農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵及びその使用法
【課題】軽量で、施工が容易な、農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供する。
【解決手段】金属パイプ等の筒状の複数の支柱2と、支柱2の上端に係止する上段係止金具3と、支柱2の下部を挟持して係止する下段係止金具4と、上段係止金具3と下段係止金具4とに上端と下端とを係止させることにより支柱2間に張設する樹脂製の網5とを備えた鳥獣侵入防止柵1を提供する。上段係止金具3は、支柱2の筒内に挿入する挿入部と、支柱2の上端に上段係止金具3を係止する金具係止部と、網5の上端辺に配設される上端ロープ13を係止させる上端ロープ係止部とを備えている。下段係止金具4は、支柱2を挟持する挟持部と、網5の下端に配設される下端ロープ22を係止させる下端ロープ係止部とを備えている。冬季間には、網5の下端の下端ロープ22も上段係止金具3に係止して、網5を上下中間で折り畳んだ状態に維持し、積雪による網の損傷を防止する。
【解決手段】金属パイプ等の筒状の複数の支柱2と、支柱2の上端に係止する上段係止金具3と、支柱2の下部を挟持して係止する下段係止金具4と、上段係止金具3と下段係止金具4とに上端と下端とを係止させることにより支柱2間に張設する樹脂製の網5とを備えた鳥獣侵入防止柵1を提供する。上段係止金具3は、支柱2の筒内に挿入する挿入部と、支柱2の上端に上段係止金具3を係止する金具係止部と、網5の上端辺に配設される上端ロープ13を係止させる上端ロープ係止部とを備えている。下段係止金具4は、支柱2を挟持する挟持部と、網5の下端に配設される下端ロープ22を係止させる下端ロープ係止部とを備えている。冬季間には、網5の下端の下端ロープ22も上段係止金具3に係止して、網5を上下中間で折り畳んだ状態に維持し、積雪による網の損傷を防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量で、施工が容易な、農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵及びその使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
この数年、鳥獣被害が広域化し深刻化している。北海道の鹿被害は、以前は北海道東部地区にしか見られなかったが、最近は西部地区でも被害が深刻化しており、現在、鹿の頭数は、東部地区に26万頭、西部地区に26万頭、合わせて52万頭まで増加している。この頭数は北海道の肉牛頭数と略同じ頭数である。
鳥獣被害を防ぐには侵入防止柵の設置が有効であるが、最近、業者施工ではなく農家による自力施工が増えている。それは、現地を良く知っている農家が施工するほうが、キメこまかな工事が可能なことと、設置コストが軽減されるためである。
【0003】
業者施工の場合は、資材の重量や施工の容易さはそれほど大きな問題ではなく、むしろ出来上がりの柵としての効果と耐用年数が重要であった。しかし農家が自力施工する場合は、農家が高齢化していることから、資材の軽さや作業の容易さが重要である。
【0004】
侵入防止柵の資材は、網と柱に分けられる。網は一般的には金網を用いるが、樹脂製の網を利用することで重量を大幅に軽減できる。但し、樹脂製の網を利用するには、網が積雪荷重に耐えなくてはならない。
【0005】
この種技術の先行文献として、例えば、特許文献1があるが、特許文献1は、5〜10m間隔に立杭を立設し、立杭間に金網を張り、隣り合う立杭間に1〜5本程度の支持材を接地させるように起立させて設けることにより、積雪荷重によって金網が引き延ばされてたるむことを防止した野獣被害防止柵が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−69898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、鳥獣侵入防止柵の農家による自力施工が増えている。自力施工する場合は、資材の軽さや作業の容易さが重要であり、軽量化のため、樹脂製の網を利用するには、網が積雪荷重に耐えなくてはならない。
【0008】
以上の現状に鑑み、本発明は、軽量で、施工が容易な、農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵及びその使用法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、筒状の複数の支柱と、前記支柱の上端に係止する上段係止金具と、前記支柱の下部を挟持して係止する下段係止金具と、前記上段係止金具と下段係止金具とに上端と下端とを係止させることにより前記支柱間に張設する樹脂製の網とを備え、農家が自力施工できるように構成したことを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記上段係止金具は、前記支柱の筒内に挿入する挿入部と、前記支柱の上端に前記上段係止金具を係止するための金具係止部と、前記網の上端辺に配設される上端ロープを係止させる上端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記上段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挿入部はU字形状に折曲されて形成され、前記金具係止部は前記挿入部に延設して逆U字状に折曲されて形成され、前記上端ロープ係止部は前記金具係止部に延設して斜め方向に円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項2記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記下段係止金具は、前記支柱を挟持する挟持部と、前記網の下端に配設される下端ロープを係止させる下端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記下段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挟持部は略半円状に折曲されて形成され、前記下端ロープ係止部は、前記挟持部の両端に夫々延設して略逆半円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項4記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、前記下端ロープ係止部は、前記挟持部に対し斜め外方に向かって斜設され、前記挟持部の両端の下端ロープ係止部を介して前記下段係止金具に係止された前記下端ロープは、水平方向から見て、曲折することなく、略直線状に掛架されるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0015】
請求項7に係る発明は、前記筒状の複数の支柱の上端には、夫々着脱自在のキャップを設け、前記キャップは、前記上段係止金具の鋼線が貫通する孔が開穿されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端も前記上段係止金具に係止して、前記網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法を提供するものである。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の上下間所定箇所を前記上段係止金具に係止して、前記網を3つ折りに折り畳んだ状態に維持し、或いは、前記網の上下間所定箇所と、前記網の下端とを前記上段係止金具に係止して、前記網を4つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の上端を除く係止部分を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法を提供するものである。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記支柱の前記下段係止金具よりも上方で、且つ、前記上段係止金具から所定寸法下げた位置に、前記支柱を挟持して係止する中段係止金具を設け、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端を前記中段係止金具に係止して、前記網の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記中段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1記載の発明によれば、軽量で、施工が容易な、農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供することができる。
