説明

輝尽性蛍光体シート封止体製造装置、輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法

【課題】 生産効率が上げられる輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置及び輝尽性蛍光体シートの封止方法の提供。
【解決手段】 可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートを第1封止部材と第2封止部材を用い減圧条件下で輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置において、前記輝尽性蛍光体シート封止体製造装置は、前記第1封止部材の第1供給工程と、前記第2封止部材の第2供給工程と、開口部とを有する凹型収納部を少なくとも1つ連続して成形する成形工程と、前記凹型収納部へ前記輝尽性蛍光体シートを装填する装填工程と、前記凹型収納部の開口部を前記第2封止部材で封止する接着工程と、前記帯状輝尽性蛍光体シート封止体の断裁工程とを有し、連続的に輝尽性蛍光体シート封止体を作製することを特徴とする輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートの封止装置、及びこの装置を使用した輝尽性蛍光体シートの封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く用いられている。このX線画像を得るために被写体を通過したX線を輝尽性蛍光体(蛍光スクリーン)に照射し、これにより生じた可視光を通常の写真を撮るときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。しかし、近年、銀塩を塗布したフィルムを使用しないで輝尽性蛍光体から直接画像を取り出す方法が工夫されるようになった。
【0003】
画像を取り出す方法としては、被写体を透過した放射線を輝尽性蛍光体に吸収させた後、光又は熱エネルギー等で輝尽性蛍光体を励起することにより、輝尽性蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射し、この蛍光を検出し画像化する方法が挙げられる。具体的には、例えば米国特許3,859,527号及び特開昭55−12144号等などに可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した輝尽性蛍光体シートを使用した放射線画像変換方法が記載されている。
【0004】
これらの方法は、輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体層を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体層中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を例えば光電変換し、電気信号を得て、この信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。
【0005】
この放射線像記録再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることが出来るという利点がある。
【0006】
このような輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す輝尽性蛍光体であるが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が一般的に利用される。
【0007】
輝尽性蛍光体シートとしては、可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層を塗設した塗設タイプが、取り扱い易く、又作り易く、性能が安定していることから多く使用されている。輝尽性蛍光体は湿度により分解し易く、画像の劣化が起こり易い欠点を有しているため、使用に際しては輝尽性蛍光体シートを防湿性のフィルムで封止し、湿度による画像劣化を防止することが一般的に採られている。本発明では輝尽性蛍光体シートを封止するのに使用する防湿性の高いフィルムを封止フィルムといい、封止フィルムで封止された輝尽性蛍光体シートを封止体と言う。実際の使用に際しては、この封止体を平板状のトレーに接着部材により固定した状態(一般的に、輝尽性蛍光体パネルと言われている)で、撮影装置に装填されている。
【0008】
封止フィルム封止方法としては、例えば、特開平11−223890号に、開口部を有する袋状とした封止フィルム内に輝尽性蛍光体シートを入れ、輝尽性蛍光体層側の封止フィルムを封止するときにシワにならないように封止装置内を脱気し、輝尽性蛍光体層と封止フィルムの間に空気が部分的に残らない様に押圧板で押しながら開口部をシールする方法が開示されている。しかしながらこの方法の欠点としては、輝尽性蛍光体層と封止フィルムの間に空気が部分的に残らない様にするために、封止をするたび毎に押圧板を輝尽性蛍光体層の上に載せ、シールが終わった時点で押圧板を持ち上げて取り除く必要がある。これら押圧板を輝尽性蛍光体層の上に載せたり、取り外したりするとき、輝尽性蛍光体層の上に落としたりすれば当然、輝尽性蛍光体層にキズが付き製品にならなくなる。又、引きずったりしても輝尽性蛍光体層にキズが付き製品にならなくなるため、作業は慎重に時間を掛けて行う必要があり作業効率を低下させる原因の1つにもなっている。又、シールするたび毎に押圧板を輝尽性蛍光体層の上に載せたり、外したりする作業を行わなければならないため作業員に負担が掛かる。
