説明

送球装置

【課題】ボールを安定して供給し、制球精度を向上する。
【解決手段】ボール(B1)を送り出すように回転可能なホイール(16,17)と、ホイール(16,17)にボール(B1)を供給するボール供給装置(20)とを含み、ボール供給装置(20)は、ボール(B1)を載せると共にホイール(16,17)に対して移動可能なホルダ(21)と、ボール(B1)を載せたホルダ(21)をホイール(16,17)へ案内する案内機構(30)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球やソフトボールのピッチングマシン及び送球装置並びに卓球、テニス及びバレーボールの送球装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連のホイール式ピッチングマシンでは、互いに回転する一対のホイールの間、又はホイールとそれに対向する壁との間にボールを供給する。ボールはホイール等で挟まれて加速され、勢いよく飛ばされる。ボールはホイールに対しボールの供給される側と反対側から投球される。この関連技術において、ホイールの上のボールガイドを転がって自重でホイールに供給される。しかし、ホイールに供給される寸前のボールは、速度、回転量又は回転方向が一定せず、縦方向或いは横方向の運動により、一定速度でホイールの一定位置に供給されない。そのため、ホイール等に挟まれて投球されるボールは、狙ったコースへの制球精度を低下させる。また、同ボールは必要以上の回転によって予想できない縦、横方向の変化を発生させ、また、一定の速度を得られない。
【0003】
これらの問題を解決する技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術では、ボールは、垂直案内路から落ちて、ばねにより一旦静止する。
【0004】
【特許文献1】実開昭62−177758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ボールはピストンに押されて、回転又は跳ねる等して回転輪に供給されるため、上記関連技術と同様な問題を生じさせる。
【0006】
また、回転輪前方に突出する投球管は、一定の位置に一定の長さに設定されているだけなので、より安定した投球を損なう。また、長く突出する投球管は、収納時に邪魔になる。
【0007】
また、関連のピッチングマシンでは、操作者が一対のホイール間にボールを入れる時に、声を出すか、手を上げる等の動作により打者に合図を送る。打者からピッチングマシンを見た場合、ボールがピッチングマシンのホイールや本体に隠れて、一時的に見えなくなる。また、実際のピッチャーのように腕を振る動作や足を上げる動作がないため、バッティングの始動のタイミングが計り難い。
【0008】
そこで、本発明の課題は、ボールを安定して供給し、狙ったコースへの制球精度の向上が図れる送球装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明の特徴を符号を参照して説明する。なお、本発明の特徴は符号によって実施の形態に限定されない。
【0010】
本発明の第1の特徴は、次の要素を含む送球装置(1)を提供する。同装置は、ボール(B1)を送り出すように回転可能なホイール(16,17)を含む。同装置は、ホイール(16,17)にボール(B1)を供給するボール供給装置(20)とを含む。ボール供給装置(20)は、ボール(B1)を載せると共にホイール(16,17)に対して移動可能なホルダ(21)と、ボール(B1)を載せたホルダ(21)をホイール(16,17)へ案内する案内機構(30)とを含む。
【0011】
以上の特徴にあって、同装置は、ホルダ(21)にボールを補給する補給機構(50)を含む。補給機構(50)はホルダ(21)と共に移動して次に補給すべきボール(B2)の移動を止めるストッパ(52)を含む。
【0012】
ホルダ(21)はホイール(16,17)によって送り出されたボール(B1)を案内する第1の案内部(22c、23c)を含む。ホルダ(21)がホイール(16,17)に対して前方(F1)へ移動するにつれて、第1の案内部(22c,23c)はホイール(16,17)の前方(F1)へ長く突出する。
【0013】
ホルダ(21)はホイール(16,17)と接するボール(B1)を案内する第2の案内部(22d,23d)を有する。
