説明

輪書システムおよび輪書プログラム

【課題】各執筆者間でのリレー動作に係る制御を行い、輪書小説の執筆を可能とする輪書システムを提供する。
【解決手段】複数の執筆者が輪書小説を執筆するための輪書システム1であって、設定された執筆条件を輪書設定24に登録して執筆参加者を募り、設定された執筆順序を輪書執筆者25に登録する輪書設定部15と、輪書執筆者25に登録された内容に従って執筆順序を管理し、執筆権限の付与状況を輪書制御情報26に保持して執筆権限の付与を制御する輪書制御部16と、執筆権限を付与された執筆者が輪書小説のパートを執筆するためのインタフェースを提供し、執筆された文章の投稿を受け付けて投稿文章23に記録する投稿部14と、閲覧者が閲覧する輪書小説を選択するためのインタフェースを提供し、選択された輪書小説について、投稿文章23に記録された各執筆者によって執筆投稿されたパートを一つの小説として整形して表示する閲覧部13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン小説を作成・閲覧するためのシステムの技術に関し、特に、各執筆者の執筆順序の管理や執筆権限の付与・移動などのリレー動作に係る制御を行って、いわゆるリレー小説形式のオンライン小説を執筆するための輪書システムおよび輪書プログラムに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、インターネットの普及に伴い、一般のユーザが情報を自由に発信することができる様々な仕組みが提供されている。この中には、例えば、ユーザがPC(Personal Computer)や携帯電話等を利用して執筆した小説をWebサイトやサーバ等に登録して公開し、他のユーザが閲覧可能とするいわゆるオンライン小説といった形態がある。
【0003】
また、このオンライン小説の一形態として、一人の執筆者が小説の全てを執筆するのではなく、複数の執筆者が小説の一部のパートを執筆し、これらをリレー形式でつなげて完結した小説とするいわゆるリレー小説という形態がとられる場合もある。リレー小説の場合、それぞれのパートを原則として異なる執筆者が執筆するため、予測できないストーリー展開など斬新な内容の小説が生み出される場合があり、コンテンツとしては魅力的なものとなり得る。
【0004】
リレー小説は、主にインターネット上のいわゆる掲示板サービスや、SNS(Social Networking Service)サービスのコミュニティなど、複数のユーザが情報を記載・登録して発信することができるシステムを利用して実現されている。掲示板サービスでは、汎用的な掲示板サービスを利用する場合に加えて、リレー小説における各パートの内容を執筆・登録したり、複数のユーザによって執筆された内容を整形して表示したりなどのインタフェースを提供する専用の掲示板サービスやプログラム(例えば、非特許文献1や非特許文献2など)が用いられる場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“リレー小説掲示板『ElDorado』”、[online]、ElDorado Project、[平成22年4月5日検索]、インターネット<URL:http://eldorado1st.cool.ne.jp/novelbbs/relay_novel/>
【非特許文献2】Terra、“リレー小説Web文庫スクリプト”、[online]、[平成22年4月5日検索]、インターネット<URL:http://www.tryhp.net/webbooks.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような、掲示板サービスやSNSサービスを利用したリレー小説では、リレー小説への参加を希望する各執筆者が自身のパートを執筆して登録することが可能である。また、ユーザが、複数の執筆者によって執筆されたリレー小説を整形された形で閲覧することも可能である。
【0007】
しかしながら、これらのサービスを利用したリレー小説では、各執筆者の執筆順序の管理や、執筆権限の付与・移動といったリレー動作に係る制御は、主に管理人や当該リレー小説の発起人などによる手動での管理に依存しているのが現状である。このため発起人等の管理負担や各執筆者の処理負担は大きく、リレー小説の発起や執筆への参加を活性化させ、リレー小説サービスやサイトへの来訪者を増大させることは容易ではない。
【0008】
そこで本発明の目的は、各執筆者間でのリレー動作に係る制御を行い、執筆者が設定された順序に従って輪番で小説の一部のパートを執筆すること(以下では「輪書」と記載する場合がある)によってリレー小説形式でのオンライン小説の執筆を可能とする輪書システムおよび輪書プログラムを提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0010】
本発明の代表的な実施の形態による輪書システムは、ネットワークを介して接続するクライアント端末を利用して、複数の執筆者が設定された順序に従って輪番で小説の一部のパートを執筆する輪書によって執筆されるオンライン小説である輪書小説を執筆するための輪書システムであって、以下の特徴を有するものである。
【0011】
すなわち、輪書システムは、輪書小説の発起人によって設定された執筆条件を輪書設定保持手段に登録して執筆参加者を募り、前記執筆参加者および前記発起人からなる執筆者について前記発起人によって設定された執筆順序を輪書執筆者保持手段に登録する輪書設定部と、前記輪書執筆者保持手段に登録された内容に従って、輪書の際の前記各執筆者の前記執筆順序を管理し、前記各執筆者に対する執筆権限の付与状況を輪書制御情報保持手段に保持して前記執筆権限の付与を制御する輪書制御部とを有する。
【0012】
