説明

送込み離脱部を具えるローラベルトコンベヤ

仕分けコンベヤは、このローラ(10)が物品(42)を受ける前に既に回転し、送込み端部からすぐの離脱を提供するローラベルト(12)を用いる。ローラベルトのローラは、ベルトの厚みを通って、仕分けコンベヤの帰還路と運搬路の間のベルト経路のリバース部分において、支持面(46)と接触するように延在する。ローラは、物品を送込みコンベヤから仕分けコンベヤへ離脱させる際に遅れないようにすべく、これらが物品と接触する前に、送込み端部のリバース部分において支持面で既に回転している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力駆動のコンベヤ、特に、ベルトが進むに伴ってコンベヤの送込み端部の支持面上で転がる回転可能な物品支持ローラを有するローラベルトを具えるコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ローラベルトは荷役コンベヤに使用され、運搬面に沿ってベルト自体の速度よりも大きい速度で物品を加速させ、運搬物品の分類を増加させる。ローラベルトは、一般的に、ベルトの厚さより大きい直径を有する複数の回転自在の組み込みローラによって特徴づけられる。この方法において、ローラの突出部は、図7に示すようにベルトの上面及び下面を越えて延在する。ベルト12のローラ10は、ベルト経路の運搬路部分の下の支持面14上に乗る。ベルトがベルトの移動方向16に進むに伴って、ローラは静止支持面との接触によって矢印18の方向に回転する。ローラが回転することによって、ローラの上部の物品をベルトの移動方向に推進させるが、ローラが支持面でスリップしない場合のベルトの速度の通常二倍の大きさの速度である。従来の位置のローラベルトコンベヤの送込み端部におけるアイドルスプロケット20によって、支持面は、干渉を避けるために、ローラの間のベルトにかみ合うスプロケットの上流位置22から下流へ延在している。スプロケット周りで前進するローラは支持面に到達するまで、これらは回転しない。ローラ10’は、ローラベルトコンベヤの送込み端部ですぐに回転しないので、コンベヤ上に運搬された物品は、ベルト上で加速され連続する物品が離間される前に遅れが生じてしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
この欠点は、本発明の特性を用いたコンベヤによって克服される。一態様において、コンベヤは、ローラベルトの厚みを通って延在する複数のローラを具えるローラベルトを具える。ローラベルトは、(a)物品が運搬方向に沿って運搬される上側運搬路部分と、(b)ローラベルトが運搬方向と反対方向に沿って進む運搬路部分の下の下側帰還路部分と、(c)ローラベルトが帰還路部分から運搬路部分へ上方に沿って移動する第1のリバース部分と、(d)ローラベルトが運搬路部分から帰還路部分へ下方に沿って移動する第2のリバース部分とを具える運搬経路に沿って進む。静止支持面は、第1のリバース部分においてローラベルトの下にあり、ローラベルトが進む際に、ローラが、第1のリバース部分において転がる面を提供する。
【0004】
別の態様において、コンベヤは、コンベヤの出口端部を規定するリバースホイールと、コンベヤの送込み端部を規定する静止凸状支持面とを具える。ループとして配置されたベルトは、リバースホイールと支持面の周囲に掛けられる。ベルトループの運搬路部分は、コンベヤの送込み端部から出口端部へ延在する。ベルトは、ベルトの厚みを通って延在する複数のローラを具える。ローラは、ベルトが運搬路に沿って送込み端部から出口端部へ運搬方向に進む際に、支持面上で転がる。
【0005】
さらに別の態様において、コンベヤは、コンベヤベルトの厚みを通って延在するローラを有するコンベヤベルトを具える。コンベヤベルトは、運搬経路の運搬路部分の上流端部から下流端部へ運搬方向に進む。支持面は、コンベヤベルトを運搬路部分で支持する平面部分と、上流端部で平面部分とほぼ連続している第1端部及び平面部分の平面より下側に第2端部を具える静止凸部とを具える。進むコンベヤベルトの張力は、コンベヤベルトを支持面の凸部に適合させ、ローラがコンベヤの上流端部における支持面の運搬路部分に近づいたときに既に回転しているように、ローラを凸部と接触させて回転させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のこれらの特性及び態様は、以下の記述、クレーム、及び添付する図面を参照することによってより良く理解される。
