説明

転倒防止装置

【課題】固定面に載置された物品を強固に保持可能な転倒防止装置を提供することである。
【解決手段】転倒防止装置1は、筺体(吸盤保持部材)2と、吸盤20と、物品を支持可能な押圧部材10とを有している。筺体2は、吸盤20から離れる方向にバネ(付勢部材)6で付勢されている。吸盤20は、操作レバー(吸盤操作部材)5の操作で、吸盤20を昇降可能であり、非吸着状態と、吸着状態の動作を選択可能であり、その動作に伴って筺体2が上下に昇降する。筺体の昇降動作に伴って、押圧部材10も昇降可能であり、物品90を固定面80に強固に固定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビその他の物品の転倒を防止する装置に関し、さらに詳細には、固定面に載置された物品を強固に保持可能な転倒防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波テレビ放送がアナログ方式からデジタル方式へと移行したことに伴い、官公庁や民間企業、教育機関から一般家庭に至るまで、デジタル方式のテレビが広く普及することとなった。地上デジタル放送を受信可能なデジタル方式のテレビは、幅広で薄型の画面を有しているもの(以下、薄型テレビと称する)が大半であり、物が当たったり地震が発生した際に転倒することが懸念される。例えば、地震が発生した際には、薄型テレビがテレビ台の上から落下して故障することや、或いは落下したテレビが人に当たり、怪我を負う等、不測の事態に至ることが懸念される。特許文献1には、平面テレビの転倒防止器具が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された平面テレビの転倒防止器具は、帯状のベルトの両端部に樹脂製のT型部材を有しており、T型部材の表面には粘着性テープが設けられている。例えば、一方のT型部材を平面テレビの背面に貼付し、他方のT型部材をテレビ台の天面に貼付することで、平面テレビとテレビ台とを帯状のベルトでつなぐことができ、平面テレビが容易に倒れることを防いでいる。つまり、特許文献1に記載の平面テレビの転倒防止器具を用いることで、薄型テレビの故障や利用者の怪我等、不測の事態が生じることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−304239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示された平面テレビの転倒防止器具では、平面テレビとT型部材との接続に粘着性テープを用いているため、貼り付け位置の変更等によって、貼付と取り外しを数回繰り返すだけで、粘着性が低下するという欠点がある。また、粘着性テープは、ネジ等の締結手段に比べて、吸着力が極端に弱く、容易に外れる恐れがあり、転倒防止器具としての役割を果たせないことが懸念される。
【0006】
上記した現状に鑑み、本発明は、固定面に載置された物品を強固に保持可能な転倒防止装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、固定面に載置された物品を保持して前記物品の転倒を防止する転倒防止装置において、内面側が固定面に吸着する吸盤と、吸盤の外面側にあって少なくとも吸盤の吸着時に吸盤の外縁近傍を保持する吸盤保持部材と、吸盤の中央部に接合され吸盤の中央部を昇降させる昇降軸と、前記昇降軸及び吸盤保持部材と係合し昇降軸を移動させて吸盤の中央部を吸盤保持部材に対して近接・離反させる吸盤操作部材と、吸盤と吸盤保持部材との間にあって吸盤保持部材を吸盤から離れる方向に付勢する付勢部材と、吸盤保持部材に取り付けられ前記物品に接する当接部を備えた押圧部材とを有し、吸盤の内面側を前記固定面に置いて吸盤操作部材を操作し、吸盤の中央部を吸盤保持部材に近接させた際、吸盤保持部材が前記付勢部材に抗して固定面側に移動し、押圧部材が吸盤保持部材と共に前記固定面側に移動して物品の一部を保持することが可能であることを特徴とする転倒防止装置である。
【0008】
本発明で採用する転倒防止装置は、吸盤の吸着力を増すことが可能な機構を有している。詳述すると、吸盤保持部材で「吸着時に吸盤の外縁近傍を保持する」ことで、吸盤の外縁近傍を固定面に押しつけて吸盤を固定面に密着させ、吸盤の内面とと固定面の間に空気が進入することを阻止している。そして昇降軸と吸盤操作部材とによって「吸盤の中央部を吸盤保持部材に対して近接させる」ことで、固定面と吸盤との間を負圧にしている。負圧になった固定面と吸盤とは、強固に密着しており、容易に外れることはない。
【0009】
