説明

農薬固形組成物

【課題】 フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を含有する新規な農薬固形組成物を提供する。
【解決手段】 フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物および炭化水素溶剤を含有する除草効果に優れる農薬固形組成物。炭化水素溶剤としては、フェニル基を有する炭化水素溶剤、ナフチル基を有する炭化水素溶剤またはそれらの混合物が好ましい。農薬固形組成物としては、水和剤が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素溶剤を含有させることでフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物の除草効果が向上する組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を用いる水和剤で、除草効果を十分に発揮させるために、農薬活性化合物を水に実質的に不溶性のエステル類に溶解させることがすでに知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平07−010705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を含有する農薬固形組成物は、フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を含有する乳剤や懸濁剤等の農薬液状組成物に比べて除草効果が劣ることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは鋭意研究した結果、フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を含有する農薬固形組成物において、炭化水素溶剤を用いることにより、フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物の除草効果が向上することを見出した。すなわち、本発明は、下記〔1〕から〔6〕に記載の農薬固形組成物に関するものである。
【0005】
〔1〕 フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物および炭化水素溶剤を含有する農薬固形組成物。
【0006】
〔2〕 炭化水素溶剤が芳香族炭化水素溶剤である上記〔1〕記載の農薬固形組成物。
【0007】
〔3〕 炭化水素溶剤がフェニル基またはナフチル基を有するものから選ばれる1種以上である上記〔1〕記載の農薬固形組成物。
【0008】
〔4〕 炭化水素溶剤が1−フェニル−1−キシリルエタン、1−フェニル−1−エチルフェニルエタンおよびアルキルナフタレンから選ばれる1種以上である上記〔1〕記載の農薬固形組成物。
【0009】
〔5〕 フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物がキザロホップエチルおよびキザロホップ−P−エチルから選ばれる1種以上である上記〔1〕ないし〔4〕から選ばれる何れかに記載の農薬固形組成物。
【0010】
〔6〕 農薬固形組成物が水和剤である上記〔1〕ないし〔5〕から選ばれる何れかに記載の農薬固形組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を含有する農薬固形組成物の除草効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の詳細について説明する。
【0013】
本発明の農薬固形組成物としては、例えば、水和剤(wettable powder)、水溶剤(water soluble powder)、顆粒水和剤(water dispersible granule)、顆粒水溶剤(water soluble granule)、粉剤(dustable powder)、粒剤(granule)および錠剤(tablet)等が挙げられる。
【0014】
本発明に用いられるフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物としては、例えば、クロジナホッププロパルギル(Clodinafop-propargyl/一般名)、シハロホップブチル(Cyhalofop-butyl/一般名)、ジクロホップメチル(Diclofop-methyl/一般名)、ジフェノペンテンエチル(Difenopenten-methyl/一般名)、フェノキサプロップエチル(Fenoxaprop-ethyl/一般名)、フルアジホップブチル(Fluazifop-buthyl/一般名)、ハロキシホップ(Haloxyfop/一般名)、ハロキシホップメチル(Haloxyfop-methyl/一般名)、イソキサピリホップ(Isoxapyrifop/一般名)、プロパキザホップ(Propaquizafop/一般名)、キザロホップエチル(Quizalofop-ethyl/一般名)、キザロホップ−P−エチル(Quizalofop-p-ethyl/一般名)、キザロホップテフリル(Quizalofop-tefuryl/一般名)及びフェンチアプロップエチル(Fenthiaprop-ethyl/一般名)等が挙げられる。以上のフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物の中で好ましいものとしてはキザロホップエチルおよびキザロホップ−P−エチルである。これらのフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物の含有量は特に限定されないが、好ましくは1〜10重量%である。
【0015】
本発明に用いられる炭化水素溶剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0016】
(1)フェニル基を有する芳香族炭化水素溶剤:トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、1,1−ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、1,1−ジトリルエタン、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−フェニル−1−(エチルフェニル)エタン、1−キシリル−1−(α−メチルベンジルフェニル)エタンおよびビス(α−メチルベンジル)キシレン等。
【0017】
(2)ナフチル基を有する芳香族炭化水素溶剤:メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレンおよびジメチルイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン。
