説明

軽質オレフィンを製造する高性能燃焼装置及び流動接触分解方法

本発明は、流動床式接触分解ユニット内で軽質オレフィン(エチレン及びプロパン)を製造するための工程のエネルギー需要を満たすための燃焼装置に関する。前記燃焼装置は、灯油を燃焼させるため、及び、反応のエネルギー需要を満たすようにコークスを加熱するという観点から、触媒上に堆積したコークスの燃焼を維持するために用いられ、燃焼は、円滑且つ均一に行われ、触媒床内及び燃焼(再燃焼)後の希薄層内のホットスポットの形成を防ぎ、それにより、触媒の不活性化及び燃焼装置内部の機器への損傷の危険性を最小限に抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動床式接触分解ユニットにおいて軽質オレフィンを製造する工程の分野に関する。また、本発明は、触媒の再活性化中にコークスを燃焼させることにより生み出される熱エネルギーが、この転換装置のエネルギー需要に合致しない工程に当てはまる。より詳細には、本発明は、軽質オレフィンを製造するために用いられる流動接触分解法のための熱を供給することができる、高性能燃焼装置を記載する。
【背景技術】
【0002】
石油化学FCCは、軽質オレフィン(エチレン及びプロパン)を製造するために用いられる流動床式接触分解法であり、以下の特徴を有する。すなわち、低い沸点(ディーゼル範囲)を有する炭化水素を含む原料を用いるということ、Y型ゼオライトと混合されるペンタシル族のからのゼオライトを高比率で有する高度に選択的な触媒原料を用いるということ、ライザ反応器内の高い反応温度を用いるということ、及び反応器の原料供給部分の1/4上方にある急冷部分を用いるということである。
【0003】
この工程条件の組み合わせは、反応部分における高いエネルギー需要を生み出し、触媒上に非常に少量のコークスを製造する。
【0004】
その結果、触媒の活性を回復するため、及びこの工程のためのエネルギーを生み出すために、再生器内で燃焼させられるコークスは、必要な全エネルギーの5%から20%しかもたらさず、転換装置内の熱平衡を継続的に維持するためには、この工程に熱を加える必要がある。
【0005】
エネルギーを供給するための工程は、燃焼装置(再生器)の流動触媒床内で石油を燃焼させることを含む。
【0006】
したがって本発明は、高性能燃焼装置内で触媒が再生される工程、並びに、燃焼装置の流動触媒床内又は床の希薄相内の再燃焼中に、触媒の恒久的な不活性化を生じ燃焼装置内部の機器に損傷を与えるおそれがあるホットスポットが生じるなどの問題を避けるための、この工程のための主なエネルギー源に関する。
【0007】
従来の流動床式接触分解法(FCC)では、原料が、重質炭化水素残渣を含む又は含まないディーゼル範囲内の炭化水素を含み、燃料ガス、LPG、分解ナフサ、軽油、及び重油などの製造物が、触媒の表面上に形成される炭素質堆積物又はコークスとともに製造される。そのような分解ユニットでは、反応は、Y型ゼオライトを主に含む触媒、及び管状ライザ反応器を用いて行われる。
【0008】
触媒上にかなりの量のコークスが堆積する場合、この触媒は、活性及び選択性を失い、LPG及び分解ナフサなど、求められている製造物の製造量を低下させる。その結果、ライザ内部の分解反応の完了時に、触媒の触媒表面がコークス堆積物で塞がれ、再活性化が必要となる。一方反応部分は、液体原料を揮発させるため、及び吸熱接触分解反応を補うために、エネルギーを必要とする。
【0009】
かなりのコークス堆積物を有する触媒(使用済み触媒)を再活性化するために、この触媒は、反応部分から継続的に除去され、内部に吸収された炭化水素を蒸気の注入によって除去するための除去床を通り、そこから再生器へと流れ、流動床内部で、酸素を含む気体とコークスとの燃焼反応により実際の再活性化が行われる。従来は、コークスの燃焼反応を誘発するために、空気又は酸素を豊富に含む空気が用いられる。この工程は、触媒活性を回復させることに加えて、触媒の再活性化を誘発するための十分なエネルギーを生み出し、再生によって失われるエネルギー(空気及び燃焼生成物を加熱するために必要なエネルギー)を回復すると同時に、反応部分が必要とするエネルギーを補充する。
【0010】
ライザのエネルギー需要及び再生器のエネルギー損失が、コークスを燃焼させることにより放出される熱量と等しい場合、ユニットは熱平衡が取れていると考えられる。残渣含有量が多い原料を処理する場合、コークス堆積物の形成は著しく多く、したがって、それらを燃焼させることにより発生する熱は、転換装置が必要とする熱の総量より大きく、たとえば触媒を冷却するための熱交換器を再生器の外側で用いることなどにより、過剰な熱を再生器から除去して熱平衡を回復する必要がある。
【0011】
熱需要を満たすのに不十分なコークスが生み出される、ユニットの始動準備中など一時的又は短時間のステージにおいて残渣含有量が多い原料を用いる従来の工程、又は通常動作においても、トーチ油を注入することができ、すなわち、ある量の石油が再生器の床内に注入され、燃焼して転換装置の熱需要を満たすためのエネルギーを生み出す。ただし、1つ又は複数のノズルを通して再生器の床内にトーチ油を単に注入することにより、局所的なホットスポットが生じ、ホットスポットは、触媒を恒久的に不活性化し、且つ、触媒に損傷を与えるおそれがある熱応力の問題を再生器内部に生じ、或いは両方の効果の組み合わせを生じる。
