用容器を載置する、自動車の車室前部の概略斜視図である。
【図2】本発明の車載用容器を載置するための、側方吹き出し口に組み込まれたホルダーの斜視図である。
【図3】本発明の車載用容器を載置するための、中央吹き出し口に組み込まれたホルダーの斜視図である。
【図4】本発明の車載用容器を載置するための、吹き出し口に装着される後付けホルダー及び車載用容器の斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る車載用容器の正面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図7】図6の第二実施形態の変形例に係る車載用容器の斜視図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図10】本発明の第五実施形態に係る車載用容器の斜視図である。
【図11】本発明に係る車載用容器に収容される蓄熱剤パックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明の第一実施形態に係る車載用容器10を、図1乃至5を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の車載用容器10を載置する、自動車の車室前部の概略斜視図である。図1において、インストルメントパネル10の車幅方向の左右の側方部分には、エアコンの側方吹き出し口2がそれぞれ配設されている。側方吹き出し口2の下方には、側方ホルダー3が設置されている。また、インストルメントパネル10の車幅方向の略中央部分には、エアコンの中央吹き出し口4が配設されている。中央吹き出し口4の下方には、中央ホルダー5が設置されている。側方吹き出し口2及び中央吹き出し口4からは、エアコンで温度制御された冷風又は温風が吹き出る。
【0031】
図2は、車載用容器10を載置するための、側方吹き出し口2に組み込まれた側方ホルダー3の斜視図である。側方ホルダー3は、側方吹き出し口2の下側に格納自在に予め設置された事前装備型ホルダーである。すなわち、側方ホルダー3を必要とするときには引き出して、不要なときには格納できるように構成されている。側方ホルダー3は、本発明の車載用容器10や飲料容器(缶やPETボトル)を着脱可能に保持することができる保持凹部3aを備えている。当該保持凹部3aに保持された車載用容器10の底部よりも若干上側部分が、側方吹き出し口2から吹き出る冷風又は温風に当たるようになっている。すなわち、後述するように、車載用容器10の入口穴30に対して側方吹き出し口2からの冷風又は温風が導かれるように構成されている。なお、車種によって、保持凹部3aの深さや側方吹き出し口2と側方ホルダー3との間の距離が異なるが、側方吹き出し口2のルーバー角度を最適化して風向調節を行うことにより、側方吹き出し口2からの冷風又は温風を入口穴30に導くことができる。
【0032】
図3は、車載用容器10を載置するための、中央吹き出し口4に組み込まれた中央ホルダー5の斜視図である。中央ホルダー5は、中央吹き出し口4の下側に格納自在に予め設置された事前装備型ホルダーである。すなわち、中央ホルダー5を必要とするときには引き出して、不要なときには格納できるように構成されている。中央ホルダー5は、本発明の車載用容器10や飲料容器(缶やPETボトル)を着脱可能に保持することができる保持凹部5aを車幅方向に2連で備えている。当該保持凹部5aに保持された車載用容器10の底部よりも若干上側部分が、中央吹き出し口4から吹き出る冷風又は温風に当たるようになっている。すなわち、後述するように、車載用容器10の入口穴30に対して中央吹き出し口4からの冷風又は温風が導かれるように構成されている。なお、車種によって、保持凹部5aの深さや中央吹き出し口4と中央ホルダー5との間の距離が異なるが、中央吹き出し口4のルーバー角度を最適化して風向調節を行うことにより、中央吹き出し口4からの冷風又は温風を入口穴30に導くことができる。
【0033】
図4は、車載用容器10を載置するための、側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4に後付けで装着される後付けホルダー6、及び車載用容器10の斜視図である。後付けホルダー6は、側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4のルーバー部分に対して着脱可能に設置される。後付けホルダー6は、下側の有底環状アーム6aと、上側の環状アーム6cと、両環状アーム6a,6cを連結支持する支持柱6bと、ルーバー部分に着脱自在に係着する係着取付具6dと、を備えている。すなわち、後付けホルダー6を必要とするときには側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4の適切な位置のルーバーに装着して、不要なときには取り外すことができるように構成されている。本発明の車載用容器10や飲料容器は、下側の有底環状アーム6aと、上側の環状アーム6cとの中で収容・支持される。なお、車載用容器10の入口穴30に対して側方吹き出し口2及び/又は中央吹き出し口4からの冷風又は温風が吹き付けられるように係着取付具6dの係着位置を適宜に変えることができるので、吹き出し口2,4と入口穴30との位置合わせの自由度は比較的高い。
【0034】
