説明

軌道の切り替え構造及び切り替え方法

【課題】L字形等の形状を有する地盤改良対象範囲内に、ボーリングマシンを搭載した台車等のレール走行車両の走行用の軌道を、異なる方向に2つ敷設しかつ交差させる場合において、簡易な手段のみを用いて容易かつ迅速に、当該交差領域における軌道の切り替えを行なうことのできる軌道の切り替え構造を提供する。
【解決手段】一方の軌道1のレール部材3と他方の軌道2のレール部材5との交差地点において、レール部材(H字鋼)3,5の各々は、レールの欠けた部分を有する。レール部材3のレールの欠けた部分に対して、単位部材7a,7bからなる補助レール部材7を敷設することによって、レール部材3上のレール走行車両11の車輪は、この交差地点を通過することができる。補助レール部材7の向きを、レール部材5の延びる方向に変えることによって、軌道を切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良工事に用いるボーリングマシンを搭載した台車等のレール走行車両の走行用の軌道を、異なる方向に2つ敷設して交差させた場合において、当該交差領域で軌道の切り替えを行なうための、軌道の切り替え構造及び切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤改良工事(例えば、高圧噴射撹拌工法)に用いるボーリングマシン等の土木工事用機械は、大きな重量を有することから、地盤上に敷設した軌道上の台車に搭載して移動させている。この軌道は、2本の平行に延びるレール部材からなり、工事の終了後には撤去される仮設のものである。
地盤改良対象範囲が、L字形、T字形、U字形等の形状を有する場合には、1つの軌道では対応できず、2つ以上の軌道を用いて工事を行なう必要がある。この場合、まず、地盤改良対象範囲の一部の区画を対象にして、軌道を敷設し、当該区画の地盤改良工事を行なう。次いで、敷設済みの軌道を撤去して、地盤改良対象範囲の次の区画を対象にして、新たな軌道を敷設し、当該区画の地盤改良工事を行なう。以下、必要に応じて、同様の作業を繰り返すことによって、複雑な形状を有する地盤改良対象範囲全体の工事を完了することができる。
この工事方法において、交差する2つの軌道を同時に敷設することはできない。その理由は、2つの軌道の交差領域内で、これら2つの軌道を構成するレール同士が干渉するため、物理的に敷設することができないからである。したがって、2つの軌道の交差領域内においては、一方の軌道を構成する既存のレールを撤去した後、他方の軌道を構成するレールを新たに敷設するという作業を行なわなければならない。
【0003】
一方、従来、軌道上の台車の走行方向を転換するための装置として、例えば、「2本の走行用レール上を走行し、左右方向に回動自在な車輪を有するレール走行台車のトラバース装置であって、前記レール走行台車の前後方向の車輪間隔と同じ間隔を有するトラバース用のレールを、前記2本の走行レールに直交する方向に配置し、これら2本の走行レールとトラバース用のレールとが交差する部分に、レールの接続方向を切替える切替レールをそれぞれ回動自在に設けたことを特徴とするレール走行台車のトラバース装置」が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平5−97032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、従来、交差する2つの軌道を敷設するためには、一方の軌道を構成する既存のレールを撤去した後、他方の軌道を構成するレールを新たに敷設するという作業を行なっている。そのため、軌道の切り替え時にこの作業の労力および時間を要し、作業効率の低下の一因となっていた。
また、上述の文献に記載されたレール走行台車のトラバース装置を、地盤改良工事の軌道の切り替えに適用する場合には、(a)モータ(動力)で駆動するトラバース用のレールが必要であり、軌道切り替え手段の複雑化および工事コストの増大を招く、(b)台車の車輪を回動可能なものに変更する必要がある、等の問題がある。
