軌道走行用車両
【課題】方向転換作業を容易且つ迅速に行わせることができる軌道走行用車両を提供する。
【解決手段】方向転換手段4が、人員が操作可能な操作レバー13と、操作レバー13の操作によって自重にて下降し得るとともに、車両本体2の前輪1aを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体2に係止可能とされた軸部材17と、軸部材17の下部に取り付けられ、当該軸部材17と共に下降して接地する接地部材18と、接地部材18と軸部材17との間に介装され、持ち上げ状態で当該接地部材18に対する軸部材17及び車両本体2の相対的回転を許容する回転部材19とを備えたものである。
【解決手段】方向転換手段4が、人員が操作可能な操作レバー13と、操作レバー13の操作によって自重にて下降し得るとともに、車両本体2の前輪1aを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体2に係止可能とされた軸部材17と、軸部材17の下部に取り付けられ、当該軸部材17と共に下降して接地する接地部材18と、接地部材18と軸部材17との間に介装され、持ち上げ状態で当該接地部材18に対する軸部材17及び車両本体2の相対的回転を許容する回転部材19とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用レールの保守及び点検を行うための軌道走行用車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道用レールの保守及び点検を行うために、作業者が搭乗して当該鉄道用レール上を走行する軌道走行用車両は、通常、鉄道用レール上を転動するホイールから成る前輪及び後輪と、該前輪及び後輪上に取り付けられ、人員が搭乗可能な車両本体と、該車両本体に搭載されて前輪又は後輪を駆動することにより車両本体を鉄道用レールに沿って走行させるエンジンなどを具備している。
【0003】
そして、エンジンを始動して駆動輪を回転駆動させると、車両本体が鉄道用レールに沿って前進し、搭乗した作業員により当該鉄道用レールに対する各種保守や点検等が行われ得るようになっている。このような軌道走行用車両の方向転換は、通常、搭乗していた作業者が車両本体から一旦降り、当該車両本体を手で持ち上げつつ後方に向けて再び鉄道用レール上に載せることにより行われていた。
【0004】
しかるに、上記の如き方向転換時、比較的重量がある車両本体を持ち上げるには作業者に過度な負担を強いることになってしまい大きな労力が必要とされてしまうことから、車両本体をジャッキアップ可能なジャッキを具備させ、ジャッキアップ作業による当該ジャッキの動作で車両本体を持ち上げて方向転換可能な軌道走行用車両が提案されるに至っている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−56102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の軌道走行用車両においては、方向転換時、ジャッキアップ作業で車両本体を持ち上げる必要があるため、方向転換作業に手間及び時間がかかってしまうという問題があった。すなわち、従来のものは、ジャッキアップ作業自体が煩わしく、且つ、ジャッキアップ作業を行った後、車両本体の持ち上げ動作及び方向転換動作を行う必要があることから、手間と時間がかかってしまうのである。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、方向転換作業を容易且つ迅速に行わせることができる軌道走行用車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、鉄道用レール上を転動するホイールから成る前輪及び後輪と、該前輪及び後輪上に取り付けられ、人員が搭乗可能な車両本体と、前記車両本体の方向転換をなし得る方向転換手段とを具備し、前記前輪又は後輪を回転させて前記車両本体を鉄道用レールに沿って走行させて鉄道用レールの保守及び点検を行うための軌道走行用車両であって、前記方向転換手段は、人員が操作可能な操作手段と、前記操作手段の操作によって自重にて下降し得るとともに、前記車両本体の前記前輪又は後輪を前記鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に係止可能とされた軸部材と、該軸部材の下部に取り付けられ、当該軸部材と共に下降して接地する接地部材と、該接地部材と前記軸部材との間に介装され、前記持ち上げ状態で当該接地部材に対する軸部材及び車両本体の相対的回転を許容する回転部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の軌道走行用車両において、前記車両本体から延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体を持ち上げ状態とすることが可能なハンドル手段を具備するとともに、前記操作手段は、人員が当該ハンドル手段を把持しつつ揺動操作可能な操作レバーから成ることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の軌道走行用車両において、前記軸部材は、前記接地部材が接地しない未接地状態で前記車両本体に係止されるとともに、前記操作手段による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、操作手段の操作によって軸部材が自重にて下降し得るとともに、車両本体の前輪又は後輪を鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