図5は、本発明の第一実施形態に係る車載用容器10の正面図である。車載用容器10は、筒状袋体の略密閉構造をしている。筒状袋体は、不織布又は発泡シートからなる保温構造と、筒状本体12と、上面14と、下面16によって略密閉された構造と、を形成している。したがって、車載用容器10は、蓄熱剤パック70や飲料容器等の温度制御対象物を収容する円筒状の収容部を有する。筒状袋体の内面には、熱反射層としてのアルミ蒸着層を備えることができる。保温構造のために、厚手の織物や編み物も使用することができる。
【0035】
上面14と筒状本体12との間での境界部分には、円周方向に延在するファスナーにより、温度制御対象物としての蓄熱剤パック70や飲料容器を出し入れするための取り出し部50が形成されている。取り出し部50の下部には、左右の係着ホック60が固着されており、車載用容器10の携帯性を向上させる把持部材18の両端部に固着されたホックに対してそれぞれ着脱可能に係着するように構成されている。把持部材18は、ストラップのように、一端部だけ着脱可能に係着するようにしてもよい。さらに、把持部材18は、車載用容器10に対して着脱不可に固着するようにしてもよい。下面16よりも少し上方の筒状本体12の側周面にも、左右の係着ホック60を固着することができる。
【0036】
下面16よりも上方の筒状本体12の側周面には、入口穴30及び該入口穴30を開閉自在に覆う開閉窓部材20が形成されている。入口穴30及び開閉窓部材20は、例えば方形形状をしている。開閉窓部材20は、入口穴30の全体を覆い被さるように、入口穴30より一回り大きく寸法構成されている。開閉窓部材20の右端部は、固着部22を介して筒状本体12の側周面に固着されている。開閉窓部材20の左端部は、面ファスナーやホックやプラスチック磁石・ゴム磁石のような着脱可能に係着する側方係着部24を介して、筒状本体12の側周面に対して着脱可能に係着している。同様に、開閉窓部材20の上端部及び下端部は、面ファスナーやホックやプラスチック磁石・ゴム磁石のような着脱可能に係着する上方係着部26及び下方係着部28を介して、筒状本体12の側周面に対して着脱可能に係着している。したがって、当該開閉構造によれば、固着部22を基点に開閉窓部材20を回動することにより入口穴30を開閉させ、開閉窓部材20による入口穴30の開閉状態を保持することができる。
【0037】
入口穴30及び開閉窓部材20に関する着脱可能に係着する開閉構造は、他の構造を用いることができる。例えば、当該開閉構造は、入口穴30に取り付けられるキャップ本体と、このキャップ本体の上部を蓋するとともに係着する、キャップ本体に対してヒンジを介して接続されたキャップカバー(開閉窓部材20に相当)と、からなる所謂ヒンジキャップ構造とすることもできる。
【0038】
入口穴30が下面16よりも上方の筒状本体12の側周面に設けられているので、冷却又は加熱するための空気が流通する流通距離をかせぐために、出口穴40は入口穴30から遠方に設けられる。例えば、図4に示すように、出口穴40は上面14の中心部に設けられる。あるいは、出口穴40は、筒状本体12の側周面の上面14の近くであって、入口穴30と反対側のところに設けられる。出口穴40は、その開口サイズをあまり大きくしなくとも、筒状袋体内の空気を排出するという排出機能を十分に発揮することができる。出口穴40は、蓋を有しないで常時開となる態様であってもよいし、上述した入口穴30と同様に、着脱可能に係着する開閉構造とすることもできる。
【0039】
あるいは、筒状本体12の側周面や上面14や下面16に出口穴40を形成しないで、取り出し部50を構成するファスナーを全閉することなく一部分だけ開口するようにして、当該開口部を出口穴40として利用することができる。ファスナーの開口部を入口穴30と反対側に形成することが、空気の流通距離を大きくするという観点から好ましい。
【0040】
なお、本発明を限定しない具体的な数値を例示すると、車載用容器10の直径が約7cm、車載用容器10の高さが約19cm、入口穴30の開口領域が約5cm角、下面16から入口穴30の下辺までの距離が約3cmである。
【0041】
次に、本発明の第二実施形態に係る車載用容器10について、図6及び7を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0042】
当該第二実施形態では、入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されていること、取り出し部50が高さ方向の中心側にシフトして形成されていることを特徴としている。したがって、当該第二実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0043】
本発明の第二実施形態に係る車載用容器10では、図6に示すように、入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されている。入口穴30及び開閉窓部材20が下面16から上方に配置されているので、図2及び3に示した、吹き出し口2,4の下側に予め設置されていて、ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口2,4まで少し離間した事前装備型のホルダー3,5に好適である。
【0044】
上面14には、出口穴40が形成されている。取り出し部50が、係着ホック60に対して高さ方向の中心側にシフトして形成されている。
【0045】