また、本発明で採用する転倒防止装置は、物品を押圧して保持することが可能な機構を有している。詳述すると、吸盤保持部材には、物品と当接する押圧部材が取り付けられている。吸盤保持部材は、吸盤操作部材の操作で「付勢部材に抗して固定面側に移動」する。即ち、吸盤を固定面に取り付けるべく吸盤操作部材を操作すると、吸盤保持部材は、付勢部材に抗して固定面側に沈む。
ここで、押圧部材は吸盤保持部材に取り付けられているため、押圧部材は吸盤保持部材の移動に伴って固定面側に移動する。その結果、「物品の一部を保持する」ことができる。
例えば、薄型テレビの土台は一般的に板状である。そのため、例えばテレビ台の一部であって、薄型テレビの土台の近傍に本発明の転倒防止装置を設置し、その後に吸盤を固定面に強固に密着させることで、押圧部材をテレビの土台上に降下させ、薄型テレビの土台を押圧部材で保持して薄型テレビをテレビ台(固定面)に強固に固定することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、押圧部材は、吸盤保持部材に対して弾性的に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の転倒防止装置である。
【0011】
「弾性的に固定されている」とは、押圧部材が吸盤保持部材に対して、移動したり、歪んだり、あるいは変形したりしても元の位置や形状に戻ることが可能であることを示している。前述の通り、押圧部材は、薄型テレビの土台等を保持することができる。言い換えれば、地震等が発生した際に、押圧部材は、薄型テレビの土台側から荷重を受け易い。例えば、大型の薄型テレビは数十キログラムの重さを有している。そのため、弾性的に固定されていないと、大型の薄型テレビが揺れた場合に、押圧部材を通じて吸盤保持部材に直接的に荷重が加わり、吸盤が外れてしまう恐れがある。押圧部材を吸盤保持部材に対して弾性的に固定することで、大型の薄型テレビが揺れた場合にでも、押圧部材で荷重を緩衝でき、吸盤が外れることを防止できる。また薄型テレビ等の振動を抑制する効果も期待できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、押圧部材は、物品を上方から押さえる上方当接部と、物品の側面を保持する側面保持部とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の転倒防止装置である。
【0013】
固定面に載置された物品は、上下の鉛直方向と、左右の水平方向のいずれの方向にも揺れ易い。つまり、上方当接部と側面保持部の両方で物品を保持することで、固定面に載置された物品を確実に保持することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、押圧部材の一部又は全部が弾性部材で作られていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転倒防止装置である。
【0015】
押圧部材の一部又は全部を弾性部材で作ることで、押圧部材で緩衝できる荷重を大きくすることが可能である。つまり、物品を固定する吸盤をより外れ難くすることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、押圧部材は、物品と当接する当接部を有し、当該当接部の物品に対する接触部は、クッション性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転倒防止装置である。
【0017】
押圧部で保持可能な物品は様々な高さを有するものである。そのため、押圧部材において、物品と当接する当接部にクッション性を持たせることで、様々な高さの物品が保持可能となる。またより高い制振効果が期待できる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、押圧部材は、吸盤保持部材に対して回動可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の転倒防止装置である。
【0019】
固定面に載置された物品は、上下の鉛直方向と、左右の水平方向のほかに、回転方向にも荷重が加わる場合がある。押圧部材を吸盤保持部材に対して回動可能とすることで、回転方向の荷重も緩衝することができる。
また本発明によると、押圧部材は、吸盤保持部材に対して回動可能であるから、吸盤の取り付け位置の自由度が高い。
【0020】
