説明

農作物用肥料、畜産用飼料および飲料水

【課題】 日常生活において食物や飲料水を摂取する過程で、細胞賦活剤である環状重合乳酸を自然体で摂取可能にして、細胞賦活による癌患者の病状回復並びに健康増進を実現可能にする。
【解決手段】 石英閃緑袴岩30メッシュの40〜60重量%に対し、環状重合乳酸40〜60重量%を混入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食用または飲用することにより、ヒト(人)の細胞を活性化するための農作物、食肉、牛乳などを得るための農作物用肥料、畜産用飼料および飲料水に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、癌細胞を培養した上澄みの培養液が癌細胞の成育を抑制することを発見し、この培養液中に存在する物質を探索した結果、その物質が環状重合乳酸(CPL)であることを発見した。爾来、本発明者は、この環状重合乳酸は腫瘍に薬効があるとの観点から、他の研究者と協力して、幾多の研究成果を挙げてきている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
これらの研究成果のうち、特許文献1および特許文献2に記載されたものは、縮合度が5〜23のL−乳酸直鎖状縮合物と縮合度が2〜15のL−乳酸環状縮合物との混合物よりなる、特にヒトの子宮頚部癌、ヒトの口腔底癌、マウス肺癌、吉田肉腫、ウサギ肝癌、ヒトの胃癌、甲状腺癌、肺癌、子宮癌に適したヒトを含む動物の悪性腫瘍細胞増殖抑制剤である。
【0004】
また、特許文献3に記載されたものは、縮合度が3〜25のL−乳酸直鎖状縮合物と縮合度が2〜25のL−乳酸環状縮合物との混合物を含有する反応液を得るプロセスを含む、ヒトを含む動物の悪性腫瘍細胞増殖抑制作用を有する経口摂取剤の製造方法である。
【0005】
特許文献4に記載されたものは、縮合度9〜19の環状及び勅鎖状の混合L −乳酸オリゴマーを主成分とする大腸癌、食道癌及び乳癌より選ばれた癌に用いる抗悪性腫瘍剤である。
【0006】
特許文献5に記載のものは、縮合度3〜19の環状及び直鎖状の混合ポリL−乳酸を主成分とする大腸癌、食道癌および乳癌より選ばれた癌に用いる抗悪性腫瘍剤である。
【0007】
特許文献6に記載のものは、環状型と鎖状のオリゴマー物質であって、化学組成がそれぞれ(C及び{(CO)−HO}(ここでZ=2〜23)であり、分子構造がジグザグ環状構造とクラスレート状の略ジグザグC文字形鎖状構造の2種類からなる免疫機能調整剤である。
【0008】
このように、前記の各特許文献1〜6に記載の発明は、特定の範囲の縮合物である直鎖型と環状型の混合ポリL−乳酸が、特定の疾患に有効であることが確かめられている。
【0009】
更に、本発明者は、新規合成環状型乳酸ポリマーである環状重合乳酸(環状重合乳酸)の添加によるヒト白血病細胞に由来する細胞株(TF−1)の増殖抑制は、アポトーシス誘導を介して作用していることを確認している。また、白血病患者由来の骨髄間質細胞株であるLS801の培養上清中に環状重合乳酸を検出した。
【0010】
つまり、環状重合乳酸は癌細胞のアポトーシスを誘導し、増殖抑制作用を有するものである。なお、癌細胞培養上清(CM)中より検出した環状重合乳酸は環状鎖6〜8であり、発明者が合成した縮合度3〜13の環状重合乳酸と一致する。人口合成を可能としたL乳酸はヒト細胞中より検出される乳酸と同物質であること、更に、L−乳酸の環状重合体は科学的に存在しないとされていたが、本発明者が新規合成法で得た新規物質である。
【0011】
この物質は、癌細胞の培養液中より高濃度で抽出される乳酸中より新規に発見された同物質である。この物質は、L−乳酸の窒素ガスによるバブリング法による撹拌で段階的減圧による昇温調節により190℃前後まで昇恩させ(完全な脱水縮合を現出)、その後、更に190℃前後を保持して、縮合度の低い範囲に安定した縮合度(n=5〜9を中心とする範囲)を維持する。
【0012】
血液中で簡単にモノマー(単体)になり難い構造範囲を形成することが要求される。すなわち、最終合成温度を維持したまま、更に8時間を最短として継続する。この継続時間を維持しない合成物質では、血液中で酸素等によりモノマーとなる低縮合度の範囲を持ち、活性の軽減と持続性の消滅を生じる。
【0013】
次に、前記新規合成環状重合乳酸の効果を、例を挙げて説明する。