図7は、図6の変形例を示しており、車載用容器10の上下位置を逆にしている。すなわち、図7において、下面16が上側に位置している。また、把持部材18が下面16の近くに設けた係着ホック60に係着するように、係着部位を変更している。ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口までの距離が大きく離れている事前装備型のホルダー3,5に好適である。上面14及び下面16に形成された出口穴40は、蓋を有しないで常時開となる態様であってもよいし、着脱可能に係着する開閉構造とすることもできる。
【0046】
したがって、第二実施形態に係る車載用容器10は、事前装備型のホルダー3,5を有する幅広い車種に対応することができる。
【0047】
次に、本発明の第三実施形態に係る車載用容器10について、図8を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
当該第三実施形態では、第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20という上下二つの入口穴30及び開閉窓部材20が、同じ側に配置されていることを特徴としている。したがって、当該第三実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0049】
本発明の第三実施形態に係る車載用容器10では、図8に示すように、第一の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されているとともに、第二の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されている。第一の入口穴30及び開閉窓部材20と、第二の入口穴30及び開閉窓部材20とは、同じ側(図8の左側)に配置されている。第一の入口穴30及び開閉窓部材20と、第二の入口穴30及び開閉窓部材20とは、高さ方向に対称とすることもできるし非対称とすることもできる。
【0050】
出口穴40は、筒状本体12の側周面、上面14又は下面16に設けることができる。出口穴40を容器上に別体に設けない場合には、一方の入口穴30を本来の空気導入穴として使用し、他方の入口穴30を出口穴40として使用することができる。
【0051】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とが高さ方向の中心側にシフト配置されているので、図2及び3に示した、吹き出し口2,4の下側に予め設置されていて、ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口2,4まで少し離間した事前装備型のホルダー3,5に好適である。
【0052】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とを高さ方向中心から大きく離間したところに対称的に設置することもできる。当該構成は、図4に示した、吹き出し口2,4のルーバー部分に係着して、ホルダー6の下側有底環状アーム6aの底部から吹き出し口2,4まであまり離間していない後付け型のホルダー6に好適である。なお、当該構成によれば、吹き出し口2,4からの空気の流通距離が長くなる。
【0053】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向の中心側に設置し、第二の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向中心から大きく離間したところに設置した非対称構造とすることもできる。当該構成によれば、図2及び3に示した事前装備型のホルダー3,5と、図4に示した後付け型のホルダー6との両方に対応することができる。
【0054】
次に、本発明の第四実施形態に係る車載用容器10について、図9を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0055】
当該第四実施形態では、第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20という上下二つの入口穴30及び開閉窓部材20が、異なった側に配置されていることを特徴としている。したがって、当該第四実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10と類似しているので、相違点を中心に以下に説明する。
【0056】
本発明の第四実施形態に係る車載用容器10では、図9に示すように、第一の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されているとともに、第二の入口穴30及び開閉窓部材20が高さ方向の中心側にシフトして配置されている。第一の入口穴30及び開閉窓部材20が図9の左側に、第二の入口穴30及び開閉窓部材20が図9の右側にそれぞれ配置されている。当該構成によれば、吹き出し口2,4からの空気の流通距離が長くなる。第一の入口穴30及び開閉窓部材20と、第二の入口穴30及び開閉窓部材20とは、高さ方向に対称とすることもできるし非対称とすることもできる。
【0057】
出口穴40は、筒状本体12の側周面、上面14又は下面16に設けることができる。出口穴40を容器上に別体で設けない場合には、一方の入口穴30を本来の空気導入穴として使用し、他方の入口穴30を出口穴40として使用することができる。
