説明

軽量化ミラー

【課題】軽量化ミラー100の剛性を高めるには本体プレート200の厚み方向に本体リブ壁204の高さを高くし、かつ、個片プレートで補強する必要がある。しかし、本体リブ壁204の高さを高くすると、製造が困難となる。また個片プレートのコストも加わることとなる。
【解決手段】一方に鏡面205が形成され、他方に本体リブ壁204が形成された本体プレート200と、少なくとも一方に底板309とリブ壁308とが形成されたバックプレート300とを接合して軽量化ミラー100を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、軽量化を施した光学ミラー(以下、軽量化ミラーとも称する)に関する。
【背景技術】
【0002】
軽量化ミラーは、凹穴が設けられた本体プレート(以下、ミラー構成体、コアとも称する)を用いたものが知られている。この軽量化ミラーは、本体プレート(コア)の凹穴の開口部それぞれに個片プレートを接合し、個片プレートにより補強されて構成される。本体プレート(コア)に形成された凹穴の周囲は、個片プレートの取り付け面から立設したリブ壁によって囲まれたリブ構造をなしている。また、個片プレートの材料は、本体プレート(ミラー構成体)を構成するガラス材料と同一または同等の線膨張係数を有する材料としている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、製造面の課題(例えば、リブ壁の機械加工性)が有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−182018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、例えば、光学ミラーを大型化かつ軽量化する際に、製造が容易で、かつ、所要の強度及び剛性を確保する構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る軽量化ミラーは、
鏡が形成された一方の面である表面と、他方の面である裏面とを有する板状の本体プレートと、
前記本体プレートの前記裏面と接合する接合面と、他方の面である接合裏面とを有する板状のバックプレートと
を備え、
前記バックプレートは、
前記接合面を介して前記本体プレートの裏面に接合することで、前記本体プレートに対して積層する状態を成し、
前記接合面と前記接合裏面との少なくともいずれかに複数の開口部が形成され、
前記複数の開口部のそれぞれから、前記開口部が形成された面に対し、略直角の側面を有する前記積層の方向に凹んだ、底板を有する凹穴が形成され、
2つの前記凹穴から成り、互いの側面から成る共通の壁であるリブ壁で隔てられた互いに隣接する前記2つの凹穴から成る凹穴隣接ペアが複数形成され、
前記リブ壁から成るリブ形状部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明に係る軽量化ミラーは、例えば、光学ミラーを大型化かつ軽量化する際に、製造が容易で、かつ、所要の強度及び剛性を確保する構造を得ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1を示す図で、軽量化ミラー100の鏡面205を示す平面図。
【図2】実施の形態1を示す図で、軽量化ミラー100を示す断面斜視図。
【図3】実施の形態1を示す図で、本体プレート200とバックプレート300との接合前の軽量化ミラー100を示す断面斜視図。
【図4】実施の形態1を示す図で、軽量化ミラー100を示す断面図。
【図5】実施の形態1を示す図で、従来の軽量化ミラー100の例を示す断面斜視図。
【図6】実施の形態2を示す図で、軽量化ミラー100を示す断面斜視図。
【図7】実施の形態2を示す図で、軽量化ミラー100を示す断面図。
【図8】実施の形態3を示す図で、支持器が取り付けられた軽量化ミラー100の例を示す断面図。
【図9】実施の形態3を示す図で、支持部を有する軽量化ミラー100の例を示す断面斜視図。
【図10】実施の形態4を示す図で、荷重パスを分散させる軽量化ミラー100の例を示す断面図。
【図11】実施の形態4を示す図で、荷重パスを分散させる軽量化ミラー100の例を示す斜視図。
【図12】実施の形態4を示す図で、荷重パスを分散させる軽量化ミラー100の他の例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図5を用いて説明する。
【0009】
図1は、軽量化ミラー100の鏡面205を示す平面図である。
軽量化ミラー100は、本体プレート200の一方の面である表面206に鏡面205が形成されている。以降表面206を鏡面205と言い換えて説明する。
本体プレート200は、板状の部材である。本体プレート200は、熱変形の抑制された低膨張ガラスセラミックスを主成分とする、例えば、円形プレート素材から成る。ただし、本体プレート200の形状は円形に限定されるものでは無い。
鏡面205は、本体プレート200に鏡面研削または研磨加工を施すことによって、所望の鏡面精度が得られるように形成される。
【0010】
また、軽量化ミラー100は、中央に貫通穴203を有する。この貫通穴203は、例えば、軽量化ミラー100が凹レンズであり、他の凸レンズと組み合わせて望遠鏡を形成した場合などの光路となる。この貫通穴203は、実施の形態1〜4において、実施の形態がもたらす効果とは無関係である。従って、貫通穴203は、有っても無くても良い。
【0011】
図2は、軽量化ミラー100を示す断面斜視図である。
図2を含め、以降、実施の形態1〜4の説明に用いる断面図および断面斜視図は、図1のA−A断面を示すものである。
図3は、本体プレート200とバックプレート300との接合前の軽量化ミラー100を示す断面斜視図である。
図4は、軽量化ミラー100を示す断面図である。
【0012】
また、図2に示すように、リブ壁308(後述する)もしくは本体リブ壁204(後述する)同士が集結する集結部700(後述する)は、軽量化の為に円筒状の中空部500となっている。しかし、この中空部500は、実施の形態1〜4において、実施の形態がもたらす効果とは無関係である。従って、中空部500は、有っても無くても良い。また、以降、実施の形態1〜4の説明に用いる断面図は、この中空部500を省略して図示している。
【0013】
軽量化ミラー100は、図3に示すような本体プレート200と、バックプレート300とが接合される。そして、図2のようにバックプレート300は、本体プレート200に積層する状態となる。
【0014】
なお、バックプレート300も、本体プレート200と同様に貫通穴303を有する。しかし、この貫通穴303も、実施の形態1〜4において、実施の形態がもたらす効果とは無関係である。従って、貫通穴303は、有っても無くても良い。
