説明

農業用バラックの単管暖房装置

【課題】排煙による汚染を防止し温度管理を容易にし、燃焼効率を向上した実用的かつ環境保護に呼応した(ビニールハウスなどの)農業用バラックの暖房装置の提供。
【解決手段】炉体部分は円柱形の中間層30、空間隔離板31、受熱管32、管板受熱面33、中心導出管2、分離機3、液降下室14より構成され、放熱装置部分は内管25を外管8内に嵌入する。外管8のヘッドと内管25のヘッド外壁はシール環23を設置し、外管8の末端を封鎖し、内管25の末端は開放しておく。外管8の首端上部には排気室5を溶接し、その下部と冷却管13、液降下室14を連結させ、内管25のヘッドと分離機3を連結させる。放熱機6と放熱機の放熱機カバー管10を連結させ、該カバー管10の両端は外管8の外壁上に固定する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は農業用バラックの単管暖房装置に係るもので、主に炉体部分と放熱装置部分とに分け、各パーツを相通させて気密に固定されているが、取りつけや取りはずしにも便利であるようにし、また良好な熱伝導特性を利用して気体中の可燃物を有効に燃焼させるものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製の農業用バラック(若しくはビニールハウス)や温室における冬季の暖房は、床暖房や壁暖房が主流となっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしこれら従来の暖房装置では熱の損失が大きく、バラック内の煙等による汚染が問題であり、またバラック内の作物等の成長においても、それに適切な温度を保つことが難しくなっている。これらの状況に鑑み、効率がよく、汚染の少ない安定した温度を保つため、本考案の農業用バラックの単管暖房装置を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は主に炉体と、放熱装置の二つの部分より構成される。 該炉体部分は円柱形の中間層と、中間層内壁に溶接されて中間層内腔と相通した空間隔離板と、受熱管と、管板受熱面と、中心導出管と、中間層外壁に溶接されて中間層内腔と相通した液回収管と、分離機と、U字型液回収管と、液降下室と、給液バルブとより構成し、これら各パーツ内部は相互に連結させる。その内、中心導出管においては空間隔離板上の中央に溶接固定し、空間隔離板内部と相通している。中心導出管は中間層上端内壁を通り、さらに横向きに伸び、中間層上部外壁を通って分離機の上部と連結している。中間層内部上端の中心導出管横管壁上には孔を均等に分布させる。
また放熱装置においては、外管と、内管と、連結フランジと、抽気室と、抽気圧メータと、放熱機と、放熱機カバー管と、冷却管とより構成し、内管は外管内に嵌合し、外管のヘッドは内管のヘッド外壁には隔離シールリングを設置してある。外管の末端は密封し、内管の末端である開口と外管末端の間の距離は一定の間隔を設けて、受熱管が熱膨張した際、内管のクッションの機能を果たすようにする。外管と外管は連結フランジで連結し、外管ヘッド上部は抽気室に連結し、抽気室上部は抽気圧メータに連結させる。外管ヘッド下部と冷却管上部を連結し、冷却管下端と液降下室を連結させる。液降下室上部には給液バルブを設置し、内管ヘッドには分離機を連結させる。
連結フランジは外管内に嵌合し、支持鋼線にて支える。連結フランジ上には膨張対応用に位置制限台を設置する。凹フランジ上にはO字型密封リングを設けた定位密封槽を設置し、凸フランジ上には該定位密封槽に対応した定位環を設置する。凹、凸フランジ上には両フランジを連結するための螺旋栓孔を設ける。
放熱機と放熱機カバー管は連結しており、放熱機カバー管両端は外管の外壁上に溶接し、外管表面温度が50℃以上に達した時、放熱機カバー管内の熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)が熱を受けて相変化を起こし、その熱量が相通した放熱機内に伝わることで放熱の目的を達する。
【0005】
【考案実施の形態】
図1、図2が示すように、本考案の農業用バラックの単管暖房装置は、大きく分けると炉体と放熱装置の二部分より構成されている。
炉体部分は円柱形の中間層30、中間層30内壁にアーク溶接されており中間層30と相通している空間隔離板31、受熱管32、管板受熱面33、中心導出管2、中間層30外壁にアーク溶接されており中間層30と相通している液回収管11、分離機3、U字型液回収管16、液降下室14、給液バルブ12より構成されており、これら炉体を構成する各パーツの内部は全て連結している。
中心導出管2は空間隔離板31上端中央個所に溶接されており、該板内部に相通しており、中間層30上端内壁を通った後さらに横向きに伸び、中間層30上部外壁と分離機3上部と連結している。中間層30内部上端の2横管壁上には孔44が均等の距離を置いて分布している。
中間層30内より気化した熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)
が分離機3内に導出される。分離機3下部は液回収管11を通して中間層30外壁と連結し、中間層30の外壁下部はU字型液回収管16に連結しており、さらに液降下室14下端がU字型液回収管16に連結し、また液降下室14上端は給液バルブ12が設置されている。
また、中心導出管2横管壁上の孔の数は6(mm径)×10孔である。