又、本発明の鳥獣侵入防止柵は、金具及び網の取付けにボルトナットを使わないので、作業効率が良く、更に、網は、金具に係止するのみであるので、網の取付け、取り外しが極めて容易である。
更に又、本発明の鳥獣侵入防止柵は、支柱に孔を開けずに施工できるので、地形や地質どおりに打ち込み出来ない場合でも融通性が高く、施工性が良い。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、挿入部及び金具係止部により上段係止金具を支柱の上端に確実に係止させ、上端ロープ係止部により、上端ロープを係止させることができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、挿入部及び金具係止部により上段係止金具を支柱の上端に容易に係止させ、上端ロープ係止部により、上端ロープを容易に係止させることができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、挟持部により支柱を挟持して、下段係止金具を支柱に係止できると共に、下端ロープ係止部で下端ロープを係止させることができる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加え、挟持部により支柱を挟持して、下段係止金具を支柱に容易に係止できると共に、下端ロープ係止部で下端ロープを容易に係止させることができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加え、下端ロープ係止部は、挟持部に対し斜め外方に向かって斜設されているので、挟持部の両端の下端ロープ係止部を介して下段係止金具に係止された下端ロープは、水平方向から見て、曲折することなく、略直線状に掛架され、外観上も良好となり、下端ロープの係止も容易になる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、キャップにより、筒状の支柱内への雨の侵入を防ぎ、支柱の腐蝕を防止できると共に、キャップに予め上段係止金具を取付けてあれば、キャップ装着時に、上段係止金具の取り付けも同時に行うことができる。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、必要な所定期間に於いて、網の下端を上段係止金具に係止することにより、網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時には、網を下段まで張設することができる。
例えば、冬季間には、網を上下中間で折り畳んだ状態に維持することにより、積雪による網の損傷を防止できると共に、雪深い時期の鳥獣の侵入を防止でき、冬季間終了時には、雪解け時期にとらわれず、網を下段まで張設することができる。
又、例えば、草刈り期間には、網を上下中間で折り畳んだ状態に維持することにより、草刈り時の網の損傷を防止できると共に、網の下方の草刈りを可能とし、草刈り終了時には、網を下段まで張設することができる。
【0027】
請求項9記載の発明によれば、必要な所定期間に於いて、網の上下間所定箇所や網の下端を上段係止金具に係止することにより、網を3つ折り、又は、4つ折りに折り畳んだ状態に維持し、即ち、網の最下端位置を高い位置に保持し、積雪の多い場合に於いて、網の損傷を防止することができる。そして、所定期間終了時には、網を下段まで張設することができる。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、必要な所定期間に於いて、網の下端を中段係止金具に係止して、網の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時には、網を下段まで張設することができる。
例えば、冬季間には、網の下部を一部折り畳んだ状態に維持することにより、積雪による網の損傷を防止できると共に、雪深い時期の鳥獣の侵入を防止でき、冬季間終了時には、雪解け時期にとらわれず、網を下段まで張設することができる。
又、例えば、草刈り期間には、網の下部を一部折り畳んだ状態に維持することにより、草刈り時の網の損傷を防止できると共に、網の下方の草刈りを可能とし、草刈り終了時には、網を下段まで張設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の一部正面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の側面図である。
【図2】(a)本発明の上段係止金具の正面図である。(b)本発明の上段係止金具の側面図である。(c)本発明の上段係止金具の平面図である。
【図3】(a)本発明の下段係止金具の平面図である。(b)本発明の下段係止金具の正面図である。
【図4】本発明のアンカーピンの正面図である。
【図5】(a)本発明の上段係止金具を取り付けた状態を示す側面図である。(b)本発明の上段係止金具を取り付けた状態を示す正面図である。
【図6】(a)本発明の下段係止金具を取り付けた状態を示す正面図である。(b)本発明の下段係止金具を取り付けた状態を示す側面図である。(c)本発明の下段係止金具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図7】本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の所定長さの施工例を示す一部正面図である。
【図8】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態を示す一部正面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を上下中間で折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図9】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を3つ折りに折り畳んだ状態を示す側面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を4つ折りに折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図10】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網の下部を一部折り畳んだ状態を示す一部正面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網の下部を一部折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図11】(a)本発明の変形例の下段係止金具を取り付けた状態を示す正面図である。(b)本発明の変形例の下段係止金具を取り付けた状態を示す側面図である。(c)本発明の変形例の下段係止金具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図12】(a)本発明のキャップを取付けた状態を示す正面図である。(b)本発明のキャップを取付けた状態を示す側面図である。(c)本発明のキャップを取付けた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1に於いて、1は、本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵であり、鳥獣侵入防止柵1は、金属パイプ等の筒状の複数の支柱2と、支柱2の上端に係止する上段係止金具3と、支柱2の下部を挟持して係止する下段係止金具4と、上段係止金具3と下段係止金具4とに上端と下端とを係止させることにより支柱2間に張設する樹脂製の網5とを備えたものである。
尚、「農家が自力施工できる」とは、「高齢化している現状の農家に於いて、農家の人が業者施工や、機械等に頼ることなく、農家の人だけで自力で施工できる」ことを意味する。