また、前記輪書制御部により前記執筆権限を付与された前記執筆者がクライアント端末を介して前記輪書小説のパートを執筆するためのインタフェースを提供し、前記執筆者によって執筆された文章の投稿を受け付けて投稿文章保持手段に記録する投稿部と、閲覧者がクライアント端末を介して閲覧する輪書小説を選択するためのインタフェースを提供し、前記閲覧者によって選択された前記輪書小説について、前記投稿文章保持手段に記録された、各執筆者によって執筆および投稿されたパートを一つの小説として整形して、前記閲覧者のクライアント端末上に表示する閲覧部とを有することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の代表的な実施の形態による輪書プログラムは、ネットワークを介して接続するクライアント端末を利用して、複数の執筆者が設定された順序に従って輪番で小説の一部のパートを執筆する輪書によって執筆されるオンライン小説である輪書小説を執筆するための輪書システムとしてコンピュータを動作させる輪書プログラムであって、以下の特徴を有するものである。
【0014】
すなわち、輪書プログラムは、輪書小説の発起人による執筆条件の設定を受けて執筆参加者を募るステップと、前記輪書小説に参加する前記執筆参加者を受け付けるステップと、前記執筆参加者および前記発起人からなる執筆者について執筆順序を設定して輪書執筆者保持手段に登録し、前記執筆順序に従って次順もしくは最初の前記執筆者に対して執筆権限を付与して輪書制御情報保持手段に保持するステップと、前記執筆権限を付与された前記執筆者がクライアント端末を介して執筆した前記輪書小説のパートの投稿を受け付けて投稿文章保持手段に記録するステップと、前記輪書小説が完結したか否かを判定するステップと、前記輪書小説が完結していない場合に、前記執筆順序における次順の前記執筆者に対して前記執筆権限を付与するステップとを実行することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0016】
本発明の代表的な実施の形態によれば、各執筆者間でのリレー動作に係る制御を行い、輪書によりリレー小説形式でのオンライン小説を容易に執筆することを可能とする輪書システムおよび輪書プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態である輪書システムの構成例の概要について示した図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるユーザ情報のデータ構成の例について示した図である。
【図3】本発明の一実施の形態における評価情報のデータ構成の例について示した図である。
【図4】本発明の一実施の形態における投稿文章のデータ構成の例について示した図である。
【図5】本発明の一実施の形態における輪書設定のデータ構成の例について示した図である。
【図6】本発明の一実施の形態における輪書執筆者のデータ構成の例について示した図である。
【図7】本発明の一実施の形態における輪書制御のデータ構成の例について示した図である。
【図8】(a)〜(e)は、本発明の一実施の形態における輪書によって執筆された小説を閲覧する際に輪書システムによって表示される画面の例を示した図である。
【図9】本発明の一実施の形態における輪書により執筆を行う際の処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の一実施の形態における輪書小説を新たに発起する際に表示される画面の例を示した図である。
【図11】(a)〜(f)は、本発明の一実施の形態における輪書小説への執筆の参加申し込みを行う際に表示される画面の例を示した図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態における執筆者の取捨選択および執筆順序の設定を行う際に表示される画面の例を示した図である。
【図13】(a)〜(e)は、本発明の一実施の形態における輪書小説のパートの執筆を行う際に表示される画面の例を示した図である。
【図14】(a)〜(d)は、本発明の一実施の形態における執筆者が文章に挿絵の挿入を行う際に表示される画面の例を示した図である。
【図15】本発明の一実施の形態における輪書サイトと他の外部Webサイトとの連携の例について概要を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
本発明の一実施の形態である輪書システムは、ネットワークを介して複数の執筆者による輪書によって執筆されるオンライン小説(以下では「輪書小説」と記載する場合がある)を執筆するためのシステムであり、基本的な機能として、輪書小説の発起人が執筆参加者を募り、執筆参加者から執筆者を取捨選択してその執筆順序を設定する輪書設定機能と、執筆順序を管理し、各執筆者に対する執筆権限の付与・移動を自動的に制御する輪書制御機能と、各執筆者による小説のパートの執筆およびその投稿を管理する投稿機能と、執筆・投稿された小説を整形してユーザに閲覧させる閲覧機能とを有する。
【0020】
<システム構成>
以下では、本発明の一実施の形態である輪書システムのシステム構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態である輪書システムの構成例の概要について示した図である。輪書システム1は、例えば、コンピュータシステムからなるサーバ機器によって構成され、インターネット等のネットワーク2を介して、ユーザ(小説の執筆者および閲覧者)がクライアント端末4を利用して接続可能な構成となっている。クライアント端末4は、例えばPCや携帯電話などであり、Webブラウザ等のソフトウェアプログラムによりネットワーク2を介して輪書システム1や外部Webサイト3にアクセスすることが可能な情報処理端末である。
【0021】
輪書システム1は、例えば、ソフトウェアプログラムによって実装される基盤部11、認証部12、閲覧部13、投稿部14、輪書設定部15、および輪書制御部16の各部と、データベースやファイルテーブルなどによって構成されるユーザ情報21、評価情報22、投稿文章23、輪書設定24、輪書執筆者25、および輪書制御情報26の各テーブルを有する。
【0022】