【0018】
(3)脂肪族炭化水素溶剤:マシン油、ノルマルパラフィン、イソパラフィンおよびナフテン等。
【0019】
(4)芳香族炭化水素溶剤と脂肪族炭化水素溶剤の混合物:ケロシン等。
【0020】
炭化水素溶剤として、好ましくはフェニル基を有する芳香族炭化水素溶剤およびナフチル基を有する芳香族炭化水素溶剤またはそれらの混合物である。
【0021】
本発明には炭化水素溶剤として、市販の有機溶剤をそのまま用いることができる。具体的には、例えば、ハイゾールSAS−296(商品名/1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニリルエタンの混合物、日本石油化学(株))、ナフテゾール160(商品名/ナフテン、日本石油化学(株))、ナフテゾール200(商品名/ナフテン、日本石油化学(株))、ナフテゾール220(商品名/ナフテン、日本石油化学(株))、KMC−113(商品名/ジイソプロピルナフタレン、呉羽化学工業(株))、ソルベッソ100(商品名/芳香族炭化水素、エクソンモービル化学(株))、ソルベッソ150(商品名/芳香族炭化水素、エクソンモービル化学(株))、ソルベッソ200(商品名/芳香族炭化水素、エクソンモービル化学(株))、スワゾール100(商品名/トルエン、丸善石油(株))、スワゾール200(商品名/キシレン、丸善石油(株))、カクタスソルベントP−100(商品名/アルキルベンゼン、日鉱石油化学(株))、カクタスソルベントP−150(商品名/アルキルベンゼン、日鉱石油化学(株))、カクタスソルベントP−180(商品名/メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学(株))、カクタスソルベントP−200(商品名/アルキルベンゼンとメチルナフタレン、ジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学(株))、カクタスソルベントP−207(商品名/アルキルベンゼンとメチルナフタレン、ジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学(株))が挙げられる。
【0022】
上記の炭化水素溶剤は製剤中に通常0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%含まれる。また、炭化水素溶剤は1種類もしくは2種類以上混合してもよい。
【0023】
次に、本発明の農薬固形組成物は、例えば次の方法で製造できる。
【0024】
本発明の農薬固形組成物が水和剤である場合には、炭化水素溶剤にフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を予め溶解させた後、さらに必要に応じてフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物以外の農薬活性化合物やその他必要な補助剤を加え、これらを均一に混合する。得られた混合物を、必要に応じてハンマーミル、ピンミル、ジェットミルなどで粉砕する。さらに、粉砕物を再度均一になるようにナウターミキサー等で混合し、目的の水和剤を得ることができる。本発明の農薬固形組成物に含有させることができるフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物以外の農薬活性化合物として、具体的にその一般名を例示すれば次の通りであるが、必ずしもこれらのみに限定されるものではない。
【0025】
ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron ethyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エスプロカルブ(esprocarb)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、メフェナセット(mefenacet)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ブロモブチド(bromobutide)エトベンザニド(etobenzanid)、ダイムロン(dymron)、クミルロン(cumyluron)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾンの塩、2,4−D、2,4−Dの塩、2,4−Dのエステル、MCP、MCPの塩、MCPのエステル、MCPB、MCPBの塩、MCPBのエステル、フェノチオール(MCPA-thioethyl)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、ジメタメトリン(dimethametryn)、シメトリン(simetryn)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensulide)、ジチオピル(dithiopyr)、ピリミノバックメチル(pyriminobac methyl)、CNP、クロメトキシニル(chlormethoxynil)、ビフェノックス(bifenox)、カフェンストロール(cafenstrole)、ペントキサゾン(pentoxazone)、インダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ブテナクロール(butenachlor)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンフレセート(benfuresate)、シンメチリン(cimmethylin)、シマジン(simazine)、ジクロベンジル(dichlobenil)、ジウロン(diuron)、クロロIPC(chlorpropham)、アトラジン(atrazine)、アラクロール(alachlor)、イソウロン(isouron)、クロルフタリム(chlorphtalim)、シアナジン(cyanazin)、トリフルラリン(trifluralin)、ブタミホス(butamifos)、プロピザミド(propyzamide)、プロメトリン(prometryn)、ペンディメタリン(pendimethalin)、メトラクロール(metolachlor)、メトリブジン(metribuzin)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、MCPA、アイオキシニル(ioxynil