そこで、本発明は、L字形等の形状を有する地盤改良対象範囲内に、ボーリングマシンを搭載した台車等のレール走行車両の走行用の軌道を、異なる方向に2つ敷設しかつ交差させる場合において、簡易な手段のみを用いて容易かつ迅速に、当該交差領域における軌道の切り替えを行なうことのできる、軌道の切り替え構造及び切り替え方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、異なる方向に延びる2つの軌道の各々のレール部材が交差する交差地点においてレールの欠けた部分を有するように、レール部材を断続的に形成するとともに、当該レールの欠けた部分を補うための補助レール部材を、2つの軌道のうちの任意に選択された一方のみに適用するようにすれば、2つの軌道の交差領域における台車の走行可能な方向を容易かつ迅速に切り替えることができることに想到し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] 2本の平行に延びるレール部材を含む一方の軌道と、2本の平行に延びるレール部材を含む他方の軌道とが交差してなる交差構造体における軌道の切り替え構造であって、上記一方の軌道のレール部材と、上記他方の軌道のレール部材との交差地点において、これらのレール部材の各々が、レールの欠けた部分を有し、上記2つの軌道のいずれかの上記レールの欠けた部分に敷設して、上記交差地点をレール走行車両の車輪が通過可能な状態にするための補助レール部材を有することを特徴とする軌道の切り替え構造。
[2] 上記交差地点における上記レール部材のレールの欠けた部分の長さの半分の寸法が、上記レール部材の幅の半分の寸法を単位長さとした場合の該単位長さの整数倍の長さと同一またはそれよりも遊び分だけ若干長くなるように、定められており、かつ、上記補助レール部材が、上記レール部材の幅と同一の幅の正方形の上面を有する単位部材を、1つ、または上記レール部材の延びる方向に直列に2つ以上配置してなる上記[1]の軌道の切り替え構造。
[3] 上記補助レール部材を構成する単位部材が、上記レール部材の高さを等分割した高さを有する複数の単位ブロックを積み重ねてなる上記[2]の軌道の切り替え構造。
【0007】
[4] 2本の平行に延びるレール部材を含む一方の軌道と、2本の平行に延びるレール部材を含む他方の軌道とが交差してなる交差構造体における軌道の切り替え方法であって、(a)上記一方の軌道のレール部材と上記他方の軌道のレール部材との交差地点において、これらのレール部材の各々がレールの欠けた部分を有するように、これらのレール部材を敷設する工程と、(b)上記2つの軌道の一方を車両通過用として選択した後、該選択した軌道を構成する上記レール部材のレールの欠けた部分に、補助レール部材を敷設して、上記交差地点をレール走行車両の車輪が通過可能な状態にする工程と、(c)上記2つの軌道の他方を車両通過用として選択した後、敷設されている上記補助レール部材を撤去し、当該選択した軌道を構成する上記レール部材のレールの欠けた部分に、上記補助レール部材を敷設して、上記交差地点をレール走行車両の車輪が通過可能な状態にする工程、を含むことを特徴とする軌道の切り替え方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の軌道の切り替え構造および切り替え方法によれば、L字形等の形状を有する地盤改良対象範囲内に、ボーリングマシンを搭載した台車等のレール走行車両の走行用の軌道を、異なる方向に2つ敷設しかつ交差させる場合において、簡易な手段のみを用いて容易かつ迅速に、当該交差領域における軌道の切り替えを行なうことができる。また、その結果、従来の軌道の切り替え方法を用いた場合と比べて、地盤改良工事全体の作業効率を格段に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の軌道の切り替え構造および切り替え方法の実施形態例を説明する。
図1は、レール走行車両が一方向に走行可能な状態にある本発明の軌道の切り替え構造を示す平面図、図2は、図1に示す本発明の軌道の切り替え構造を、レール走行車両が他の方向に走行可能な状態に切り替えた状態を示す平面図、図3は、図1に示す本発明の軌道の切り替え構造中のレール部材および補助レール部材を示す正面図、図4は、図3に示すレール部材をA−A線で切断した状態を示す断面図、図5は、図3に示す補助レール部材をB−B線で切断した状態を示す断面図、図6は、図5に示す補助レール部材を構成する単位ブロックの斜視図、図7は、図4に示すレール部材の上にレール走行車両の車輪が載置された状態を示す図、図8は、本発明の軌道の切り替え構造中のレールの欠けた部分に対して、補助レール部材を構成する単位部材を3つ直列に配置した状態を示す図、図9は、軌道上のレール走行車両の一例を示す斜視図である。
