説明

輪ゴム鉄砲の命中精度向上装置

【課題】輪ゴム鉄砲に輪ゴムを装填し、そして発射したとき、左右ゴム張力の誤差と輪ゴムの張力方向と進行方向の角度誤差による命中精度の悪さを改善し、輪ゴム鉄砲を実用的で有用な道具に改良する。
【解決手段】ゴム鉄砲銃身3の先端に輪ゴムの引っ掛け具である張力バランスローラー1によって、左右のゴム張力の均衡を取りながら輪ゴムを装填する事により、輪ゴムを発射した時、左右方向の進行を安定させる。又、ゴム張力バランスローラー1の後方に水平棒2を取り付け、発射された輪ゴムのゴム張力方向と進行方向を一致させる事で上下方向の進行を安定させる。張力バランスローラー1と水平棒2を取り付ける事により、発射された輪ゴムの上下左右方向の進行を安定させて命中精度を向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の輪ゴム鉄砲は、輪ゴムの装填と発射がゴムの不安定さと輪ゴム鉄砲の構造的理由から命中精度が悪く、威力が弱い、等の欠点を持っている。そこで、左右方向の不安定を張力バランスローラーによって、又、上下方向の不安定を水平棒によって改善し、装填された輪ゴムが発射されるとき、進行方向を安定させて命中精度を向上させることが出来る。
【背景技術】
【0002】
子供の頃、割り箸や簡単な材料を使って輪ゴム鉄砲を作り遊んだ経験がある。現在色々な種類の物が作られている。その構造は鉄砲銃身先端へ輪ゴムを掛けて後ろへ引っ張り引き金の上の発射具に掛け、この発射具を「傾ける」「引っ込める」「回転させる」等の方法で引っ掛かりを外す事で輪ゴムを発射する。しかし、安定した装填、発射は難しく輪ゴムの進行方向は定まらず命中精度が悪く、威力も弱い。
【発明の開示】

【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
実際の鉄砲は火薬の爆発力、又は、空気圧力の作用方向と弾丸の進行方向は完全に一致しているのに比べ、輪ゴム鉄砲の構造は、鉄砲先端の輪ゴムを引っ掛ける位置が輪ゴムの進行方向線の下になる。すなわち輪ゴムの進行方向は銃身上の面に沿って進行するが、ゴム張力は発射具と輪ゴム引っ掛け具を結ぶ線にかかり銃身上面線より下に角度誤差となり、輪ゴムと銃身上面の摩擦により上下方向が不安定となる。又、輪ゴムを左右の張力誤差が無い状態で掛ける事は難しく、輪ゴム発射の左右方向が不安定となり左右どちらかへ曲がってしまう。等その性能が不安定な為、歴史のある身近な道具だが、現在においても有用な実用品は存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、輪ゴム鉄砲の命中精度と性能を高める為のものである。この輪ゴム鉄砲の構造は、銃身3先端にマイクロベアリング4を仕込んだ張力バランスローラー1を垂直に取り付け、この張力バランスローラー1に輪ゴム8を掛けて、引き金上の発射具まで引っ張って掛ける。このとき左右の輪ゴム張力に差が有れば張力の強い方へ張力バランスローラー1が回転することにより左右張力のバランスを均衡させて左右方向の輪ゴム進行を安定させる。しかし、ゴム張力バランスローラー1を、その上面が発射時の輪ゴム進行線である銃身3上面の延長線より低い位置、すなわち輪ゴム進行の邪魔にならないように取り付ける。そのため輪ゴムの掛かる位置は輪ゴムの進行線の下になり、進行方向とゴム張力が作用する方向に角度誤差が生じる。これを補正するため張力バランスローラー1の後方の位置に水平にピン7を取り付け、このピン7に円筒状ローラー6を差し込んだ回転可能な水平棒2を取り付ける。このピンの上下位置は、円筒状ローラー6の円周面の上が銃身3上面と一致する位置に取り付ける。張力バランスローラー1に掛けた左右の輪ゴム8の内面が上になるように水平棒2に乗せながら後方に引っ張り、引き金上の発射具へ掛け、引き金を引いて輪ゴム8を発射することにより、張力は発射具と水平棒2の上面を結ぶ線にかかりまた輪ゴム8の進行方向もこの線と一致させることが出来る。張力バランスローラー1と水平棒2の組み合わせにより命中精度を向上させる事が出来る。又、使用する輪ゴムを断面が、厚さ1mm、切幅6mmの長方形で、折長さは100〜150mmの物を使用した場合、かなりの威力となり、命中精度と威力を備えた輪ゴム鉄砲とすることが出来る。
【発明の効果】
【0005】
このようにすれば、標的として3m程度離れた位置に置いたマッチ箱を正確に勢い良く跳ね飛ばす事が可能となる命中精度と威力を兼ね備えた輪ゴム鉄砲が出来上がり、その可能性を広げる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明は、輪ゴム鉄砲の命中精度と威力を高めた事により、害虫駆除、害獣害鳥威嚇、遊具としての標的射撃、等その使用範囲を広める事が出来る。威力を高めたとは言え所詮輪ゴムの事で、人に当たった場合、目に当たれば涙目になる程度のダメージは有るが、弾丸を使った銃とは違い怪我をするほどの事は無く、動物や鳥にもダメージを与えることは無いが、威嚇し追い払う事が出来る。しかし、約3m以内のゴキブリ、ムカデ、クモ、ハエ、蚊、蜂、蛾、などの害虫は仕留める事が出来、ゴキブリ駆除に殺虫剤スプレーや粘着シート等が広く使われているが、化学薬品、紙、粘着財、を使わずに環境破壊が無く、狩猟本能を楽しみながら人畜無害の害虫駆除具、又、害獣害鳥追い払い具とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】輪ゴム鉄砲先端の張力バランスローラーと水平棒の上面図である。
【図2】輪ゴム鉄砲先端の張力バランスローラーと水平棒の側面図である。
【図3】張力バランスローラーと水平棒に輪ゴムを装填した上面図である。
【図4】張力バランスローラーと水平棒に輪ゴムを装填した側面図である。
【符号の説明】
【0008】
1 張力バランスローラー
2 水平棒
3 銃身
4 マイクロベアリング
5 取り付けボルト
6 ローラー
7 ピン
8 輪ゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪ゴム鉄砲銃身先端に、装填された輪ゴムの左右張力の均衡を取って、発射された輪ゴムの左右方向の進行を安定させる目的の張力バランスローラーを輪ゴムの引っ掛け具として取り付ける。又、張力バランスローラーの後方に、発射された輪ゴムの張力方向と進行方向を一致させて輪ゴムの上下の進行方向を安定させる目的の水平棒を取り付ける。このように、張力バランスローラーと水平棒を組み合わせた装置を、輪ゴム鉄砲の命中精度向上装置として取り付ける。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−302178(P2008−302178A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177783(P2007−177783)
【出願日】平成19年6月9日(2007.6.9)
【出願人】(304004258)
【Fターム(参考)】