説明

透光性ブロック構築体

【課題】 隣接する透光性ブロックの隙間(目地の幅)を狭くして、美観の優れた透光性ブロック構築体を提供する。
【解決手段】 上下左右方向に整列配置された複数の透光性ブロックと、個々の該透光性ブロックの側面を囲繞保持する筒状の周辺部を有する枠体からなる透光性ブロック構築体であって、前記透光性ブロックは前方と後方に透光面を備えた略直方体であり、且つ前記前方の透光面と前記後方の透光面の間にあって前記直方体の側面を形成する中間部の外形が前記前後の透光面の外形よりも小さく、前記枠体は、前記周辺部が前記中間部のみを囲繞保持する幅に形成されるとともに、前記周辺部から外方に突設した他の枠体と接合するための接合用出縁部を備えていることを特徴とする透光性ブロック構築体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の壁等として広く利用されているガラスブロック等の透光性ブロックを用いた透光性ブロック構築体に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスブロック等に代表される透光性ブロックは、採光性や美観の観点から近年、建築用素材として、壁・床・天井等に広く採用されている。
【0003】
透光性ブロック構築体としては、下記特許文献1において、図26に示すように、透光性ブロック(6)を枠体(7)の周辺部(70)により囲繞保持し、周辺部(70)に設けられた出縁部(71)を他の枠体(7)の出縁部(71)と接合させることにより構成されたものが開示されている。
特許文献1で開示された透光性ブロック構築体は、出縁部(71)同士が接合されているため、出縁部(71)同士の接合を外せば、個々の透光性ブロックを容易に取り外すことが可能である。また、透光性ブロック(6)が1つのみ破損した場合等には、破損した透光性ブロックのみ取り替えることにより、破損前と同様の構成・強度に修理することができる。
【0004】
しかし、特許文献1に開示された透光性ブロック構築体は、筒状の周辺部(70)で透光性ブロック(6)を囲繞するように取り付けるために、周辺部(70)を、透光性ブロック(6)の外形よりも一回り大きくする必要がある。そのため、透光性ブロック構築体を構築する際に、周辺部(70)が透光性ブロック(6)を接近させる際の障壁となり、隣接する透光性ブロックの隙間(目地の幅)を狭くすることができないという問題を有していた。このように、特許文献1に開示された透光性ブロック構築体では、枠体(7)を取り付けることで隣接する透光性ブロックの隙間(目地の幅)が広くなり、透光性ブロック構築体の美観が悪化するという問題が生じていた。
【0005】
【特許文献1】特許第3976207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、隣接する透光性ブロックの隙間(目地の幅)を狭くして、美観の優れた透光性ブロック構築体を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、上下左右方向に整列配置された複数の透光性ブロックと、個々の該透光性ブロックの側面を囲繞保持する筒状の周辺部を有する枠体からなる透光性ブロック構築体であって、前記透光性ブロックは前方と後方に透光面を備えた略直方体であり、且つ前記前方の透光面と前記後方の透光面の間にあって前記直方体の側面を形成する中間部の外形が前記前後の透光面の外形よりも小さく、前記枠体は、前記周辺部が前記中間部のみを囲繞保持する幅に形成されるとともに、前記周辺部から外方に突設した他の枠体と接合するための接合用出縁部を備えていることを特徴とする透光性ブロック構築体に関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記枠体は複数の枠体形成部材が接合されて形成されており、前記複数の枠体形成部材は、前記接合用出縁部と、前記複数の枠体形成部材同士を接合するための枠体形成用出縁部を有し、前記接合用出縁部は前記透光面と平行に延設されており、前記枠体形成用出縁部は前記透光面と直角且つ前記周辺部の幅方向に延設されていることを特徴とする請求項1に記載の透光性ブロック構築体に関する。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記複数の枠体形成部材が一対のコ字状部材からなることを特徴とする請求項2記載の透光性ブロック構築体に関する。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記出縁部の全てが前面視において重ならない位置にあることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の透光性ブロック構築体に関する。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記周辺部が前方又は後方に向けて突出した突出部を有し、該突出部に前記接合用出縁部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の透光性ブロック構築体に関する。
【0012】
請求項6に係る発明は、複数個の前記透光性ブロックを囲繞保持するためのフレームを有し、該フレームが前記枠体形成用出縁部を係合させるための切り込み部を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の透光性ブロック構築体。
【0013】
請求項7に係る発明は、複数個の前記透光性ブロックを囲繞保持するためのフレームを有し、該フレームから、前記枠体形成用出縁部を下から支持するための支持部が突設していることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の透光性ブロック構築体に関する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、上下左右方向に整列配置された複数の透光性ブロックと、個々の該透光性ブロックの側面を囲繞保持する筒状の周辺部を有する枠体からなる透光性ブロック構築体であって、前記透光性ブロックは前方と後方に透光面を備えた略直方体であり、且つ前記前方の透光面と前記後方の透光面の間にあって前記直方体の側面を形成する中間部の外形が前記前後の透光面の外形よりも小さく、前記枠体は、前記周辺部が前記中間部のみを囲繞保持する幅に形成されるとともに、前記周辺部から外方に突設した他の枠体と接合するための接合用出縁部を備えていることにより、枠体周辺部の外形を透光面の外形以下とすることができる。