【0006】
放熱装置の部分は図1、図5、図7が示すように、主に外管8、内管25、連結フランジ9、抽気室5、抽気圧メータ4、放熱機6、放熱機カバー管10、冷却管13より構成されている。内管25は外管8内に設置され、支持鋼線24にて支えられている。内管25のヘッドと外管8のヘッドは炉体に接触しているが相通しておらず、外管8のヘッドと内管25ヘッド外壁にシール環23がアーク溶接で封じられており、外管8の末端も同様にアーク溶接で封じられている。内管末端7は外管8末端と一定の距離が保たれており、これは受熱線が膨張した際内管25のクッション用として置いた距離である。内管25と内管25は螺旋付き連結部品27で連接でき、外管8と外管8は連結フランジ9で連接できる。外管8ヘッド上部はアーク溶接で抽気室5に連結し、抽気室5上部は抽気圧メータ4に連結している。外管8ヘッド下部と冷却管13上端はフランジ46で連結し、冷却管13下端はフランジ28で液降下室14と連結され、内管25首端はフランジ28で分離機3と連結している。
図8が示すように、連結フランジには凸フランジ36と凹フランジ37がある。連結フランジ上には管が膨張した際のための位置制限台部41がある。凹フランジ37上にはO字型の密封リング26を設置する定位密封溝42があり、凸フランジ36上には該溝に対応した定位環38があり、凹凸両フランジ上には両フランジを連結するための螺旋栓孔39と溶接口40がある。
放熱機6と放熱機カバー管10はアーク溶接で連結され、放熱機カバー管10両端はアーク溶接で外管8の上壁上に固定されており、外管8表面温度が50℃以上に達したとき放熱カバー管10の熱交媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)は熱を受けて相変化を起こし、その熱量を放熱カバー管10と相通している放熱機6内に伝達し、放熱機が放熱する機能を果たしている。
点火前に先ず抽気圧メータ4を開けて給液バルブ12より熱交媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)を注入する。点火時には先ず着火用木材を木材戸口(ゲート)20より網29上に入れ、炉戸口(ゲート)21よりバラの石炭を入れる。火は木材戸口(ゲート)20より木材を燃やして入れ、木材戸口(ゲート)20と灰戸口(ゲート)19を閉じた後、炉戸口(ゲート)21を開けることで空気を通して酸素を送り、その際下通風管18は炉戸口(ゲート)21の補助戸口(ゲート)となり、上通風管15はその第二次補助戸口(ゲート)となる。
中間層30下部内壁、空間隔離板31下部、受熱管32は輻射熱を受ける部分であり、その内部の熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)は熱を受けた後、気化して蒸気となって中心導出管2を通って分離機3に入り、不燃物である熱煙は排煙口43上の煙窓を通り吸い出されて熱煙が絶え間無く上昇する。熱煙が上昇するとき、熱煙の分子は中間層30上部内壁、管板受熱面33、中心導出管2に幾度もぶつかって旋回流通口34を通って排煙口43より排出される。
灰排出戸口(ゲート)22は中心導出管2、受熱管33上部の灰を掃除するためのものである。保温カバー35の材質は耐火コンクリートで、中間層30下部内壁、空間隔離板31、並びに炉戸口(ゲート)21向かいの半円内の外側に施されている。また排出管17は本考案の単管暖房装置を取り外す際、熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)を排出するのに用いる排液孔である。
点火後、中間層30、空間隔離板31、受熱管32内の熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)は気化して蒸気になり、熱量を伴なって中間層30、中心導出管2を通過して分離機3に導出された後さらに連結フランジ47によって内管25内に入る。その後気化した熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)は内管25の末端を通過して外管8に入り、 外管8上に設置された放熱機カバー管10と放熱機6で放熱され、同時に徐々に還元されて再び液体の熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)となる。外管8ヘッド上部と相通した抽気室5表面温度が50度以上に達した時は、即ち暖房装置内の空気が全て排出されてしまい、この時抽気圧バルブ4を閉めて空気排出をストップさせる。
放熱後、諸所に液化した熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)は、内管25と外管8の間の層を通って外管8のヘッド下部に進入してフランジ46によって連結された冷却管13を通過してさらに放熱され、熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)の密度が上げられる。最後にフランジ28を通って液降下室14に進入、U字型液回収管16を通って中間層30内に進入し、吸熱、相変化、放熱、冷却、の過程が終了する。
