逆ジオコーディング装置、及び逆ジオコーディング方法
【課題】地名情報が含まれていないメッシュ情報が存在する場合地名情報を取得することができない。
【解決手段】本発明の逆ジオコーディング装置10は、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断部14aと、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測部15aと、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15aが計測した計測距離に応じた地域名から対応地名を取得する地名取得部17aと、を備える。
【解決手段】本発明の逆ジオコーディング装置10は、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断部14aと、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測部15aと、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15aが計測した計測距離に応じた地域名から対応地名を取得する地名取得部17aと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆ジオコーディング装置、及び逆ジオコーディング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地表面上の一点を特定し、該地表面上の一点が含まれるメッシュと関連付けられた地名情報を得る逆ジオコーディング方法が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-89815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地名情報は、全てのメッシュに対して関連付けられている必要があるが、山岳地帯や海上など、元データである国土交通省のデータが対応してない地域が存在するため、地名情報が関連付けられていないメッシュが存在する。
【0005】
ところが、特許文献1に記載された発明では、全てのメッシュに対して地名情報が関連付けられていることを前提としている。そのため、地名情報が関連付けられていないメッシュが存在した場合に地名情報の取得ができないという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み地名情報が含まれていないメッシュ情報が存在する場合であっても地名情報を取得することが可能である逆ジオコーディング装置、逆ジオコーディングプログラム、及び逆ジオコーディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の逆ジオコーディング装置は、地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくともエリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング装置であって、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索部と、対象位置メッシュ検索部が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断部と、判断部が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断部と、近接メッシュ判断部が判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測部と、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部が計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得部と、を備える。
【0008】
本発明の逆ジオコーディング装置では、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、近傍のメッシュ情報に含まれている地名情報に基づいて対応地名を得ている。その為、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合であっても対応地名を得る事が可能となる。
【0009】
また、本発明の逆ジオコーディング装置では、対象地点と、メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアとの距離に応じてメッシュ情報に含まれている対応地名を取得している。その為、誤った対応地名を取得することを抑制することが可能となる。
【0010】
更に、処理負担の高いポリゴン演算を行っていない。その為、高速な反応を得る事が可能となる。
【0011】
また、逆ジオコーディング装置は、距離計測部が計測した計測距離に基づいて、対象地点に最も近い近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する最近接メッシュ判断部を更に備え、地名取得部は、最近接メッシュ判断部が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部が計測した最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得することが好適である。
【0012】
逆ジオコーディング装置をこのような構成とすることによって最近接メッシュ情報に含まれる地名情報に基づいて対応地名を取得することとなり、誤った対応地名を取得することをより一層抑制することが可能となる。
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の逆ジオコーディング方法は、地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくともエリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング方法であって、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索ステップと、対象位置メッシュ検索ステップにおいて検索された対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断ステップと、判断ステップにおいて、対象位置メッシュ情報が地名情報を含んでいないと判断された場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断ステップと、近接メッシュ判断ステップにおいて判断された近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測ステップと、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測ステップにおいて計測された計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得ステップと、を備える。
【0014】
本発明の逆ジオコーディング方法によれば、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、近傍のメッシュ情報に含まれている地名情報に基づいて対応地名を得ることとなる。その為、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合であっても対応地名を得る事が可能となる。
【0015】
また、本発明の逆ジオコーディング方法によれば、対象地点とメッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアとの距離に応じてメッシュ情報に含まれている対応地名を取得することとなる。その為、誤った対応地名を取得することを抑制することが可能となる。
【0016】
更に、処理負担の高いポリゴン演算を行うことがない。その為、高速な反応を得る事が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地名情報が関連付けられていないメッシュ情報が存在する場合であっても地名情報を取得することが可能である逆ジオコーディング装置、及び逆ジオコーディング方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の逆ジオコーディングシステムの機能構成を示す図である。
【図2】図1に示すメッシュ情報保持部が保持する情報の例を示す図である。
【図3】図1に示す近接メッシュ判断部の処理を説明するための図である。
【図4】図1に示す距離計測部の処理を説明するための図である。
【図5】図1に示す地名取得規則保持部が保持する情報の例を示す図である。
【図6】図1に示す距離計測部の処理を説明するための図である。
【図7】図1に示す逆ジオコーディング装置における処理の流れを示す図である。
【図8】第1実施形態における逆ジオコーディングプログラムを示す図である。
【図9】逆ジオコーディングプログラムを実行するためのコンピュータの物理的構成を示す図である。
【図10】逆ジオコーディングプログラムを実行するためのコンピュータの斜視図である。
【図11】第2実施形態の逆ジオコーディングシステムの機能構成を示す図である。
【図12】図11に示す近接メッシュ判断部の処理を説明するための図である。
【図13】図11に示す距離計測部の処理を説明するための図である。
【図14】図11に示す逆ジオコーディング装置における処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る逆ジオコーディングシステム1について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態における逆ジオコーディングシステム1の機能構成を示す図である。この図に示すように本実施形態の逆ジオコーディングシステム1は、逆ジオコーディング装置10、端末20、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40を含んで構成されている。
【0021】
逆ジオコーディング装置10は、メッシュ情報を用いて地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する機能を有する。逆ジオコーディング装置10が有する機能の詳細は後述する。
【0022】
ここで、メッシュ情報とは、地表面における所定の広がりを持つエリアを示す位置情報と、該エリアに対応する属性情報である地名情報と、メッシュ情報を一意に識別可能とするメッシュ識別子と、を含む情報を指す。位置情報及び地名情報はメッシュ識別子と1対1で関連付けられている。
【0023】
地名情報とは、エリアと対応付けが可能な地理的な属性情報であって、少なくとも2階層以上の階層(広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名)を有する情報のことを指す。具体的には例えば都道府県名(第1の階層:広域部分を示す地域名)、市町村名(第2の階層:広域部分を示す地域名、或いは広域部分よりも狭い地域を示す地域名)、及び大字名(第3の階層:広域部分よりも狭い地域を示す地域名)の3階層を持った情報を用いることが可能である。
【0024】
位置情報とは、エリアの地表面上における位置及び形状を特定できる情報を指す。
【0025】
対象地点とは、逆ジオコーディング装置10が対応地名を取得する対象となる地表面上の特定の地点を指す。
【0026】
本実施形態において発明を説明するための対象地点の例として後述の端末20が存在する地点を用いる。但し、これに限定する必然性はなく、例えば、対象地点を画面上に表示された道路地図等の地理情報上で一点を示すことで特定される地点を用いても良い。
【0027】
端末20は、逆ジオコーディング装置10を利用するユーザが所持する端末である。端末20は、例えばGPS(global positioning system:全地球測位システム)の技術を利用して現在の位置を測位し、経度及び緯度に関する情報を対象地点情報として逆ジオコーディング装置10に送信する機能を有する。
【0028】
また、端末20は、逆ジオコーディング装置10から、逆ジオコーディング装置10が取得した対応地名を受信し、受信した対応地名を表示する機能を有する。
【0029】
具体的には、端末20は、携帯電話、簡易型携帯電話機(PHS:Personal Handy-phone System)、通信機能を有する携帯型情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、或いは、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等を用いることが出来る。本実施形態において発明の説明のための端末20として携帯電話を用いる。
【0030】
メッシュ情報保持部30は、メッシュ情報を保持する機能を有する。
【0031】
図2にメッシュ情報保持部30が保持するメッシュ情報の例を示す。この図における地名情報は、予め登録されている。但し、上述の理由により地名情報が登録(割り当て)されていないメッシュ情報が存在する。例えば図2で示す例においてはメッシュ識別子が“135135139610”及び“135135139625”であるメッシュ情報に地名情報が登録(割り当て)されていない。それらのメッシュ情報には、地名情報が含まれていないこととなる。
【0032】
本実施形態において、位置情報は、対応するエリアの中心地点の緯度情報及び経度情報によって表現する。本実施形態においては、エリアは南北及び東西方向の長さが等しい正方形であるため、中心の経度情報及び緯度情報と正方形の一辺の長さを特定することによって位置情報が示すエリアの地表面上における位置と形状が特定されることとなる。
【0033】
本実施形態においては、特定の位置情報と、経度及び緯度によって表示された地表面上の特定の地点と、を対比することにより、該特定の地点は、上記特定の位置情報で示されるエリアの中に存在しているか或いはエリアの外に存在しているかについて判断可能となっている。
【0034】
エリアにおける正方形の一辺の長さは、予め登録されており、図示しない保持部に保持されていても良い。エリアにおける正方形の一辺の長さは自由に設定可能であり、特に限定する必要はない。例えば一辺10mとしても良い。