請求項7に記載の発明は、吸盤保持部材は、吸盤の吸着時に吸盤の外縁近傍を固定面に押圧し、吸盤の非吸着時には吸盤の外縁近傍を離れることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の転倒防止装置である。
【0021】
前述の通り、固定面と吸盤とを強固に密着させることで、物品を固定面に強固に固定できる。しかし、そのままでは吸盤を容易に外すことができず、物品を移動させることが困難となる。つまり、必要に応じて外し易い吸盤の方が使い勝手が良い。
本発明の転倒防止装置は、吸盤の吸着力を増減でき、物品を強固に固定し、且つ必要に応じて外し易くすることができる。
また本発明の転倒防止装置は、吸盤保持部材の移動しろが大きく、押圧部材の移動量が大きいので、物品を押さえやすい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の転倒防止装置によれば、固定面に載置された物品を強固に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る転倒防止装置を示すものであり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図2】図1の転倒防止装置の分解斜視図である。
【図3】図1の転倒防止装置が有する粘着性樹脂を説明する正面図であり、円内はその一部拡大図である。
【図4】図1の転倒防止装置の動作を示す正面図であり、(a)は非吸着状態、(b)は吸着状態である。
【図5】図1の転倒防止装置が有する押圧部材の働きを示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る機器の転倒防止装置を用いた実施例であり、薄型テレビの土台の左右に転倒防止装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る機器の転倒防止装置を用いた実施例であり、薄型テレビの土台の前後に転倒防止装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は、本発明の機器の転倒防止装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本発明が制限して理解されるべきではない。なお、公知のものについては説明を省略する。
【0025】
図1(a),(b)に示すように、転倒防止装置1は、外形形状が略お椀形状をしたものである。
転倒防止装置1は、主要な構成として、筺体(吸盤保持部材)2と、吸盤3と、物品を支持可能な押圧部材10とを有している。
【0026】
図2に示すように、まず、筺体2並びに吸盤3周辺の構成について説明すると、筺体2並びに吸盤3周辺には、吸盤20を昇降可能な昇降軸4と、昇降軸4を操作可能な操作レバー(吸盤操作部材)5と、筺体2を吸盤3から離れる方向に付勢するバネ(付勢部材)6と、ピン8,9がある。吸盤20は、吸盤本体3と、粘着性樹脂7によって構成されている。
【0027】
筺体2は、図2に示すように、フレームとなる本体2a、カバー2b,2cを有している。本体2aには、中心孔2cが設けられている。
【0028】
吸盤本体3は、変形可能な円盤部材である。吸盤本体3は、中心孔3aを有している。吸盤本体3は、シリコン樹脂等の可撓性を有する素材で構成されることが好ましい。
【0029】
昇降軸4は、吸盤20(吸盤本体3と粘着性樹脂7)を引張可能な棒状部材である。昇降軸4は、一端側に孔4aがあり、他端側にフランジ部4bを有している。
【0030】
操作レバー5は、昇降軸4を昇降可能な摘み部材である。操作レバー5は、正面視で略三角状のカム状部5cを有している。操作レバー5は、前記したカム状部5cに孔5aが設けられている。図4の様にカム状部5cの頂点5dと、孔5aとの距離は、カム状部5cの一辺5eの距離よりも長い。
また使用者が手指で操作するレバー本体5bを有している。
【0031】
バネ6は、筺体2を吸盤20から離れる方向に付勢する程度の付勢力を有することが望ましい。
【0032】
粘着性樹脂7は、ゲル状の樹脂であり、粘着性と、保形性とを有している。粘着性樹脂7は、粘々した触感を有し、且つもちもちした触感を有している。
図3に示すように、粘着性樹脂7は、例え固定面80に凹凸があったとしても、凹部81と凸部82に入り込むことが可能である。換言すれば、固定面80の凹部81と凸部82の形状を、粘着性樹脂7の表面に、エンボス加工のように型押しできると考えてもよい。例えば、粘着性樹脂7に消しゴムの削り粉等が付着した場合、削り粉は粘着性樹脂7内に埋没してしまう。
【0033】
ここで、筺体2並びに吸盤20周辺の各構成部材の位置関係について説明する。
