説明

軸ユニット、化粧品容器、回動体の動作方法、および、化粧品容器の開閉装置

【課題】二つの部材を回動可能に組み付け合わされる軸ユニットに、付勢手段、制動手段、ロック手段、フリーストップ手段を備えさせる。
【解決手段】一方部材4’に固定されるパーツと、他方部材5’に固定されるパーツとを一体に有していると共に、一方部材4’に固定されるパーツを回転軸として他方部材5’に固定されるパーツが回動されるようにしてある。しかも、他方部材5’を一方向に回動付勢する付勢手段321と、この付勢に制動を付与する制動手段301と、少なくともこの回動の途中から他方部材5’に固定されるパーツにフリーストップ作用を付与するフリーストップ手段と、一方向への回動を解除可能にロックするロック手段とを内蔵している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二つの部材を回動可能に組み付け合わさせるために用いられる軸ユニット、この軸ユニットを利用して構成される化粧品容器、化粧品容器の開閉装置、および、回動体の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体と蓋体とを、閉じ位置にある蓋体の先端に対するボタンの係止を解くことにより、この蓋体をスプリングの作用によって回動開かせるようにすると共に、この回動に制動を付与できるように構成された回動軸を持ったコンパクト容器がある。(特許文献1参照)
【0003】
しかるに、かかるコンパクト容器にあっては、蓋体を開放させるためには、容器を一方の手で把持しながら他方の手で前記ボタンを操作せざるを得ないものであった。
【0004】
また、かかる蓋体は閉じ位置と開き切った位置とではそれぞれ停止されるが、その中間の任意の位置でこの蓋体を一時的にストップさせることはできないものであった。
【特許文献1】特公平5−16962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点の一つは、二つの部材を回動可能に組み付け合わされる軸ユニットに、この二つの部材の一方の回動に対する付勢手段、および、この回動への制動手段を備えさせる他に、さらに、ロックを解くことによりこの回動を開始させるロック手段とフリーストップ手段を備えさせる点にある。
【0006】
また、この発明が解決しようとする主たる問題点の他の一つは、かかる軸ユニットを利用して操作性の良いコンパクトなどの化粧品容器を提供できるようにする点にある。
【0007】
また、この発明が解決しようとする主たる問題点のさらに他の一つは、回動可能に組み付け合わされる二つの部材の一方の回動を、これまでにない態様で行わさせることができるようにする点にある。
【0008】
また、この発明が解決しようとする主たる問題点のさらに他の一つは、コンパクトなどの化粧品容器の操作性を高める点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記問題点を解決するために、この発明にあっては、軸ユニットを以下の(1)〜(7)の構成を備えたものとした。
(1)一方部材と他方部材とを回動可能に組み付け合わせる軸ユニットであって、
(2)一方部材に固定されるパーツと、他方部材に固定されるパーツとを一体に有していると共に、
(3)一方部材に固定されるパーツを回転軸として他方部材に固定されるパーツが回動されるようにしてあり、
(4)しかも、他方部材に固定されるパーツを一方向に回動付勢する付勢手段と、
(5)この付勢に制動を付与する制動手段と、
(6)少なくともこの回動の途中から他方部材に固定されるパーツにフリーストップ作用を付与するフリーストップ手段と、
(7)前記一方向への回動を解除可能にロックするロック手段とを内蔵している。
【0010】
かかる構成によれば、
(1)先ず、単一の軸ユニットによって一方部材と他方部材とを回動可能に組み付け合わせることができる。また、ロック手段のロックを解除しない限り、かかる回動が生じないようにすることができる。
(2)次いで、かかる回動を必要とする場合には、ロック手段のロックを解除することにより、前記付勢手段の付勢によってワンタッチでかかる回動を行わせることができる。また、同時に、かかる回動に前記制動手段によって制動を付与させることができる。
(3)また、他方部材の回動の途中からは任意の回動位置において他方部材を一時的に停止させることができる。
【0011】
前記一方部材に固定されるパーツの少なくとも一部が軸ユニットの軸線方向に沿って押し込み移動可能とされていると共に、付勢手段がこの一方部材に固定されるパーツの少なくとも一部を押し出す向きに常時付勢するように構成されており、
ロック手段を、一方部材に固定されるパーツ及び他方部材に固定されるパーツのいずれか一方に形成された、これらの他方に形成された突起を前記付勢手段の付勢によって納める凹所と、
この付勢に抗した一方部材に固定されるパーツの押し込み前進操作により凹所から抜け出した突起が突き当てられる周回状摺動面とにより構成させておくこともある。
【0012】
このようにした場合、一方部材に固定されるパーツを付勢手段の付勢に抗して押し込み前進操作しない限り、かかる他方部材の回動が生じないようにすることができる。また、かかる回動を必要とする場合には、一方部材に固定されるパーツを付勢手段の付勢に抗して押し込み前進操作して前記凹所から前記突起を抜け出させることにより、前記付勢手段の付勢によってワンタッチでかかる回動を行わせることができる。
【0013】
前記フリーストップ手段を、一方部材に固定されるパーツ及び他方部材に固定されるパーツのいずれか一方に設けられて他方部材に固定されるパーツの回動に伴ってこれらの他方に圧接される弾性突起として構成させておくこともある。
【0014】
このようにした場合、他方部材の回動操作を止めた場合にはその位置において他方部材が留められるようにすることができる。(いわゆるフリーストップ)
【0015】
また、かかる軸ユニットは以下の(1)〜(6)の構成を備えたものとしておくこともある。
(1)一方部材と他方部材とを回動可能に組み付け合わせる軸ユニットであって、
(2)一方部材の通し穴に通されてこの通し穴の穴軸線に沿った前後動可能に一方部材に組み付けられる後端パーツと、
(3)一方部材の通し穴に通されて一方部材に組み付けられる前端パーツと、
(4)他方部材の通し穴に通されて他方部材に組み付けられる中間パーツとを備えており、
(5)中間パーツは、
前端パーツの後端部を回転軸とするようにしてこの前端パーツの後端部に回転可能に組み合わされると共に、この回転に制動を付与する制動手段を備えたサブシリンダ部分と、
後端パーツの前端部を回転軸とするようにしてこの後端パーツの前端部に回転可能に組み合わされると共に、この後端パーツを後退させる向きに常時押し出し付勢し、かつ、前記回転軸を中心として中間パーツを未回動位置から回動終了位置に向けて常時回転付勢する付勢手段を内蔵したメインシリンダ部分とを有しており、
(6)しかも、メインシリンダ部分の内部及び後端パーツの前端部のいずれか一方に、これらの他方に形成された突起を前記付勢手段の付勢によって前記未回動位置において納める凹所と、
この付勢に抗した後端パーツの押し込み前進操作により凹所から抜け出した突起が突き当てられる周回状摺動面とが形成されている。
【0016】
かかる構成によれば、
(1)先ず、一方部材の通し穴内に前端パーツと後端パーツとを入り込ませ、かつ、他方部材の通し穴に中間パーツを入り込ませるようにして、これらの通し穴に軸ユニットを入れ込ませることにより、ワンタッチでかかる一方部材と他方部材とを回動可能に組み合わせることができる。また、後端パーツを付勢手段の付勢に抗して押し込み前進操作しない限り、かかる回動が生じないようにすることができる。
(2)次いで、かかる回動を必要とする場合には、後端パーツを付勢手段の付勢に抗して押し込み前進操作して前記凹所から前記突起を抜け出させることにより、前記付勢手段の付勢によってワンタッチでかかる回動を行わせることができる。また、同時に、かかる回動に前記制動手段によって制動を付与させることができる。
