透湿性・防水性底革用インサート
液体状態にある水に対して不透過性で、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有している透湿性・防水性底革用インサート。底革用インサート(10)の少なくとも1つの機能部分が、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗をそれに付与するような厚さを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は透湿性・防水性底革用インサートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最も大きい発汗作用がある足の部分は足裏であることが知られている。従って、発汗によって生じた湿気が最もよく集まる靴の領域は、足の裏と靴の底革との間の境界面である。
【0003】
ここで、生じた汗は、その湿気で空気を飽和させるとともに、大部分は凝縮して足載置部の上に滞留する。発汗によって生じた湿気の周辺部のものだけが、甲革の側面部へ拡散し、その側面部が透湿性であるときにはその側面部から出て行く。
【0004】
足裏領域における発汗の滞留のこの影響は、ゴム製底革を有する靴において特に著しいものであり、そのような場合には、底革を介する蒸気透過は、その全体の防水性によって事実上、阻止される。
【0005】
足裏領域における汗の滞留によって、靴のユーザーに不快感が引き起こされるとともに、悪臭を周知のように引き起こす細菌性培養物の生育のための優先的箇所が構成されることが知られている。従って、靴の足裏領域で発汗によって生じた湿気の滞留を未然に防ぐ必要性が、広く認識された要望である。
【0006】
この要望を満たすための第1の試みは、イタリア特許第1232798号に提案された解決策である。この特許に包含された教示は、水の浸入を防止し、従って液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性である底革を得るために、ゴム製底革を上下2つの層のうちの下方の層に貫通状微細孔がある2つの層に分ける工程と、これら2つの層の間に、これら2つの層へ周辺で接合される半透過性膜を介在させる工程とから構成されている。
【0007】
説明を簡略にするために、液体状態にある水に対して不透過性であって水蒸気に対して透過性である性質のある要素は、これ以降、防水性・透湿性として表示される。
【0008】
イタリア特許第1232798号の発明者が使用を教示している半透過性膜は、例えば、W.L.Gore氏の名義による米国特許第4,187,390号および第4,194,041号、あるいはBHA Technologies社の名義による米国特許第6,228,477号に記載された種類のものである。
【0009】
これらの膜は、一般に15ミクロンから70ミクロンまで変化する厚さがあり、かつ、防水性・透湿性である発泡ポリテトラフルオロエチレン、すなわちe−PTFEの薄い被膜によって設けられている。それらの微細構造は、小繊維として知られた細長い単繊維によって相互結合された結節として知られた密集区域の存在に特徴がある。
【0010】
これらの半透過性膜は、初期には軍事産業部門のために構想されたが、衣料品の中における発汗によって引き起こされる水蒸気の蓄積を防止するために、また、防水性・透湿性ライニングの備わった甲革がある靴を提供するために、衣類および靴の分野において開発されるとともに使用されてきた。
【0011】
衣類産業部門および靴産業部門の市場にあっては、柔軟で快適な商品が常に要求されてきたので、上記用途においては、機能的な層として理解された上記膜がこれらの特性を損なわないということを確認するための強い要望が存在している。
【0012】
この要望は、布地あるいはなめし革のような支持材料および/または美的仕上げ用材料でラミネートして、可撓性、曲げ容易性、柔軟性、表面平滑性、圧縮性および伸展性、さらには単位表面積あたりの軽量性が高められた諸特性の備わった仕上げラミネートを得るために、薄い厚さで設けられた膜の使用を必要とする実際の技術的先入観に発展した。
【0013】
しかしながら、これらの膜をもたらす上記薄膜は、それらの実に薄い厚さのために、物理的強度の特性が乏しい。実際に、上記ラミネートの抵抗値は上記膜が連結される上記布地層あるいは上記支持層に主として由来する、ということに留意すべきである。
【0014】
具体的には、上記膜を設けるために用いられるポリマー材料からなる入手可能な薄膜には、上記のように一般に15ミクロンから70ミクロンまでの厚さがあり、それによって、制限された、すなわち5Nに満たない貫入抵抗(penetration resistance)が付与されている。「貫入抵抗」という表現は、ISO 20344−2004の5.8.2章における安全靴に関する基準である「底革の貫入抵抗の測定」に示された方法により実施された測定によって定義された特性に言及するために用いられている。
【0015】
貫入に対するこの制限された機械的抵抗のために、上記イタリア特許第1232798号の発明者は、上記膜が対向する上記底革の孔の直径を制限することによって上記膜と異物との接触を防止した。
【0016】
しかしながら、この解決策は、蒸気を透過するようにされた上記底革の上記区域を大幅に制限することが分かり、さらにまた、上記の孔は塞がれたものになることがある。
【0017】
同一出願人によるイタリア特許第1282196号の中に包含された教示によれば、これらの短所を克服することを意図する解決策が提案されている。
【0018】
この特許には、貫通孔が設けられているエラストマーから作られた底革があり、フェルトから作られているのが好ましく撥水性であるように処理された保護層に重ね合わされた防水性・透湿性膜を備えている間底(midsole)の備わっている靴が開示されている。
【0019】
上記保護層は防水性ではないので、上記間底と上記底革との直接密封を実行することはできないが、上記防水性・透湿性膜と上記底革との間に密封用ブリッジをもたらす防水性周辺要素が使用されている。
【0020】
その発明は、外部物体の貫入に対する膜の効果的な保護を可能にする一方で、改良されるべきいくつかの側面を有している。
【0021】
特に、上記膜への上記保護層の結合は、その効果的な保護が可能になるように、それらの均質状接着によって行わなければならない。
【0022】
この目的のために、接着剤およびにかわは、上記膜の表面をすべて覆うのではなく、これらが影響を及ぼす部分のうちの透湿性部分に限定して用いられる。
【0023】
さらにまた、上記保護層はそれ自体、透湿性であるにもかかわらず、靴の内側から上記間底を介する外側への水蒸気の通過に対する障害物である。
【0024】
この短所は、靴の使用中に、上記保護層がその撥水の特性を徐々に失い、そのため、接地部の孔を通して吸収された水および/または泥あるいは他の種類の汚物が染み込んで、その透湿性を損ないがちになるときに、増大する。
【0025】
上記の提案された解決策の双方における短所は、使用中に、上記間底が歩行時に受ける周期的な収縮および引っ張りによって、徐々に進行する上記膜の摩耗および裂開が生じがちであり、そのために、底革に対する防水性の低下が引き起こされる点にある。
【0026】
この短所を未然に防ぐために、イタリア特許第1282196号では、構造的剛性を損なわないように互いに充分に間隔をおいて設けられた、例えば直径が1.5−2.0mmである、複数の小さい孔がある底革を設けることが教示されている。
【0027】
このようにすることで、その底革は、上記膜の裂開に対抗するために、上記間底を充分一体状に支持している。しかしながら、水蒸気が横断できる底革の部分は、実際は、底革に設けられた孔の少なさと狭さとによって制限される。
【0028】
上記膜の裂開に対抗する必要性と、発汗によって作り出された水蒸気の底革を介する効果的処理を可能にする必要性との妥協案を提供することを目的としたさらに別の解決策が、同一の出願人によるイタリア特許第1,334,928号に開示されている。
【0029】
この特許には、少なくとも1つのマクロ部分においてメッシュ、フェルトあるいは他の拡散状有孔材料から作られた支持層構造を有する底革が開示されている。
【0030】
防水性・水蒸気透過性である材料から作られた膜が、少なくとも上記マクロ部分を被覆するために、上向き領域において上記支持層へ結合されている。
【0031】
さらにまた、ポリマー材料から作られ、上記マクロ部分を貫通する少なくとも1つのマクロ孔のある底革が、密封部を形成するために、上記マクロ部分の周辺で上記膜および上記支持層へ接合されている。
【0032】
この特許には、上記膜を、保護層と、上記防水性・透湿性膜に均質状に結合された例えばナイロンメッシュから作られた裂開抵抗層とで補強することによって、その膜を構成するという教示もまた含まれている。上記膜を例えばケブラー(Kevlar)布から作られた高強度層で補強することもまた知られている。
【0033】
従って、上記マクロ孔の存在によって、靴の外側との熱交換および水蒸気交換のために適合された上記膜の大きい表面を区画することができ、同時に、上記防水性・透湿性膜の裂開に対抗するために、上記支持層によって上記底革の構造的剛性の低下が補償される。
【0034】
しかしながら、蒸気透過が自由である底革の大きい部分があることによる利点は、上記支持層を構成するいくつかの層の存在により構成された水蒸気の通過に対する障害物によって減少している。
【0035】
さらに別の解決策が、Rauch Maxによる米国特許第6,508,015号に開示されている。
【0036】
この特許には、2層構造によって設けられた底革が開示されており、その2層はそれぞれ、水蒸気透過性である弾性の上部層、および、この上部層の70%未満を被覆するとともに支持部および接地部としても作用する下部層である。
【0037】
この場合において、底革の透湿性機能は、上記上部層の微孔性構造によって、また、上記下部層の開放形状によって保証されている。
【0038】
上記上部層の微孔性構造は、防水性ではなく、また、例えば焼結プラスチック材料から作られているか、または、合成材料から作られた織布構造あるいは不織布構造によって作られている。
【0039】
この解決策には底革の大きい透湿性区域が提案されているが、上記引用特許に示唆された改良点を採用することによっても、すなわち、上記上部層の微孔性材料を疎水性になるように処理しても、あるいは、薄い防水性膜によって形成されたさらに別の上部層を設けても、効果的に防水性である底革を得ることはできない。
【0040】
上記焼結材料の疎水性処理によって上記上部層を充分にあるいは安定的に防水性にすることはできない、ということが実際に観察されている。
【0041】
しかも、上記上部層へ防水性膜を結合することには、保護層によって支持された膜がある上記解決策に関して記載された短所がいくつかある。
【0042】
さらにまた、この特許の教示に従って、上記支持用下部層により広く露出されて残された上記微孔性上部層を有するように設けられた底革は、毛細管現象によって吸収される水とこの水によって運ばれることのある汚物とに接触すると、上記上部層の進行性変質を受けがちである。
【0043】
上記上部層は、それが汚物で完全に含浸されると、もはや透湿性ではなくなり、また、腐食することがある。この短所は、上記上部層を構成する材料の空隙率が増大するにつれて、なおいっそう明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
この発明の目標は、防水性・透湿性であって、上記短所を未然に防ぎ、現在知られている底革よりも大きい水蒸気の量を放散させることができ、少なくとも同等の長期にわたる防水特性の耐久性がある防水性・透湿性底革を設けることのできる底革用インサートを提供することである。
【0045】
この目標の範囲内で、この発明の1つの目的は、その組付・密封過程およびその構成方法の双方を簡単にし、現在知られている底革と比較してその構造をいっそう可撓性にする底革用インサートを提案することである。
【0046】
この発明の別の目的は、現在知られている底革用インサートと比較して、脂肪質物質による汚染に対してより大きい抵抗性がある底革用インサートを提案することである。
【0047】
この発明の別の目的は、現在知られている底革用インサートと比較して、溶剤による劣化に対してより大きい抵抗性がある底革用インサートを提供することである。
【0048】
この発明の別の目的は、高い物理的強度があり、その結果、耐穿孔特性を備えたさらに別の構成要素を必要としない底革用インサートを提供することである。
【0049】
この発明の別の目的は、汚物を吸収する傾向が減少しており、その結果、現在知られている底革用インサートよりもいっそう容易に手入れすることのできる底革用インサートを提供することである。
【0050】
この発明の別の目的は、構造的にいっそう簡単である底革用インサートを提案することである。
【0051】
この発明の別の目的は、使用しやすく、かつ、比較的低コストで製造することのできる底革用インサートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0052】
この目標、これらの目的、およびこれ以降にいっそう明らかになる他の目的は、液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有している透湿性・防水性底革用インサートであって、このインサートの少なくとも1つの機能部分が、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗(penetration resistance)をそれに付与するような厚さを有していることを特徴とする透湿性・防水性底革用インサートによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
