説明

農作業用吊台車

【課題】農作業において、中腰作業は非常に多い。特にハウス内栽培のトマト、キュウリ等の栽培作業はほとんど中腰作業である。中腰作業では体重による足、膝及び腰への負担が多く、疲れ及び痛みで腰曲がりの原因ともなっている。農作業の中腰作業での体重による足、膝及び腰への負担を軽減して足、膝及び腰の疲れ及び痛みをやわらげるものである。
【解決手段】作業者の体重を受けるため、作業台車に作業者の尻を受ける安全帯6を、体重に応じた負荷を受ける空気圧封入シリンダ3に取付け、作業姿勢による体重負荷を作業台車で受けるようにした。作業台車には車輪を取付けているため、作業をしながら前後に移動出来る。一輪台車の場合は左右に移動出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農作業の中腰作業での体重による足、膝及び腰への負担を軽減して足、膝及び腰の疲れ及び痛みをやわらげるための農作業吊台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業姿勢の低い場合は腰掛を利用しているが、中腰での作業は補助具なしで作業しているので、体重の負荷がそのまま足、膝及び腰にかかる。
【0003】
【特許文献1】 特開2003−125607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハウス内栽培のトマト、キュウリ等の作業はほとんど中腰作業であるため作業姿勢による体重負荷が足、膝及び腰に掛かり疲れや痛みを発生し、腰曲がりの原因ともなっている。特に、高齢者に成る程つらい作業となっている。本発明は、この課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
作業者の体重を受けるため、作業台車に作業者の尻を受ける安全帯6を、体重に応じた負荷を受ける空気圧封入シリンダ3に取付け、作業姿勢による体重負荷を作業台車で受けるようにした。
作業台車には車輪を取付けているため、作業をしながら前後に移動出来、一輪台車の場合は左右に移動出来る。
【発明の効果】
【0006】
安全帯6で負荷に応じて尻を持上げることにより、足、膝及び腰に掛かる体重による負荷を軽減出来るため、疲れ及び痛みをやわらげることにより作業能率もアップし、腰曲がりもやわらげる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ).作業台車に空気圧封入シリンダ3を取付ける。そのシリンダ外筒4に安全帯6を取付ける。
(ロ).シリンダ外筒4にハンドル式ロック機構を取付け、シリンダ内筒5とロックする。
【実施例1】
【0007】
図1二輪農作業用吊台車の正面図、側面図及び平面図を示す。正面図は空気圧封入シリンダの断面図を示す。図2、図3及び図4は空気圧封入シリンダの各断面詳細図を示す。図5は二輪農作業用吊台車の各作業高さでの動作状態を示す。図6は一輪農作業用吊台車の正面図、側面図及び平面図を示す。図7は一輪農作業用吊台車の作業高さでの動作状態を示す。
【0008】
図1において、二輪農作業用吊台車の構成部品を示す。台枠1に軸9で車輪2が取付けられ、空気圧封入シリンダ3及び収穫物を入れるカゴ等を取付ける架台10がボルト11で取付けられている。空気圧封入シリンダ3はシリンダ外筒4及びシリンダ内筒5で構成され、内部に空気圧が封入される。シリンダ外筒4にはブラケット8が溶接接合され、吊具7により安全帯6が取付けられている。
【0009】
空気圧封入シリンダ3の台枠1にボルト11で取付けるベース12はシリンダ内筒5と溶接接合され封入空気圧の漏れはない。シリンダ外筒4上部は図2に、シリンダ外筒4とシリンダ内筒5の摺動部は図3に、シリンダ外筒4をシリンダ内筒5にロックするロック機構は図4に示す。
【00010】
図2において、シリンダ外筒4の上部封入空気圧シール及び空気圧供給金具21取付け状態を示す。シリンダ外筒4にキャップ20がネジ25で結合され、空気圧はOリング24でシールされる。最下限ストッパボルト22はシールワッシャ23でシールされ、空気圧供給金具は管用テーパネジでシールテープを巻き付けてネジ込みシールされる。空気圧供給金具21は逆止弁が内蔵されており供給した空気圧は逆止弁でシールされる。ストッパボルト22の長さを変更することにより最下限高さを変更することが可能である。