心房細動の原因遺伝子の異常を持つとされる心房細動と診断された70才男性による環状重合乳酸(環状重合乳酸90%,炭酸カルシウム10%)の摂取(一日量30g×30日、その後20g×30日、合計1500g)により、不整脈が消失していることが判明した。その後、1日15g程度を摂取し続けているが、心房細動の診断因子が消滅しているのではないかと、目されている。これは、原因遺伝子異常(KCNQ1遺伝子の異常)を持つ細胞の分裂による正常細胞への移行現象である。
【0014】
環状重合乳酸は、遺伝子異常を持つ細胞の分裂による正常化を促す物質であるといえる。つまり、遺伝子異常で表される病気の原因について、環状重合乳酸は共通してその因子を持つ細胞に作用して、その分裂、正常化を促す。このことは、更に、細胞内のたんぱく質P600の合成を妨げることによって、アポトーシスを誘導している。つまり、細胞の無秩序増殖を抑えてP600の過剰な働きを止め、しかも毒性や副作用が全く考えられない物質である。
【0015】
また、C型、B型をはじめ肝炎ウイルスの感染者は300万人を遥かに超えることが報告されている。その患者に対して性別、年齢に関係なく環状重合乳酸(1日20g×180日、合計3600g)を摂取して検査した結果、100%吸収されていることが確認された。つまり、完治が確認された。
これは、ウイルスをもつ(感染)細胞が環状重合乳酸により分裂不能となって排出される結果であると結論できる。この他、環状重合乳酸を摂取している患者に共通する現象として、風邪を発症しないことである。このことは、インフルエンザウイルスについても同様である。
総括して、この環状重合乳酸は、ウイルス全般(免疫不全ウイルスを含む)について唯一消滅へ誘導する物質である。
【0016】
また、猫免疫不全ウイルスFIVについては、飼のなかに混入する(1日10g×2食×30日、計600g程度)ことにより完治状態を得た。生きた細胞の中でのみ増殖できる微生物であるため、細胞に出入りする唯一の物質として発見された環状重合乳酸の作用による消滅誘導の結果である。
DNAウイルス、RNAウイルスの区別はなく、単純ヘルペス、帯状疱疹、インフルエンザ症候群(A、B、C共通)、ヒトT細胞白血病等について経口摂取による同様の消滅結果を得ている。
【0017】
ところで、前記のよう細胞賦活効果を持つ環状重合乳酸は、実際の使用に際して、液状の環状重合乳酸を所定の濃度となるように適切な溶媒に、無菌的に溶解または懸濁化して注射用製剤としている。また、乾燥処理した環状重合乳酸の原粉末をそのまま、または乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等が添加されて、固形化した経口投与可能な錠剤としている。更に、他の薬理作用物質との混合物として組成された状態でも摂取可能である。また、剤型も散剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁剤、乳剤などの形態に製剤化できる。
【特許文献1】特開平5−310581号公報
【特許文献2】特開平6−336427号公報
【特許文献3】特開平7−233061号公報
【特許文献4】特開平9−227388号公報
【特許文献5】特開平10−13053号公報
【特許文献6】特開2000−72680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、前記のような環状重合乳酸を注射や錠剤、散剤、顆粒等として使用する場合には、癌患者の体内への環状重合乳酸の摂取が迅速になるため、薬効効果が素早く得られるという利点が得られるものの、注射や錠剤等の経口投与のタイミング(時間)について、患者自身や看護者はその都度スケジュールを確認する必要があり、その作業が煩わしいばかりか、癌患者等が日常の生活の中で緩慢な薬効よる細胞賦活を期待する治療を受けたり、健康増進を期待したりするのには不向きであるという問題があった。
【0019】
本発明は、前記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、日常生活において飲食物を摂取する過程で細胞賦活剤である環状重合乳酸を自然体で摂取可能にして、細胞賦活による癌患者の病状回復並びに健康増進を実現できる農作物用肥料、畜産用飼料および飲料水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的達成のために、本発明にかかる農作物用肥料は、石英閃緑袴岩15〜35メッシュの40〜60重量%に、環状重合乳酸40〜60重量%が混入したものとしている。
これにより、環状重合乳酸を含む石英閃緑袴岩の顆粒状物または液状体を、通常の肥料とは独自にまたは混合して、農作物を植え付ける前または植え付けた後の田畑に散布することにより、農作物の生育中に、その農作物に環状重合乳酸を自然に含ませることができる。従って、その農作物を通常の生活の中で摂取することにより、摂取した人の細胞を賦活する効果が、緩慢なスピードながらも自然に得られることになる。