この発明のさらに別の特性および利点は、添付図面において非限定的な例として示されたこの発明による底革用インサートの、好ましいが限定的ではないいくつかの実施形態の記載から、いっそう明らかになるであろう。
【0054】
【図1】図1は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第1構造体の縦断面図である。
【図2】図2は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第2構造体の縦断面図である。
【図3】図3は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第3構造体の縦断面図である。
【図4】図4は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第4構造体の縦断面図である。
【図5】図5は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第5構造体の縦断面図である。
【図6】図6は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第6構造体の縦断面図である。図6aは、この発明による底革用インサートが備わった底革の第6構造体を設けるための工程の模式図である。
【図7】図7は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第7構造体の第1構成変形例の縦断面図である。
【図8】図8は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第7構造体の第2構成変形例の縦断面図である。
【図9】図9は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第7構造体の第3構成変形例の縦断面図である。
【図10】図10は、この発明による底革用インサートを備えている底革の第7構造体の第3構成変形例の斜視図である。
【図11】図11は、この発明による底革用インサートを備えている底革の構造における別の実施形態の一部断面斜視図である。
【0055】
この特許取得過程の間にすでに公知であると認められた任意のものは、特許請求されることがなく、また、放棄の対象でない、と解されることに留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図面によれば、参照符号10が透湿性・防水性底革用インサートを全体として表わしており、その特徴は、このインサートが、液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有する点にある。
【0057】
用語「シート状」は、1つの寸法が他の2つの寸法に対して著しく減少されている構造の形状特性を言及するために用いられており、上記寸法は、いかなる場合においても、シートを箔あるいは膜から区別するために広く理解されているものに基づく、その厚さである。
【0058】
しかしながら、この形状特性は、上記インサートの曲がりあるいは撓みの性質をそれ自体、損なう、と理解すべきではない。具体的には、上記厚さは、実質的に0.5〜2mmに構成されていると好都合であり、また、均一であるのが好ましい。
【0059】
この発明によれば、底革用インサート10は、安全靴に関するISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗をそれに付与するような厚さを有している。
【0060】
上記試験方法は、測定される材料の試験片を調達することと、その試験片に、4.50±0.05mmの直径があり、切頭状先端があり、指示された形状および特性がある爪を貫入させることとからなっている。
【0061】
この爪の先端には、60HRCの最小硬度がある。この爪の貫入速度は、その先端が試験片に完全に貫入するまで、10±3mm/分に設定される。この材料の貫入によって生じた最大測定力の値が、ニュートンNで表わされて、記録される。
【0062】
この試験は4つの試験片について実行され、4つの記録値のうちの最小のものが、試験材料の貫入抵抗値として選定される。
【0063】
実質的に同等のやり方において、添付図面には示されていない、この発明による底革用インサートの第1構成変形例は、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法による機能部分を有しているが、この機能部分には、およそ10Nよりも大きい貫入抵抗がある。
【0064】
さらにまた、同じように、添付図面には示されていない、この発明による底革用インサートの第2構成変形例は、上記機能部分を2つ以上、有している。
【0065】
上記機能部分は、ユーザーの足裏のうちの最も発汗が多い領域に対応する底革の1つ以上に影響を及ぼすように適用されているのが好ましい。
【0066】
好ましいのは、上記ポリマー材料が、微孔性の発泡ポリテトラフルオロエチレン、すなわちe−PTFEであることである。
【0067】
さらに詳しく記載されていないこの発明による底革用インサート10の代わりの実施形態では、上記ポリマー材料は、ポリウレタンすなわちPU、ポリエチレンすなわちPE、ポリプロピレンすなわちPP、ポリエステルなどの中から、択一的に選択されている。
【0068】
この発明によれば、上記のように、底革用インサート10は、実質的に0.5mm〜5mmからなる厚さを有しているのが好都合であり、また、均一であるのが好ましい。
【0069】
上記の第1および第2の構成変形例において、上記機能部分は、実質的に0.5mm〜5mmからなる厚さを有しているのが有利であり、均一であるのが好ましい。
【0070】
驚くべきことに、これらの厚さによれば、この発明による底革用インサート10に、脂肪質物質による汚染と発泡PTFEの汚染物質とに対する効果的な抵抗性が付与される。
【0071】
一般に、激しい身体活動があるときには、従って、激しい発汗があるときには、米国特許第4,194,041号にも記載されたような界面活性剤が、汗の中に含まれて、発泡PTFEの薄い被膜に徐々に貫入し、その内側表面を被覆するとともに、上記物質の実質的毛細管吸い取りのためにその防水性の低下を引き起こす、ことが実際にある。
【0072】
普通の防水性・透湿性膜の表面およびこの発明による底革用インサートの表面における発汗によって引き起こされた汚染の影響が、引用された米国特許第4,194,041号に記載された手順に従って、試験された。
【0073】
人間の汗は、激しい身体活動を行うために使用された湿った木綿製アンダーシャツを絞ることによって集められる。25mlの液体の汗が、60mmの直径がある開口を有する容器の中へ注ぎ込まれる。
【0074】
この発明による底革用インサートの材料のサンプルが、上記容器の開口をゴム製ガスケットによって密封するために、結合された。この容器は、上下逆さまにされて、汗がサンプルを通して完全に蒸発するまで、20℃の温度および65%の相対湿度の標準大気条件の中に吊り下げて残された。
【0075】
汗がその容器からすべて消失するのに必要とされる2日間の後に、そのサンプルは、驚くべきことに、汚染の兆候をまったく示さなかった。
【0076】
逆に、伝統的なe−PTFE膜のサンプルに同一の手順で試験をしたところ、そのサンプルは、薄黒いものであり、また、目に見えて汚染されていた。
【0077】
この発明による底革用インサートのサンプルの耐汚染性についての2回目の試験が、そのサンプルに、また、比較のための伝統的なe−PTFE膜のサンプルに、1.0mlの量の油を堆積させることによって、実行された。
【0078】
汚染されていないその伝統的なe−PTFE膜は、直ちに汚染を示し、その白い色を失い、透き通ったものになり、上記油の実質的瞬時通過が可能になった。
【0079】
逆に、この発明による底革用インサートのサンプルは、驚くべきことに、色の変化を示すことがなく、また、72時間の後に上記油の通過がまったく起きなかった。
【0080】
この発明による底革用インサート10は、有利なことに不透水性であるが、その理由は、このインサートには、少なくとも30秒の間、少なくとも1バール(bar)に維持された圧力を受けたときに貫通状通路箇所がまったくないからである。
【0081】
さらに具体的には、防水性は、EN1734規格によって、圧力下の水の浸入に対するサンプルの抵抗度として、算定される。
【0082】
ある材料のサンプルが、圧力下における水のための入口が設けられた容器を閉鎖するために固着される。この容器は、その容器の中へ向かうその材料のサンプルの表面に1.0バールの静水圧を受けさせるために、水で満たされる。この状態は30秒間、維持される。
【0083】
サンプルは、容器の開口と保持用リングとの間にブロックされているが、両者はシリコーンゴムから作られた密封用ガスケットによって被覆されている。
【0084】
加圧は、タンクに源がある水を圧縮空気の流れによって上記容器の中へ押し込むことによって達成される。この圧縮空気は、到達圧力が示される圧力計の備わったバルブによって調整される。
【0085】
上記容器の外側にあるサンプルの表面が観察される。
【0086】
上記表面の上に1mm〜1.5mmの直径を有する水滴が形成された交差箇所(crossing point)が存在しないということは、サンプルの防水性を示している。
【0087】
サンプルの変形を防止することが必要であるときには、一辺の長さが30mm未満であって、合成材料から作られ、かつ、1〜1.2mmの直径がある単繊維によって設けられた正方形のメッシュを有する格子が、そのサンプルの上に固定される。
【0088】
この発明による底革用インサート10には、ASTMのD3786規格に記載された方法によって決定された少なくとも8kgf/cm2に等しい破裂強度がさらにあるのが好ましい。
【0089】
この試験は、限定区域に作用する圧力の増大による上記材料への損傷を模擬実験するために、上記インサートの物理的強度に関する指標を付与することを目的としている。
【0090】
ASTMのD3786規格による破裂強度を算定するために、試験材料の125mmの直径があるサンプルが、合成ゴムから作られた隔壁であって、圧力がかけられた流体によってそのサンプルの破裂限界まで拡張するようにされた隔壁の上方に配置されてブロックされた。
【0091】
サンプルの破裂強度は、サンプルを破裂させるのに必要な総圧力と上記隔壁を拡張させるために必要な較正圧力との差の値で付与される。その強度は、1平方センチメートル当たりのキログラム重[kgf/cm2]で規定されるとともに測定される。
【0092】
この試験は10個のサンプルについて行われ、それらの測定値の平均が、試験材料の破裂強度の値とみなされる。具体的には、直径が48mmであって厚さが1.80mmである合成ゴム製隔壁へ加えられた静水圧は、純度96%のグリセリンによって構成された流体を、ピストンによって、この試験装置の圧力チャンバーの中へ押し込むことで達成された。
【0093】
この発明によれば、底革用インサートには、ISO 20344−2004規格の6.6章に提示された方法によって決定された少なくとも9mg/cm2・hに等しい透湿度(水蒸気透過度)が備わっていると好都合である。
【0094】
ISO 20344−2004規格の6.6章の安全靴に関する「透湿度の測定」には、試験される材料のサンプルを、ある量の固体状乾燥剤、すなわちシリカゲルが収容されている瓶の開口を閉鎖するように固定する、ことからなる試験方法が記載されている。
【0095】
この瓶は、調節された雰囲気において、強い空気流にさらされた。この瓶は、上記固体状乾燥剤を攪拌して、瓶の中に収容された空気を乾燥させるその作用を最適化するために、回転された。この瓶は、上記材料を通過して上記固体状乾燥剤によって吸収された湿気の量を決定するために、試験時間の前後で計量された。
【0096】
次いで、1平方センチメートル当たり、1時間当たりのミリグラムで表現された、瓶の開口の区域の透湿度が、測定された湿気の量とその試験時間とに基づいて算出された。
【0097】
この発明による底革用インサート10には、EN13571規格に提示された方法によって決定された、少なくとも10Nに等しい裂開強度があるのがさらに好都合である。
【0098】
あるサンプルに1つの切れ目が伝播するのに必要とされる平均力として理解される裂開強度は、100mm/分の一定クロスヘッド速度でそのサンプルに作用する調節可能な動力計によって測定された。
【0099】
試験される材料の6個のサンプルがこの試験を受けたが、そのうちの3個には、CALとしても知られ、かつ、その材料の押し出し方向として、あるいはその布地の縦糸方向として定義された方向である長手方向に対して平行に設けられた切れ目があり、残りの3個には、PALとしても知られ、長手方向に対して90度の方向に横断状に設けられた切れ目がある。
【0100】
特徴的なズボン状形状があるサンプルは、その切れ目が引張方向に対して垂直であるように、上記動力計のクランプどうしの間の平面に配置された。
【0101】
このサンプルは、それが引き裂かれるまで引っ張りを受けた。この動きに関連した引張力の値は、記録されるとともに表にされた。
【0102】