そのため、透光性ブロック構築体の構築時に、枠体周辺部が障壁となることなく、隣り合う透光性ブロック間を接近させることができる。それにより、透光性ブロックの幅(目地の幅)を狭くして、美観の優れた透光性ブロック構築体を提供することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、前記枠体は複数の枠体形成部材が接合されて形成されており、前記複数の枠体形成部材は、前記接合用出縁部と、前記複数の枠体形成部材同士を接合するための枠体形成用出縁部を有し、前記接合用出縁部は前記透光面と平行に延設されており、前記枠体形成用出縁部は前記透光面と直角且つ前記周辺部の幅方向に延設されていることにより、透光性ブロック構築時に中間部を容易に且つ確実に囲繞保持することができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、前記複数の枠体形成部材が一対のコ字状部材からなることにより、四角筒状の枠体を容易に形成することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、前記出縁部の全てが前面視において重ならない位置にあることにより、透光性ブロックと取り外すとき出縁部が障壁にならないため、透光性ブロックの取り外しを容易に行うことができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、前記周辺部が前方又は後方に向けて突出した突出部を有し、該突出部に前記接合用出縁部が設けられていることにより、枠体形成用出縁部がフレームの前方に位置し、枠体形成用出縁部とフレームとが重ならない位置に存在することとなる。そのため、フレームに切り込み部を設ける必要がなく、フレームの強度を向上させることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、複数個の前記透光性ブロックを囲繞保持するためのフレームを有し、該フレームが前記枠体形成用出縁部を係合させるための切り込み部を有することにより、透光性ブロック構築体にかかる荷重が枠体形成用出縁部に集中するのを防ぐことができる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、複数個の前記透光性ブロックを囲繞保持するためのフレームを有し、該フレームから、前記枠体形成用出縁部を下から支持するための支持部が突設していることにより、透光性ブロック構築体にかかる荷重が枠体形成用出縁部に集中するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明は、下記実施形態に何ら限定されるものではない。
また、特許請求の範囲及び明細書中に用いられている「前方」とは、透光性ブロック構築体の正面を指し、「後方」とは、透光性ブロック構築体の背面を指す。また、上下方向とは図1,2,3の上下方向を指し、左右方向とは図1,2,3の左右方向を指す。
【0022】
まず、本発明の第一実施形態に係る透光性ブロック構築体について説明する。
図1は、第一実施形態に係る透光性ブロック構築体(100)の概略前面図である。
第一実施形態に係る透光性ブロック構築体(100)では、透光性ブロック(100)全体を囲繞保持する大枠(W)内に、複数の透光性ブロック(1)が上下左右方向に整列配置されている。そして、個々の透光性ブロック(1)が枠体(2)に一個ずつ囲繞保持され、枠体(2)同士が互いに接合されている。枠体(2)同士が互いに接合されていることにより、透光性ブロック(1)同士が接合され、これにより、透光性ブロック構築体(100)が形成されている。
また、透光性ブロック構築体(100)は複数個(図では横二個、縦三個)の透光性ブロック(1)を囲繞保持するためのフレーム(3)を有している。
なお、図2は、図1におけるフレーム(3)のみを示した図である。
【0023】
まず、第一実施形態における個々の透光性ブロック(1)とそれを囲繞保持する枠体(2)について説明する。
図3,4は枠体(2)を示す図であり、図3は枠体(2)を前方から見た図、図4は枠体(2)を図3右方向から見た図である。なお、図4には透光性ブロック(1)も示している。
また、図5は、透光性ブロック(1)を囲繞保持する前の枠体(2)を示す図である。
【0024】
透光性ブロック(1)は、図4に示すように、前方に透光面(11a)を後方に透光面(11b)を備えた略直方体のブロックである。
また、透光性ブロック(1)は、透光面(11a,11b)の間の側面において、透光面(11a,11b)の外形よりも小さい中間部(12)を有する。つまり、透光性ブロック(1)は、図4に示すように、透光面(11a,11b)に比して中間部(12)が括れた形状を有する。そして、中間部(12)が枠体(2)で囲繞保持されている。
【0025】
透光性ブロック(1)としては、有底無蓋の箱型形状のガラス成形体の一対が互いの開放端縁で溶着一体化されて形成された所謂中空ガラスブロックを挙げることができる。中空ガラスブロックでは、ガラス成形体同士が溶着している溶着部(13)においてガラスが一度溶解しているため、出っ張りが生じる。そこで、前面視において、出っ張り(溶着部(13))が透光面(11a,11b)より外側に突出しないように、透光面(11a,11b)から溶着部(13)に向けて細くなっている。この細くなった部分が中間部(12)となる。
なお、透光性ブロック(1)としては中空ガラスブロックに限定されるわけではなく、プリズムガラス、ガラスタイル、ガラスブリック、プラスチック製のブロック等も挙げることができる。
【0026】
枠体(2)は、透光性ブロック(1)を一個ずつ囲繞保持するためのものであり、透光性ブロックの側面を取り囲む四角筒状の周辺部(20)と、周辺部(20)の外方に突設された出縁部(21,22)からなる。また、枠体(2)は、図5に示すように、外方へ突設された出縁部(21,22)を有する複数の枠体形成部材(本実施形態では一対のコ字状部材(2a,2b))が接合されることで構成されている。
枠体(2)に設けられた出縁部(21,22)は、四つの枠体形成用出縁部(21)と、四つの接合用出縁部(22)に区別される。また、枠体形成用出縁部(21)、接合用出縁部(22)ともに、貫通孔(215,23)が設けられている。
【0027】
枠体形成用出縁部(21)は、コ字状部材(2a,2b)夫々の開口端部から外方に、透光面(11a,11b)と直角且つ周辺部(20)(コ字状部材2a,2b)の幅方向に延設されている。なお、周辺部(20)の幅方向とは、透光性ブロック(1)の前後方向である。
枠体形成用出縁部(21)は、枠体形成用出縁部(21)同士を接合することにより、一対のコ字状部材(2a,2b)同士を接合し、四角筒状の周辺部(20)を有する枠体(2)を形成するためのものである。