基盤部11は、OS(Operating System)や、データベース管理プログラム、Webサーバプログラムなどのミドルウェア等からなり、輪書システム1における基盤機能を提供する。例えば、ユーザは、クライアント端末4上のWebブラウザ等を利用して基盤部11のWebサーバプログラムを介して輪書システム1が提供するWebサイトにアクセスし、Webアプリケーションとして実装された後述する各部の機能を利用して、輪書小説を執筆したり、執筆された輪書小説を閲覧したりといった処理を行う。
【0023】
認証部12は、ユーザ情報21に登録された情報に基づいて、例えばユーザID/パスワードなどにより、クライアント端末4を介してアクセスしてきたユーザが、輪書小説を執筆することが可能なユーザ(会員)であるか否かのユーザ認証を行う。執筆者だけでなく、小説を閲覧するユーザについてもユーザ認証を要求するようにしてもよい。また、認証部12は、新規に会員となるユーザの情報をユーザ情報21に登録したり、既存の会員であるユーザの情報を更新したりする機能を有していてもよい。
【0024】
閲覧部13は、ユーザが閲覧する輪書小説を選択するインタフェースを提供するとともに、選択された輪書小説について、投稿文章23に記録された各執筆者によって執筆・投稿されたパートを一つの小説として整形してクライアント端末4上に表示して閲覧させる処理を行う。このとき、クライアント端末4における閲覧画面上に、予め輪書システム1が保持する図示しない広告情報から広告を取得して表示させてもよい。またこのとき、小説のジャンルや想定読者年齢などの属性、小説の題名や内容から抽出したキーワードなどに基づいていわゆるターゲット広告を表示するようにしてもよい。
【0025】
なお、広告情報に保持する広告は、閲覧部13がクライアント端末4上に表示する画面(小説の閲覧画面)に限らず、他の各部が表示する画面(各種設定画面など)に表示させるようしてもよい。これらの広告のデータは、管理者等が予め手動で広告情報として登録したり、輪書システム1が外部のシステム等から定期的に取得して登録したりなどによりメンテナンスされる。
【0026】
また、閲覧部13は、例えば、ユーザが閲覧した小説についてパート毎に評価点を入力させ、ユーザにより入力された評価点を対応するパートと関連付けて評価情報22に保持する。この評価点の合計を、小説毎やパート毎、執筆者毎などに集計して順位付けし、その結果(ランキング)をクライアント端末4に表示することで、ユーザが閲覧する輪書小説を選択する際の参照情報とすることができる。
【0027】
投稿部14は、後述する輪書制御部16によって執筆権限を付与されたユーザ(執筆者)がクライアント端末4を介して輪書小説のパートを執筆するための手段(インタフェース)を提供するとともに、執筆された文章の投稿を受け付けて投稿文章23に記録する処理を行う。
【0028】
なお、上記の認証部12、閲覧部13、投稿部14による処理は、機能的には一般的なSNSサービス等におけるコメントの閲覧・投稿に係る処理と類似しており、例えば、これらのサービスの提供を実現するソフトウェアプログラムをベースとして利用して構築することも可能である。
【0029】
輪書設定部15は、輪書小説の発起人が執筆条件を設定して執筆参加者を募り、執筆参加者から執筆者を取捨選択してその執筆順序を設定する処理を行う。設定された執筆条件の情報は輪書設定24に登録し、執筆参加者や、選択された執筆者の執筆順序等の設定情報は輪書執筆者25に登録する。なお、発起人によって最初に設定された執筆者や執筆順序の設定情報は、発起人が輪書による執筆の継続中に随時変更可能としてもよい。
【0030】
輪書制御部16は、輪書執筆者25に登録された執筆順序の設定内容および輪書制御情報26に保持する現在の執筆権限の付与状況の内容に従って、輪書の際の各執筆者の執筆順序を管理し、各執筆者に対する執筆権限の付与・移動を自動的に制御する処理を行う。ここでは、各執筆者の執筆開始と終了を管理し、執筆者が執筆を終了した場合に次順の執筆者に執筆権限を自動的に移動する。このとき例えば、ユーザ情報21から次順の執筆者(ユーザ)の電子メールアドレスを取得して、当該ユーザに執筆権限が付与された(執筆順序が回ってきた)旨を電子メールにより通知する。
【0031】
本実施の形態の輪書システム1では、例えばユーザが他のユーザを会員として紹介したり、小説を執筆したりなどの行為に対して対象ユーザにポイント付与し、各ユーザが保有するポイントの情報をユーザ情報21に保持するようにしてもよい。このとき、ユーザが保有するポイントは、各種有料サービス(例えば、執筆する小説に対する挿絵の挿入など)を利用する際に支払う料金の代替にできるようにしてもよい。なお、輪書システム1は、ユーザが各種有料サービスを利用する際の料金の決済を行うための図示しない決済手段(例えば、クレジットカードやプリペイド式の電子マネー等による決済を受け付けて実行する手段)を有する、もしくは外部のこれらの決済手段と連携可能としてもよい。
【0032】
<データ構成>
以下では、輪書システム1が保持するデータベース等のデータ構成について説明する。図2は、ユーザ情報21のデータ構成の例について示した図である。ユーザ情報21は、輪書システム1が提供する輪書に係るサービス(輪書小説の執筆もしくは閲覧)を利用可能なユーザ(会員)の情報を保持するテーブルであり、例えば、会員ID、ニックネーム、認証情報、電子メールアドレス、年齢、性別、保有ポイントなどの各項目を有する。キー項目は会員IDである。
【0033】
会員IDおよびニックネームの項目は、認証部12によって割り振られた、会員であるユーザを一意に識別するIDの情報および当該ユーザによって設定された表示上のニックネームの情報を保持する。認証情報の項目は、認証部12におけるユーザ認証時に照合する認証情報(例えばパスワード等)に係る情報を保持する。電子メールアドレスの項目は、輪書システム1から当該ユーザへの通知の宛先となる電子メールアドレスの情報を保持する。年齢および性別の項目は、当該ユーザ(特に輪書小説の執筆者となるユーザ)の属性情報を保持する。出身地など他の属性情報を保持してもよい。保有ポイントの項目は、当該ユーザが現在保有するポイント数の情報を保持する。