なお、本体プレート200の貫通穴203が存在する場合は、図2のように本体プレート200は、貫通穴203を形成する本体内周壁540を有する。本体内周壁540は、図3に示す2つの黒枠を断面とし、貫通穴203を1周する略円筒状である。ただし、本体内周壁540の形状は略円筒状に限られない。
そして、バックプレート300に貫通穴303が存在する場合は、バックプレート300は、貫通穴303を形成する内周壁530を有する。内周壁530は、図3に示す2つの黒枠を断面とし、貫通穴303を1周する略円筒状である。ただし、内周壁530の形状は略円筒状に限られない。
【0015】
図3に示すように、バックプレート300も、板状の部材である。バックプレート300も、本体プレート200と同様に、熱変形の抑制された低膨張ガラスセラミックスを主成分とする、例えば円形プレート素材から成る。ただし、バックプレート300の形状は円形に限定されるものでは無い。
バックプレート300は、無機接着剤による接着やガラス融着によって本体プレート200に接合される。このとき、接合強度を上げるため、本体プレート200とバックプレート300との接着面400(図2、図4)は、接合方法に応じた平面度、面粗度に加工されることが好ましい。
【0016】
ここで、本体プレート200とバックプレート300との接着面400(図2、図4)は、本体プレート200の鏡面205とは他方の面である裏面250(図3)と、バックプレート300の接合面350(図3)とから成る。なお、バックプレート300の接合面350とは他方の面を、接合裏面355と称する。更に、本体プレート200の外周を成す側面を本体側面610、バックプレート300の外周を成す側面をバックプレート側面620と称する。バックプレート側面620は、接合面350と接合裏面355とから成る板状のバックプレート300の厚さ方向の側面とも言える。
【0017】
本体プレート200の裏面250(図3)は、本体リブ壁204と本体外周壁510とで形成される格子状の面を示す。ここで、図3に示す点線の丸部分が一つの本体リブ壁204を示す。また、本体外周壁510は、図3に示す2つの黒枠を断面とし、本体プレート200の外周を1周する略円筒状である。ただし、本体外周壁510の形状は略円筒状に限られない。
バックプレート300の接合面350(図3)と接合裏面355とは、リブ壁308と外周壁520とで形成される格子状の面を示す。ここで、図3に示す2つの点線の丸部分それぞれが、それぞれ一つずつのリブ壁308aとリブ壁308bとを示す。また、外周壁520は、図3に示す2つの黒枠を断面とし、本体プレート200の外周を1周する略円筒状である。ただし、外周壁520の形状は略円筒状に限られない。
更に、本体側面610は、本体外周壁510の壁面から成り、バックプレート側面620は、外周壁520の壁面から成る。
【0018】
本体プレート200の裏面250(図3)と、バックプレート300の接合面350(図3)と接合裏面355とには、複数の略正三角形の開口部が形成されている。
【0019】
そして、複数の開口部のそれぞれから、開口部が形成された面(本体プレート200の裏面250、バックプレート300の接合面350と接合裏面355)に対し、略直角の側面を有する凹穴(後述の本体凹穴210、第1凹穴310、第2凹穴311)が形成されている。この凹穴により、本体プレート200とバックプレート300の質量が減らされ、軽量化されている。
この凹穴は、バックプレート300が本体プレート200に対して積層する方向に凹んだ、底板309を有する凹穴である。バックプレート300が本体プレート200に対して積層する方向とは、裏面250、接合面、接合裏面355のそれぞれに対して略直角の方向であるとも言える。
【0020】
すなわち、図3,図4に示すように、本体プレート200の裏面250には、複数の本体開口部260(図3、図4)が形成され、複数の本体開口部260のそれぞれから、裏面250に対し、略直角の側面を有する裏面250から鏡面205(表面206)に凹んだ本体凹穴210が形成される。
【0021】
そして、バックプレート300の接合面350(図3)と接合裏面355とには、複数の開口部360が形成される。更に、接合面350(図3)の複数の開口部360a(図3)から第1凹穴310がそれぞれ形成され、接合裏面355の複数の開口部360b(図3)から第2凹穴311がそれぞれ形成される。
【0022】
バックプレート300の第1凹穴310と第2凹穴311とは、接合面350(図3)と接合裏面355とをバックプレート300が本体プレート200に対して積層する方向の一方の方向から透過して見た場合、それぞれの開口部360a(図3、図4)と開口部360b(図3、図4)とは略同じ位置に形成される。ここで、接合面350(図3)と接合裏面355とをバックプレート300が本体プレート200に対して積層する方向の一方の方向から透過して見た場合とは、すなわち、例えば、図2に示すように矢印Xの方向から透過して見た場合である。
そして、略同じ位置に形成された開口部360a(図3、図4)と開口部360b(図3、図4)のそれぞれから形成される第1凹穴310と第2凹穴311とは一対の凹穴ペアを構成する。
第1凹穴310と第2凹穴311との凹穴ペアは、互いの底面を両面とする底板309を有する。図4の黒枠で囲った部分が、一つの底板309である。
【0023】
そして、図4に示すように複数の底板309からなる板状を底板プレート710と称する。(図が分かりづらくなる為、図4の「I」部分のみ底板プレート710を図示するが、図4の「II」部分についても同様である。)
底板プレート710は、図3に示す2つの黒枠を断面とし、一枚の略円板状である。ただし、底板プレート710の形状は略円板状に限られない。
【0024】
また、鏡面205が形成された部分を鏡面プレート720と称する。鏡面プレート720は、図3に示す2つの黒枠を断面とし、一枚の略円板状である。ただし、鏡面プレート720の形状は略円板状に限られない。
【0025】
本体プレート200は、本体プレート200の本体側面610を成す本体外周壁510を有する。本体外周壁510は、本体プレート200の外周に位置する本体凹穴210の側壁であるとも言える。
バックプレート300は、バックプレート300のバックプレート側面620を成す外周壁520を有する。外周壁520は、バックプレート300の外周に位置する第1凹穴310と第2凹穴311との側壁であるとも言える。
【0026】