【0012】
特定の性能基準を無視することは、動作上の信頼性及びユニットの収益性への悪影響を有するので、乱流FCC流動触媒床内部で石油を継続的に燃焼させることは、技術的に極めて複雑であり、この工程の実装における非常に重要な点を構成する。
【0013】
FCCユニット内の熱平衡を回復するために、再生器の床にエネルギーを供給するための代替方法が、先行文献に記載されている。
【0014】
米国特許第3,966,587号は、除去装置から再生器への移動ライン内で、石油と使用済み触媒とをしっかり混ぜ、混合物が重力の影響を受けて流れることを教示している。この方法によれば、石油と触媒中のコークス堆積物の共同燃焼により、再生器の床内のホットスポットの形成、及びその結果生じることが回避される。
【0015】
欧州特許第EP1285042号は、十分なトーチ油及びトーチ油を燃焼させるための空気を、上昇する移動ライン内に導入するための方法を教示しており、移動ライン内では、再生器内でトーチ油を直接用いることによる有害な結果を最小限に抑える目的で、燃焼空気供給により生じる速度上昇に対応するためにラインの直径が増大させられる。
【0016】
さらに、米国特許第3,966,587号及び欧州特許第EP1285042号は、従来のFCCユニット内の熱非平衡をどのように修正し、再生器床内でトーチ油を直接用いることに特有の欠点を回避するかを教示している。ただしこれらの文書は、残りの気体と乳濁液と床内の酸素との間の良好な接触を促進し、床内部のトーチ油の完全燃焼を促進するなどのために、使用済み触媒と揮発させられ又は触媒中に吸収された石油の乳濁液を再生器の断面に沿って分配すること、及び不完全燃焼生成物を分配することを促進するための解決法を開示しない。速度及び局部温度上の制約が理由で、これらの方法は、ユニット内に小さい熱非平衡が存在する際、すなわち少量又は適量のトーチ油を必要とする条件下でのみ適用可能である。
【0017】
米国特許第7,153,479号は、軽質オレフィンを製造するためのFCC工程からの流出物から、触媒を除去するための方法を開示している。触媒は、好ましくは、冷却塔内に燃料油を追加し再循環させることにより、且つ、スラリー(スラリー油)の形成による燃料油内の触媒の回収を含めて流出気体から触媒粒子を洗浄することにより除去される。
【0018】
このスラリー油の形成により、熱平衡を維持するためコークスが十分に製造されない軽質オレフィンを製造するためのFCCユニットにおいて、熱平衡を補完することが可能になる。
【0019】
ただし、米国特許第7,153,479号において教示される方法は、触媒床内のスラリー油を完全に燃焼させる手段を提供しない。この場合、不完全燃焼生成物が未反応の酸素とともに床から排出され、それにより希薄相領域内の再燃焼を促進し、局部温度がかなり上昇し、浄化された触媒の恒久的な不活性化並びに再生器内部の機器への損傷の一因となる。
【0020】
流動床内部の石油の完全燃焼など特定の性能基準を満たすことは技術的に非常に複雑であるので、乱流FCC流動触媒床内部の連続的な石油燃焼工程は、大きな挑戦である。
【0021】
再燃焼床内の不完全燃焼により、床上方の希薄相内で炭化水素の部分的な燃焼が生じ、それにより局部温度が大幅に上昇し、内部機器又はサイクロンへの深刻な損傷、並びに、浄化により床から大量に引き出される触媒の恒久的な不活性化が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】米国特許第3,966,587号
【特許文献2】欧州特許第1285042号
【特許文献3】米国特許第7,153,479号
【特許文献4】米国特許出願第20090142241A1号
【特許文献5】欧州特許出願第2065458A1号
【特許文献6】特許出願第PI0704443−7号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって本発明は、急冷部分を有することができるライザ内で、使用済み触媒の再生条件を維持し、軽質オレフィンを製造するために用いられるFCCの転換部分の熱需要を満たしながら、床内のホットスポット及び燃焼装置の希薄相内の再燃焼の問題並びにそれらによる望ましくない結果を回避する、流動床内部で石油を完全燃焼させるための工程に関する。
【0024】
概して、本発明は、軽質オレフィンの製造を意図する高性能燃焼装置及び流動床式接触分解方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に関する接触分解工程では、触媒の再生中にコークスの燃焼により生み出される熱エネルギーは、転換装置のエネルギー需要を満たすのに十分ではなく、使用済み触媒は、高性能燃焼装置内部で加熱及び再生され、この工程のための主なエネルギー源は、石油の燃焼である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】高性能燃焼装置を形成する下方部分及び上方部分を示す、軽質オレフィンを製造するための流動床式接触分解法又は石油化学FCCを示す図である。