【0034】
図3は、評価情報22のデータ構成の例について示した図である。評価情報22は、輪書小説を閲覧したユーザによってパート毎に入力された評価点の情報を保持するテーブルであり、例えば、輪書小説ID、パート番号、閲覧者ID、評価点などの各項目を有する。キー項目は輪書小説ID、パート番号および閲覧者IDの複合キーである。
【0035】
輪書小説IDの項目は、評価の対象の輪書小説を特定するIDの情報を保持する。この輪書小説IDは、後述する輪書設定24における輪書小説IDと同様のものである。パート番号の項目は、輪書小説における評価の対象のパートを特定する順序番号の情報を保持する。このパート番号は、後述する投稿文章23におけるパート番号と同様のものである。閲覧者IDの項目は、評価を行ったユーザ(閲覧者)の会員IDの情報を保持する。評価点の項目は、対象の輪書小説のパートに対して対象の閲覧者が付した評価点の情報を保持する。
【0036】
図4は、投稿文章23のデータ構成の例について示した図である。投稿文章23は、各執筆者によって執筆・投稿された輪書小説のパートの内容を保持するテーブルであり、例えば、輪書小説ID、パート番号、執筆者ID、執筆文章、挿絵ID、追記文字、追記文字色、追記文字背景色、完了フラグなどの各項目を有する。キー項目は輪書小説IDおよびパート番号の複合キーである。
【0037】
輪書小説IDの項目は、図3の評価情報22の場合と同様に評価の対象の輪書小説を特定するIDの情報を保持する。パート番号の項目は、対象の輪書小説内で各執筆者によって投稿されたパートを識別する番号の情報を保持する。このパート番号は、執筆者によって対象のパートが投稿される際に投稿部14によって順に採番される。執筆文章の項目は、執筆者によって執筆された文章のテキスト情報を保持する。
【0038】
挿絵IDの項目は、後述するように執筆者が執筆文章に挿絵を挿入した場合に、挿入された挿絵データを特定するIDの情報を保持する。追記文字、追記文字色、追記文字背景色の項目は、執筆者が挿入する挿絵に文字を追記した場合に、その文字内容と、指定された文字色および背景色の情報をそれぞれ保持する。完了フラグは、対象のパートの執筆が完了しているか否かを示すフラグの情報を保持する。
【0039】
図5は、輪書設定24のデータ構成の例について示した図である。輪書設定24は、各輪書小説について発起人によって設定された執筆条件を含む基本情報を保持するテーブルであり、例えば、輪書小説ID、発起人ID、題名、ジャンル、想定読者年齢、参加者募集開始日、参加者募集期限、途中参加可否、執筆猶予期間、挿絵グループ1〜3、書き出し文章などの各項目を有する。キー項目は輪書小説IDである。
【0040】
輪書小説IDの項目は、対象の輪書小説を一意に特定するIDの情報を保持する。この輪書小説IDは、発起人が輪書小説を発起した際に輪書設定部15によって割り振られる。発起人IDは、対象の輪書小説を発起したユーザ(発起人)の会員IDの情報を保持する。題名、ジャンルおよび想定読者年齢の項目は、それぞれ、対象の輪書小説について発起人が設定した題名(タイトル)、ジャンルおよび想定する読者の年齢層といった属性情報を保持する。他の属性情報を保持してもよい。
【0041】
参加募集開始日および参加募集期限の項目は、それぞれ、対象の輪書小説について執筆参加者を募集する期間の始期および終期の情報を保持する。途中参加可否の項目は、対象の輪書小説について輪書による執筆を開始した後も執筆参加者の受け付けを許容するか否かの情報を保持する。執筆猶予期間の項目は、各執筆者が執筆権限を付与されてから執筆・投稿を完了するまでの猶予期間の情報を保持する。
【0042】
挿絵グループ1〜3の項目は、各執筆者がそれぞれのパートに挿入することができる(発起人が挿入を許可する)挿絵のグループ(カテゴリ)の情報を登録する。図5の例では3つのグループを指定可能な場合を示している。書き出し文章は、執筆参加者を募集する際に参考情報として提示するため、発起人が執筆した対象の輪書小説の書き出し部分(第1話)の内容の情報を保持する。さらに図4の例と同様に、書き出し部分に対する挿絵についての情報を保持するようにしてもよい。また、書き出し部分についての情報を輪書設定24ではなく、他のパートと同様に投稿文章23に保持するようにしてもよい。
【0043】
図6は、輪書執筆者25のデータ構成の例について示した図である。輪書執筆者25は、各輪書小説に対する執筆参加者の情報を保持するテーブルであり、例えば、輪書小説ID、執筆参加者ID、自己PR、執筆順序などの各項目を有する。キー項目は輪書小説IDおよび執筆参加者IDの複合キーである。
【0044】
輪書小説IDの項目は、図3の評価情報22の場合と同様に対象の輪書小説を特定するIDの情報を保持する。執筆参加者IDの項目は、対象の輪書小説に執筆の参加を申し込んだユーザ(会員)の会員IDの情報を保持する。自己PRの項目は、対象の執筆参加者が参加を申し込む際に記載した自己PRのテキスト情報を保持する。執筆順序の項目は、対象の執筆参加者に対して発起人が指定した執筆順序の情報を保持する。執筆順序が指定されている執筆参加者は、発起人によって執筆者として選択されたユーザであり、執筆順序が指定されていない執筆参加者は執筆者として選択されなかったユーザであることを示す。
【0045】
図7は、輪書制御情報26のデータ構成の例について示した図である。輪書制御情報26は、各輪書小説について現在の執筆権限の付与状況を保持するテーブルであり、例えば、輪書小説ID、現執筆者ID、現執筆期間開始日、現執筆期間終了日、次執筆者ID、次執筆期間開始日、次執筆期間終了日などの各項目を有する。キー項目は輪書小説IDである。
【0046】