octanoate)、アシュラム(asulam)、セトキシジム(sethoxydim)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、フェンメディファム(phenmedipham)、ベンタゾン(bentazone)、SAP(bensulide)、TCTP(chlorthal-dimethyl,tetorachlorothiophene)、アミプロホスメチル(amiprophosmethyl)、アメトリン(ametryn)、イソキサベン(isoxaben)、オルソベンカーブ(orbencarb)、カルブチレート(karbutilate)、シデュロン(siduron)、チアザフルロン(thiazafluron)、ナプロパミド(napropamide)、プロジアミン(prodiamine)、ベスロジン(benefin)、メチルダイムロン(methyl dymron)、2,4−PA、MCPPA、フラザスルフロン(flazasulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、テトラピオン(flupropanate)、テブティウロン(tebuthiuron)、ブロマシル(bromacil)、ヘキサジノン(hexazinone)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-iso-propylammonium)、グリホサートトリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、ビアラホス(bialaphos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)およびMCC、ピラクロニル(pyraclonil)、テフリルトリオン(tefuryltirone)、メソトリオン(mesotrione)、ペノキススラム(penoxsulam)、アミノピラリド(aminopyralid)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロポキシカルバゾンナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)、メタミトロン(metamitron)およびトプラメゾン(topramezon)等が挙げられる。
【0026】
これらのフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物以外の農薬活性化合物は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。具体的にはブタクロールとシアナジン、アラクロールとメタミトロン、メトラクロールとメトリブジンなどと、フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物であるキザロホップエチルとの組合せが挙げられる。また、これらのフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物以外の農薬活性化合物の総含有量は特に限定されるものではないが、通常0.01〜40重量%の範囲が好ましい。
【0027】
本発明の農薬固形組成物に用いることのできる補助剤としては、例えば、界面活性剤、結合剤、固体担体、吸収剤、粉砕助剤、pH調整剤、分解防止剤、着色剤及び防腐剤等が挙げられる。
【0028】
界面活性剤としては、例えば、以下の(A)、(B)、(C)、(D)および(E)が挙げられる。
【0029】
(A)ノニオン性界面活性剤:
(A-1)ポリエチレングリコール型界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキル(C12〜18)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキル(C8〜12)フェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12〜18)モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12〜18)ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C12〜18)エステル、グリセロール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキル(C12〜18)アミンエチレンオキサイド付加物および脂肪酸(C12〜18)アミドエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0030】
(A-2)多価アルコール型界面活性剤:例えば、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸(C12〜18)エステル、ソルビタン脂肪酸(C12〜18)エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテルおよび脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
【0031】
(A-3)アセチレン系界面活性剤:例えば、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物およびアセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0032】
(A-4)その他の界面活性剤:例えば、アルキルグリコシド等が挙げられる。
【0033】
(B)アニオン性界面活性剤:
(B-1)カルボン酸型界面活性剤:例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ無水マレイン酸、マレイン酸または無水マレイン酸とオレフィン(例えばイソブチレンおよびジイソブチレン等)との共重合物、アクリル酸とイタコン酸の共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸の共重合物、マレイン酸または無水マレイン酸とスチレンの共重合物、アクリル酸とメタアクリル酸の共重合物、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物、アクリル酸とマレイン酸または無水マレイン酸の共重合物、N−メチル−脂肪酸(C12〜18)サルコシネート、樹脂酸および脂肪酸(C12〜18)等のカルボン酸、並びにそれらカルボン酸の塩が挙げられる。
【0034】
(B-2)硫酸エステル型界面活性剤:例えば、アルキル(C12〜18)硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの硫酸エステル、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸および硫酸化オレフィン等の硫酸エステル、並びにそれら硫酸エステルの塩が挙げられる。
【0035】