【0017】
また、かかる軸ユニットは以下の(1)〜(6)の構成を備えたものとしておくこともある。
(1)第一通し穴を備えた第一部分と、第二通し穴を備えた第二部分とを有する一方部材と、
第三通し穴を備えた第三部分を有する他方部材とを、
第一部分と第二部分との間に第三部分を納め入れ、かつ、第一通し穴と第三通し穴と第二通し穴とを連通させた状態で組み合わさせた状態において、
連通されたこれらの通し穴に差し通されて、この一方部材と他方部材とを回動可能に組み付け合わさせる軸ユニットであって、
(2)第一通し穴に通されてこの第一通し穴の穴軸線に沿った前後動可能に一方部材に組み付けられる後端パーツと、
(3)第二通し穴に通されて一方部材に組み付けられる前端パーツと、
(4)第三通し穴に通されて他方部材に組み付けられる中間パーツとを備えており、
(5)中間パーツは、
前端パーツの後端部を回転軸とするようにしてこの前端パーツの後端部に回転可能に組み合わされると共に、この回転に制動を付与する制動手段を備えたサブシリンダ部分と、
後端パーツの前端部を回転軸とするようにしてこの後端パーツの前端部に回転可能に組み合わされると共に、この後端パーツを後退させる向きに常時押し出し付勢し、かつ、前記回転軸を中心として中間パーツを未回動位置から回動終了位置に向けて常時回転付勢する付勢手段を内蔵したメインシリンダ部分とを有しており、
(6)しかも、メインシリンダ部分の内部に、
後端パーツの前端部に形成された突起を前記付勢手段の付勢によって前記未回動位置においてメインシリンダ部分の前端部側から納める凹所と、
この付勢に抗した後端パーツの押し込み前進操作により凹所から抜け出した後端パーツの突起がメインシリンダ部分の前端部側から突き当てられる周回状摺動面とが形成されている。
【0018】
かかる構成によれば、
(1)先ず、一方部材の第一部分と第二部分との間に他方部材の第三部分を納めた状態から、第二通し穴内に前端パーツを入り込ませ、第三通し穴に中間パーツを入り込ませ、かつ、第一通し穴に後端パーツを入り込ませるようにして、これらの通し穴に軸ユニットを入れ込ませることにより、ワンタッチでかかる一方部材と他方部材とを回動可能に組み合わせることができる。また、後端パーツを付勢手段の付勢に抗して押し込み前進操作しない限り、かかる回動が生じないようにすることができる。
(2)次いで、かかる回動を必要とする場合には、後端パーツを付勢手段の付勢に抗して押し込み前進操作してメインシリンダ部分の凹所から後端パーツの突起を抜け出させることにより、前記付勢手段の付勢によってワンタッチでかかる回動を行わせることができる。また、同時に、かかる回動に前記制動手段によって制動を付与させることができる。
(3)また、回動終了位置まで回動された他方部材を回動開始前の位置まで回動操作させると、中間パーツは未回動位置に向けて回動され、未回動位置まで回動がされると後端パーツの突起は再びメインシリンダ部分の凹所に付勢手段の付勢によって入り込み、中間パーツのこの未回動位置にある状態が維持される。つまり、回動開始前の位置に戻された他方部材のその状態が再び維持される。
【0019】
前記凹所の側壁面を、後端パーツの押し込み前進操作によって、中間パーツを付勢手段による回転付勢の向きに回動させながら、この凹所から突起を抜き出させる向きに傾斜した傾斜面とさせておくこともある。
【0020】
かかる構成によれば、後端パーツを押し込み前進操作することに伴なう凹所から突起が抜け出す過程において事前にやや中間パーツを、つまり、他方部材を回動させることができ、これにより回動開始時の最も回動抵抗が高い時に、前記付勢力を補って確実に他方部材を回動させることができる。他方部材を回動開始前の位置に戻す操作により中間パーツが未回動位置に戻される場合には、その最終段階において付勢手段の付勢によって凹所に突起を引き込み易くすることができる。
【0021】
前記中間パーツのサブシリンダ部分内に納められる前端パーツの後端部に、弾性突起を形成させ、この弾性突起の圧接により中間パーツにフリーストップ作用を付与させるようにしておくこともある。
【0022】
このようにした場合、中間パーツのどの回動位置においても前記弾性突起の圧接によって中間パーツを仮止めすることができる。すなわち、他方部材の回動操作を止めた場合にはその位置において他方部材が留められるようにすることができる。
【0023】
前記中間パーツのサブシリンダ部分内に納められる前端パーツの後端部に、弾性突起が形成されていると共に、
中間パーツのサブシリンダ部分が、広径部分と狭径部分とを有しており、
この広径部分と狭径部分との間の段差面に付勢手段の回転付勢によるこの中間パーツの回動によってその回動終了位置に至る前に弾性突起が突き当てられて一旦この回動が停止されると共に、
この停止位置から先への中間パーツの回動が狭径部分の内壁に弾性突起を弾性変形させながら押し当てさせることによってなされるようにしておくこともある。
【0024】
このようにした場合、前記後端パーツの押し込み前進操作によって許容された中間パーツの前記付勢手段の付勢による自動的な回動を回動終了位置に至る前に一旦停止させることができると共に、この停止位置から回動終了位置までの間にあっては、中間パーツのどの回動位置においても前記弾性突起のサブシリンダ部分の狭径部分の内壁への圧接によって中間パーツを仮止めすることができる。すなわち、中間パーツの回動によって回動される他方部材の一定位置から先への回動を、この回動操作を止めた場合にはその位置において他方部材が留められるようにした状態で、許容させることができる。
【0025】
前記後端パーツの後端部に、この後端部の側面から側部を側方に突き出させない未ロック位置からこの側部を側方に突き出させたロック位置までの間での移動可能にロック体を組み付けておくこともある。
【0026】
このようにした場合、中間パーツが未回動位置にある状態においてロック体をロック位置にスライド移動させておくことにより、ロック体に押し込み力が作用されてもロック体の側部を突き当てさせて後端パーツの押し込み方向への移動を阻止することができ、予期せずこの中間パーツ、つまり、他方部材が回動されてしまうことがないようにすることができる。
【0027】
また、前記問題点を解決するために、この発明にあっては、化粧品容器を以下の構成を備えたものとした。
(1)一方容器構成体(一方部材)と他方容器構成体(他方部材)とを、前記軸ユニットによって回動可能に組み付け合わさせて構成されており、
(2)他方容器構成体に固定されるパーツが未回動位置にある状態において、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合わされるようになっている。
【0028】
かかる構成によれば、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合った状態を安定的に維持することができる。また、化粧品容器を保持する側の手で軸ユニットのロック手段のロックを解除操作することにより、前記重なり合った状態から他方容器構成体を開き方向に制動を付与しながら自動的に回動させることができる。また、他方容器構成体にフリーストップ作用を付与しながらこの他方容器構成体を回動操作することができる。
【0029】
また、かかる化粧品容器は以下の(1)〜(5)の構成を備えたものとしておくこともある。
(1)通し穴を備えた一方容器構成体と、
(2)通し穴を備えた他方容器構成体と、
(3)前記軸ユニットとを備えてなり、
(4)各通し穴を連通させた状態で組み合わさせた状態において、
連通されたこれらの通し穴に前記軸ユニットを差し通して、一方容器構成体と他方容器構成体とを回動可能に組み付け合わさせて構成されており、
(5)軸ユニットの中間パーツが未回動位置にある状態において、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合わされるようになっている。
【0030】