【図2】石油化学FCCに含まれる高性能燃焼装置を示す図である。
【図3】様々な長さのランスを含む燃焼装置の下方部分の断面を示す上面図である。
【図4】燃焼装置底部の径方向部分内において高性能燃焼装置の底部から3つの異なる高さに配置された様々なランスを含む、燃焼装置の下方部分を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、複数のランスを備える高性能燃焼装置に関する。その中には灯油が注入され、その燃焼によって、FCCユニットのエネルギー需要を満たすことができる。
【0028】
燃焼装置の流動床内部及び燃焼(再燃焼)に続く希薄相内のホットスポットの形成を回避し、触媒の不活性化及び燃焼装置内部の機器への損傷の危険性を最低限に抑えるように、この灯油は燃焼させられる。
【0029】
本発明の別の態様は、軽質オレフィンを製造することが意図された流動接触分解法又は石油化学FCCである。この反応は、上向きに流れる管状反応器又はライザ内において、固体粒子の形であり、希土類元素と潜在的に交換される、Y型ゼオライトと混合されたペンタシル・ゼオライトを主に含む触媒上で行われる。この工程では、熱平衡を維持するため、及び触媒の再生を促進するために、高性能燃焼装置が用いられる。
【0030】
図1に示すように、燃焼装置(1)からの低含有量の炭素化合物又はコークスを有し、700°Cを超える温度まで加熱される、より低比率のY型ゼオライトと混合されたペンタシル族からのゼオライトを主に含む触媒が、上向きに流れる管状反応器又はライザ(2)の基部の下方部分に供給される。蒸気(3)の流れが、乱流の流動化及び触媒の同伴を促進するように、上記のこの管状反応器又はライザ(2)に注入される。次いで、ディーゼル範囲内の軽質炭化水素の高温流、又はより重質の炭化水素の原料(4)が、蒸気を噴霧流体として用いる1組の径方向噴霧器によって供給される。
【0031】
微細に分散された原料(4)は、触媒と接触すると揮発し、分解反応及び製造物の生成を誘発する。軽質オレフィンのための転換及び選択性を増大させるために、急速冷却又は急冷流体(5)が、原料(4)の注入点より上方の、ライザ(2)を1/4上昇したところで供給される。
【0032】
分解反応は、少なくとも580℃の温度で動作する急冷流体(5)の注入の上方部分内で生じ続ける。
【0033】
製造物と不活性化された触媒との混合物は、気体製造物(7)を触媒から分離させるために、サイクロン(6)のシステムを通過する。
【0034】
軽質オレフィンを豊富に含む流出気体製造物(7)は、製造物回収部分に供給され、不活性化された触媒は、分離容器(10)下方の除去装置(9)内部の流動床(8)を通過する。
【0035】
不活性化された触媒は、蒸気(11)の注入後に、吸収された炭化水素を除去するために逆流する。
【0036】
結果的に得られる触媒は、ライザ(2)の基部に供給される触媒のコークス堆積物よりわずかに多い低減されたコークス堆積物を含む。結果的に得られる触媒は、濃密相内で、流量制御スライド・バルブ(13a)を含む使用済み触媒スタンド・パイプ(12a)を通り燃焼装置(1)に移送される。図1の構成によれば、再生された触媒は、再生触媒スタンド・パイプ(12b)を通して移送される。このスタンド・パイプは、傾斜しており、燃焼装置(1)の容器の外側にあり、流量制御スライド・バルブ(13b)を含む。
【0037】
ライザ(2)内の蒸気の速度は、原料(4)の注入点の下方で生じるような触媒の安定した流れを保証するのに十分な速度でなければならない。キャリヤ蒸気と呼ばれる補助蒸気の注入が、触媒を原料(4)の入口ノズルのところに留めるために用いられる。その結果、反応器又はライザ(2)の基部付近に注入される液体原料(4)は、揮発させられ、反応して、製造物を形成する。製造物は、主に揮発させられており、ライザ(2)内の全通路を通じて触媒粒子を運ぶことを助ける。
【0038】
原料(4)の注入点より上方でライザ(2)を1/4から3/4上昇したところに位置する部分において、急速冷却又は急冷流体(5)が、少なくとも一点で原料(4)の質量流量のl5%から30%の比率で注入される。その結果、触媒の循環を増大させることにより、また同時に、冷却し、望ましくない反応を妨げ、同時に触媒の流れの安定性に寄与することより、軽質オレフィンの製造を促進することを意図する第2の反応部分が作り出される。
【0039】
触媒は、図2に示すように、乱流流動触媒床(14)内のコークスと空気の燃焼反応により、燃焼装置(1)内で再活性化させられる。しかし、コークスを燃焼させることにより放出される熱のみでは、燃焼反応及び触媒の加熱を維持し、反応の熱的条件を満たすには不十分である。すなわち、原料を加熱し揮発させること、製造物を反応温度まで加熱すること、及び吸熱反応熱によって構成される工程のエネルギーの合計を満たすには不十分である。
【0040】