(B-3)スルホン酸型界面活性剤:例えば、パラフィン(C12〜22)スルホン酸、アルキル(C8〜12)ベンゼンスルホン酸、アルキル(C8〜12)ベンゼンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、α−オレフィン(C14〜16)スルホン酸、ジアルキル(C8〜12)スルホコハク酸、リグニンスルホン酸、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテルスルホコハク酸ハーフエステル、ナフタレンスルホン酸、(モノまたはジ)アルキル(C1〜6)ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、(モノまたはジ)アルキル(C1〜6)ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、アルキル(C8〜12)ジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸およびスチレンスルホン酸とメタアクリル酸の共重合物等のスルホン酸、並びにそれらスルホン酸の塩が挙げられる。
【0036】
(B-4)燐酸エステル型界面活性剤:例えば、アルキル(C8〜12)燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの燐酸エステル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールイミンおよび縮合燐酸(例えばトリポリリン酸等)等の燐酸エステル、並びにそれら燐酸エステルの塩が挙げられる。
【0037】
上記の(B-1)〜(B-4)における塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。
【0038】
(C)カチオン性界面活性剤:
例えば、アルキルアミン、アルキル4級アンモニウム塩、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物およびアルキル4級アンモニウム塩のエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0039】
(D)両性界面活性剤:
例えば、ベタイン型界面活性剤およびアミノ酸型界面活性剤等が挙げられる。
【0040】
(E)その他の界面活性剤:
例えば、シリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
【0041】
結合剤としては、例えばデキストリン(焙焼デキストリンおよび酵素変性デキストリン等)、酸分解澱粉、酸化澱粉、アルファー化澱粉、エーテル化澱粉(カルボキシメチル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉およびカチオン澱粉等)、エステル化澱粉(酢酸澱粉およびリン酸澱粉等)、架橋澱粉およびグラフト化澱粉等の加工澱粉、例えばアルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ゼラチン、トラガントガム、ローカストビーンガムおよびカゼイン等の天然物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびアセチルセルロース等のセルロース誘導体、ならびに例えばポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンブロック共重合体、ポリビニルアルコール、部分けん化酢酸ビニルとビニルエーテルの共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合物およびポリアクリルアミド等のその他の高分子が挙げられる。
【0042】
固体担体としては、例えば石英、珪石、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、ベントナイト、活性白土、酸性白土、軽石、アタパルジャイト、ゼオライトおよび珪藻土等の天然鉱物質、例えば焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレーおよび焼成珪藻土等の天然鉱物質の焼成品、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、例えばブドウ糖、果糖、しょ糖および乳糖などの糖類、例えば澱粉、粉末セルロースおよびデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸および安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻およびタバコ茎等の植物類、フライアッシュ、ホワイトカーボンならびに肥料等が挙げられる。
【0043】
上記ベントナイトの具体例としては、例えばクニゲルVA(商品名/クニミネ工業(株)製)、クニゲルV2(商品名/クニミネ工業(株)製)、穂高ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)、妙義ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)、榛名ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)、ベントナイトスーパークレイ(商品名/豊順洋行(株)製)および粒状ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)等のナトリウムベントナイトならびにクニボンド(商品名/クニミネ工業(株)製)等のカルシウムベントナイトが挙げられる。
【0044】
上記ベントナイト以外の天然鉱物質の具体例としては、H微粉(商品名/浅田製粉(株)製)、ネオキャリアK(商品名/浅田製粉(株)製)、フバサミKクレー(商品名/フバサミクレー(株)製)および特雪Fクレー(商品名/昭和鉱業(株)製)等が挙げられる。
【0045】
上記炭酸カルシウムの具体例としては、ミクロカル250(商品名/青倉石灰工業((株)製)、ミクロカル100(商品名/青倉工業(株)製)、NS#100(商品名/日東粉化工業(株)製)、NS#200(商品名/日東粉化工業(株)製)、NS#3000(商品名/日東粉化工業(株)製)およびスーパーSS(商品名/丸尾カルシウム(株)製)等が挙げられる。
【0046】