かかる構成によれば、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合った状態を安定的に維持することができる。また、化粧品容器を保持する側の手で軸ユニットの後端パーツを押し込み前進操作することにより、前記重なり合った状態から他方容器構成体を開き方向に制動を付与しながら自動的に回動させることができる。さらに、軸ユニットが前記弾性突起を有している場合、この他方容器構成体の自動的な回動を途中で停止させることができると共に、この停止位置から先では他方容器構成体にフリーストップ作用を付与しながらこの他方容器構成体を回動操作することができる。また、軸ユニットがロック体を有している場合、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合った状態において軸ユニットのロック体をロック位置に移動させておくことにより、予期せず後端パーツが押し込まれて他方容器構成体が開き出してしまうことがないようにすることができる。
【0031】
また、かかる化粧品容器は以下の(1)〜(5)の構成を備えたものとしておくこともある。
(1)第一通し穴を備えた第一部分と、第二通し穴を備えた第二部分とを有する一方容器構成体と、
(2)第三通し穴を備えた第三部分を有する他方容器構成体と、
前記軸ユニットとを備えてなり、
(3)第一部分と第二部分との間に第三部分を納め入れ、かつ、第一通し穴と第三通し穴と第二通し穴とを連通させた状態で組み合わさせた状態において、
(4)連通されたこれらの通し穴に前記軸ユニットを差し通して、一方容器構成体と他方容器構成体とを回動可能に組み付け合わさせて構成されており、
(5)軸ユニットの中間パーツが未回動位置にある状態において、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合わされるようになっている。
【0032】
これにより、かかる化粧品容器によれば、一方容器構成体の第一通し穴および第二通し穴と他方容器構成体の第三通し穴とに軸ユニットを差し通すことにより、ワンタッチで両容器構成体を回動可能に組み付け合わせることができる。
【0033】
かかる構成によれば、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合った状態を安定的に維持することができる。また、化粧品容器を保持する側の手で軸ユニットの後端パーツを押し込み前進操作することにより、前記重なり合った状態から他方容器構成体を開き方向に制動を付与しながら自動的に回動させることができる。さらに、軸ユニットが前記弾性突起を有している場合、この他方容器構成体の自動的な回動を途中で停止させることができると共に、この停止位置から先では他方容器構成体にフリーストップ作用を付与しながらこの他方容器構成体を回動操作することができる。また、軸ユニットがロック体を有している場合、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合った状態において軸ユニットのロック体をロック位置に移動させておくことにより、予期せず後端パーツが押し込まれて他方容器構成体が開き出してしまうことがないようにすることができる。
【0034】
前記軸ユニットの中間パーツが差し通される第四通し穴を備えた第四部分を有する中蓋体を有していると共に、
他方容器構成体の第三部分の外面部に、中間パーツの回動によるこの他方容器構成体の開き出しに伴ってこの中蓋体の回動組み付け側の縁部に所定の回動位置で突き当たってこの中蓋体をこの位置からは一緒に開き出させる連係用突き当たり部を形成させておくこともある。
【0035】
このようにした場合、前記付勢手段の付勢による他方容器構成体の回動に伴ってこの回動の途中から中蓋体も同じ向きに回動させることができる。
【0036】
また、前記問題点を解決するために、この発明にあっては回動体の動作方法を、一方部材に対し回動可能に組み付け合わされる他方部材を、この他方部材の回動開始から回動終了までの間において、制動を作用させながら所定の回動位置まで自動的に回動させた後、この所定の回動位置から先では他方部材にフリーストップ作用を付与させながら手動で回動させるようにしたものとした。
【0037】
このようにした場合、かかる回動体を回動の途中まではゆっくりと自動的に回動させ、そこから先では任意の回動位置での姿勢保持可能な状態で手動で回動させることができる。
【0038】
また、前記問題点を解決するために、この発明にあっては化粧品容器の開閉装置を、一方容器構成体と他方容器構成体とを軸部で開閉可能に軸着する化粧品容器の開閉装置であって、軸部に、少なくともいずれかの容器構成体を回動付勢する付勢手段と、この回動に制動を付与する制動手段と、この回動を解除可能にロックするロック手段とが備えられているものとした。
【0039】
かかる構成によれば、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合った閉じ状態を安定的に維持することができる。また、化粧品容器を保持する側の手で軸部のロック手段の前記ロックを解除操作することにより、前記閉じ状態からいずれか一方の容器構成体を開き方向に制動を付与しながら自動的に回動させることができる。
【発明の効果】
【0040】
この発明にかかる軸ユニットによれば、この軸ユニットを介して二つの部材を回動可能に組み付け合わせることで、この二つの部材の一方の回動に対する付勢とこの回動への制動をなすことができると共に、軸ユニットに設けられたロック手段のロックを解くことによりこの回動が開始されるようにすることができ、さらに、この二つの部材の一方にフリーストップ作用を付与させることができる。
【0041】
また、この発明にかかる化粧品容器は、かかる軸ユニットの機能によって、その操作がし易い。
【0042】
また、この発明にかかる動作方法によれば、回動可能に組み付け合わされる二つの部材の一方の回動を、これまでにない態様で行わさせることができる。
【0043】
また、この発明にかかる化粧品容器の開閉装置によれば、軸部に備えられたロック手段の操作によって、この容器を制動を付与しながら開かせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、図1ないし図22に基づいて、この発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0045】
なお、ここで図1ないし図16は、実施の形態にかかる軸ユニットJを利用して構成された化粧品容器Yをそれぞれ示しており、特に、図10、図12および図13は、かかる化粧品容器Yが閉じた状態における軸ユニットJの組み込み部を、図11は、図10の状態からこの軸ユニットJを構成する後端パーツ1を押し込み前進操作させてこれに伴って化粧品容器Yがやや開きだした状態におけるこの軸ユニットJの組み込み部を、図14は、軸ユニットJを構成する後端パーツ1に取り付けられたロック体107をロック位置に位置づけた状態のこの後端パーツ1の要部を、それぞれ示している。
【0046】
また、図17および図18は、かかる軸ユニットJを構成する各部材を分離させた状態として、図19および図20は、かかる軸ユニットJを構成する中間パーツ3のメインシリンダ部分320を、図21および図22は、軸ユニットJを構成する後端パーツ1の主軸113を、それぞれ示している。
【0047】
この実施の形態にかかる軸ユニットJは、二つの部材を回動可能に組み付け合わさせるために用いられるものであって、これら二つの部材のヒンジ部を構成するものである。
【0048】
また、この実施の形態にかかる化粧品容器Yは、それを構成する一方容器構成体4と他方容器構成体5とを前記軸ユニットJによって回動可能に組み付け合わされてなるものである。
【0049】
また、この実施の形態にかかる回動体の動作方法は、一方部材4’に対し回動可能に組み付け合わされる他方部材5’(回動体)を、回動の途中までは自動的に回動させ、そこから先では任意の回動位置での姿勢保持可能な状態で手動で回動できるようにしたものである。
【0050】