粘着性樹脂7の中心孔7aには、ピン9が連通されている。ピン9は、吸盤20を挟んで昇降軸4のフランジ部4bに係止している。なおピン9と粘着性樹脂7の間は気密性が確保されている。さらにピン9と昇降軸4のフランジ部4bは図示しない接着剤によって一体不可分に接合されている。
昇降軸4は、吸盤本体3の中心孔3aと、バネ6と、筺体2の中心孔2dとを貫通している。一方、筺体2の中心孔2dから、昇降軸4の孔4a側の端部が、筺体2の外側に突出している。昇降軸4の孔4a側の端部には、操作レバー5が挿入されている。昇降軸4と操作レバー5の両者は、ピン8によって接続されている。
すなわち昇降軸4の孔4aと、操作レバー5の孔5aとは、同心円状となるように位置しており、孔4aと孔5aにピン8が連通されている。すなわち、吸盤20とバネ6とは、昇降軸4によって、筺体2に連結されている。
【0034】
さらに、操作レバー5による吸盤20の動作について簡単に説明する。
図4(a)に示すように、操作レバー5のレバー本体5bが、鉛直方向にある場合は、吸盤20は略平坦状態にあり、変形していない。
この時、ピン8は、筺体2の上部に近接しており、筺体2の本体2aは、バネ6によって吸盤20から離反する方向(上方)に付勢されている。なおこの状態においては、筺体2の周端部の下面2eは、吸盤20の外面側の周端部3bから離れている。
【0035】
図4(b)に示すように、レバー本体5bが、水平方向に下げられた場合、吸盤20は吸着状態にある。すなわちレバー本体5bが、水平方向に下げられると、カム状部5cの頂点5dが、筺体2と接することとなる。ここで孔5aとの距離は、カム状部5cの一辺5eの距離よりも長いので、レバー本体5bが、水平方向に下げられると、孔5aの位置が上昇し、昇降軸4は、操作レバー5に引っ張られて上昇する。すなわち操作レバー5がカム機能を有しているためであり、ピン8の位置が鉛直方向に上昇しているからである。
この時、操作レバー5が有するカム機構によって、筺体2の本体2aが下方に押し下げられており、本体2aが吸盤20を固定面80側に押圧している。なおこのとき、筺体2の周端部の下面2eは、吸盤20の外面側の周端部3bと当接し、吸盤20の外縁近傍(周端部3b)を保持する。
【0036】
また、吸盤本体3と粘着性樹脂7とは、山状となるように、変形している。固定面80と吸盤20との間に生じた空間は、減圧された状態にある。すなわち、減圧された空間は、固定面80を強固に吸着する吸着力を有している。
【0037】
押圧部材10周辺の構成についてについて説明する。
押圧部材10は、図1(a),(b)及び図2に示すように、物品と当接する当接部11と、当接部11を筺体2に固定するための連結部14,19と、バネ17と、ネジ18とを有している。
【0038】
当接部11は、物品を上方から押さえる上方当接部12と、物品の側面を保持する側面保持部13とを有している。
上方当接部12は、円形のクッション部材である。側面保持部13は略長方形状のクッション部材である。上方当接部12と側面保持部13は、エラストマ等の材料で構成されることが好ましい。
【0039】
連結部14は、側面視で略コ字状の板部材であり、固定辺15と、可動片16とを有している。同じく、連結部19も板部材である。
連結部14,19は、弾性を有する金属材料で構成することが好ましい。
【0040】
ここで、押圧部材10周辺の各構成部材の位置関係について説明する。
図4(a),(b)に示すように、押圧部材10において、上方当接部12は、固定面80に対して円側の面が対向するように配置されており、連結部14の可動片16を介して筺体2に取り付けられている。一方、側面保持部13は、物品90の側面に当接するように配置されており、連結部19を介して筺体2に取り付けられている。
すなわち側面保持部13は、上方当接部12よりも下側にあり、勝つ上方当接部12よりも筺体2に近い側にある。
【0041】
固定辺15と可動片16の間には、バネ17が配置されている。そして、固定辺15と、可動片16と、バネ17をネジ18が貫通している。ネジ18は筺体2に取り付けられている。
【0042】
さらに、上方当接部12の働きについて説明する。
前述の通り、上方当接部12は、可動片16を介して筺体2に取り付けられている。可動片16と固定辺15との間には、バネ17が配置されている。つまり、図5に示すように、上方当接部12は、上方側へ可動可能な構成を有している。例えば、上方当接部12が物品等から荷重を受けた際に、可動片16とバネ17が減衰装置の働きを成して、荷重を減衰させることができる。
【0043】