本体プレート200は、互いに隣接する本体開口部260のそれぞれから形成される互いに隣接する本体凹穴210である本体凹穴隣接ペア(例えば図3に示す本体凹穴210aと本体凹穴210b)を隔てる壁であり、本体凹穴隣接ペア(例えば図3に示す本体凹穴210aと本体凹穴210b)のそれぞれの側面を壁面とする本体リブ壁204を有する。
そして、本体プレート200は、複数の本体リブ壁204から成る本体リブ形状部214(図4)を有する。
【0027】
バックプレート300は、2つの凹穴から成り、互いの側面から成る共通の壁であるリブ壁308で隔てられた互いに隣接する2つの凹穴から成る凹穴隣接ペア(詳細は後述する)が複数形成される。
そして、バックプレート300は、複数のリブ壁308から成るリブ形状部(第1リブ形状部315aと第2リブ形状部315b)を有する。
【0028】
実施の形態1においては、バックプレート300は、互いに隣接する第1凹穴310の開口部から形成される凹穴隣接ペア(例えば図3に示す第1凹穴310aと第1凹穴310b)のそれぞれの側面を壁面とし、第1凹穴310の底面から接合面350までの高さを有するリブ壁308aを有する。図4の黒枠で囲った部分が、一つのリブ壁308aである。
また、バックプレート300は、互いに隣接する第2凹穴311の開口部から形成される凹穴隣接ペア(例えば図3に示す第2凹穴311aと第2凹穴311b)のそれぞれの側面を壁面とし、第2凹穴311の底面から接合裏面355までの高さを有するリブ壁308bを有する。図4の黒枠で囲った部分が、一つのリブ壁308bである。
そして、リブ形状部315は、複数のリブ壁308aから成る第1リブ形状部315aと複数のリブ壁308bから成る第2リブ形状部315bとを有する。
【0029】
そして、本体プレート200と、本体プレート200に接合されたバックプレート300とを接合の方向の一方の方向から透過して見た場合に本体リブ壁204とリブ壁308とは略同じ位置となる。言い換えれば、本体プレート200と、本体プレート200に接合されたバックプレート300とを接合の方向の一方の方向から透過して見た場合に本体開口部260と開口部360とは略同じ位置となる。
【0030】
バックプレート300は、特定の複数のリブ壁308が、リブ壁308の高さ方向に対してそれぞれ直角方向に延長する方向で互いに集結する集結部700aを有する。
本体プレート200は、特定の複数の本体リブ壁204が、本体リブ壁204の高さ方向に対してそれぞれ直角方向に延長する方向で互いに集結する集結部700bを有する。
図2の例では、集結部700aにおいて、第2リブ形状部315bの6本のリブ壁308bが、高さ方向(第2凹穴311の底面から接合裏面355に向かう方向)に対して直角方向(リブ壁308の長さ方向)で互いに集結している。
集結部700(集結部700a及び集結部700b)は、例えば図2に示すように円柱状である。ただし、集結部700の形状は円柱に限定されない。また、集結部700は、前述の中空部500を有することも可能である。(集結部700aは、中空部500aを有することが可能であり、集結部700bは、中空部500bを有することが可能である。)
【0031】
本体リブ形状部214は、略正三角形の本体開口部260から筒型形状を成して本体凹穴210を形成しており、本体リブ壁204が裏面250に格子形状を成すように配列されているとも言える。
ここで、本体リブ形状部214は、本体プレート200から鏡面プレート720と、本体外周壁510と、本体内周壁540とを除いた部分である。言い換えれば、本体リブ形状部214は、本体リブ壁204と集結部700から構成される部分である。
【0032】
また、リブ形状部315(第1リブ形状部315aと第2リブ形状部315b)は、略正三角形の開口部360から筒型形状を成して凹穴(第1凹穴310と第2凹穴311)を形成しており、リブ壁308が接合面350と接合裏面355とに格子形状を成すように配列されているとも言える。
ここで、リブ形状部315は、バックプレート300から底板プレート710と、外周壁520と、内周壁530とを除いた部分である。言い換えれば、リブ形状部315は、リブ壁308と集結部700から構成される部分である。
そして、図4に示すように、第1リブ形状部315aは、リブ形状部315の内、接合面350側に位置し、第2リブ形状部315bは、リブ形状部315の内、接合裏面355側に位置する。
【0033】
このように、本体リブ壁204及びリブ壁308は、略正三角の筒状形状に配列されることで、トラス構造を成し、本体プレート200とバックプレート300との曲げに対する剛性を高くしている。
よって、本体プレート200とバックプレート300剛性を高くする為に、本体開口部260と開口部360とは、略正三角形であることが好ましいが、略正三角形の形状に限定されるものでは無い。例えばハニカム構造のように本体開口部260と開口部360とは、略正六角形であっても良い。
【0034】
本体リブ壁204は、本体プレート200の素材である一つの円筒プレートを切削加工及び研削加工を施すことで形成される。同様に、リブ壁308は、バックプレート300の素材である一つの円筒プレートを切削加工及び研削加工を施すことで形成される。
【0035】
図5は、従来の軽量化ミラー100の例を示す断面斜視図である。
ここで、バックプレート300が無い場合の軽量化ミラー100を考える。
【0036】
光学ミラーを反射鏡に用いる場合、解像度を向上させるために光学ミラーの鏡面205の口径を大きくすると、それに伴う自重変形が大きくなり、結果的に鏡面精度が劣化する。
従来の軽量化ミラー100は、本体プレート200の一方の面に鏡面205が形成され、他方の面は本体リブ形状部214となっている。
本体プレート200の剛性を高めるには本体プレート200の厚み方向に本体リブ壁204の高さを高くし、例えば特許文献1のような個片プレート550をそれぞれの本体開口部260に接合し、本体リブ壁204を補強する。一方、本体プレート200の軽量化を高めるには本体リブ壁204の厚さを薄くする必要がある。
【0037】
しかしながら、本体プレート200の剛性を高める為に本体リブ壁204の高さを高くすると、本体リブ壁204を切削加工する際の加工砥石の突き出し量が長くなり、製造が困難となる。そして、個片プレート550の製造コスト及び、個片プレート550を本体開口部260に接合する場合の加工コストが加わることになる。
また、本体リブ壁204の厚さを薄くすると軽量化は向上するが、その反面、破損リスクは高くなる。
【0038】
一方、実施の形態1に係る軽量化ミラー100は、鏡面205の口径を大きくする際に、本体リブ壁204及びリブ壁308を高くかつ薄くしても、バックプレート300の底板309が、個片プレート550の役割を果たす為に、所望の剛性を確保することができる。すなわち、実施の形態1に係る軽量化ミラー100は、個片プレート550を削減することが可能である。