また、この実施の形態にかかる化粧品容器Yの開閉装置は、軸部J’に備えられたロック手段の操作によって、この容器Yを制動を付与しながら開かせることができるようにしたものである。
【0051】
(軸ユニットJ)
かかる軸ユニットJは、
第一通し穴401を備えた第一部分400と、第二通し穴411を備えた第二部分410とを有する一方部材4’と、
第三通し穴501を備えた第三部分500を有する他方部材5’とを、
第一部分400と第二部分410との間に第三部分500を納め入れ、かつ、第一通し穴401と第三通し穴501と第二通し穴411とを連通させた状態で組み合わさせた状態において、
連通されたこれらの通し穴401、411、501に差し通されて、この一方部材4’と他方部材5’とを回動可能に組み付け合わさせるように構成されている。
【0052】
かかる軸ユニットJは、
(1)第一通し穴401に通されてこの第一通し穴401の穴軸線に沿った前後動可能に一方部材4’に組み付けられる後端パーツ1と、
(2)第二通し穴411に通されて一方部材4’に組み付けられる前端パーツ2と、
(3)第三通し穴501に通されて他方部材5’に組み付けられる中間パーツ3とを備えている。
【0053】
図示の例にあっては、前端パーツ2は、第二通し穴411に入り込む前端部200と、後述するように中間パーツ3のサブシリンダ部分300に納められる後端部203とを有している。この前端パーツ2の前端部200は、巾広の両面を備えた細板状をなすように構成されていると共に、第二通し穴411は、その穴軸線に直交する向きの断面における穴内面形状を、この前端パーツ2の前端部200の軸線に直交する向きの断面形状に倣った形状としており、この第二通し穴411に前端パーツ2の前端部200を差し込まさせることによって前端パーツ2は一方部材4’の第二部分410に固定されるようになっている。図示の例ではさらに、第二通し穴411は、第三通し穴501との連通側を細径とし、この細径部の先を拡径として、両者の間に段差面412を有していると共に、前端パーツ2の前端部200に、この細径側からのこの前端部200の入れ込みに伴ってこの前端部200の一部を一旦弾性変形させた後の入れ込みきった位置での弾性復帰によってこの段差面412に掛合される掛合突起201が形成されており、これにより、第二通し穴411に一旦通された前端パーツ2の前端部200はこの第二通し穴411から抜け出すこともないようにしてある。かかる掛合突起201は前端パーツ2の前端部200の巾狭の両面にそれぞれ形成されており、この形成位置間において巾広の両面間に亘る貫通穴202によってこの掛合突起201の形成箇所が前記のように弾性変形し易くなるようにしてある。後述するように、前端パーツ2と中間パーツ3と後端パーツ1とは一体化されていると共に、第二通し穴411を持った第二部分410と後端パーツ1が入れ込み組み付けられる第一通し穴401を持った第一部分400とは同じ一方部材4’に設けられていることから、第二通し穴411への前端パーツ2の前記固定と掛合とによって、一方部材4’と他方部材5’とは軸ユニットJによって回動可能な状態で安定的に一体化される。
【0054】
一方、中間パーツ3は、
(1)前端パーツ2の後端部203を回転軸とするようにしてこの前端パーツ2の後端部203に回転可能に組み合わされると共に、この回転に制動を付与する制動手段301を備えたサブシリンダ部分300と、
(2)後端パーツ1の前端部100を回転軸とするようにしてこの後端パーツ1の前端部100に回転可能に組み合わされると共に、この後端パーツ1を後退させる向きに常時押し出し付勢し、かつ、前記回転軸を中心として中間パーツ3を未回動位置(図10、図12の位置)から回動終了位置に向けて常時回転付勢する付勢手段321を内蔵したメインシリンダ部分320とを有している。
【0055】
図示の例にあっては、中間パーツ3のサブシリンダ部分300は、筒一端を開放させ筒他端を閉塞させた円筒状をなすように構成されていると共に、中間パーツ3のメインシリンダ部分320は、筒両端を開放させた円筒状をなすように構成されている。そして、図示の例では、サブシリンダ部分300の後端部302の外面に形成された接続用突部303をメインシリンダ部分320の前端部323に形成された接続用窓穴325にこのメインシリンダ部分320の前端部323側からこのメインシリンダ部分320内にサブシリンダ部分300の後端部302を入れ込ませることに伴って入れ込み掛合させて、中間パーツ3を形成させるようにしている。また、前端パーツ2の後端部203は、略円柱状をなすように構成されており、前端パーツ2は中間パーツ3のサブシリンダ部分300内にこのサブシリンダ部分300の前端部側から入れ込まれてこの中間パーツ3と組み合わされるようになっている。図示の例では、かかる中間パーツ3のサブシリンダ部分300の開口は前端パーツ2の後端部203を入れ込ませた状態でこの開口に止め付けられる抜け止めリング304によって閉塞されるようになっている。抜け止めリング304の先には、前端パーツ2の後端部203の外面とサブシリンダ部分300の内面とにそれぞれ圧接されたシールリング305が設けられている。そして、このシールリング305よりも先において、サブシリンダ部分300内にシリコンオイルなどの粘性流体(図示は省略する。)が封入されるようになっている。このように封入された粘性流体によって、前端パーツ2の後端部203を回転軸とした中間パーツ3の回転に制動が付与されるようになっている。すなわち、図示の例では、かかる粘性流体を含んだ前端パーツ2とサブシリンダ部分300とが前記制動手段301として機能するようになっている。
【0056】
また、この実施の形態にあっては、かかる中間パーツ3のサブシリンダ部分300内に納められる前端パーツ2の後端部203に、弾性突起204が形成されていると共に、
中間パーツ3のサブシリンダ部分300が、広径部分306と狭径部分307とを有しており、
この広径部分306と狭径部分307との間の段差面308に付勢手段321の回転付勢によるこの中間パーツ3の回動によってその回動終了位置に至る前に弾性突起204が突き当てられて一旦この回動が停止されると共に、
この停止位置から先への中間パーツ3の回動が狭径部分307の内壁に弾性突起204を弾性変形させながら押し当てさせることによって許容されるようにしてある。
【0057】
図示の例にあっては、前端パーツ2の後端部203であって前記シールリングよりも先に入り込む箇所に、この後端部203の軸線に沿ってこの後端部203に形成された溝内にはめ込まれて一方板縁をこの後端部203の周面からやや突き出させた板状をなす弾性材205が備えられており、この弾性材205の一方板縁によって前記弾性突起204を構成させている。かかる弾性材205としては、ゴムやゴム状弾性を備えたプラスチックを用いることができる。それと共に、図示の例にあっては、サブシリンダ部分300における前記シールリング305よりも先のこのサブシリンダ部分300の軸線に直交する向きの断面形状を構成する円弧の略半分が、前端パーツ2の後端部203の断面形状に倣った円弧とされ、この断面形状を構成する円弧の残りが、前端パーツ2の弾性突起204の形成位置でのこの前端パーツ2の径を直径とした仮想円の円弧となるようにしてある。そしてこれにより、サブシリンダ部分300内に前記広径部分306と狭径部分307と段差面308とが形成されている。図示の例では、中間パーツ3の未回動位置においては、前端パーツ2の後端部203の弾性突起204は、広径部分306と狭径部分307との間の始端側段差面309に接している。(図12)後述する後端パーツ1の押し込み前進操作によって付勢手段321の付勢により中間パーツ3の回動が許容される状態を作り出すと、サブシリンダ部分300の段差面308に前記弾性突起204が突き当てられる停止位置まで中間パーツ3、つまり、他方部材5’はこの付勢によって回動される。図示の例では、略90度この付勢によって他方部材5’が回動されるようになっている。(図2、図3)この停止位置から先にさらに他方部材5’を回動させるように外力を加えると、前記段差面308によって徐々に弾性突起204を弾性変形させながらサブシリンダ部分300は回動され、弾性突起204は変形された状態で前記狭径部分307に入り込む。図示の例では、この状態でさらに略80度、他方部材5’を回動させることができるようになっている。(図4、図5)