コ字状部材(2a,2b)を接合することにより、枠体形成用出縁部(21)は、周辺部(20)の一の側面(25)の中央、及び一の側面(25)と対向する他の側面(26)の中央から突設することとなる。
【0028】
また接合用出縁部(22)は、図3で示すように、枠体形成用出縁部(21)が設けられた側面(25,26)と同じ側面に設けられている。具体的には、一対のコ字状部材(2a,2b)を接合した後、枠体形成用出縁部(21)の両脇に位置するように、且つ透光面(11a,11b)と平行に延設されている。また、接合用出縁部(22)は、図4で示すように、周辺部(20)の前方端部に設けられている。
接合用出縁部(22)は、他の枠体(2)の接合用出縁部(22)と接合することにより、枠体(2)同士を接合するためのものである。他の枠体(2)との接合方法については後に詳述する。
【0029】
枠体(2)の材料としては、ステンレス、プラスチック、鉄、アルミニウム等が挙げられ、使用目的により、強度、重量等を考えて適宜選択可能であるが、中でも、ステンレスは耐蝕性が高く好ましい。
【0030】
次いで、枠体(2)を透光性ブロック(1)に取り付ける方法について説明する。
枠体(2)の透光性ブロック(1)への取り付けは、対となるコ字状部材(2a,2b)の枠体形成用出縁部(21)を接合することにより行う。
具体的に説明すると、図5に示すように、枠体形成用出縁部(21)には貫通孔(215)が夫々に設けられており、コ字状部材(2a)の枠体形成用出縁部(211)とコ字状部材(2b)の枠体形成用出縁部(212)の貫通孔(215)を重ね合わせ、コ字状部材(2a)の枠体形成用出縁部(213)とコ字状部材(2b)の枠体形成用出縁部(214)の貫通孔(215)を重ね合わせ、夫々をボルト・ナットで接合する。このとき、コ字状部材(2a,2b)を接合してできる中空部(S)に透光性ブロック(1)の中間部(12)が位置するようにする。これにより、図3,4に示すように、枠体(2)(周辺部(20))で透光性ブロック(1)の中間部(12)を囲繞することができる。
【0031】
枠体形成用出縁部(21)同士を接合して形成した枠体(2)(周辺部(20))により透光性ブロック(1)を囲繞した後、周辺部(20)の内側と透光性ブロック(1)の外面の間に充填材を充填し、周辺部(20)と透光性ブロック(1)を接着することで、透光性ブロック(1)に枠体(2)を固定する。
具体的には、周辺部(20)と透光性ブロック(1)間のクリアランスの後方端部にコーキング材を充填し、充填材を前方から流し込むことで透光性ブロック(1)と枠体(2)を接着し固定する。
コーキング材は、充填材を流し込んだときに、充填材が漏れないようにするための漏れ止めや、枠体(2)と透光性ブロック(1)との接合位置の固定といった役割を果たすものであり、アクリル系・ウレタン系・シリコン系・ポリサルファイド系等が好ましく用いられる。
また、充填材としては、モルタル等が挙げられる。中でも無収縮モルタルが好ましい。無収縮モルタルとは、セメントに膨張性混和材を適量混入したモルタルであり、充填材として無収縮モルタルを使用することによって、乾燥収縮を低減し、ひび割れの発生を防ぐことができる。
【0032】
このように、枠体(2)が一対のコ字状部材(2a,2b)を接合する構成となっていることにより、枠体(2)の中空部(S)(周辺部(20)の内形)が透光面(11a,11b)の外形より小さくても、中間部(12)の外形より大きければ、枠体(2)で透光性ブロック(1)(正確には中間部(12))を囲繞保持することができる。枠体(2)の中空部(S)を透光面(11a,11b)の外形より小さくすることにより、周辺部(20)の外形を透光面(11a,11b)の外形以下とすることができる。そのため、透光性ブロック構築体(100)の構築時に、周辺部(20)が障壁となることなく、隣り合う透光性ブロック(1)間を接近させることができる。それにより、透光性ブロック(1)の幅(目地の幅)を狭くして、美観の優れた透光性ブロック構築体を提供することができる。
【0033】
次いで、枠体(2)同士の接合方法(透光性ブロック(1)同士の接合方法)について説明する。
図6は枠体(2)同士を接続した状態を示す図であり、図1の斜線部分(X)(縦横三個ずつの透光性ブロック(1))を示す図である。なお、説明の都合上、図6に示されている透光性ブロック(1)を左上から順に透光性ブロック(1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g)と称す。また、透光性ブロック(1b,1e,1h)と透光性ブロック(1c,1f,1i)の間には上下方向に延設されたフレーム(3)(以下、上下フレーム(31)と称す)が、透光性ブロック(1d,1e,1f)と透光性ブロック(1g,1h,1i)の間には左右方向に延設したフレーム(3)(以下、左右フレーム(32)と称す)が配されている。なお、図6(b)は図6(a)の点線円内の拡大図である。
また、図7は透光性ブロック(1a,1b,1c)間の接合方法を説明するための図であり、図6下方向から見た図を示す。図8は透光性ブロック(1a,1d,1g)間の接続方法を説明するための図であり、図6右方向から見た図を示す。
また、図9は枠体(1)同士の接合に用いるジョイントプレート(4)を示す図である。
図10(a)は上下フレーム(31)を説明するための図であり、透光性ブロック(1b,1e,1h)の接続を図6右方向から見た図である。また、図10(b)に(a)とは別の形状の上下フレーム(31a)を示している。
【0034】
第一実施形態の場合、前方側に枠体(2)を取り付けた透光性ブロック(1)(図4参照)と、後方側に枠体(2)を取り付けた透光性ブロック(1)が交互に整列配置されている。図6では、透光性ブロック(1a,1c,1e,1g,1i)が前方側に枠体(2)を取り付けた透光性ブロック(1)であり、透光性ブロック(1b,1d,1f,1h)が後方側に枠体(2)を取り付けた透光性ブロック(2)である。なお、後方側に枠体(2)を取り付けた透光性ブロック(1)は、接合用出縁部(22)が後方端に設けられている。
そして、隣り合う透光性ブロック(1)に取り付けられた枠体(2)の接合用出縁部(22)同士を、ジョイントプレート(4)又はフレーム(3)を介して接合することで、枠体(1)同士を接合する。
【0035】