又、鳥獣侵入防止柵1は、必要に応じて、支柱2間の1乃至複数個所に於いて、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を地面に固定する後述するアンカーピン24を用いる。
【0031】
図2及び図5に示す如く、上段係止金具3は、支柱2の筒内に挿入する挿入部11と、支柱2の上端に上段係止金具3を係止するための金具係止部12と、網5の上端辺に配設される上端ロープ13を係止させる上端ロープ係止部14とを備えている。
上段係止金具3は具体的には、全体が鋼線を折り曲げて形成され、挿入部11は支柱2の筒内に挿入できるようにU字形状に折曲されて形成され、金具係止部12は挿入部11に延設して挿入部11と同一平面上に逆U字状に折曲されて形成され、上端ロープ係止部14は金具係止部12に延設して金具係止部12に対して斜設する如く斜め方向{図2(b)に於いて左斜め方向}に円状に折曲されて形成されている。
即ち、上端ロープ係止部14は、金具係止部12の先端部から延設して斜め方向に円状に略一回転し、先端部が金具係止部12の先端部に、上端ロープ13の出し入れを行うための隙間を残して近接するように形成されている。
尚、上端ロープ13は、網5の上端辺の網目を交互に貫通させて配設しても良く、或いは、網5の上端辺の適宜網目部に結んで配設しても良い。
【0032】
図3及び図6に示す如く、下段係止金具4は、支柱2を挟持する挟持部21と、網5の下端に配設される下端ロープ22を係止させる下端ロープ係止部23とを備えている。
下段係止金具4は具体的には、全体が鋼線を折り曲げて形成され、挟持部21は略半円状に折曲されて形成され、下端ロープ係止部23は、挟持部21の両端に夫々延設して挟持部21と同一平面上に略逆半円状に折曲されて形成されている。
尚、下端ロープ22は、網5の下端辺の網目を交互に貫通させて配設しても良く、或いは、網5の下端辺の適宜網目部に結んで配設しても良い。
図4は、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を地面に固定するアンカーピン24を示している。アンカーピン24を使用する場合は、アンカーピン24の図4に於いて上部の鉤部に、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を引っ掛け、アンカーピン24の頭部を叩いて、アンカーピン24の図4に於いて下部の槍部を地面に打ち込む。
アンカーピン24は、必要に応じて、支柱2間に於いて適宜1乃至複数本打ち込む。
【0033】
図5は、前記上段係止金具3の係止状態を示したものであり、上段係止金具3は、挿入部11を支柱2の上端から筒内に挿入し、金具係止部12を支柱2の上端に係止させた状態で、斜め方向に円状に折曲された上端ロープ係止部14の先端部と金具係止部12の先端部との隙間から上端ロープ13を上端ロープ係止部14の内側に導入し、上端ロープ13を上端ロープ係止部14に係止させる。
【0034】
図6は、前記下段係止金具4の係止状態を示したものであり、下段係止金具4は、挟持部21で支柱2を挟持させた状態で、図6(a)に於いて左側の下端ロープ係止部23の内側に下から上に向けて下端ロープ22を通し、右側の下端ロープ係止部23の内側に上から下に向けて下端ロープ22を通し、下端ロープ22を下端ロープ係止部23に係止させたものである。係止された下端ロープ22は、左右の下端ロープ係止部23間が上段となり、その外方が下段となり、段差が形成される。
【0035】
従って、図5及び図6に示す如く、複数の支柱2に上段係止金具3及び下段係止金具4を取付け、図1に示す如く、上段係止金具3及び下段係止金具4に網5を係止させて、網5を支柱2間に張設すれば、鳥獣侵入防止柵1が完成する。
更に、必要に応じて、前述した如く、適宜本数のアンカーピン24を打ち込み、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を地面に固定する。
【0036】
図7は、5本の支柱2間に網5を張設した所定長さの鳥獣侵入防止柵1の一部を示しているが、更に鳥獣侵入防止柵1は、長く設置することができ、或いは、柵として一定のスペースを囲い込むことも可能である。
【0037】
図8は、鳥獣侵入防止柵1の使用法の一例であって、主として冬季間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の下端の下端ロープ22も上段係止金具3に係止して、網5を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持したものである。
尚、この場合に於いても、前述(図1参照)と同様に下段係止金具4は取付けておく。
【0038】
前記冬季間に於ける使用法によって、積雪による加重を避け、従来、積雪荷重により、網5が引き延ばされてたるむ現象を防止することができる。
又、雪が深い場合は、積雪と、前記折り畳んだ状態の網5とで鳥獣侵入防止柵の効果が期待できる。即ち、積雪が鳥獣侵入防止柵の下部側の柵の役目を果たし、上下中間で折り畳んだ状態の網5が、鳥獣侵入防止柵の上部側の柵の役目を果たす。この時、所定高さの積雪があれば、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部は、積雪によってある程度動かないように保持される。
【0039】
尚、この場合、必要に応じて、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部を前記下段係止金具4を用いて係止させても良い。その場合には、予め、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部に位置するように、下段係止金具4を支柱2の適宜高さに別途取付けておく。
又、その場合、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部を下段係止金具4に直接係止させても良いが、予め上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部となる位置に、下段係止金具4に係止させるためのロープを配設し、そのロープを下段係止金具4に係止させても良い。
【0040】
更に、前記鳥獣侵入防止柵1は、冬季間終了時に、雪解け時期にとらわれず、前記冬季間に於ける使用法の状態から、網5の下端を上段係止金具3から外し、網5の下端を予め取付けておいた図1に示す下段係止金具4に係止して図1に示す如く網5を柵の下部側にも張設することができる。
【0041】
又、図8の鳥獣侵入防止柵1の使用法を、例えば、草刈り期間にも適用できる。草刈り期間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の下端の下端ロープ22も上段係止金具3に係止して、網5を上下中間で折り畳んだ状態に維持する。
尚、この場合に於いても、前述(図1参照)と同様に下段係止金具4は取付けておく。
【0042】
前記草刈り期間(時間であっても良い。)に於ける使用法によって、草刈り機等による網の損傷を防止することができると共に、網の下方の草刈りが可能となる。
草刈り期間が終了したら、前記草刈り期間の使用状態から、網5の下端を上段係止金具3から外し、網5の下端を予め取付けておいた図1に示す下段係止金具4に係止して図1に示す如く網5を柵の下部側にも張設することができる。
尚、前図8に示す鳥獣侵入防止柵1の使用法は、前記冬季間及び草刈り期間の適用に限定されるものではなく、他の必要な期間や、目的に適用することも可能である。
【0043】
図9(a)は、鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の一例であって、主として冬季間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の上下間所定箇所、好適には、網5の上端から上下幅の約2/3の下方箇所を上段係止金具3に係止して、網を3つ折りに折り畳んだ状態に維持したものである。
図9(b)は、鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の一例であって、主として冬季間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の上下間所定箇所、好適には、網5の上端から上下幅の約1/2下方箇所と、網5の下端ロープ22とを上段係止金具3に係止して、網5を4つ折りに折り畳んだ状態に維持したものである。