【0035】
地名取得規則保持部40は、後述の地名取得部17aによる対応地名の取得時に適用される規則である地名取得規則を保持する機能を有する。地名取得規則の詳細は、逆ジオコーディング装置10の地名取得規則受信部16及び地名取得部17aを説明する部分で詳述する。
【0036】
逆ジオコーディング装置10、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40は、物理的にはネットワーク上のサーバであり、必要に応じて通常のサーバが備える基本構成(例えば、CPU、RAM、ROM、キーボード、マウス、外部との通信を行う通信デバイス、情報を記憶する記憶デバイス、ディスプレイ、及びプリンタ)を適宜備える。逆ジオコーディング装置10、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40が有するそれぞれの機能は、プログラム等のソフトウェアがサーバ上に読み込まれ、ソフトウェアと、サーバにおける各物理的基本構成とが協働することによって実現されている。逆ジオコーディング装置10、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40は、単体のサーバであってもよい。或いは、複数のサーバによってこれらが有する機能を分散的に実現されていても良い。
【0037】
次に、逆ジオコーディング装置10が備える機能について説明する。
【0038】
逆ジオコーディング装置10は、具体的には、対象地点取得部11、対象位置メッシュ検索部12、判断部13、近接メッシュ判断部14a、距離計測部15a、地名取得規則受信部16、地名取得部17a、及び地名送信部18を含んで構成される。
【0039】
対象地点取得部11は、対応地名を得る対象の地点である対象地点を得る機能を有する。また、得た対象地点を後述の対象位置メッシュ検索部12及び距離計測部15aに対して出力する機能を有する。
【0040】
具体的には、対象地点取得部11は、端末20から、端末20の現在の位置を示す緯度情報及び経度情報を対象地点情報として受信することで対象地点を取得する。
【0041】
対象地点取得部11は、その他の方法によって対象地点を取得しても良い。例えばユーザによって経度情報及び緯度情報を直接入力されても良い。或いは、図示しないディスプレイ上に表示した道路地図等の地理情報上の一点をタッチパネル、マウス等によりユーザが指し示すことによって、対象地点を特定する方法によって対象地点を取得しても良い。
【0042】
対象位置メッシュ検索部12は、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する機能、及び該検索した対象位置メッシュ情報を後述の判断部13に対して出力する機能を有する。
【0043】
“エリアに対応するメッシュ情報”とは、該エリアを表示する位置情報を含んでいるメッシュ情報を意味する。
【0044】
本実施形態においてエリアは一辺が所定の長さの正方形であり、エリア同士の重なり合いはないため、対象地点として地表面上の一点が特定されると、該対象地点を含むエリアが一つ特定されることとなる。
【0045】
更に、エリアとメッシュ情報とは一対一の対応関係にあるため、対象地点が一つ特定されると、唯一の対象位置メッシュ情報が特定されることとなる。
【0046】
対象位置メッシュ検索部12は、具体的には、対象地点取得部11が取得した対象地点情報を対象地点取得部11から入力する。
【0047】
対象位置メッシュ検索部12は、入力した対象地点情報と、メッシュ情報保持部30が保持するメッシュ情報に含まれる位置情報とを対比することにより、対象位置メッシュ情報を検索する。
【0048】
判断部13は、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する機能を有する。
【0049】
判断部13は、更に、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合に、対象位置メッシュ情報を後述の地名取得部17aに出力する機能、及び、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、対象位置メッシュ情報を後述の近接メッシュ判断部14aに対して出力する機能を有する。
【0050】
近接メッシュ判断部14aは、判断部13が対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する機能、及び該判断した近接メッシュ情報を後述の距離計測部15a及び地名取得部17aに対して出力する機能を有する。
【0051】
“対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報”とは、対象位置メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアの近傍のエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報の意味である。“エリアから近傍であるエリア”とは、例えば、エリアに隣接しているエリアのことを意味する。場合によっては、隣接しているエリアに更に隣接しているエリアのことを意味する。更に、隣接を複数回繰り返した後のエリアも含める。
【0052】
以後、“特定のメッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアに隣接する(近傍の)エリアを示す位置情報を含むメッシュ情報”のことを単に“特定のメッシュ情報に隣接する(近傍の)メッシュ情報”と称する。
【0053】
近接メッシュ判断部14aは、具体的には、対象位置メッシュ情報を入力し、該対象位置メッシュ情報に隣接したメッシュ情報を、メッシュ情報保持部30から得る。近接メッシュ判断部14aは、メッシュ情報保持部30から得たメッシュ情報に位置情報が含まれているか否かを判断する。位置情報が含まれていると判断した場合に、近接メッシュ判断部14aは、該メッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する。近接メッシュ判断部14aは、該近接メッシュ情報を後述の距離計測部15a及び地名取得部17aに対して出力する。
【0054】
メッシュ情報保持部30から入力したメッシュ情報が位置情報を含んでいないと判断した場合に、近接メッシュ判断部14aは、メッシュ情報保持部30から入力したメッシュ情報に隣接したメッシュ情報を得る。近接メッシュ判断部14aは、該得たメッシュ情報に位置情報が含まれているか否かを判断する。
【0055】
以後、隣接したメッシュ情報の取得と、位置情報が含まれているか否かの判断とを、位置情報が含まれていると判断するまで繰り返す。
【0056】
本実施形態において発明を説明するために用いる、近接メッシュ判断部14aが地名情報が含まれているか否かの判断を行うメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から取得する順番の例を図3に示す。図3において記号Aを付したエリアAが対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。
【0057】
図3に示したように、本実施形態において、近接メッシュ判断部14aは、対象位置メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して西に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して西に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報の順でメッシュ情報に地名情報が含まれているか否かについて判断する。以後、西、北、東、及び南の方向を、北及び南へ方向を変更する時に同じ方向の回数を一増やしながら繰り返す。この順番に限られるわけではないことは言うまでもない。
【0058】
特定の方向へ隣接するメッシュ情報を検索する方法は、以下の方法によって実現可能である。即ち、本実施形態の位置情報は、経度情報及び緯度情報ともに所定の角度間隔で間欠的な数値となっている。図2に示す例では経度情報及び経度情報は、共に0.005度間隔である。その為、現在のメッシュ情報に対して北へ隣接するメッシュ情報を検索する場合には、経度情報として現在のメッシュ情報に含まれる経度情報と同じ経度情報、緯度情報として現在のメッシュ情報に含まれる緯度情報に0.005度加えた緯度情報をそれぞれ算出し、算出した経度情報及び緯度情報を含むメッシュ情報を検索すれば良い。
【0059】
上記の順番によるメッシュ情報のメッシュ情報保持部30からの取得、及び得たメッシュ情報に位置情報が含まれているか否かの判断を繰り返し、メッシュ情報に位置情報が含まれていると最初に判断した時に、近接メッシュ判断部14aは、該メッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する。近接メッシュ判断部14aは、該判断した近接メッシュ情報を後述の距離計測部15a及び地名取得部17aに対して出力する。
【0060】
距離計測部15aは、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する機能を有する。
【0061】
ここで、“エリアと、対象地点との距離”とは、本実施形態においてはエリアの中心地点と対象地点との間の距離を意味する。
【0062】
具体的には、距離計測部15aは、対象地点取得部11から対象地点情報として経度情報及び緯度情報を入力し、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報の経度情報及び緯度情報を得る。
【0063】
距離計測部15aは、共に経度情報及び緯度情報で表現されている対象地点情報と位置情報とから両者の地表面上における距離を算出することにより計測距離を計測する。
【0064】
距離計測部15aの処理を、図4を用いて概念的に説明する。今、図4(A)及び図4(B)に示すエリアのうちハッチが施されているエリアは、地名情報が含まれていないエリアである。図4(A)において記号Bを付した地点Bが対象地点である。図4(B)は、図4(A)の一部分を拡大した図である。
【0065】
上記説明した通り、この図の例では、対象位置メッシュ検索部12は、記号Cを付したエリアCを表示する位置情報を含むメッシュ情報を対象位置メッシュ情報として検索する。判断部13は、対象位置メッシュ情報には地名情報が含まれていないと判断する。近接メッシュ判断部14aは、図3で例示した順番でメッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断し、判断の結果、図4において記号Dを付したエリアDを示す位置情報を含むメッシュ情報を近接メッシュ情報として判断する。近接メッシュ判断部14aは、該近接メッシュ情報を距離計測部15aに対して出力する。
【0066】
上記説明した通り、距離計測部15aは、図4(B)に示すように、対象地点(地点B)と、近接メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアであるエリアDの中心位置と、の距離(図4(B)において記号Hを付した距離H)を計測し、計測距離とする。
【0067】
本実施形態において近接メッシュ情報に含まれる位置情報は、エリアの中心地点の経度情報及び緯度情報から構成されている。従って、該位置情報と、同じく経度情報及び緯度情報から構成されている対象地点と、によって簡単に(大きな処理負担をかけずに)地表面における両点の距離を算出することが出来る。距離計測部15aは、このようにして算出した距離を計測距離とする。
【0068】
但し、この方法に限定する必要はなく、対象地点と、エリアの境界線との距離(図4(B)において記号Iを付した距離I)を計測しても良い。
【0069】
地名取得規則受信部16は、地名取得規則保持部40から地名取得規則を受信する機能、及び受信した地名取得規則を後述の地名取得部17aへ出力する機能を有する。
【0070】
ここで、地名取得規則とは、メッシュ情報に含まれる地名情報を構成している階層構造のどの階層までの情報を取得するかの基準である。即ち、地名情報を、どの程度の精度(ここでは精度とは“細かさ”或いは“粒度”のことであり、“正確性”の意味ではない)で取得するかの基準である。
【0071】
図5に、地名取得規則保持部40が保持する地名取得規則の例を示す。この図に示すように、地名取得規則保持部40は、計測距離と、地名取得精度と、を関連付けて保持している。図5の例に示すように、本実施形態の地名取得規則は、計測距離が長い程広域部分を示す地域名を取得し、計測距離が短いほど該広域部分よりも狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報を取得する規則となっている。
【0072】
即ち、本実施形態の地名取得規則は、計測距離が長い程粗い階層である行政区分(図5の例では都道府県)のみ取得し、計測距離が短い程細かい階層である行政区分(図5の例では大字名)まで取得する規則となっている。
【0073】
図5に示す規則は、予め逆ジオコーディング装置10の管理者によって設定されていても良い。あるいはユーザによって自由に設定可能としても良い。
【0074】
地名取得部17aは、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15aが計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する機能、及び該取得した地域名を対応地名として後述の地名送信部18へ出力する機能を有する。
【0075】
“計測距離に応じて定められた地域名を含んだ”とは、計測距離に応じて定められた地域名と、該地域名より広い範囲の地域名とを含んだとの意味である。
【0076】
本実施形態の地名情報は、階層構造となっており、最も広域部分を示す階層である都道府県名、都道府県より狭い地域を示す階層である市町村名、及び市町村名より狭い地域を示す階層である大字名の3層構造となっている。
【0077】
“計測距離に応じて定められた地域名”とは、より具体的には、例えば計測距離に応じた地域名が市町村である場合には、それより上位の階層である都道府県名及び市町村名、との意味である。