まず、ジョイントプレート(4)を介して接続する場合について説明する。ジョイントプレートは図9に示すように直方体状であり、横長面(41)の両端部に、図9上下方向の貫通孔(42)が設けられている。そして、一個のジョイントプレート(4)が四個の接合用出縁部(22)を接合する。透光性ブロック(1a,1b,1d,1e)間の接合を例として説明すると、ジョイントプレート(4)により、透光性ブロック(1a)の右下の接合用出縁部(22a)、透光性ブロック(1b)の左下の接合用出縁部(22b)、透光性ブロック(1d)の右上の接合用出縁部(22c)、透光性ブロック(1e)の左上の接合用出縁部(22d)が接合されている。具体的には、接合用出縁部(22a)と接合用出縁部(22b)の貫通孔(23)がジョイントプレート(4)の一の貫通孔(42)と重ね合わせられ、ボルト・ナットで接合されている。そして、接合用出縁部(22c)と接合用出縁部(22d)の貫通孔(23)がジョイントプレート(4)の他の貫通孔(42)と重ね合わせられ、ボルト・ナットで接合されている。
ジョイントプレート(4)を用いることにより、四個の枠体(2)が相互に接合されるため、より高い強度を得ることができる。
【0036】
次いで、フレーム(3)による枠体(2)の接合方法について説明する。
図6に示すように、上下フレーム(31)は、上下フレーム(31)の左側の枠体(1b,1e,1h)の右側の接合用出縁部(22)と、上下フレーム(31)の右側の枠体(1c,1f,1i)の左側の接合用出縁部(22)との間に配されている。そして、接合用出縁部(22)の貫通孔(23)と重なる位置に貫通孔(33)を有し、接合用出縁部(22)と上下フレーム(31)がボルト・ナットで接合されている。透光性ブロック(1b,1c)間の接合を例として説明すると、透光性ブロック(1b)の右上の接合用出縁部(22e)と透光性ブロック(1c)の左上の接合用出縁部(22f)の間に上下フレーム(31)が狭持され、接合用出縁部(22e,22f)及び上下フレーム(31)の貫通孔(23,33)が重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。また、透光性ブロック(1b)の右下の接合用出縁部(22g)と透光性ブロック(1c)の左下の接合用出縁部(22h)の間に上下フレーム(31)が狭持され、接合用出縁部(22g,22h)及び上下フレーム(31)の貫通孔(23,33)が重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。
図7では、接合用出縁部(22g)と接合用出縁部(22h)が上下フレーム(31)を狭持するように配置され、夫々の貫通孔(23,33)が重なり、ボルト・ナットで接合されている様子が示されている。
また、接合用出縁部(22e,22f)や接合用出縁部(22g、22h)と同様に、透光性ブロック(1e)の枠体(2)の右上の接合用出縁部(22)及び透光性ブロック(1f)の枠体(2)の左上の接合用出縁部(22)、透光性ブロック(1e)の枠体(2)の右下の接合用出縁部(22)及び透光性ブロック(1f)の枠体(2)の左下の接合用出縁部(22)、透光性ブロック(1h)の枠体(2)の右上の接合用出縁部(22)及び透光性ブロック(1i)の枠体(2)の左上の接合用出縁部(22)、透光性ブロック(1h)の枠体(2)の右下の接合用出縁部(22)及び透光性ブロック(1i)の枠体(2)の左下の接合用出縁部(22)についても、上下フレーム(31)を間に狭持するように配置され、ボルト・ナットで接合されている。
【0037】
また、図10(a)に示すように、上下フレーム(31)には、枠体形成用出縁部(21)に対応する位置に切り込み部(35)が設けられており、切り込み部(35)に枠体形成用出縁部(21)が係止されている。これにより、枠体形成用出縁部(21)(正確には、枠体形成用出縁部(21)を接合するためのボルト・ナット)を切り込み部(35)の下側面が支持することとなるので、枠体形成用出縁部(21)に荷重が集中するのを防ぐことができる。そのため、透光性ブロック構築体全体としての強度が向上する。
なお、図10(a)では省略されているが、切り込み部(35a)には透光性ブロック(1c,1f,1i)の枠体形成用出縁部(21)が係止されている。
また、図10(a)では上下フレーム(31)の左右に透光性ブロック(1)があるため、切り込み部(35)も両側に設けたが、透光性ブロック(1)が片側にしかない部分の上下フレーム(図2に示す(31a)の場合)は、図10(b)に示すように、切り込み部(35)を片側のみ交互に設ければよい。
【0038】
また、左右フレーム(32)には、ジョイントプレート(4)の代わりとして、上側の透光性ブロック(1d,1e,1f)の枠体(2)の下側の接合用出縁部(22)と、下側の透光性ブロック(1g,1h,1i)の上側の接合用出縁部(22)と接合するための直方体状の側出部(34)が上下方向に延設されている(図2参照)。
図6(b)を用いて、透光性ブロック(1d,1e,1g,1h)間に存在する側出部(34)について説明する(図8も参照)。
図6(b)に示すように、左右フレーム(32)の上側の側出部(34a)には、貫通孔(341a)が一つ設けられている。そして、側出部(34a)は透光性ブロック(1d)の右下の接合用出縁部(22i)と透光性ブロック(1e)の左下の接合用出縁部(22j)に挟まれて、接合用出縁部(22i,22j)の貫通孔(23)と側出部(34a)の貫通孔(341a)が重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。また、左右フレーム(32)の下側の側出部(34b)にも、貫通孔(341b)が一つ設けられている。そして、側出部(34b)は透光性ブロック(1g)の右上の接合用出縁部(22k)と透光性ブロック(1h)の左上の接合用出縁部(22l)に挟まれて、接合用出縁部(22k,22l)の貫通孔(23)と側出部(34b)の貫通孔(341b)が重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。このように、側出部(34)が周辺の枠体(2)の接合用出縁部と接合することにより、ジョイントプレート(4)の代わりとなる。
なお、図8に示すように、側出部(34)には凹部(341)が設けられている。一方、左右フレーム(32)には、凹部(341)に嵌合できる大きさのコ字状枠(342)が溶接されている。そして、凹部(341)をコ字状枠(342)に嵌合させ、ボルト・ナットで固定することにより、側出部(34)を左右フレーム(32)に固定している。
また、上記説明では、接合用出縁部(22)と側出部(34)をボルト・ナットで接合しているが、ボルト・ナットに限られず、溶接等で接合してもよい。