前図9(a)及び前図9(b)の使用法に於いては、網5の最下端位置を高い位置に保持し、積雪の多い場合に於いて、網5の損傷を防止することができる。
前図9(a)及び前図9(b)の使用法に於いて、所定期間終了時には、網5の上端(この場合、上端ロープ13)を除く係止部分(下端ロープ22を含む)を上段係止金具3から外し、網5の下端を下段係止金具4に係止して網5を張設する。
尚、状況に応じて、前述した4つ折りよりも更に多く折り畳むことも可能である。
【0044】
図10は、鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の一例であって、例えば、冬期間、又は、草刈り期間等の所定期間に於いて、支柱2の下段係止金具4よりも上方で、且つ、上段係止金具3から所定寸法(任意の寸法に設定可能である。例えば、網5の上下幅の1/4程度の寸法)下げた位置に、支柱2を挟持して係止する中段係止金具25を設け、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の下端の下端ロープ22を中段係止金具25に係止して、網5の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、冬期間、又は、草刈り期間等の所定期間終了時に、網5の下端の下端ロープ22を中段係止金具25から外し、下端ロープ22を下段係止金具4に係止して網5を張設するものである。
前記中段係止金具25は、前記下段係止金具4と同じものであり、同じ形状及び機能を備える。
尚、中段係止金具25を別途設けることなく、下段係止金具4を前記中段係止金具25の位置に移動させて中段係止金具25として用いることも可能である。そして、所定期間終了時に、網5を下段まで張設する時は、移動させた下段係止金具4を元の位置に戻せば良い。
【0045】
図10に示す鳥獣侵入防止柵1の他の使用法によっても、前図8に示した鳥獣侵入防止柵1の使用法と同様の効果が期待できる。
但し、図10に示す鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の場合は、必要に応じて、前記中段係止金具25の取付位置を変えることにより、網の折り畳みの割合(地面からどの程度持上げるか)を調節することができる。これにより、例えば、積雪の深さに応じて網5の折り畳んだ状態に於ける下端部の位置調節が可能となる。
尚、前記図10に示す鳥獣侵入防止柵1の他の使用法は、前記冬季間及び草刈り期間の適用に限定されるものではなく、他の必要な期間や、目的に適用することも可能である。
【0046】
図11は、前記鳥獣侵入防止柵1の前記下段係止金具(図6に於いて4)に代えて用いることができる変形例の下段係止金具31を示している。
下段係止金具31は、前記下段係止金具(図6に於いて4)の下端ロープ係止部(図6に於いて23)に代えて変形例の下端ロープ係止部32を設けたものであり、下端ロープ係止部32は、挟持部21に対し斜め外方{図11(a)に於いて斜め上方外方}に向かって略半円状に折曲されて斜設され、挟持部21の両端の下端ロープ係止部32を介して下段係止金具31に係止された下端ロープ22は、図11(a)に示す如く、水平方向から見て、曲折することなく、即ち、段差になることなく、略直線状に掛架されるように構成されている。
但し、平面視では、図11(c)に示す如く、下端ロープ22が、支柱2と、左右の下端ロープ係止部32に部分的に巻回して下端ロープ22は曲折状態となる。
【0047】
下段係止金具31は、前記下段係止金具(図6に於いて4)に比較して、下端ロープ22を係止させた状態が、水平方向から見て、曲折することなく、直線状になることにより外観上も良好となり、又、下端ロープ22を前記下段係止金具(図6に於いて4)の如く、下方に曲折させないので、下端ロープ22の係止作業が容易になる。
【0048】
図12は、前記鳥獣侵入防止柵1の支柱2の上端に着脱自在のキャップ41を設けたものである。キャップ41は必要に応じて適宜選択的に設けることができる。
キャップ41は、支柱2の外径以上の径を有する蓋部42と、支柱2の内壁内に嵌挿させる嵌挿部43とから構成され、蓋部42には、上段係止金具3の鋼線が貫通する孔44が開穿されている。
キャップ41を支柱2に取り付ける場合は、予めキャップ41の孔44に上段係止金具3を貫通させてから取付ける。
【符号の説明】
【0049】
1 鳥獣侵入防止柵
2 支柱
3 上段係止金具
4,31 下段係止金具
5 網
11 挿入部
12 金具係止部
13 上端ロープ
14 上端ロープ係止部
21 挟持部
22 下端ロープ
23,32 下端ロープ係止部
25 中段係止金具
41 キャップ
44 孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量で、施工が容易な、農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵及びその使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
この数年、鳥獣被害が広域化し深刻化している。北海道の鹿被害は、以前は北海道東部地区にしか見られなかったが、最近は西部地区でも被害が深刻化しており、現在、鹿の頭数は、東部地区に26万頭、西部地区に26万頭、合わせて52万頭まで増加している。この頭数は北海道の肉牛頭数と略同じ頭数である。
鳥獣被害を防ぐには侵入防止柵の設置が有効であるが、最近、業者施工ではなく農家による自力施工が増えている。それは、現地を良く知っている農家が施工するほうが、キメこまかな工事が可能なことと、設置コストが軽減されるためである。
【0003】
業者施工の場合は、資材の重量や施工の容易さはそれほど大きな問題ではなく、むしろ出来上がりの柵としての効果と耐用年数が重要であった。しかし農家が自力施工する場合は、農家が高齢化していることから、資材の軽さや作業の容易さが重要である。
【0004】
侵入防止柵の資材は、網と柱に分けられる。網は一般的には金網を用いるが、樹脂製の網を利用することで重量を大幅に軽減できる。但し、樹脂製の網を利用するには、網が積雪荷重に耐えなくてはならない。
【0005】
この種技術の先行文献として、例えば、特許文献1があるが、特許文献1は、5〜10m間隔に立杭を立設し、立杭間に金網を張り、隣り合う立杭間に1〜5本程度の支持材を接地させるように起立させて設けることにより、積雪荷重によって金網が引き延ばされてたるむことを防止した野獣被害防止柵が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−69898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、鳥獣侵入防止柵の農家による自力施工が増えている。自力施工する場合は、資材の軽さや作業の容易さが重要であり、軽量化のため、樹脂製の網を利用するには、網が積雪荷重に耐えなくてはならない。
【0008】
以上の現状に鑑み、本発明は、軽量で、施工が容易な、農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵及びその使用法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、筒状の複数の支柱と、前記支柱の上端に係止する上段係止金具と、前記支柱の下部を挟持して係止する下段係止金具と、前記上段係止金具と下段係止金具とに上端と下端とを係止させることにより前記支柱間に張設する樹脂製の網とを備え、農家が自力施工できるように構成したことを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記上段係止金具は、前記支柱の筒内に挿入する挿入部と、前記支柱の上端に前記上段係止金具を係止するための金具係止部と、前記網の上端辺に配設される上端ロープを係止させる上端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記上段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挿入部はU字形状に折曲されて形成され、前記金具係止部は前記挿入部に延設して逆U字状に折曲されて形成され、前記上端ロープ係止部は前記金具係止部に延設して斜め方向に円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項2記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記下段係止金具は、前記支柱を挟持する挟持部と、前記網の下端に配設される下端ロープを係止させる下端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記下段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挟持部は略半円状に折曲されて形成され、前記下端ロープ係止部は、前記挟持部の両端に夫々延設して略逆半円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項4記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、前記下端ロープ係止部は、前記挟持部に対し斜め外方に向かって斜設され、前記挟持部の両端の下端ロープ係止部を介して前記下段係止金具に係止された前記下端ロープは、水平方向から見て、曲折することなく、略直線状に掛架されるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0015】
