説明

転写液塗布具

【課題】簡単な塗布操作で、塗布液をムラなく均一に塗布できる転写液塗布具を提供する。
【解決手段】転写液塗布具1は、塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写部4を有し、転写部4は、棒状である。この転写部4は、その表面の転写面に凹凸を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写液塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、まぶたを一重から人工的に二重にするための化粧品があり、この化粧品によって糊状の液体をまぶたの皮膚に塗り、二重のヒダができるように貼り合せて二重まぶたを形成している。
【0003】
また、例えばマスカラブラシとして、特許文献1に開示されているように、ブラシに付着させたマスカラを、まつ毛に塗布するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−228018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のまぶたを人工的に二重にするための化粧品では、例えば、毛の束を先端に付け、この毛の束でまぶたの皮膚に弧を描くようにして糊状の液体を塗布しているが、鏡を見ながら何回も繰り返して塗布するのは面倒であり、しかも所定の位置に正確に塗布することができなかった。
【0006】
同様に、マスカラブラシによりマスカラをまつ毛に塗布する場合も、塗布操作を繰り返えしても、まつ毛に塗布液を均一に塗布できないことから、塗布むらが生じることがあった。
【0007】
この発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡単な塗布操作で、塗布液をムラなく均一に塗布できる転写液塗布具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0009】
請求項1に記載の発明は、塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写部を有し、前記転写部は、棒状であることを特徴とする転写液塗布具である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記転写部は、その表面の転写面に凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載の転写液塗布具である。
【発明の効果】
【0011】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0012】
請求項1に記載の発明では、塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写部を有し、転写部は、棒状であることで、転写部によって塗布液を身体の一部に沿わせて転写することで、簡単な塗布操作で、塗布液をムラなく均一に塗布することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、転写部は、その表面の転写面に凹凸を有することで、転写面によって塗布液を確実に保持して身体の一部に転写することができ、簡単な塗布操作で、塗布液をムラなく均一に塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態の転写液塗布具を示し、図1(a)は側面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【図2】他の実施の形態の転写液塗布具を示し、図2(a)は側面図、図2(b)は図2(a)のB−B断面図である。
【図3】転写部の他の実施の形態の断面図である。
【図4】転写液塗布具と塗布容器とを示す図である。
【図5】転写液塗布具をまぶたを人工的に二重にするための化粧品として使用する図である。
【図6】転写液塗布具をまつげにマスカラを塗布するマスカラブラシとして使用する図である。
【図7】第2の実施の形態の転写液塗布具を示し、図7(a)は平面図、図7(b)は側面図である。
【図8】第3の実施の形態の転写液塗布具を示し、図8(a)は平面図、図8(b)は側面図である。
【図9】第4の実施の形態の転写液塗布具を示し、図9(a)は平面図、図9(b)は側面図、図9(c)は転写面側から見た図である。
【図10】第5の実施の形態の転写液塗布具を示し、図10(a)は転写面側から見た図、図10(b)は図10(a)のC−C断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の転写液塗布具の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0016】
[第1の実施の形態]
この実施の形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。図1は転写液塗布具を示し、図1(a)は側面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図、図2は転写液塗布具を示し、図2(a)は側面図、図2(b)は図2(a)のB−B断面図、図3は転写部の他の実施の形態の断面図、図4は転写液塗布具と塗布容器とを示す図、図5は転写液塗布具をまぶたを人工的に二重にするための化粧品として使用する図、図6は転写液塗布具をまつげにマスカラを塗布するマスカラブラシとして使用する図である。
【0017】
まず、この転写液塗布具1の構成について説明する。この実施の形態の転写液塗布具1は、図1及び図2に示すように、キャップ2に支持軸部3を固定し、この支持軸部3の先端に塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写部4を設けたものであり、この転写部4は、棒状である。
【0018】
この転写部4は、支持軸部3の先端に芯材5を固定し、この芯材5は曲げることが可能な金属線が用いられる。この芯材5を転写型材6により被覆し、この転写型材6の全表面の転写面4aには、無数の突起6aによって凹凸が形成されている。
【0019】
このように、転写部4の転写面4aが身体の一部に沿う形状であり、凹凸は、無数の突起6aによって形成しているが、凹みによって形成してもよく、また凸条、あるいは溝によって形成してもよい。この凸条、あるいは溝は、1本でも、複数本でもよい。
【0020】
この実施の形態では、転写部4が弓なりに曲げた棒状であり、この転写面4aに無数の突起6aによって凹凸を設けているが、図2に示すように、転写部4の転写面4aに軸方向に伸びる溝6gによって凹凸を設けてもよい。
【0021】
また、この実施の形態では、芯材5は曲げることが可能な金属線が用いられるが、樹脂線であってもよく、また曲げないで曲げ形状に加工した部材であってもよい。また、転写型材6には、シリコンゴムを用いているが、その他のゴム、ウレタンチップフォーム、フロッキー、樹脂などを用いて棒状にすることができる。