輪書小説IDの項目は、図3の評価情報22の場合と同様に対象の輪書小説を特定するIDの情報を保持する。現執筆者IDの項目は、対象の輪書小説について現在執筆権限が付与されているユーザ(執筆者)の会員IDの情報を保持する。現執筆期間開始日および現執筆期間終了日の項目は、それぞれ、現在執筆権限が付与されている執筆者の執筆可能期間の始期および終期の情報を保持する。次執筆者ID、次執筆期間開始日および次執筆期間終了日の項目は、それぞれ、次順の執筆者の会員ID、執筆可能期間の始期および終期の情報をそれぞれ保持する。
【0047】
なお、上述の図2〜図7で示した各テーブルのデータ構成(項目)はあくまで一例であり、同様のデータを保持・管理することが可能な構成であれば、他のテーブル構成やデータ構成であってもよい。
【0048】
<処理内容>
以下では、輪書システム1における処理の具体的な内容について説明する。図8は、ユーザがクライアント端末4を利用して輪書小説を閲覧する際に輪書システム1によって表示される画面の例を示した図である。なお図8以降の各図では、クライアント端末4として携帯電話等の携帯端末を利用する場合を想定している。
【0049】
例えば、図8(a)は、輪書小説(タイトル「野球の王子様」)の第1話を閲覧する画面の例を示している。閲覧部13によって、投稿文章23から取得した第1話の内容とともに、画面下部に当該パート(第1話)の投稿日と執筆者(発起人「たくや」)の情報が表示される。さらに、広告スペースに広告情報から取得した広告の内容が表示される。また、画面中段には、当該パートについての評価点(「感想ポイント」)をユーザ(閲覧者)が入力するための手段が表示される。
【0050】
ここで例えば、「続きを読む」のリンクを選択すると、第2話を閲覧する図8(b)の画面に遷移する。ここでは、執筆者が次順の「太郎」となっている。以下同様の処理により、ユーザは第3話以降を順次閲覧することができる。目次等の画面から各パートを閲覧する画面に直接遷移できるようにしてもよい。なお、本実施の形態では、各執筆者が輪番で執筆する輪書により小説を執筆するため、例えば図8(e)に示すように、執筆者が一巡すると第1話の執筆者(「たくや」)に執筆順序が戻り、以降同様の執筆順序で輪書を行う制御となる。
【0051】
図9は、輪書システム1において輪書により執筆を行う際の処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。まず、輪書小説の発起人であるユーザ(会員)が、クライアント端末4から輪書システム1の輪書設定部15にアクセスして所望の輪書小説を新たに発起登録する(S01)。ここでは、輪書設定部15が発起人から輪書小説のタイトル等を含む各種執筆条件の入力を受けて輪書設定24に登録する。これにより、一般のユーザ(会員)は、輪書システム1が提供するWebサイト(以下では「輪書サイト」と記載する場合がある)において、当該輪書小説が執筆参加者を募集中であることを知ることができる。発起人や他の執筆者からの案内の電子メール(輪書サイトへのリンクなどを含む)を介してユーザに通知する形式であってもよい。
【0052】
次に、ユーザ(会員)は、輪書サイトにおいて参加募集中の輪書小説に対して執筆参加の申し込みを行う。輪書設定部15は、執筆参加の申し込みを受け付けて、輪書執筆者25に執筆参加者を登録する(S02)。なお、この申し込みは、発起人がステップS01において指定して輪書設定24に登録された参加者の募集期間の間のみ受け付けることができるものとする。発起人が許可する場合は、輪書による執筆の開始後の途中参加を受け付けるようにしてもよい。
【0053】
参加者が受け付けられると、発起人は、輪書設定部15にアクセスして、輪書執筆者25に登録された執筆参加者の中から執筆者の取捨選択を行い、選択した執筆者に対して執筆順序を設定する(S03)。設定した執筆順序の情報は輪書執筆者25に登録される。執筆順序が設定されると、輪書制御部16は、執筆順序に従って次順(もしくは最初)の執筆者に執筆権限を付与することによって輪書を開始する。執筆権限の付与状況は輪書制御情報26に記録する。執筆権限の付与の通知は、上述したように例えば輪書制御部16によって作成・送信された電子メールによって行う。なお、執筆順序の設定と輪書の開始は、執筆参加者の募集期間の経過前であっても行うことができる。また、執筆者の取捨選択や執筆順序の設定は、輪書による執筆の開始後についても発起人が随時行うことができる。
【0054】
各執筆者は、執筆権限を付与されると、クライアント端末4から投稿部14にアクセスして、執筆可能期間内に自身のパートを執筆して投稿する(S04)。輪書制御情報26に保持する執筆可能期間内に現在の執筆者が執筆を完了して投稿しなかった場合は、輪書制御部16によって執筆権限を強制的に次順の執筆者に付与するようにしてもよい。執筆者によって投稿されたパートは投稿文章23に登録される。
【0055】
執筆者により投稿が行われると、輪書制御部16は、当該輪書小説が完結したか否かを判定する(S05)。完結の判定には種々の条件を使用することができる。例えば、投稿の都度発起人が完結を手動で判定するようにしてもよいし、完結までの話数や完結させる執筆者などの情報を予め輪書設定24に設定しておくようにしてもよい。輪書小説が完結していないと判定した場合は、輪書制御部16は、執筆権限を次順の執筆者に付与して移動させる(S06)。一方、完結したと判定した場合は、輪書による執筆を終了する。
【0056】
図10は、図9のステップS01において、発起人がクライアント端末4を利用して輪書小説を新たに発起する際に輪書システム1によって表示される画面の例を示した図である。図10(a)は、例えば輪書システム1の閲覧部13等が提供する輪書サイトの画面(トップ画面)の例を示している。ユーザは、この画面から、例えば「小説を読む」欄の各検索手段を選択して所望の輪書小説を検索し、図8に示すような画面で閲覧することが可能である。
【0057】