【0009】
これらの欠点に対して検討がされてきた。例えば、輝尽性蛍光体シートを2枚の封止フィルムで挟み、載置台を配設した開口部を有する本体に開閉自在に取り付けられた蓋体を有し、蓋体を閉じたとき載置台に載置された前記輝尽性蛍光体シートの全面を押圧し、蓋体を開けたとき、押圧を解除する押圧手段を配設した封止装置を使用し、減圧条件下で封止フィルムを熱溶着する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の封止装置及び封止方法はバッチ方式であるため一枚毎の輝尽性蛍光体シートの封止体を作製するには有効な封止装置及び封止方法であるが、枚葉生産であるため生産効率が上がらない原因の1つになっている。又、バッチ方式であるため一枚毎に封止条件が変動する危険があり、封止装置及び出来た製品の品質に煩雑な管理を必要とされている。これらの状況から、生産効率が上げられる輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置及び輝尽性蛍光体シートの封止方法の開発が望まれている。
【特許文献1】特開2004−77370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、生産効率が上げられる輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置及び輝尽性蛍光体シートの封止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
【0013】
(1)可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートを減圧条件下で第1封止部材と第2封止部材を接着し封止して、輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置において、前記輝尽性蛍光体シート封止体製造装置は、前記第1封止部材を供給する第1供給工程と、前記第2封止部材を供給する第2供給工程と、前記第1封止部材に前記輝尽性蛍光体シートを収納する、底部、前記底部の周辺から立ち上がる4側壁、フランジ部及び開口部を有する少なくとも1つの凹型収納部を、連続して成形する成形工程と、前記凹型収納部へ前記輝尽性蛍光体シートを装填する装填工程と、前記輝尽性蛍光体シートを装填した前記凹型収納部の開口部を前記第2封止部材で封止し、帯状輝尽性蛍光体シート封止体とする接着工程と、前記帯状輝尽性蛍光体シート封止体を個別の輝尽性蛍光体シート封止体とする断裁工程とを有し、連続的に輝尽性蛍光体シート封止体を製造することを特徴とする輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【0014】
(2)前記第1供給工程は第1封止部材がロール状で装着され繰り出される装置を有することを特徴とする前記(1)に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【0015】
(3)前記第2供給工程は第2封止部材がロール状で装着され繰り出される装置を有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【0016】
(4)前記成形工程は底部の面積が異なる大きさ又は同じ大きさの凹型収納部を第1封止部材に連続して成形することを可能とする装置を有することを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【0017】
(5)前記成形工程は熱成形装置を有していることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【0018】
(6)前記断裁工程は帯状輝尽性蛍光体シート封止体の長手方向に断裁する断裁装置と、幅手方向に断裁する断裁装置とを有することを特徴とする前記(1)〜(5)の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【0019】
(7)可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートを減圧条件下で第1封止部材と第2封止部材を接着し封止して、輝尽性蛍光体シート封止体とする輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法において、前記第1封止部材は、前記輝尽性蛍光体シートを収納する、開口部を有する底部と、前記底部の周辺から立ち上がる4側壁と、フランジ部とを有する凹型収納部を少なくとも1つ有し、前記凹型収納部へ前記輝尽性蛍光体シートを装填し、前記第2封止部材で前記開口部を接着し封止し、帯状輝尽性蛍光体シート封止体とした後、前記帯状輝尽性蛍光体シート封止体を断裁し個別の輝尽性蛍光体シート封止体とすることを特徴とする輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【0020】
(8)前記凹型収納部は、第1封止部材をロール状で供給し、次いで繰り出し、連続的に成形することを特徴とする前記(7)に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【0021】
(9)前記第2封止部材はロール状で供給され、凹型収納部の開口部の封止速度に合わせ繰り出されることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【0022】