請求項7に係る発明は、前記筒状の複数の支柱の上端には、夫々着脱自在のキャップを設け、前記キャップは、前記上段係止金具の鋼線が貫通する孔が開穿されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供するものである。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端も前記上段係止金具に係止して、前記網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法を提供するものである。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の上下間所定箇所を前記上段係止金具に係止して、前記網を3つ折りに折り畳んだ状態に維持し、或いは、前記網の上下間所定箇所と、前記網の下端とを前記上段係止金具に係止して、前記網を4つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の上端を除く係止部分を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法を提供するものである。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記支柱の前記下段係止金具よりも上方で、且つ、前記上段係止金具から所定寸法下げた位置に、前記支柱を挟持して係止する中段係止金具を設け、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端を前記中段係止金具に係止して、前記網の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記中段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1記載の発明によれば、軽量で、施工が容易な、農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵を提供することができる。
又、本発明の鳥獣侵入防止柵は、金具及び網の取付けにボルトナットを使わないので、作業効率が良く、更に、網は、金具に係止するのみであるので、網の取付け、取り外しが極めて容易である。
更に又、本発明の鳥獣侵入防止柵は、支柱に孔を開けずに施工できるので、地形や地質どおりに打ち込み出来ない場合でも融通性が高く、施工性が良い。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、挿入部及び金具係止部により上段係止金具を支柱の上端に確実に係止させ、上端ロープ係止部により、上端ロープを係止させることができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、挿入部及び金具係止部により上段係止金具を支柱の上端に容易に係止させ、上端ロープ係止部により、上端ロープを容易に係止させることができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、挟持部により支柱を挟持して、下段係止金具を支柱に係止できると共に、下端ロープ係止部で下端ロープを係止させることができる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加え、挟持部により支柱を挟持して、下段係止金具を支柱に容易に係止できると共に、下端ロープ係止部で下端ロープを容易に係止させることができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加え、下端ロープ係止部は、挟持部に対し斜め外方に向かって斜設されているので、挟持部の両端の下端ロープ係止部を介して下段係止金具に係止された下端ロープは、水平方向から見て、曲折することなく、略直線状に掛架され、外観上も良好となり、下端ロープの係止も容易になる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、キャップにより、筒状の支柱内への雨の侵入を防ぎ、支柱の腐蝕を防止できると共に、キャップに予め上段係止金具を取付けてあれば、キャップ装着時に、上段係止金具の取り付けも同時に行うことができる。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、必要な所定期間に於いて、網の下端を上段係止金具に係止することにより、網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時には、網を下段まで張設することができる。
例えば、冬季間には、網を上下中間で折り畳んだ状態に維持することにより、積雪による網の損傷を防止できると共に、雪深い時期の鳥獣の侵入を防止でき、冬季間終了時には、雪解け時期にとらわれず、網を下段まで張設することができる。
又、例えば、草刈り期間には、網を上下中間で折り畳んだ状態に維持することにより、草刈り時の網の損傷を防止できると共に、網の下方の草刈りを可能とし、草刈り終了時には、網を下段まで張設することができる。
【0027】
請求項9記載の発明によれば、必要な所定期間に於いて、網の上下間所定箇所や網の下端を上段係止金具に係止することにより、網を3つ折り、又は、4つ折りに折り畳んだ状態に維持し、即ち、網の最下端位置を高い位置に保持し、積雪の多い場合に於いて、網の損傷を防止することができる。そして、所定期間終了時には、網を下段まで張設することができる。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、必要な所定期間に於いて、網の下端を中段係止金具に係止して、網の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時には、網を下段まで張設することができる。
例えば、冬季間には、網の下部を一部折り畳んだ状態に維持することにより、積雪による網の損傷を防止できると共に、雪深い時期の鳥獣の侵入を防止でき、冬季間終了時には、雪解け時期にとらわれず、網を下段まで張設することができる。
又、例えば、草刈り期間には、網の下部を一部折り畳んだ状態に維持することにより、草刈り時の網の損傷を防止できると共に、網の下方の草刈りを可能とし、草刈り終了時には、網を下段まで張設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の一部正面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の側面図である。
【図2】(a)本発明の上段係止金具の正面図である。(b)本発明の上段係止金具の側面図である。(c)本発明の上段係止金具の平面図である。
【図3】(a)本発明の下段係止金具の平面図である。(b)本発明の下段係止金具の正面図である。
【図4】本発明のアンカーピンの正面図である。
【図5】(a)本発明の上段係止金具を取り付けた状態を示す側面図である。(b)本発明の上段係止金具を取り付けた状態を示す正面図である。