【0014】
同装置は、ホイール(16,17)に対して移動するホルダ(21)によって操作可能なスイッチ(18)と、スイッチ(18)に応答して合図を出力する表示装置(19)とを含む。
【0015】
ホルダ(21)はボール(B1)を保持する保持機構(26a,27a,22A,23A,28A,28B,29A,29B)を含む。
【0016】
本発明の第2の特徴は、ホイール(16,17)にボール(B1)を供給し、回転するホイール(16,17)によってボール(B1)を前方(F1)へ送り出す送球装置(1)を提供する。同装置は、ホイール(16,17)によって送り出されたボール(B1)を案内するためにホイール(16,17)の前方(F1)に延びると共にホイール(16,17)に対して移動可能なボール案内部(22c,23c)を備える。同装置は、ボール案内部(22c,23c)をホイール(16,17)の前方(F1)へ案内する案内機構(30)を備える。
【発明の効果】
【0017】
以上の発明の第一の特徴によれば、ボールを載せたホルダはホイールに対して移動し、案内機構によって案内されて、ホルダ上にあって静止し回転しないボールを一定の速度でホイールへ供給する。そこで、ホイールは、一定の回転、方向、速度、球種でボールをホイールから送り出すことができるので、制球精度が向上する。
【0018】
ボールを載せたホルダがホイールへ移動するとき、ストッパは次に補給されるボールの移動を止める。ホルダが元の位置に戻ると、ストッパは次のボールから退き、補給機構は次のボールをホルダに補給する。これにより、手動操作なしで、ホルダにボールを自動で補給する。
【0019】
第1の案内部は、ホルダの前方への移動に伴ってホイールの前方に長く突出し、送り出されたボールをより長く案内するので、ボールの進行方向が安定し、制球精度が向上する。一方、ホルダが元の位置に戻ったとき、第1の案内部は短くなるので、収納時の装置がコンパクトになる。
【0020】
第2の案内部は、ホイールと接するボールを案内するので、目標と異なる方向へのボールの送り出しが阻止され、ボールの進行方向が安定し、制球精度が向上する。
【0021】
スイッチはホイールに対して移動するホルダによって操作され、表示装置はスイッチに応答して合図を出力するので、ボールの送り出しをタイミング良く知らせる。
【0022】
保持機構は、ボールを回転、変位させずに、静止状態でホルダの所定の位置に保持するので、ホイールへボールが安定して供給され、ホイールから送り出されるボールの回転、速度、コントロールが安定する。
【0023】
発明の第二の特徴によれば、ボール案内部は、案内機構によってホイールの前方へ移動し、送り出されたボールをより長く案内するので、ボールの進行方向が安定し、制球精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本発明の送球装置は、例えば、ピッチングマシンに適用される。
【0025】
<第一の実施形態>
図1を参照して、送球装置としてのピッチングマシン1は野球、ソフトボールの練習に用いられる。ピッチングマシン1は、ボールB1を加速して送り出す加速装置10と、加速装置10にボールを供給するボール供給装置20とを含む。
【0026】
加速装置10は、支持台11に対して垂直に固定されたベース板12を含む。加速装置10は、縦方向に互いに離れてベース板12に上下に取り付けられた上下モータ13,14を含む(図3参照)。加速装置10は、モータ13,14のそれぞれに回転可能に取り付けられボールB1を加速し送り出すため加速部としての上下ホイール16,17を含む。ベース板12にはスイッチ18が固定される。ベース板12の前端にはサイン表示装置19が取り付けられる。
【0027】
上下ホイール16,17は、それらの外周面の間にボールB1を挟むための所定の間隔を有する。上下ホイール16,17は、ギヤ又はベルトを用いて上下モータ13,14とそれぞれ連結する。上下ホイール16,17の回転数は、1000〜4000rpmの間で可変である。上下ホイール16,17は、回転数についてそれぞれ独立して制御可能である。そして、上下ホイール16,17は、それらの外周面の間に供給されたボールB1を挟み、外周面の摩擦を用いてボールB1を加速して目標へ向けて送り出す。なお、上下ホイール16,17の回転中心O1,O2同士を結ぶ線を基準線R2とし、この基準線R2に対してボールB1が供給される側を供給側S1と、基準線R2に対してボールが送り出される側を送り出し側S2と規定する。