に軸部材が係止可能とされたので、方向転換作業を容易且つ迅速に行わせることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、操作手段は、人員がハンドル手段を把持しつつ揺動操作可能な操作レバーから成るので、持ち上げ動作を行わせつつ操作手段の操作を行うことができ、方向転換作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、軸部材は、接地部材が接地しない未接地状態で車両本体に係止されるとともに、操作手段による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されるので、軸部材の下降をより正確且つ円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る軌道走行用車両を示す側面図
【図2】同軌道走行用車両を示す正面図
【図3】同軌道走行用車両(ハンドル手段が突出状態)を示す平面図
【図4】同軌道走行用車両(ハンドル手段が収容状態)を示す平面図
【図5】同軌道走行用車両における方向転換手段を示す模式図
【図6】同軌道走行用車両における方向転換手段(持ち上げ状態)を示す模式図
【図7】同方向転換手段を構成する軸部材、接地部材及び回転部材を示す側面図
【図8】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、操作手段を操作する前の状態を示す模式図
【図9】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、操作手段を操作した後の状態を示す模式図
【図10】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、車両本体の持ち上げ状態を示す模式図
【図11】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、車両本体全体を持ち上げた状態を示す模式図
【図12】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、方向転換をさせた状態(持ち上げ状態)を示す模式図
【図13】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、方向転換をさせた状態(鉄道用レール上に載置した状態)を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る軌道走行用車両は、鉄道用レールの保守及び点検を行うためのものであり、図1〜4に示すように、鉄道用レールL上を転動可能な前輪1a及び後輪1bと、作業員等人員が搭乗可能な車両本体2と、後輪1bを駆動するための駆動手段としてのエンジン3と、方向転換手段4と、車両本体2の前部に配設されたハンドル手段11a、11b、及び車両本体2の後部に配設されたハンドル手段12a、12bと、操作手段としての操作レバー13とを具備し、当該エンジン3の駆動力にて鉄道用レールL上を走行可能なものである。
【0016】
前輪1a及び後輪1bは、硬質のウレタン樹脂製の鉄道用レールL上を転動するホイールから成るものであり、後輪1bに対してエンジン3の駆動力が伝達されると、車両本体2が人員を搭乗した状態にて鉄道用レールLに沿って走行し得るよう構成されている。なお、本実施形態においては、後輪1bに対して駆動力が伝達されるものであるが、前輪1aに駆動力が伝達されるもの、或いは前後輪共に駆動力が伝達されるものであってもよい。また、他の材質(例えば金属製のもの)のホイールから成るものとしてもよい。
【0017】
車両本体2は、前輪1a及び後輪1b上に取り付けられたフレーム5にて構成されるもので、駆動手段としてのエンジン3が設置されるとともに、走行に必要な種々構成要素(左右前後の着座シート6、アクリル製の防風手段7、ライト8、アクセル9及びフットブレーキ10など)が取り付けられている。そして、着座シート6に着座した作業員がアクセル9を操作することにより、エンジン3の駆動が制御されるとともに、フットブレーキ10を操作することにより、制動し得るよう構成されている。
【0018】
エンジン3は、フレーム5の略中央に固定され、その周囲に配設された燃料タンクTから燃料が供給されるとともに、伝達ベルト等の伝達手段を介して後輪1bと連結され、走行時の駆動力を伝達可能とされたものである。なお、変速操作可能とすべく減速機及び変速操作装置を具備してもよく、或いは内燃機関としてのエンジン3に代えて、モータ等他の駆動手段としてもよい。
【0019】
ハンドル手段11a、11bは、図3に示すように、車両本体2の前部から前方に向かって延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体2を持ち上げ状態とすることが可能なものであるとともに、図4に示すように、それぞれが揺動して収納状態とされ得るよう構成されている。図中符号Kaは、突出状態のハンドル手段11a、11bを連結させて、当該突出状態をロックするためのロック手段を示している。
【0020】