【図6】(a)本発明の下段係止金具を取り付けた状態を示す正面図である。(b)本発明の下段係止金具を取り付けた状態を示す側面図である。(c)本発明の下段係止金具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図7】本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の所定長さの施工例を示す一部正面図である。
【図8】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態を示す一部正面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を上下中間で折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図9】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を3つ折りに折り畳んだ状態を示す側面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網を4つ折りに折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図10】(a)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網の下部を一部折り畳んだ状態を示す一部正面図である。(b)本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の網の下部を一部折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図11】(a)本発明の変形例の下段係止金具を取り付けた状態を示す正面図である。(b)本発明の変形例の下段係止金具を取り付けた状態を示す側面図である。(c)本発明の変形例の下段係止金具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図12】(a)本発明のキャップを取付けた状態を示す正面図である。(b)本発明のキャップを取付けた状態を示す側面図である。(c)本発明のキャップを取付けた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1に於いて、1は、本発明の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵であり、鳥獣侵入防止柵1は、金属パイプ等の筒状の複数の支柱2と、支柱2の上端に係止する上段係止金具3と、支柱2の下部を挟持して係止する下段係止金具4と、上段係止金具3と下段係止金具4とに上端と下端とを係止させることにより支柱2間に張設する樹脂製の網5とを備えたものである。
尚、「農家が自力施工できる」とは、「高齢化している現状の農家に於いて、農家の人が業者施工や、機械等に頼ることなく、農家の人だけで自力で施工できる」ことを意味する。
又、鳥獣侵入防止柵1は、必要に応じて、支柱2間の1乃至複数個所に於いて、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を地面に固定する後述するアンカーピン24を用いる。
【0031】
図2及び図5に示す如く、上段係止金具3は、支柱2の筒内に挿入する挿入部11と、支柱2の上端に上段係止金具3を係止するための金具係止部12と、網5の上端辺に配設される上端ロープ13を係止させる上端ロープ係止部14とを備えている。
上段係止金具3は具体的には、全体が鋼線を折り曲げて形成され、挿入部11は支柱2の筒内に挿入できるようにU字形状に折曲されて形成され、金具係止部12は挿入部11に延設して挿入部11と同一平面上に逆U字状に折曲されて形成され、上端ロープ係止部14は金具係止部12に延設して金具係止部12に対して斜設する如く斜め方向{図2(b)に於いて左斜め方向}に円状に折曲されて形成されている。
即ち、上端ロープ係止部14は、金具係止部12の先端部から延設して斜め方向に円状に略一回転し、先端部が金具係止部12の先端部に、上端ロープ13の出し入れを行うための隙間を残して近接するように形成されている。
尚、上端ロープ13は、網5の上端辺の網目を交互に貫通させて配設しても良く、或いは、網5の上端辺の適宜網目部に結んで配設しても良い。
【0032】
図3及び図6に示す如く、下段係止金具4は、支柱2を挟持する挟持部21と、網5の下端に配設される下端ロープ22を係止させる下端ロープ係止部23とを備えている。
下段係止金具4は具体的には、全体が鋼線を折り曲げて形成され、挟持部21は略半円状に折曲されて形成され、下端ロープ係止部23は、挟持部21の両端に夫々延設して挟持部21と同一平面上に略逆半円状に折曲されて形成されている。
尚、下端ロープ22は、網5の下端辺の網目を交互に貫通させて配設しても良く、或いは、網5の下端辺の適宜網目部に結んで配設しても良い。
図4は、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を地面に固定するアンカーピン24を示している。アンカーピン24を使用する場合は、アンカーピン24の図4に於いて上部の鉤部に、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を引っ掛け、アンカーピン24の頭部を叩いて、アンカーピン24の図4に於いて下部の槍部を地面に打ち込む。
アンカーピン24は、必要に応じて、支柱2間に於いて適宜1乃至複数本打ち込む。
【0033】
図5は、前記上段係止金具3の係止状態を示したものであり、上段係止金具3は、挿入部11を支柱2の上端から筒内に挿入し、金具係止部12を支柱2の上端に係止させた状態で、斜め方向に円状に折曲された上端ロープ係止部14の先端部と金具係止部12の先端部との隙間から上端ロープ13を上端ロープ係止部14の内側に導入し、上端ロープ13を上端ロープ係止部14に係止させる。
【0034】
図6は、前記下段係止金具4の係止状態を示したものであり、下段係止金具4は、挟持部21で支柱2を挟持させた状態で、図6(a)に於いて左側の下端ロープ係止部23の内側に下から上に向けて下端ロープ22を通し、右側の下端ロープ係止部23の内側に上から下に向けて下端ロープ22を通し、下端ロープ22を下端ロープ係止部23に係止させたものである。係止された下端ロープ22は、左右の下端ロープ係止部23間が上段となり、その外方が下段となり、段差が形成される。
【0035】
従って、図5及び図6に示す如く、複数の支柱2に上段係止金具3及び下段係止金具4を取付け、図1に示す如く、上段係止金具3及び下段係止金具4に網5を係止させて、網5を支柱2間に張設すれば、鳥獣侵入防止柵1が完成する。
更に、必要に応じて、前述した如く、適宜本数のアンカーピン24を打ち込み、網5の下端辺、又は、網5の下端辺に配設される下端ロープ22を地面に固定する。
【0036】
図7は、5本の支柱2間に網5を張設した所定長さの鳥獣侵入防止柵1の一部を示しているが、更に鳥獣侵入防止柵1は、長く設置することができ、或いは、柵として一定のスペースを囲い込むことも可能である。
【0037】
図8は、鳥獣侵入防止柵1の使用法の一例であって、主として冬季間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の下端の下端ロープ22も上段係止金具3に係止して、網5を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持したものである。
尚、この場合に於いても、前述(図1参照)と同様に下段係止金具4は取付けておく。
【0038】
前記冬季間に於ける使用法によって、積雪による加重を避け、従来、積雪荷重により、網5が引き延ばされてたるむ現象を防止することができる。
又、雪が深い場合は、積雪と、前記折り畳んだ状態の網5とで鳥獣侵入防止柵の効果が期待できる。即ち、積雪が鳥獣侵入防止柵の下部側の柵の役目を果たし、上下中間で折り畳んだ状態の網5が、鳥獣侵入防止柵の上部側の柵の役目を果たす。この時、所定高さの積雪があれば、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部は、積雪によってある程度動かないように保持される。
【0039】
尚、この場合、必要に応じて、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部を前記下段係止金具4を用いて係止させても良い。その場合には、予め、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部に位置するように、下段係止金具4を支柱2の適宜高さに別途取付けておく。