ニュートンNで表現された裂開強度が、CAL試験およびPAL試験で記録された引張力の2つの相加平均TSCALおよびTSPALの相加平均として計算された。
【0103】
有利であるのは、この発明による底革用インサート10が、1mm〜5mmの間にある厚さに関し、EN12770規格に提示された方法によって決定された、250mgの最大重量減少に対応する耐摩耗性を有していることである。
【0104】
この抵抗値によれば、底革用インサート10を、接地部として使用することができ。あるいは、使用中に地面に接するものとして使用することができる。
【0105】
サンプルのある表面へ加えられた機械的作用によって引き起こされた摩耗に対する抵抗として理解される耐摩耗性は、靴の底革に関するEN12770規格に従って、摩耗試験機で測定された。
【0106】
試験される材料のサンプルは、直径が150mmで長さが500mmのドラムであって、40rpmの速度で回転するとともにその表面に研磨布が取り付けられたドラムの表面を、長手方向にスライドするようにされた。
【0107】
このサンプルの前方移動は、上記ドラムの各回転について4.20mmである。上記研磨布は、60グリットの酸化アルミニウムで被覆され、1mmの平均厚さを有し、上記ドラムに均一に結合されている。
【0108】
この研磨表面は、40mの研磨経路において、180mg〜220mgの標準的な基準ゴムの重量減少を引き起こす。上記サンプルは、16mmの直径と6mmの最少高さとがある円筒状のものである。
【0109】
この試験は3個のサンプルについて行われ、測定値の平均が摩耗抵抗値に選定された。
【0110】
1立方センチメートル当たりのグラム数〔g/cm3〕が0.9未満である密度を有している材料については、この摩耗試験の結果が、重量の相対的減少としてミリグラム〔mg〕で表現された。これに対して、1立方センチメートル当たりのグラム数〔g/cm3〕が0.9を超える密度を有している材料については、その結果は、その材料の体積重量(密度)の値を用いて、計算についてと同様に、立方ミリメートル〔mm3〕で表現された。
【0111】
具体的には、この発明による底革用インサート10から得られ、0.7g/cm3の密度を有しているサンプルは、20mの研磨経路に沿って、かつ、実測値を2倍することによって算定された、250mg未満の相対質量の減少に相当する摩耗抵抗を示した。
【0112】
この摩耗抵抗は、酢酸エチルビニル、すなわちEVA、あるいはポリウレタン、すなわちPUのような、靴用底革の供給に広く用いられる発泡材料のそれに匹敵する。
【0113】
上記の試験を受けたこの発明による底革用インサート10には、驚くべきことに、次の表1に集約された諸特性が備わっている。
【0114】
【表1】
【0115】
この発明による底革用インサート10の使用は次のとおりである。
【0116】
図1を参照すると、この発明による底革用インサート10は、靴用の防水性・透湿性第1底革構造体100に使用されている。
【0117】
この第1底革構造体100には底革本体110が備わっており、この底革本体110には、下方部分111、これに設けられた接地体112、およびこの発明による底革用インサート10を収容する上方部分113がある。
【0118】
有利であるのは、底革本体110がポリマー材料から、好ましくは、酢酸エチルビニル、すなわちEVA、加硫ゴム、ポリウレタン、すなわちPUから、熱可塑性ポリウレタン、すなわちTPU、あるいは熱可塑性ゴム、すなわちTRのような熱可塑性材料から作られていることである。
【0119】
複数の開口114が、底革本体110をその下方部分111からその上方部分113まで貫通しているが、ここで、これらの上方端115は底革用インサート10によって被覆されている。
【0120】
底革用インサート10の周辺領域10aには、底革本体110の上方部分113に対するその防水性結合のために、密封部116が設けられている。
【0121】
この密封部116は、例えば、底革本体110を底革用インサート10に対して押圧により接着することで、あるいは高周波電気溶融接着として知られた方法で、あるいは底革用インサート10の表面における底革本体110の射出成形で設けられてもよい。
【0122】
この密封部116は、底革用インサート10と底革本体110との間において液体状態にある水の浸入を防止する。
【0123】
第1底革構造体100の代わりの実施形態は、これ以上記載されていなくて、かつ、図面に示されていないが、上記開口を1つ以上、有しており、これらの開口は、上記底革本体に関して大きく、また、この発明による底革用インサートによって被覆され、上記のように、上記底革本体へ周辺で密封されている。
【0124】
特に図2を参照すると、第2底革構造体200が描かれており、これは、この発明による底革用インサート10の表面へ共同型成形されている。
【0125】
この第2底革構造体200には、ポリマー材料から作られているのが好ましい底革本体210が備わっており、この底革本体210には、下方部分211、これに設けられた接地体212、および底革用インサート10を収容する上方部分213がある。
【0126】
複数の開口214が、底革本体210をその下方部分211からその上方部分213まで貫通しているが、ここで、これらの上方端215は底革用インサート10によって被覆されている。
【0127】
底革本体210の上方部分213に対するその防水性結合のために、密封部216が、底革用インサート10へ周辺状に設けられている。
【0128】
この密封部216には周辺フレーム217が備わっているが、その周辺フレーム217は、底革本体210が備わった単一体の中で実質的にC字形であって、防水状態に接着される底革用インサート10の周辺領域10aの周りを取り囲んでいる。
【0129】
具体的に説明すると、周辺領域10aには、周辺フレーム217に接する3つの面がある。
【0130】
周辺フレーム217へ防水状態に結合される上記の面はただ1つでも充分であることに留意すべきである。
【0131】
第2底革構造体200の提供は、底革本体210を形成するように適合されたポリマー材料を、その中に底革用インサート10が配置された金型の中へ射出するかあるいは流体状態で注入する工程と、そこへ付着させる工程と、周辺フレーム217を形成する工程とからなっている。
【0132】
図3に非限定的な例として示された第3底革構造体300は、第1底革構造体100の構成変形例であり、ここで、その密封部116は密封部316で置き換えられており、この密封部316は、周辺環状帯のように形成されているのが有利である密封要素317からなっている。
【0133】
密封要素317は、代わりの実施形態では添付図面に示されていないが、底革用インサート10を完全に被覆するように形成されているとともに、蒸気透過に選定された部分で穿孔されている。
【0134】
密封要素317は、防水性ポリマー材料から、好ましくは酢酸エチルビニル、すなわちEVA、ポリウレタン、すなわちPU、ポリ塩化ビニル、すなわちPVC、あるいはゴムから作られている。
【0135】
密封要素317は、そこへ防水状態に結合されることにより、少なくとも隣接する底革用インサート10の周縁318とそこへ相補するように形成され、かつ、それを収容するとともに上方部分113に設けられた凹所320の周縁319とを被覆している。
【0136】
特に図4を参照すると、第4防水性・透湿性底革構造体400には、ポリマー材料から作られているのが好ましい底革本体410が備わっており、この底革本体410には、下方部分411、これに設けられた接地体412、および上方部分413がある。
【0137】
複数の開口414が、底革本体410をその下方部分411からその上方部分413まで貫通しており、また、これらの開口414の上方端415は上方部分413から出ている。
【0138】
上方部分413は、この発明による底革用インサート10が備わっている複合インサート416を収容するように形成されている。この複合インサート416には、ポリマー材料から作られた周辺の機能リム417がさらに備わっており、この機能リム417は、底革用インサート10へ、例えば、オーバーモールド、耐加水分解性接着剤による接着、あるいは高周波電気溶融による結合によって、防水状態に予備組付けされている。
【0139】
周辺の機能リム417は、底革用インサート10の周辺領域10aを乗り越えているのが好都合である。
【0140】
好ましいのは、複合インサート416に、底革用インサート10の上へ載せられ、かつ、周辺の機能リム417によって囲まれた充填材418がさらに備わっていて、それによって、底革用インサート10の上記周辺領域を乗り越えるその部分によって形成された段差が補償されることである。
【0141】
充填材418は、フェルトあるいは有孔ポリマー材料から作られているのが好ましく、また、例えば、多孔性であり、拡散状に穿孔され、あるいは格子状である著しい透湿性がある構造体を有しているのが好都合である。
【0142】
添付図面に示されていない代わりの実施形態では、上記周辺の機能リムはまた、上記底革用インサートの中央領域に作用するとともに上記充填剤の上記機能を果たす。
【0143】
複合インサート416は、好ましくは接着剤接合によって、底革本体410の上方部分413へ、少なくとも周辺で不透水状に密封されている。
【0144】
図5は、第4底革構造体400の構成変形例を構成する第5底革構造体500を、非限定的な例として示している。
【0145】
第5底革構造体500には、底革本体410へ少なくとも周辺で密封された複合インサート516が備わっている。複合インサート516には、この発明による底革用インサート10が備わっており、その周辺領域10aは、ポリマー材料から作られているのが好都合であってその周りを取り囲むC字形の細革517で、防水状態に結合されている。
【0146】
細革517は、底革用インサート10の上に金型成形されているのが好ましく、その上への微量注入により、あるいは、例えば、熱可塑性ポリウレタン、すなわちTPU、およびポリ塩化ビニル、すなわちPVCから選択されたポリマー材料からなる被膜の高周波電気溶融により、設けられている。
【0147】
特に図6を参照すると、第6防水性・透湿性底革構造体600には、底革本体610が備わっており、この底革本体610には、下方構成要素611、これに設けられた接地体612、および上方構成要素613がある。
【0148】
好都合であるのは、上方構成要素613が、ポリマー材料、好ましくは酢酸エチルビニル、すなわちEVA、あるいはポリウレタン、すなわちPUから作られていることである。
【0149】
複数の開口614が下方構成要素611を貫通しており、ここで、それらの上方端は、この発明による底革用インサート10によって被覆されている。底革用インサート10には、底革本体610へのその防水性結合部の上に、下方構成要素611と上方構成要素613との間に構成されたその周辺領域10aがある。
【0150】
第6防水性・透湿性底革構造体600は、底革用インサート10への下方構成要素611および上方構成要素613の一方の接着あるいはオーバーモールドと、その後の残りの構成要素611あるいは613の半完成構成要素の上への接着あるいはオーバーモールドとによって設けることができる。
【0151】
上方構成要素613は、開口614の存在によって表示され、かつ、透湿性あるいは有孔の充填材616を取り囲んでいて底革用インサート10の上方に配置された透湿性区域の環状リムとして形成されているのが好都合である。
【0152】
第4底革構造体400および第6底革構造体600にはともに、著しい厚さのある底革の存在においてさえも浅いものである、それぞれ414および614で表わされた開口を設けることができる、ことに留意すべきである。
【0153】
実際に、底革用インサート10は、底革構造体400あるいは600の内側に配置され、使用時に上記インサートとユーザーの足裏との間に介在される充填材を乗り越えている。
【0154】
添付図面に示されていない代わりの実施形態では、上記上方構成要素は、底革用インサート10を完全に被覆して、例えば、拡散状に穿孔されているか、多孔性であるか、あるいは網状である中央透湿性領域をもたらす。
【0155】
これらの実施形態では、上記上方構成要素は、上記甲革に直接射出することによって設けられる。
【0156】
非限定的な例による図6aには、靴型621に嵌められ、かつ、組付中底622へ縫い付けられた甲革620の表面に上方構成要素613を直接射出成形する方法の最終工程が模式的に示されている。
【0157】
金型623が、甲革620の一部の表面へ、また、充填材616が下方構成要素611へ結合された底革用インサート10に当接しかつその上に載せられた組付中底622の表面へ閉鎖される。
【0158】
上方構成要素613を形成するための材料が、金型623の中へ射出され、密封部を形成するために、底革用インサート10の周辺領域10aへ結合される。
【0159】
図7、8および9は、フレームのように形状構成され、この発明による底革用インサート10を取り囲み、そこへ密封部を防水状態に形成するために、少なくともその周辺領域10aに埋め込まれている底革本体710を備える第7底革構造体700の3つの構成変形例を示している。
【0160】
上記密封部は、底革本体710と底革用インサート10とを共同型成形することによって得られるのが有利である。
【0161】
共同型成形に代わるものとして、異なる構成的解決策では、底革本体710は底革用インサート10の上記周辺領域へ接着されている。
【0162】
ポリマー材料から作られた接地体スタッド711が、地面に載るように適合され、かつ、底革用インサート10に結合されている。
【0163】