触媒にエネルギーを供給して、コークスの燃焼を維持するため、触媒を再活性化し加熱するため、及び分解反応のエネルギー需要を満たすために、灯油が燃焼装置(1)内部で燃焼させられる。
【0041】
灯油は、順調に、均一に、高度に効率的に燃焼させられ、流動床(14)内部及び燃焼(再燃焼)後の希薄相内にホットスポットが生じることを回避し、触媒の不活性化、並びに図2に示すようなサイクロン(15)及びサイクロンの内部ダクト又は脚部(ディップ脚部)(16)など、燃焼装置(1)内部の機器への損傷の危険性を最低限に抑える。
【0042】
同様に、図2の図によれば、燃焼装置(1)は、2つの個別の部分、すなわち下方部分(17)及び上方部分(18)を有する容器を備える。
【0043】
下方部分(17)は、空気及び燃焼生成物の通過によって生じる乱流状態下にある流動触媒床(14)を含む。
【0044】
空気(19)が、1つ又は複数のパイプグリッド空気分配器(21)によって流動触媒床(14)の下方部分(17)に供給される。空気は、パイプグリッド空気分配器(21)に供給される前に、加熱炉(20)を通過させることにより加熱される。この床(14)は、乱流流動化状態下で動作し、したがって燃焼装置(1)の下方部分(17)は、0.5m/秒から1.50m/秒、及び好ましくは0.7m/秒から1.30m/秒の範囲の気体の表面速度で動作するように設計される。
【0045】
燃焼装置(1)の流動床(14)の下方部分(17)は、4秒から10秒の間、及び好ましくは5秒から8秒の間の、燃焼中の気体の滞留時間を維持するための触媒インベントリを有する。
【0046】
燃焼装置の上方部分(18)内に、希薄相がある。そこでは、浄化工程によって流動床(14)から引き込まれた触媒と、灯油の燃焼行程によって生じる気体との混合物が、サイクロン(15)のシステムを提供し、触媒が回収され、ダクト又はディップ脚部(16)を通して戻される。これらのダクトは、高温気体又は燃焼気体(22)をエネルギー回復システムへと運ぶために、サイクロンの下方部分を流動床(14)に連結させる。
【0047】
燃焼装置(1)の流動床(14)上方の上方部分(18)は、下方部分(17)よりも大きい直径(23)を有する。その結果、サイクロン(15)によって引き込まれる全固形物が低減されるようになっている。上方部分は、0.6m/秒から1.10m/秒の間の表面速度範囲で動作するように設計される。
【0048】
流動触媒床(14)の内部で灯油を高効率で燃焼させるために、燃焼装置(1)の断面の被覆率を最大化しなければならない。
【0049】
最大被覆率は、灯油を小滴の霧で、ジェットが粒子の床を無理なく貫通するのに十分高速で噴霧することを考慮して、最高数の可能な供給点を用いて達成される。
【0050】
この条件は、灯油小滴の霧と乱流流動床内の加熱された触媒との間の有効な接触を得るため、及び、気体炭化水素と泡として分散される空気の燃焼反応により後続の小滴の急速な揮発を促進するために必要である。流動化の乱流に応じて、燃焼において放出されるエネルギーは、流動触媒床(14)内部で急速に消散する。
【0051】
燃焼装置(1)内で燃焼させられるべき灯油(24)は、熱交換器(25)を通り、その粘度を10cStから15cStの範囲に低減し、噴霧ノズル内での有効な霧化を保証する。
【0052】
図2に示すように、灯油(24)は、熱交換器(25)を通った後に、燃焼装置(1)の容器の下方部分(17)の周囲から水平に設置された複数のランス(26)を通って分配される。
【0053】
高温又はホットスポットを避けるためのランス(26)の1つの特徴は、低量の噴霧流体(27)を消費する高性能噴霧ノズルを有することである。
【0054】
灯油に対する噴霧流体の比率は、灯油(24)の重量の15%から30%の範囲で計算される。使用される噴霧流体(27)は、蒸気であるが、たとえば圧縮空気など別の流体を、正しい噴霧に悪影響を及ぼすことなく代わりに用いることができる。
【0055】
また、本方法では、除去装置(9)からの使用済み触媒は、灯油を供給するランス(26)より高いレベルに位置決めされた触媒分配器(28)を通じて、燃焼装置(1)の流動床(14)内へと供給される。触媒分配器(28)は、高温床内でのより低温の使用済み触媒の迅速な分散を促進するなどのために設計され、燃焼装置(1)の流動床(14)の内側に高密度且つ低温の領域が形成されることを防止する。
【0056】
図3は、燃焼装置の断面を示し、図4は、燃焼装置の様々なランス(26)の平面図を示す。
【0057】
図3に示す上面図に示すように、灯油(24)は、短いランス(29)、中間長さのランス(30)、及び長いランス(31)を含めた複数のランス(26)を通して供給される。この工程は、ランス(26)と誘導管(33)(ランスの物理的保護)との間の環状部分内に、パージ流体(32)を含む。
【0058】
図4は、燃焼装置(1)の底部の径方向部分内に高性能燃焼装置(1)の基部から異なる高さ(34)に配置された、短い(29)、中間長さの(30)、及び長い(31)ランス(26)を含む、燃焼装置(1)の流動床の下方部分の半断面図を示す。
【0059】