【0022】
さらに、転写部4は、芯材5を用いないで硬質の転写型材6を用いて形成してもよく、この実施の形態の断面形状を図3に示す。図3(a)は槍先形状、図3(b)は鍵穴形状、図3(c)はヒトデ形状、図3(d)はハート形状、図3(e)は円形状、図3(f)は四角形状、図3(g)はたまご形状、図3(h)はひょうたん形状、図3(i)はひし形形状であり、転写面を種々の形状にすることで、転写面に塗布液を保持でき転写性能を向上させることができる。
【0023】
図3の実施の形態では、転写型材6に芯材を入れてもよく、また転写型材6の表面に突起を形成してもよい。
【0024】
次に、この転写液塗布具1の使用について説明する。図4及び図5は転写液塗布具1をまぶたを人工的に二重にするための化粧品として使用する場合を示し、図4に示すように、塗布液容器100から転写液塗布具1を引き出すときに、転写部4全体が塗布液容器100のしごき部材101によってしごかれる。しごき残された塗布液102は、塗布部4全体に均一に付着して保持できる。
【0025】
したがって、使用者が、図5に示すように、転写部4の転写面4aをまぶたの所定位置に沿わせて押し当てることで、塗布部4の転写面4aがまぶた500の形状に沿う曲がり面であり、塗布液102の糊状の液体をまぶた500の所定位置に転写して塗布することができる。このように、1度押し当てることで転写して塗布することができ、鏡を見ながら何回も繰り返して塗布するような面倒がなくなり、しかも所定の位置に正確に塗布することができる。このようにして、糊状の液体をまぶたの皮膚に塗り、二重のヒダができるように貼り合せて二重まぶたを形成することができる。
【0026】
図6は転写液塗布具1をまつげにマスカラを塗布するマスカラブラシとして使用する場合を示し、図6に示すように、転写部4の転写面4aが上まつ毛または下まつ毛600の形状に沿う曲がり面であり、上まつ毛または下まつ毛600の所定位置に沿わせて押し当てることで、塗布液102のマスカラを所定位置に転写して塗布することができる。このように、1度押し当てることで転写して塗布することができ、鏡を見ながら何回も繰り返して塗布するような面倒がなくなり、しかも所定の位置に正確に塗布することができる。
【0027】
[第2の実施の形態]
この実施の形態を、図7に基づいて説明する。図7は転写液塗布具を示し、図7(a)は平面図、図7(b)は側面図である。この実施の形態の転写液塗布具1は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同じなし構成は同じ符号を付して説明を省略する。
【0028】
この実施の形態の転写液塗布具1は、キャップ2に支持軸部3を固定し、この支持軸部3の先端に塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写部4を設けたものであるが、この転写部4は、硬質の転写型材6を用いて棒状に形成している。
【0029】
転写型材6は、断面方形の棒状であり、上下の転写面4a1と左右の転写面4a2とを有する。この上下の転写面4a1は平行であるが、左右の転写面4a2は凹み曲面となっている。
【0030】
この実施の形態では、図5及び図6に示すように、転写部4の上または下の転写面4a1を、身体の所定位置に沿わせて押し当てることで、塗布液を所定位置に転写して塗布することができるが、転写部4の左または右の転写面4a1を、身体の所定位置に沿わせて押し当てることで、塗布液を所定位置に転写して塗布することもできる。
【0031】
[第3の実施の形態]
この実施の形態を、図8に基づいて説明する。図8は転写液塗布具を示し、図8(a)は平面図、図8(b)は側面図である。この実施の形態の転写液塗布具1は、図7に示す第2の実施の形態と同じなし構成は同じ符号を付して説明を省略する。
【0032】
この実施の形態の転写液塗布具1は、第2の実施の形態と同様に構成され、この実施の形態では、転写型材6の上下の転写面4a1と左右の転写面4a2は無数の凹み6bを設けることで凹凸としているが、無数の突起を設けることで凹凸としてもよい。
【0033】
[第4の実施の形態]
この実施の形態を、図9に基づいて説明する。図9は転写液塗布具を示し、図9(a)は平面図、図9(b)は側面図、図9(c)は転写面側から見た図である。この実施の形態の転写液塗布具1は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同じなし構成は同じ符号を付して説明を省略する。
【0034】
転写型材6は、断面方形の棒状であり、転写面4a5が凹凸を有し、この凹凸は平行な溝6cを複数本設けて形成しているが、平行な溝を格子状に設け形成してもよい。
【0035】
[第5の実施の形態]
この実施の形態を、図10に基づいて説明する。図10は転写液塗布具を示し、図10(a)は転写面側から見た図、図10(b)は図10(a)のC−C断面図である。この実施の形態の転写液塗布具1は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同じなし構成は同じ符号を付して説明を省略する。
【0036】
この実施の形態の転写液塗布具1は、転写型材6が断面方形の棒状であり、対向する転写面4a6が凹凸を有し、この転写面4a6は溝6cを設けることで凹凸としているが、凸条を設けることで凹凸を有するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
この発明は、塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写液塗布具に適用して好適なものであり、簡単な塗布操作で、塗布液をムラなく均一に塗布できる。
【符号の説明】
【0038】
1 転写液塗布具
2 キャップ
3 支持軸部
4 転写部
4a,4a1,4a2,4a5,4a6 転写面
5 芯材
6 転写型材
6a 突起
6b 凹み
6c,6g 溝
6d 凸条
100 塗布液容器101 しごき部材
102 塗布液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を身体の一部に転写して塗布する転写部を有し、
前記転写部は、棒状であることを特徴とする転写液塗布具。
【請求項2】
前記転写部は、その表面の転写面に凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載の転写液塗布具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−5904(P2013−5904A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140032(P2011−140032)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(502175594)
【Fターム(参考)】