又、その場合、上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部を下段係止金具4に直接係止させても良いが、予め上下中間で折り畳んだ状態の網5の下端部となる位置に、下段係止金具4に係止させるためのロープを配設し、そのロープを下段係止金具4に係止させても良い。
【0040】
更に、前記鳥獣侵入防止柵1は、冬季間終了時に、雪解け時期にとらわれず、前記冬季間に於ける使用法の状態から、網5の下端を上段係止金具3から外し、網5の下端を予め取付けておいた図1に示す下段係止金具4に係止して図1に示す如く網5を柵の下部側にも張設することができる。
【0041】
又、図8の鳥獣侵入防止柵1の使用法を、例えば、草刈り期間にも適用できる。草刈り期間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の下端の下端ロープ22も上段係止金具3に係止して、網5を上下中間で折り畳んだ状態に維持する。
尚、この場合に於いても、前述(図1参照)と同様に下段係止金具4は取付けておく。
【0042】
前記草刈り期間(時間であっても良い。)に於ける使用法によって、草刈り機等による網の損傷を防止することができると共に、網の下方の草刈りが可能となる。
草刈り期間が終了したら、前記草刈り期間の使用状態から、網5の下端を上段係止金具3から外し、網5の下端を予め取付けておいた図1に示す下段係止金具4に係止して図1に示す如く網5を柵の下部側にも張設することができる。
尚、前図8に示す鳥獣侵入防止柵1の使用法は、前記冬季間及び草刈り期間の適用に限定されるものではなく、他の必要な期間や、目的に適用することも可能である。
【0043】
図9(a)は、鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の一例であって、主として冬季間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の上下間所定箇所、好適には、網5の上端から上下幅の約2/3の下方箇所を上段係止金具3に係止して、網を3つ折りに折り畳んだ状態に維持したものである。
図9(b)は、鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の一例であって、主として冬季間に於いて、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の上下間所定箇所、好適には、網5の上端から上下幅の約1/2下方箇所と、網5の下端ロープ22とを上段係止金具3に係止して、網5を4つ折りに折り畳んだ状態に維持したものである。
前図9(a)及び前図9(b)の使用法に於いては、網5の最下端位置を高い位置に保持し、積雪の多い場合に於いて、網5の損傷を防止することができる。
前図9(a)及び前図9(b)の使用法に於いて、所定期間終了時には、網5の上端(この場合、上端ロープ13)を除く係止部分(下端ロープ22を含む)を上段係止金具3から外し、網5の下端を下段係止金具4に係止して網5を張設する。
尚、状況に応じて、前述した4つ折りよりも更に多く折り畳むことも可能である。
【0044】
図10は、鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の一例であって、例えば、冬期間、又は、草刈り期間等の所定期間に於いて、支柱2の下段係止金具4よりも上方で、且つ、上段係止金具3から所定寸法(任意の寸法に設定可能である。例えば、網5の上下幅の1/4程度の寸法)下げた位置に、支柱2を挟持して係止する中段係止金具25を設け、網5の上端に配設された上端ロープ13を上段係止金具3に係止した状態で、網5の下端の下端ロープ22を中段係止金具25に係止して、網5の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、冬期間、又は、草刈り期間等の所定期間終了時に、網5の下端の下端ロープ22を中段係止金具25から外し、下端ロープ22を下段係止金具4に係止して網5を張設するものである。
前記中段係止金具25は、前記下段係止金具4と同じものであり、同じ形状及び機能を備える。
尚、中段係止金具25を別途設けることなく、下段係止金具4を前記中段係止金具25の位置に移動させて中段係止金具25として用いることも可能である。そして、所定期間終了時に、網5を下段まで張設する時は、移動させた下段係止金具4を元の位置に戻せば良い。
【0045】
図10に示す鳥獣侵入防止柵1の他の使用法によっても、前図8に示した鳥獣侵入防止柵1の使用法と同様の効果が期待できる。
但し、図10に示す鳥獣侵入防止柵1の他の使用法の場合は、必要に応じて、前記中段係止金具25の取付位置を変えることにより、網の折り畳みの割合(地面からどの程度持上げるか)を調節することができる。これにより、例えば、積雪の深さに応じて網5の折り畳んだ状態に於ける下端部の位置調節が可能となる。
尚、前記図10に示す鳥獣侵入防止柵1の他の使用法は、前記冬季間及び草刈り期間の適用に限定されるものではなく、他の必要な期間や、目的に適用することも可能である。
【0046】
図11は、前記鳥獣侵入防止柵1の前記下段係止金具(図6に於いて4)に代えて用いることができる変形例の下段係止金具31を示している。
下段係止金具31は、前記下段係止金具(図6に於いて4)の下端ロープ係止部(図6に於いて23)に代えて変形例の下端ロープ係止部32を設けたものであり、下端ロープ係止部32は、挟持部21に対し斜め外方{図11(a)に於いて斜め上方外方}に向かって略半円状に折曲されて斜設され、挟持部21の両端の下端ロープ係止部32を介して下段係止金具31に係止された下端ロープ22は、図11(a)に示す如く、水平方向から見て、曲折することなく、即ち、段差になることなく、略直線状に掛架されるように構成されている。
但し、平面視では、図11(c)に示す如く、下端ロープ22が、支柱2と、左右の下端ロープ係止部32に部分的に巻回して下端ロープ22は曲折状態となる。
【0047】
下段係止金具31は、前記下段係止金具(図6に於いて4)に比較して、下端ロープ22を係止させた状態が、水平方向から見て、曲折することなく、直線状になることにより外観上も良好となり、又、下端ロープ22を前記下段係止金具(図6に於いて4)の如く、下方に曲折させないので、下端ロープ22の係止作業が容易になる。
【0048】
図12は、前記鳥獣侵入防止柵1の支柱2の上端に着脱自在のキャップ41を設けたものである。キャップ41は必要に応じて適宜選択的に設けることができる。
キャップ41は、支柱2の外径以上の径を有する蓋部42と、支柱2の内壁内に嵌挿させる嵌挿部43とから構成され、蓋部42には、上段係止金具3の鋼線が貫通する孔44が開穿されている。
キャップ41を支柱2に取り付ける場合は、予めキャップ41の孔44に上段係止金具3を貫通させてから取付ける。
【符号の説明】
【0049】
1 鳥獣侵入防止柵
2 支柱
3 上段係止金具
4,31 下段係止金具
5 網
11 挿入部
12 金具係止部
13 上端ロープ
14 上端ロープ係止部
21 挟持部
22 下端ロープ
23,32 下端ロープ係止部
25 中段係止金具
41 キャップ
44 孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の複数の支柱と、前記支柱の上端に係止する上段係止金具と、前記支柱の下部を挟持して係止する下段係止金具と、前記上段係止金具と下段係止金具とに上端と下端とを係止させることにより前記支柱間に張設する樹脂製の網とを備え、農家が自力施工できるように構成したことを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項2】
前記上段係止金具は、前記支柱の筒内に挿入する挿入部と、前記支柱の上端に前記上段係止金具を係止するための金具係止部と、前記網の上端辺に配設される上端ロープを係止させる上端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項3】