【0010】
図1中、本発明の軌道の切り替え構造は、2本の平行に延びるレール部材3,4と補助レール部材7,8,9,10とからなる軌道1と、2本の平行に延びるレール部材5,6からなる軌道2とが交差してなるものである。この場合、レール走行車両11(図1中、その位置を点線で示す。)は、軌道1上を走行することができる。
なお、補助レール部材7,8,9,10は、図2に示すように、軌道1の延びる方向から軌道2の延びる方向に配置変えすることによって、軌道2を構成するものになり得る。この場合、レール走行車両11(図2中、その位置を点線で示す。)は、軌道2上を走行することができる。
レール部材3,4,5,6は各々、レール3a,3b,3c、レール4a,4b,4c、レール5a,5b,5c、レール6a,6b,6cからなる。
なお、図1は、軌道1と軌道2をX字形に交差させた例である。軌道1と軌道2をV字形に交差させる場合、レール3c,4c,5c,6cは省かれる。軌道1と軌道2を略T字形に交差させる場合、レール3c,4c(またはレール5c,6c)は省かれる。また、図1に示す4つの補助レール部材のうち、1つ以上の補助レール部材を省くこともある。例えば、レール3c,4c,5c,6cを省く場合には、補助レール部材10は省かれる。
【0011】
図1中、レール部材3とレール部材5の交差地点において、レール部材3,5は、各々、レールの欠けた部分を有する。レール部材3のレールの欠けた部分の長さ(換言すれば、レール3aとレール3bの間の空隙の長さ)と、レール部材5のレールの欠けた部分の長さ(換言すれば、レール5aとレール5bの間の空隙の長さ)は、同じである。これらの長さが異なる場合、レール部材3に適合する補助レール部材7に加えて、レール部材5に適合する他の補助レール部材を用意する必要があるので、好ましくない。
レール部材3のレールの欠けた部分には、単位部材7a,7bからなる補助レール部材7が敷設されている。単位部材7a,7bは各々、レール3aの幅と同じ幅を有する正方形の上面(および水平断面)を有する。つまり、レール部材3のレールの欠けた部分の長さは、レール3aの幅の2倍と略同じである。
なお、補助レール部材7として、単位部材7aと単位部材7bを一体的に組み合わせた形状を有する部材(長方形の上面を有する部材)を用いてもよい。このような長方形の上面を有する部材を用いる場合、レール部材3のレールの欠けた部分の長さは、レール3aの幅の2倍にする必要がなく、任意の寸法に定めることができる。
【0012】
レール3aおよび補助レール部材7の構造は、図3〜図6に示すとおりである。
レール3aとしては、図3および図4に示すように、例えば、H型鋼(断面がH字状の長尺の鋼材)が用いられる。H型鋼の寸法は、例えば、幅が30cm、高さが30cmである。
補助レール部材7は、レール部材3aの延びる方向に単位部材7a,7bを直列に配置することによって構成されている。ここで、「単位部材」とは、レール部材3aの延びる方向に直列に配置される、補助レール部材7の構成単位をいう。
補助レール部材7を構成する単位部材7a,7bは、各々、図3および図5に示すように、単位ブロック12を3つ積み重ねて構成されている。単位ブロック12の寸法は、例えば、幅および長さが30cm、高さが10cmである。
単位ブロック12は、図5および図6に示すように、ロの字状の垂直断面を有し、かつ水平方向の両端が開口した中空の筒体である。単位ブロック12は、両端に開口部を有する中空状の筒体であることから、重量が比較的小さく、かつ、持ち運びに便利であり、人力で容易に積み重ねることができる。
図3〜図6に示す例では、単位ブロック12を3つ組み合わせて、単位部材7aを構成しているが、レール部材3aの高さが小さい場合には、単位ブロックの数を2つまたは1つにしてもよい。また、レール部材3aの高さが大きい場合には、単位ブロックの数を4つ以上にしてもよい。一般に、レール部材3aの高さを等分割した単位ブロック12を、その分割の数だけ用意して、積み重ねれば、レール部材3aと同じ高さを有する単位部材7aを形成することができる。
【0013】
レール走行車両11の車輪は、図7に示す状態でレール3a上を走行する。