ハンドル手段12a、12bは、図3に示すように、車両本体2の後部から後方に向かって延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体2全体を持ち上げた状態とすることが可能なものであるとともに、図4に示すように、それぞれが揺動して収納状態とされ得るよう構成されている。図中符号Kbは、ロック手段Kaと同様、突出状態のハンドル手段12a、12bを連結させて、当該突出状態をロックするためのロック手段を示している。なお、ハンドル手段11a、11b及びハンドル手段12a、12bは、軌道走行用車両の走行中において収納状態(図4参照)とされ、方向転換時において突出状態(図3参照)となるよう構成されている。
【0021】
方向転換手段4は、図3、4及び図5〜7に示すように、車両本体2に配設されて当該車両本体2の方向転換をなし得るもので、操作手段としての操作レバー13と、軸部材17と、接地部材18と、回転部材19とから主に構成されている。操作レバー13は、人員がハンドル手段11a、11bを把持しつつ揺動操作可能なものから成るもので、図5、6に示すように、本実施形態においてはハンドル手段11aの先端部にのみ形成されている。
【0022】
かかる操作レバー13は、操作ワイヤ14を介して操作子15と連結されており、当該操作レバー13の操作によって操作子15が軸部材17に対して離間可能とされている。より具体的には、操作子15は、通常状態(操作レバー13による操作がない状態:図5、6中実線で示す状態)において、軸部材17側に付勢されており、当該軸部材17に形成された孔17a、17bに挿通して係止可能とされるとともに、操作レバー13による操作がなされると(図5、6中二点鎖線で示す状態)、付勢力に抗して移動し、当該軸部材17に形成された孔17a、17bとの係止が解かれるよう構成されている。なお、操作子15は、車両本体2に固定された筒状部材16の所定位置に固定され、当該筒状部材16の内部を臨ませて配設されている。
【0023】
軸部材17は、車両本体2の重心近傍に設けられ、操作レバー13の操作によって自重にて下降し得るとともに、車両本体2の前輪1a又は後輪1b(本実施形態においては前輪1a)を鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態(図10参照)で当該車両本体2に係止可能とされたものである。より具体的には、軸部材17は、図7に示すように、長尺状部材から成り、その互いに離間した所定位置に孔17a、17bが形成されているとともに、図5、6に示すように、車両本体2に固定された筒状部材16内を摺動自在とされている。
【0024】
さらに、軸部材17は、接地部材18が接地しない未接地状態(図8参照)で操作子15が係止して車両本体2に係止されるとともに、操作レバー13による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されるようになっている。すなわち、通常状態(方向転換時以外)において、軸部材17は、上方の位置(接地部材18が枕木Mより上方にある位置)にて係止されており、操作レバー13の操作により、その係止が解除されて自重にて下降し、接地部材18を接地させ得るよう構成されているのである。
【0025】
接地部材18は、軸部材17の下部に取り付けられ、当該軸部材17と共に下降して例えば枕木M上に接地(図9参照)可能とされたもので、本実施形態においては、円板形状の金属製板材から成るものとされている。しかるに、操作子15が軸部材17の下方の孔17aに係止した状態においては、接地部材18が接地部位(例えば枕木M)の上方に位置するとともに、車両本体2を所定高さまで持ち上げる(持ち上げ状態とする)と、操作子15が軸部材17の上方の孔17aに係止し、その状態が維持されるようになっている。
【0026】
回転部材19は、接地部材18と軸部材17との間に介装された継手から成るもので、車両本体2を所定高さまで持ち上げた状態(持ち上げ状態)で当該接地部材18に対する軸部材17及び車両本体2の相対的回転を許容するものである。これにより、図11、12に示すように、車両本体2全体が持ち上げられた状態を保持しつつ方向転換が可能とされる。また、本実施形態における回転部材19は、接地部材18に対する軸部材17の相対的回転に加え、相対的傾斜も許容されており、図10に示すように、車両本体2の前部のみを持ち上げた状態を良好に維持し得るようになっている。
【0027】
次に、本実施形態に係る軌道走行用車両の方向転換方法について説明する。
方向転換作業開始時、図8に示すように、ハンドル手段11a、11b及びハンドル手段12a、12bを収納状態から突出状態とし、ロック手段Ka、Kbにてロックする。そして、先ず前部のハンドル手段11a、11bを人員が把持しつつ指を伸ばして操作レバー13を操作することにより、操作子15を軸部材17の孔17aから離間して係止を解く。これにより、軸部材17が自重により筒状部材16内にて摺動して下降し、図9に示すように、接地部材18が枕木M上に載置されることとなる。なお、この時点においては、操作レバー13の操作はなされていない。
【0028】
その後、人員がハンドル手段11a、11bを持ち上げ、図10に示すように、車両本体2の前部を所定高さまで持ち上げた状態(持ち上げ状態)とする。かかる持ち上げ状態になると、軸部材17の孔17bに操作子15が挿入し、当該軸部材17が係止されることとなる。すなわち、車両本体2の前輪1aを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態で、軸部材17が操作子15及び筒状部材16を介して車両本体2に係止されるのである。
【0029】
さらに、図11に示すように、別の人員が後部のハンドル手段12a、12bを持ち上げ、車両本体2全体を所定高さで略水平状態とした後、図12に示すように、軸部材17を中心として略180度回転させて方向転換する。このとき、回転部材19により、接地部材18に対する軸部材17及び車両本体2の相対的回転が許容されているので、接地部材18の接地状態を維持しつつ車両本体2の方向転換が円滑に行われる。