【0078】
地域名とは、一定の面積に対して与えられた名前のことであり、具体的には地名のことである。本実施形態では、図2に示す“神奈川県”、“○○市”、或いは“aaa”等が地域名である。“複数の地域名”とは、一つのエリアに与えられた複数の地域名のことを指すが、ここでは、一つのエリアに例えば“神奈川県横須賀市野比”及び“神奈川県横須賀市久里浜”等複数の地名情報が与えられていることを意味していない。ここでは“複数の地域名”とは、“複数の階層それぞれの地域名”の意味であり、具体的には一つのエリアに与えられた“神奈川県”、“横浜市”及び“野比”を意味する。
【0079】
より具体的には、地名取得部17aは、距離計測部15aが計測した計測距離と、地名取得規則受信部16が受信した地名取得規則に含まれる計測距離とを比較し、どの地名取得精度を適用するべきかを判断する。例えば、図5の例では、0km<=計測距離<=5kmである場合に地名取得部17aは、計測距離に応じて定められた地域名が“大字名”であると判断し、地名情報のうち都道府県名、市町村名、及び大字名を組み合わせることにより対応地名を取得する。
【0080】
5km<計測距離<=10kmである場合に地名取得部17aは、計測距離に応じて定められた地域名が“市町村名”であると判断し、地名情報のうち市町村名、及び大字名を組み合わせることにより対応地名を取得する。
【0081】
10km<計測距離<=20kmである場合に地名取得部17aは、計測距離に応じて定められた地域名が“都道府県”であると判断し、地名情報のうち都道府県名を対応地名として取得する。
【0082】
図5に示す例では、地名取得部17aは、計測距離が20kmより大きい場合には、対応地名を取得しない。
【0083】
これを、図4及び6を用いて概念的に説明する。図4(B)の例では、上述の通り、距離計測部15aは、距離Hを計測距離として計測する。距離Hが例えば4kmであったとする。また、図4の例におけるエリアDを示す位置情報を含むメッシュ情報(近接メッシュ情報)に含まれるメッシュ識別子が“135135139620”であるとする。
【0084】
この例では、計測距離が4kmであるため、地名取得部17aは、地名取得規則受信部16が受信した地名取得規則を参照し、地名取得精度を“大字名”までであると判断する(図5参照)。地名取得部17aは、近接メッシュ判断部14aから入力した、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、“都道府県名”、“市町村名”及び“大字名”から、それらの地域名を組み合わせた“神奈川県○○市ccc”を対応地名として取得する。
【0085】
一方、図6に示す例では、記号Eを付した地点Eが対象地点であり、記号Fを付したエリアFが対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。また、記号Gを付したエリアGは、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。地名取得部17aは、近接メッシュ判断部14aから近接メッシュ情報を入力している。該近接メッシュ情報に含まれるメッシュ識別子は、“135130139615”であるとする。計測距離(図6(B)において記号Jを付した距離J)が11kmであるとする。
【0086】
この例では、計測距離が11kmであるため、地名取得部17aは、上記方法に従って地名取得規則受信部16が受信した地名取得規則を参照し、地名取得精度を“都道府県”までであると判断する。地名取得部17aは、近接メッシュ判断部14aから入力した、メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち“都道府県名”である“神奈川県”を対応地名として取得する。
【0087】
地名取得部17aが上記機能を有することによって、計測距離が大きくなるに従い対応地名の取得(端末20上における地名の表示)は例えば都道府県名までの取得など、粗い(地名が示す範囲が広い)取得となる。その為、取得(表示)の過ちを抑制することが可能となる。また計測距離が所定の値(図5で示す例では20km)より大きい場合には、対応地名の取得を行わないため、例えば陸地から遠く離れた海上である場合など、地名の取得(端末20上における地名の表示)が不適切となる場合には対応地名を取得(表示)しない事となり、対応地名の取得(表示)誤りを最小限とすることが可能となる。
【0088】
地名取得部17aは、判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合に、判断部13から対象位置メッシュ情報を入力し、該入力した対象位置メッシュ情報に含まれている地名情報を対応地名として取得する。
【0089】
地名送信部18は、地名取得部17aが取得した対応地名を端末20に送信する機能を有する。
【0090】
地名送信部18がこのような機能を有することにより、端末20が送信した対象地点に対応する対応地名を端末20に送信することによって、端末20の要求に対して応答することとなる。
【0091】
[処理の流れについて]
次に、図7を用いて本実施形態の逆ジオコーディング装置10の処理の流れについて説明する。
【0092】
対象地点取得部11は、対応地名を得る対象の地点である対象地点を得る(ステップS101)。
【0093】
対象位置メッシュ検索部12は、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する(ステップS102:対象位置メッシュ検索ステップ)。
【0094】
判断部13は、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する(ステップS103:判断ステップ)。
【0095】
判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に(ステップS103において“NO”)、近接メッシュ判断部14aは、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する(ステップS104:近接メッシュ判断ステップ)。
【0096】
距離計測部15aは、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する(ステップS105:距離計測ステップ)。
【0097】
地名取得規則受信部16は、地名取得規則保持部40から地名取得規則を受信する(ステップS106)。
【0098】
地名取得部17aは、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15aが計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する(ステップS107:地名取得ステップ)。判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合(ステップS103において“YES”)、地名取得部17aは、対象位置メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名から対応地域名を取得する(ステップS107:地名取得ステップ)。
【0099】
地名送信部18は、地名取得部17aが取得した対応地名を端末20に送信する(ステップS108)。
【0100】
以下、コンピュータ50を逆ジオコーディング装置10として動作させるための逆ジオコーディングプログラムP100について説明する。
【0101】
図8は、本実施形態の逆ジオコーディングプログラムP100を示す図である。図9は、逆ジオコーディングプログラムP100を実行するためのコンピュータ50のハードウェア構成を示す図である。図10は、記録媒体に記憶された逆ジオコーディングプログラムP100を実行するためのコンピュータ50の斜視図である。
【0102】
図8に示すように、逆ジオコーディングプログラムP100は、記録媒体104に格納されて提供される。なお、記録媒体104としては、フロッピーディスク、CD−ROM、DVD、あるいはROM等の記録媒体、あるいは半導体メモリ等が例示される。
【0103】
図9に示すように、コンピュータ50は物理的には、フロッピーディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、DVDドライブ装置等の読取装置105、オペレーティングシステムを常駐させた作業用メモリ(RAM)102と、記録媒体104に記憶されたプログラムを記憶するメモリ103と、ディスプレイといった表示装置106と、入力装置であるマウス107及びキーボード108と、ネットワーク110と接続しており、データ等の送受を行うための通信装置109と、プログラムの実行を制御するCPU101とを備えている。コンピュータ50は、記録媒体104が読取装置105に挿入されると、読取装置105から記録媒体104に格納された逆ジオコーディングプログラムP100にアクセス可能になり、当該逆ジオコーディングプログラムP100によって、逆ジオコーディング装置10として動作することが可能になる。
【0104】
図10に示すように、逆ジオコーディングプログラムP100は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号51としてネットワークを介して提供されるものであってもよい。この場合、コンピュータ50は、通信装置109によって受信した逆ジオコーディングプログラムP100をメモリ103に格納し、逆ジオコーディングプログラムP100を実行することができる。
【0105】
図8に示すように、逆ジオコーディングプログラムP100は、対象地点取得モジュールP101、対象位置メッシュ検索モジュールP102、判断モジュールP103、近接メッシュ判断モジュールP104、距離計測モジュールP105、地名取得規則受信モジュールP106、地名取得モジュールP107、及び地名送信モジュールP108を含んで備えている。
【0106】
上記各モジュールが実行されることにより実現される機能は、上述した逆ジオコーディング装置10の機能と同様である。この時、対象地点取得モジュールP101は対象地点取得部11と、対象位置メッシュ検索モジュールP102は対象位置メッシュ検索部12と、判断モジュールP103は判断部13と、近接メッシュ判断モジュールP104は近接メッシュ判断部14aと、距離計測モジュールP105は距離計測部15aと、地名取得規則受信モジュールP106は地名取得規則受信部16と、地名取得モジュールP107は地名取得部17aと、地名送信モジュールP108は地名送信部18と、それぞれ対応する。
【0107】
[作用及び効果について]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0108】
本実施形態の逆ジオコーディング装置10は、対象位置メッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信し、該受信した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、近接メッシュ判断部14aは、近傍のメッシュ情報であって位置情報を含んでいるメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断し、距離計測部15aは、対象地点と、近接メッシュ情報に含まれる位置情報によって示されるエリアと、の距離である計測距離を計測し、地名取得部17aは、距離計測部15aが計測した計測距離に応じて対応地名を取得している。
【0109】
その為、地名情報が含まれていないメッシュ情報が存在する場合であっても地名情報を取得することが可能となる。
【0110】
また、本実施形態の逆ジオコーディング装置10では、対象地点と、メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアとの距離に応じて対応地名を取得している。その為、誤った対応地名を取得することを抑制することが可能となる。
【0111】
更に、本実施形態の逆ジオコーディング装置10は、処理負担の高いポリゴン演算を行っていない為、高速な反応を得る事が可能となる。
【0112】
[第2実施形態]
上記第1実施形態における、逆ジオコーディング装置10の近接メッシュ判断部14aは、近傍のメッシュ情報について一つずつ順番に地名情報が含まれているか否かを判断し、最初に地名情報を含むと判断したメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断していた。
【0113】
複数のメッシュ情報について位置情報が含まれているかを判断し、位置情報が含まれているメッシュ情報の中から対象地点に最も近い最近接メッシュ情報を判断しても良い。
【0114】
最近接メッシュ情報を判断する第2実施形態の逆ジオコーディング装置10について説明する。但し、上記第1実施形態と同様である部分は説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0115】
図11に本実施形態の逆ジオコーディングシステム1の機能構成を示す。この図に示すように本実施形態の逆ジオコーディングシステム1は、逆ジオコーディング装置10、端末20、メッシュ情報保持部30及び地名取得規則保持部40を含んで構成されている。
【0116】
このうち端末20、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40が有する機能については、上記第1実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
【0117】
本実施形態の逆ジオコーディング装置10は、具体的には、対象地点取得部11、対象位置メッシュ検索部12、判断部13、近接メッシュ判断部14b、距離計測部15b、地名取得規則受信部16、地名取得部17b、地名送信部18、最近接メッシュ判断部19を含んで構成されている。
【0118】
このうち、対象地点取得部11、対象位置メッシュ検索部12、判断部13、地名取得規則受信部16、及び地名送信部18が有する機能については上記第1実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
【0119】