図1によれば、ライザ(2)の最上部にて、サイクロン(6)が反応製造物又は気体製造物(7)から触媒を分離する。ライザ(2)の端部にて気体/粒子状固体の高い比率をもたらす、この工程における分離容器(10)への触媒の損失を最小限に抑えるため、並びに、ライザ後の分離容器(10)の内側の2次分解反応を最低限に抑えるために、米国特許出願第20090142241A1号及び欧州特許出願第EP2065458A1号に記載されるサイクロン・システムが用いられる。
【0060】
触媒は、反応器全体を通して分解反応を促進するので、反応の副産物として触媒上に堆積するコークスによって不活性化される。
【0061】
反応器の後、不活性化された触媒は、まず、揮発性の炭化水素、すなわち触媒によって引き込まれた製造物を分離する蒸気の注入により除去される。
【0062】
次に、触媒の表面上に堆積されたコークスが、燃焼装置(1)内で燃焼させられ、それにより再生された触媒を生み出し、高温で反応器の基部に戻り、反応器(2)内に配置された新しい原料との接触により工程反応の新しいサイクルを開始する。
【0063】
この工程条件の組み合わせにより、反応部分における高いエネルギー需要が生み出されるとともに、非常に少量のコークスが触媒上に生成される。その結果、触媒の活性を回復するために燃焼装置(1)内で燃焼させられるコークスは、転換装置によって必要とされる全エネルギーの5%から20%しか供給せず、結果的に、熱平衡を保証するために追加のエネルギーを継続的に供給する必要がある。
【0064】
より具体的には、本発明は、床(14)内部のホットスポットの形成、及び燃焼装置(1)の上方部分(18)の希薄相内の再燃焼反応を最低限に抑えるなどするために、燃焼装置(1)の乱流流動床(14)内部で灯油を完全に燃焼させることができる燃焼装置に関する。
【0065】
最初に、特許出願第PI0704443−7号に記載されるような、特に高含有量の粒子のために開発された高性能のサイクロン・システムをライザの端部にて用いるため、製造物の回収及び分別部分に供給する気体製造物(7)から触媒微粒子を回収する必要がない。結果的に、本発明による燃焼装置(1)内に配置されたランスを通した灯油の供給は、反応器(1)の出力部における気体のシステムの動作、及び分離容器(10)又は除去装置(9)の底部の動作と完全に別個であるので、非常に単純であるという利点を有する。
【0066】
さらに、図1に示す石油化学FCC転換装置は、隣り合わせの構成を有する。すなわち分離容器(10)が、除去装置(9)及び燃焼装置(1)と、異なる高さで隣り合う。この構成では、再生された触媒(12b)及び使用済み触媒(12a)のスタンド・パイプは、傾斜させられ、燃焼装置(1)の容器の外側にある。
【0067】
スライド・バルブ(13a及び13b)である流量制御弁もまた、燃焼装置(1)の外側にある。このタイプの構成は、いくつかの機器を燃焼装置(1)の内側からなくし、石油と触媒の分散工程における障害をなくすという利点を有する。
【0068】
石油化学FCC内など、大きい容器内の乱流流動床(14)のための流れパターンは、以下の特徴を有する。すなわち、パイプグリッド空気分配器(21)によって発生される全ての泡が高速で上昇し、それらの周りに高密度の乳濁液の同伴を生じ、高い上昇速度及び低密度を特徴とする容器のより中心領域(コア)を形成する。
【0069】
泡は、床(14)の最上部において乳濁液から分離され、より一層密度の高い乳濁液が、主に壁部に近い領域を通って床(14)の最上部から下方部分(17)へと再循環し、下降する環状領域(環帯)を生み出し、これが床の底部の気体分配装置(パイプグリッド)(21)の付近に戻る。したがって、この流れパターンは、流動床(14)内部に2つの異なる領域、すなわち上昇する乱流流動領域又はコア、及び下降する高密度の環状領域又は環帯を形成する。実験研究及びシミュレーションは、コアの上昇領域と環帯内の下降領域を区切る半径が、容器の半径のおよそ0.65倍であり、研究されるより大きい直径に関しては、その直径と無関係であるように見えることを示している。
【0070】
流動化工程の別の重要な特徴は、分散能力、すなわち、触媒床の任意の点から単位時間あたり単位面積に分散相を拡散させる能力である。
【0071】
分散は、流動化の程度と比例し、すなわち、気体の表面速度がより大きい領域内ではより大きく、逆に、表面速度がより小さい領域では高密度である。
【0072】
6mから10mの間の大きい流動床についての研究は、約1.0m/秒の速度では、(床のコラムの中心線に対して)軸方向の分散が、横方向又は径方向の分散の約10倍大きいということを示している。したがって、空気分配器又はパイプグリッド(21)のレベルで供給されるいかなる混合物も、軸方向で床(14)の最上部へと容易に移動させられ、径方向で燃焼装置(1)の容器の断面に沿ってより低速で移動させられる。
【0073】
燃焼装置(1)の内部で燃焼させられる灯油(24)は、容器の周囲から水平に設置され流動触媒床(14)の下方部分(17)内に配置される複数のランス(26)を通して供給される。より具体的には、ランス(26)は、泡の合体と流動床(14)内の燃焼との間の平衡点より上のレベルに設置される。ここで、工業規模のユニットにおける容器の場合、図1及び図4に示すようにパイプグリッド(21)の0.50m上方のレベルにて生じる。