【0030】
その後、再び操作レバー13を操作して軸部材17に対する係止を解くとともに、図13に示すように、当該軸部材17を初期状態まで上昇させることにより、操作子15を孔17aに挿入させて係止する。しかして、方向転換作業が終了するので、ロック手段Ka、Kbによるロックを解除して、ハンドル手段11a、11b及びハンドル手段12a、12bを突出状態から収納状態とする。
【0031】
なお、本実施形態においては、先ず車両本体2の前部を持ち上げて車両本体2の前輪1aを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態としているが、操作レバー13を後部のハンドル手段12a、12bに配設するものとし、先ず車両本体2の後部を持ち上げて車両本体2の後輪1bを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態とした後、前部を持ち上げて、車両本体2全体を所定高さで略水平状態とするようにしてもよい。
【0032】
上記実施形態によれば、操作レバー13の操作によって軸部材17が自重にて下降し得るとともに、車両本体2の前輪1a又は後輪1bを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体2に軸部材17が係止可能とされたので、例えばジャッキアップ作業等が必要とされるものに比べ、方向転換作業を容易且つ迅速に行わせることができる。
【0033】
また、軸部材17を操作するための操作手段は、人員がハンドル手段11a、11bを把持しつつ揺動操作可能な操作レバー13から成るので、持ち上げ動作を行わせつつ操作レバー13の操作を行うことができ、方向転換作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。さらに、軸部材17は、接地部材18が接地しない未接地状態(図8参照)で車両本体2に係止されるとともに、操作レバー13による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されるので、軸部材17の下降をより正確且つ円滑に行わせることができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば操作レバー13に代えて軸部材17の係止を解くことが可能な他の操作手段(ハンドル手段11a、11b又はハンドル手段12a、12b近傍に配設された押しボタン等)としてもよい。また、ハンドル手段11a、11b又はハンドル手段12a、12bが収納状態とされないものとしてもよい。なお、本実施形態においては、エンジン3を駆動源としているが、人員がペダルを漕いで推進力を得るものに適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
方向転換手段が、人員が操作可能な操作手段と、操作手段の操作によって自重にて下降し得るとともに、車両本体の前輪又は後輪を鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に係止可能とされた軸部材と、該軸部材の下部に取り付けられ、当該軸部材と共に下降して接地する接地部材と、該接地部材と軸部材との間に介装され、持ち上げ状態で当該接地部材に対する軸部材及び車両本体の相対的回転を許容する回転部材とを備えた軌道走行用車両であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等としてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1a 前輪
1b 後輪
2 車両本体
3 エンジン
4 方向転換手段
5 フレーム
6 着座シート
7 防風手段
8 ライト
9 アクセル
10 フットブレーキ
11a、11b ハンドル手段
12a、12b ハンドル手段
13 操作レバー(操作手段)
14 操作ワイヤ
15 操作子
16 筒状部材
17 軸部材
18 接地部材
19 回転部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用レールの保守及び点検を行うための軌道走行用車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道用レールの保守及び点検を行うために、作業者が搭乗して当該鉄道用レール上を走行する軌道走行用車両は、通常、鉄道用レール上を転動するホイールから成る前輪及び後輪と、該前輪及び後輪上に取り付けられ、人員が搭乗可能な車両本体と、該車両本体に搭載されて前輪又は後輪を駆動することにより車両本体を鉄道用レールに沿って走行させるエンジンなどを具備している。
【0003】
そして、エンジンを始動して駆動輪を回転駆動させると、車両本体が鉄道用レールに沿って前進し、搭乗した作業員により当該鉄道用レールに対する各種保守や点検等が行われ得るようになっている。このような軌道走行用車両の方向転換は、通常、搭乗していた作業者が車両本体から一旦降り、当該車両本体を手で持ち上げつつ後方に向けて再び鉄道用レール上に載せることにより行われていた。
【0004】