ここで、例えば、「小説を書く」欄の「発起人になる」のリンクを選択することにより、図10(b)に示すようなログイン画面に遷移する。この画面で入力されたIDおよびパスワードにより認証部12において執筆可能な会員であるか否かのユーザ認証が行われ、認証が許可された場合は図10(c)に示すような執筆者用のメニュー画面に遷移する。ここで「発起人になる」のリンクを選択すると、図10(d)に示すような発起登録画面に遷移する。この画面で輪書小説のタイトルやジャンル等の執筆条件を入力する。また、発起人が輪書小説の書き出し部分(第1話)を入力できるようにしてもよい。ここで「発起する」ボタンを押下すると、入力した執筆条件の内容が輪書設定部15により輪書設定24に登録され、輪書小説の発起が完了する。
【0058】
図11は、図9のステップS02において、ユーザがクライアント端末4を利用して輪書小説への執筆の参加申し込みを行う際に輪書システム1によって表示される画面の例を示した図である。図11(a)の輪書サイトのトップ画面において、例えば、「仲間に入れてもらう」のリンクを選択することにより、図11(b)に示すようなログイン画面に遷移する。ここで、図10の例の場合と同様に、当該ユーザが執筆可能な会員であるか否かのユーザ認証が行われ、認証が許可された場合は図11(c)の執筆者用のメニュー画面に遷移する。
【0059】
この画面で、例えば、「仲間に入れてもらう」欄の「ジャンルから探す」のリンクを選択し、所望のジャンルを指定することにより、図11(d)に示すような、参加者の募集期間内である輪書小説のリストを表示する画面に遷移する。ここで参加を希望する輪書小説のリンクを選択すると、図11(e)に示すような募集案内の画面に遷移する。この画面では、ユーザが執筆に参加するか否かを判断するための参照情報として、小説の書き出し(第1話)の内容や、各種執筆条件の内容などを提示する。
【0060】
ここで、当該輪書小説の執筆に参加する場合は、例えば、「参加申し込みする」のリンクを選択することで、図11(f)に示すような申し込み画面に遷移する。この画面でユーザは、例えば、自己PRなどを入力して「参加を申し込む」ボタンを押下する。これにより、輪書設定部15は、当該ユーザを執筆参加者として輪書執筆者25に登録する。
【0061】
図12は、図9のステップS03において、発起人がクライアント端末4を利用して執筆者の取捨選択および執筆順序の設定を行う際に輪書システム1によって表示される画面の例を示した図である。図12(a)は、輪書システム1が提供する輪書サイトにおけるユーザ専用画面(「マイページ」)の例を示している。この画面では、輪書システム1にログインしているユーザに関連する情報を絞り込んで表示することが可能であり、図12の例では、ユーザが発起人であり、現在執筆参加者を募集している小説(「募集中の小説」欄)および現在輪書に参加している小説(「参加中の小説」欄)を表示している。
【0062】
ここで例えば「募集中の小説」欄の輪書小説(例えば「野球の王子様」)を選択すると、図12(b)に示すような発起管理画面に遷移する。この画面では、これまでに図9のステップS02において参加の申し込みを受け付けた執筆参加者のリスト(図12の例では「太郎」、「次郎」、…)を表示する。発起人は、この情報に基づいて各執筆参加者に対して執筆順序を割り当てる。なお、例えば、執筆参加者に対して執筆順序を割り当てないことによって、当該執筆参加者を当該輪書小説における執筆者としない(執筆させない)ようにすることができる。また、発起人は、例えば図中の「執筆猶予期間」の指定手段によって、各執筆者が執筆権限を付与されてから執筆して投稿するまでの執筆可能期間を指定することができる。
【0063】
図12(b)の画面において、執筆順序等の指定を完了して「輪書スタート!」ボタンを押下すると、図12(c)に示すような、輪書を開始した旨を示す画面に遷移する。このとき、輪書制御部16は、輪書制御情報26を更新して次順の執筆者に執筆権限を移動し、その旨を電子メール等により当該執筆者に通知する。
【0064】
図13は、図9のステップS04において、各執筆者がクライアント端末4を利用して輪書小説のパートの執筆を行う際に輪書システム1によって表示される画面の例を示した図である。執筆権限を付与された旨の通知を受領したユーザ(執筆者)が、輪書サイトにおけるユーザ専用画面を参照すると、図13(a)に示すように、「参加中の小説」欄に、図12の例において自身が執筆者として選択され、輪書が開始された小説(例えば「野球の王子様」)が新たにリストされる。
【0065】
ここで対象の小説を選択すると、図13(b)に示すような執筆者管理画面に遷移する。この画面では、輪書執筆者25の内容に基づいて当該輪書小説における執筆順序が表示され、執筆者がこれを確認することができる。さらに、輪書制御情報26において現在の執筆権限が自身に付与されている場合は、例えば、執筆を行うためのボタン(「執筆する」ボタン)が表示される。執筆者が「執筆する」ボタンを押下すると、図13(c)に示すような執筆画面に遷移する。この画面では、例えば、投稿文章23に保持されている1話前の内容を参照しつつ、これに続く内容の文章を創作して入力(執筆)することができる。
【0066】
文章を入力する際、例えば、執筆者が文章の装飾として挿絵を挿入することができるようにしてもよい。図14は、執筆者が文章に挿絵の挿入を行う際に輪書システム1によって表示される画面の例を示した図である。執筆者が文章の入力中などに挿絵を挿入することを要求すると、図14(a)に示すような挿絵の選択画面に遷移する。
【0067】
この画面に表示される挿絵のリストは、輪書システム1に予め登録されている挿絵であり、図10(d)の画面に示すように、発起人が執筆条件において指定した挿絵グループ(ジャンル、カテゴリ)に属する挿絵である。すなわち、本実施の形態においては、輪書小説の品位の保持等を目的として、執筆者が自前の画像等を挿絵として挿入することを認めず、輪書システム1によって提供され、かつ発起人によって指定されたグループの挿絵の中から選択して挿入することのみ許可するものとする。
【0068】