【図1】図1は、本発明の特性を用いたローラベルトコンベヤの一部の側面図であり、コンベヤ経路のリバース部分に支持面を具える。
【図2】図2は、図1のコンベヤにおいて使用可能な支持面を提供するコンベヤパンの等角図である。
【図3】図3は、図1のコンベヤにおいて使用可能な支持面の一部を提供する2つのウェアストリップの等角図である。
【図4】図4は、図1のコンベヤにおいて図3のウェアストリップによって支持されるローラベルトの一部の不等角投影図である。
【図5】図5は、図4のライン5−5に沿った断面図である。
【図6】図6は、本発明の特性を用いたローラベルトコンベヤの別の態様の送込み部分(図を簡単にするためにベルトを取り外した状態である)の上面図であり運搬路からコンベヤの送込み端部のリバース部分へ延在するウェアストリップを具える。
【図7】図7は、仕分けコンベヤにおける従来の支持面上に乗る従来技術のローラベルトである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特性を用いたローラベルトコンベヤの一態様が図1に示されている。コンベヤ24は、ベルト経路を規定する継ぎ目無しベルトループを形成しているローラベルト12上で物品を運ぶ。ベルト経路は、(a)物品が、運搬方向16に沿って運搬される上側運搬路部分26;(b)運搬路部分の下の下側帰還路部分28(一部を図示する);(c)ローラベルトが帰還路から運搬路へ上方に沿って移動するコンベヤの上流又は送込み端部31における第1のリバース部分30;(d)ローラベルトが運搬路から帰還路へ下方に沿って移動するコンベヤの下流又は出口端部33における第2のリバース部分32;の4部分に分けられると考えられる。リバースホイール36は、シャフト38に取り付けられる駆動ドラム又は駆動スプロケットにして矢印38の方向に回転するようにモータ(図示せず)によって駆動してもよく、第2のリバース部分においてベルトループの下側部とかみ合ってベルトを駆動させて帰還路へ移動させる。代替的に、ローラベルトは、帰還路部分においてドラム又はスプロケットによって駆動するようにしてもよい。その場合、コンベヤの出口端部のリバースホイールは、直接駆動モータに連結されていないシャフトを具えたアイドルホイールである。
【0008】
ローラベルト12は、ベルトの内側40及び外側41を越えて突き出している突出部分を有する複数のローラ10を具える。物品42は、ベルトの外側の上に延在するローラの突出部分上で運搬路に沿って支持される。運搬路においてベルトの内側を越えて延在するローラの突出部分は、平面運搬路支持面44に沿って乗っている。ベルトが進む際に、ローラは支持面上で転がって、矢印18の方向に回転する。ローラが支持面に沿って転がるときにローラがスリップしない場合、ローラの回転は、ベルトの移動方向にベルトの速度の2倍の速さで物品を推進させる。この方法において、コンベヤは、連続する運搬物品間の間隔を大きくする。
【0009】
コンベヤの下流又は出口端部33において、平面支持面44は、干渉を避けるためにリバースホイールの上流で終端する。この態様において、リバースホイールは、コンベヤの上流端部31に配置されない。代わりに、ローラベルトは、第1のリバース部分における静止凸状支持面46の周囲で反対方向に戻る。この態様において、凸状支持面は、平面支持面44と連続している。ベルトが、コンベヤの上流端部における第1のリバース部分を介して引っ張られると、前進ローラベルトの張力がベルトを凸状支持面に適合させる。第1のリバース部分においてローラ用の支持面を提供することによって、凸状支持面は、ローラが運搬路に達する前にこれらを回転可能にする。コンベヤの上流端部の全てのローラは、これらが運搬路に入る前に全速力で回転するので、上流端部でコンベヤ上に送られた物品は、回転するローラによって直ちに離脱される。コンベヤへの送込み部で非回転ローラによる遅れがない。
【0010】
図1の支持面の一態様が、図2に示されている。支持面は、平面部分50及び凸部51を具えるシート48で形成されている。シートは、運搬路部分及び第1のリバース部分におけるコンベヤの幅に渡って連続的である。シートの側縁部52から見ると、凸部は、下側端部にわずかに上に曲がったリップ54を具えるC字形であり、ベルトが最初に凸状支持面に接触する(encounter)ときにベルトが引っかかってしまうことを防ぐ。シートは、支持面上のローラの回転接触を強化するために合成材料で被覆しうる金属、又は所望される回転特性を有する合成材料で作ってもよい。シートは、一つの連続支持面を形成する単一の曲げシート、又は2つの部分間の中間部56における小さな間隙によって分離された2つの部分(平面部及び凸部)から作られてもよい。