(10)前記開口部の第2封止部材による封止が、熱溶着で行われることを特徴とする前記(7)〜(9)の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【0023】
(11)前記凹型収納部は熱成形法で作製されていることを特徴とする前記(7)〜(10)の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【0024】
(12)前記帯状輝尽性蛍光体シート封止体の断裁は、長手方向に断裁する断裁装置と、幅手方向に断裁する断裁装置とにより行われることを特徴とする前記(7)〜(11)の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【発明の効果】
【0025】
生産効率が上げられる輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置及び輝尽性蛍光体シートの封止方法を提供することが出来、安定した品質の輝尽性蛍光体シート封止体を高生産効率で生産することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態を図1〜図4を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
図1は輝尽性蛍光体シート封止体の概略分解斜視図である。
【0028】
図中、1は輝尽性蛍光体シート封止体を示す。輝尽性蛍光体シート封止体1は、可撓性支持体101a上に形成した輝尽性蛍光体層101bとを有する輝尽性蛍光体シート101と、第1封止部材103と、第2封止部材102とを有している。第1封止部材103は底部103′aと、底部103′aの周辺から立ち上げた側壁103′c、側壁103′d、側壁103′eと、側壁103′fとの4側壁と、各側壁の上部に設けられ一体となったフランジ部103′gと開口部103′bとを有する断面形状が凹型の凹型収納部103′を形成している。
【0029】
図2は図1のA−A′に沿った概略断面図である。
【0030】
輝尽性蛍光体シート101は、可撓性支持体101a側を凹型収納部103′の底部103′aに収納されており、フランジ部103′gと第2封止部材102とを接着することで封止体が形成されている。フランジ部103′gと第2封止部材102とを接着する方法は特に限定はなく、例えばフランジ部の接着面に接着剤を塗設する方法、熱溶着する方法が挙げられる。これらの方法の中でも連続的に封止体を製造する方法としては熱溶着方法が挙げられる。
【0031】
図3は図2のPで示される部分の拡大概略図である。
【0032】
輝尽性蛍光体シートを封止するために輝尽性蛍光体層側に使用する第2封止部材102は、熱可塑性樹脂フィルム102aと、防湿層102bと、シーラント層102cとを有する多層構成の防湿機能を持った可撓性封止フィルムとなっている。防湿層102bは、輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を湿度から保護するために設けられており、特開平6−95302号に記載されている如き、無機物蒸着層が形成された可撓性基材で構成されている。
【0033】
無機物蒸着層としては薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き無機膜が挙げられる。例えば、Cr23、Sixy(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta23、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si34、単結晶Si、アモルファスSi、W、AI23等が用いられる。
【0034】
無機物蒸着層を設ける可撓性基材としては熱可塑性樹脂フィルムが使用されており、使用する熱可塑性樹脂フィルムとしてはエチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(0PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)など一般の包装用フィルムに使用されている熱可塑性樹脂フィルム材料を使用することが出来る。
【0035】
無機物蒸着層が形成された可撓性基材を介して積層する熱可塑性樹脂フィルム102aとしては一般の包装材料として使用されている高分子フィルム(例えば機能性包装材料の新展開(株式会社東レリサーチセンター)記載の高分子フィルム)であるLDPE、HDPE、LLDPE、中密度ポリエチレン、CPP、OPP、ONy、PET、セロハン、PVA、OV、EVOH、PVDC等が使用出来る。又、これら熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせて作った多層フィルム等も当然使用出来る。更に必要とする物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組合せて作ることも当然可能である。
【0036】
シーラント層102cとしては、LDPE、LLDPE及びメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE、又、これらフィルムとHDPEフィルムの混合使用した熱可塑性樹脂フィルム等を使用することが好ましい。
【0037】
第2封止部材102を第1封止部材103で形成された収納部103′(図2を参照)のフランジ部103′gに接着方法としては、フランジ部103′gに接着剤を塗設し第1封止部材102を接着させる方法、第2封止部材102のシーラント層を加熱することでフランジ部103′gに溶着させる方法が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。