また、接合用出縁部(22)と側出部(34)を接合しなくてもよい。接合用出縁部(22)と側出部(34)を接合しなくても、他の接合用出縁部(22)はジョイントプレート(4)等と接合されているため、構築体全体として安定するからである。
【0039】
第一実施形態では、接合用出縁部(22)同士が接合されているため、接合用出縁部(22)の接合を外せば、個々の透光性ブロック(1)ごとに容易に取り外しをすることが可能である。具体的には、枠体(2)が前方に取り付けられた透光性ブロック(1a,1c,1e,1g,1i)については、取り外したい透光性ブロック(1)の接合用出縁部(22)のボルト・ナットを外し、前方から引き抜くことができる。また、枠体(2)が後方に取り付けられた透光性ブロック(1b,1d,1f,1h)については、取り外したい透光性ブロック(1)の接合用出縁部(22)のボルト・ナットを外し、後方から引き抜くことができる。
このように、個々の透光性ブロック(1)ごとに取り外すことができるため、例えば、透光性ブロック(1)が一個のみ破損した場合等、破損した透光性ブロック(1)のみ取り替えることもできるので、破損前と同様の構成・強度に修理することができる。
【0040】
なお、フレーム(3)は、予め、所望の透光性ブロック構築体(100)の形状に組立てておき、その後、枠体(2)を取り付けた透光性ブロック(1)をフレーム(3)に組み込めばよい(図2参照)。フレーム(3)を予め組立てておくことにより、透光性ブロック構築体(100)の組み立てを容易に行うことができる。
また、フレーム(3)の組立て方法は特に限定されず、溶接やボルト・ナットで上下フレーム(31)と左右フレーム(32)を接続して行えばよい。
【0041】
また、図4では透光性ブロック(1)の中央部である溶着部(13)に近い位置を枠体(2)で囲繞保持しているが、図11に示すように、枠体(2)が透光性ブロック(1)の透光面に近い位置を囲繞保持するようにしてもよい。その場合、図11に示すように、接合用出縁部(22)が溶着部(13)側に位置するようにすることが好ましい。これにより、枠体(22)が中央部付近で接合されるので、透光性ブロック構築体(100)を全体として安定させることができる。
また、枠体(2)が透光性ブロック(1)の透光面に近い位置を囲繞保持することにより、枠体(2)がフレーム(3)の前方に位置するため、枠体(2)とフレーム(3)が重ならないので、フレーム(3)に切り込み部(35)を設ける必要もない。
【0042】
次いで、本発明に係る透光性ブロック構築体の第二実施形態について説明する。
第二実施形態に係る透光性ブロック構築体(200)(構築体全体の図は示していない)は、第一実施形態に係る透光性ブロック構築体(100)と枠体(2)の形状が異なる。また、枠体(2)の形状が異なることにより、透光性ブロック構築体(200)の構築方法も異なる。なお、以下の説明において、第一実施形態に係る透光性ブロック構築体(100)と同じ構成には同じ符号を付して説明は省略する。
【0043】
図12,13は透光性ブロック構築体(200)に用いる枠体(2)を示す図であり、図12は枠体(2)を前方から見た図、図13は枠体(2)を図12の右方向から見た図である。なお、図13には透光性ブロック(1)も示している。
図14は枠体(2)同士を接続した状態を示す図であり、透光性ブロック(1)縦横三個ずつの範囲を示した図である。なお、説明の都合上、図14に示されている透光性ブロック(1)を左上から順に透光性ブロック(1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g)と称す。また、透光性ブロック(1b,1e,1h)と透光性ブロック(1c,1f,1i)の間には上下フレーム(31)が、透光性ブロック(1d,1e,1f)と透光性ブロック(1g,1h,1i)の間には左右フレーム(32)が配されている。
図15は上下フレーム(31)を説明するための図である。
【0044】
第二実施形態に係る枠体(2)では、図12で示すように、枠体形成用出縁部(21)が、一の側辺(25)では中央から上方向に、一の側面(25)と対向する側面(26)では中央から下方向にずれている。
また、側面(25,26)には、各側面に二個ずつ接合用出縁部(22)が設けられている。
ここで、枠体(2)に設けられた四個の枠体形成用出縁部(21)及び四個の接合用出縁部(22)は上下方向において全てが異なる位置に存在する。つまり、全ての出縁部(21,22)が異なる高さに位置する。
【0045】
また、枠体(2)は図13で示すように、第一実施形態における枠体(2)より、透光面(11a)に近い位置を囲繞保持し、且つ接合用出縁部(22)は枠体(2)の後方側端部(溶着部(13)と反対側)に位置している。
【0046】
上記した枠体(2)で囲繞保持された透光性ブロック(1)は、ジョイントプレート(4)又はフレーム(3)を介して接合される。
【0047】
まず、ジョイントプレート(4)を用いた接合について説明する。ジョイントプレート(4)は、接合用出縁部(22)の貫通孔(23)に対応する位置に計四箇所の貫通孔(42)が設けられている。そして、一個のジョイントプレート(4)を介して四個の接合用出縁部(22)を接合する。透光性ブロック(1a,1b,1d,1e)間の接合を例として説明すると、ジョイントプレート(4)により、透光性ブロック(1a)の右下の接合用出縁部(22a)、透光性ブロック(1b)の左下の接合用出縁部(22b)、透光性ブロック(1d)の右上の接合用出縁部(22c)、透光性ブロック(1e)の左上の接合用出縁部(22d)が接合されている。具体的には、夫々の接合用出縁部(22)の貫通孔(23)をジョイントプレート(4)の貫通孔(42)と重ね合わせ、ボルト・ナットで接合することで、接合用出縁部(22)同士を接合する。
ジョイントプレート(4)を用いることにより、4つの枠体が相互に接合されるため、より高い強度を得ることができる。
なお、ジョイントプレート(4)の形状は特に限定されず、板状であってもよいし、第一実施形態の同様に直方体状であってもよい。
【0048】
次いで、フレーム(3)による枠体(2)の接合について説明する。
第二実施形態では、枠体(2)は透光面(11a)に近い位置を囲繞保持している。つまり、枠体(2)はフレーム(3)の前方側に位置し、枠体(2)とフレーム(3)が重ならない位置に存在することとなる。
そのため上下フレーム(31)に枠体形成用出縁部(21)と嵌合させるための切り込み部(35)を設ける必要がない。
図14に示すように、上下フレーム(31)は、接合用出縁部(22)の貫通孔(23)と重なる位置に貫通孔(33)を有している。そして、上下フレーム(31)の左側の枠体(1b,1e,1h)の右側の接合用出縁部(22)及び上下フレーム(31)の右側の枠体(1c,1f,1i)の左側の接合用出縁部(22)の貫通孔(23)を、上下フレーム(31)の貫通孔(33)と重ね合わせ、ボルト・ナットで接合している。