【0058】
これにより、この実施の形態にあっては、前記後端パーツ1の押し込み前進操作によって許容された中間パーツ3の前記付勢手段321の付勢による自動的な回動を回動終了位置に至る前に一旦停止させることができると共に、この停止位置から回動終了位置までの間にあっては、中間パーツ3のどの回動位置においても前記弾性突起204のサブシリンダ部分300の狭径部分307の内壁への圧接によって中間パーツ3を仮止めすることができる。すなわち、この実施の形態にあっては、中間パーツ3の回動によって回動される他方部材5’の一定位置から先への回動を、この回動操作を止めた場合にはその位置において他方部材5’が留められるようにした状態で、(いわゆるフリーストップ)許容させることができる。
【0059】
また、図示の例にあっては、前記付勢手段321として、圧縮コイルバネ322を使用している。図示の例にあっては、サブシリンダ部分300の閉塞された他端の外面部にバネ端部の挟み込み溝311によって二つ割りにされた突出部310が形成されていると共に、後端パーツ1の前端部100に同じくバネ端部の挟み込み溝103によって二つ割りにされた突出部102が形成されている。そして、図示の例にあっては、前記バネ322のバネ一端をサブシリンダ部分300の突出部310の挟み込み溝311に入れ込み係止させ、かつ、このバネ322のバネ他端を後端パーツ1の突出部102の挟み込み溝103に入れ込み係止させるようにして、メインシリンダ部分320内にかかるバネ322を内蔵させている。
【0060】
また、この実施の形態にあっては、かかるメインシリンダ部分320の内部に、後端パーツ1の前端部100に形成された突起105を前記付勢手段321の付勢によって前記未回動位置においてメインシリンダ部分320の前端部323側から納める凹所326と、
この付勢に抗した後端パーツ1の押し込み前進操作により凹所326から抜け出した後端パーツ1の突起105がメインシリンダ部分320の前端部323側から突き当てられる周回状摺動面328とが形成されている。
【0061】
図示の例にあっては、かかるメインシリンダ部分320の後端部324には、内向きに張り出す周回状内鍔部329が形成されている。一方、後端パーツ1の前端部100は、略円柱状をなすように構成されていると共に、前記突出部102の基部に外向きに張り出す周回状外鍔部104を有している。そして、図示の例にあっては、かかる周回状外鍔部104をメインシリンダ部分320の内方から周回状内鍔部329に引っかけるようにして、メインシリンダ部分320に対して後端パーツ1の前端部100が組み合わされている。そして、図示の例にあっては、メインシリンダ部分320の周回状内鍔部329にこのメインシリンダ部分320の前端部323側から窪み込み、かつ、周回状内鍔部329の突き出し端面330においても開放された凹所326が形成されていると共に、後端パーツ1にその周回状外鍔部104のこの後端パーツ1の後端部に向けられた面からこの後端部側に向けて突き出す突起105が形成されており、前記バネ322の付勢によって前記未回動位置においてこの凹所326に突起105が入り込みこのバネ322の回転付勢にかかわらずこの未回動位置においては中間パーツ3、つまり、他方部材5’は回動されないようになっている。この状態から、前記バネ322の付勢に抗して後端パーツ1を、突起105が凹所326から抜け出す位置まで押し込み前進操作させると、このバネ322の回転付勢によって中間パーツ3は自動的に回動される。抜け出された突起105は、この回動の間、前記バネ322の付勢によって周回状内鍔部329の鍔面に突き当てられるがこの鍔面は周回していることから、この回動は妨げられることがない。すなわち、図示の例にあっては、かかる周回状内鍔部329の鍔面が前記周回状摺動面328として機能されるようになっている。
【0062】
なお、図示の例にあっては、中間パーツ3の外面にはこの中間パーツ3の軸線方向に沿ったリブ312、331が形成されていると共に、第三部分500の第三通し穴501の穴壁にはこの第三通し穴501への中間パーツ3の入れ込みによってこのリブ312、331がはまりこむ溝502が形成されており、また、後端パーツ1の外面にはこの後端パーツ1の軸線方向に沿ったリブ106が形成されていると共に、第一部分400の第一通し穴401の穴壁にはこの第一通し穴401への後端パーツ1の入れ込みによってこのリブ106がはまりこむ溝402が形成されている。これにより、軸ユニットJを構成する中間パーツ3は他方部材5’の第三部分500に固定され、後端パーツ1は第一通し穴401の穴軸線に沿った向きの移動のみを許容された状態で一方部材4’の第一部分400に組み付けられるようになっている。
【0063】
かかる構成により、この実施の形態にかかる軸ユニットJによれば、
(1)先ず、一方部材4’の第一部分400と第二部分410との間に他方部材5’の第三部分500を納めた状態から、第二通し穴411内に前端パーツ2を入り込ませ、第三通し穴501に中間パーツ3を入り込ませ、かつ、第一通し穴401に後端パーツ1を入り込ませるようにして、これらの通し穴401、411、501に軸ユニットJを入れ込ませることにより、ワンタッチでかかる一方部材4’と他方部材5’とを回動可能に組み合わせることができる。また、後端パーツ1を付勢手段321の付勢に抗して押し込み前進操作しない限り、かかる回動が生じないようにすることができる。
(2)次いで、かかる回動を必要とする場合には、後端パーツ1を付勢手段321の付勢に抗して押し込み前進操作してメインシリンダ部分320の凹所326から後端パーツ1の突起105を抜け出させることにより、前記付勢手段321の付勢によってワンタッチでかかる回動を行わせることができる。また、同時に、かかる回動に前記制動手段301によって制動を付与させることができる。
(3)また、回動終了位置まで回動された他方部材5’を回動開始前の位置まで回動操作させると、中間パーツ3は未回動位置に向けて回動され、未回動位置まで回動がされると後端パーツ1の突起105は再びメインシリンダ部分320の凹所326に付勢手段321の付勢によって入り込み、中間パーツ3のこの未回動位置にある状態が維持される。つまり、回動開始前の位置に戻された他方部材5’のその状態が再び維持される。
【0064】
また、この実施の形態にあっては、メインシリンダ部分320における凹所326の側壁面327が、後端パーツ1の押し込み前進操作によって、中間パーツ3を付勢手段321による回転付勢の向きに回動させながら、この凹所326から後端パーツ1の突起105を抜き出させる向きに傾斜した傾斜面となっている。
【0065】
これにより、この実施の形態にあっては、後端パーツ1を押し込み前進操作することに伴なう凹所326から突起105が抜け出す過程において事前にやや中間パーツ3を、つまり、他方部材5’を回動させることができ、これにより回動開始時の最も回動抵抗が高い時に、前記付勢力を補って確実に他方部材5’を回動させることができる。また、他方部材5’を回動開始前の位置に戻す操作により中間パーツ3が未回動位置に戻される場合には、その最終段階において付勢手段321の付勢によって凹所326に突起105を引き込み易くすることができる。
【0066】
また、この実施の形態にあっては、後端パーツ1の後端部101に、この後端部101の側面から側部108を側方に突き出させない未ロック位置からこの側部108を側方に突き出させたロック位置までの間での移動可能にロック体107が組み付けられている。
【0067】