【0038】
第2封止部材の厚さは、強度、防湿性、撮影画像品質等を考慮し、1〜60μmが好ましい。又、第2封止部材のJISZ0208に準じて測定した水蒸気透過率としては、吸湿等による輝尽性蛍光体シートの性能劣化防止等を考慮し、2.0g/m2・day以下であることが好ましく、更には0.5g/m2・day以下であることが特に好ましい。
【0039】
第1封止部材103は、図2に示す様な収納部103′を連続的に成形することから一般的に熱成形用に使用されている熱可塑性樹脂フィルムの使用が可能である。例えば、PS、CPP、OPP、HDPE、PET等が挙げられる。
【0040】
第1封止部材の厚さは、成形性、強度、防湿性、撮影画像品質等を考慮し、0.4〜0.8mmが好ましい。又、封止フィルムのJISZ0208に準じて測定した水蒸気透過率としては、吸湿等による輝尽性蛍光体シートの性能劣化防止等を考慮し、2.0g/m2・day以下であることが好ましく、更には0.5g/m2・day以下であることが特に好ましい。
【0041】
図4は輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置の概略図である。図4の(a)は輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置の概略斜視図である。図4の(b)は図4の(a)のQで示される部分の拡大概略斜視図である。
【0042】
図中、2は輝尽性蛍光体シート封止体製造装置を示す。輝尽性蛍光体シート封止体製造装置2は、第1封止部材301を供給する第1供給工程3と、第2封止部材401を供給する第2供給工程4と、成形工程5と、装填工程6と、接着工程7と、断裁工程8と、回収工程9とを有している。
【0043】
第1供給工程3へは帯状の第1封止部材301が巻き芯に巻かれロール状となったロール状第1封止部材302が供給され成形工程5へ帯状の第1封止部材301として繰り出される。尚、第1封止部材301としては図3で説明した熱可塑性樹脂フィルムが該当する。第1封止部材301の繰り出しは成形工程の成形速度を基準として決めることが好ましい。
【0044】
成形工程5は帯状の第1封止部材301を図1に示す様な凹型収納部を成形する工程である。303は成形工程5で帯状の第1封止部材301に連続的に設けられた凹型収納部を示す。凹型収納部303は、底部303aと、底部303aの周辺から立ち上がる側壁303c、側壁303d、側壁303eと、側壁303fとの4側壁と、各側壁の上部に設けられ一体となったフランジ部303gと開口部303bとを有する図1に示した凹型収納部103′と同じ形状を有している。凹型収納部303の形成は、プラスチック加工技術ハンドブック 高分子学会編945〜966に記載してある一般的な真空成形、圧空成形である熱成形法で作製することが可能である。
真空成形法、圧空成形法の何れでも可能であり必要に応じて適宜選択することが可能である。成形工程5は熱成形装置(真空成形装置又は圧空成形装置)(不図示)の何れかを有しており、使用する帯状の第1封止部材301の熱可塑性フィルムの最適条件で成形が行われる。
【0045】
熱成形装置(真空成形装置又は圧空成形装置)(不図示)での1回の成形で形成される凹型収納部303の数は熱成形装置(不図示)の金型の数により決めることが可能であるので輝尽性蛍光体シート封止体製造装置2の大きさに合わせ適宜決めることが可能である。又、凹型収納部303の大きさは熱成形装置(不図示)の金型を変えることで対応が可能である。本図では帯状の第1封止部材301の幅方向に3列の凹型収納部303を成形した場合を示しているが、各列毎に異なる大きさの凹型収納部303にすることも可能であるし、全て同じ大きさの凹型収納部303にすることも可能である。このため、収納する輝尽性蛍光体シート601の大きさに対する対応が容易になる。
【0046】
装填工程6は、輝尽性蛍光体シート601の供給装置602と、輝尽性蛍光体シート601を凹型収納部303へ収納する装填装置603を有している。凹型収納部303への輝尽性蛍光体シート601の装填は輝尽性蛍光体層を開口部303b側にして行われる。
【0047】
装填装置603の種類は特に限定はなく、本図では輝尽性蛍光体シート601を保持する吸引板603aと、吸引板603aに輝尽性蛍光体シート601を吸引保持した状態で吸引板603aを凹型収納部303へ移動する移載レール603bと、移載レール603bの取り付け部603cとを有する装填装置603を示している。移載レール603bの中には、駆動用チェーン(不図示)が設けられており、駆動用チェーン(不図示)に吸引板603aの取り付け部材603a1が取り付けられおり、凹型収納部303に向けて移動(図中の矢印方向)が可能となっている。吸引板603aの輝尽性蛍光体シート601と接触する面には複数の吸引孔(不図示)が設けられており、取り付け部材603a1を介して吸引ポンプ(不図示)に繋がったフレキシブル吸引管(不図示)が取り付けられている。
【0048】
取り付け部603cには駆動用チェーン(不図示)の駆動機構(不図示)、駆動用チェーン(不図示)の位置決め機構(不図示)と、吸引板603aが輝尽性蛍光体シート601を保持するために移載レール603bを下げ(図中の矢印方向)、吸引した後移載レール603bを上げ(図中の矢印方向)る機構と、吸引板603a用の吸引ポンプ(不図示)が納められている。603dは移載レール603bの上下方向への移動用の孔を示す。