第二実施形態では、フレーム(3)に切り込み部(35)を有さない代わりに、ボルト・ナットで接合された枠体形成用出縁部(21)(正確には、枠体形成用出縁部(21)を接合するためのボルト・ナット)を下から支持するための支持部(36)を有している(図15参照)。支持部(36)を有することにより、枠体形成用出縁部(21)同士の接合部にかかる荷重を分散させることができる。そのため、透光性ブロック構築体(200)全体の強度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、コ字状の部材を開口部がフレーム(31)に対して枠体形成用出縁部(21)側(本実施形態では前方)に位置するように上下フレーム(31)に溶着することで、二つの支持部(36)を設けている。
また、図15中の支持部(36)のうち、支持部(36a)が透光性ブロック(1b,1e,1h)を支持するためのものであり、支持部(36b)が透光性ブロック(1c,1f,1i)を支持するためのものである。また、透光性ブロック(1c,1f,1i)については、図15において、左側の枠体形成用出縁部(21)(図15中(21a))のみ示している。
【0049】
また、左右フレーム(32)には、第一実施形態と同様に、ジョイントプレート(4)の代わりとなる側出部(34)が設けられている。
側出部(34)について、透光性ブロック(1d,1e,1g,1h)を例として具体的に説明すると、側出部(34a)は、透光性ブロック(1d)の右下の接合用出縁部(22i)及び透光性ブロック(1e)の左下の接合用出縁部(22j)の後方側に位置し、左右フレーム(32)の下側の側出部(34b)は、透光性ブロック(1g)の右上の接合用出縁部(22k)及び透光性ブロック(1h)の左上の接合用出縁部(22l)の後方側に位置する。また、上側の側出部(34a)には、貫通孔(341a)が二つ設けられている。そして、二つの貫通孔(341a)は夫々が接合用出縁部(22i)の貫通孔(23)及び接合用出縁部(22j)の貫通孔(23)と重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。また、下側の側出部(34b)にも、貫通孔(341b)が二つ設けられている。そして、貫通孔(341b)は夫々が、接合用出縁部(22k)の貫通孔(23)及び接合用出縁部(22l)の貫通孔(23)と重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。このように、側出部(34)が周辺の枠体(2)の接合用出縁部と接合することにより、ジョイントプレート(4)の代わりとなる。
【0050】
また、第二実施形態では、全ての出縁部(21,22)が異なる高さにある、つまり前面視において重ならない位置にあるので、透光性ブロック(1)を取り外すとき、出縁部(21,22)が障壁となることがない。また、第一実施形態に係る透光性ブロック構築体(100)のように、枠体(2)を前方側に設けた透光性ブロック(1)と後方側に設けた透光性ブロック(1)を交互に配置する必要がなく、全ての枠体を、透光性ブロック(2)の前方(又は後方)側に設けることができる。そのため、全ての透光性ブロック(1)を一方向(前方又は後方)から取り外すことができる。透光性ブロック(1)を一方向から取り外せることにより、透光性ブロック構築体(200)を壁際等に構築した場合でも、個々の透光性ブロックの取替えを容易に行うことができる。
【0051】
次いで、本発明に係る透光性ブロック構築体の第三実施形態について説明する。
第三実施形態に係る透光性ブロック構築体(300)(構築体全体の図は示していない)は、第一,二実施形態に係る透光性ブロック構築体(100,200)と枠体(2)の形状が異なる。また、枠体(2)の形状が異なることにより、透光性ブロック構築体(300)の構築方法も異なる。なお、以下の説明において、第一,二実施形態に係る透光性ブロック構築体(100,200)と同じ構成には同じ符号を付して説明は省略する。
【0052】
図16,17は透光性ブロック構築体(300)に用いる枠体(2)を示す図であり、図16は枠体(2)を前方から見た図、図17は枠体(2)を図16右方向から見た図である。なお、図17には透光性ブロック(1)も示している。
図18は枠体(2)同士を接続した状態を示す図であり、透光性ブロック(1)縦横三個ずつの範囲を示した図である。なお、説明の都合上、図18に示されている透光性ブロック(1)を左上から順に透光性ブロック(1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g)と称す。また、透光性ブロック(1b,1e,1h)と透光性ブロック(1c,1f,1i)の間には上下フレーム(31)が、透光性ブロック(1d,1e,1f)と透光性ブロック(1g,1h,1i)の間には左右フレーム(32)が配されている。
図19,20は枠体(2)同士の接合方法を説明するための図であり、図19が透光性ブロック(1a,1d,1g)の接合を図18右方向から見た図を示し、図20が透光性ブロック(1a,1b,1c)の接合を図18下方向から見た図を示す。
【0053】
第三実施形態に係る枠体(2)の枠体形成用出縁部(21)は、第二実施形態に係る枠体(2)(図12〜15参照)の枠体形成用出縁部(21)と同様に、一の側面(25)では中央から上方向に、一の側面(25)と対向する側面(26)では中央から下方向にずれている。つまり、側面(25)の枠体形成用出縁部(21)と側面(26)の枠体形成用出縁部(21)は上下方向において異なる位置に存在する。
また、枠体(2)は、前方に向けて突出した突出部(24)を有し、突出部(24)に枠体形成用出縁部(21)が設けられている。これにより、枠体形成用出縁部(21)がフレーム(3)の前方に位置し、枠体形成用出縁部(21)とフレーム(3)とが重ならない位置に存在することとなる。そのため、フレーム(3)に切り込み部(35)を設ける必要がない。それにより、切り込み部(35)を設けることで生じる、フレーム(3)の強度の低下を防止することができる。
また、枠体形成用出縁部(21)がフレーム(3)の前方に位置するため、上下フレーム(31)には、第二実施形態と同様に、ボルト・ナットで接合された枠体形成用出縁部(21)を下から支持するための支持部(36)(図示せず)を有している。
【0054】