【0028】
スイッチ18は、上下ホイール16,17の供給側S1に位置決めされる。スイッチ18は、リミットスイッチであり、弾性変形可能に取り付けられたスイッチレバー18aを含む。
【0029】
サイン表示装置19はスイッチ18のオン信号に応答して、合図としてランプを点灯させる。サイン表示装置19は、合図として光の代わりに音を用いることもできる。
【0030】
ボール供給装置20は、上下ホイール16,17の間に位置決めされると共にボールB1を収容するホルダ21を含む。同供給装置20は、長手方向L1にホルダ21を案内するホルダ案内機構30を含む(図3、図4参照)。ここで、長手方向L1とは、ホイール16,17の回転中心O1,O2を結ぶ線分の垂直二等分線の延びる方向である。同供給装置20は、ホルダ21を移動させる駆動機構40を含む。同供給装置20は、ボールB1をホルダ21に補給する補給機構50を含む。
【0031】
ホルダ21は、互いに平行に対向する第1及び第2の案内部としての側板22,23を含む(図4参照)。ホルダ21は、側板22,23の後端同士を連結する連結板24を含む。両側板22,23の間には、上下ホイール16,17の外周部の一部が挿入される(図3参照)。両側板22,23は、ボールB1のサイズより僅かに大きな間隔を有する。各側板22,23は、互いに平行な前及び後上辺部22a,22b,23a,23bを有する。前上辺部22a,23aは後上辺部22b,23bよりも低く設定され、両者は斜辺で結ばれる。前上辺部23aはスイッチレバー18aから常時離れた状態にあり(図1参照)、後上辺部23bがスイッチレバー18aを押し上げてスイッチ18をオンにする(図2参照)。スイッチ18がオフの時には、後上辺部23bの前端(斜辺)部がスチッチレバー18aに僅かに接しているだけである。従って、ホルダ21が送り出し側S2に向けて動くと同時にスイッチレバー18aを押し上げ、スイッチ18をオンにする。
【0032】
図5に示すように、側板22,23の下端部は、内側へ折り返されてレール部26,27となる。レール部26,27は後端に保持機構としての凹部26a,27aを有し、ボールB1はこの凹部26a,27aに配置される。ボールB1は凹部26a,27aに嵌り、両レール26、27によって挟まれるので、その位置に静止状態で保持される。ボールB1は、一定以上の力で凹所26a、27aから移動可能となる。
【0033】
図2、図4に示すように、側板22,23は、送り出し側S2に配置された第1のボール案内部22c、23cを有する。第1のボール案内部22c,23cは、送り出されたボールB1を目標の進行方向に規制する。ここで、ホルダ21が前方F1へ移動するにつれて、第1のボール案内部22c,23cは上下ホイール16,17の前方F1に長く突出する。これにより、送り出されたボールB1をより長く案内するので、ボールB1の進行方向を安定させ、ボールB1のコントロール精度を向上させる。一方、ホルダ21が元の位置に戻ったとき、第1のボール案内部22c,23cは上下ホイール16,17より前方への突出量が短くなるので、収納時の装置をコンパクトにする(図1参照)。
【0034】
側板22,23は、上下ホイール16,17に挟まれたボールを案内する第2のボール案内部22d,23dを有する。第2のボール案内部22d,23dは、ボールB1が上下ホイール16,17に挟まれ送り出される時に、上下ホイール16,17の側面に対向する位置にある側板22,23の一部分である(図2、図3参照)。第2のボール案内部22d,23dは、目標と異なる方向へのボールB1の送り出しを阻止し、ボールB1の進行方向を安定させ、ボールB1のコントロール精度を向上させる。
【0035】
図2、図3に示すように、ホルダ案内機構30は、ベース板12に形成され、長手方向L1に供給側S1から送り出し側S2まで延びるガイド孔12aを有する。同案内機構30は、側板23に固定され、ベース板12のガイド孔12aを貫通し、連結棒44と連結したスライド軸32を含む。同案内機構30は、スライド軸32に回転可能に支持されたローラー33を含む。同案内機構30は、縦方向に所定間隔を置いて対向し、長手方向L1へ平行に延びる上下に設けられたローラーガイド34,36を含む。ローラーガイド34,36の間にローラー33が摺動可能に係合される。