図示の例にあっては、後端パーツ1の後端部101は、前記周回状外鍔部104と突起105とを一端部に備えた主軸113の他端部を、この他端部のはめ込み穴116を前端に備えた略円柱状をなすノブ体115のこのはめ込み穴116にはめ込み組み付けることにより、このノブ体115によって構成されている。図示の例では、このノブ体115に前記リブ106が形成されている。図示の例では、このノブ体115に、このノブ体115の側部において開放されてノブ体115の内方に延びる穴118が形成されていると共に、このノブ体115の後端面にこのノブ体115の中央部から側部に続きこの側部において外方に開放されたこの穴118の穴巾よりも溝巾を狭くした溝119が形成されている。そして、かかる穴の巾方向ほぼ中程の位置においてかかる溝119がこの穴にノブ体115の内部において連通されるようになっている。
【0068】
一方、前記ロック体107は、かかるノブ体115の外径と略同じ直径を備えた円盤状をなすように構成されていると共に、その一面に、前記穴118に入り込む頭部110と前記溝119を通る首部111とを一体に備えた脚部109を有している。
【0069】
そして、図示の例にあっては、かかる脚部109の頭部110を前記穴118に入れ込ませた状態で、ノブ体115の後端面をロック体107によって覆うようにして、このノブ体115にロック体107を組み合わせている。すなわち、ロック体107の首部111をノブ体115の溝119に通すようにしてノブ体115の穴118にロック体107の頭部110を側方から入り込ませて、かかるロック体107とノブ体115とを組み合わせている。これによって、ロック体107を前記未ロック位置とロック位置との間でスライド移動させることができるようになっている。また、図示の例にあっては、ロック体107の脚部109における首部111に位置決め突部112が形成されていると共に、ノブ体115の溝119に、この溝119の延長方向に間隔を開けて二カ所の位置決め凹所120、120が形成されており、ノブ体115の中央側にある位置決め凹所120に位置決め突部112が納まった位置ではロック体107の側部108がノブ体115の側面から突き出さず、(つまり、未ロック状態/図13)この位置からロック体107をスライド移動させると主としてノブ体115側の弾性変形によってこの位置決め凹所120から位置決め突部112が抜け出し、この後のノブ体115の端側にある位置決め凹所120に位置決め突部112が入り込む位置での弾性復帰により、この位置決め凹所120に位置決め突部112が入り込むようになっている。そして、このノブ体115の端側にある位置決め凹所120に位置決め突部112が納まった位置ではロック体107の側部108がノブ体115の側面から突き出すようにしてある。(つまり、ロック状態/図14)そして、図示の例にあっては、ロック体107が未ロック位置にある状態では第一通し穴401内に後端パーツ1を押し込むことができるが、ロック体107がロック位置にある状態では第一通し穴401の穴口403にロック体107の突き出し部分が突き当たりこの押し込みをなすことができないようになっている。
【0070】
これにより、この実施の形態にあっては、中間パーツ3が未回動位置にある状態においてロック体107をロック位置にスライド移動させておくことにより、ロック体107に押し込み力が作用されても第一通し穴401の穴口403にロック体107を突き当てさせてロック体107の押し込み方向への移動、つまりは、後端パーツ1の押し込み前進操作を阻止することができ、予期せずこの中間パーツ3、つまり、他方部材5’が回動されてしまうことがないようにすることができる。
【0071】
なお、この実施の形態にあっては、後端パーツ1を構成する主軸113の他端部に突起114が形成されていると共に、ノブ体115のはめ込み穴116に、このはめ込み穴116の内壁にこのはめ込み穴116の入り口側と奥側とにおいてそれぞれこの突起114がはまり込む凹所117が形成されており、通常は、この奥側の凹所117に突起114がはまり込むようになっている。前記ロック体107をロック位置に位置づけた状態から他方部材5’を誤って回動操作させてしまうとこの他方部材5’の回動によって中間パーツ3が回動されこれに伴って後端パーツ1には中間パーツ3内に引き込まれる力が作用されることになるが、こうした場合には前記奥側の凹所117から突起114が弾性変形により抜け出し、入り口側の凹所117にこの突起114が入り込む位置までの主軸113の移動を許容するようになっている。これにより、こうした誤操作による軸ユニットJの破損を防止している。
【0072】
また、以上に説明した軸ユニットJにおける弾性変形させるべき箇所への所用の弾性変形特性の付与は、かかる箇所を備えた部材をプラスチック成形品とすることで容易に確保することができる。
【0073】
(化粧品容器Y)
また、この実施の形態にかかる化粧品容器Yは、
(1)前記第一通し穴401を備えた第一部分400と、第二通し穴411を備えた第二部分410とを有する一方容器構成体4と、
(2)第三通し穴501を備えた第三部分500を有する他方容器構成体5と、
(3)以上に説明した軸ユニットJとから構成されている。
【0074】
図示の例にあっては、かかる一方容器構成体4は、上面開口の箱状の本体として構成されている。かかる本体は略方形の底板420の四辺部にそれぞれ側板421を有している。そして、その一辺部に沿って形成された側板421の外面の両端部にそれぞれ軸線を水平に配した円柱状をなす張り出し部422を有しており、この張り出し部422の一方に前記第一通し穴401が、他方に前記第二通し穴411が形成されている。すなわち、図示の例では、この一方容器構成体4が前記一方部材4’であり、その張り出し部422の一方が前記第一部分400となり、この張り出し部422の他方が前記第二部分410となっている。
【0075】
また、図示の例にあっては、前記他方容器構成体5は、下面開口の箱状の蓋体として構成されている。かかる蓋体は略方形の上板510の四辺部にそれぞれ側板511を有している。そして、その一辺部に沿って形成された側板511の外面の中央部に軸線を水平に配した円柱状をなす張り出し部512を有しており、この張り出し部512に前記第三通し穴501が形成されている。すなわち、図示の例では、この他方容器構成体5が前記他方部材5’であり、その張り出し部512が前記第三部分500となっている。
【0076】
そして、かかる化粧品容器Yは、前記第一部分400と第二部分410との間に第三部分500を納め入れ、かつ、第一通し穴401と第三通し穴501と第二通し穴411とを連通させた状態で組み合わさせた状態において、
連通されたこれらの通し穴401、411、501に前記軸ユニットJを差し通して、一方容器構成体4と他方容器構成体5とを回動可能に組み付け合わさせて構成されていると共に、
軸ユニットJの中間パーツ3が未回動位置にある状態において、一方容器構成体4と他方容器構成体5とが重なり合わされるようになっている。(図1)すなわち、中間パーツ3が未回動位置にある状態において、一方容器構成体4の内部空間が他方容器構成体5によって閉塞されるようになっている。
【0077】
これにより、かかる化粧品容器Yによれば、一方容器構成体4の第一通し穴401および第二通し穴411と他方容器構成体5の第三通し穴501とに軸ユニットJを差し通すことにより、ワンタッチで両容器構成体4、5を回動可能に組み付け合わせることができる。
【0078】
それと共に、一方容器構成体4と他方容器構成体5とが重なり合った状態を安定的に維持することができる。また、化粧品容器Yを保持する側の手で軸ユニットJの後端パーツ1を押し込み前進操作することにより、前記重なり合った状態から他方容器構成体5を開き方向に制動を付与しながら自動的に回動させることができる。さらに、この他方容器構成体5の自動的な回動を途中で停止させることができると共に、この停止位置から先では他方容器構成体5にフリーストップ作用を付与しながらこの他方容器構成体5を回動操作することができる。また、一方容器構成体4と他方容器構成体5とが重なり合った状態において軸ユニットJのロック体107をロック位置に移動させておくことにより、予期せず後端パーツ1が押し込まれて他方容器構成体5が開き出してしまうことがないようにすることができる。