【0058】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とが高さ方向の中心側にシフト配置されているので、図2及び3に示した、吹き出し口2,4の下側に予め設置されていて、ホルダー3,5の保持凹部3a,5aの底部から吹き出し口2,4まで少し離間した事前装備型のホルダー3,5に好適である。
【0059】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20と第二の入口穴30及び開閉窓部材20とを高さ方向中心から大きく離間したところに対称的に設置することもできる。当該構成は、図4に示した、吹き出し口2,4のルーバー部分に係着して、ホルダー6の下側有底環状アーム6aの底部から吹き出し口2,4まであまり離間していない後付け型のホルダー6に好適である。なお、当該構成によれば、吹き出し口2,4からの空気の流通距離が長くなる。
【0060】
第一の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向の中心側に設置し、第二の入口穴30及び開閉窓部材20を高さ方向中心から大きく離間したところに設置した非対称構造とすることもできる。当該構成によれば、図2及び3に示した事前装備型のホルダー3,5と、図4に示した後付け型のホルダー6との両方に対応することができる。
【0061】
次に、本発明の第五実施形態に係る車載用容器10について、図10を参照しながら説明するが、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0062】
当該第五実施形態では、入口穴30の位置を自在に変えることができることを特徴としている。当該第五実施形態における車載用容器10の基本構造は、上記実施形態における車載用容器10とは若干異なるので、相違点を中心に以下に説明する。
【0063】
筒状本体12の側周面には、上面14と下面16との間で高さ方向(長手方向)に延在するファスナーが設けられている。当該ファスナーは、面ファスナー、線ファスナー、点ファスナーである。図10に示したファスナーは、筒状本体12の側周面の高さ方向(長手方向)に延在する切り目を形成し、当該切り目に対して、2つのスライダーを備えたチャックテープを固着したものである。2つのスライダーが接近するほど開口領域が狭小になり、2つのスライダーが離間するほど開口領域が拡大する。当該開口領域が、高さ方向(長手方向)に細長い入口穴30を構成する。スライダーの高さ方向(長手方向)の位置を変えることにより、入口穴30の高さ方向(長手方向)の位置を変えることができる。2つのスライダーが当接すると、開口領域が無くなって入口穴30が閉じられる。したがって、入口穴30は、開閉可能に構成されている。
【0064】
2つのスライダーを離間させて開口領域を拡大させることにより、当該開口領域を、蓄熱剤パック70や飲料容器を出し入れするための取り出し部50として利用することもできる。筒状本体12の側周面や上面14や下面16には、出口穴40が形成されている。出口穴40は、蓋を有しないで常時開となる態様であってもよいし、着脱可能に係着する開閉構造とすることもできる。
【0065】
当該構成によれば、入口穴30の位置を自在に変えることができるので、図2及び3に示した事前装備型のホルダー3,5と、図4に示した後付け型のホルダー6との両方に対応することができる。
【0066】
第一実施形態乃至第五実施形態として説明した車載用容器10に対しては、好適には、以下のような蓄熱剤パック70がそれぞれ収容される。
【0067】
蓄熱剤パック70は、ナイロンフィルムとポリエチレンフィルムとを積層した上下のラミネートフィルムを重ね合わせて三辺を熱圧着(熱融着)して袋状体を形成し、形成された袋状空間に蓄熱剤を封入したあと開口部を熱圧着して閉止したものである。蓄熱剤パック70は、車載用容器10の筒状収容部に装着可能なように寸法構成されている。
【0068】
ラミネートフィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・メチルメタクリレート共重合体等も使用可能である。後述するゲル状の蓄熱剤の成分が透過して漏出しないように、すなわち高いバリア性を得るために、ナイロンフィルムの厚みを厚くしたり、ナイロンフィルムの上にアルミニウムをコーティングしたりすることもできる。
【0069】
ゲル状の蓄熱剤としては、保冷剤として公知である様々な材料が使用可能であるが、ポリアクリル酸ナトリウムに多量の水を含んだゲル状物質や、硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)と水(H2O)とを適量調合した硫酸ナトリウム10水塩が例示される。
【0070】
蓄熱剤パック70は、複数の小分けされた蓄熱剤パック要素が、境界部分を介して連結されている複数個連結形態をしている。各蓄熱剤パック要素には、上述したゲル状の蓄熱剤が密封される。したがって、蓄熱剤パック70は、全体として、捻れや折り曲げに抗する柔軟性を備えている。
【0071】
蓄熱剤パック70は、図11に示すように、渦巻きのように丸めた状態にして、車載用容器10の筒状収容部に装着される。蓄熱剤パック70は、比較的小型サイズであるので、人間の頭部や頸部を局所的に冷却又は加熱したり、小型ペットを冷却又は加熱したりするために使用される。
【0072】