【0049】
第2供給工程4は凹型収納部303へ輝尽性蛍光体シート601が装填された状態の全ての凹型収納部303の開口部を封止する第2封止部材401を供給する機能を有している。第2封止部材401としては図3で説明した可撓性封止フィルムが該当する。第2供給工程4へは巻き芯に巻かれロール状第2封止部材402が供給され帯状の第2封止部材401として繰り出される。帯状の第2封止部材401の繰り出しは、接着工程7で開口部303bへの第2封止部材401の封止速度に合わせ繰り出されることが好ましい。封止速度は成形工程5での第1封止部材301の凹型収納部303の成形速度に合わせることが好ましい。使用する第2封止部材402がシーラント層を持たない場合は、凹型収納部303の開口部303bの周辺のフランジ部303gに接着剤を塗設するため接着剤塗設装置を設置する必要がある。又、接着剤の種類によっては第2封止部材402を貼合後に硬化処理を施す硬化処理装置を設置することも必要である。本図は、第2封止部材402にシーラント層を有する場合を示している。
【0050】
接着工程7は第2封止部材402のシーラント層を加熱溶着し収納部のフランジ部に接着する加熱溶着装置(不図示)を有する減圧接着室701を有している。加熱溶着装置(不図示)としては特に限定はなく、シーラント層に使用している熱可塑製樹脂に合わせて適宜決めることが可能である。例えば熱板シーラ、インパルスシーラ、超音波シーラ等が挙げられる。第2封止部材402による開口部の封止は、減圧接着室701内で収納部のフランジ部と第2封止部材402との密着性、第2封止部材402の表面のシワ等を考慮し、100〜10,000Paで行うことが好ましい。接着工程7で第2封止部材402で開口部303bを封止することで帯状輝尽性蛍光体シート封止体10が作製される。
【0051】
断裁工程8は作製された帯状輝尽性蛍光体シート封止体10を裁断して図1に示す様な個別の輝尽性蛍光体シート封止体11を作製するため、帯状輝尽性蛍光体シート封止体10の搬送方向に断裁する縦方向断裁装置801と、帯状輝尽性蛍光体シート封止体10の幅方向に断裁する横方向断裁装置802とを有している。縦方向断裁装置801としては特に限定はなく、例えば固定刃、回転刃等を使用した縦方向断裁装置が挙げられる。本図は回転刃を使用した縦方向断裁装置の場合を示している。横方向断裁装置802としては特に限定はなく、例えば、ギロチン方式、回転刃、NTカッタ等を横方向に移動する方式等を使用した横方向断裁装置が挙げられる。本図は回転刃を横方向に移動する方式の横方向断裁装置の場合を示している。803は縦方向断裁装置801により断裁された、帯状輝尽性蛍光体シート封止体10の両端の不要部分を巻き芯に巻き取り回収した回収物を示す。
【0052】
尚、本図では断裁工程8として縦方向断裁装置801と横方向断裁装置802とによる2段階方式の場合を示したが帯状輝尽性蛍光体シート封止体10を裁断して図1に示す様な個別の輝尽性蛍光体シート封止体11を作製するためには別の方式であってもよい。例えば、一度に作製する個別の輝尽性蛍光体シート封止体11の数に合わせたパンチとダイとを有する打ち抜き装置を使用しても構わない。
【0053】
回収工程9は断裁工程8で作製された個別の輝尽性蛍光体シート封止体11を回収するためのコンベアーベルト901と回収箱902とを有している。回収方法としては特に限定はなく、例えばコンベアーベルト901の代わりに傾斜板による回収、人手による回収等が挙げられる。本図では縦方向断裁装置801により断裁された個別の輝尽性蛍光体シート封止体11がコンベアーベルト901により回収箱902に運ばれ回収される場合を示している。尚、断裁工程8にパンチとダイとを有する打ち抜き装置を使用した場合、打ち抜き装置の構造により抜き落としによる回収、別工程で回収等が挙げられる。
【0054】
本図に示す輝尽性蛍光体シート封止体製造装置2を使用し、輝尽性蛍光体シートを第1封止部材301と第2封止部材401とで連続封止した後、断裁し個別の輝尽性蛍光体シート封止体を作製することで次の効果が挙げられる。
1)一定条件での連続生産が可能となり、製品品質が安定した輝尽性蛍光体シート封止体の生産が高生産効率で可能となった。
2)製品品質が安定したことに伴い煩雑な品質管理が不要となり作業効率の向上が可能となった。
3)多サイズの対応が容易になり、市場の要求に対する対応に素早く取ることが可能となった。
4)多サイズに対する包装材料の在庫圧縮が可能となり、生産性向上が可能となった。
【0055】
次に本発明に係る輝尽性蛍光体シートに付き説明する。本発明に係る輝尽性蛍光体層を有する蛍光体シートを可撓性支持体に塗布液を塗布・乾燥して作製するのに、塗布液を塗布する方法としては通常の塗布手段、例えばドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リップコーターなどを用いることが出来る。可撓性支持体としては、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及び例えば写真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のような印刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許第784,615号明細書に記載されているようなポリサッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含むピグメント紙、ポリビニルアルコールでサイジングした紙等の加工紙等が挙げられる。これらの中でも、加工し易さ、取り扱い性からラスティックフィルムが好ましい可撓性支持体として挙げられる。