挿入する挿絵を選択すると、図14(b)に示すような、挿絵に対して文字を追記して新たな挿絵とするための設定画面に遷移する。この画面では、例えば、選択した挿絵に対して追記する文字およびその位置と文字色、背景色などの設定を行うことができる。執筆者がこれらの設定を行い、「支払手続へ」ボタンを押下すると、図14(c)に示すような支払手続画面に遷移する。このように、挿絵の挿入を有料サービスとすることで、輪書システム1によって提供するサービスの収益に対する貢献を図ることも可能である。
【0069】
図14(c)において、執筆者が支払方法を選択して「OK」ボタンを押下すると、対応する決済手段によって決済処理が行われ、決済処理の完了によって、図14(d)に示すように、文字が追記された挿絵が執筆した文章に対して挿入される。なお、支払方法としては、執筆者が保有するポイントで支払うことも可能であるし、クレジットカードやプリペイド式の電子マネー等で支払うことも可能である。
【0070】
上記のような挿絵の挿入も含め、執筆者が文章の入力を完了し、図13(c)において「確認する」ボタンを押下すると、図13(d)に示すような確認画面に遷移する。この画面で執筆者が文章の内容を最終確認して「投稿する」ボタンを押下すると、図13(e)に示すような、執筆した文章が投稿された旨を示す画面に遷移する。このとき、投稿部14は、投稿された文章および挿絵に関する情報を投稿文章23に登録する。また輪書制御部16は、当該輪書小説が完結したか否かを判定し、完結していない場合は輪書制御情報26を更新して次順の執筆者に執筆権限を移動して、その旨を電子メール等により当該執筆者に通知する。
【0071】
以上のような処理により、各執筆者は、輪書によって小説のパートを順次執筆し、一つの輪書小説を作成することができる。なお、上述した例では、輪書システム1が提供する輪書サイトに対して会員(ユーザ)がアクセスして輪書により小説を執筆する利用形態について説明したが、輪書システム1が提供する上記のようなサービスをASP(Application Service Provider)として他の外部Webサイト3などに提供する形態をとることも可能である。
【0072】
図15は、輪書システム1が提供する輪書サイトと、他の外部Webサイト3との連携の例について概要を示した図である。例えば、図15の左側に示すように、外部Webサイト3の一部に、イベント等として外部Webサイト3に関連する商品等をテーマとして執筆された輪書小説を閲覧したり、輪書小説を執筆したりすることが可能なページ(「XYZ輪書コーナー」)を設ける。当該ページから輪書サイトに遷移可能とすることで外部Webサイト3に対して輪書システム1によるサービスをASPとして提供することができる。一方、輪書システム1としては、提供する輪書サイトに対して外部Webサイト3から閲覧者を送客することが可能となる。このとき、輪書サイトから当該外部Webサイト3へも輪書サイトの会員を相互に送客するようにしてもよい。
【0073】
また例えば、図15の右側に示すように、外部Webサイト3の利用者であり輪書サイトの会員である紹介者が、外部Webサイト3に関連する商品等をテーマとした輪書小説の執筆を勧誘する電子メールを被紹介者に対して送信する。被紹介者は、電子メール内のリンクから外部Webサイト3の輪書への参加勧誘ページにアクセスし、参加登録を行う。
【0074】
このとき例えば、輪書システム1の認証部12の機能をASPとして提供し、輪書サイトの会員として輪書システム1のユーザ情報21に直接会員登録されるようにしてもよい。もしくは、外部Webサイト3が保有する図示しないユーザ情報に登録されるようにし、輪書システム1では、当該ユーザに係る外部Webサイト3のユーザ情報と輪書システム1のユーザ情報21とを関連付けて管理してシームレスにユーザ認証を行えるようにするアグリゲーションサービスを提供するようにしてもよい。
【0075】
このように、輪書システム1の機能をASPとして外部Webサイト3に提供し、外部Webサイト3と輪書サイトとの間で相互に送客を行うことで、輪書小説というコンテンツの魅力と相俟ってユーザ(会員)数の増大を図ることが可能である。
【0076】
以上に説明したように、本発明の一実施の形態である輪書システム1によれば、輪書小説の発起人が執筆参加者を募り、執筆参加者から執筆者を取捨選択してその執筆順序を設定する輪書設定機能と、執筆順序を管理し、各執筆者に対する執筆権限の付与・移動を自動的に制御する輪書制御機能と、各執筆者による小説のパートの執筆およびその投稿を管理する投稿機能と、執筆・投稿された小説を整形してユーザに閲覧させる閲覧機能とを有することで、各執筆者間での輪書処理に係る制御を自動で行い、ユーザが輪書小説を容易に執筆し、また閲覧することが可能となる。
【0077】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、各執筆者の執筆順序の管理や執筆権限の付与・移動などのリレー動作に係る制御を行って、輪書小説を容易に執筆することができる輪書システムおよび輪書プログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1…輪書システム、2…ネットワーク、3…外部Webサイト、4…クライアント端末、
11…基盤部、12…認証部、13…閲覧部、14…投稿部、15…輪書設定部、16…輪書制御部、
21…ユーザ情報、22…評価情報、23…投稿文章、24…輪書設定、25…輪書執筆者、26…輪書制御情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続するクライアント端末を利用して、複数の執筆者が設定された順序に従って輪番で小説の一部のパートを執筆する輪書によって執筆されるオンライン小説である輪書小説を執筆するための輪書システムであって、
輪書小説の発起人によって設定された執筆条件を輪書設定保持手段に登録して執筆参加者を募り、前記執筆参加者および前記発起人からなる執筆者について前記発起人によって設定された執筆順序を輪書執筆者保持手段に登録する輪書設定部と、