近接メッシュ判断部14bは、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報の近傍の複数のメッシュ情報のうち、位置情報が含まれている全てのメッシュ情報を、近接メッシュ情報として判断する機能、および判断した近接メッシュ情報を後述の距離計測部15bに対して出力する機能を有する。
【0120】
“対象位置メッシュ情報の近傍の複数のメッシュ情報”とは、対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアの近傍のエリアを示す位置情報を含む複数のメッシュ情報との意味である。
【0121】
“近傍のエリア”とは、例えば、隣接しているエリアのことを指す。場合によっては、隣接しているエリアに更に隣接しているエリアのことを指す。更に、隣接を複数回繰り返した後のエリアも含める。
【0122】
本実施形態において特定のエリアに隣接するエリアとは、特定のエリアの東西南北方向に隣接する4個のエリアのみならず、南東、北東、南西、北西方向に隣接する更に4個のエリアをも含める。
【0123】
以後、特定のメッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアに隣接する(近傍の)エリアを示す位置情報を含めるメッシュ情報のことを、特定のメッシュ情報に隣接する(近傍の)メッシュ情報と称する。
【0124】
具体的には、近接メッシュ判断部14bは、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に隣接する複数のメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信し、受信した各メッシュ情報について、位置情報が含まれているか否かについて判断する。
【0125】
特定のメッシュ情報に隣接しているメッシュ情報の検索は、上記第1実施形態で説明した方法を用いることで実施可能である。
【0126】
メッシュ情報保持部30から受信した複数のメッシュ情報の全てについて位置情報が含まれているか否かについて判断し、少なくとも一つのメッシュ情報に位置情報が含まれると判断した場合には、近接メッシュ判断部14bは、位置情報が含まれると判断した全てのメッシュ情報を近接メッシュ情報として後述の距離計測部15bに出力する。
【0127】
隣接する複数のメッシュ情報の全てについて位置情報が含まれていないと判断した場合、近接メッシュ判断部14bは、直前にメッシュ情報保持部30から受信したメッシュ情報に隣接するメッシュ情報であって、近接メッシュ判断部14bが位置情報が含まれているか否かについて判断をしていないメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信する。近接メッシュ判断部14bは、メッシュ情報保持部30から受信した各メッシュ情報について位置情報が含まれているか否かについて判断する。
【0128】
近接メッシュ判断部14bは、近傍の複数のメッシュ情報の受信と、受信した各メッシュ情報に位置情報が含まれているか否かの判断と、を一つ以上のメッシュ情報に位置情報が含まれていると判断するまで繰り返す。
【0129】
図12を用いて、近接メッシュ判断部14bの判断方法を概念的に説明する。
【0130】
図12において記号Aを付したエリアAが対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。
【0131】
上記方法に従って、近接メッシュ判断部14bは、最初に図12において記号Kを付したエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信し、受信した全てのメッシュ情報について位置情報が含まれているか否かを判断する。
【0132】
上記方法に従って、位置情報が含まれていないと判断した場合に近接メッシュ判断部14bが次に位置情報の有無を判断するエリアは、図12において記号Lを付したエリアである。
【0133】
上記の方法に従って、例えば、図12において記号Lを付したエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報のなかで、位置情報を含むメッシュ情報が複数存在した場合、近接メッシュ判断部14bは、それらの複数のメッシュ情報全てを近接メッシュ情報であると判断し、該判断した全ての近接メッシュ情報を後述の距離計測部15bに対して出力する。
【0134】
距離計測部15bは、近接メッシュ判断部14bが判断した一つ以上の近接メッシュ情報のそれぞれに含まれる位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を近接メッシュ情報毎に計測する機能を有する。
【0135】
エリアと対象地点との距離の計測方法については上記第1実施形態において説明した方法と同様である。
【0136】
距離計測部15bは、計測した近傍メッシュ情報毎の計測距離を、対応する近接メッシュ情報と関連付けて後述の最近接メッシュ判断部19に対して出力する。
【0137】
最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが計測した計測距離に基づいて、近接メッシュ情報のうち最も対象地点に近い最近接メッシュ情報を判断する機能を有する。
【0138】
具体的には、最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが近接メッシュ情報毎に計測した計測距離のうち最も距離が短い計測距離を判断し、該最も短い計測距離に対応した近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する。
【0139】
最近接メッシュ判断部19は、判断した最近接メッシュ情報と、対応する計測距離とを後述の地名取得部17bに対して出力する。
【0140】
図13を用いて、最近接メッシュ判断部19が最近接メッシュ情報を判断する方法を概念的に説明する。
【0141】
図13は、上記第1実施形態における図6と同じ状態である。図13(B)は、図13(A)の主要部を拡大した図である。
【0142】
上記第1実施形態において説明した通り、この図の例では、対象位置メッシュ検索部12は、エリアFを示す位置情報を含むメッシュ情報を対象位置メッシュ情報として検索する。
【0143】
上述の通り、近接メッシュ判断部14bは、エリアFに隣接しているエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報について、位置情報が含まれているか否かについて判断する。該判断の結果、図13に示す例では、エリアG、エリアN、エリアP及びエリアQをそれぞれ示す位置情報を含める4個のメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する。
【0144】
上述の通り、距離計測部15bは、それぞれの近接メッシュ情報について対象地点との距離である計測距離を計測する。図13に示す例では、距離J、距離T、距離S及び距離Rを計測することとなる。
【0145】
上述の通り、最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが計測した計測距離のうち最も短い計測距離に対応する近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断するため、図13に示した例では、最近接メッシュ判断部19は、エリアQを示す位置情報を含めるメッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する。
【0146】
地名取得部17bは、最近接メッシュ判断部19が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15bが計測した最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じた対応地名を取得する機能を有する。
【0147】
計測距離に応じた対応地名の取得方法については、上述の第1実施形態において説明した方法と同様である。
【0148】
次に本実施形態の逆ジオコーディング装置10における処理の流れを図14を用いて説明する。
【0149】
図14に記載されたステップS201、S202、S203、S207及びS209の処理は、それぞれ上記第1実施形態ステップS101、S102、S103、S106及びS108における処理と同様であるためここでは説明を省略する。
【0150】
近接メッシュ判断部14bは、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報の近傍の複数のメッシュ情報のうち、位置情報が含まれている全てのメッシュ情報を、近接メッシュ情報として判断する(ステップS204)。
【0151】
距離計測部15bは、近接メッシュ判断部14bが判断した一つ以上の近接メッシュ情報のそれぞれに含まれる位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を近接メッシュ情報毎に計測する(ステップS205)。
【0152】
最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが計測した計測距離のうち最も短い計測距離に対応する近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する(ステップS206)。
【0153】
地名取得部17bは、最近接メッシュ判断部19が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15bが計測した最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じた対応地名を取得する(ステップS208)。判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合(ステップS203において“YES”)、地名取得部17bは、対象位置メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名を対応地名として取得する(ステップS208)。
【0154】
次に、本実施形態における作用及び効果について説明する。
【0155】
本実施形態の逆ジオコーディング装置10の最近接メッシュ判断部19は、1以上の近接メッシュ情報のうち、対象地点に最も近い近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断し、地名取得部17bは、最近接メッシュ情報に含まれる地名情報に基づいて対応地名を取得しているため、誤った対応地名を取得することをより一層抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0156】
1…逆ジオコーディングシステム、10…逆ジオコーディング装置、11…対象地点取得部、12…対象位置メッシュ検索部、13…判断部、14a、14b…近接メッシュ判断部、15a、15b…距離計測部、16…地名取得規則受信部、17a、17b…地名取得部、18…地名送信部、20…端末、30…メッシュ情報保持部、40…地名取得規則保持部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆ジオコーディング装置、及び逆ジオコーディング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地表面上の一点を特定し、該地表面上の一点が含まれるメッシュと関連付けられた地名情報を得る逆ジオコーディング方法が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-89815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地名情報は、全てのメッシュに対して関連付けられている必要があるが、山岳地帯や海上など、元データである国土交通省のデータが対応してない地域が存在するため、地名情報が関連付けられていないメッシュが存在する。
【0005】
ところが、特許文献1に記載された発明では、全てのメッシュに対して地名情報が関連付けられていることを前提としている。そのため、地名情報が関連付けられていないメッシュが存在した場合に地名情報の取得ができないという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み地名情報が含まれていないメッシュ情報が存在する場合であっても地名情報を取得することが可能である逆ジオコーディング装置、逆ジオコーディングプログラム、及び逆ジオコーディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の逆ジオコーディング装置は、地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくともエリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング装置であって、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索部と、対象位置メッシュ検索部が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断部と、判断部が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断部と、近接メッシュ判断部が判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測部と、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部が計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得部と、を備える。
【0008】
本発明の逆ジオコーディング装置では、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、近傍のメッシュ情報に含まれている地名情報に基づいて対応地名を得ている。その為、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合であっても対応地名を得る事が可能となる。
【0009】