しかるに、上記の如き方向転換時、比較的重量がある車両本体を持ち上げるには作業者に過度な負担を強いることになってしまい大きな労力が必要とされてしまうことから、車両本体をジャッキアップ可能なジャッキを具備させ、ジャッキアップ作業による当該ジャッキの動作で車両本体を持ち上げて方向転換可能な軌道走行用車両が提案されるに至っている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−56102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の軌道走行用車両においては、方向転換時、ジャッキアップ作業で車両本体を持ち上げる必要があるため、方向転換作業に手間及び時間がかかってしまうという問題があった。すなわち、従来のものは、ジャッキアップ作業自体が煩わしく、且つ、ジャッキアップ作業を行った後、車両本体の持ち上げ動作及び方向転換動作を行う必要があることから、手間と時間がかかってしまうのである。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、方向転換作業を容易且つ迅速に行わせることができる軌道走行用車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、鉄道用レール上を転動するホイールから成る前輪及び後輪と、該前輪及び後輪上に取り付けられ、人員が搭乗可能な車両本体と、前記車両本体の方向転換をなし得る方向転換手段とを具備し、前記前輪又は後輪を回転させて前記車両本体を鉄道用レールに沿って走行させて鉄道用レールの保守及び点検を行うための軌道走行用車両であって、前記方向転換手段は、人員が操作可能な操作手段と、前記操作手段の操作によって自重にて下降し得るとともに、前記車両本体の前記前輪又は後輪を前記鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に係止可能とされた軸部材と、該軸部材の下部に取り付けられ、当該軸部材と共に下降して接地する接地部材と、該接地部材と前記軸部材との間に介装され、前記持ち上げ状態で当該接地部材に対する軸部材及び車両本体の相対的回転を許容する回転部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の軌道走行用車両において、前記車両本体から延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体を持ち上げ状態とすることが可能なハンドル手段を具備するとともに、前記操作手段は、人員が当該ハンドル手段を把持しつつ揺動操作可能な操作レバーから成ることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の軌道走行用車両において、前記軸部材は、前記接地部材が接地しない未接地状態で前記車両本体に係止されるとともに、前記操作手段による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、操作手段の操作によって軸部材が自重にて下降し得るとともに、車両本体の前輪又は後輪を鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に軸部材が係止可能とされたので、方向転換作業を容易且つ迅速に行わせることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、操作手段は、人員がハンドル手段を把持しつつ揺動操作可能な操作レバーから成るので、持ち上げ動作を行わせつつ操作手段の操作を行うことができ、方向転換作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、軸部材は、接地部材が接地しない未接地状態で車両本体に係止されるとともに、操作手段による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されるので、軸部材の下降をより正確且つ円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る軌道走行用車両を示す側面図
【図2】同軌道走行用車両を示す正面図
【図3】同軌道走行用車両(ハンドル手段が突出状態)を示す平面図
【図4】同軌道走行用車両(ハンドル手段が収容状態)を示す平面図
【図5】同軌道走行用車両における方向転換手段を示す模式図
【図6】同軌道走行用車両における方向転換手段(持ち上げ状態)を示す模式図
【図7】同方向転換手段を構成する軸部材、接地部材及び回転部材を示す側面図
【図8】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、操作手段を操作する前の状態を示す模式図
【図9】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、操作手段を操作した後の状態を示す模式図
【図10】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、車両本体の持ち上げ状態を示す模式図
【図11】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、車両本体全体を持ち上げた状態を示す模式図
【図12】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、方向転換をさせた状態(持ち上げ状態)を示す模式図