上記ホワイトカーボンの具体例としては、例えばカープレックス#80(商品名/塩野義製薬(株))、カープレックス#80D(商品名/塩野義製薬(株))、カープレックス#67(商品名/塩野義製薬(株))、カープレックス#1120(商品名/塩野義製薬(株))、カープレックス#XR(商品名/塩野義製薬(株))、ファインシールA(商品名/徳山曹達(株))、ファインシールE−50(商品名/徳山曹達(株))、ファインシールX−37(商品名/徳山曹達(株))、ファインシールK−41(商品名/徳山曹達(株))、ファインシールP−8(商品名/徳山曹達(株))、トクシールU(商品名/徳山曹達(株))、トクシールCU−N(商品名/徳山曹達(株))、トクシールP(商品名/徳山曹達(株))、トクシールNR(商品名/徳山曹達(株))、ニップシールNS(商品名/日本シリカ工業(株))、ニップシールNSK(商品名/日本シリカ工業(株))、ニップシールNA(商品名/日本シリカ工業(株))、サイロイド244(商品名/富士デヴィソン化学)、サイロイド65(商品名/富士デヴィソン化学)、サイロイド308(商品名/富士デヴィソン化学)、ミズカシルP−705(商品名/水沢化学(株))、ミズカシルP−802(商品名/水沢化学(株))、ミズカシルP−78(商品名/水沢化学(株))およびミズカシルP−832(商品名/水沢化学(株))等の含水シリカ、例えばカープレックスCS−5(商品名/塩野義製薬(株))、カープレックスCS−7(商品名/塩野義製薬(株))およびカープレックスCS−701(商品名/塩野義製薬(株))等の含水シリカの焼成品、例えばアエロジル130(商品名/日本アエロジル(株))、アエロジル200(商品名/日本アエロジル(株))、アエロジル380(商品名/日本アエロジル(株))およびアエロジルMOX80(商品名/日本アエロジル(株))等の無水シリカ、例えばフローライトR(商品名/徳山ソーダ(株))、フローライトRN(商品名/徳山ソーダ(株))、トヨヒーローTH(商品名/東洋電化工業(株))、ゾノライト(商品名/小野田化学)およびマイクロセルE(商品名/ジョンズ・マンビル)等の含水カルシウムシリケート、例えばSIPERNATD17(商品名/日本アエロジル(株))、ニップシールSS−10(商品名/日本シリカ(株))、ニップシールSS−20(商品名/日本シリカ(株))およびニップシールSS−30P(商品名/日本シリカ(株))等の含水シリカを原料とした表面処理シリカ、例えばアエロジルR972(商品名/日本アエロジル(株))、アエロジルR202(商品名/日本アエロジル(株))およびアエロジルR812(商品名/日本アエロジル(株))等の無水シリカを原料とした表面処理シリカが挙げられる。
【実施例】
【0047】
次に本発明の実施例および試験例を具体的に挙げて説明する。但し本発明はこれらの実施例および試験例のみに限定されるものではない。以下の部は、すべて重量部を意味する。なお、以下の実施例、比較例および試験例において用いた農薬活性化合物は下記の通りである。
【0048】
エチル=(RS)−2−[4−(6−クロロキノキサリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロピオナート(一般名:キザロホップエチル。以下、化合物Aと略称する。)
〔実施例1〕
化合物A2部を、ハイゾールSAS−296(商品名/1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニリルエタンの混合物、日本石油化学(株)製)15部に溶解し、ホワイトカーボン15部、POEアルキルエーテル硫酸エステル塩5部、リグニンスルホン酸Na塩3部、クレー60部を加え、均一になるよう混合した。次いで、AO−JET(商品名/セイシン企業製)で粉砕して、本発明の農薬固形組成物を得た。
〔実施例2〕
実施例1においてハイゾールSAS−296(商品名/1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニリルエタンの混合物、日本石油化学(株)製)15部をKMC−113(商品名/ジイソプロピルナフタレン、呉羽化学工業(株)製)25部に代え、さらにホワイトカーボン15部を25部、クレー60部を40部に代えたこと以外は実施例1と同様の操作をして、本発明の農薬固形組成物を得た。
〔比較例1〕
化合物A2部、ホワイトカーボン15部、POEアルキルエーテル硫酸エステル塩5部、リグニンスルホン酸Na塩3部、クレー75部を加え、均一になるよう混合した。次いで、AO−JET(商品名/セイシン企業製)で粉砕して、農薬固形組成物を得た。
〔試験例1〕 土壌処理による除草効果試験
内径14.2cmのプラスチック製ポットに殺菌した畑地土壌を入れ、ノビエ、メヒシバ、エノコログサ種子をスポット状に播き、0.5cm覆土した。播種37日後(ノビエ9.3L、メヒシバ8.3L、エノコログサ9L)に10リットル/aの散布水量で茎葉処理を行った。散布の際の薬液は、適宜調整された農薬固形組成物を水で希釈して小型スプレーにて散布した。薬液散布9日、21日後に生育を観察し、その観察評価の結果を表1に示す。
【0049】
観察評価(0=影響なし〜100=完全枯死)
表1
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ノビエ効果 メヒシバ効果 エノコログサ効果
9DAT 21DAT 9DAT 21DAT 9DAT 21DAT
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実施例1 50 98 40 73 55 70
実施例2 40 98 45 90 60 88
比較例1 10 75 15 40 30 40
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【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のフェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物を含有する農薬固形組成物は、優れた雑草防除効果を奏する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物および炭化水素溶剤を含有する農薬固形組成物。
【請求項2】
炭化水素溶剤が芳香族炭化水素溶剤である請求項1記載の農薬固形組成物。
【請求項3】
炭化水素溶剤がフェニル基またはナフチル基を有するものから選ばれる1種以上である請求項1記載の農薬固形組成物。
【請求項4】
炭化水素溶剤が1−フェニル−1−キシリルエタン、1−フェニル−1−エチルフェニルエタンおよびアルキルナフタレンから選ばれる1種以上である請求項1記載の農薬固形組成物。
【請求項5】
フェノキシプロピオン酸系農薬活性化合物がキザロホップエチルおよびキザロホップ−P−エチルから選ばれる1種以上である請求項1ないし4から選ばれる何れか1項に記載の農薬固形組成物。
【請求項6】
農薬固形組成物が水和剤である請求項1ないし5から選ばれる何れか1項に記載の農薬固形組成物。


【公開番号】特開2009−143873(P2009−143873A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324562(P2007−324562)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】