図7は、例示としての第7底革構造体700の第1変形例を示しており、ここでは、接地体スタッド711は、底革用インサート10へ、例えば接着剤接合かあるいはオーバーモールドによって結合され、かつ、底革本体710から離されている。
【0164】
図8は、例示としての第7底革構造体700の第2変形例を示しており、第7底革構造体700には、底革本体710から離されている接地体スタッド711と、底革用インサート10を貫通して設けられた対応収容孔713を密閉状に塞ぐように挿入されたフック状ピン712とが設けられている。
【0165】
添付図面に示されていない第7底革構造体700の上記第2変形例に代わる実施形態では、上記接地体スタッドは、底革用インサート10の上方に配置された内側格子によって相互に結合されているのが有利である。
【0166】
接地体スタッド711は、底革用インサート10の表面へのそれらの射出オーバーモールドによって形成されているのが好都合である。
【0167】
図9は、例示としての第7底革構造体700の第3変形例を示しており、その接地体スタッド711は、底革用インサート10の表面に格子を形成するのが好都合である横断状リブ714によって底革本体710へ結合されている。
【0168】
特に図11を参照すると、この図は、非限定的な例である第8底革構造体800を示しており、この第8底革構造体800には、
底革本体810であって、その上方部分811に、水蒸気の透過が可能なように適合された開口812がある底革本体810、および
この発明による底革用インサート10であって、下方領域において前記開口812を被覆している底革用インサート10
が備わっている。
【0169】
底革用インサート10の下面は、底革800の接地体の少なくとも一部を形成している。さらにまた、底革用インサート10は、それらの間において液体状態にある水の浸入を防止するように底革本体810へ密封されている。
【0170】
実際に、この発明によれば、その底革が現在知られている透湿性底革よりも大量の水蒸気を放散させることのできる防水性・透湿性底革を設けることが可能である防水性・透湿性の底革用インサートを提供することによって、底革の透湿性を制限する支持層、補強層あるいは保護層が存在しないので、意図された上記目標および上記目的が達成されることがわかった。
【0171】
さらにまた、この発明による底革用インサートは、現在知られている底革用インサートよりも脂肪質物質による汚染に対してより高い抵抗性を有し、さらに、上記の現在知られている底革用インサートと比較して、溶剤による劣化に対してより高い抵抗性を有している。
【0172】
さらにまた、この発明による底革用インサートは、現在知られている底革用インサートよりも構造的に簡単である。
【0173】
この発明による底革用インサートは、接地体として地面に直接接する靴にそれを使用することができるように、摩耗に対するそのような抵抗性を有している。
【0174】
液体および湿気を吸収しやすいフェルトおよび他の多孔性材料からなる保護層が設けられた現在知られている底革用インサートと比較して、この発明による底革用インサートは、液体および湿気を吸収することがなく、また、液体の滞留あるいは底革の中への水の吸い取りがない。
【0175】
補強層および保護層の補強および保護の必要性がないので、この発明による底革用インサートは、現在知られている種類のインサートよりも大きい透湿性表面を有しているが、その理由は、同表面のこの部分が、存在によって透湿性を妨げる補強層および保護層へのにかわおよび接着剤によって、影響を受けるからである。
【0176】
このように構想されたこの発明は、多数の修正および変更を受けることができるが、それらのすべては、添付の特許請求の範囲の適用範囲内にあり、すべての細部は、技術的に同等の他の構成要素で置き換えることができる。
【0177】
実際に、用いられる材料は、それらが特定の用途に適合できるものである限り、不確定な形状および寸法と同様に、要求および最新技術に従ういかなるものであってもよい。
【0178】
この出願が優先権を主張するヨーロッパ特許出願第09425336.6号における開示は、参照によってこの明細書に組み入れられている。
【0179】
任意の請求項において言及された技術的特徴構成が参照符号に従うときには、それらの参照符号は、特許請求の範囲の理解度を向上させる目的だけのために含まれており、そのような参照符号には、そのような参照符号によって例示として識別されたそれぞれの要素の解釈に関するどのような限定的効果もない。
【技術分野】
【0001】
この発明は透湿性・防水性底革用インサートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最も大きい発汗作用がある足の部分は足裏であることが知られている。従って、発汗によって生じた湿気が最もよく集まる靴の領域は、足の裏と靴の底革との間の境界面である。
【0003】
ここで、生じた汗は、その湿気で空気を飽和させるとともに、大部分は凝縮して足載置部の上に滞留する。発汗によって生じた湿気の周辺部のものだけが、甲革の側面部へ拡散し、その側面部が透湿性であるときにはその側面部から出て行く。
【0004】
足裏領域における発汗の滞留のこの影響は、ゴム製底革を有する靴において特に著しいものであり、そのような場合には、底革を介する蒸気透過は、その全体の防水性によって事実上、阻止される。
【0005】
足裏領域における汗の滞留によって、靴のユーザーに不快感が引き起こされるとともに、悪臭を周知のように引き起こす細菌性培養物の生育のための優先的箇所が構成されることが知られている。従って、靴の足裏領域で発汗によって生じた湿気の滞留を未然に防ぐ必要性が、広く認識された要望である。
【0006】
この要望を満たすための第1の試みは、イタリア特許第1232798号に提案された解決策である。この特許に包含された教示は、水の浸入を防止し、従って液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性である底革を得るために、ゴム製底革を上下2つの層のうちの下方の層に貫通状微細孔がある2つの層に分ける工程と、これら2つの層の間に、これら2つの層へ周辺で接合される半透過性膜を介在させる工程とから構成されている。
【0007】
説明を簡略にするために、液体状態にある水に対して不透過性であって水蒸気に対して透過性である性質のある要素は、これ以降、防水性・透湿性として表示される。
【0008】
イタリア特許第1232798号の発明者が使用を教示している半透過性膜は、例えば、W.L.Gore氏の名義による米国特許第4,187,390号および第4,194,041号、あるいはBHA Technologies社の名義による米国特許第6,228,477号に記載された種類のものである。
【0009】
これらの膜は、一般に15ミクロンから70ミクロンまで変化する厚さがあり、かつ、防水性・透湿性である発泡ポリテトラフルオロエチレン、すなわちe−PTFEの薄い被膜によって設けられている。それらの微細構造は、小繊維として知られた細長い単繊維によって相互結合された結節として知られた密集区域の存在に特徴がある。
【0010】
これらの半透過性膜は、初期には軍事産業部門のために構想されたが、衣料品の中における発汗によって引き起こされる水蒸気の蓄積を防止するために、また、防水性・透湿性ライニングの備わった甲革がある靴を提供するために、衣類および靴の分野において開発されるとともに使用されてきた。
【0011】
衣類産業部門および靴産業部門の市場にあっては、柔軟で快適な商品が常に要求されてきたので、上記用途においては、機能的な層として理解された上記膜がこれらの特性を損なわないということを確認するための強い要望が存在している。
【0012】
この要望は、布地あるいはなめし革のような支持材料および/または美的仕上げ用材料でラミネートして、可撓性、曲げ容易性、柔軟性、表面平滑性、圧縮性および伸展性、さらには単位表面積あたりの軽量性が高められた諸特性の備わった仕上げラミネートを得るために、薄い厚さで設けられた膜の使用を必要とする実際の技術的先入観に発展した。
【0013】
しかしながら、これらの膜をもたらす上記薄膜は、それらの実に薄い厚さのために、物理的強度の特性が乏しい。実際に、上記ラミネートの抵抗値は上記膜が連結される上記布地層あるいは上記支持層に主として由来する、ということに留意すべきである。
【0014】
具体的には、上記膜を設けるために用いられるポリマー材料からなる入手可能な薄膜には、上記のように一般に15ミクロンから70ミクロンまでの厚さがあり、それによって、制限された、すなわち5Nに満たない貫入抵抗(penetration resistance)が付与されている。「貫入抵抗」という表現は、ISO 20344−2004の5.8.2章における安全靴に関する基準である「底革の貫入抵抗の測定」に示された方法により実施された測定によって定義された特性に言及するために用いられている。
【0015】
貫入に対するこの制限された機械的抵抗のために、上記イタリア特許第1232798号の発明者は、上記膜が対向する上記底革の孔の直径を制限することによって上記膜と異物との接触を防止した。
【0016】
しかしながら、この解決策は、蒸気を透過するようにされた上記底革の上記区域を大幅に制限することが分かり、さらにまた、上記の孔は塞がれたものになることがある。
【0017】
同一出願人によるイタリア特許第1282196号の中に包含された教示によれば、これらの短所を克服することを意図する解決策が提案されている。
【0018】
この特許には、貫通孔が設けられているエラストマーから作られた底革があり、フェルトから作られているのが好ましく撥水性であるように処理された保護層に重ね合わされた防水性・透湿性膜を備えている間底(midsole)の備わっている靴が開示されている。
【0019】
上記保護層は防水性ではないので、上記間底と上記底革との直接密封を実行することはできないが、上記防水性・透湿性膜と上記底革との間に密封用ブリッジをもたらす防水性周辺要素が使用されている。
【0020】
その発明は、外部物体の貫入に対する膜の効果的な保護を可能にする一方で、改良されるべきいくつかの側面を有している。
【0021】
特に、上記膜への上記保護層の結合は、その効果的な保護が可能になるように、それらの均質状接着によって行わなければならない。
【0022】
この目的のために、接着剤およびにかわは、上記膜の表面をすべて覆うのではなく、これらが影響を及ぼす部分のうちの透湿性部分に限定して用いられる。
【0023】
さらにまた、上記保護層はそれ自体、透湿性であるにもかかわらず、靴の内側から上記間底を介する外側への水蒸気の通過に対する障害物である。
【0024】
この短所は、靴の使用中に、上記保護層がその撥水の特性を徐々に失い、そのため、接地部の孔を通して吸収された水および/または泥あるいは他の種類の汚物が染み込んで、その透湿性を損ないがちになるときに、増大する。
【0025】
上記の提案された解決策の双方における短所は、使用中に、上記間底が歩行時に受ける周期的な収縮および引っ張りによって、徐々に進行する上記膜の摩耗および裂開が生じがちであり、そのために、底革に対する防水性の低下が引き起こされる点にある。
【0026】
この短所を未然に防ぐために、イタリア特許第1282196号では、構造的剛性を損なわないように互いに充分に間隔をおいて設けられた、例えば直径が1.5−2.0mmである、複数の小さい孔がある底革を設けることが教示されている。
【0027】
このようにすることで、その底革は、上記膜の裂開に対抗するために、上記間底を充分一体状に支持している。しかしながら、水蒸気が横断できる底革の部分は、実際は、底革に設けられた孔の少なさと狭さとによって制限される。
【0028】
上記膜の裂開に対抗する必要性と、発汗によって作り出された水蒸気の底革を介する効果的処理を可能にする必要性との妥協案を提供することを目的としたさらに別の解決策が、同一の出願人によるイタリア特許第1,334,928号に開示されている。
【0029】
この特許には、少なくとも1つのマクロ部分においてメッシュ、フェルトあるいは他の拡散状有孔材料から作られた支持層構造を有する底革が開示されている。
【0030】
防水性・水蒸気透過性である材料から作られた膜が、少なくとも上記マクロ部分を被覆するために、上向き領域において上記支持層へ結合されている。
【0031】
さらにまた、ポリマー材料から作られ、上記マクロ部分を貫通する少なくとも1つのマクロ孔のある底革が、密封部を形成するために、上記マクロ部分の周辺で上記膜および上記支持層へ接合されている。
【0032】
この特許には、上記膜を、保護層と、上記防水性・透湿性膜に均質状に結合された例えばナイロンメッシュから作られた裂開抵抗層とで補強することによって、その膜を構成するという教示もまた含まれている。上記膜を例えばケブラー(Kevlar)布から作られた高強度層で補強することもまた知られている。
【0033】
従って、上記マクロ孔の存在によって、靴の外側との熱交換および水蒸気交換のために適合された上記膜の大きい表面を区画することができ、同時に、上記防水性・透湿性膜の裂開に対抗するために、上記支持層によって上記底革の構造的剛性の低下が補償される。
【0034】
しかしながら、蒸気透過が自由である底革の大きい部分があることによる利点は、上記支持層を構成するいくつかの層の存在により構成された水蒸気の通過に対する障害物によって減少している。
【0035】
さらに別の解決策が、Rauch Maxによる米国特許第6,508,015号に開示されている。
【0036】