また、接合用出縁部(22)は、枠体形成用出縁部(21)とは異なる側面(上下の側面)に設けられている。そのため、フレーム(3)の貫通孔(33)は、上下フレーム(31)ではなく、左右フレーム(32)に設けられている。そして、接合用出縁部(22)の貫通孔(23)と左右フレーム(32)の貫通孔(33)を重ね合わせ、ボルト・ナットで接合している。
【0055】
また、ジョイントプレート(4)は、接合用出縁部(22)の貫通孔(23)の対応する位置に計二箇所の貫通孔(42)が設けられている。そして、一個のジョイントプレート(4)を用いて四個の接合用出縁部(22)を接合する。透光性ブロック(1a,1b,1d,1e)間の接合を例として説明すると、ジョイントプレート(4)により、透光性ブロック(1a)の右下の接合用出縁部(22a)、透光性ブロック(1b)の左下の接合用出縁部(22b)、透光性ブロック(1d)の右上の接合用出縁部(22c)、透光性ブロック(1e)の左上の接合用出縁部(22d)が接合されている。具体的には、接合用出縁部(22a)と接合用出縁部(22c)の貫通孔(23)がジョイントプレート(4)の一の貫通孔(42)と重ね合わせられ、ボルト・ナットで接合されている。そして、接合用出縁部(22b)と接合用出縁部(22d)の貫通孔(23)がジョイントプレート(4)の他の貫通孔(42)と重ね合わせられ、ボルト・ナットで接合されている。
ジョイントプレート(4)を用いることにより、四個の枠体(2)が相互に接合されるため、より高い強度を得ることができる。
【0056】
また、上下フレーム(31)には左右に突出する側出部(34)が設けられている。
側出部(34)について、透光性ブロック(1b,1c,1e,1f)を例として具体的に説明すると、上下フレーム(31)の左側の側出部(34a)は、透光性ブロック(1b)の右下の接合用出縁部(22i)及び透光性ブロック(1e)の右上の接合用出縁部(22j)の下側に位置し、上下フレーム(31)の右側の側出部(34b)は、透光性ブロック(1c)の左下の接合用出縁部(22k)及び透光性ブロック(1f)の左上の接合用出縁部(22l)の下側に位置する。このとき、左側の側出部(34a)には、貫通孔(341a)が一つ設けられている。そして、貫通孔(341a)は接合用出縁部(22i)の貫通孔(23)及び接合用出縁部(22j)の貫通孔(23)と重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。また、右側の側出部(34b)にも、貫通孔(341b)が一つ設けられている。そして、貫通孔(341b)は接合用出縁部(22k)の貫通孔(23)及び接合用出縁部(22l)の貫通孔(23)と重ね合わされ、ボルト・ナットで接合されている。このように、側出部(34)が周辺の枠体(2)の接合用出縁部(22)と接合することにより、ジョイントプレート(4)の代わりとなる。
【0057】
次いで、本発明に係る透光性ブロック構築体の第四実施形態について説明する。
第四実施形態に係る透光性ブロック構築体(400)(構築体全体の図は示していない)は、第一,二,三実施形態に係る透光性ブロック構築体(100,200,300)と枠体(2)の形状が異なる。また、枠体(2)の形状が異なることにより、透光性ブロック構築体(400)の構築方法も異なる。なお、以下の説明において、第一,二,三実施形態に係る透光性ブロック構築体(100,200,300)と同じ構成には同じ符号を付して説明は省略する。
【0058】
図21,22は透光性ブロック構築体(400)に用いる枠体(2)を示す図であり、図21は枠体(2)を前方から見た図、図22は枠体(2)を図21右方向から見た図である。なお、図22には透光性ブロック(1)も示している。
図23は枠体(2)同士を接続した状態を示す図であり、透光性ブロック(1)縦横三個ずつの範囲を示した図である。なお、第四実施形態に係る透光性ブロック構築体(400)は前面視において、第二実施形態に係る透光性ブロック(200)と同じ形状であるため、図21は図12と、図23は図14と同じ図となる。
また、図24は透光性ブロック(1a,1d,1g)の接合を図23右方向から見た図である。なお、ジョイントプレート(4)や側出部(34)は省略している。
【0059】
第四実施形態に係る枠体(2)では、第二実施形態と同様に、図21で示すように、枠体形成用出縁部(21)が、一の側辺(25)では中央から上方向に、一の側面(25)と対向する側面(26)では中央から下方向にずれている。
また、側面(25,26)には、各側面に二個ずつ接合用出縁部(22)が設けられている。
ここで、枠体(2)に設けられた四個の枠体形成用出縁部(21)及び四個の接合用出縁部(22)は上下方向において全てが異なる位置に存在する。つまり、全ての出縁部(21,22)が異なる高さに位置する。
そのため、全ての出縁部(21,22)が、前面視において重ならない位置となり、透光性ブロック(1)を取り外すとき、出縁部(21,22)が障壁となることがない。また、第一実施形態に係る透光性ブロック構築体(100)のように、枠体(2)を前方側に設けた透光性ブロック(1)と後方側に設けた透光性ブロック(1)を交互に配置する必要がなく、全ての枠体を、透光性ブロック(2)の前方(又は後方)側に設けることができる。そのため、全ての透光性ブロック(1)を一方向(前方又は後方)から取り外すことができる。透光性ブロック(1)を一方向から取り外せることにより、透光性ブロック構築体(200)を壁際等に構築した場合でも、個々の透光性ブロックの取替えを容易に行うことができる。
【0060】
また、第四実施形態に係る枠体(2)は、第三実施形態と同様に、前方に向けて突出した突出部(24)を有し、突出部(24)に枠体形成用出縁部(21)が設けられている。これにより、枠体形成用出縁部(21)がフレーム(3)の前方に位置し、枠体形成用出縁部(21)とフレーム(3)とが重ならない位置に存在することとなる。そのため、フレーム(3)に切り込み部(35)を設ける必要がない。それにより、切り込み部(35)を設けることで生じる、フレーム(3)の強度の低下を防止することができる。
また、枠体形成用出縁部(21)がフレーム(3)の前方に位置するため、上下フレーム(31)には、第二実施形態と同様に、ボルト・ナットで接合された枠体形成用出縁部(21)を下から支持するための支持部(36)(図示せず)を有している。
【0061】
なお、接合用出縁部(22)の位置は、第二実施形態と同じであるため、枠体(2)同士の接合の方法(正確には、枠体(2)とジョイントプレート(4)の接合、及び枠体(2)と側出部(34)の接合)についての説明は省略する。
【0062】