【00011】
図3において、シリンダ外筒4とシリンダ内筒5の摺動部は空気圧の漏れがないようにUパッキン26でシールされる。ブッシュ27はUパッキン26押えとシリンダ外筒4からシリンダ内筒5への力の伝達を行う。最下降時の衝撃緩衝にゴムバッファ29が取付けられており、ストッパボルト22より当板30に当っての衝撃力は作業者への伝達を軽減される。
【0012】
図4において、シリンダ外筒4をシリンダ内筒5にロックする構造を示す。ロックナット32がネジ33で結合され、ハンドル取付ネジ35に取付けられたハンドル34でロックナット32をネジ込むことによりグリッパ31がシリンダ内筒5をグリップすることによりロックされる。グリッパは円錐筒で6分割され、シリンダ外筒4とのテーパ摺動部によりグリップしロックされる。
【0013】
図5において、農作業時の各作業高さでの動作状態を示す。動作1は最下限での体制を示し、作業高さが高くなるにつれ動作2,3,4,5,6と高くなる。シリンダ3の内容積は最下限動作1が最小となり、最上限動作6では内容積が最大となる。空気圧の特性で圧力(P)X容積(V)は一定の関係があり、シリンダ外筒に対し最下限で最大の持上力が働き、最上限で最小の持上力が働く。農作業者の体重に合せてシリンダ3への封入空気圧を調整すれば適正な安全帯の持上力が得られ足、膝及び腰への負荷を軽減できる。
【0014】
図6において、一輪農作業用吊台車の正面図、側面図及び平面図を示すが、シリンダ3の構造及びシリンダ3への取付部品は図1と同一である。
二輪農作業吊台車は作業者の前後に走行可能に対し、一輪農作業吊台車は作業者の左右に走行可能となる。一輪農作業吊台車は一輪で荷重を受けるため、転倒防止13が取付られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本発明実施例の二輪農作業用吊台車の正面図、側面図及び平面図である。
【図2】 空気圧封入シリンダのA部断面詳細図である。
【図3】 空気圧封入シリンダのB部断面詳細図である。
【図4】 空気圧封入シリンダのC部断面詳細図である。
【図5】 二輪農作業用吊台車の各作業高さでの動作状態である。
【図6】 本発明実施例の一輪農作業用吊台車の正面図、側面図及び平面図である。
【図7】 一輪農作業用吊台車の作業高さでの動作状態である。
【符号の説明】
【0016】
1 台枠 20 キャップ
2 車輪 21 空気圧供給金具
3 空気圧封入シリンダ 22 ストッパボルト
4 シリンダ外筒 23 シールワッシャ
5 シリンダ内筒 24 Oリング
6 安全帯 25 ネジ
7 吊具 26 Uパッキン
8 ブラケット 27 ブッシュ
9 軸 28 ボルト
10 架台 29 ゴムバッファ
11 ボルト 30 当板
12 ベース 31 グリッパ
13 転倒防止 32 ロックナット
33 ネジ
34 ハンドル
35 ハンドル取付ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪2個又は1個を有する台枠に、設定圧可能な空気圧封入シリンダを取付け、上下方向に昇降可能なシリンダ外筒に安全帯を取付けて、作業者の足、膝及び腰に掛かる負担を作業高さに応じて軽減出来る農作業用吊台車。
【請求項2】
前記シリンダの外筒にはどの高さでもロック可能なハンドル操作のロック機構を設け、作業高さを保持出来る請求項1記載の農作業用吊台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−148672(P2008−148672A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357221(P2006−357221)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(306028249)
【Fターム(参考)】