分離機3下部の液回収管11は分離機3に入ろうとする気体液体混合状態の熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)を分離する機能を果たし、気体の熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)が25に入って放熱の過程が終了するもので、液体の熱交換媒体(VERTICAL SUPRACONDUCTION LIQUID)は液回収管11を通って中間層30に入り、再び層変化の過程が繰り返される。
【0007】
【考案の効果】
本考案による効果を二つの部分に分けると、先ず炉体の部分では効率的に空気を送り、垂直方向に流動する熱交換媒体の伝熱技術を利用し、旋回式の排煙構造を実現して酸素による活性能力を高め、煙の分子が効果的に受熱面とぶつかり合うようになり、空気中の可燃物の完全燃焼を実現した。
次に放熱の部分では内管を外管内に嵌合したことで、従来の膨張により密封しにくい問題が解決でき、放熱機と管部分とがこのように密封はされているが、互いに独立していることから、設置や解体に便利にもなった。
これらを総合すると、本考案を提供することによって効率がよく環境保護に呼応した、且つ実用に便利な暖房装置が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の暖房装置の全体構造指示図である。
【図2】本考案の暖房装置中の炉の構造指示図である。
【図3】図2中のA−A部分の断面図である。
【図4】図2中のB−B部分の断面図である。
【図5】図1中のA−A部分の断面図である。
【図6】図1中のB−B部分の断面図である。
【図7】図1中のC−C部分の断面図である。
【図8】本考案の暖房装置中の連結フランジの構造図である。
【符号の説明】
2 中心導出管
3 分離機
4 抽気圧メータ
5 抽気室
6 放熱機
7 内管末端
8 外管
9 連結フランジ
10 放熱機カバー管
11 液回収管
12 給液バルブ
13 冷却管
14 液降下室
15 上通風管
16 U字型液回収管
17 排出管
18 下通風管
19 灰戸口(ゲート)
20 木材戸口(ゲート)
21 炉戸口(ゲート)
22 灰排出戸口(ゲート)
23 シール環
24 支持鋼線
25 内管
26 密封リング
27 螺旋付き連結部品
28 フランジ
29 網
30 中間層
31 空間隔離板
32 受熱管
33 管板受熱面
34 旋回流通口
35 保温カバー
36 凸フランジ
37 凹フランジ
38 定位環
39 螺旋栓孔
40 溶接口
41 位置制限台部
42 定位密封溝
43 排煙口
44 孔
46 フランジ
47 連結フランジ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】主に炉体と放熱装置の二つの部分より構成される農業用バラックの単管暖房装置において、円柱形の中間層、該中間層内壁に溶接され中間層内腔と相通じている空間隔離板、受熱管、管板受熱面、中心導出管、中間層外壁に溶接され中間層内腔と相通している液回収管、分離機、U字型液回収管、液降下室、給液バルブより構成され、これら各パーツが相互に連結しており、該中心導出管は空間隔離板上端の中央に溶接され、該隔離板の内部と相通しており、中間層上端内壁を通ってさらに横向きに伸び、中間層上部外壁を通って分離機の上部と連結し、中間層内部上端の中心導出管の横管壁上部には孔が均等に分布しており、また分離機下部は液回収管と中間層外壁と連結しており、中間層外壁下部はU字型液回収管と連結しており、液降下室とU字型液回収管は連結しており、液降下室上端は給液バルブを有する炉体と、外管、内管、連結フランジ、抽気室、抽気圧メータ、放熱機、放熱機カバー管、冷却管より構成され、内管は外管内に嵌合され、外管のヘッドと内管のヘッド外壁の間には隔離シール環が設置されており、内管末端は開口になっており、内管と内管は連通され、外管と外管は連結フランジで連結され、外管のヘッド上部は抽気室に連結しており、抽気室上部は抽気圧メータと連結しており、外管ヘッド下部と冷却管上端は連結しており、冷却管上端と液降下室は連結しており、液降下室上部には給液バルブが設置され、内管ヘッドと分離機が連結し、放熱機と放熱機カバー管は連通しており、放熱機カバー管両端は外管の外壁上部に溶接固定されている放熱装置と、を備えることを特徴とする農業用バラックの単管暖房装置。
【請求項2】内管は外管内に嵌合されており、並びに支持鋼線で支えられていることを特徴とする請求項1記載の農業用バラックの単管暖房装置。
【請求項3】フランジは連結フランジと、凸フランジと、凹フランジとを含み、連結フランジには管膨張時の位置制限台部があり、凹フランジにはO字型の密封リングがあり、凸フランジには凹フランジ上の定位密封溝に対応した定位環があり、凹凸両フランジ上には同両フランジを連結する螺旋栓孔があることを特徴とする請求項1記載の農業用バラックの単管暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【登録番号】実用新案登録第3073935号(U3073935)
【登録日】平成12年9月27日(2000.9.27)
【発行日】平成12年12月15日(2000.12.15)
【考案の名称】農業用バラックの単管暖房装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2000−3960(U2000−3960)
【出願日】平成12年6月8日(2000.6.8)
【出願人】(500270192)
【出願人】(500270181)久久代節能設備(北京)有限公司 (1)