この特許には、2層構造によって設けられた底革が開示されており、その2層はそれぞれ、水蒸気透過性である弾性の上部層、および、この上部層の70%未満を被覆するとともに支持部および接地部としても作用する下部層である。
【0037】
この場合において、底革の透湿性機能は、上記上部層の微孔性構造によって、また、上記下部層の開放形状によって保証されている。
【0038】
上記上部層の微孔性構造は、防水性ではなく、また、例えば焼結プラスチック材料から作られているか、または、合成材料から作られた織布構造あるいは不織布構造によって作られている。
【0039】
この解決策には底革の大きい透湿性区域が提案されているが、上記引用特許に示唆された改良点を採用することによっても、すなわち、上記上部層の微孔性材料を疎水性になるように処理しても、あるいは、薄い防水性膜によって形成されたさらに別の上部層を設けても、効果的に防水性である底革を得ることはできない。
【0040】
上記焼結材料の疎水性処理によって上記上部層を充分にあるいは安定的に防水性にすることはできない、ということが実際に観察されている。
【0041】
しかも、上記上部層へ防水性膜を結合することには、保護層によって支持された膜がある上記解決策に関して記載された短所がいくつかある。
【0042】
さらにまた、この特許の教示に従って、上記支持用下部層により広く露出されて残された上記微孔性上部層を有するように設けられた底革は、毛細管現象によって吸収される水とこの水によって運ばれることのある汚物とに接触すると、上記上部層の進行性変質を受けがちである。
【0043】
上記上部層は、それが汚物で完全に含浸されると、もはや透湿性ではなくなり、また、腐食することがある。この短所は、上記上部層を構成する材料の空隙率が増大するにつれて、なおいっそう明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
この発明の目標は、防水性・透湿性であって、上記短所を未然に防ぎ、現在知られている底革よりも大きい水蒸気の量を放散させることができ、少なくとも同等の長期にわたる防水特性の耐久性がある防水性・透湿性底革を設けることのできる底革用インサートを提供することである。
【0045】
この目標の範囲内で、この発明の1つの目的は、その組付・密封過程およびその構成方法の双方を簡単にし、現在知られている底革と比較してその構造をいっそう可撓性にする底革用インサートを提案することである。
【0046】
この発明の別の目的は、現在知られている底革用インサートと比較して、脂肪質物質による汚染に対してより大きい抵抗性がある底革用インサートを提案することである。
【0047】
この発明の別の目的は、現在知られている底革用インサートと比較して、溶剤による劣化に対してより大きい抵抗性がある底革用インサートを提供することである。
【0048】
この発明の別の目的は、高い物理的強度があり、その結果、耐穿孔特性を備えたさらに別の構成要素を必要としない底革用インサートを提供することである。
【0049】
この発明の別の目的は、汚物を吸収する傾向が減少しており、その結果、現在知られている底革用インサートよりもいっそう容易に手入れすることのできる底革用インサートを提供することである。
【0050】
この発明の別の目的は、構造的にいっそう簡単である底革用インサートを提案することである。
【0051】
この発明の別の目的は、使用しやすく、かつ、比較的低コストで製造することのできる底革用インサートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0052】
この目標、これらの目的、およびこれ以降にいっそう明らかになる他の目的は、液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有している透湿性・防水性底革用インサートであって、このインサートの少なくとも1つの機能部分が、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗(penetration resistance)をそれに付与するような厚さを有していることを特徴とする透湿性・防水性底革用インサートによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
この発明のさらに別の特性および利点は、添付図面において非限定的な例として示されたこの発明による底革用インサートの、好ましいが限定的ではないいくつかの実施形態の記載から、いっそう明らかになるであろう。
【0054】
【図1】図1は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第1構造体の縦断面図である。
【図2】図2は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第2構造体の縦断面図である。
【図3】図3は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第3構造体の縦断面図である。
【図4】図4は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第4構造体の縦断面図である。
【図5】図5は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第5構造体の縦断面図である。
【図6】図6は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第6構造体の縦断面図である。図6aは、この発明による底革用インサートが備わった底革の第6構造体を設けるための工程の模式図である。
【図7】図7は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第7構造体の第1構成変形例の縦断面図である。
【図8】図8は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第7構造体の第2構成変形例の縦断面図である。
【図9】図9は、この発明による底革用インサートが使用される底革の第7構造体の第3構成変形例の縦断面図である。
【図10】図10は、この発明による底革用インサートを備えている底革の第7構造体の第3構成変形例の斜視図である。
【図11】図11は、この発明による底革用インサートを備えている底革の構造における別の実施形態の一部断面斜視図である。
【0055】
この特許取得過程の間にすでに公知であると認められた任意のものは、特許請求されることがなく、また、放棄の対象でない、と解されることに留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図面によれば、参照符号10が透湿性・防水性底革用インサートを全体として表わしており、その特徴は、このインサートが、液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有する点にある。
【0057】
用語「シート状」は、1つの寸法が他の2つの寸法に対して著しく減少されている構造の形状特性を言及するために用いられており、上記寸法は、いかなる場合においても、シートを箔あるいは膜から区別するために広く理解されているものに基づく、その厚さである。
【0058】
しかしながら、この形状特性は、上記インサートの曲がりあるいは撓みの性質をそれ自体、損なう、と理解すべきではない。具体的には、上記厚さは、実質的に0.5〜2mmに構成されていると好都合であり、また、均一であるのが好ましい。
【0059】
この発明によれば、底革用インサート10は、安全靴に関するISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗をそれに付与するような厚さを有している。
【0060】
上記試験方法は、測定される材料の試験片を調達することと、その試験片に、4.50±0.05mmの直径があり、切頭状先端があり、指示された形状および特性がある爪を貫入させることとからなっている。
【0061】
この爪の先端には、60HRCの最小硬度がある。この爪の貫入速度は、その先端が試験片に完全に貫入するまで、10±3mm/分に設定される。この材料の貫入によって生じた最大測定力の値が、ニュートンNで表わされて、記録される。
【0062】
この試験は4つの試験片について実行され、4つの記録値のうちの最小のものが、試験材料の貫入抵抗値として選定される。
【0063】
実質的に同等のやり方において、添付図面には示されていない、この発明による底革用インサートの第1構成変形例は、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法による機能部分を有しているが、この機能部分には、およそ10Nよりも大きい貫入抵抗がある。
【0064】
さらにまた、同じように、添付図面には示されていない、この発明による底革用インサートの第2構成変形例は、上記機能部分を2つ以上、有している。
【0065】
上記機能部分は、ユーザーの足裏のうちの最も発汗が多い領域に対応する底革の1つ以上に影響を及ぼすように適用されているのが好ましい。
【0066】
好ましいのは、上記ポリマー材料が、微孔性の発泡ポリテトラフルオロエチレン、すなわちe−PTFEであることである。
【0067】
さらに詳しく記載されていないこの発明による底革用インサート10の代わりの実施形態では、上記ポリマー材料は、ポリウレタンすなわちPU、ポリエチレンすなわちPE、ポリプロピレンすなわちPP、ポリエステルなどの中から、択一的に選択されている。
【0068】
この発明によれば、上記のように、底革用インサート10は、実質的に0.5mm〜5mmからなる厚さを有しているのが好都合であり、また、均一であるのが好ましい。
【0069】
上記の第1および第2の構成変形例において、上記機能部分は、実質的に0.5mm〜5mmからなる厚さを有しているのが有利であり、均一であるのが好ましい。
【0070】
驚くべきことに、これらの厚さによれば、この発明による底革用インサート10に、脂肪質物質による汚染と発泡PTFEの汚染物質とに対する効果的な抵抗性が付与される。
【0071】
一般に、激しい身体活動があるときには、従って、激しい発汗があるときには、米国特許第4,194,041号にも記載されたような界面活性剤が、汗の中に含まれて、発泡PTFEの薄い被膜に徐々に貫入し、その内側表面を被覆するとともに、上記物質の実質的毛細管吸い取りのためにその防水性の低下を引き起こす、ことが実際にある。
【0072】
普通の防水性・透湿性膜の表面およびこの発明による底革用インサートの表面における発汗によって引き起こされた汚染の影響が、引用された米国特許第4,194,041号に記載された手順に従って、試験された。
【0073】
人間の汗は、激しい身体活動を行うために使用された湿った木綿製アンダーシャツを絞ることによって集められる。25mlの液体の汗が、60mmの直径がある開口を有する容器の中へ注ぎ込まれる。
【0074】
この発明による底革用インサートの材料のサンプルが、上記容器の開口をゴム製ガスケットによって密封するために、結合された。この容器は、上下逆さまにされて、汗がサンプルを通して完全に蒸発するまで、20℃の温度および65%の相対湿度の標準大気条件の中に吊り下げて残された。
【0075】
汗がその容器からすべて消失するのに必要とされる2日間の後に、そのサンプルは、驚くべきことに、汚染の兆候をまったく示さなかった。
【0076】
逆に、伝統的なe−PTFE膜のサンプルに同一の手順で試験をしたところ、そのサンプルは、薄黒いものであり、また、目に見えて汚染されていた。
【0077】
この発明による底革用インサートのサンプルの耐汚染性についての2回目の試験が、そのサンプルに、また、比較のための伝統的なe−PTFE膜のサンプルに、1.0mlの量の油を堆積させることによって、実行された。
【0078】
汚染されていないその伝統的なe−PTFE膜は、直ちに汚染を示し、その白い色を失い、透き通ったものになり、上記油の実質的瞬時通過が可能になった。
【0079】
逆に、この発明による底革用インサートのサンプルは、驚くべきことに、色の変化を示すことがなく、また、72時間の後に上記油の通過がまったく起きなかった。
【0080】
この発明による底革用インサート10は、有利なことに不透水性であるが、その理由は、このインサートには、少なくとも30秒の間、少なくとも1バール(bar)に維持された圧力を受けたときに貫通状通路箇所がまったくないからである。
【0081】
さらに具体的には、防水性は、EN1734規格によって、圧力下の水の浸入に対するサンプルの抵抗度として、算定される。
【0082】
ある材料のサンプルが、圧力下における水のための入口が設けられた容器を閉鎖するために固着される。この容器は、その容器の中へ向かうその材料のサンプルの表面に1.0バールの静水圧を受けさせるために、水で満たされる。この状態は30秒間、維持される。
【0083】
サンプルは、容器の開口と保持用リングとの間にブロックされているが、両者はシリコーンゴムから作られた密封用ガスケットによって被覆されている。
【0084】
加圧は、タンクに源がある水を圧縮空気の流れによって上記容器の中へ押し込むことによって達成される。この圧縮空気は、到達圧力が示される圧力計の備わったバルブによって調整される。
【0085】
上記容器の外側にあるサンプルの表面が観察される。
【0086】
上記表面の上に1mm〜1.5mmの直径を有する水滴が形成された交差箇所(crossing point)が存在しないということは、サンプルの防水性を示している。
【0087】