図7中、レール走行車両11の車輪13は、円柱状の本体部13aの両端に、該本体部13aの径より大きな径を有する円盤状の鍔部13bを形成させてなるものである。車輪13は、その本体部13aをレール3aの上面で回転させることによって、レール3a上を走行する。車輪13の鍔部13bは、レール3aの上面を形成する板部に対して、若干の隙間(遊び)を介在させて両側から挟むようにして垂下しており、脱輪を防止している。
図1中、レール3a,3bおよび補助レール部材7からなる構造部分と、レール5a、5bからなる構造部分との間の空隙の大きさは、車輪13の鍔部13bが通過しうるものであればよい。
レール部材3とレール部材5の交差地点に補助レール部材7を配設して、レール走行車両11の車輪13を一方向のみに通過可能にする構造は、レール部材3とレール部材6の交差地点、レール部材4とレール部材5の交差地点、および、レール部材4とレール部材6の交差地点においても同様に形成される。具体的には、レール部材3とレール部材6の交差地点には、単位部材8a,8bからなる補助レール部材8が敷設され、レール部材4とレール部材5の交差地点には、単位部材9a,9bからなる補助レール部材9が敷設され、レール部材4とレール部材6の交差地点には、単位部材10a,10bからなる補助レール部材10が敷設されている。
【0014】
図1では、補助レール部材7を構成する単位部材7a,7bの数が2つである場合について説明したが、本発明においては、交差する2つの軌道の交差角度の大きさに応じて、単位部材の数を3つ以上に定めることができる。
図8は、3つの単位部材22a,22b,22cを用いて、補助レール部材22を構成する例を示す。図8中、Lは、レール部材20を構成するレール20aの幅の半分の寸法を示す。一方、レール部材20の軸線とレール部材21の軸線の交点Pと、レール20aの端面の間の距離は、nL(ただし、n=3)で表される。
一般に、2つのレール部材の交差地点におけるレールの欠けた部分の長さの半分の寸法(図8中のnL)は、レール部材の幅の半分の寸法(図8中のL)を単位長さとした場合の整数倍(n倍;n=1,2,3・・・)の長さと同一か、または、遊び分(寸法上の余裕)だけ若干長くなるように、定められる。
【0015】
図8中、レール部材20とレール部材21の交差角度αが小さくなると、レール20aとレール21a、およびレール20bとレール21bが衝突するので、この衝突を避けるために、レール部材20,21におけるレールの欠けた部分の長さを増大させる必要がある。この場合、単位部材22aと同じ単位部材を複数用いることを前提にすると、レールの欠けた部分の長さは、レール20aの幅の半分の長さLの整数倍(n倍)に定めなければならない。ここで、n=4の場合、単位部材の数は4つである。
レール20aが30cmの幅寸法を有する場合における、交差角度αと最小限必要な単位部材の数の関係を具体的に説明すると、次の表のとおりである。なお、単位部材としては、一辺の長さが30cmである正方形の上面を有するものが用いられる。また、レールの欠けた部分の長さとしては、レールの幅の半分の長さ(L)の整数倍の長さ(nL)に対して、遊び分として8cmを加えたものを想定している。
【0016】
【表1】

【0017】
補助レール部材を構成する単位部材の数は、敷設時の作業性等の観点から、好ましくは2〜5個、より好ましくは2〜4個、特に好ましくは3〜4個である。
次に、図8に示すレール部材20,21の交差地点を形成する方法を説明する。
まず、レール部材20の幅の半分の寸法Lの3倍の長さよりも遊び分だけ若干大きな長さを有する空隙(レールの欠けた部分)が形成されるように、レール20a,20bを敷設する。次いで、レール20a,20bの間の空隙(レールの欠けた部分)の中央の交点Pを、レール21a,21bの軸線が通るように、レール21a,21bの延びる方向を定める。そして、レール21aの端面と交点Pの距離、および、レール21bの端面と交点Pの距離の各々を、レール20aの端面と交点Pの距離(nL)と同一になるように定めて、レール21a,21bを敷設すれば、レール部材20,21の交差地点の構造(軌道の切り替え構造の一部)が完成する。本発明の軌道の切り替え構造を完成させるには、レール部材の交差地点の各々について、上述の交差地点の形成方法と同様の作業を行なえばよい。
本発明の軌道の切り替え構造を適用するレール走行車両11の一例としては、図9に示すように、ボーリングマシン31を搭載した台車30が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】レール走行車両が一方向に走行可能な状態にある本発明の軌道の切り替え構造を示す平面図である。