前記輪書執筆者保持手段に登録された内容に従って、輪書の際の前記各執筆者の前記執筆順序を管理し、前記各執筆者に対する執筆権限の付与状況を輪書制御情報保持手段に保持して前記執筆権限の付与を制御する輪書制御部と、
前記輪書制御部により前記執筆権限を付与された前記執筆者がクライアント端末を介して前記輪書小説のパートを執筆するためのインタフェースを提供し、前記執筆者によって執筆された文章の投稿を受け付けて投稿文章保持手段に記録する投稿部と、
閲覧者がクライアント端末を介して閲覧する輪書小説を選択するためのインタフェースを提供し、前記閲覧者によって選択された前記輪書小説について、前記投稿文章保持手段に記録された、各執筆者によって執筆および投稿されたパートを一つの小説として整形して、前記閲覧者のクライアント端末上に表示する閲覧部とを有することを特徴とする輪書システム。
【請求項2】
請求項1に記載の輪書システムにおいて、
前記輪書設定部は、前記執筆参加者から前記発起人によって取捨選択された前記執筆参加者および前記発起人からなる前記執筆者について前記執筆順序を設定することを特徴とする輪書システム。
【請求項3】
請求項2に記載の輪書システムにおいて、
前記輪書設定部は、前記発起人による前記執筆者の取捨選択および前記執筆順序の設定を、前記各執筆者による輪書の開始後においても受け付けて実行することを特徴とする輪書システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の輪書システムにおいて、
前記輪書設定部は、前記発起人によって指定された、前記各執筆者が前記輪書小説のパートを執筆する際の執筆可能期間を、前記執筆条件の一部として前記輪書設定保持手段に登録し、
前記輪書制御部は、前記執筆権限を付与された前記執筆者が前記執筆可能期間内に執筆を完了して投稿しなかった場合は、前記執筆権限を次順の前記執筆者に付与することを特徴とする輪書システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の輪書システムにおいて、
前記輪書制御部は、前記執筆者に前記執筆権限を付与した際に、前記執筆者に対してその旨の電子メールを送信して通知することを特徴とする輪書システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の輪書システムにおいて、
前記執筆者による前記輪書小説の執筆、もしくは前記執筆者による他の執筆者の勧誘を含む所定の行為に対して相当するポイントを前記執筆者に付与し、各執筆者に係る情報を保持するユーザ情報保持手段に記録することを特徴とする輪書システム。
【請求項7】
請求項6に記載の輪書システムにおいて、
前記投稿部は、前記執筆者が前記輪書小説のパートを執筆する際に、所定のグループに含まれる挿絵のリストから前記執筆者が選択した挿絵を挿入し、
前記輪書設定部は、前記発起人が予め指定した、前記輪書小説に挿入可能な挿絵を特定するグループを前記所定のグループとし、前記所定のグループの情報を前記執筆条件の一部として前記輪書設定保持部に記録することを特徴とする輪書システム。
【請求項8】
請求項7に記載の輪書システムにおいて、
前記投稿部は、前記執筆者が挿絵を挿入する際に、前記執筆者が設定した文字を前記挿絵に追記して新たな前記挿絵とすることを特徴とする輪書システム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の輪書システムにおいて、
前記投稿部は、前記執筆者が挿絵を挿入する際に、前記執筆者が保有する前記ポイントの消費、もしくは料金の決済が行われたことにより前記挿絵の挿入を行うことを特徴とする輪書システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の輪書システムにおいて、
前記閲覧部は、ユーザが前記輪書小説を閲覧した際に、前記輪書小説のパート毎に前記ユーザによる評価点の入力を受け付け、入力された前記評価点を前記輪書小説のパート毎に前記投稿文章保持手段に記録することを特徴とする輪書システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の輪書システムにおいて、
前記閲覧部は、前記投稿文書保持手段に記録された前記評価点を、輪書小説毎もしくは執筆者毎を含む条件に応じて集計して順位付けし、結果をクライアント端末に表示することを特徴とする輪書システム。
【請求項12】
ネットワークを介して接続するクライアント端末を利用して、複数の執筆者が設定された順序に従って輪番で小説の一部のパートを執筆する輪書によって執筆されるオンライン小説である輪書小説を執筆するための輪書システムとしてコンピュータを動作させる輪書プログラムであって、
輪書小説の発起人による執筆条件の設定を受けて執筆参加者を募るステップと、
前記輪書小説に参加する前記執筆参加者を受け付けるステップと、
前記執筆参加者および前記発起人からなる執筆者について執筆順序を設定して輪書執筆者保持手段に登録し、前記執筆順序に従って次順もしくは最初の前記執筆者に対して執筆権限を付与して輪書制御情報保持手段に保持するステップと、
前記執筆権限を付与された前記執筆者がクライアント端末を介して執筆した前記輪書小説のパートの投稿を受け付けて投稿文章保持手段に記録するステップと、
前記輪書小説が完結したか否かを判定するステップと、
前記輪書小説が完結していない場合に、前記執筆順序における次順の前記執筆者に対して前記執筆権限を付与するステップとを実行することを特徴とする輪書プログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−237986(P2011−237986A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108343(P2010−108343)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】