サンプルの変形を防止することが必要であるときには、一辺の長さが30mm未満であって、合成材料から作られ、かつ、1〜1.2mmの直径がある単繊維によって設けられた正方形のメッシュを有する格子が、そのサンプルの上に固定される。
【0088】
この発明による底革用インサート10には、ASTMのD3786規格に記載された方法によって決定された少なくとも8kgf/cm2に等しい破裂強度がさらにあるのが好ましい。
【0089】
この試験は、限定区域に作用する圧力の増大による上記材料への損傷を模擬実験するために、上記インサートの物理的強度に関する指標を付与することを目的としている。
【0090】
ASTMのD3786規格による破裂強度を算定するために、試験材料の125mmの直径があるサンプルが、合成ゴムから作られた隔壁であって、圧力がかけられた流体によってそのサンプルの破裂限界まで拡張するようにされた隔壁の上方に配置されてブロックされた。
【0091】
サンプルの破裂強度は、サンプルを破裂させるのに必要な総圧力と上記隔壁を拡張させるために必要な較正圧力との差の値で付与される。その強度は、1平方センチメートル当たりのキログラム重[kgf/cm2]で規定されるとともに測定される。
【0092】
この試験は10個のサンプルについて行われ、それらの測定値の平均が、試験材料の破裂強度の値とみなされる。具体的には、直径が48mmであって厚さが1.80mmである合成ゴム製隔壁へ加えられた静水圧は、純度96%のグリセリンによって構成された流体を、ピストンによって、この試験装置の圧力チャンバーの中へ押し込むことで達成された。
【0093】
この発明によれば、底革用インサートには、ISO 20344−2004規格の6.6章に提示された方法によって決定された少なくとも9mg/cm2・hに等しい透湿度(水蒸気透過度)が備わっていると好都合である。
【0094】
ISO 20344−2004規格の6.6章の安全靴に関する「透湿度の測定」には、試験される材料のサンプルを、ある量の固体状乾燥剤、すなわちシリカゲルが収容されている瓶の開口を閉鎖するように固定する、ことからなる試験方法が記載されている。
【0095】
この瓶は、調節された雰囲気において、強い空気流にさらされた。この瓶は、上記固体状乾燥剤を攪拌して、瓶の中に収容された空気を乾燥させるその作用を最適化するために、回転された。この瓶は、上記材料を通過して上記固体状乾燥剤によって吸収された湿気の量を決定するために、試験時間の前後で計量された。
【0096】
次いで、1平方センチメートル当たり、1時間当たりのミリグラムで表現された、瓶の開口の区域の透湿度が、測定された湿気の量とその試験時間とに基づいて算出された。
【0097】
この発明による底革用インサート10には、EN13571規格に提示された方法によって決定された、少なくとも10Nに等しい裂開強度があるのがさらに好都合である。
【0098】
あるサンプルに1つの切れ目が伝播するのに必要とされる平均力として理解される裂開強度は、100mm/分の一定クロスヘッド速度でそのサンプルに作用する調節可能な動力計によって測定された。
【0099】
試験される材料の6個のサンプルがこの試験を受けたが、そのうちの3個には、CALとしても知られ、かつ、その材料の押し出し方向として、あるいはその布地の縦糸方向として定義された方向である長手方向に対して平行に設けられた切れ目があり、残りの3個には、PALとしても知られ、長手方向に対して90度の方向に横断状に設けられた切れ目がある。
【0100】
特徴的なズボン状形状があるサンプルは、その切れ目が引張方向に対して垂直であるように、上記動力計のクランプどうしの間の平面に配置された。
【0101】
このサンプルは、それが引き裂かれるまで引っ張りを受けた。この動きに関連した引張力の値は、記録されるとともに表にされた。
【0102】
ニュートンNで表現された裂開強度が、CAL試験およびPAL試験で記録された引張力の2つの相加平均TSCALおよびTSPALの相加平均として計算された。
【0103】
有利であるのは、この発明による底革用インサート10が、1mm〜5mmの間にある厚さに関し、EN12770規格に提示された方法によって決定された、250mgの最大重量減少に対応する耐摩耗性を有していることである。
【0104】
この抵抗値によれば、底革用インサート10を、接地部として使用することができ。あるいは、使用中に地面に接するものとして使用することができる。
【0105】
サンプルのある表面へ加えられた機械的作用によって引き起こされた摩耗に対する抵抗として理解される耐摩耗性は、靴の底革に関するEN12770規格に従って、摩耗試験機で測定された。
【0106】
試験される材料のサンプルは、直径が150mmで長さが500mmのドラムであって、40rpmの速度で回転するとともにその表面に研磨布が取り付けられたドラムの表面を、長手方向にスライドするようにされた。
【0107】
このサンプルの前方移動は、上記ドラムの各回転について4.20mmである。上記研磨布は、60グリットの酸化アルミニウムで被覆され、1mmの平均厚さを有し、上記ドラムに均一に結合されている。
【0108】
この研磨表面は、40mの研磨経路において、180mg〜220mgの標準的な基準ゴムの重量減少を引き起こす。上記サンプルは、16mmの直径と6mmの最少高さとがある円筒状のものである。
【0109】
この試験は3個のサンプルについて行われ、測定値の平均が摩耗抵抗値に選定された。
【0110】
1立方センチメートル当たりのグラム数〔g/cm3〕が0.9未満である密度を有している材料については、この摩耗試験の結果が、重量の相対的減少としてミリグラム〔mg〕で表現された。これに対して、1立方センチメートル当たりのグラム数〔g/cm3〕が0.9を超える密度を有している材料については、その結果は、その材料の体積重量(密度)の値を用いて、計算についてと同様に、立方ミリメートル〔mm3〕で表現された。
【0111】
具体的には、この発明による底革用インサート10から得られ、0.7g/cm3の密度を有しているサンプルは、20mの研磨経路に沿って、かつ、実測値を2倍することによって算定された、250mg未満の相対質量の減少に相当する摩耗抵抗を示した。
【0112】
この摩耗抵抗は、酢酸エチルビニル、すなわちEVA、あるいはポリウレタン、すなわちPUのような、靴用底革の供給に広く用いられる発泡材料のそれに匹敵する。
【0113】
上記の試験を受けたこの発明による底革用インサート10には、驚くべきことに、次の表1に集約された諸特性が備わっている。
【0114】
【表1】
【0115】
この発明による底革用インサート10の使用は次のとおりである。
【0116】
図1を参照すると、この発明による底革用インサート10は、靴用の防水性・透湿性第1底革構造体100に使用されている。
【0117】
この第1底革構造体100には底革本体110が備わっており、この底革本体110には、下方部分111、これに設けられた接地体112、およびこの発明による底革用インサート10を収容する上方部分113がある。
【0118】
有利であるのは、底革本体110がポリマー材料から、好ましくは、酢酸エチルビニル、すなわちEVA、加硫ゴム、ポリウレタン、すなわちPUから、熱可塑性ポリウレタン、すなわちTPU、あるいは熱可塑性ゴム、すなわちTRのような熱可塑性材料から作られていることである。
【0119】
複数の開口114が、底革本体110をその下方部分111からその上方部分113まで貫通しているが、ここで、これらの上方端115は底革用インサート10によって被覆されている。
【0120】
底革用インサート10の周辺領域10aには、底革本体110の上方部分113に対するその防水性結合のために、密封部116が設けられている。
【0121】
この密封部116は、例えば、底革本体110を底革用インサート10に対して押圧により接着することで、あるいは高周波電気溶融接着として知られた方法で、あるいは底革用インサート10の表面における底革本体110の射出成形で設けられてもよい。
【0122】
この密封部116は、底革用インサート10と底革本体110との間において液体状態にある水の浸入を防止する。
【0123】
第1底革構造体100の代わりの実施形態は、これ以上記載されていなくて、かつ、図面に示されていないが、上記開口を1つ以上、有しており、これらの開口は、上記底革本体に関して大きく、また、この発明による底革用インサートによって被覆され、上記のように、上記底革本体へ周辺で密封されている。
【0124】
特に図2を参照すると、第2底革構造体200が描かれており、これは、この発明による底革用インサート10の表面へ共同型成形されている。
【0125】
この第2底革構造体200には、ポリマー材料から作られているのが好ましい底革本体210が備わっており、この底革本体210には、下方部分211、これに設けられた接地体212、および底革用インサート10を収容する上方部分213がある。
【0126】
複数の開口214が、底革本体210をその下方部分211からその上方部分213まで貫通しているが、ここで、これらの上方端215は底革用インサート10によって被覆されている。
【0127】
底革本体210の上方部分213に対するその防水性結合のために、密封部216が、底革用インサート10へ周辺状に設けられている。
【0128】
この密封部216には周辺フレーム217が備わっているが、その周辺フレーム217は、底革本体210が備わった単一体の中で実質的にC字形であって、防水状態に接着される底革用インサート10の周辺領域10aの周りを取り囲んでいる。
【0129】
具体的に説明すると、周辺領域10aには、周辺フレーム217に接する3つの面がある。
【0130】
周辺フレーム217へ防水状態に結合される上記の面はただ1つでも充分であることに留意すべきである。
【0131】
第2底革構造体200の提供は、底革本体210を形成するように適合されたポリマー材料を、その中に底革用インサート10が配置された金型の中へ射出するかあるいは流体状態で注入する工程と、そこへ付着させる工程と、周辺フレーム217を形成する工程とからなっている。
【0132】
図3に非限定的な例として示された第3底革構造体300は、第1底革構造体100の構成変形例であり、ここで、その密封部116は密封部316で置き換えられており、この密封部316は、周辺環状帯のように形成されているのが有利である密封要素317からなっている。
【0133】
密封要素317は、代わりの実施形態では添付図面に示されていないが、底革用インサート10を完全に被覆するように形成されているとともに、蒸気透過に選定された部分で穿孔されている。
【0134】
密封要素317は、防水性ポリマー材料から、好ましくは酢酸エチルビニル、すなわちEVA、ポリウレタン、すなわちPU、ポリ塩化ビニル、すなわちPVC、あるいはゴムから作られている。
【0135】
密封要素317は、そこへ防水状態に結合されることにより、少なくとも隣接する底革用インサート10の周縁318とそこへ相補するように形成され、かつ、それを収容するとともに上方部分113に設けられた凹所320の周縁319とを被覆している。
【0136】
特に図4を参照すると、第4防水性・透湿性底革構造体400には、ポリマー材料から作られているのが好ましい底革本体410が備わっており、この底革本体410には、下方部分411、これに設けられた接地体412、および上方部分413がある。
【0137】
複数の開口414が、底革本体410をその下方部分411からその上方部分413まで貫通しており、また、これらの開口414の上方端415は上方部分413から出ている。
【0138】
上方部分413は、この発明による底革用インサート10が備わっている複合インサート416を収容するように形成されている。この複合インサート416には、ポリマー材料から作られた周辺の機能リム417がさらに備わっており、この機能リム417は、底革用インサート10へ、例えば、オーバーモールド、耐加水分解性接着剤による接着、あるいは高周波電気溶融による結合によって、防水状態に予備組付けされている。
【0139】
周辺の機能リム417は、底革用インサート10の周辺領域10aを乗り越えているのが好都合である。
【0140】
好ましいのは、複合インサート416に、底革用インサート10の上へ載せられ、かつ、周辺の機能リム417によって囲まれた充填材418がさらに備わっていて、それによって、底革用インサート10の上記周辺領域を乗り越えるその部分によって形成された段差が補償されることである。
【0141】
充填材418は、フェルトあるいは有孔ポリマー材料から作られているのが好ましく、また、例えば、多孔性であり、拡散状に穿孔され、あるいは格子状である著しい透湿性がある構造体を有しているのが好都合である。
【0142】
添付図面に示されていない代わりの実施形態では、上記周辺の機能リムはまた、上記底革用インサートの中央領域に作用するとともに上記充填剤の上記機能を果たす。
【0143】
複合インサート416は、好ましくは接着剤接合によって、底革本体410の上方部分413へ、少なくとも周辺で不透水状に密封されている。
【0144】
図5は、第4底革構造体400の構成変形例を構成する第5底革構造体500を、非限定的な例として示している。
【0145】
第5底革構造体500には、底革本体410へ少なくとも周辺で密封された複合インサート516が備わっている。複合インサート516には、この発明による底革用インサート10が備わっており、その周辺領域10aは、ポリマー材料から作られているのが好都合であってその周りを取り囲むC字形の細革517で、防水状態に結合されている。
【0146】