【0039】
また、軽量化ミラー高さ113は、本体リブ形状部214及び第1リブ形状部315a及び第2リブ形状部315bの高さに分配される。そこで、軽量化ミラー高さ113(図4)を高くする際にも、本体リブ壁204及びリブ壁308を切削加工する際の加工砥石の突き出し量が長くならないため、製造が容易になる。すなわち、軽量化ミラー100の軽量化加工時の製造が従来に比べ容易になる。
【0040】
このように、実施の形態1による光学ミラーは、これによって、コア及びバックプレートの剛性が高くなるので、光学ミラーの剛性をより向上させることができる。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2について、図6〜図7を用いて説明する。
【0042】
図6は、軽量化ミラー100を示す断面斜視図である。
図7は、軽量化ミラー100を示す断面図である。
【0043】
実施の形態2の軽量化ミラー100は、実施の形態1と比べ、底板309の位置が異なっている。
その他は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0044】
図6と図7に示すように、実施の形態2の複数の第1凹穴310の開口部360a(図7)と、複数の第2凹穴311の開口部360b(図7)とは、接合面350と接合裏面355とをバックプレート300が本体プレート200に対して積層する方向の一方の方向から透過して見た場合に、互いに重複部分が生じない異なる位置に形成される。
【0045】
複数の第1凹穴310のそれぞれの底板309aは、複数の第1凹穴310のそれぞれの底面と、それぞれの第1凹穴310の底面を接合裏面355上に投影した場合の投影部分に対応する接合裏面355の一部とを両面とする。図7の黒枠で囲った部分が、一つの底板309aである。
そして、複数の第2凹穴311のそれぞれの底板309bは、複数の第2凹穴311のそれぞれの底面と、それぞれの第2凹穴311の底面を接合面350上に投影した場合の投影部分に対応する接合面350の一部とを両面とする。図7の黒枠で囲った部分が、一つの底板309bである。
また、図6に示した底板309bの点線部分「Y」が、第1凹穴310の底面を接合裏面355上に投影した場合の投影部分に対応する接合裏面355の一部である。第2凹穴311の底面を接合面350上に投影した場合の投影部分に対応する接合面350の一部については図示を省略するが、接合面350側に図6に示した点線部分「Y」と同様な形状となる。
【0046】
また、複数の第1凹穴310のそれぞれの開口部360a(図7)は、接合面350(図7)と接合裏面355とをバックプレート300が本体プレート200に対して積層する方向の一方の方向から透過して見た場合に、少なくとも1つの第2凹穴311の開口部360b(図7)と互いに隣接して形成される。
そして、互いに隣接する開口部360aと開口部360bとがそれぞれ形成する第1凹穴310と、第2凹穴311とは、凹穴隣接ペアを形成する。
そして、リブ形状部315は、互いに隣接する凹穴隣接ペアである第1凹穴310と第2凹穴311のそれぞれの側面を壁面とし、凹穴隣接ペアである第1凹穴310の底面から第2凹穴311の底面までの高さを有するリブ壁308からなる。図7の黒枠で囲った部分が一つのリブ壁308である。
【0047】
ここで、図7に示すように複数の第1凹穴310の底板309aからなる板状を第1底板プレート710aと称する。(図が分かりづらくなる為、図7の「I」部分のみ第1底板プレート710aを図示するが、図7の「II」部分についても同様である。)
第1底板プレート710aは、図6に示す黒枠を断面とし、一枚の略円板状である。ただし、第1底板プレート710aの形状は略円板状に限られない。(図が分かりづらくなる為、図6の「I」部分のみ第1底板プレート710a、外周壁520、内周壁530を図示するが、図6の「II」部分についても同様である。)
更に、図7に示すように複数の第2凹穴311の底板309bからなる板状を第2底板プレート710bと称する。(図が分かりづらくなる為、図7の「I」部分のみ第2底板プレート710bを図示するが、図7の「II」部分についても同様である。)
第2底板プレート710bは、図6に示す黒枠を断面とし、一枚の略円板状である。ただし、第2底板プレート710bの形状は略円板状に限られない。(図が分かりづらくなる為、図6の「I」部分のみ第2底板プレート710b、外周壁520、内周壁530を図示するが、図6の「II」部分についても同様である。)
そして、リブ形状部315は、バックプレート300から第1底板プレート710aと第2底板プレート710bと、外周壁520と、内周壁530とを除いた部分である。言い換えれば、リブ形状部315は、リブ壁308と集結部700から構成される部分である。
【0048】
第1凹穴310は、バックプレート300の接合面350に切削加工及び研削加工を施すことで形成される。
第2凹穴311は、バックプレート300の接合裏面355に切削加工及び研削加工を施すことで形成される。
【0049】
実施の形態2のリブ壁308は、「リブ端フリー」の無い状態と言える。ここで、リブ端フリーとは、リブ壁308の先端が板状のままで、外部に剥きだしの状態であること(例えば底板309などが形成されていない状態のこと)を意味する。
例えば、図4に図示した「B」の矢印の箇所が、リブ端フリーとなっている。リブ端フリーのリブ壁308は、破損するリスクが高いと言える。
なお、バックプレート300の外周壁520と、貫通穴303を形成する内周壁530とは、リブ壁308と異なる為、リブ端フリーであるか否かの対象外とする。
【0050】
そして、実施の形態2のリブ壁308は、リブ壁308の先端に底板309が形成されており、「リブ端フリー」の無い状態である。よって、実施の形態2の軽量化ミラー100は、リブ壁308を高く、かつ、薄くしても研削加工する際、破損のリスクを低減し、製造が容易になる。そして、リブ壁308を薄くすることが出来る為、軽量化ミラー100はより軽量化が可能となる。
【0051】
他の例としては、図示は省略するが、バックプレート300の複数の第1凹穴310に囲まれた箇所が第2凹穴311となっても良い。
言い換えると、図6または図7の例で、バックプレート300の第2凹穴311が形成されている任意の箇所が、第1凹穴310となっても良い。すなわち、第1凹穴310と第2凹穴311とが交互に並んでいなくても良い。
第2凹穴311が隣接して形成されると、リブ端フリーが生じてしまうが、複数の第1凹穴310に囲まれた箇所が第2凹穴311になってもリブ端フリーは生じず、同様の効果を得ることが出来る。
【0052】
実施の形態3.