【0079】
また、この実施の形態にあっては、前記軸ユニットJの中間パーツ3が差し通される第四通し穴601を備えた第四部分600を有する中蓋体6を有していると共に、
他方容器構成体5の第三部分500の外面部に、中間パーツ3の回動によるこの他方容器構成体5の開き出しに伴ってこの中蓋体6の回動組み付け側の縁部603に所定の回動位置で突き当たってこの中蓋体6をこの位置からは一緒に開き出させる連係用突き当たり部513が形成されている。
【0080】
図示の例にあっては、かかる中蓋体6は、一方容器構成体4と他方容器構成体5とを重なり合わせた状態において、これらの内部空間内に納まる大きさを備えた略方形のプレート状をなすように構成されている。また、図示の例では、かかる中蓋体6の一辺部に軸線を略水平に配するようにしたリング体602が間隔を開けて設けられている。そして、この一対のリング体602、602の一方が前記第一部分400と第三部分500との間に納められ、その他方がこの第三部分500と第二部分410との間に納められた状態で、差し通される軸ユニットJの中間パーツ3がこの差し通しによりこの一対のリング体602、602の内側に通されるようになっている。すなわち、図示の例にあっては、かかる一対のリング体602、602が前記第四部分600となり、これらの内側が前記第四通し穴601となっている。
【0081】
それと共に、図示の例にあっては、中蓋体6の一対のリング体602、602の間にある縁部603が、一方容器構成体4と他方容器構成体5とを重なり合わせた状態において、他方容器構成体5の第三部分500の形成された側板の切欠部514から外方に突き出すようになっていると共に、この状態における第三部分500の外面であってこの縁部603に対して略90度位置を異ならせる位置に下方に突き出す前記連係用突き当たり部513が形成されている。
【0082】
これにより、この実施の形態にあっては、前記付勢手段321の付勢による他方容器構成体5の回動に伴ってこの回動の途中から中蓋体6も同じ向きに回動させることができる。
【0083】
図示の例にあっては、他方容器構成体5が付勢手段321の付勢により略90度回動されると中蓋体6の縁部603に連係用突き当たり部513が突き当たり、この状態からさらに他方容器構成体5が回動されると、これに伴って、この回動量分同じ向きに中蓋体6が回動されるようになっている。(図2から図4)
【0084】
かかる化粧品容器Yの一方容器構成体4内にファンデーションを納め、中蓋体6の一方容器構成体4の底板420に向けられた側にミラーを張り込み、この中蓋体6の上面と他方容器構成体5の上板510との間にパフが納まるようにした場合、軸ユニットJの後端パーツ1を化粧品容器Yを保持する側の手の指を使って押し込み前進操作すると先ず他方容器構成体5が付勢手段321の付勢により自動的に略90度位置まで立ち上がりパフを他方の手で把持使用できるようになる。この位置からは他方容器構成体5にはフリーストップ作用が付与され、任意の開き位置まで他方容器構成体5を開き出させることが可能となる。これと同時に、中蓋体6も立ち上がり、顔を写すのに適当な角度に中蓋体6を位置づけて化粧をなすことが可能となる。
【0085】
(化粧品容器Yの開閉装置)
また、この実施の形態にかかる化粧品容器Yの開閉装置は、一方容器構成体4と他方容器構成体5とを軸部J’で開閉可能に軸着する化粧品容器Yの開閉装置であって、軸部J’に、少なくともいずれかの容器構成体4、5を回動付勢する付勢手段321と、この回動に制動を付与する制動手段301と、この回動を解除可能にロックするロック手段とを備えさせるようにしたものである。
【0086】
図示の例では、前記軸ユニットJによって前記軸部J’を構成させ、また、前記後端パーツ1の突起105と中間パーツ3の凹所326とにより前記ロック手段を構成させるようにしている。
【0087】
このようにした場合、一方容器構成体4と他方容器構成体5とが重なり合った閉じ状態を安定的に維持することができる。また、化粧品容器Yを保持する側の手で軸部J’のロック手段の前記ロックを解除操作することにより、前記閉じ状態からいずれか一方の容器構成体4、5を開き方向に制動を付与しながら自動的に回動させることができる。
【0088】
(回動体の動作方法)
また、この実施の形態にかかる回動体の動作方法は、一方部材4’に対し回動可能に組み付け合わされる他方部材5’(回動体)を、この他方部材5’の回動開始から回動終了までの間において、制動を作用させながら所定の回動位置まで自動的に回動させた後、この所定の回動位置から先では他方部材5’にフリーストップ作用を付与させながら手動で回動させるようにしたものである。
【0089】
このようにした場合、かかる回動体を回動の途中まではゆっくりと自動的に回動させ、そこから先では任意の回動位置での姿勢保持可能な状態で手動で回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】化粧品容器Yの斜視図
【図2】同斜視図(90度開きだし状態)
【図3】同正面図(90度開きだし状態)
【図4】同斜視図(170度開きだし状態)
【図5】同斜視図(170度開きだし状態)
【図6】同平面図
【図7】同正面図
【図8】同底面図
【図9】同左側面図
【図10】図6におけるA−A線断面図
【図11】化粧品容器Yの要部断面図
【図12】図6におけるB−B線断面図
【図13】図7におけるC−C線断面図
【図14】化粧品容器Yの要部断面図
【図15】同分解斜視図
【図16】図15と異なる向きから見た化粧品容器Yの分解斜視図
【図17】軸ユニットJの分解斜視図
【図18】図17と異なる向きから見た軸ユニットJの分解斜視図
【図19】図17におけるE−E線断面図
【図20】図17におけるD−D線断面図
【図21】後端パーツ1の主軸113の側面図
【図22】図21と異なる向きから見た後端パーツ1の主軸113の側面図
【符号の説明】
【0091】
J 軸ユニット
4’ 一方部材
5’ 他方部材
301 制動手段
321 付勢手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方部材と他方部材とを回動可能に組み付け合わせる軸ユニットであって、
一方部材に固定されるパーツと、他方部材に固定されるパーツとを一体に有していると共に、
一方部材に固定されるパーツを回転軸として他方部材に固定されるパーツが回動されるようにしてあり、
しかも、他方部材に固定されるパーツを一方向に回動付勢する付勢手段と、
この付勢に制動を付与する制動手段と、
少なくともこの回動の途中から他方部材に固定されるパーツにフリーストップ作用を付与するフリーストップ手段と、
前記一方向への回動を解除可能にロックするロック手段とを内蔵していることを特徴とする軸ユニット。
【請求項2】
一方部材に固定されるパーツの少なくとも一部が軸ユニットの軸線方向に沿って押し込み移動可能とされていると共に、付勢手段がこの一方部材に固定されるパーツの少なくとも一部を押し出す向きに常時付勢するように構成されており、
ロック手段が、一方部材に固定されるパーツ及び他方部材に固定されるパーツのいずれか一方に形成された、これらの他方に形成された突起を前記付勢手段の付勢によって納める凹所と、
この付勢に抗した一方部材に固定されるパーツの押し込み前進操作により凹所から抜け出した突起が突き当てられる周回状摺動面とにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の軸ユニット。
【請求項3】
フリーストップ手段が、一方部材に固定されるパーツ及び他方部材に固定されるパーツのいずれか一方に設けられて他方部材に固定されるパーツの回動に伴ってこれらの他方に圧接される弾性突起としてあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軸ユニット。
【請求項4】
一方部材と他方部材とを回動可能に組み付け合わせる軸ユニットであって、
一方部材の通し穴に通されてこの通し穴の穴軸線に沿った前後動可能に一方部材に組み付けられる後端パーツと、