【0036】
前記ベース板12に形成されたガイド孔12aを貫通したスライド軸32の端部は、ホルダ21の側板23に図示してないネジで固定されている。スライド軸32がローラー33を介してローラーガイド34,36の間を摺動するのに連動して、第1のボール案内部22c,23c及び第2のボール案内部22d,23dを有するホルダ21がホイール16,17に対して、前進又は後進する。
【0037】
そして、ホルダ案内機構30は、ボールB1がホイール16,17に供給される最適位置P1にホルダ21を案内する。ここで、最適位置P1とは、上ホイール16と下ホイール17との間の中心位置及びホイール16,17の厚さ方向の中心位置である。
【0038】
図1に示すように、駆動機構40は、ベース板12に支持された回転軸41に回転可能に取り付けられたレバー42を含む。レバー42の一端にはハンドル43が取り付けられる。駆動機構40は、レバー42の他端にスライド軸32と回転可能に連結した連結棒44を含む。駆動機構40は、ホルダ21の連結板24と回転軸41と間に配置されて、回転軸41へ向かってホルダ21を後方R1へ付勢する引っ張りコイルバネ46を含む。
【0039】
補給機構50は、ボールを順列に収容し湾曲した補給筒51を含む。補給機構50は、ホルダ21の連結板24の上端からレバー42へ向かって後方R1へ延びるストッパ板52を含む。補給筒51の出口は、ホルダ21が供給側S1で後端の元の位置に配置されている間、ホルダ21の側板22,23間の空間と連通する。ホルダ21が送り出し側S1へ向かって前方へ移動すると、ストッパ板52は前方F1へ移動し、次に補給されるボールB2の前に位置決めされて、補給筒51の出口に蓋をする(図2参照)。これにより、ボールB2の落下を防止する。
【0040】
次に、ピッチングマシン1の動作について説明する。
【0041】
図1を参照して、ホルダ21は原位置にあり、ボールB1は補給筒51からホルダ21に補給される。ボールB1は補給筒51からホルダ21の中に自然落下し、ボールB1は側板22,23によってガイドされながら、レール部26,27の凹部26a,27aに到達する。ボールB1は凹部26a,27aに嵌り、保持される(図5参照)。
【0042】
次に、ハンドル43を下方へ押し下げ、レバー42を時計方向CWに回転させると、連結棒44はレバー42に対して回転する。その際、上下ローラーガイド34,36は、連結棒44の先端部に連結するスライド軸32に設けられたローラー33の移動を長手方向L1に案内するので、連結棒44はローラー33を介してスライド軸32と共にホルダ21を前方F1(供給側S1から送り出し側S2)へ移動させる。
【0043】
また、連結棒44はホルダ21をボールB1が供給され送り出される最適の位置P1である上ホイール16と下ホイール17との間の中心位置及びホイール16,17の厚さ方向の中心位置に常に確実に安定して通過させる。また、ホルダ21の凹所26a、27aは、ボールB1をその位置に保持するので、ボールB1を静止させ、回転、変位させない。これにより、同じ位置、速度でボールB1を上下ホイール16,17に供給する。
【0044】
また、側板23の斜辺がスイッチ18のスイッチレバー18aに当たり、スイッチレバー18aを押し上げ、スイッチ18をオンにする。更に、側板23の後上辺23bをスイッチレバー18aに当てた状態を継続させ、スイッチ18のオンの状態を継続する。サイン表示装置19はスイッチ18のオン信号に応答して合図としてランプを点灯させる。これにより、ボールの送り出しのタイミングを打者に知らせる。
【0045】
さらに、ホルダ21を前方F1の送り出し側S2に移動すると、図2に示すように、ホルダ21上のボールB1が回転する上下ホイール16,17の間に引き込まれる。上下ホイール16,17の外周面はボールB1と圧接し、摩擦を利用して、ボールB1を加速して凹所26a,27aから前方F1へ送り出す。このとき、図4を参照して、側板22,23の第2のボール案内部22d,23dは上下ホイール16,17と接するボールB1を案内して、ボールB1の横方向の移動を阻止し、ボールB1のコントロールを安定させる。さらに、第1のボール案内部22c,23cは、ホルダ21が前方F1へ移動するにつれて、送り出し側S2へ長く突出する。送り出されたボールB1は第1のボール案内部22c,23cによってより長く案内されるので、ボールB1の進行方向が安定し、ボールB1のコントロール精度が向上する。以上により、ボールB1の送り出しが終了する。