【0011】
図3は、支持面の代替の実施例を示す。この態様において、支持面はコンベヤの幅に渡って分けられている。平行な直線ウェアストリップ58は、平面支持面を運搬路に沿って提供する。C字形ウェアストリップ60は、第1のリバース部分に凸状外側支持面61を提供する。直線及び凸状ウェアストリップは、第1のリバース部分と運搬路部分の間の中間で小さな間隙62によって分離されて示されている。もちろん、一端部で凸部を形成する連続的なウェアストリップの曲がり部分をその代わりに用いることができる。
【0012】
ローラベルト、及び運搬路に沿った図3のウェアストリップの平面部のさらなる詳細が図4及び5に示されている。図示したローラベルト部分は、列を形成するように並んで配置される縁部モジュール68及び内部モジュール69などの1又はそれ以上のベルトモジュールの列66、67から構成されたモジュール式のプラスチックベルト64である。各ベルトの列を案内して繋ぐ端部のヒンジアイ70は、連続する列の対応するヒンジアイの間に挟まれ、整列し挟まれたヒンジアイによって形成される側部の通路で受けられるヒンジロッド72によって互いに連結される。ローラ10は、モジュール内部に形成される空洞74内に取り付けられる。ローラは、平行なレーン状に配列される。また、直線ウェアストリップ58は、各ローラの縦レーンの下に平面支持面を提供するようにベルトローラのレーンの間隔に等しい間隔で平行に配置される。各ローラは、ローラの突出部分がベルトの内側40及び外側41を越えて突き出すようにベルトの厚さより大きい直径を有する。この態様におけるローラは、空洞に架かってベルトモジュールの内部において端部を支持する軸76を中心に回転する。円筒形ローラ内の開口部が軸を受ける。この実施例において、ベルトが進む際に、ローラがベルトの移動方向に回転するように軸はベルトの移動方向に垂直に配置される。ベルトループの内側のベルトモジュールに形成された凹部78は、リバースホイールの歯などの駆動面によってかみ合う駆動面を具える。
【0013】
図6に図示されたコンベヤの別の態様において、支持ブロック83において回転するよう支持されたシャフト81に取り付けられたリバースホイール80又はスプロケットは、第1のリバース部分に用いられる。平面支持面82は、運搬路部分26から上流の第1のリバース部分30へシャフトの中心線84を越えて延在する。直線支持面が第1のリバース部分30へ延在することによって、ローラベルトのローラにコンベヤの上流の送込み端部で回転すべく支持面を提供する。結果的に、ローラベルトコンベヤ上へ送られた物品は、即時に回転するローラと遭遇する。
【0014】
従って、記述したローラベルトコンベヤの様々な態様は、仕分けコンベヤの送込み端部に運ばれた物品を直ちに離脱する。
【0015】
本発明は、いくつかの好適な態様に関して詳細を記述しているが、他の態様が可能である。例えば、コンベヤベルトにおけるローラの軸は、ベルトの移動方向に垂直に方向付けられる必要はない。その代わりに、これらは、ベルトの移動方向に対して斜めに方向付けて、運搬物品にさらなる横方向の運動成分を提供することができる。別の実施例として、記述した一般的に円筒形のローラではなく、軸を具えない球形のローラボールをベルトローラとして用いることができる。さらに別の実施例として、凸状支持面を静止ドラム又はシューの外側面として代替的に実施することができる。従って、これらのいくつかの実施例は提案であり、クレームの範囲を詳細に記述した態様に限定する意図ではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤにおいて:
運搬経路に沿って進むローラベルトの厚みを通って延在する複数のローラを具えるローラベルトであって、前記運搬経路が、物品が運搬方向に沿って運搬される上側運搬路部分と、前記ローラベルトが前記運搬方向と反対方向に沿って進む前記運搬路部分の下の下側帰還路部分と、前記ローラベルトが前記帰還路部分から前記運搬路部分へ上方に沿って移動する第1のリバース部分と、前記ローラベルトが前記運搬路部分から前記帰還路部分へ下方に沿って移動する第2のリバース部分とを具えるローラベルトと;
前記第1のリバース部分において前記ローラベルトの下にあり、前記ローラベルトが進む際に、前記ローラが、前記第1のリバース部分において転がる面を提供する静止支持面とを具えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、前記第1のリバース部分においてローラベルトの下にある支持面が、凸状支持面であることを特徴とするコンベヤ。