実施の形態3について、図8〜図9を用いて説明する。
図8は、支持器が取り付けられた軽量化ミラー100の例を示す断面図である。
図9は、支持部を有する軽量化ミラー100の例を示す断面斜視図である。
【0053】
実施の形態3の軽量化ミラー100は、実施の形態1及び実施の形態2と比べ、支持部320と、支持器418とを備える点が異なっている。底板309の位置が異なっている。
その他は、実施の形態1及び実施の形態2と同様であり、説明を省略する。
【0054】
軽量化ミラー100は、例えば望遠鏡や人工衛星などに設置する際に、軽量化ミラー100を支持する支持器418が取り付けられる。
支持器418は、例えばバックプレート300と同じ素材の低膨張ガラスセラミックスであっても良いし、金属であっても良い。支持器418の材料は限定されるものでは無い。
そして、支持器418は、例えば無機接着材によってバックプレート300に固定される。
【0055】
軽量化ミラー100は、例えば望遠鏡や人工衛星などに設置された場合に、重力や加速による荷重や力が、支持器418を介して加えられる。
その為に、支持器418が取り付けられる部分は、軽量化ミラー100の他の部分よりも、より高い強度が必要とされる。
【0056】
図8の支持器418aは、支持部320に取り付けられている。
支持部320は、接合裏面355の一部であり、強度を高める為に、実施の形態1では第2凹穴311が形成されていた部分に、凹穴を設けていない。
支持部320は、断面斜視図で表すと図9のようになる。
【0057】
図8は、実施の形態1の構造となっているが、実施の形態2の構造の第2凹穴311が形成される部分に凹穴を設けないことで、実施の形態2においても同様に支持部320を形成することが可能である。
【0058】
また、図8の支持器418bは、バックプレート側面620に取り付けられている。
支持器418は、接合裏面355とバックプレート側面620とのいずれかに取り付けられても良いし、接合裏面355とバックプレート側面620との両方に取り付けられても良い。
【0059】
ここで、底板309の一方の面となる、複数の第1凹穴310の底面は、接合面350と接合裏面355とのそれぞれと略平行で、かつ、接合面350と接合裏面355との間に位置する同一平面(図8の点線D−D)上に配置される。
そして、底板309の他方の面となる、複数の第2凹穴311の底面は、接合面350と接合裏面355との間に位置し、かつ、同一平面(図8の点線D−D)と略平行な平行面(図8の点線C−C)上に配置される。
バックプレート側面620は、同一平面(図8の点線C−C)と平行面(図8の点線D−D)とが横断している。
そして、支持器418bは、同一平面(図8の点線C−C)がバックプレート側面620を横断する位置から平行面(図8の点線D−D)がバックプレート側面620を横断する位置までの範囲(図8のE)の少なくとも一部の範囲を含んだ位置に配置される。
【0060】
例えば、底板309の無い部分に、支持器418bを設置した場合、支持器418bから力が加わると、外周壁520(バックプレート側面620)は、薄い為に変形もしくは破損する可能性がある。
【0061】
しかしながら、実施の形態3は、底板309と外周壁520が接している部分に対応するバックプレート側面620の部分の少なくとも一部、もしくは、底板309の延長上のバックプレート側面620の部分の少なくとも一部を含んだ範囲に支持器418bが設置されている。
そして、支持器418bから力が加わった場合に、その力は、底板309もしくは複数の底板309からなる板状の底板プレート710(図8)により支えられる。
【0062】
実施の形態4.
実施の形態4について、図10〜図12を用いて説明する。
図10は、荷重パスを分散させる軽量化ミラー100の例を示す断面図である。
図11は、荷重パスを分散させる軽量化ミラー100の例を示す斜視図である。
図12は、荷重パスを分散させる軽量化ミラー100の他の例を示す断面図である。
【0063】
実施の形態4の軽量化ミラー100は、実施の形態1及び実施の形態2及び実施の形態3と比べ、底板309の形状が異なっている。
その他は、実施の形態1及び実施の形態2及び実施の形態3と同様であり、説明を省略する。
【0064】
実施の形態4は、支持器418aが取り付けられる支持部320が、集結部700である実施例である。
【0065】
支持部320となる集結部700は、第2リブ形状部315bを成す特定の複数のリブ壁308bが、特定の複数のリブ壁308bの高さの方向に対してそれぞれの直角方向に延長する方向で互いに集結する集結部700である。
集結部700に集結する特定の複数のリブ壁が側面を成す第2凹穴311のそれぞれの底面は、一部が、集結部700に接している。そして、一部が集結部700に接する第2凹穴311のそれぞれの底板は、集結部700に近づくにつれ、接合裏面355側への変位する変位量を大きくする。そして、集結部700に接する部分が接合裏面355側へ最大に変位する。
【0066】
例えば、図10に「F」で図示した黒太線は、第2凹穴311の底面である。
この第2凹穴311の底面は、集結部700(支持部320)の近傍において、集結部700(支持部320)近づくにつれ、序々に接合裏面355側に傾斜している。すなわち、第2凹穴311が平らである場合の状態から、接合裏面355側へ変位している。
【0067】
図11は、図10の接合裏面355側へ変位した底板309を接合裏面355側から見た斜視図である。ただし、図10で図示した支持部320の箇所と、図11の支持部320の箇所とは、位置関係が異なるが、支持部320の位置は、実施の形態4の本質的な効果に影響を及ぼすものでは無い。
【0068】
図11の丸で囲った部分の集結部700が、支持部320となっている。
底板309の一部は、例えば図11の「G」で示すような箇所で集結部700に接している。そして、底板309は、集結部700に接した箇所が、接合裏面355側へ最大に変位している。
【0069】
そして、接合裏面355側へ変位した複数の底板309は、略円錐状の形状を成している。接合裏面355側へ変位した複数の底板309の成す形状は、略円錐状に限定されるものでは無い。例えば略角錐状であっても良い。
【0070】