細革517は、底革用インサート10の上に金型成形されているのが好ましく、その上への微量注入により、あるいは、例えば、熱可塑性ポリウレタン、すなわちTPU、およびポリ塩化ビニル、すなわちPVCから選択されたポリマー材料からなる被膜の高周波電気溶融により、設けられている。
【0147】
特に図6を参照すると、第6防水性・透湿性底革構造体600には、底革本体610が備わっており、この底革本体610には、下方構成要素611、これに設けられた接地体612、および上方構成要素613がある。
【0148】
好都合であるのは、上方構成要素613が、ポリマー材料、好ましくは酢酸エチルビニル、すなわちEVA、あるいはポリウレタン、すなわちPUから作られていることである。
【0149】
複数の開口614が下方構成要素611を貫通しており、ここで、それらの上方端は、この発明による底革用インサート10によって被覆されている。底革用インサート10には、底革本体610へのその防水性結合部の上に、下方構成要素611と上方構成要素613との間に構成されたその周辺領域10aがある。
【0150】
第6防水性・透湿性底革構造体600は、底革用インサート10への下方構成要素611および上方構成要素613の一方の接着あるいはオーバーモールドと、その後の残りの構成要素611あるいは613の半完成構成要素の上への接着あるいはオーバーモールドとによって設けることができる。
【0151】
上方構成要素613は、開口614の存在によって表示され、かつ、透湿性あるいは有孔の充填材616を取り囲んでいて底革用インサート10の上方に配置された透湿性区域の環状リムとして形成されているのが好都合である。
【0152】
第4底革構造体400および第6底革構造体600にはともに、著しい厚さのある底革の存在においてさえも浅いものである、それぞれ414および614で表わされた開口を設けることができる、ことに留意すべきである。
【0153】
実際に、底革用インサート10は、底革構造体400あるいは600の内側に配置され、使用時に上記インサートとユーザーの足裏との間に介在される充填材を乗り越えている。
【0154】
添付図面に示されていない代わりの実施形態では、上記上方構成要素は、底革用インサート10を完全に被覆して、例えば、拡散状に穿孔されているか、多孔性であるか、あるいは網状である中央透湿性領域をもたらす。
【0155】
これらの実施形態では、上記上方構成要素は、上記甲革に直接射出することによって設けられる。
【0156】
非限定的な例による図6aには、靴型621に嵌められ、かつ、組付中底622へ縫い付けられた甲革620の表面に上方構成要素613を直接射出成形する方法の最終工程が模式的に示されている。
【0157】
金型623が、甲革620の一部の表面へ、また、充填材616が下方構成要素611へ結合された底革用インサート10に当接しかつその上に載せられた組付中底622の表面へ閉鎖される。
【0158】
上方構成要素613を形成するための材料が、金型623の中へ射出され、密封部を形成するために、底革用インサート10の周辺領域10aへ結合される。
【0159】
図7、8および9は、フレームのように形状構成され、この発明による底革用インサート10を取り囲み、そこへ密封部を防水状態に形成するために、少なくともその周辺領域10aに埋め込まれている底革本体710を備える第7底革構造体700の3つの構成変形例を示している。
【0160】
上記密封部は、底革本体710と底革用インサート10とを共同型成形することによって得られるのが有利である。
【0161】
共同型成形に代わるものとして、異なる構成的解決策では、底革本体710は底革用インサート10の上記周辺領域へ接着されている。
【0162】
ポリマー材料から作られた接地体スタッド711が、地面に載るように適合され、かつ、底革用インサート10に結合されている。
【0163】
図7は、例示としての第7底革構造体700の第1変形例を示しており、ここでは、接地体スタッド711は、底革用インサート10へ、例えば接着剤接合かあるいはオーバーモールドによって結合され、かつ、底革本体710から離されている。
【0164】
図8は、例示としての第7底革構造体700の第2変形例を示しており、第7底革構造体700には、底革本体710から離されている接地体スタッド711と、底革用インサート10を貫通して設けられた対応収容孔713を密閉状に塞ぐように挿入されたフック状ピン712とが設けられている。
【0165】
添付図面に示されていない第7底革構造体700の上記第2変形例に代わる実施形態では、上記接地体スタッドは、底革用インサート10の上方に配置された内側格子によって相互に結合されているのが有利である。
【0166】
接地体スタッド711は、底革用インサート10の表面へのそれらの射出オーバーモールドによって形成されているのが好都合である。
【0167】
図9は、例示としての第7底革構造体700の第3変形例を示しており、その接地体スタッド711は、底革用インサート10の表面に格子を形成するのが好都合である横断状リブ714によって底革本体710へ結合されている。
【0168】
特に図11を参照すると、この図は、非限定的な例である第8底革構造体800を示しており、この第8底革構造体800には、
底革本体810であって、その上方部分811に、水蒸気の透過が可能なように適合された開口812がある底革本体810、および
この発明による底革用インサート10であって、下方領域において前記開口812を被覆している底革用インサート10
が備わっている。
【0169】
底革用インサート10の下面は、底革800の接地体の少なくとも一部を形成している。さらにまた、底革用インサート10は、それらの間において液体状態にある水の浸入を防止するように底革本体810へ密封されている。
【0170】
実際に、この発明によれば、その底革が現在知られている透湿性底革よりも大量の水蒸気を放散させることのできる防水性・透湿性底革を設けることが可能である防水性・透湿性の底革用インサートを提供することによって、底革の透湿性を制限する支持層、補強層あるいは保護層が存在しないので、意図された上記目標および上記目的が達成されることがわかった。
【0171】
さらにまた、この発明による底革用インサートは、現在知られている底革用インサートよりも脂肪質物質による汚染に対してより高い抵抗性を有し、さらに、上記の現在知られている底革用インサートと比較して、溶剤による劣化に対してより高い抵抗性を有している。
【0172】
さらにまた、この発明による底革用インサートは、現在知られている底革用インサートよりも構造的に簡単である。
【0173】
この発明による底革用インサートは、接地体として地面に直接接する靴にそれを使用することができるように、摩耗に対するそのような抵抗性を有している。
【0174】
液体および湿気を吸収しやすいフェルトおよび他の多孔性材料からなる保護層が設けられた現在知られている底革用インサートと比較して、この発明による底革用インサートは、液体および湿気を吸収することがなく、また、液体の滞留あるいは底革の中への水の吸い取りがない。
【0175】
補強層および保護層の補強および保護の必要性がないので、この発明による底革用インサートは、現在知られている種類のインサートよりも大きい透湿性表面を有しているが、その理由は、同表面のこの部分が、存在によって透湿性を妨げる補強層および保護層へのにかわおよび接着剤によって、影響を受けるからである。
【0176】
このように構想されたこの発明は、多数の修正および変更を受けることができるが、それらのすべては、添付の特許請求の範囲の適用範囲内にあり、すべての細部は、技術的に同等の他の構成要素で置き換えることができる。
【0177】
実際に、用いられる材料は、それらが特定の用途に適合できるものである限り、不確定な形状および寸法と同様に、要求および最新技術に従ういかなるものであってもよい。
【0178】
この出願が優先権を主張するヨーロッパ特許出願第09425336.6号における開示は、参照によってこの明細書に組み入れられている。
【0179】
任意の請求項において言及された技術的特徴構成が参照符号に従うときには、それらの参照符号は、特許請求の範囲の理解度を向上させる目的だけのために含まれており、そのような参照符号には、そのような参照符号によって例示として識別されたそれぞれの要素の解釈に関するどのような限定的効果もない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有している透湿性・防水性底革用インサートであって、このインサートの少なくとも1つの機能部分が、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗をそれに付与するような厚さを有していることを特徴とする透湿性・防水性底革用インサート。
【請求項2】
前記ポリマー材料は、微孔性の発泡ポリテトラフルオロエチレン、すなわちe−PTFEであることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項3】
前記ポリマー材料は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリエステルの中から選択されていることを特徴とする請求項1または2に記載の底革用インサート。
【請求項4】
少なくとも前記機能部分で、実質的に0.5mm〜5mmからなる厚さを有していることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項5】
EN1734規格によって、少なくとも30秒間、維持された少なくとも1バールの圧力を受けるときに、交差箇所がないことによって防水性であることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項6】
ASTMのD3786規格によって決定された少なくとも8kgf/cm2に等しい破裂強度があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項7】
ISO 20344−2004規格の6.6章に提示された方法によって決定された少なくとも9mg/cm2・hに等しい透湿度があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項8】
EN13571規格に提示された方法によって決定された、少なくとも10Nの裂開強度があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項9】
1mm〜5mmの間にある厚さに関し、EN12770規格に提示された方法によって決定された、250mg未満の重量減少に対応する耐摩耗性があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項10】
実質的に均一の厚さを有していることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項11】
下方領域に接地体が設けられた底革本体を備え、この底革本体(110,210,410,610,710,810)が、水蒸気透過のために適合された少なくとも1つの開口を有していることと、液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有している透湿性・防水性底革用インサートであって、このインサートの少なくとも1つの機能部分が、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗をそれに付与するような厚さを有している底革用インサートによって被覆されていることとを特徴とする防水性・透湿性底革構造体(100,200,300,400,500,600,700,800)。
【請求項12】
前記底革本体(110,210,410)は、前記接地体(112,212,412,612)が設けられている下方部分(111,211,411,611)と、液体状態にある水に対して不透過性である手法で周辺領域(10a)において密封された前記底革用インサート(10)を収容する上方部分(113,213,413)とを備えていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(100,200,300,400,500)。
【請求項13】
前記底革本体(110,210,410)に対する前記底革用インサート(10)の周辺領域(10a)の防水性密封部(116,216,316)を有していることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(100,200,300)。
【請求項14】
前記密封部(116)は、前記周辺領域(10a)を前記上方部分(113)へ押圧して接着することから構成されていることを特徴とする請求項13に記載の底革構造体(100)。
【請求項15】
前記密封部(216)は、周辺フレーム(217)を備え、この周辺フレーム(217)は、前記底革本体(210)を有する単一体の中にあり、かつ、前記周辺領域(10a)の周りを取り囲むためにC字形であり、少なくともその接触面でそこへ不透水状に接着されていることを特徴とする請求項13に記載の底革構造体(200)。
【請求項16】
前記密封部(316)は、密封要素(317)によって設けられ、この密封要素(317)は、そこへ不透水状に結合されることによって、少なくとも隣接する前記底革用インサート(10)の周縁(318)と前記上方部分(113)の周縁(319)とを被覆していることを特徴とする請求項13に記載の底革構造体(300)。
【請求項17】