【請求項3】
請求項1に記載のコンベヤが、前記上側運搬路部分において前記ローラベルトの下にあって、前記第1のリバース部分においてローラベルトの下にある支持面と連続している支持面を具えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項4】
請求項3に記載のコンベヤにおいて、前記支持面が、前記コンベヤの幅にわたって連続していることを特徴とするコンベヤ。
【請求項5】
請求項3に記載のコンベヤにおいて、前記支持面が、前記コンベヤの幅にわたって分割されていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項6】
請求項1に記載のコンベヤが、前記第2のリバース部分において前記ローラベルトにかみ合うリバースホイールを具え、前記第1のリバース部分にリバースホイールが無いことを特徴とするコンベヤ。
【請求項7】
コンベヤにおいて:
前記コンベヤの出口端部を規定するリバースホイールと;
前記リバースホイールと間隔を空けて配置され、前記コンベヤの送込み端部を規定する静止凸状支持面と;
前記リバースホイールと前記支持面の周囲に掛けられたループとして配置され、前記コンベヤの前記送込み端部から出口端部へ延在する運搬路部分を規定するベルトと;
を具え、当該ベルトが、前記ベルトが前記運搬路に沿って前記送込み端部から前記出口端部へ運搬方向に進む際に、前記支持面上で転がるように前記ベルトの厚みを通って延在する複数のローラを具えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項8】
請求項7に記載のコンベヤが、前記運搬路部分において前記ベルトの下にあり、前記凸状支持面と連続している運搬路支持面を具えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項9】
請求項8に記載のコンベヤにおいて、前記運搬路支持面及び前記凸状支持面が、前記コンベヤの幅にわたって連続していることを特徴とするコンベヤ。
【請求項10】
請求項8に記載のコンベヤにおいて、前記運搬路支持面及び前記凸状支持面が、前記コンベヤの幅にわたって分割されていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項11】
請求項7に記載のコンベヤにおいて、前記凸状支持面が、前記コンベヤの側縁部から見たときにC字形であることを特徴とするコンベヤ。
【請求項12】
請求項7に記載のコンベヤが、前記コンベヤの前記送込み端部にリバースホイールが無いことを特徴とするコンベヤ。
【請求項13】
コンベヤにおいて:
コンベヤベルトの厚みを通って延在するローラを具え、運搬経路の運搬路部分の上流端部から下流端部へ運搬方向に進むコンベヤベルトと;
前記コンベヤベルトを前記運搬路部分で支持する平面部分と、前記上流端部で前記平面部分とほぼ連続している第1端部及び前記平面部分の平面より下側に第2端部を具える静止凸部とを具える支持面と;を具え、
前記進むコンベヤベルトの張力が、前記コンベヤベルトを前記支持面の凸部に適合させ、前記ローラが前記コンベヤの前記上流端部における前記支持面の前記運搬路部分に近づいたときに既に回転しているように、前記ローラを前記凸部と接触させて回転させることを特徴とするコンベヤ。
【請求項14】
請求項13に記載のコンベヤにおいて、前記支持面が、前記コンベヤの幅にわたって連続していることを特徴とするコンベヤ。
【請求項15】
請求項13に記載のコンベヤにおいて、前記支持面が、前記コンベヤの幅にわたって分割されていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項16】
請求項13に記載のコンベヤが、前記運搬路部分の下流端部に前記ローラベルトにかみ合うリバースホイールを具え、前記運搬路部分の上流端部にリバースホイールが無いことを特徴とするコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−541183(P2009−541183A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518434(P2009−518434)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/070730
【国際公開番号】WO2008/002758
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】