【図13】同軌道走行用車両の方向転換方法を示す図であって、方向転換をさせた状態(鉄道用レール上に載置した状態)を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る軌道走行用車両は、鉄道用レールの保守及び点検を行うためのものであり、図1〜4に示すように、鉄道用レールL上を転動可能な前輪1a及び後輪1bと、作業員等人員が搭乗可能な車両本体2と、後輪1bを駆動するための駆動手段としてのエンジン3と、方向転換手段4と、車両本体2の前部に配設されたハンドル手段11a、11b、及び車両本体2の後部に配設されたハンドル手段12a、12bと、操作手段としての操作レバー13とを具備し、当該エンジン3の駆動力にて鉄道用レールL上を走行可能なものである。
【0016】
前輪1a及び後輪1bは、硬質のウレタン樹脂製の鉄道用レールL上を転動するホイールから成るものであり、後輪1bに対してエンジン3の駆動力が伝達されると、車両本体2が人員を搭乗した状態にて鉄道用レールLに沿って走行し得るよう構成されている。なお、本実施形態においては、後輪1bに対して駆動力が伝達されるものであるが、前輪1aに駆動力が伝達されるもの、或いは前後輪共に駆動力が伝達されるものであってもよい。また、他の材質(例えば金属製のもの)のホイールから成るものとしてもよい。
【0017】
車両本体2は、前輪1a及び後輪1b上に取り付けられたフレーム5にて構成されるもので、駆動手段としてのエンジン3が設置されるとともに、走行に必要な種々構成要素(左右前後の着座シート6、アクリル製の防風手段7、ライト8、アクセル9及びフットブレーキ10など)が取り付けられている。そして、着座シート6に着座した作業員がアクセル9を操作することにより、エンジン3の駆動が制御されるとともに、フットブレーキ10を操作することにより、制動し得るよう構成されている。
【0018】
エンジン3は、フレーム5の略中央に固定され、その周囲に配設された燃料タンクTから燃料が供給されるとともに、伝達ベルト等の伝達手段を介して後輪1bと連結され、走行時の駆動力を伝達可能とされたものである。なお、変速操作可能とすべく減速機及び変速操作装置を具備してもよく、或いは内燃機関としてのエンジン3に代えて、モータ等他の駆動手段としてもよい。
【0019】
ハンドル手段11a、11bは、図3に示すように、車両本体2の前部から前方に向かって延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体2を持ち上げ状態とすることが可能なものであるとともに、図4に示すように、それぞれが揺動して収納状態とされ得るよう構成されている。図中符号Kaは、突出状態のハンドル手段11a、11bを連結させて、当該突出状態をロックするためのロック手段を示している。
【0020】
ハンドル手段12a、12bは、図3に示すように、車両本体2の後部から後方に向かって延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体2全体を持ち上げた状態とすることが可能なものであるとともに、図4に示すように、それぞれが揺動して収納状態とされ得るよう構成されている。図中符号Kbは、ロック手段Kaと同様、突出状態のハンドル手段12a、12bを連結させて、当該突出状態をロックするためのロック手段を示している。なお、ハンドル手段11a、11b及びハンドル手段12a、12bは、軌道走行用車両の走行中において収納状態(図4参照)とされ、方向転換時において突出状態(図3参照)となるよう構成されている。
【0021】
方向転換手段4は、図3、4及び図5〜7に示すように、車両本体2に配設されて当該車両本体2の方向転換をなし得るもので、操作手段としての操作レバー13と、軸部材17と、接地部材18と、回転部材19とから主に構成されている。操作レバー13は、人員がハンドル手段11a、11bを把持しつつ揺動操作可能なものから成るもので、図5、6に示すように、本実施形態においてはハンドル手段11aの先端部にのみ形成されている。
【0022】
かかる操作レバー13は、操作ワイヤ14を介して操作子15と連結されており、当該操作レバー13の操作によって操作子15が軸部材17に対して離間可能とされている。より具体的には、操作子15は、通常状態(操作レバー13による操作がない状態:図5、6中実線で示す状態)において、軸部材17側に付勢されており、当該軸部材17に形成された孔17a、17bに挿通して係止可能とされるとともに、操作レバー13による操作がなされると(図5、6中二点鎖線で示す状態)、付勢力に抗して移動し、当該軸部材17に形成された孔17a、17bとの係止が解かれるよう構成されている。なお、操作子15は、車両本体2に固定された筒状部材16の所定位置に固定され、当該筒状部材16の内部を臨ませて配設されている。
【0023】
軸部材17は、車両本体2の重心近傍に設けられ、操作レバー13の操作によって自重にて下降し得るとともに、車両本体2の前輪1a又は後輪1b(本実施形態においては前輪1a)を鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態(図10参照)で当該車両本体2に係止可能とされたものである。より具体的には、軸部材17は、図7に示すように、長尺状部材から成り、その互いに離間した所定位置に孔17a、17bが形成されているとともに、図5、6に示すように、車両本体2に固定された筒状部材16内を摺動自在とされている。
【0024】
さらに、軸部材17は、接地部材18が接地しない未接地状態(図8参照)で操作子15が係止して車両本体2に係止されるとともに、操作レバー13による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されるようになっている。すなわち、通常状態(方向転換時以外)において、軸部材17は、上方の位置(接地部材18が枕木Mより上方にある位置)にて係止されており、操作レバー13の操作により、その係止が解除されて自重にて下降し、接地部材18を接地させ得るよう構成されているのである。