また、本発明の逆ジオコーディング装置では、対象地点と、メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアとの距離に応じてメッシュ情報に含まれている対応地名を取得している。その為、誤った対応地名を取得することを抑制することが可能となる。
【0010】
更に、処理負担の高いポリゴン演算を行っていない。その為、高速な反応を得る事が可能となる。
【0011】
また、逆ジオコーディング装置は、距離計測部が計測した計測距離に基づいて、対象地点に最も近い近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する最近接メッシュ判断部を更に備え、地名取得部は、最近接メッシュ判断部が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部が計測した最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得することが好適である。
【0012】
逆ジオコーディング装置をこのような構成とすることによって最近接メッシュ情報に含まれる地名情報に基づいて対応地名を取得することとなり、誤った対応地名を取得することをより一層抑制することが可能となる。
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の逆ジオコーディング方法は、地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくともエリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング方法であって、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索ステップと、対象位置メッシュ検索ステップにおいて検索された対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断ステップと、判断ステップにおいて、対象位置メッシュ情報が地名情報を含んでいないと判断された場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断ステップと、近接メッシュ判断ステップにおいて判断された近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測ステップと、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測ステップにおいて計測された計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得ステップと、を備える。
【0014】
本発明の逆ジオコーディング方法によれば、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、近傍のメッシュ情報に含まれている地名情報に基づいて対応地名を得ることとなる。その為、メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合であっても対応地名を得る事が可能となる。
【0015】
また、本発明の逆ジオコーディング方法によれば、対象地点とメッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアとの距離に応じてメッシュ情報に含まれている対応地名を取得することとなる。その為、誤った対応地名を取得することを抑制することが可能となる。
【0016】
更に、処理負担の高いポリゴン演算を行うことがない。その為、高速な反応を得る事が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地名情報が関連付けられていないメッシュ情報が存在する場合であっても地名情報を取得することが可能である逆ジオコーディング装置、及び逆ジオコーディング方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の逆ジオコーディングシステムの機能構成を示す図である。
【図2】図1に示すメッシュ情報保持部が保持する情報の例を示す図である。
【図3】図1に示す近接メッシュ判断部の処理を説明するための図である。
【図4】図1に示す距離計測部の処理を説明するための図である。
【図5】図1に示す地名取得規則保持部が保持する情報の例を示す図である。
【図6】図1に示す距離計測部の処理を説明するための図である。
【図7】図1に示す逆ジオコーディング装置における処理の流れを示す図である。
【図8】第1実施形態における逆ジオコーディングプログラムを示す図である。
【図9】逆ジオコーディングプログラムを実行するためのコンピュータの物理的構成を示す図である。
【図10】逆ジオコーディングプログラムを実行するためのコンピュータの斜視図である。
【図11】第2実施形態の逆ジオコーディングシステムの機能構成を示す図である。
【図12】図11に示す近接メッシュ判断部の処理を説明するための図である。
【図13】図11に示す距離計測部の処理を説明するための図である。
【図14】図11に示す逆ジオコーディング装置における処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る逆ジオコーディングシステム1について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態における逆ジオコーディングシステム1の機能構成を示す図である。この図に示すように本実施形態の逆ジオコーディングシステム1は、逆ジオコーディング装置10、端末20、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40を含んで構成されている。
【0021】
逆ジオコーディング装置10は、メッシュ情報を用いて地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する機能を有する。逆ジオコーディング装置10が有する機能の詳細は後述する。
【0022】
ここで、メッシュ情報とは、地表面における所定の広がりを持つエリアを示す位置情報と、該エリアに対応する属性情報である地名情報と、メッシュ情報を一意に識別可能とするメッシュ識別子と、を含む情報を指す。位置情報及び地名情報はメッシュ識別子と1対1で関連付けられている。
【0023】
地名情報とは、エリアと対応付けが可能な地理的な属性情報であって、少なくとも2階層以上の階層(広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名)を有する情報のことを指す。具体的には例えば都道府県名(第1の階層:広域部分を示す地域名)、市町村名(第2の階層:広域部分を示す地域名、或いは広域部分よりも狭い地域を示す地域名)、及び大字名(第3の階層:広域部分よりも狭い地域を示す地域名)の3階層を持った情報を用いることが可能である。
【0024】
位置情報とは、エリアの地表面上における位置及び形状を特定できる情報を指す。
【0025】
対象地点とは、逆ジオコーディング装置10が対応地名を取得する対象となる地表面上の特定の地点を指す。
【0026】
本実施形態において発明を説明するための対象地点の例として後述の端末20が存在する地点を用いる。但し、これに限定する必然性はなく、例えば、対象地点を画面上に表示された道路地図等の地理情報上で一点を示すことで特定される地点を用いても良い。
【0027】
端末20は、逆ジオコーディング装置10を利用するユーザが所持する端末である。端末20は、例えばGPS(global positioning system:全地球測位システム)の技術を利用して現在の位置を測位し、経度及び緯度に関する情報を対象地点情報として逆ジオコーディング装置10に送信する機能を有する。
【0028】
また、端末20は、逆ジオコーディング装置10から、逆ジオコーディング装置10が取得した対応地名を受信し、受信した対応地名を表示する機能を有する。
【0029】
具体的には、端末20は、携帯電話、簡易型携帯電話機(PHS:Personal Handy-phone System)、通信機能を有する携帯型情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、或いは、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等を用いることが出来る。本実施形態において発明の説明のための端末20として携帯電話を用いる。
【0030】
メッシュ情報保持部30は、メッシュ情報を保持する機能を有する。
【0031】
図2にメッシュ情報保持部30が保持するメッシュ情報の例を示す。この図における地名情報は、予め登録されている。但し、上述の理由により地名情報が登録(割り当て)されていないメッシュ情報が存在する。例えば図2で示す例においてはメッシュ識別子が“135135139610”及び“135135139625”であるメッシュ情報に地名情報が登録(割り当て)されていない。それらのメッシュ情報には、地名情報が含まれていないこととなる。
【0032】
本実施形態において、位置情報は、対応するエリアの中心地点の緯度情報及び経度情報によって表現する。本実施形態においては、エリアは南北及び東西方向の長さが等しい正方形であるため、中心の経度情報及び緯度情報と正方形の一辺の長さを特定することによって位置情報が示すエリアの地表面上における位置と形状が特定されることとなる。
【0033】
本実施形態においては、特定の位置情報と、経度及び緯度によって表示された地表面上の特定の地点と、を対比することにより、該特定の地点は、上記特定の位置情報で示されるエリアの中に存在しているか或いはエリアの外に存在しているかについて判断可能となっている。
【0034】
エリアにおける正方形の一辺の長さは、予め登録されており、図示しない保持部に保持されていても良い。エリアにおける正方形の一辺の長さは自由に設定可能であり、特に限定する必要はない。例えば一辺10mとしても良い。
【0035】
地名取得規則保持部40は、後述の地名取得部17aによる対応地名の取得時に適用される規則である地名取得規則を保持する機能を有する。地名取得規則の詳細は、逆ジオコーディング装置10の地名取得規則受信部16及び地名取得部17aを説明する部分で詳述する。
【0036】
逆ジオコーディング装置10、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40は、物理的にはネットワーク上のサーバであり、必要に応じて通常のサーバが備える基本構成(例えば、CPU、RAM、ROM、キーボード、マウス、外部との通信を行う通信デバイス、情報を記憶する記憶デバイス、ディスプレイ、及びプリンタ)を適宜備える。逆ジオコーディング装置10、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40が有するそれぞれの機能は、プログラム等のソフトウェアがサーバ上に読み込まれ、ソフトウェアと、サーバにおける各物理的基本構成とが協働することによって実現されている。逆ジオコーディング装置10、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40は、単体のサーバであってもよい。或いは、複数のサーバによってこれらが有する機能を分散的に実現されていても良い。
【0037】
次に、逆ジオコーディング装置10が備える機能について説明する。
【0038】
逆ジオコーディング装置10は、具体的には、対象地点取得部11、対象位置メッシュ検索部12、判断部13、近接メッシュ判断部14a、距離計測部15a、地名取得規則受信部16、地名取得部17a、及び地名送信部18を含んで構成される。
【0039】
対象地点取得部11は、対応地名を得る対象の地点である対象地点を得る機能を有する。また、得た対象地点を後述の対象位置メッシュ検索部12及び距離計測部15aに対して出力する機能を有する。
【0040】
具体的には、対象地点取得部11は、端末20から、端末20の現在の位置を示す緯度情報及び経度情報を対象地点情報として受信することで対象地点を取得する。
【0041】
対象地点取得部11は、その他の方法によって対象地点を取得しても良い。例えばユーザによって経度情報及び緯度情報を直接入力されても良い。或いは、図示しないディスプレイ上に表示した道路地図等の地理情報上の一点をタッチパネル、マウス等によりユーザが指し示すことによって、対象地点を特定する方法によって対象地点を取得しても良い。
【0042】
対象位置メッシュ検索部12は、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する機能、及び該検索した対象位置メッシュ情報を後述の判断部13に対して出力する機能を有する。
【0043】
“エリアに対応するメッシュ情報”とは、該エリアを表示する位置情報を含んでいるメッシュ情報を意味する。
【0044】
本実施形態においてエリアは一辺が所定の長さの正方形であり、エリア同士の重なり合いはないため、対象地点として地表面上の一点が特定されると、該対象地点を含むエリアが一つ特定されることとなる。
【0045】
更に、エリアとメッシュ情報とは一対一の対応関係にあるため、対象地点が一つ特定されると、唯一の対象位置メッシュ情報が特定されることとなる。
【0046】
対象位置メッシュ検索部12は、具体的には、対象地点取得部11が取得した対象地点情報を対象地点取得部11から入力する。
【0047】
対象位置メッシュ検索部12は、入力した対象地点情報と、メッシュ情報保持部30が保持するメッシュ情報に含まれる位置情報とを対比することにより、対象位置メッシュ情報を検索する。
【0048】
判断部13は、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する機能を有する。
【0049】
判断部13は、更に、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合に、対象位置メッシュ情報を後述の地名取得部17aに出力する機能、及び、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、対象位置メッシュ情報を後述の近接メッシュ判断部14aに対して出力する機能を有する。
【0050】