【0074】
図3及び図4に示すように、高性能の噴霧ノズルは、それぞれのランス(26)の先端にて挿入され、ランス(26)は、燃焼装置(1)の断面に沿って噴霧される灯油(24)の完全な分配を促進するために、様々な長さである。
【0075】
ランス(26)は、少なくとも2つの同心円管、すなわち灯油(24)の分離供給用の内側管、及び灯油(24)の噴霧流体用の外側管(27)の組で製作され、ランス(26)の噴霧ノズルの様々な部分を供給する。
【0076】
表1は、3つの異なる領域、又は、灯油(24)を燃焼装置(1)内に分配するための複数のランス/ノズルのための分配を仮定した、ランス構成の実例を提示する。
【0077】
ランス/噴霧ノズルの総数は、燃焼装置(1)の断面積、供給される灯油(24)の特徴、及び石油噴霧器のタイプによって決まる。
【0078】
【表1】

【0079】
表1の実例は、燃焼装置(1)の断面1.88mにつき1つのランス/ノズル・ユニットを仮定する。ランス(26)の数が多いため、1つのレベルにつきランス/噴霧ノズルの半分を用いる、2つのレベル上の分配が採用された。工程条件に応じて、このパラメータは、最少で1.0m毎に1つのランス/ノズルから、最大で燃焼装置(1)の断面5.0m毎に1つのランス/ノズルまでの間で変えることができる。
【0080】
本方法の別の特徴は、パイプグリッド空気分配器(21)より上のレベルで、灯油(24)が乱流流動床(14)の内部に小滴の霧の形で供給され、そこで乱流の流動化工程が完全に確立されることである。より具体的には、噴霧ノズルは、灯油(24)を30μmから100μmの間の小滴で噴霧することができ、噴霧流体と小滴のジェットは、流動床と接触するノズルの絶対的な先端における泡の断面を考慮すると、30m/秒から60m/秒の間の速度で噴霧ノズルから吐出される。
【0081】
知られているように、流動床内の液体の急速な揮発は、主に30m/秒から60m/秒の間のジェット又は泡注入速度に関連する場合、小滴のサイズに関係する。こうした条件下で、熱交換工程が延長され、液滴を揮発させ燃焼反応を開始するために必要な時間が短縮される。
【0082】
灯油(24)は、一連の反応段階において燃焼させられる。第1の段階は、最も急速であり、炭化水素が、一連の元素酸化反応を通じて水及び一酸化炭素(CO)に転換され、その後、COからCOへの酸化を含むより低速の段階により、炭化水素濃度が低下する。
【0083】
本方法では、燃焼装置(1)は、700℃から750℃の間の温度範囲で動作し、流動床(14)内部で炭化水素及びコークスを水及びCOへと完全に酸化するのに十分な触媒インベントリを有し、床(14)内部の気体の滞留時間が、5秒より長くなることを保証する。
【0084】
流動床の極度の乱流に伴う、燃焼装置(1)の通気領域(上昇コア)内の高速液滴の微細霧によってもたらされる、燃焼装置の断面に沿った好ましい石油の供給及び分配条件により、広範な分散及び液滴と媒質との間の熱交換が達成され、灯油(24)の炭化水素蒸気が上昇気泡と接触するときに、炭化水素蒸気の急速な揮発及び急速な燃焼を促進する。
【0085】
本方法では、燃焼装置(1)内で燃焼させられるべき灯油(24)は、複数のランス(26)に供給される前に熱交換器(25)を通過することによって加熱され、ランス内部の灯油(24)の粘度を、高い噴霧効率を保証するなどのために、5cStから30cSt、好ましくは10cStから15cStの間に維持する。
【0086】
ランス(26)は、物理的保護誘導管(33)の内部に配置され、洗浄又はパージ流体(32)が、ランス(26)の外側本体と誘導管(33)との間に形成された環状領域内に供給される。
【0087】
ランス(26)の噴霧ノズルは、蒸気又は空気など、様々な流体を用いて動作することができる。たとえば、用いられる流体が蒸気である場合、灯油に対する蒸気の比率は、0.02質量/質量から0.50質量/質量の間、好ましくは、0.05質量/質量から0.30質量/質量の間である。
【0088】
灯油(24)及びコークスを燃焼させるために用いられる空気は、燃料ガスを用いる直接燃焼炉によって加熱される。直接燃焼炉は、燃焼装置(1)の空気分配器に供給する前に、ブロワ出力温度から、400℃から700℃の間、好ましくは550℃から650℃の間の温度まで空気を加熱する。
【0089】
さらに、本工程では、燃焼反応のために燃焼装置に供給される空気の量は、完全燃焼の理論混合比を満たすために必要とされるよりも多く、すなわち、燃焼装置に供給される全ての炭化水と材料(コークス及び石油)が、流動床内部で水と二酸化炭素に転換される。燃焼行程の理論混合比を満たすために必要とされるより多い空気供給量を設定する1つの方法は、「燃焼気体中の過剰酸素」パラメータを用いることである。したがって、エネルギー回復システムのための燃焼装置(1)の上方部分(18)を離れる燃焼気体(22)は、無水ベースで計算して1%から5.0%モルの過剰酸素含有量を有する。
【0090】