複合インサート(416)を備え、この複合インサート(416)は、
少なくとも周辺で前記底革本体(410)へ密封されているとともに、
底革用インサート(10)、
この底革用インサート(10)へ防水状態に予備組付けされた周辺の機能リム(417,517)
を備え、
前記周辺の機能リム(417,517)は、前記底革用インサート(10)の周辺領域(10a)を取り囲んでいる
ことを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(400,500)。
【請求項18】
前記底革本体は、前記接地体(612)が設けられた下方部分(611)と、上方部分(613)とを備え、前記底革用インサート(10)は、それを前記底革本体へ不透水状に密封するために、前記下方部分(611)と前記上方部分(613)との間に構成された周辺領域(10a)を有していることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(600)。
【請求項19】
前記底革用インサート(10)の少なくとも中央領域を被覆するとともに透湿性構造体を有する充填要素(418,616)を備えていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(400,600)。
【請求項20】
前記底革用インサート(10)を取り囲むフレームのように形成され、少なくともその周辺領域(10a)を埋め込んでいるとともに、それ自体をそれに不透水状に密封している底革本体(710)を備え、ポリマー材料から作られて地面に載るように適合された接地体スタッド(711)が、底革用インサート(10)に結合されていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(700)。
【請求項21】
前記接地体スタッド(711)が、前記底革本体(710)から離されており、前記底革用インサート(10)へいっしょに結合されていることを特徴とする請求項20に記載の底革構造体(700)。
【請求項22】
前記接地体スタッド(711)に、前記底革用インサート(10)を貫通して設けられた対応収容孔(713)の中に密封部を形成するように挿入された貫通ピン(713)が設けられていることを特徴とする請求項20に記載の底革構造体(700)。
【請求項23】
前記接地体スタッド(711)が、前記底革用インサート(10)の下方に格子を形成する横断状リブ(714)によって前記底革本体(710)へ結合されていることを特徴とする請求項20に記載の底革構造体(700)。
【請求項24】
底革構造体(810)を備え、この底革構造体(810)は、その上方部分(811)に、前記少なくとも1つの開口(812)が設けられ、その開口(812)が下方領域において前記底革用インサート(10)によって被覆され、その下面(13)が前記接地体の少なくとも一部を形成し、前記底革用インサート(10)が、それらの間において液体状態にある水の浸透を防止するために前記底革構造体(810)へ密封されていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(800)。
【請求項1】
液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有している透湿性・防水性底革用インサートであって、このインサートの少なくとも1つの機能部分が、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗をそれに付与するような厚さを有していることを特徴とする透湿性・防水性底革用インサート。
【請求項2】
前記ポリマー材料は、微孔性の発泡ポリテトラフルオロエチレン、すなわちe−PTFEであることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項3】
前記ポリマー材料は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリエステルの中から選択されていることを特徴とする請求項1または2に記載の底革用インサート。
【請求項4】
少なくとも前記機能部分で、実質的に0.5mm〜5mmからなる厚さを有していることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項5】
EN1734規格によって、少なくとも30秒間、維持された少なくとも1バールの圧力を受けるときに、交差箇所がないことによって防水性であることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項6】
ASTMのD3786規格によって決定された少なくとも8kgf/cm2に等しい破裂強度があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項7】
ISO 20344−2004規格の6.6章に提示された方法によって決定された少なくとも9mg/cm2・hに等しい透湿度があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項8】
EN13571規格に提示された方法によって決定された、少なくとも10Nの裂開強度があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項9】
1mm〜5mmの間にある厚さに関し、EN12770規格に提示された方法によって決定された、250mg未満の重量減少に対応する耐摩耗性があることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項10】
実質的に均一の厚さを有していることを特徴とする請求項1に記載の底革用インサート。
【請求項11】
下方領域に接地体が設けられた底革本体を備え、この底革本体(110,210,410,610,710,810)が、水蒸気透過のために適合された少なくとも1つの開口を有していることと、液体状態にある水に対して不透過性であり、かつ、水蒸気に対して透過性であるポリマー材料から作られた一体型シート状構造を有している透湿性・防水性底革用インサートであって、このインサートの少なくとも1つの機能部分が、ISO 20344−2004規格の5.8.2章に提示された方法によって算定されたおよそ10Nよりも大きい貫入抵抗をそれに付与するような厚さを有している底革用インサートによって被覆されていることとを特徴とする防水性・透湿性底革構造体(100,200,300,400,500,600,700,800)。
【請求項12】
前記底革本体(110,210,410)は、前記接地体(112,212,412,612)が設けられている下方部分(111,211,411,611)と、液体状態にある水に対して不透過性である手法で周辺領域(10a)において密封された前記底革用インサート(10)を収容する上方部分(113,213,413)とを備えていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(100,200,300,400,500)。
【請求項13】
前記底革本体(110,210,410)に対する前記底革用インサート(10)の周辺領域(10a)の防水性密封部(116,216,316)を有していることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(100,200,300)。
【請求項14】
前記密封部(116)は、前記周辺領域(10a)を前記上方部分(113)へ押圧して接着することから構成されていることを特徴とする請求項13に記載の底革構造体(100)。
【請求項15】
前記密封部(216)は、周辺フレーム(217)を備え、この周辺フレーム(217)は、前記底革本体(210)を有する単一体の中にあり、かつ、前記周辺領域(10a)の周りを取り囲むためにC字形であり、少なくともその接触面でそこへ不透水状に接着されていることを特徴とする請求項13に記載の底革構造体(200)。
【請求項16】
前記密封部(316)は、密封要素(317)によって設けられ、この密封要素(317)は、そこへ不透水状に結合されることによって、少なくとも隣接する前記底革用インサート(10)の周縁(318)と前記上方部分(113)の周縁(319)とを被覆していることを特徴とする請求項13に記載の底革構造体(300)。
【請求項17】
複合インサート(416)を備え、この複合インサート(416)は、
少なくとも周辺で前記底革本体(410)へ密封されているとともに、
底革用インサート(10)、
この底革用インサート(10)へ防水状態に予備組付けされた周辺の機能リム(417,517)
を備え、
前記周辺の機能リム(417,517)は、前記底革用インサート(10)の周辺領域(10a)を取り囲んでいる
ことを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(400,500)。
【請求項18】
前記底革本体は、前記接地体(612)が設けられた下方部分(611)と、上方部分(613)とを備え、前記底革用インサート(10)は、それを前記底革本体へ不透水状に密封するために、前記下方部分(611)と前記上方部分(613)との間に構成された周辺領域(10a)を有していることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(600)。
【請求項19】
前記底革用インサート(10)の少なくとも中央領域を被覆するとともに透湿性構造体を有する充填要素(418,616)を備えていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(400,600)。
【請求項20】
前記底革用インサート(10)を取り囲むフレームのように形成され、少なくともその周辺領域(10a)を埋め込んでいるとともに、それ自体をそれに不透水状に密封している底革本体(710)を備え、ポリマー材料から作られて地面に載るように適合された接地体スタッド(711)が、底革用インサート(10)に結合されていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(700)。
【請求項21】
前記接地体スタッド(711)が、前記底革本体(710)から離されており、前記底革用インサート(10)へいっしょに結合されていることを特徴とする請求項20に記載の底革構造体(700)。
【請求項22】
前記接地体スタッド(711)に、前記底革用インサート(10)を貫通して設けられた対応収容孔(713)の中に密封部を形成するように挿入された貫通ピン(713)が設けられていることを特徴とする請求項20に記載の底革構造体(700)。
【請求項23】
前記接地体スタッド(711)が、前記底革用インサート(10)の下方に格子を形成する横断状リブ(714)によって前記底革本体(710)へ結合されていることを特徴とする請求項20に記載の底革構造体(700)。
【請求項24】
底革構造体(810)を備え、この底革構造体(810)は、その上方部分(811)に、前記少なくとも1つの開口(812)が設けられ、その開口(812)が下方領域において前記底革用インサート(10)によって被覆され、その下面(13)が前記接地体の少なくとも一部を形成し、前記底革用インサート(10)が、それらの間において液体状態にある水の浸透を防止するために前記底革構造体(810)へ密封されていることを特徴とする請求項11に記載の底革構造体(800)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6a】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6a】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−502948(P2013−502948A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525971(P2012−525971)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061355
【国際公開番号】WO2011/023510
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(502346105)ジェオックス エス.ピー.エー. (27)
【氏名又は名称原語表記】GEOX S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Feltrina Centro 16,31044 MONTEBELLUNA(Treviso),Localita Biadene,ITALY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061355
【国際公開番号】WO2011/023510
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(502346105)ジェオックス エス.ピー.エー. (27)
【氏名又は名称原語表記】GEOX S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Feltrina Centro 16,31044 MONTEBELLUNA(Treviso),Localita Biadene,ITALY
【Fターム(参考)】
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