近接メッシュ判断部14aは、判断部13が対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する機能、及び該判断した近接メッシュ情報を後述の距離計測部15a及び地名取得部17aに対して出力する機能を有する。
【0051】
“対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報”とは、対象位置メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアの近傍のエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報の意味である。“エリアから近傍であるエリア”とは、例えば、エリアに隣接しているエリアのことを意味する。場合によっては、隣接しているエリアに更に隣接しているエリアのことを意味する。更に、隣接を複数回繰り返した後のエリアも含める。
【0052】
以後、“特定のメッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアに隣接する(近傍の)エリアを示す位置情報を含むメッシュ情報”のことを単に“特定のメッシュ情報に隣接する(近傍の)メッシュ情報”と称する。
【0053】
近接メッシュ判断部14aは、具体的には、対象位置メッシュ情報を入力し、該対象位置メッシュ情報に隣接したメッシュ情報を、メッシュ情報保持部30から得る。近接メッシュ判断部14aは、メッシュ情報保持部30から得たメッシュ情報に位置情報が含まれているか否かを判断する。位置情報が含まれていると判断した場合に、近接メッシュ判断部14aは、該メッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する。近接メッシュ判断部14aは、該近接メッシュ情報を後述の距離計測部15a及び地名取得部17aに対して出力する。
【0054】
メッシュ情報保持部30から入力したメッシュ情報が位置情報を含んでいないと判断した場合に、近接メッシュ判断部14aは、メッシュ情報保持部30から入力したメッシュ情報に隣接したメッシュ情報を得る。近接メッシュ判断部14aは、該得たメッシュ情報に位置情報が含まれているか否かを判断する。
【0055】
以後、隣接したメッシュ情報の取得と、位置情報が含まれているか否かの判断とを、位置情報が含まれていると判断するまで繰り返す。
【0056】
本実施形態において発明を説明するために用いる、近接メッシュ判断部14aが地名情報が含まれているか否かの判断を行うメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から取得する順番の例を図3に示す。図3において記号Aを付したエリアAが対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。
【0057】
図3に示したように、本実施形態において、近接メッシュ判断部14aは、対象位置メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して西に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して西に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して北に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して東に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報、該メッシュ情報に対して南に隣接するメッシュ情報の順でメッシュ情報に地名情報が含まれているか否かについて判断する。以後、西、北、東、及び南の方向を、北及び南へ方向を変更する時に同じ方向の回数を一増やしながら繰り返す。この順番に限られるわけではないことは言うまでもない。
【0058】
特定の方向へ隣接するメッシュ情報を検索する方法は、以下の方法によって実現可能である。即ち、本実施形態の位置情報は、経度情報及び緯度情報ともに所定の角度間隔で間欠的な数値となっている。図2に示す例では経度情報及び経度情報は、共に0.005度間隔である。その為、現在のメッシュ情報に対して北へ隣接するメッシュ情報を検索する場合には、経度情報として現在のメッシュ情報に含まれる経度情報と同じ経度情報、緯度情報として現在のメッシュ情報に含まれる緯度情報に0.005度加えた緯度情報をそれぞれ算出し、算出した経度情報及び緯度情報を含むメッシュ情報を検索すれば良い。
【0059】
上記の順番によるメッシュ情報のメッシュ情報保持部30からの取得、及び得たメッシュ情報に位置情報が含まれているか否かの判断を繰り返し、メッシュ情報に位置情報が含まれていると最初に判断した時に、近接メッシュ判断部14aは、該メッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する。近接メッシュ判断部14aは、該判断した近接メッシュ情報を後述の距離計測部15a及び地名取得部17aに対して出力する。
【0060】
距離計測部15aは、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する機能を有する。
【0061】
ここで、“エリアと、対象地点との距離”とは、本実施形態においてはエリアの中心地点と対象地点との間の距離を意味する。
【0062】
具体的には、距離計測部15aは、対象地点取得部11から対象地点情報として経度情報及び緯度情報を入力し、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報の経度情報及び緯度情報を得る。
【0063】
距離計測部15aは、共に経度情報及び緯度情報で表現されている対象地点情報と位置情報とから両者の地表面上における距離を算出することにより計測距離を計測する。
【0064】
距離計測部15aの処理を、図4を用いて概念的に説明する。今、図4(A)及び図4(B)に示すエリアのうちハッチが施されているエリアは、地名情報が含まれていないエリアである。図4(A)において記号Bを付した地点Bが対象地点である。図4(B)は、図4(A)の一部分を拡大した図である。
【0065】
上記説明した通り、この図の例では、対象位置メッシュ検索部12は、記号Cを付したエリアCを表示する位置情報を含むメッシュ情報を対象位置メッシュ情報として検索する。判断部13は、対象位置メッシュ情報には地名情報が含まれていないと判断する。近接メッシュ判断部14aは、図3で例示した順番でメッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断し、判断の結果、図4において記号Dを付したエリアDを示す位置情報を含むメッシュ情報を近接メッシュ情報として判断する。近接メッシュ判断部14aは、該近接メッシュ情報を距離計測部15aに対して出力する。
【0066】
上記説明した通り、距離計測部15aは、図4(B)に示すように、対象地点(地点B)と、近接メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアであるエリアDの中心位置と、の距離(図4(B)において記号Hを付した距離H)を計測し、計測距離とする。
【0067】
本実施形態において近接メッシュ情報に含まれる位置情報は、エリアの中心地点の経度情報及び緯度情報から構成されている。従って、該位置情報と、同じく経度情報及び緯度情報から構成されている対象地点と、によって簡単に(大きな処理負担をかけずに)地表面における両点の距離を算出することが出来る。距離計測部15aは、このようにして算出した距離を計測距離とする。
【0068】
但し、この方法に限定する必要はなく、対象地点と、エリアの境界線との距離(図4(B)において記号Iを付した距離I)を計測しても良い。
【0069】
地名取得規則受信部16は、地名取得規則保持部40から地名取得規則を受信する機能、及び受信した地名取得規則を後述の地名取得部17aへ出力する機能を有する。
【0070】
ここで、地名取得規則とは、メッシュ情報に含まれる地名情報を構成している階層構造のどの階層までの情報を取得するかの基準である。即ち、地名情報を、どの程度の精度(ここでは精度とは“細かさ”或いは“粒度”のことであり、“正確性”の意味ではない)で取得するかの基準である。
【0071】
図5に、地名取得規則保持部40が保持する地名取得規則の例を示す。この図に示すように、地名取得規則保持部40は、計測距離と、地名取得精度と、を関連付けて保持している。図5の例に示すように、本実施形態の地名取得規則は、計測距離が長い程広域部分を示す地域名を取得し、計測距離が短いほど該広域部分よりも狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報を取得する規則となっている。
【0072】
即ち、本実施形態の地名取得規則は、計測距離が長い程粗い階層である行政区分(図5の例では都道府県)のみ取得し、計測距離が短い程細かい階層である行政区分(図5の例では大字名)まで取得する規則となっている。
【0073】
図5に示す規則は、予め逆ジオコーディング装置10の管理者によって設定されていても良い。あるいはユーザによって自由に設定可能としても良い。
【0074】
地名取得部17aは、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15aが計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する機能、及び該取得した地域名を対応地名として後述の地名送信部18へ出力する機能を有する。
【0075】
“計測距離に応じて定められた地域名を含んだ”とは、計測距離に応じて定められた地域名と、該地域名より広い範囲の地域名とを含んだとの意味である。
【0076】
本実施形態の地名情報は、階層構造となっており、最も広域部分を示す階層である都道府県名、都道府県より狭い地域を示す階層である市町村名、及び市町村名より狭い地域を示す階層である大字名の3層構造となっている。
【0077】
“計測距離に応じて定められた地域名”とは、より具体的には、例えば計測距離に応じた地域名が市町村である場合には、それより上位の階層である都道府県名及び市町村名、との意味である。
【0078】
地域名とは、一定の面積に対して与えられた名前のことであり、具体的には地名のことである。本実施形態では、図2に示す“神奈川県”、“○○市”、或いは“aaa”等が地域名である。“複数の地域名”とは、一つのエリアに与えられた複数の地域名のことを指すが、ここでは、一つのエリアに例えば“神奈川県横須賀市野比”及び“神奈川県横須賀市久里浜”等複数の地名情報が与えられていることを意味していない。ここでは“複数の地域名”とは、“複数の階層それぞれの地域名”の意味であり、具体的には一つのエリアに与えられた“神奈川県”、“横浜市”及び“野比”を意味する。
【0079】
より具体的には、地名取得部17aは、距離計測部15aが計測した計測距離と、地名取得規則受信部16が受信した地名取得規則に含まれる計測距離とを比較し、どの地名取得精度を適用するべきかを判断する。例えば、図5の例では、0km<=計測距離<=5kmである場合に地名取得部17aは、計測距離に応じて定められた地域名が“大字名”であると判断し、地名情報のうち都道府県名、市町村名、及び大字名を組み合わせることにより対応地名を取得する。
【0080】
5km<計測距離<=10kmである場合に地名取得部17aは、計測距離に応じて定められた地域名が“市町村名”であると判断し、地名情報のうち市町村名、及び大字名を組み合わせることにより対応地名を取得する。
【0081】
10km<計測距離<=20kmである場合に地名取得部17aは、計測距離に応じて定められた地域名が“都道府県”であると判断し、地名情報のうち都道府県名を対応地名として取得する。
【0082】
図5に示す例では、地名取得部17aは、計測距離が20kmより大きい場合には、対応地名を取得しない。
【0083】
これを、図4及び6を用いて概念的に説明する。図4(B)の例では、上述の通り、距離計測部15aは、距離Hを計測距離として計測する。距離Hが例えば4kmであったとする。また、図4の例におけるエリアDを示す位置情報を含むメッシュ情報(近接メッシュ情報)に含まれるメッシュ識別子が“135135139620”であるとする。
【0084】
この例では、計測距離が4kmであるため、地名取得部17aは、地名取得規則受信部16が受信した地名取得規則を参照し、地名取得精度を“大字名”までであると判断する(図5参照)。地名取得部17aは、近接メッシュ判断部14aから入力した、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、“都道府県名”、“市町村名”及び“大字名”から、それらの地域名を組み合わせた“神奈川県○○市ccc”を対応地名として取得する。
【0085】
一方、図6に示す例では、記号Eを付した地点Eが対象地点であり、記号Fを付したエリアFが対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。また、記号Gを付したエリアGは、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。地名取得部17aは、近接メッシュ判断部14aから近接メッシュ情報を入力している。該近接メッシュ情報に含まれるメッシュ識別子は、“135130139615”であるとする。計測距離(図6(B)において記号Jを付した距離J)が11kmであるとする。
【0086】
この例では、計測距離が11kmであるため、地名取得部17aは、上記方法に従って地名取得規則受信部16が受信した地名取得規則を参照し、地名取得精度を“都道府県”までであると判断する。地名取得部17aは、近接メッシュ判断部14aから入力した、メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち“都道府県名”である“神奈川県”を対応地名として取得する。
【0087】
地名取得部17aが上記機能を有することによって、計測距離が大きくなるに従い対応地名の取得(端末20上における地名の表示)は例えば都道府県名までの取得など、粗い(地名が示す範囲が広い)取得となる。その為、取得(表示)の過ちを抑制することが可能となる。また計測距離が所定の値(図5で示す例では20km)より大きい場合には、対応地名の取得を行わないため、例えば陸地から遠く離れた海上である場合など、地名の取得(端末20上における地名の表示)が不適切となる場合には対応地名を取得(表示)しない事となり、対応地名の取得(表示)誤りを最小限とすることが可能となる。