【0056】
又、これら可撓性支持体の厚さは、用いる可撓性支持体の材質等によって異なるが、一般的には80〜1000μmであり、取り扱い上の点から、更に好ましくは80〜500μmである。これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、マット面としてもよい。
【0057】
輝尽性蛍光体層としては、バインダーと輝尽性蛍光体粒子とから構成されている。輝尽性蛍光体層を形成している「輝尽性蛍光体」とは、最初の光又は高エネルギー放射線が照射された後に、光的、熱的、機械的、科学的又は電気的等の刺激(輝尽励起)により、最初の光又は高エネルギー放射線の照射量に対応した輝尽発光を示す輝尽性蛍光体を言う。実用的な面からは、光刺激(輝尽励起)により輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましく、波長が500nm以上、1μm以下の輝尽励起光によって輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。
【0058】
輝尽性蛍光体を基材上に気相堆積させ輝尽性蛍光体層を形成させる方法としては蒸着法、スパッタ法及びCVD法等がある。蒸着法は基材を蒸着装置内に設置した後、装置内を排気して1.333×10-4Pa程度の真空とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに堆積させる。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成されるが、蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。又、蒸着工程では複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着を行うことも可能である。又蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着し、基材上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。更に蒸着法においては、蒸着時に必要に応じて基材を冷却或いは加熱してもよい。又、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0059】
スパッタ法は前記蒸着法と同様に基材をスパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して1.333×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に導入して1.333×10-1Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリングすることにより支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さ堆積させる。このスパッタ工程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時或いは順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。又、スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッタリングして、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッタ法においては、スパッタ時必要に応じて基材を冷却或いは加熱してもよい。又、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0060】
CVD法は目的とする輝尽性蛍光体或いは輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであり、何れも輝尽性蛍光体層を支持体の法線方向に対して特定の傾きを持って独立した細長い柱状結晶に気相成長させることが可能である。本発明においては、気相堆積法として蒸着法が好ましく用いられる。
【0061】
本発明に係る輝尽性蛍光体層は、保護層を有していてもよい。保護層は、保護層用塗布液を輝尽性蛍光体層上に直接塗布して形成してもよいし、予め別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。或いは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を形成する手順を取ってもよい。
【0062】