バックプレート300は、実施の形態4のような底板309を有することにより、支持器418から加わった力を、図10の実線矢印に示す経路(荷重パスと称する)に加え、図10の点線矢印に示す経路(荷重パス)にも分散させることが出来る。よって、軽量化ミラー100は、より強度を向上させることが可能となる。
【0071】
また、リブ壁308の間の底板309は、図10の「F」と図11に示すように、平面の状態の途中から接合裏面355側へ変位しても良いし、図12に示すように、リブ壁308の間の底板309は、直線的に接合裏面355側へ変位しても良い。
【0072】
また、接合裏面355側へ変位する底面を有する底板309の他方の面の状態は、問わないが、軽量化の為に、図10や図12に示すように、同様に接合裏面355側へ変位しても良い。
【0073】
まとめると、実施の形態1〜4においては、
鏡が形成された一方の面である表面206と、他方の面である裏面250とを有する板状の本体プレート200と、
前記本体プレート200の前記裏面250と接合する接合面350と、他方の面である接合裏面355とを有する板状のバックプレート300と
を備え、
前記バックプレート300は、
前記接合面350を介して前記本体プレート200の裏面250に接合することで、前記本体プレート200に対して積層する状態を成し、
前記接合面350と前記接合裏面355との少なくともいずれかに複数の開口部360が形成され、
前記複数の開口部360のそれぞれから、前記開口部360が形成された面に対し、略直角の側面を有する前記積層の方向に凹んだ、底板309を有する凹穴が形成され、
2つの前記凹穴から成り、互いの側面から成る共通の壁であるリブ壁308で隔てられた互いに隣接する前記2つの凹穴から成る凹穴隣接ペアが複数形成され、
前記リブ壁308から成るリブ形状部315を有することを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0074】
更に、実施の形態1〜4においては、
前記複数の凹穴は、
前記接合面350に形成された前記複数の開口部360のそれぞれから形成された複数の第1凹穴310と、
前記接合裏面355に形成された前記複数の開口部360のそれぞれから形成された複数の第2凹穴311とから成ることを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0075】
更に、実施の形態1及び3〜4においては、
前記複数の第1凹穴310と、前記複数の第2凹穴311とは、
前記接合面350と前記接合裏面355とを前記積層の方向の一方の方向から透過して見た場合に、前記開口部360同士が互いに略同じ位置に形成され、
前記互いに略同じ位置に形成された前記接合面350側と前記接合裏面355側との前記開口部360それぞれから形成される前記第1凹穴310と前記第2凹穴311との一対からなり、互いの凹穴の底面を両面とする底板309を有する凹穴ペアを複数構成し、
前記リブ形状部315は、
互いに隣接する前記第1凹穴310の開口部360から形成される前記凹穴隣接ペアのそれぞれの側面を壁面とし、前記第1凹穴310の底面から前記接合面350までの高さを有する前記リブ壁308からなる第1リブ形状部315aと、
互いに隣接する前記第2凹穴311の開口部360から形成される前記凹穴隣接ペアのそれぞれの側面を壁面とし、前記第2凹穴311の底面から前記接合裏面355までの高さを有する前記リブ壁308からなる第2リブ形状部315bと
を有する軽量化ミラーについて説明した。
【0076】
更に、実施の形態2においては、
前記複数の第1凹穴310の前記開口部360と、前記複数の第2凹穴311の前記開口部360とは、
前記接合面350と前記接合裏面355とを前記積層の方向の一方の方向から透過して見た場合に、互いに重複部分が生じない異なる位置に形成され、
前記複数の第1凹穴310のそれぞれの前記底板は、
前記複数の第1凹穴310のそれぞれの底面と、前記それぞれの第1凹穴310の底面を前記接合裏面355上に投影した場合の投影部分に対応する前記接合裏面355の一部とを両面とし、
前記複数の第2凹穴311のそれぞれの前記底板は、
前記複数の第2凹穴311のそれぞれの底面と、前記それぞれの第2凹穴311の底面を前記接合面350上に投影した場合の投影部分に対応する前記接合面350の一部とを両面とすることを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0077】
更に、実施の形態2においては、
前記複数の第1凹穴310のそれぞれの前記開口部360は、
前記接合面350と前記接合裏面355とを前記積層の方向の一方の方向から透過して見た場合に、少なくとも1つの前記第2凹穴311の前記開口部360と互いに隣接して形成され、
互いに隣接する前記開口部360がそれぞれ形成する前記第1凹穴310と、前記第2凹穴311とは、
前記凹穴隣接ペアを形成し、
前記リブ形状部315は、
前記互いに隣接する前記凹穴隣接ペアである前記第1凹穴310と前記第2凹穴311のそれぞれの側面を壁面とし、前記凹穴隣接ペアである前記第1凹穴310の底面から前記第2凹穴311の底面までの高さを有する前記リブ壁308からなることを特徴とする軽量化ミラーについて説明した。
【0078】
更に、実施の形態3においては、
前記底板309の一方の面となる、複数の前記第1凹穴310の底面は、
前記接合面350と前記接合裏面355とのそれぞれと略平行で、かつ、前記接合面350と前記接合裏面355との間に位置する同一平面上に配置され、
前記底板309の他方の面となる、複数の前記第2凹穴311の底面は、
前記接合面350と前記接合裏面355との間に位置し、かつ、前記同一平面と略平行な平行面上に配置され、
前記板状のバックプレート300は、
前記接合面350と前記接合裏面355とから成る前記板状の厚さ方向の側面であり、前記同一平面と前記平行面とが横断するバックプレート側面620を有し、
前記バックプレート側面620は、
軽量化ミラー100を設置する場合に、前記軽量化ミラー100を支持する支持器418が取り付けられ、
前記支持器418は、
前記同一平面が前記バックプレート側面620を横断する位置から前記平行面が前記バックプレート側面620を横断する位置までの範囲の少なくとも一部の範囲を含んだ位置に配置されることを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0079】