【0046】
図1,2を参照して、ボールB1が送り出された後ハンドル43を解放すると、引っ張りコイルバネ46は弾性力によってホルダ21を後方R1へ移動させ、元の位置に戻す。このとき、側板23が後退し、スイッチレバー18aが後上辺23b及び斜辺による押し上げから解除されると、スイッチ18はオフになる。ストッパ板52は補給筒51の出口及びボールB2から離れる。ボールB2は補給筒51からホルダ21の中に自然落下してレール部26,27の凹部26a,27aに嵌り、保持される。
【0047】
上記動作を繰り返して、安定した回転、速度、コントロール(制球)でボールの送り出しを実現する。
【0048】
このように、ボールを手で直接触らずにレバー42の操作でボールを上下ホイール16,17の間に供給できるので、高速で回転する上下ホイール16,17の側に手を近づけることなく、高い安全性を実現する。
【0049】
<第2の実施形態>
図6を参照して、第2の実施形態に係わるピッチングマシンのホルダ21Aを説明する。
【0050】
ホルダ21Aの側板22A,23Aは、テーパ状であり、各側板22A,23Aはレール部26,27に対して外側へ傾いている。各側板22A,23Aのレール部26,27に対する傾きは、ボールB1がレール部26,27の上に載った状態で動かないように保持するように設定される。側板22A,23Aがレール部26,27から上方へ延びるにつれて、側板22A,23Aの間隔は大きくなる。側板22A,23Aの下端間の間隔はボールB1のサイズよりも小さく設定する。側板22A,23Aの上端間の間隔は補給筒51の出口又はボールB1より大きく設定する。各レール部26,27は第1の実施形態の凹部を有せず、平らな上辺部を有する。
【0051】
ボールB1が補給筒51から落下すると、側板22A,23Aのテーパ面に案内されてレール部26,27の上に載置される。ボールB1は、側板22A,23Aによって挟まれて、その位置に静止し保持される。
【0052】
<第3の実施形態>
図7を参照して、第3の実施形態に係わるピッチングマシン1のホルダ21Bを説明する。
【0053】
ホルダ21Bは、側板22,23に矩形の孔22e,23eを有する。ホルダ21Bは孔22e,23eと一致して位置決めされた保持構造としてのクランク状の板バネ28A,28Bを含む。板バネ28A,28Bは、側板22,23の外壁にネジで取り付けられる。板バネ28A,28Bは、側板22,23に取り付けた状態で側板22,23と平行に延びる押圧部28A1,28B1を有する。押圧部28A1,28B1は互いに対向し、その間隔はボールB1のサイズよりも小さく設定する。各レール部26,27は第1の実施形態の凹部を有せず、平らな上辺部を有する。
【0054】
ボールB1が補給筒51から落下すると、側板22,23の間を通ってレール部26,27の上に載置される。このとき、ボールB1は、板バネ28A,28Bを外側へ弾性変形させる。板バネの押圧部28A1,28B1は 両側からボールB1に対して弾性力で押圧して、その位置にボールB1を静止させ保持する。
【0055】
<第4の実施形態>
図8を参照して、第4の実施形態に係わるピッチングマシン1のホルダ21Cを説明する。
【0056】
ホルダ21Cは、側板22,23とレール部26,27との間に挿入された保持構造としての板バネ29A,29Bを含む。板バネ29A,29Bの下端と連結板24の間隔はボールB1のサイズよりも小さく設定する。板バネ29A,29Bは連結板24に対して前方に傾くように設定する。これにより、板バネ29A,29Bと連結板24は、それらの間にボールB1を保持する。各レール部26,27は第1の実施形態の凹部を有せず、平らな上辺部を有する。
【0057】
ボールB1が補給筒51から落下すると、側板22,23の間を通ってレール部26,27の上に載置されると共に板バネ29A,29Bと連結板24の間に位置決めされる。ボールB1は、自重で前方へ板バネ29A,29Bを弾性変形し、板バネ29A,29Bは弾性力でボールB1を連結板24へ付勢する。これにより、ボールB1をその位置に静止し保持する。
【0058】