本発明に係わる輝尽性蛍光体シートに使用する可撓性支持体としては、熱可塑性樹脂フィルム、金属シート材料、カーボンを主とする材料、紙等の単体及びこれらの複合品が挙げられる。熱可塑性樹脂プラスチックフィルムとしては、例えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、等が挙げられる。金属シートとしては、例えばアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、鉄、胴等が挙げられる。紙としては、コート紙、若しくはアート紙のような印刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許第784,615号明細書に記載されているようなポリサッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含むピグメント紙、ポリビニルアルコールでサイジングした紙等の加工紙等が挙げられる。複合品としては、アルミニウム板の表面にポリイミド層を設けた支持体、カーボンを主とする混連樹脂板の表面にポリイミド層を設けた支持体、アルミニウム板の表面に無機蒸着層を設けた支持体、カーボンを主とする混連樹脂板の表面にポリイミド層を設け、更に無機蒸着層を設けた支持体等が挙げられる。無機蒸着層としては、例えばBN、Si34等の無機窒化物、SiC、TiC、WC等の無機炭化物、MgO、CaO、B23等の無機酸化物、BaF2等の無機フッ化物等が挙げられ、これらの無機化合物から選ばれた少なくとも一種の無機化合物を真空蒸着、スパッタリング等の気相堆積法により得ることが可能である。又、これら可撓性支持体の厚さは、用いる可撓性支持体の材質等によって異なるが、一般的には80〜1000μmであり、取り扱い上の点から、更に好ましくは80〜500μmである。これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、マット面としてもよい。
【0063】
保護層の材料としては酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の通常の保護層用材料が用いられる。又、この保護層は蒸着法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23などの無機物質を積層して形成してもよい。これらの保護層の層厚は一般的には0.1〜2000μm程度が好ましい。又、透光性がよく、シート状に形成出来るものを用いることが出来る。例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラスや、PET、OPP、ポリ塩化ビニル等の有機高分子が挙げられる。
【0064】
輝尽性蛍光体層としては、バインダーと輝尽性蛍光体粒子とから構成されている。輝尽性蛍光体層を形成している「輝尽性蛍光体」とは、最初の光又は高エネルギー放射線が照射された後に、光的、熱的、機械的、科学的又は電気的等の刺激(輝尽励起)により、最初の光又は高エネルギー放射線の照射量に対応した輝尽発光を示す輝尽性蛍光体を言う。実用的な面からは、光刺激(輝尽励起)により輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましく、波長が500nm以上、1μm以下の輝尽励起光によって輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。
【0065】
輝尽性蛍光体層を構成する輝尽性蛍光体の具体例としては、例えば特開昭55−12145号、同55−160078号、同56−74175号、同56−116777号、同57−23673号、同57−23675号、同58−206678号、同59−27289号、同59−27980号、同59−56479号、同59−56480号等に記載の希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−75200号、同60−84381号、同60−106752号、同60−166379号、同60−221483号、同60−228592号、同60−228593号、同61−23679号、同61−120882号、同61−120883号、同61−120885号、同61−235486号、同61−235487号等に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体:特開昭55−12144号に記載の希土類元素賦活オキシハライド蛍光体:特開昭58−69281号に記載のセリウム賦活3価金属オキシハライド蛍光体:特開昭60−70484号に記載のビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体:特開昭60−141783号、同60−157100号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体:特開昭60−157099号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロほう酸塩蛍光体:特開昭60−217354号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体:特開昭61−21173号、同61−21182号に記載のセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体:特開昭61−40390号に記載のセリウム賦活希土類ハロ燐酸塩蛍光体:特開昭60−78151号に記載の2価のユーロピウム賦活ハロゲン化セリウム・ルビジウム蛍光体:特開昭60−78151号に記載の2価のユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】輝尽性蛍光体シート封止体の概略分解斜視図である。
【図2】図1のA−A′に沿った概略断面図である。
【図3】図2のPで示される部分の拡大概略図である。
【図4】輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置の概略図である。
【符号の説明】
【0067】
1、11 輝尽性蛍光体シート封止体
101a 可撓性支持体
101b 輝尽性蛍光体層
101 輝尽性蛍光体シート
103、301 第1封止部材
102a 熱可塑性樹脂フィルム
102b 防湿層
102c シーラント層