更に、実施の形態3においては、
前記バックプレート300は、
前記軽量化ミラー100を設置する場合に、前記軽量化ミラー100を支持する支持器418が取り付けられる支持部320を有し、
前記支持部320は、
前記バックプレート300の前記接合裏面355の一部であることを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0080】
更に、実施の形態4においては、
前記バックプレート300は、
前記軽量化ミラー100を設置する場合に、前記軽量化ミラー100を支持する支持器418が取り付けられる支持部320を有し、
前記支持部320は、
前記第2リブ形状部315bを成す特定の複数の前記リブ壁308が、前記特定の複数のリブ壁308の前記高さの方向に対してそれぞれの直角方向に延長する方向で互いに集結する集結部700であり、
前記集結部700に集結する前記特定の複数のリブ壁308が前記側面を成す前記第2凹穴311のそれぞれの前記底面は、
一部が、前記集結部700に接し、
前記一部が前記集結部700に接する前記第2凹穴311のそれぞれの底板は、
前記集結部700に近づくにつれ、前記接合裏面355側への変位する変位量を大きくし、前記前記集結部700に接する部分が前記接合裏面355側へ最大に変位することを特徴とする軽量化ミラーについて説明した。
【0081】
更に、実施の形態1〜4においては、
前記本体プレート200は、
前記裏面250に、複数の本体開口部260が形成され、前記複数の本体開口部260のそれぞれから、前記裏面250に対し、略直角の側面を有する前記裏面250から前記表面方向に凹んだ本体凹穴210が形成され、
互いに隣接する前記本体開口部260のそれぞれから形成される互いに隣接する前記本体凹穴210である本体凹穴隣接ペアを隔てる壁であり、前記本体凹穴隣接ペアのそれぞれの側面を壁面とする壁である本体リブ壁204から成る本体リブ形状部214を有し、
前記バックプレート300のリブ壁308は、
前記本体プレート200と、前記本体プレート200に接合された前記バックプレート300とを前記接合の方向の一方の方向から透過して見た場合に、前記本体リブ壁204と略同じ位置であることを特徴とする軽量化ミラーについて説明した。
【0082】
更に、実施の形態1〜4においては、
前記バックプレート300の前記複数の凹穴の前記開口部360は、
略正三角形の形状であることを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0083】
更に、実施の形態1〜4においては、
前記本体プレート200の前記複数の本体凹穴210の前記本体開口部260は、
略正三角形の形状であることを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0084】
更に、実施の形態1〜4においては、
前記本体プレート200と前記バックプレート300とは、
低膨張ガラスセラミックス素材を材料としたことを特徴とする軽量化ミラー100について説明した。
【0085】
更に、言い換えてまとめると、
実施の形態1〜4においては、
鏡面205の形成された本体プレート200(コア)と、バックプレート300から構成され、前記本体プレート200(コア)の裏面250(背面)及びバックプレート300の両面(接合面350と接合裏面355)にリブ面が形成されることを特徴とする軽量化ミラー100(光学ミラー)について説明した。
【0086】
更に、実施の形態3においては、
前記バックプレート300の接合裏面355(基底部)に、前記バックプレート300を支える支持部320が取り付けられたことを特徴とする軽量化ミラー100(光学ミラー)について説明した。
【0087】
更に、実施の形態3〜4においては、
前記バックプレート300の接合裏面355(基底部)と、前記バックプレート300の半径方向における前記バックプレート300の外周に、前記バックプレート300を支える支持部320もしくは支持器418が取り付けられたことを特徴とする軽量化ミラー100(光学ミラー)について説明した。
【0088】
更に、実施の形態1〜4においては、
前記本体プレート200(コア)及びバックプレート300は、低膨張ガラスセラミックス素材を加工した加工品を接合して構成されることを特徴とする軽量化ミラー100(光学ミラー)について説明した。
【符号の説明】
【0089】
100 軽量化ミラー、113 軽量化ミラー高さ、200 本体プレート、203 貫通穴、204 本体リブ壁、205 鏡面、206 表面、210 本体凹穴、214 本体リブ形状部、250 裏面、260 本体開口部、300 バックプレート、303 貫通穴、308 リブ壁、309 底板、310 第1凹穴、311 第2凹穴、315 リブ形状部、315a 第1リブ形状部、315b 第2リブ形状部、320 支持部、350 接合面、355 接合裏面、360 開口部、400 接着面、418 支持器、500 中空部、510 本体外周壁、520 外周壁、530 内周壁、540 本体内周壁、550 個片プレート、610 本体側面、620 バックプレート側面、700 集結部、710 底板プレート、710a 第1底板プレート、710b 第2底板プレート、720 鏡面プレート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡が形成された一方の面である表面と、他方の面である裏面とを有する板状の本体プレートと、
前記本体プレートの前記裏面と接合する接合面と、他方の面である接合裏面とを有する板状のバックプレートと
を備え、
前記バックプレートは、
前記接合面を介して前記本体プレートの裏面に接合することで、前記本体プレートに対して積層する状態を成し、
前記接合面と前記接合裏面との少なくともいずれかに複数の開口部が形成され、
前記複数の開口部のそれぞれから、前記開口部が形成された面に対し、略直角の側面を有する前記積層の方向に凹んだ、底板を有する凹穴が形成され、
2つの前記凹穴から成り、互いの側面から成る共通の壁であるリブ壁で隔てられた互いに隣接する前記2つの凹穴から成る凹穴隣接ペアが複数形成され、
前記リブ壁から成るリブ形状部を有することを特徴とする軽量化ミラー。
【請求項2】
前記複数の凹穴は、
前記接合面に形成された前記複数の開口部のそれぞれから形成された複数の第1凹穴と、