吸盤20と押圧部材10を備えた転倒防止装置1の動作について説明する。
図4は、転倒防止装置1の動作状態を示すものであり、(a)は非吸着状態、(b)は吸着状態を示す。
【0044】
図4(a)において、転倒防止装置1は、物品90の真横に配置されている。この時、吸盤20は吸着状態にあり、上方当接部12は物品90の真上にあり、側面保持部13は物品90の側面に位置している。
【0045】
図4(b)において、吸盤20は吸着状態にあり、前述の通り、筺体2の本体2aが吸盤20を固定面80側に押圧している。つまり、本体2aは、図4(a)の位置に比べて固定面80側に近接している。本体2aが近接していることに伴って、筺体2に連結されている上方当接部12も物品90側に近接している。その結果、上方当接部12は、固定面80に対して、物品90を強固に支持している。
【0046】
つぎに、転倒防止装置1を用いた実施例を図6,7に示す。
図6,7は、薄型テレビ50の土台51と、テレビ台60の固定面61とを転倒防止装置1で接続した状態を示している。
図6では、転倒防止装置1を2個用いており、土台51の左右の端部を支持している。
図7では、同じく転倒防止装置1を2個用いており、土台51の前後の端部を支持している。
図6,7のいずれの場合においても、転倒防止装置1によって、薄型テレビ50の土台51を台60の固定面61に強固に固定している。
【符号の説明】
【0047】
1 転倒防止装置
2 筺体(吸盤保持部材)
3 吸盤本体
4 昇降軸
5 操作レバー(吸盤操作部材)
6 バネ(付勢部材)
10 押圧部材
11 当接部
12 上方当接部
13 側面保持部
20 吸盤
80 固定面
90 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定面に載置された物品を保持して前記物品の転倒を防止する転倒防止装置において、内面側が固定面に吸着する吸盤と、吸盤の外面側にあって少なくとも吸盤の吸着時に吸盤の外縁近傍を保持する吸盤保持部材と、吸盤の中央部に接合され吸盤の中央部を昇降させる昇降軸と、前記昇降軸及び吸盤保持部材と係合し昇降軸を移動させて吸盤の中央部を吸盤保持部材に対して近接・離反させる吸盤操作部材と、吸盤と吸盤保持部材との間にあって吸盤保持部材を吸盤から離れる方向に付勢する付勢部材と、吸盤保持部材に取り付けられ前記物品に接する当接部を備えた押圧部材とを有し、吸盤の内面側を前記固定面に置いて吸盤操作部材を操作し、吸盤の中央部を吸盤保持部材に近接させた際、吸盤保持部材が前記付勢部材に抗して固定面側に移動し、押圧部材が吸盤保持部材と共に前記固定面側に移動して物品の一部を保持することが可能であることを特徴とする転倒防止装置。
【請求項2】
押圧部材は、吸盤保持部材に対して弾性的に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の転倒防止装置。
【請求項3】
押圧部材は、物品を上方から押さえる上方当接部と、物品の側面を保持する側面保持部とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の転倒防止装置。
【請求項4】
押圧部材の一部又は全部が弾性部材で作られていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転倒防止装置。
【請求項5】
押圧部材は、物品と当接する当接部を有し、当該当接部の物品に対する接触部は、クッション性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転倒防止装置。
【請求項6】
押圧部材は、吸盤保持部材に対して回動可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の転倒防止装置。
【請求項7】
吸盤保持部材は、吸盤の吸着時に吸盤の外縁近傍を固定面に押圧し、吸盤の非吸着時には吸盤の外縁近傍を離れることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の転倒防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−53636(P2013−53636A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190203(P2011−190203)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(511047066)株式会社シナジー (2)
【Fターム(参考)】