102、401 第2封止部材
103′、303 凹型収納部
103′a、303a 底部
103′b、303b 開口部
103′c〜103′f、303c〜303f 側壁
103′g、303g フランジ部
2 輝尽性蛍光体シート封止体製造装置
3 第1供給工程
4 第2供給工程
5 成形工程
6 装填工程
601 輝尽性蛍光体シート
602 供給装置
603 装填装置
603a 吸引板
603b 移載レール
603c 取り付け部
7 接着工程
8 断裁工程
801 縦方向断裁装置
802 横方向断裁装置
9 回収工程
10 帯状輝尽性蛍光体シート封止体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートを減圧条件下で第1封止部材と第2封止部材を接着し封止して、輝尽性蛍光体シート封止体を製造する輝尽性蛍光体シート封止体製造装置において、
前記輝尽性蛍光体シート封止体製造装置は、
前記第1封止部材を供給する第1供給工程と、
前記第2封止部材を供給する第2供給工程と、
前記第1封止部材に前記輝尽性蛍光体シートを収納する、底部、前記底部の周辺から立ち上がる4側壁、フランジ部及び開口部を有する少なくとも1つの凹型収納部を、連続して成形する成形工程と、
前記凹型収納部へ前記輝尽性蛍光体シートを装填する装填工程と、
前記輝尽性蛍光体シートを装填した前記凹型収納部の開口部を前記第2封止部材で封止し、帯状輝尽性蛍光体シート封止体とする接着工程と、
前記帯状輝尽性蛍光体シート封止体を個別の輝尽性蛍光体シート封止体とする断裁工程とを有し、
連続的に輝尽性蛍光体シート封止体を製造することを特徴とする輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【請求項2】
前記第1供給工程は第1封止部材がロール状で装着され繰り出される装置を有することを特徴とする請求項1に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【請求項3】
前記第2供給工程は第2封止部材がロール状で装着され繰り出される装置を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【請求項4】
前記成形工程は底部の面積が異なる大きさ又は同じ大きさの凹型収納部を第1封止部材に連続して成形することを可能とする装置を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【請求項5】
前記成形工程は熱成形装置を有していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【請求項6】
前記断裁工程は帯状輝尽性蛍光体シート封止体の長手方向に断裁する断裁装置と、幅手方向に断裁する断裁装置とを有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体製造装置。
【請求項7】
可撓性支持体上に輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートを減圧条件下で第1封止部材と第2封止部材を接着し封止して、輝尽性蛍光体シート封止体とする輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法において、
前記第1封止部材は、前記輝尽性蛍光体シートを収納する、開口部を有する底部と、前記底部の周辺から立ち上がる4側壁と、フランジ部とを有する凹型収納部を少なくとも1つ有し、
前記凹型収納部へ前記輝尽性蛍光体シートを装填し、
前記第2封止部材で前記開口部を接着し封止し、帯状輝尽性蛍光体シート封止体とした後、
前記帯状輝尽性蛍光体シート封止体を断裁し個別の輝尽性蛍光体シート封止体とすることを特徴とする輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【請求項8】
前記凹型収納部は、第1封止部材をロール状で供給し、次いで繰り出し、連続的に成形することを特徴とする請求項7に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【請求項9】
前記第2封止部材はロール状で供給され、凹型収納部の開口部の封止速度に合わせ繰り出されることを特徴とする請求項7又は8に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【請求項10】
前記開口部の第2封止部材による封止が、熱溶着で行われることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【請求項11】
前記凹型収納部は熱成形法で作製されていることを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。
【請求項12】
前記帯状輝尽性蛍光体シート封止体の断裁は、長手方向に断裁する断裁装置と、幅手方向に断裁する断裁装置とにより行われることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の輝尽性蛍光体シート封止体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−85750(P2007−85750A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271733(P2005−271733)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】