前記接合裏面に形成された前記複数の開口部のそれぞれから形成された複数の第2凹穴とから成ることを特徴とする請求項1記載の軽量化ミラー。
【請求項3】
前記複数の第1凹穴と、前記複数の第2凹穴とは、
前記接合面と前記接合裏面とを前記積層の方向の一方の方向から透過して見た場合に、前記開口部同士が互いに略同じ位置に形成され、
前記互いに略同じ位置に形成された前記接合面側と前記接合裏面側との前記開口部それぞれから形成される前記第1凹穴と前記第2凹穴との一対からなり、互いの凹穴の底面を両面とする底板を有する凹穴ペアを複数構成し、
前記リブ形状部は、
互いに隣接する前記第1凹穴の開口部から形成される前記凹穴隣接ペアのそれぞれの側面を壁面とし、前記第1凹穴の底面から前記接合面までの高さを有する前記リブ壁からなる第1リブ形状部と、
互いに隣接する前記第2凹穴の開口部から形成される前記凹穴隣接ペアのそれぞれの側面を壁面とし、前記第2凹穴の底面から前記接合裏面までの高さを有する前記リブ壁からなる第2リブ形状部と
を有することを特徴とする請求項2記載の軽量化ミラー。
【請求項4】
前記複数の第1凹穴の前記開口部と、前記複数の第2凹穴の前記開口部とは、
前記接合面と前記接合裏面とを前記積層の方向の一方の方向から透過して見た場合に、互いに重複部分が生じない異なる位置に形成され、
前記複数の第1凹穴のそれぞれの前記底板は、
前記複数の第1凹穴のそれぞれの底面と、前記それぞれの第1凹穴の底面を前記接合裏面上に投影した場合の投影部分に対応する前記接合裏面の一部とを両面とし、
前記複数の第2凹穴のそれぞれの前記底板は、
前記複数の第2凹穴のそれぞれの底面と、前記それぞれの第2凹穴の底面を前記接合面上に投影した場合の投影部分に対応する前記接合面の一部とを両面とすることを特徴とする請求項2記載の軽量化ミラー。
【請求項5】
前記複数の第1凹穴のそれぞれの前記開口部は、
前記接合面と前記接合裏面とを前記積層の方向の一方の方向から透過して見た場合に、少なくとも1つの前記第2凹穴の前記開口部と互いに隣接して形成され、
互いに隣接する前記開口部がそれぞれ形成する前記第1凹穴と、前記第2凹穴とは、
前記凹穴隣接ペアを形成し、
前記リブ形状部は、
前記互いに隣接する前記凹穴隣接ペアである前記第1凹穴と前記第2凹穴のそれぞれの側面を壁面とし、前記凹穴隣接ペアである前記第1凹穴の底面から前記第2凹穴の底面までの高さを有する前記リブ壁からなることを特徴とする請求項4記載の軽量化ミラー。
【請求項6】
前記底板の一方の面となる、複数の前記第1凹穴の底面は、
前記接合面と前記接合裏面とのそれぞれと略平行で、かつ、前記接合面と前記接合裏面との間に位置する同一平面上に配置され、
前記底板の他方の面となる、複数の前記第2凹穴の底面は、
前記接合面と前記接合裏面との間に位置し、かつ、前記同一平面と略平行な平行面上に配置され、
前記板状のバックプレートは、
前記接合面と前記接合裏面とから成る前記板状の厚さ方向の側面であり、前記同一平面と前記平行面とが横断するバックプレート側面を有し、
前記バックプレート側面は、
軽量化ミラーを設置する場合に、前記軽量化ミラーを支持する支持器が取り付けられ、
前記支持器は、
前記同一平面が前記バックプレート側面を横断する位置から前記平行面が前記バックプレート側面を横断する位置までの範囲の少なくとも一部の範囲を含んだ位置に配置されることを特徴とする請求項3記載の軽量化ミラー。
【請求項7】
前記バックプレートは、
前記軽量化ミラーを設置する場合に、前記軽量化ミラーを支持する支持器が取り付けられる支持部を有し、
前記支持部は、
前記バックプレートの前記接合裏面の一部であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の軽量化ミラー。
【請求項8】
前記バックプレートは、
前記軽量化ミラーを設置する場合に、前記軽量化ミラーを支持する支持器が取り付けられる支持部を有し、
前記支持部は、
前記第2リブ形状部を成す特定の複数の前記リブ壁が、前記特定の複数のリブ壁の前記高さの方向に対してそれぞれの直角方向に延長する方向で互いに集結する集結部であり、
前記集結部に集結する前記特定の複数のリブ壁が前記側面を成す前記第2凹穴のそれぞれの前記底面は、
一部が、前記集結部に接し、
前記一部が前記集結部に接する前記第2凹穴のそれぞれの底板は、
前記集結部に近づくにつれ、前記接合裏面側への変位する変位量を大きくし、前記前記集結部に接する部分が前記接合裏面側へ最大に変位することを特徴とする請求項3記載の軽量化ミラー。
【請求項9】
前記本体プレートは、
前記裏面に、複数の本体開口部が形成され、前記複数の本体開口部のそれぞれから、前記裏面に対し、略直角の側面を有する前記裏面から前記表面方向に凹んだ本体凹穴が形成され、
互いに隣接する前記本体開口部のそれぞれから形成される互いに隣接する前記本体凹穴である本体凹穴隣接ペアを隔てる壁であり、前記本体凹穴隣接ペアのそれぞれの側面を壁面とする壁である本体リブ壁から成る本体リブ形状部を有し、
前記バックプレートのリブ壁は、
前記本体プレートと、前記本体プレートに接合された前記バックプレートとを前記接合の方向の一方の方向から透過して見た場合に、前記本体リブ壁と略同じ位置であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の軽量化ミラー。
【請求項10】
前記バックプレートの前記複数の凹穴の前記開口部は、
略正三角形の形状であることを特徴とする前記請求項1〜9いずれか記載の軽量化ミラー。
【請求項11】
前記本体プレートの前記複数の本体凹穴の前記本体開口部は、
略正三角形の形状であることを特徴とする前記請求項9記載の軽量化ミラー。
【請求項12】
前記本体プレートと前記バックプレートとは、
低膨張ガラスセラミックス素材を材料としたことを特徴とする前記請求項1〜11いずれか記載の軽量化ミラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−230149(P2012−230149A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96774(P2011−96774)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】