前記上段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挿入部はU字形状に折曲されて形成され、前記金具係止部は前記挿入部に延設して逆U字状に折曲されて形成され、前記上端ロープ係止部は前記金具係止部に延設して斜め方向に円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項2記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項4】
前記下段係止金具は、前記支柱を挟持する挟持部と、前記網の下端に配設される下端ロープを係止させる下端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項5】
前記下段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挟持部は略半円状に折曲されて形成され、前記下端ロープ係止部は、前記挟持部の両端に夫々延設して略逆半円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項4記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項6】
前記下端ロープ係止部は、前記挟持部に対し斜め外方に向かって斜設され、前記挟持部の両端の下端ロープ係止部を介して前記下段係止金具に係止された前記下端ロープは、水平方向から見て、曲折することなく、略直線状に掛架されるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項7】
前記筒状の複数の支柱の上端には、夫々着脱自在のキャップを設け、前記キャップは、前記上段係止金具の鋼線が貫通する孔が開穿されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項8】
請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端も前記上段係止金具に係止して、前記網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法。
【請求項9】
請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の上下間所定箇所を前記上段係止金具に係止して、前記網を3つ折りに折り畳んだ状態に維持し、或いは、前記網の上下間所定箇所と、前記網の下端とを前記上段係止金具に係止して、前記網を4つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の上端を除く係止部分を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法。
【請求項10】
請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記支柱の前記下段係止金具よりも上方で、且つ、前記上段係止金具から所定寸法下げた位置に、前記支柱を挟持して係止する中段係止金具を設け、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端を前記中段係止金具に係止して、前記網の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記中段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法。
【請求項1】
筒状の複数の支柱と、前記支柱の上端に係止する上段係止金具と、前記支柱の下部を挟持して係止する下段係止金具と、前記上段係止金具と下段係止金具とに上端と下端とを係止させることにより前記支柱間に張設する樹脂製の網とを備え、農家が自力施工できるように構成したことを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項2】
前記上段係止金具は、前記支柱の筒内に挿入する挿入部と、前記支柱の上端に前記上段係止金具を係止するための金具係止部と、前記網の上端辺に配設される上端ロープを係止させる上端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項3】
前記上段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挿入部はU字形状に折曲されて形成され、前記金具係止部は前記挿入部に延設して逆U字状に折曲されて形成され、前記上端ロープ係止部は前記金具係止部に延設して斜め方向に円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項2記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項4】
前記下段係止金具は、前記支柱を挟持する挟持部と、前記網の下端に配設される下端ロープを係止させる下端ロープ係止部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項5】
前記下段係止金具は全体が鋼線を折り曲げて形成され、前記挟持部は略半円状に折曲されて形成され、前記下端ロープ係止部は、前記挟持部の両端に夫々延設して略逆半円状に折曲されて形成されていることを特徴とする請求項4記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項6】
前記下端ロープ係止部は、前記挟持部に対し斜め外方に向かって斜設され、前記挟持部の両端の下端ロープ係止部を介して前記下段係止金具に係止された前記下端ロープは、水平方向から見て、曲折することなく、略直線状に掛架されるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項7】
前記筒状の複数の支柱の上端には、夫々着脱自在のキャップを設け、前記キャップは、前記上段係止金具の鋼線が貫通する孔が開穿されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵。
【請求項8】
請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端も前記上段係止金具に係止して、前記網を上下中間で2つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法。
【請求項9】
請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の上下間所定箇所を前記上段係止金具に係止して、前記網を3つ折りに折り畳んだ状態に維持し、或いは、前記網の上下間所定箇所と、前記網の下端とを前記上段係止金具に係止して、前記網を4つ折りに折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の上端を除く係止部分を前記上段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法。
【請求項10】
請求項1乃至7記載の農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法であって、所定期間に於いて、前記支柱の前記下段係止金具よりも上方で、且つ、前記上段係止金具から所定寸法下げた位置に、前記支柱を挟持して係止する中段係止金具を設け、前記網の上端を前記上段係止金具に係止した状態で、前記網の下端を前記中段係止金具に係止して、前記網の下部を一部折り畳んだ状態に維持し、所定期間終了時に前記網の下端を前記中段係止金具から外し、前記網の下端を前記下段係止金具に係止して前記網を張設することを特徴とする農家が自力施工できる鳥獣侵入防止柵の使用法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−239712(P2011−239712A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113780(P2010−113780)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(592231446)北原電牧株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(592231446)北原電牧株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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