【0088】
地名取得部17aは、判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合に、判断部13から対象位置メッシュ情報を入力し、該入力した対象位置メッシュ情報に含まれている地名情報を対応地名として取得する。
【0089】
地名送信部18は、地名取得部17aが取得した対応地名を端末20に送信する機能を有する。
【0090】
地名送信部18がこのような機能を有することにより、端末20が送信した対象地点に対応する対応地名を端末20に送信することによって、端末20の要求に対して応答することとなる。
【0091】
[処理の流れについて]
次に、図7を用いて本実施形態の逆ジオコーディング装置10の処理の流れについて説明する。
【0092】
対象地点取得部11は、対応地名を得る対象の地点である対象地点を得る(ステップS101)。
【0093】
対象位置メッシュ検索部12は、対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する(ステップS102:対象位置メッシュ検索ステップ)。
【0094】
判断部13は、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する(ステップS103:判断ステップ)。
【0095】
判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に(ステップS103において“NO”)、近接メッシュ判断部14aは、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する(ステップS104:近接メッシュ判断ステップ)。
【0096】
距離計測部15aは、近接メッシュ判断部14aが判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を計測する(ステップS105:距離計測ステップ)。
【0097】
地名取得規則受信部16は、地名取得規則保持部40から地名取得規則を受信する(ステップS106)。
【0098】
地名取得部17aは、近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15aが計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する(ステップS107:地名取得ステップ)。判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合(ステップS103において“YES”)、地名取得部17aは、対象位置メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名から対応地域名を取得する(ステップS107:地名取得ステップ)。
【0099】
地名送信部18は、地名取得部17aが取得した対応地名を端末20に送信する(ステップS108)。
【0100】
以下、コンピュータ50を逆ジオコーディング装置10として動作させるための逆ジオコーディングプログラムP100について説明する。
【0101】
図8は、本実施形態の逆ジオコーディングプログラムP100を示す図である。図9は、逆ジオコーディングプログラムP100を実行するためのコンピュータ50のハードウェア構成を示す図である。図10は、記録媒体に記憶された逆ジオコーディングプログラムP100を実行するためのコンピュータ50の斜視図である。
【0102】
図8に示すように、逆ジオコーディングプログラムP100は、記録媒体104に格納されて提供される。なお、記録媒体104としては、フロッピーディスク、CD−ROM、DVD、あるいはROM等の記録媒体、あるいは半導体メモリ等が例示される。
【0103】
図9に示すように、コンピュータ50は物理的には、フロッピーディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、DVDドライブ装置等の読取装置105、オペレーティングシステムを常駐させた作業用メモリ(RAM)102と、記録媒体104に記憶されたプログラムを記憶するメモリ103と、ディスプレイといった表示装置106と、入力装置であるマウス107及びキーボード108と、ネットワーク110と接続しており、データ等の送受を行うための通信装置109と、プログラムの実行を制御するCPU101とを備えている。コンピュータ50は、記録媒体104が読取装置105に挿入されると、読取装置105から記録媒体104に格納された逆ジオコーディングプログラムP100にアクセス可能になり、当該逆ジオコーディングプログラムP100によって、逆ジオコーディング装置10として動作することが可能になる。
【0104】
図10に示すように、逆ジオコーディングプログラムP100は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号51としてネットワークを介して提供されるものであってもよい。この場合、コンピュータ50は、通信装置109によって受信した逆ジオコーディングプログラムP100をメモリ103に格納し、逆ジオコーディングプログラムP100を実行することができる。
【0105】
図8に示すように、逆ジオコーディングプログラムP100は、対象地点取得モジュールP101、対象位置メッシュ検索モジュールP102、判断モジュールP103、近接メッシュ判断モジュールP104、距離計測モジュールP105、地名取得規則受信モジュールP106、地名取得モジュールP107、及び地名送信モジュールP108を含んで備えている。
【0106】
上記各モジュールが実行されることにより実現される機能は、上述した逆ジオコーディング装置10の機能と同様である。この時、対象地点取得モジュールP101は対象地点取得部11と、対象位置メッシュ検索モジュールP102は対象位置メッシュ検索部12と、判断モジュールP103は判断部13と、近接メッシュ判断モジュールP104は近接メッシュ判断部14aと、距離計測モジュールP105は距離計測部15aと、地名取得規則受信モジュールP106は地名取得規則受信部16と、地名取得モジュールP107は地名取得部17aと、地名送信モジュールP108は地名送信部18と、それぞれ対応する。
【0107】
[作用及び効果について]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0108】
本実施形態の逆ジオコーディング装置10は、対象位置メッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信し、該受信した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていない場合に、近接メッシュ判断部14aは、近傍のメッシュ情報であって位置情報を含んでいるメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断し、距離計測部15aは、対象地点と、近接メッシュ情報に含まれる位置情報によって示されるエリアと、の距離である計測距離を計測し、地名取得部17aは、距離計測部15aが計測した計測距離に応じて対応地名を取得している。
【0109】
その為、地名情報が含まれていないメッシュ情報が存在する場合であっても地名情報を取得することが可能となる。
【0110】
また、本実施形態の逆ジオコーディング装置10では、対象地点と、メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアとの距離に応じて対応地名を取得している。その為、誤った対応地名を取得することを抑制することが可能となる。
【0111】
更に、本実施形態の逆ジオコーディング装置10は、処理負担の高いポリゴン演算を行っていない為、高速な反応を得る事が可能となる。
【0112】
[第2実施形態]
上記第1実施形態における、逆ジオコーディング装置10の近接メッシュ判断部14aは、近傍のメッシュ情報について一つずつ順番に地名情報が含まれているか否かを判断し、最初に地名情報を含むと判断したメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断していた。
【0113】
複数のメッシュ情報について位置情報が含まれているかを判断し、位置情報が含まれているメッシュ情報の中から対象地点に最も近い最近接メッシュ情報を判断しても良い。
【0114】
最近接メッシュ情報を判断する第2実施形態の逆ジオコーディング装置10について説明する。但し、上記第1実施形態と同様である部分は説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0115】
図11に本実施形態の逆ジオコーディングシステム1の機能構成を示す。この図に示すように本実施形態の逆ジオコーディングシステム1は、逆ジオコーディング装置10、端末20、メッシュ情報保持部30及び地名取得規則保持部40を含んで構成されている。
【0116】
このうち端末20、メッシュ情報保持部30、及び地名取得規則保持部40が有する機能については、上記第1実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
【0117】
本実施形態の逆ジオコーディング装置10は、具体的には、対象地点取得部11、対象位置メッシュ検索部12、判断部13、近接メッシュ判断部14b、距離計測部15b、地名取得規則受信部16、地名取得部17b、地名送信部18、最近接メッシュ判断部19を含んで構成されている。
【0118】
このうち、対象地点取得部11、対象位置メッシュ検索部12、判断部13、地名取得規則受信部16、及び地名送信部18が有する機能については上記第1実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
【0119】
近接メッシュ判断部14bは、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報の近傍の複数のメッシュ情報のうち、位置情報が含まれている全てのメッシュ情報を、近接メッシュ情報として判断する機能、および判断した近接メッシュ情報を後述の距離計測部15bに対して出力する機能を有する。
【0120】
“対象位置メッシュ情報の近傍の複数のメッシュ情報”とは、対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアの近傍のエリアを示す位置情報を含む複数のメッシュ情報との意味である。
【0121】
“近傍のエリア”とは、例えば、隣接しているエリアのことを指す。場合によっては、隣接しているエリアに更に隣接しているエリアのことを指す。更に、隣接を複数回繰り返した後のエリアも含める。
【0122】
本実施形態において特定のエリアに隣接するエリアとは、特定のエリアの東西南北方向に隣接する4個のエリアのみならず、南東、北東、南西、北西方向に隣接する更に4個のエリアをも含める。
【0123】
以後、特定のメッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアに隣接する(近傍の)エリアを示す位置情報を含めるメッシュ情報のことを、特定のメッシュ情報に隣接する(近傍の)メッシュ情報と称する。
【0124】
具体的には、近接メッシュ判断部14bは、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に隣接する複数のメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信し、受信した各メッシュ情報について、位置情報が含まれているか否かについて判断する。
【0125】
特定のメッシュ情報に隣接しているメッシュ情報の検索は、上記第1実施形態で説明した方法を用いることで実施可能である。
【0126】
メッシュ情報保持部30から受信した複数のメッシュ情報の全てについて位置情報が含まれているか否かについて判断し、少なくとも一つのメッシュ情報に位置情報が含まれると判断した場合には、近接メッシュ判断部14bは、位置情報が含まれると判断した全てのメッシュ情報を近接メッシュ情報として後述の距離計測部15bに出力する。
【0127】
隣接する複数のメッシュ情報の全てについて位置情報が含まれていないと判断した場合、近接メッシュ判断部14bは、直前にメッシュ情報保持部30から受信したメッシュ情報に隣接するメッシュ情報であって、近接メッシュ判断部14bが位置情報が含まれているか否かについて判断をしていないメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信する。近接メッシュ判断部14bは、メッシュ情報保持部30から受信した各メッシュ情報について位置情報が含まれているか否かについて判断する。
【0128】
近接メッシュ判断部14bは、近傍の複数のメッシュ情報の受信と、受信した各メッシュ情報に位置情報が含まれているか否かの判断と、を一つ以上のメッシュ情報に位置情報が含まれていると判断するまで繰り返す。
【0129】
図12を用いて、近接メッシュ判断部14bの判断方法を概念的に説明する。
【0130】
図12において記号Aを付したエリアAが対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報に含まれる位置情報が示すエリアである。
【0131】
上記方法に従って、近接メッシュ判断部14bは、最初に図12において記号Kを付したエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報をメッシュ情報保持部30から受信し、受信した全てのメッシュ情報について位置情報が含まれているか否かを判断する。
【0132】
上記方法に従って、位置情報が含まれていないと判断した場合に近接メッシュ判断部14bが次に位置情報の有無を判断するエリアは、図12において記号Lを付したエリアである。
【0133】
上記の方法に従って、例えば、図12において記号Lを付したエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報のなかで、位置情報を含むメッシュ情報が複数存在した場合、近接メッシュ判断部14bは、それらの複数のメッシュ情報全てを近接メッシュ情報であると判断し、該判断した全ての近接メッシュ情報を後述の距離計測部15bに対して出力する。