本工程は、ユニットが動作している間にランスを取り外す手段を提供し、噴霧ノズルを故障又は性能低下の際に交換することを可能にする。
【0091】
燃焼装置(1)において用いられる灯油(24)は、(10ppm未満の)窒素及び硫黄、並びに金属1ppm未満の金属(ソジウム、ニッケル、バナジウム、鉄)など、不純物の含有量が少なく、汚染気体の排出、及び触媒の選択性及び活性の損失をもたらす金属による触媒原料の汚染を最小限に抑える。
【0092】
流動床(14)への灯油(24)の供給を促進するための形態及び手段は、流動混合物床の乱流分散及び流れパターンの特徴とともに1組の工程条件を形成し、この工程条件は、燃焼装置の下方断面内に適当に構成された様々な長さのランス(26)による、石油小滴の霧の均一な分配をもたらし、この均一な分配は、石油の液滴と高温の触媒との間の効率的な接触を保証するのに十分速いジェット速度を有する高性能噴霧器によって促進され、液滴の急速な揮発を可能にし、その結果、泡内に分散された空気を有する気相内の炭化水素の燃焼反応の迅速な開始を可能にし、酸化反応の段階を保証するための適当な触媒原料は、それにより流動床(14)内部の灯油(24)の完全燃焼を可能にし、希薄相内に形成するホットスポット及び希薄相内で生じる再燃焼の危険性を最低限に抑える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの個別の部分、具体的には下方部分(17)及び上方部分(18)を有する容器を含む高性能燃焼装置において、前記下方部分(17)が、乱流流動触媒床(14)を備え、前記乱流流動触媒床(14)内で、油及び使用済み触媒のコークスが燃焼させられ、流動化及び燃焼空気(19)が、1つ又は複数のパイプグリッド分配器(21)を通して前記流動床(14)の前記下方部分(17)に供給され、灯油(24)が、前記パイプグリッド分配器(21)上方の前記流動床(14)の前記下方部分(17)の内部に配置された前記ランス(26)の先端に設置された複数の噴霧ノズルを通して供給され、前記使用済み触媒が、傾斜した管又は使用済み触媒スタンド・パイプ(12a)を通して供給され、前記加熱され再生された触媒が、前記流動床(14)の前記下方部分(17)内に配置された再生触媒スタンド・パイプ(12b)を通して前記流動床(14)から除去されることを特徴とする高性能燃焼装置。
【請求項2】
前記燃焼装置(1)の前記流動床(14)の前記下方部分(17)が、前記上方部分(18)より小さい直径(23)を有し、0.5m/秒から1.50m/秒、好ましくは、0.7m/秒から1.30m/秒の間の表面速度範囲に設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項3】
高温の前記灯油(24)が、前記燃焼装置(1)の前記容器の前記下方部分(17)の周囲から水平に設置された複数のランス(26)を通して分配され、ランス/ノズルの最小比率が、前記燃焼装置(1)の前記容器の断面積1.0m毎に1つであり、ランス/ノズルの最大比率が5.0m毎に1つであることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項4】
高性能噴霧ノズルが、それぞれのランス(26)の先端に設置され、前記ランス(26)が、前記燃焼装置(1)の前記断面に沿って噴霧される前記灯油(24)の完全な分配を促進するために様々な長さであることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項5】
前記燃焼装置(1)が、前記燃焼装置(1)の底部の径方向部分において、前記高性能燃焼装置(1)の底部から異なる高さの2つのレベル(34)に配置された、短い(29)、中間長さの(30)、及び長い(31)ランス(26)を有することを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項6】
前記ランス(26)が、灯油(24)及び噴霧流体(27)を分離供給する少なくとも2つの同心円管の組を含み、前記ランス(26)の前記噴霧ノズルの様々な部分を供給することを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項7】
前記ランス(26)が、物理的保護誘導管(33)の内部に配置され、洗浄又はパージ流体(32)が、前記ランス(26)の外部本体と前記誘導管(33)との間に形成される前記環状領域内へ供給されることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項8】
前記燃焼装置(1)の前記流動床(14)の前記下方部分(17)が、4秒から10秒の間、好ましくは5秒から8秒の間の、燃焼中の気体の滞留時間を維持するための触媒インベントリを有することを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項9】
前記灯油(24)の前記炭素、及び前記使用済み触媒からの前記コークスの前記炭素の大部分が、前記燃焼装置(1)の前記下方部分(17)内の前記流動床(14)内部で、700℃から750℃の間の温度で二酸化炭素へと完全に燃焼されることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項10】