一方部材の通し穴に通されて一方部材に組み付けられる前端パーツと、
他方部材の通し穴に通されて他方部材に組み付けられる中間パーツとを備えており、
中間パーツは、
前端パーツの後端部を回転軸とするようにしてこの前端パーツの後端部に回転可能に組み合わされると共に、この回転に制動を付与する制動手段を備えたサブシリンダ部分と、
後端パーツの前端部を回転軸とするようにしてこの後端パーツの前端部に回転可能に組み合わされると共に、この後端パーツを後退させる向きに常時押し出し付勢し、かつ、前記回転軸を中心として中間パーツを未回動位置から回動終了位置に向けて常時回転付勢する付勢手段を内蔵したメインシリンダ部分とを有しており、
しかも、メインシリンダ部分の内部及び後端パーツの前端部のいずれか一方に、これらの他方に形成された突起を前記付勢手段の付勢によって前記未回動位置において納める凹所と、
この付勢に抗した後端パーツの押し込み前進操作により凹所から抜け出した突起が突き当てられる周回状摺動面とが形成されていることを特徴とする軸ユニット。
【請求項5】
第一通し穴を備えた第一部分と、第二通し穴を備えた第二部分とを有する一方部材と、
第三通し穴を備えた第三部分を有する他方部材とを、
第一部分と第二部分との間に第三部分を納め入れ、かつ、第一通し穴と第三通し穴と第二通し穴とを連通させた状態で組み合わさせた状態において、
連通されたこれらの通し穴に差し通されて、この一方部材と他方部材とを回動可能に組み付け合わさせる軸ユニットであって、
第一通し穴に通されてこの第一通し穴の穴軸線に沿った前後動可能に一方部材に組み付けられる後端パーツと、
第二通し穴に通されて一方部材に組み付けられる前端パーツと、
第三通し穴に通されて他方部材に組み付けられる中間パーツとを備えており、
中間パーツは、
前端パーツの後端部を回転軸とするようにしてこの前端パーツの後端部に回転可能に組み合わされると共に、この回転に制動を付与する制動手段を備えたサブシリンダ部分と、
後端パーツの前端部を回転軸とするようにしてこの後端パーツの前端部に回転可能に組み合わされると共に、この後端パーツを後退させる向きに常時押し出し付勢し、かつ、前記回転軸を中心として中間パーツを未回動位置から回動終了位置に向けて常時回転付勢する付勢手段を内蔵したメインシリンダ部分とを有しており、
しかも、メインシリンダ部分の内部に、
後端パーツの前端部に形成された突起を前記付勢手段の付勢によって前記未回動位置においてメインシリンダ部分の前端部側から納める凹所と、
この付勢に抗した後端パーツの押し込み前進操作により凹所から抜け出した後端パーツの突起がメインシリンダ部分の前端部側から突き当てられる周回状摺動面とが形成されていることを特徴とする軸ユニット。
【請求項6】
凹所の側壁面が、後端パーツの押し込み前進操作によって、中間パーツを付勢手段による回転付勢の向きに回動させながら、この凹所から突起を抜き出させる向きに傾斜した傾斜面となっていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の軸ユニット。
【請求項7】
中間パーツのサブシリンダ部分内に納められる前端パーツの後端部に、弾性突起が形成されており、この弾性突起の圧接により中間パーツにフリーストップ作用が付与されるようになっていることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の軸ユニット。
【請求項8】
中間パーツのサブシリンダ部分内に納められる前端パーツの後端部に、弾性突起が形成されていると共に、
中間パーツのサブシリンダ部分が、広径部分と狭径部分とを有しており、
この広径部分と狭径部分との間の段差面に付勢手段の回転付勢によるこの中間パーツの回動によってその回動終了位置に至る前に弾性突起が突き当てられて一旦この回動が停止されると共に、
この停止位置から先への中間パーツの回動が狭径部分の内壁に弾性突起を弾性変形させながら押し当てさせることによってなされるようにしてあることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の軸ユニット。
【請求項9】
後端パーツの後端部に、この後端部の側面から側部を側方に突き出させない未ロック位置からこの側部を側方に突き出させたロック位置までの間での移動可能にロック体が組み付けられていることを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の軸ユニット。
【請求項10】
一方容器構成体と他方容器構成体とを、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の軸ユニットによって回動可能に組み付け合わさせて構成されており、
他方容器構成体に固定されるパーツが未回動位置にある状態において、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合わされるようになっていることを特徴とする化粧品容器。
【請求項11】
通し穴を備えた一方容器構成体と、
通し穴を備えた他方容器構成体と、
請求項4に記載の軸ユニットとを備えてなり、
各通し穴を連通させた状態で組み合わさせた状態において、
連通されたこれらの通し穴に前記軸ユニットを差し通して、一方容器構成体と他方容器構成体とを回動可能に組み付け合わさせて構成されており、
軸ユニットの中間パーツが未回動位置にある状態において、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合わされるようになっていることを特徴とする化粧品容器。
【請求項12】
第一通し穴を備えた第一部分と、第二通し穴を備えた第二部分とを有する一方容器構成体と、
第三通し穴を備えた第三部分を有する他方容器構成体と、
請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の軸ユニットとを備えてなり、
第一部分と第二部分との間に第三部分を納め入れ、かつ、第一通し穴と第三通し穴と第二通し穴とを連通させた状態で組み合わさせた状態において、
連通されたこれらの通し穴に前記軸ユニットを差し通して、一方容器構成体と他方容器構成体とを回動可能に組み付け合わさせて構成されており、
軸ユニットの中間パーツが未回動位置にある状態において、一方容器構成体と他方容器構成体とが重なり合わされるようになっていることを特徴とする化粧品容器。
【請求項13】
軸ユニットの中間パーツが差し通される第四通し穴を備えた第四部分を有する中蓋体を有していると共に、
他方容器構成体の第三部分の外面部に、中間パーツの回動によるこの他方容器構成体の開き出しに伴ってこの中蓋体の回動組み付け側の縁部に所定の回動位置で突き当たってこの中蓋体をこの位置からは一緒に開き出させる連係用突き当たり部が形成されていることを特徴とする請求項12記載の化粧品容器。
【請求項14】
一方部材に対し回動可能に組み付け合わされる他方部材を、この他方部材の回動開始から回動終了までの間において、制動を作用させながら所定の回動位置まで自動的に回動させた後、この所定の回動位置から先では他方部材にフリーストップ作用を付与させながら手動で回動させるようにしたことを特徴とする回動体の動作方法。
【請求項15】
一方容器構成体と他方容器構成体とを軸部で開閉可能に軸着する化粧品容器の開閉装置であって、軸部には、少なくともいずれかの容器構成体を回動付勢する付勢手段と、この回動に制動を付与する制動手段と、この回動を解除可能にロックするロック手段とが備えられていることを特徴とする化粧品容器の開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−515(P2006−515A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181798(P2004−181798)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】