【0021】
特に、石英閃緑袴岩は、多孔質のため多くの環状重合乳酸を含有することができるし、土壌中に多くの酸素を供給できるし、また、好気性微生物の生存繁殖を促進するので、環状重合乳酸と配合することで一層好ましい肥料となる。
【0022】
また、本発明にかかる畜産用飼料は、飼料原料20kgに対して環状重合乳酸を5〜20%を混入したものとしている。
これにより、飼料原料である牧草、トウモロコシ等を食餌とする牛、馬、山羊など家畜の体内に環状重合乳酸が蓄積されるため、これらの家畜の肉を食用とし、あるいは牛乳などとして飲用するヒトの体内には、自然に環状重合乳酸が摂取されることとなる。この結果、ヒトの細胞の活性化が促進され、癌患者の病状回復並びに健康増進を図ることができる。
【0023】
また、本発明にかかる飲料水は、石英閃緑袴岩の骨材に環状重合乳酸を5〜20%の割合で混入収納した飲料水処理タンクに被処理水を通過させることによって得るものとしている。
これにより、水道水をこの飲料水タンクを通して処理し、処理された処理水を直接飲用し、あるいはこの処理水を使って調理される食品を食することにより、ヒトの体内に、自然に環状重合乳酸を摂取可能にしている。この結果、ヒトの細胞の活性化が促進され、癌患者の病状回復並びに健康増進を図ることができる。
特に、石英閃緑袴岩は、多孔質内面に有害物質を物理的に吸着する、有害成分のあるものは、多孔質内面に存在する元素あるいは元素化合物と二次的に化学的吸着(元素間親和力)する、有害物質のあるものは遷移金属元素の触媒作用によって酸化分解し無害な無機物に変化させる、等の作用を有するため、これにより水が浄化される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の環状重合乳酸を含む農作物用肥料、畜産用飼料および飲料水は、注射や錠剤等の経口投与のように時間を決めて飲用または食する必要がないため、患者自身や看護者はその都度スケジュールの管理に気を使うことなく、癌患者等が日常の生活の中で食用または飲用することによって、体内に環状重合乳酸が自然に摂取される。このため、緩慢な薬効よる細胞賦活を期待する癌治療または健康増進に適するという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態による農作物用肥料、畜産用飼料および飲料水につき、詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1による農作物用肥料は、石英閃緑袴岩15〜35メッシュの40〜60重量%に対し、環状重合乳酸40〜60重量%を混入して生成される。ここで用いる石英閃緑袴岩は、環状重合乳酸が馴染むように浸透または混合し易い物質を含む材料であるが、必要に応じこれとは異なる材料を用いることができる。また、散布が行われる土壌に対し、他の肥料とともに分散しやすい性質を持つことが望ましい。
【0026】
石英閃緑袴岩が15メッシュ未満では、細粉になりすぎて製造コストが高くつくし扱いが不便となる割に、効果の向上に変化なく、また、35メッシュを越えると粒径が大きくなりすぎて石英閃緑袴岩の効果が減少するので、石英閃緑袴岩は15〜35メッシュの範囲、好ましくは20〜30メッシュ、特に好ましくは25〜30メッシュの範囲がよい。
また、この発明の農作物用肥料は、石英閃緑袴岩の効果と環状重合乳酸の効果を発揮させるため、両者の混合割合はそれぞれ50重量%を中心とする前後でよい。即ち、石英閃緑袴岩の効果を高くしたい場合には、石英閃緑袴岩の配合を多くして、例えば、60重量%とし、環状重合乳酸を40重量%とする。逆に環状重合乳酸の効果を高くしたい場合には、環状重合乳酸の配合を多くして、例えば、60重量%とし、石英閃緑袴岩を40重量%とする。従って、石英閃緑袴岩と環状重合乳酸の配合割合は、石英閃緑袴岩40〜60重量%に対し、環状重合乳酸40〜60重量%が好ましい。
【0027】
また、この農産物用肥料は、稲などの水耕栽培をする田んぼや、野菜、果実などを育成する畑に使用されるため、その稲や野菜を食することによって、自然に体内に環状重合乳酸を摂取できる。従って、細胞賦活を期待する癌治療または健康増進に寄与することとなる。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による畜産用飼料は、飼料原料20kgに対して環状重合乳酸を5〜20%を混入して生成される。前記飼料原料としては、牧草やトウモロコシ、稲、ソルガム、オオムギ、エンバクなどの穀物飼料がある。