前記燃焼装置(1)の前記ランス(26)の前記噴霧ノズルが、前記灯油(24)の重量の15%から30%の間の比率の噴霧流体(27)を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項11】
前記燃焼装置(1)の前記ランス(26)の前記噴霧ノズルが、30m/秒から60m/秒の間の速度の噴霧流体のジェットを生み出すことを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項12】
前記燃焼装置(1)の前記ランス(26)の前記噴霧ノズルが、前記噴霧流体(27)として蒸気を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項13】
前記燃焼装置(1)の前記ランス(26)の前記噴霧ノズルが、灯油に対して0.02質量/質量から0.05質量/質量の間、好ましくは0.05質量/質量から0.30質量/質量の間の比率の蒸気を有する、前記灯油(24)のための噴霧流体(27)を用いることを特徴とする、請求項12に記載の高性能燃焼装置。
【請求項14】
前記燃焼装置(1)内で用いられるべき前記灯油(24)が、10ppm未満の窒素及び硫黄含有量、及び1ppm未満の金属含有量(ソジウム、ニッケル、バナジウム、鉄)を有することを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項15】
前記燃焼装置(1)の前記ランス(26)の前記噴霧ノズルが、30μmから100μmの間の液滴の灯油(24)を噴霧することができることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項16】
前記エネルギー回復システムのための前記燃焼装置(1)の前記上方部分(18)を離れる前記燃焼気体(22)が、無水ベースで算出された1%から5.0%モルの間の過剰酸素含有量を有することを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項17】
前記空気(19)が、前記燃焼装置(1)の前記パイプグリッド分配器(21)に供給される前に、空気炉(20)を用いて400℃から700℃の間、好ましくは550℃から650℃の間の温度まで加熱されることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項18】
前記燃焼装置(1)の前記上方部分(18)が、前記触媒を回復し、前記サイクロンの前記脚部又はディップ脚部(16)及び出口ダクトを通して前記流動床(14)へと戻して、前記燃焼ガス(22)をエネルギー回復システムへと移動させる、サイクロン(15)のシステムを備えることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項19】
前記灯油(24)が、前記複数のランス(26)を通して供給される前に、前記ランス内部の前記灯油(24)の粘度を5cStから30cSt、好ましくは10cStから15cStの間に維持しながら、熱交換器(25)を用いて加熱されることを特徴とする、請求項1に記載の高性能燃焼装置。
【請求項20】
行われる前記工程のための全ての設備が隣り合わせの構成であり、より下方の除去装置(9)に結合される前記分離容器(10)及び前記燃焼装置(1)が、異なる高さで隣り合い、この構成において、前記再生触媒(12b)及び使用済み触媒(12a)のスタンド・パイプが傾斜させられ、前記燃焼装置(1)の前記容器の外側にあることを特徴とする、接触分解方法。
【請求項21】
前記触媒が、高性能燃焼装置(1)の内部で再生されることを特徴とする、請求項20に記載の接触分解方法。
【請求項22】
前記除去装置(9)からの前記使用済み触媒が、前記灯油(24)を供給する前記ランス(26)より高いレベルに位置決めされた触媒分配器(28)を通して前記燃焼装置(1)の前記流動触媒床(14)内に供給されることを特徴とする、請求項20に記載の接触分解方法。
【請求項23】
固体粒子の形の希土類元素と潜在的に交換される、Y型ゼオライトと混合されるペンタシル・ゼオライトを主に含む前記触媒上で反応が生じることを特徴とする、請求項20に記載の接触分解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−515788(P2013−515788A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545027(P2012−545027)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/BR2010/000297
【国際公開番号】WO2011/079355
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(591005349)ペトロレオ ブラジレイロ ソシエダ アノニマ − ペトロブラス (25)
【Fターム(参考)】