【0134】
距離計測部15bは、近接メッシュ判断部14bが判断した一つ以上の近接メッシュ情報のそれぞれに含まれる位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を近接メッシュ情報毎に計測する機能を有する。
【0135】
エリアと対象地点との距離の計測方法については上記第1実施形態において説明した方法と同様である。
【0136】
距離計測部15bは、計測した近傍メッシュ情報毎の計測距離を、対応する近接メッシュ情報と関連付けて後述の最近接メッシュ判断部19に対して出力する。
【0137】
最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが計測した計測距離に基づいて、近接メッシュ情報のうち最も対象地点に近い最近接メッシュ情報を判断する機能を有する。
【0138】
具体的には、最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが近接メッシュ情報毎に計測した計測距離のうち最も距離が短い計測距離を判断し、該最も短い計測距離に対応した近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する。
【0139】
最近接メッシュ判断部19は、判断した最近接メッシュ情報と、対応する計測距離とを後述の地名取得部17bに対して出力する。
【0140】
図13を用いて、最近接メッシュ判断部19が最近接メッシュ情報を判断する方法を概念的に説明する。
【0141】
図13は、上記第1実施形態における図6と同じ状態である。図13(B)は、図13(A)の主要部を拡大した図である。
【0142】
上記第1実施形態において説明した通り、この図の例では、対象位置メッシュ検索部12は、エリアFを示す位置情報を含むメッシュ情報を対象位置メッシュ情報として検索する。
【0143】
上述の通り、近接メッシュ判断部14bは、エリアFに隣接しているエリアを示す位置情報を含むメッシュ情報について、位置情報が含まれているか否かについて判断する。該判断の結果、図13に示す例では、エリアG、エリアN、エリアP及びエリアQをそれぞれ示す位置情報を含める4個のメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する。
【0144】
上述の通り、距離計測部15bは、それぞれの近接メッシュ情報について対象地点との距離である計測距離を計測する。図13に示す例では、距離J、距離T、距離S及び距離Rを計測することとなる。
【0145】
上述の通り、最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが計測した計測距離のうち最も短い計測距離に対応する近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断するため、図13に示した例では、最近接メッシュ判断部19は、エリアQを示す位置情報を含めるメッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する。
【0146】
地名取得部17bは、最近接メッシュ判断部19が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15bが計測した最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じた対応地名を取得する機能を有する。
【0147】
計測距離に応じた対応地名の取得方法については、上述の第1実施形態において説明した方法と同様である。
【0148】
次に本実施形態の逆ジオコーディング装置10における処理の流れを図14を用いて説明する。
【0149】
図14に記載されたステップS201、S202、S203、S207及びS209の処理は、それぞれ上記第1実施形態ステップS101、S102、S103、S106及びS108における処理と同様であるためここでは説明を省略する。
【0150】
近接メッシュ判断部14bは、対象位置メッシュ検索部12が検索した対象位置メッシュ情報の近傍の複数のメッシュ情報のうち、位置情報が含まれている全てのメッシュ情報を、近接メッシュ情報として判断する(ステップS204)。
【0151】
距離計測部15bは、近接メッシュ判断部14bが判断した一つ以上の近接メッシュ情報のそれぞれに含まれる位置情報が示すエリアと、対象地点との距離である計測距離を近接メッシュ情報毎に計測する(ステップS205)。
【0152】
最近接メッシュ判断部19は、距離計測部15bが計測した計測距離のうち最も短い計測距離に対応する近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する(ステップS206)。
【0153】
地名取得部17bは、最近接メッシュ判断部19が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、距離計測部15bが計測した最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じた対応地名を取得する(ステップS208)。判断部13が、対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていると判断した場合(ステップS203において“YES”)、地名取得部17bは、対象位置メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名を対応地名として取得する(ステップS208)。
【0154】
次に、本実施形態における作用及び効果について説明する。
【0155】
本実施形態の逆ジオコーディング装置10の最近接メッシュ判断部19は、1以上の近接メッシュ情報のうち、対象地点に最も近い近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断し、地名取得部17bは、最近接メッシュ情報に含まれる地名情報に基づいて対応地名を取得しているため、誤った対応地名を取得することをより一層抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0156】
1…逆ジオコーディングシステム、10…逆ジオコーディング装置、11…対象地点取得部、12…対象位置メッシュ検索部、13…判断部、14a、14b…近接メッシュ判断部、15a、15b…距離計測部、16…地名取得規則受信部、17a、17b…地名取得部、18…地名送信部、20…端末、30…メッシュ情報保持部、40…地名取得規則保持部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくとも前記エリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング装置であって、
前記対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索部と、
前記対象位置メッシュ検索部が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断部と、
前記判断部が、前記対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断部と、
前記近接メッシュ判断部が判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、前記対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測部と、
前記近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、前記距離計測部が計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得部と、
を備える逆ジオコーディング装置。
【請求項2】
前記逆ジオコーディング装置は、前記距離計測部が計測した計測距離に基づいて、対象地点に最も近い前記近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する最近接メッシュ判断部を更に備え、
前記地名取得部は、前記最近接メッシュ判断部が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、前記距離計測部が計測した前記最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する
請求項1に記載の逆ジオコーディング装置。
【請求項3】
地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくとも前記エリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング方法であって、
前記対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索ステップと、
前記対象位置メッシュ検索ステップにおいて検索された対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、前記対象位置メッシュ情報が地名情報を含んでいないと判断された場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断ステップと、
前記近接メッシュ判断ステップにおいて判断された近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、前記対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測ステップと、
前記近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、前記距離計測ステップにおいて計測された計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得ステップと、
を備える逆ジオコーディング方法。
【請求項1】
地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくとも前記エリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング装置であって、
前記対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索部と、
前記対象位置メッシュ検索部が検索した対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断部と、
前記判断部が、前記対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれていないと判断した場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断部と、
前記近接メッシュ判断部が判断した近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、前記対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測部と、
前記近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、前記距離計測部が計測した計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得部と、
を備える逆ジオコーディング装置。
【請求項2】
前記逆ジオコーディング装置は、前記距離計測部が計測した計測距離に基づいて、対象地点に最も近い前記近接メッシュ情報を最近接メッシュ情報であると判断する最近接メッシュ判断部を更に備え、
前記地名取得部は、前記最近接メッシュ判断部が判断した最近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、前記距離計測部が計測した前記最近接メッシュ情報と対象地点との計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する
請求項1に記載の逆ジオコーディング装置。
【請求項3】
地表面上のエリアを示す位置情報と、少なくとも前記エリアの広域部分を示す地域名及び該広域部分より狭い地域を示す地域名を含んだ地名情報と、を含んで構成されるメッシュ情報を用いて、地表面上の一点である対象地点に対応する対応地名を取得する逆ジオコーディング方法であって、
前記対象地点を含むエリアに対応するメッシュ情報である対象位置メッシュ情報を検索する対象位置メッシュ検索ステップと、
前記対象位置メッシュ検索ステップにおいて検索された対象位置メッシュ情報に地名情報が含まれているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、前記対象位置メッシュ情報が地名情報を含んでいないと判断された場合に、該対象位置メッシュ情報の近傍のメッシュ情報のうち地名情報が含まれているメッシュ情報を近接メッシュ情報であると判断する近接メッシュ判断ステップと、
前記近接メッシュ判断ステップにおいて判断された近接メッシュ情報に含まれている位置情報が示すエリアと、前記対象地点との距離である計測距離を計測する距離計測ステップと、
前記近接メッシュ情報に含まれる地名情報を構成する複数の地域名のうち、前記距離計測ステップにおいて計測された計測距離に応じて定められた地域名を含んだ対応地名を取得する地名取得ステップと、
を備える逆ジオコーディング方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−43626(P2011−43626A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191121(P2009−191121)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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