これらの飼料原料には、液状の環状重合乳酸を所定の濃度となるように適切な溶媒に無菌的に溶解したものを散布して、浸透させまたは混合する。
【0029】
ここで配合割合を飼料原料20kgに対して環状重合乳酸を5〜20%としたのは、環状重合乳酸が5%未満では効果が少なく、20%を越えても、そのわりに効果は向上しないからである。
【0030】
従って、この環状重合乳酸を含む畜産用飼料を食べた家畜は、体内に環状重合乳酸が蓄積され、その家畜から得られる例えば牛乳や食肉には環状重合乳酸が含まれる。この結果、この牛乳や食肉を食するヒトの体には、環状重合乳酸が摂取されることとなり、緩慢な薬効よる細胞賦活を期待する癌治療または健康増進に適するという効果を有する。
【0031】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3による飲料水は、石英閃緑袴岩の骨材に環状重合乳酸を5〜20%の割合で混入収納した飲料水処理タンクに被処理水を通過させることによって得られる。この飲料水処理タンクは、例えば河川、湖沼、池などの水を取り込んで浄化したり、海洋の淡水化プラントで海水を淡水化処理したりする最終処理タンクを兼用することができる。
この飲料水は、例えば水道水を前記飲料水処理タンク内に通し、この飲料水処理タンク内で水道水に石英閃緑袴岩に含まれる環状重合乳酸を浸出させ、環状重合乳酸を含む処理水を生成する。
【0032】
ここで環状重合乳酸の混入割合を5〜20%としたのは、環状重合乳酸が5%未満では効果が少なく、20%を越えても添加のわりに効果の向上に変化が見られないからである。
【0033】
従って、この環状重合乳酸を含む処理水を、飲料水として直接飲用した場合、あるいは炊飯や野菜等の調理に使用してこれらを食した場合に、その処理水に含まれた環状重合乳酸が体内に自然に摂取される。従って、細胞賦活を期待する癌治療または健康増進に寄与することとなる。
【0034】
このように、本発明の実施の形態によると、注射や錠剤の服用によらずに、つまり薬剤として人体に直接摂取するのではなく、通常の生活の中で飲用する飲料水または食用する食品から間接的に体内に摂取して、緩慢な薬効よる細胞賦活を期待する癌治療を可能にし、更に健康増進に適するという効果を有する。
【0035】
つまり、このような環状重合乳酸の摂取によっても、前述のように、心房細動の原因遺伝子異常を持つ細胞の分裂による清浄細胞への移行現象による不整脈の消失を促すことができる。また、肝炎ウイルスの感染者であっても、肝炎ウイルスが持つ感染細胞が環状重合乳酸により分裂不能とすることができ、このウイルスの増殖を抑え、消滅させることができる。このことは、インフルエンザウイルスについても同様である。
【0036】
本実施の形態による農作物用肥料、畜産用飼料および飲料水は、それぞれ石英閃緑袴岩に環状重合乳酸が混入されることにより、また畜産用飼料が飼料原料に対して環状重合乳酸が混入されることにより、更に、石英閃緑袴岩の骨材に環状重合乳酸を混入収納した飲料水処理タンクに被処理水を通過させることによって、食物や飲料水から日常的にかつ間接的にヒトの体内に環状重合乳酸を摂取することができ、緩慢な薬効よる細胞賦活を期待する癌治療を可能にし、更に健康増進に適するという効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、緩慢な薬効よる細胞賦活を期待する癌治療を可能にし、更に健康増進に適するという効果を有し、ヒトの細胞を活性化するための農作物、食肉、牛乳などを得るための農作物用肥料、畜産用飼料および飲料水に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石英閃緑袴岩15〜35メッシュの40〜60重量%に環状重合乳酸40〜60重量%が混入されてなることを特徴とする農作物用肥料。
【請求項2】
飼料原料20kgに対して環状重合乳酸5〜20重量%が混入されてなることを特徴とする畜産用飼料。
【請求項3】
石英閃緑袴岩の骨材に対して環状重合乳酸を5〜20重量%の割合で混入して収納した飲料水処理タンクに、被処理水を通過させることによって得られることを特徴とする飲料水。


【公開番号】特開2007−331972(P2007−331972A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164525(P2006−164525)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(596038401)
【出願人】(506204656)
【Fターム(参考)】