説明

転倒防止用壁面ラック

【課題】 絵画や壁掛け時計、壁掛けテレビ等のディスプレイや仏壇等を壁に取り付けるためには、壁面を傷つけることとなり、また、コンクリート壁に素人が取り付けるのは困難であった。また、地震等の際には、これらの転倒・落下の恐れがあった。
【解決手段】このため、床面に平行な底板と床面に垂直な背板支持板からなるL型基板と、背板で壁面ラックを構成し、背板支持板および背板に背板高さ調整固定手段を設けて部屋の天井高さに応じて背板高さを調整できるようにし、背板には被支持体固定用のスリットを設け、かつ、背板上部に突っ張り金具を設けて転倒を防止できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内部材を傷つけることなく、仏壇、テレビ、神棚、絵画等の家具を容易かつ安全に壁面に取り付けることのできる転倒防止用壁面ラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家具を壁面に取り付けるためには、壁に釘を打ち付ける等、壁面に傷がつくし、またはコンクリート壁への取り付けは素人には困難であった。また、これら家具の転倒を防止するためには、箱状の物を積み重ねて高さを調節し、金具等で天井に突っ張ることなどが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3101333号(U3101333)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
壁面を傷つけることなく壁面ディスプレイでき、かつ地震時等にも転倒しない壁面ラックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、このような従来品の欠点を克服した、室内部材を傷つけることなく、仏壇、テレビ、神棚、絵画等の家具を容易かつ安全に壁面に取り付けることのできる転倒防止用壁面ラックに関するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の転倒防止用壁面ラックは、壁などの室内部材に釘、ネジ、接着剤等で傷つけることなく、容易に壁面に安定した自由の高さのディスプレイを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】転倒防止壁面ラックの実施方法の一例を示した説明図である。
【図2】本発明に係るL型基板を収納ボックスに置き換えた一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る突っ張り機能を持つ金具の一例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る棚板を固定する機能を備える金具の一例を示す拡大図である。
【図5】転倒防止壁面ラックの実施方法の他の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、床面に平行な底板と、床面に垂直な背板支持板からなるL型基板と背板からなり、背板支持板と背板下部には背板高さを調整固定手段を有し、かつ背板には被支持体固定用スリットを有し、背板上部に突っ張り金具を有する転倒防止用壁面ラックに関するものである。
【0009】
L型基板は、床面に平行な底板と、床面に垂直な背板支持板からなり、これに側板および天板を付してボックスとしてもよく、このようなボックスタイプは、ボックス内をいろいろな物を収納する収納室として用いることもできる。引き出し等を設けてもよい。L型基板の背板支持板および背板下部には、背板高さ調整固定手段を設ける。たとえば、高さ調節穴を設け、ボルトとナットで固定する。また、背板支持板および背板下部に、相対するロッキングやアリ組み等を設けてもよい。
【0010】
背板は、壁面から背板を浮かせる複数の支持手段を設けてもよい。たとえば、背板の両側面に棒状ないし点状の部品を貼り付けてもよい。このように背板を壁面から浮かせれば、壁面の開口部などを使用して配線その他のものをスッキリ収納することができる。また、背板高さ調節固定手段のボルトやナット等も収納することができる。本発明の転倒防止壁面ラックは、突っ張り金具を用いて、背板の上部と天井を固定する。突っ張り金具は、たとえばアジャスター、シリンダー等を用いることができる。これら突っ張り金具と天井との接触部分はゴム等の干渉部材で保護されていてもよい。また、天井受け板を介して突っ張り固定することもできる。さらに背板の上部に突っ張り金具収納穴を設けたり、天井受け板に突っ張り金具を保護する凹部をそれぞれ有していてもよい。背板にはL型等の引っかけ金具を設けて、絵画、壁掛け時計、テレビ等をディスプレイすることができる。また、背板には棚板や引き出しを固定するためのサポートをもうけ、好みの高さに神棚、仏壇、オーディオなどを設置してもよい。
【0011】
背板に設けたスリットは、仏壇等の被支持体を固定するのに用いることができる。たとえば、被支持体の背面にネジ穴を埋設するなどして設置し、スリットを介してボルトで固定することもできる。また、被支持体背面にネジを切った突起を設けておき、スリットに差し込んでナットで固定することもできる。スリットは、少なくとも一本あればよく、複数設けてもよい。被支持体の固定箇所は少なくとも一カ所あればよく、2カ所以上複数箇所で固定すれば安全性は向上する。
【実施例】
【0012】
図1において、床面に平行な底板と、床面に垂直な背板支持板からなるL型基板1を水平床面に設置し、2の背板部を必要な高さに固定し、アジャスター3で受け板10を介して天井と突っ張る。
【0013】
本発明の一実施例の転倒防止壁面ラックについて、図面を参照して説明する。図1ないし4において、図1は、例えば木材、合板、鉄板、樹脂等で構成されたL型基板1と、例えば木材、合板、鉄板、樹脂等で構成された垂直方向に長い背板2を、L型基板1の背板支持板に連続して設けられた穴9の何れかを使い、天井高に合わせた穴を利用してボルト等で固定して構成するものである。
【0014】
アジャスター3は、背板2の上部天面に空けられた穴に内蔵され、ナットを回転させることにより、受け板10を介して天井に突っ張ることができ、これにより転倒を防止するものである。また、この穴には、図3に示すごとくスプリング7が内蔵されており、載置物の加重による沈み込みや歩行などによる床揺れによる多少のボルトの緩みが生じても摩擦を維持して転倒を防止することができる。
【0015】
このような転倒防止壁面ラックを設置する事により、L型基板1より上は天井までの自由な壁面が形成され、室内部材を傷つけることなく、壁掛けテレビ、絵画、壁掛け時計、仏壇、神棚などをディスプレイする事ができる。また、サポート4(図4は拡大図)を背板2に床面に対し垂直に2本または複数本平行に両端に設けることにより、ブラケット5、例えば木材、合板、鉄板、樹脂等で構成された棚板6などを使用することで、自由な高さに棚板を複数設置することができる。これにより、電気機器、神棚、神仏の陳列などを載置できるようになる。
【0016】
電気機器の載置の際には電気コード等をスリット8に通し、背板2の裏側を這わせることにより、電源ケーブル等を整理することができる。通常の棚などのような側板のないスッキリした圧迫感のない空間を形成できる。
【0017】
以上に説明したように、本発明にかかる転倒防止壁面ラックは、自由に物品をディスプレイでき、また、転倒防止が可能であり、省スペースでの圧迫感のない構造をしており、自由な発想で、安全に利用することができる。よって、インテリアデザインの使用部材としての自由度が増す。
【符号の説明】
【0018】
1 L型基板
2 背板
3 アジャスター
4 サポート
5 ブラケット
6 棚板
7 スプリング
8 スリット
9 連続穴
10 天井受け板
11 側板
12 天板
13 被支持体
14 ボルト
15 埋め込みナット