なお、本願明細書等において、「筒状」という文言は、円筒形状を始めとして、三角形や四角形や五角形等の多角形、楕円形状の筒状も含む広い概念である。また、入口穴30は、方形形状に加えて、三角形や五角形等の多角形、円形あるいは楕円形等の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0073】
1:インストルメントパネル
2:側方吹き出し口
3:側方ホルダー
4:中央吹き出し口
5:中央ホルダー
6:後付けホルダー
10:車載用容器
12:筒状本体
14:上面
16:下面
18:把持部材
20:開閉窓部材
22:固着部
24:側方係着部
26:上方係着部
28:下方係着部
30:入口穴
40:出口穴
50:取り出し部
60:係着ホック
70:蓄熱剤パック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度制御対象物を収容して、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器であって、
該車載用容器は、略密閉構造をした筒状袋体であり、
前記筒状袋体の側周面に配設されて、前記吹き出し口から吹き出た空気を導入するための入口穴と、
該入口穴から導入された空気を排出するための出口穴と、を備え、
少なくとも前記入口穴は、開閉可能に構成されていることを特徴とする車載用容器。
【請求項2】
前記温度制御対象物は、ゲル状蓄熱剤をラミネートフィルム内に封入した蓄熱剤パックであることを特徴とする、請求項1に記載の車載用容器。
【請求項3】
前記温度制御対象物を出し入れするための取り出し部をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車載用容器。
【請求項4】
前記出口穴は、前記入口穴に対して離間配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項5】
前記出口穴は、前記入口穴に対して対向し且つ離間したところに配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項6】
前記出口穴は、前記入口穴に対してより離間した方の上面又は下面に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項7】
前記筒状袋体を把持するための把持部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項8】
前記把持部材は、着脱自在に構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の車載用容器。
【請求項9】
前記筒状袋体は、保温構造をしていることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項1】
温度制御対象物を収容して、自動車のエアコンの吹き出し口近傍に設置される車載用容器であって、
該車載用容器は、略密閉構造をした筒状袋体であり、
前記筒状袋体の側周面に配設されて、前記吹き出し口から吹き出た空気を導入するための入口穴と、
該入口穴から導入された空気を排出するための出口穴と、を備え、
少なくとも前記入口穴は、開閉可能に構成されていることを特徴とする車載用容器。
【請求項2】
前記温度制御対象物は、ゲル状蓄熱剤をラミネートフィルム内に封入した蓄熱剤パックであることを特徴とする、請求項1に記載の車載用容器。
【請求項3】
前記温度制御対象物を出し入れするための取り出し部をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車載用容器。
【請求項4】
前記出口穴は、前記入口穴に対して離間配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項5】
前記出口穴は、前記入口穴に対して対向し且つ離間したところに配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項6】
前記出口穴は、前記入口穴に対してより離間した方の上面又は下面に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項7】
前記筒状袋体を把持するための把持部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の車載用容器。
【請求項8】
前記把持部材は、着脱自在に構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の車載用容器。
【請求項9】
前記筒状袋体は、保温構造をしていることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−56388(P2012−56388A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199851(P2010−199851)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(506229741)株式会社タカラ (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(506229741)株式会社タカラ (13)
【Fターム(参考)】
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