【0025】
接地部材18は、軸部材17の下部に取り付けられ、当該軸部材17と共に下降して例えば枕木M上に接地(図9参照)可能とされたもので、本実施形態においては、円板形状の金属製板材から成るものとされている。しかるに、操作子15が軸部材17の下方の孔17aに係止した状態においては、接地部材18が接地部位(例えば枕木M)の上方に位置するとともに、車両本体2を所定高さまで持ち上げる(持ち上げ状態とする)と、操作子15が軸部材17の上方の孔17aに係止し、その状態が維持されるようになっている。
【0026】
回転部材19は、接地部材18と軸部材17との間に介装された継手から成るもので、車両本体2を所定高さまで持ち上げた状態(持ち上げ状態)で当該接地部材18に対する軸部材17及び車両本体2の相対的回転を許容するものである。これにより、図11、12に示すように、車両本体2全体が持ち上げられた状態を保持しつつ方向転換が可能とされる。また、本実施形態における回転部材19は、接地部材18に対する軸部材17の相対的回転に加え、相対的傾斜も許容されており、図10に示すように、車両本体2の前部のみを持ち上げた状態を良好に維持し得るようになっている。
【0027】
次に、本実施形態に係る軌道走行用車両の方向転換方法について説明する。
方向転換作業開始時、図8に示すように、ハンドル手段11a、11b及びハンドル手段12a、12bを収納状態から突出状態とし、ロック手段Ka、Kbにてロックする。そして、先ず前部のハンドル手段11a、11bを人員が把持しつつ指を伸ばして操作レバー13を操作することにより、操作子15を軸部材17の孔17aから離間して係止を解く。これにより、軸部材17が自重により筒状部材16内にて摺動して下降し、図9に示すように、接地部材18が枕木M上に載置されることとなる。なお、この時点においては、操作レバー13の操作はなされていない。
【0028】
その後、人員がハンドル手段11a、11bを持ち上げ、図10に示すように、車両本体2の前部を所定高さまで持ち上げた状態(持ち上げ状態)とする。かかる持ち上げ状態になると、軸部材17の孔17bに操作子15が挿入し、当該軸部材17が係止されることとなる。すなわち、車両本体2の前輪1aを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態で、軸部材17が操作子15及び筒状部材16を介して車両本体2に係止されるのである。
【0029】
さらに、図11に示すように、別の人員が後部のハンドル手段12a、12bを持ち上げ、車両本体2全体を所定高さで略水平状態とした後、図12に示すように、軸部材17を中心として略180度回転させて方向転換する。このとき、回転部材19により、接地部材18に対する軸部材17及び車両本体2の相対的回転が許容されているので、接地部材18の接地状態を維持しつつ車両本体2の方向転換が円滑に行われる。
【0030】
その後、再び操作レバー13を操作して軸部材17に対する係止を解くとともに、図13に示すように、当該軸部材17を初期状態まで上昇させることにより、操作子15を孔17aに挿入させて係止する。しかして、方向転換作業が終了するので、ロック手段Ka、Kbによるロックを解除して、ハンドル手段11a、11b及びハンドル手段12a、12bを突出状態から収納状態とする。
【0031】
なお、本実施形態においては、先ず車両本体2の前部を持ち上げて車両本体2の前輪1aを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態としているが、操作レバー13を後部のハンドル手段12a、12bに配設するものとし、先ず車両本体2の後部を持ち上げて車両本体2の後輪1bを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態とした後、前部を持ち上げて、車両本体2全体を所定高さで略水平状態とするようにしてもよい。
【0032】
上記実施形態によれば、操作レバー13の操作によって軸部材17が自重にて下降し得るとともに、車両本体2の前輪1a又は後輪1bを鉄道用レールLから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体2に軸部材17が係止可能とされたので、例えばジャッキアップ作業等が必要とされるものに比べ、方向転換作業を容易且つ迅速に行わせることができる。
【0033】
また、軸部材17を操作するための操作手段は、人員がハンドル手段11a、11bを把持しつつ揺動操作可能な操作レバー13から成るので、持ち上げ動作を行わせつつ操作レバー13の操作を行うことができ、方向転換作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。さらに、軸部材17は、接地部材18が接地しない未接地状態(図8参照)で車両本体2に係止されるとともに、操作レバー13による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されるので、軸部材17の下降をより正確且つ円滑に行わせることができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば操作レバー13に代えて軸部材17の係止を解くことが可能な他の操作手段(ハンドル手段11a、11b又はハンドル手段12a、12b近傍に配設された押しボタン等)としてもよい。また、ハンドル手段11a、11b又はハンドル手段12a、12bが収納状態とされないものとしてもよい。なお、本実施形態においては、エンジン3を駆動源としているが、人員がペダルを漕いで推進力を得るものに適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