【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に平行な底板と、床面に垂直な背板支持板からなるL型基板と背板からなり、背板支持板および背板には背板高さ調整固定手段を有し、背板はスリットを有し、かつ、背板上部に突っ張り金具を有する転倒防止壁面ラック。
【請求項2】
壁面から背板を浮かせる複数の支持手段を有する背板であることを特徴とする請求項1記載の転倒防止壁面ラック。
【請求項3】
背板の上部に突っ張り金具収納穴を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の転倒防止壁面ラック。
【請求項4】
背板高さ調節手段として背板支持板および背板下部に高さ調節穴を設け、ボルトとナットで固定できるようにしたことを特徴とする請求項1ないし3記載の転倒防止壁面ラック。
【請求項5】
背板支持板と底板からなるL型基板に側板および天板を付して
ボックスとしたことを特徴とする請求項1ないし4記載の転倒防止壁面ラック。
【請求項6】
被支持体をスリットを介して固定することを特徴とする請求項1ないし5記載の転倒防止壁面ラック。
【請求項7】
背板部に棚板を固定する機能を備えることを特徴とする請求項1ないし6記載の転倒防止壁面ラック。
【請求項8】
突っ張り金具と天井の間に天井受け板を挟んで固定することを特徴とする請求項1ないし7記載の転倒防止壁面ラック。
【請求項9】
背板部に開口部を有することを特徴とする請求項1ないし6記載の転倒防止壁面ラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−218038(P2011−218038A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92283(P2010−92283)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(710003470)
【Fターム(参考)】