また、本発明では、LED等の光源を用いて、透光性ブロック(1)を側面から照射することもできる。光源はテープ等で貼り付けてもよいし、透光性ブロック(1)間にスポンジ等の光源保護材を配置し、当該光源保護材と透光性ブロック(1)の間に光源を配置してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、複数の枠体形成部材として一対のコ字状部材(2a,2b)を用いたが、これに限定されるわけではない。例えば、枠体形成部材としてコ字状部材と板状部材を用い、それらを接合してもよいし、四枚の板状部材を用い、それら接合してもよい。また、接合の方法も、ボルト・ナットに限定されるわけではなく、溶接等でもよい。
【0064】
また、図25に示す如く、透光性ブロック(1)のうちいくつか(図25中では1つ)をコンセント等の設けられた電源接続部(5)とすることもできる。これにより、デザイン性に加え、利便性も高い透光性ブロック構築体とすることができる。さらに、透光性ブロック(1)の代わりに配置されるのは、電源接続部(5)に限られず、埋め込み型のテレビやスイッチ、スピーカー、換気扇等でもよい。また、入れ替える数等を選択することで透光性ブロックの大きさ以上のものでも透光性ブロックの代わりに配置することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係る透光性ブロック構築体は、壁・床・天井・屋根等に好適に利用可能である。また、所謂デザイン照明にも好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第一実施形態に係る透光性ブロック構築体の概略前面図である。
【図2】第一実施形態に係るフレームを示す図である。
【図3】第一実施形態に係る枠体を示す図である。
【図4】第一実施形態に係る枠体を示す図である。
【図5】第一実施形態に係る透光性ブロックを囲繞保持する前の枠体を示す図である。
【図6】第一実施形態に係る枠体同士を接続した状態を示す図である。
【図7】第一実施形態に係る透光性ブロック間の接続を説明するための図である。
【図8】第一実施形態に係る透光性ブロック間の接続を説明するための図である。
【図9】第一実施形態に係る枠体同士の接合に用いるジョイントプレートを示す図である。
【図10】第一実施形態に係る上下フレームを説明するための図である。
【図11】透光性ブロックの透光面に近い位置を枠体で囲繞保持した図である。
【図12】第二実施形態に係る透光性ブロック構築体に用いる枠体を示す図である。
【図13】第二実施形態に係る透光性ブロック構築体に用いる枠体を示す図である。
【図14】第二実施形態に係る枠体同士を接続した状態を示す図である。
【図15】第二実施形態に係る上下フレームを説明するための図である。
【図16】第三実施形態に係る透光性ブロック構築体に用いる枠体を示す図である。
【図17】第三実施形態に係る透光性ブロック構築体に用いる枠体を示す図である。
【図18】第三実施形態に係る枠体同士を接続した状態を示す図である。
【図19】第三実施形態に係る枠体同士の接合を説明するために図である。
【図20】第三実施形態に係る枠体同士の接合を説明するために図である。
【図21】第四実施形態に係る透光性ブロック構築体に用いる枠体を示す図である。
【図22】第四実施形態に係る透光性ブロック構築体に用いる枠体を示す図である。
【図23】第四実施形態に係る枠体同士を接続した状態を示す図である。
【図24】第四実施形態に係る枠体の接合を示す図である。
【図25】電源接続部を配置した透光性ブロック構築体を示す図である。
【図26】従来の透光性ブロック構築体を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 透光性ブロック
11a,11b 透光面
12 中間部
2 枠体
2a,2b コ字状部材
20 周辺部
21 枠体形成用出縁部
22 接合用出縁部
24 突出部
3 フレーム
35 切り込み部
36 支持部
100,200,300 透光性ブロック構築体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下左右方向に整列配置された複数の透光性ブロックと、個々の該透光性ブロックの側面を囲繞保持する筒状の周辺部を有する枠体からなる透光性ブロック構築体であって、
前記透光性ブロックは前方と後方に透光面を備えた略直方体であり、且つ
前記前方の透光面と前記後方の透光面の間にあって前記直方体の側面を形成する中間部の外形が前記前後の透光面の外形よりも小さく、
前記枠体は、前記周辺部が前記中間部のみを囲繞保持する幅に形成されるとともに、前記周辺部から外方に突設した他の枠体と接合するための接合用出縁部を備えていることを特徴とする透光性ブロック構築体。
【請求項2】
前記枠体は複数の枠体形成部材が接合されて形成されており、
前記複数の枠体形成部材は、前記接合用出縁部と、前記複数の枠体形成部材同士を接合するための枠体形成用出縁部を有し、
前記接合用出縁部は前記透光面と平行に延設されており、
前記枠体形成用出縁部は前記透光面と直角且つ前記周辺部の幅方向に延設されていることを特徴とする請求項1記載の透光性ブロック構築体。
【請求項3】
前記複数の枠体形成部材が一対のコ字状部材からなることを特徴とする請求項2記載の透光性ブロック構築体。
【請求項4】
前記出縁部の全てが前面視において重ならない位置にあることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の透光性ブロック構築体。
【請求項5】
前記周辺部が前方又は後方に向けて突出した突出部を有し、該突出部に前記接合用出縁部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の透光性ブロック構築体。
【請求項6】
複数個の前記透光性ブロックを囲繞保持するためのフレームを有し、
該フレームが前記枠体形成用出縁部を係合させるための切り込み部を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の透光性ブロック構築体。
【請求項7】
複数個の前記透光性ブロックを囲繞保持するためのフレームを有し、
該フレームから、前記枠体形成用出縁部を下から支持するための支持部が突設していることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の透光性ブロック構築体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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