方向転換手段が、人員が操作可能な操作手段と、操作手段の操作によって自重にて下降し得るとともに、車両本体の前輪又は後輪を鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に係止可能とされた軸部材と、該軸部材の下部に取り付けられ、当該軸部材と共に下降して接地する接地部材と、該接地部材と軸部材との間に介装され、持ち上げ状態で当該接地部材に対する軸部材及び車両本体の相対的回転を許容する回転部材とを備えた軌道走行用車両であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等としてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1a 前輪
1b 後輪
2 車両本体
3 エンジン
4 方向転換手段
5 フレーム
6 着座シート
7 防風手段
8 ライト
9 アクセル
10 フットブレーキ
11a、11b ハンドル手段
12a、12b ハンドル手段
13 操作レバー(操作手段)
14 操作ワイヤ
15 操作子
16 筒状部材
17 軸部材
18 接地部材
19 回転部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道用レール上を転動するホイールから成る前輪及び後輪と、
該前輪及び後輪上に取り付けられ、人員が搭乗可能な車両本体と、
前記車両本体の方向転換をなし得る方向転換手段と、
を具備し、前記前輪又は後輪を回転させて前記車両本体を鉄道用レールに沿って走行させて鉄道用レールの保守及び点検を行うための軌道走行用車両であって、
前記方向転換手段は、
人員が操作可能な操作手段と、
前記操作手段の操作によって自重にて下降し得るとともに、前記車両本体の前記前輪又は後輪を前記鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に係止可能とされた軸部材と、
該軸部材の下部に取り付けられ、当該軸部材と共に下降して接地する接地部材と、
該接地部材と前記軸部材との間に介装され、前記持ち上げ状態で当該接地部材に対する軸部材及び車両本体の相対的回転を許容する回転部材と、
を備えたことを特徴とする軌道走行用車両。
【請求項2】
前記車両本体から延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体を持ち上げ状態とすることが可能なハンドル手段を具備するとともに、前記操作手段は、人員が当該ハンドル手段を把持しつつ揺動操作可能な操作レバーから成ることを特徴とする請求項1記載の軌道走行用車両。
【請求項3】
前記軸部材は、前記接地部材が接地しない未接地状態で前記車両本体に係止されるとともに、前記操作手段による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軌道走行用車両。
【請求項1】
鉄道用レール上を転動するホイールから成る前輪及び後輪と、
該前輪及び後輪上に取り付けられ、人員が搭乗可能な車両本体と、
前記車両本体の方向転換をなし得る方向転換手段と、
を具備し、前記前輪又は後輪を回転させて前記車両本体を鉄道用レールに沿って走行させて鉄道用レールの保守及び点検を行うための軌道走行用車両であって、
前記方向転換手段は、
人員が操作可能な操作手段と、
前記操作手段の操作によって自重にて下降し得るとともに、前記車両本体の前記前輪又は後輪を前記鉄道用レールから上方へ離間させた持ち上げ状態で当該車両本体に係止可能とされた軸部材と、
該軸部材の下部に取り付けられ、当該軸部材と共に下降して接地する接地部材と、
該接地部材と前記軸部材との間に介装され、前記持ち上げ状態で当該接地部材に対する軸部材及び車両本体の相対的回転を許容する回転部材と、
を備えたことを特徴とする軌道走行用車両。
【請求項2】
前記車両本体から延設され、人員が把持して持ち上げることにより当該車両本体を持ち上げ状態とすることが可能なハンドル手段を具備するとともに、前記操作手段は、人員が当該ハンドル手段を把持しつつ揺動操作可能な操作レバーから成ることを特徴とする請求項1記載の軌道走行用車両。
【請求項3】
前記軸部材は、前記接地部材が接地しない未接地状態で前記車両本体に係止されるとともに、前記操作手段による操作にて当該係止が解除され、自重にて下降されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軌道走行用車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−107530(P2013−107530A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255025(P2011−255025)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(592124344)株式会社 協栄製作所 (17)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(592124344)株式会社 協栄製作所 (17)
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