なお、本実施の形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で設計変更できる。例えば、本実施の形態のピッチングマシンは、2ホイール式を採用する一方、4ホイール式、又は1ホイール式のピッチングマシンを採用することができる。さらに、本実施の形態のピッチングマシンでは、縦方向にホイールを配置する一方、横方向に1乃至4個のホイールを配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1の実施形態に係わるピッチングマシンの側面図でホルダを断面にした図であり、L1は長手方向、F1は前方、R1は後方を示す。
【図2】図1に示すピッチングマシンについて動作後の側面図でホルダを断面にした図であり、L1は長手方向、F1は前方、R1は後方を示す。
【図3】図2に示すピッチングマシンの正面図である。
【図4】図1に示すピッチングマシンの上面図であり、2点鎖線はホルダが前方に突出した状態を表わし、L1は長手方向、F1は前方、R1は後方を示す。
【図5】(A)は図1に示すホルダ及び補強筒の正面図であり、(B)は同側面図である。
【図6】(A)は第2の実施形態に係わるピッチングマシンのホルダ及び補強筒の正面図であり、(B)は同側面図である。
【図7】(A)は第3の実施形態に係わるピッチングマシンのホルダ及び補強筒の正面図であり、(B)は同側面図である。
【図8】(A)は第4の実施形態に係わるピッチングマシンのホルダ及び補強筒の正面図であり、(B)は同側面図である。
【符号の説明】
【0060】
B1、B2 ボール
1 ピッチングマシン
10 加速装置
11 支持台
12 ベース板
12a ガイド孔
13 上モータ
14 下モータ
16 上ホイール
17 下ホイール
18 スイッチ
19 サイン表示装置
20 ボール供給装置
21 ホルダ
22,23 側板
22c,23c 第1のボール案内部
22d,23d 第2のボール案内部
26,27 レール部
28A,28B 板バネ
29A,29B 板バネ
30 ホルダ案内機構
32 スライド軸
33 ローラー
34 上ローラーガイド
36 下ローラーガイド
40 駆動機構
41 回転軸
42 レバー
43 ハンドル
44 連結棒
46 引張りコイルバネ
50 補給機構
51 補給筒
52 ストッパ板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールを送り出すように回転可能なホイールと、
ホイールにボールを供給するボール供給装置とを含み、
ボール供給装置は、
ボールを載せると共にホイールに対して移動可能なホルダと、
ボールを載せたホルダをホイールへ案内する案内機構とを含む
送球装置。
【請求項2】
ホルダにボールを補給する補給機構を含み、
補給機構はホルダと共に移動して次に補給すべきボールの移動を止めるストッパを含む
請求項1に記載の送球装置。
【請求項3】
ホルダはホイールによって送り出されたボールを案内する第1の案内部を有し、
ホルダがホイールに対して前方へ移動するにつれて、第1の案内部はホイールの前方へ長く突出する、
請求項1又は請求項2に記載の送球装置。
【請求項4】
ホルダはホイールと接するボールを案内する第2の案内部を有する
請求項1乃至請求項3のうち何れか一つに記載の送球装置。
【請求項5】
ホイールに対して移動するホルダによって操作可能なスイッチと、
スイッチに応答して合図を出力する表示装置とを含む
請求項1乃至請求項4のうち何れか一つに記載の送球装置。
【請求項6】
ホルダはボールを保持する保持機構を含む
請求項1乃至請求項5のうち何れか一つに記載の送球装置。
【請求項7】
ホイールにボールを供給し、回転するホイールによってボールを前方へ送り出す送球装置において、
ホイールによって送り出されたボールを案内するためにホイールの前方に延びると共にホイールに対して移動可能なボール案内部と、
ボール案内部をホイールの前方へ案内する案内機構を備えた送球装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−113873(P2008−113873A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300368(P2006−300368)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000006943)リョービ株式会社 (471)