【図2】図1に示す本発明の軌道の切り替え構造を、レール走行車両が他の方向に走行可能な状態に切り替えた状態を示す平面図である。
【図3】図1に示す本発明の軌道の切り替え構造中のレール部材および補助レール部材を示す正面図である。
【図4】図3に示すレール部材をA−A線で切断した状態を示す断面図である。
【図5】図3に示す補助レール部材をB−B線で切断した状態を示す断面図である。
【図6】図5に示す補助レール部材を構成する単位ブロックの斜視図である。
【図7】図4に示すレール部材の上にレール走行車両の車輪が載置された状態を示す図である。
【図8】本発明の軌道の切り替え構造中のレールの欠けた部分に対して、補助レール部材を構成する単位部材を3つ直列に配置した状態を示す図である。
【図9】軌道上のレール走行車両の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1,2 軌道
3,4,5,6 レール部材
3a,3b,3c レール
4b,4b,4c レール
5a,5b,5c レール
6a,6b,6c レール
7,8,9,10 補助レール部材
7a,7b,8a,8b,9a,9b,10a,10b 単位部材
11 レール走行車両
12 単位ブロック
13 車輪
13a 車輪の本体部
13b 車輪の鍔部
20,21 レール部材
20a,20b,21a,21b レール
22 補助レール部材
22a,22b,22c 単位部材
30 台車
31 ボーリングマシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の平行に延びるレール部材を含む一方の軌道と、2本の平行に延びるレール部材を含む他方の軌道とが交差してなる交差構造体における軌道の切り替え構造であって、
上記一方の軌道のレール部材と、上記他方の軌道のレール部材との交差地点において、これらのレール部材の各々が、レールの欠けた部分を有し、
上記2つの軌道のいずれかの上記レールの欠けた部分に敷設して、上記交差地点をレール走行車両の車輪が通過可能な状態にするための補助レール部材を有することを特徴とする軌道の切り替え構造。
【請求項2】
上記交差地点における上記レール部材のレールの欠けた部分の長さの半分の寸法が、上記レール部材の幅の半分の寸法を単位長さとした場合の該単位長さの整数倍の長さと同一またはそれよりも遊び分だけ若干長くなるように、定められており、かつ、上記補助レール部材が、上記レール部材の幅と同一の幅の正方形の上面を有する単位部材を、1つ、または上記レール部材の延びる方向に直列に2つ以上配置してなる請求項1に記載の軌道の切り替え構造。
【請求項3】
上記補助レール部材を構成する単位部材が、上記レール部材の高さを等分割した高さを有する複数の単位ブロックを積み重ねてなる請求項2に記載の軌道の切り替え構造。
【請求項4】
2本の平行に延びるレール部材を含む一方の軌道と、2本の平行に延びるレール部材を含む他方の軌道とが交差してなる交差構造体における軌道の切り替え方法であって、
(a)上記一方の軌道のレール部材と上記他方の軌道のレール部材との交差地点において、これらのレール部材の各々がレールの欠けた部分を有するように、これらのレール部材を敷設する工程と、
(b)上記2つの軌道の一方を車両通過用として選択した後、該選択した軌道を構成する上記レール部材のレールの欠けた部分に、補助レール部材を敷設して、上記交差地点をレール走行車両の車輪が通過可能な状態にする工程と、
(c)上記2つの軌道の他方を車両通過用として選択した後、敷設されている上記補助レール部材を撤去し、当該選択した軌道を構成する上記レール部材のレールの欠けた部分に、上記補助レール部材を敷設して、上記交差地点をレール走行車両の車輪が通過可能な状態にする工程、
を含むことを特徴とする軌道の切り替え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−77709(P2007−77709A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268611(P2005−268611)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000185972)小野田ケミコ株式会社 (58)