説明

透過試験装置

【課題】簡易な構成で多数の試料の透過性を並行して試験することが可能な透過試験装置を提供する。
【解決手段】レシーバー液体Rを受け入れ可能な複数のウェルWを有するウェルプレート10と、少なくとも2個以上のウェルWを内部に取り込む大きさで、ウェルプレート10の上部に配置されるべき透過膜21を保持する膜保持枠22と、膜保持枠22内の透過膜21上に密着配置可能で、ウェルプレート10のウェルWと透過膜を挟んで上下に連なるように複数の貫通孔31が設けられている供給プレート30とを備えた透過試験装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の透過性を試験する透過試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品や化粧品等に利用される物質の研究において、研究対象となる試料の透過性を試験するために、フランツ型拡散セルや、水平拡散セルといった透過試験装置が利用される(非特許文献1、2参照)。また、マルチウェルプレートを利用した透過試験装置も知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2004−531267
【非特許文献1】The effect of terpene concentrations on the skin penetration of diclofenac sodium.Int J Pharm. 2007 Apr 20;335(1−2):97−105. Epub 2006 Nov 3.PMID: 17174049 [PubMed − in process]
【非特許文献2】Effect of the absorption enhancer, Azone, on the transport of 5−fluorouracil across hairless rat skin.J Pharm Pharmacol. 1985 Aug;37(8):578−80.PMID: 2864423 [PubMed − indexed for MEDLINE]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フランツ型拡散セルや水平拡散セルでは、一回の試験につき一つの試料しか試験できないため、多数の試料を試験するには、膨大な時間を要する。また、マルチウェル試験装置では、一回の試験で多数の試料を試験できるが、フィルタープレートの各ウェルに透過膜を固着させなければならないため、作業者に負担を強いる。
【0004】
そこで、本発明は簡易な構成で多数の試料の透過性を並行して試験することが可能な透過試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の透過試験装置は、レシーバー液体(R)を受け入れ可能な複数のウェル(W)を有するウェルプレート(10)と、少なくとも2個以上のウェルを内部に取り込む大きさで、前記ウェルプレートの上部に配置されるべき透過性を有する膜(21)を保持する膜保持枠(20)と、前記膜保持枠内の膜上に密着配置可能で、前記ウェルプレートのウェルと前記膜を挟んで上下に連なるように複数の貫通孔(31)が設けられている供給プレート(30)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0006】
本発明の透過試験装置によれば、供給プレートの貫通孔の位置がウェルプレートのウェルの位置と同じ間隔で設けられているので、貫通孔とウェルとがそれぞれ対となる。少なくとも2個以上の対に対して一枚の膜が挟まれ、供給プレートは膜に対して密着されるように設置される。これにより、貫通孔はドナー液体を保持でき、複数の対に対して一枚の膜で透過試験ができる。従って、簡易な構成で多数の試料の透過性を平行して試験することができる。
【0007】
膜保持枠が供給プレートを位置決めする透過試験装置の一形態において、前記膜保持枠の内周(22a)は、前記供給プレートを嵌め込み可能な大きさであってもよい。この形態によれば、膜保持枠に供給プレートを嵌め込むことで、膜保持枠に供給プレートを固定することができる。これにより、安定して透過試験をすることができる。また、膜保持枠が供給プレートを位置決めするので、膜保持枠に供給プレートを容易に設置することができる。
【0008】
本発明の透過試験装置の一形態において、前記ウェルプレートの温度を調整する温度調整装置を備えてもよい。この形態によれば、ウェルプレートの温度を調整することで透過試験をより有効に実施することができる。
【0009】
温度調整装置を設けた透過試験装置の一形態において、前記複数のウェルのそれぞれの底部(W2)の外周を嵌め込み可能な複数の凹部(8)が設けられた金属プレート(4)をさらに備え、前記温度調整装置は前記金属プレートを加温してもよい。この形態によれば、金属プレートがウェルプレートのウェルに対して熱を均一に付与するので、ウェル毎の個体差のない信頼性の高い試験ができる。
【0010】
本発明の透過試験装置の一形態において、前記ウェルプレートを振動させて前記ウェルプレート内のレシーバー液体を攪拌する攪拌装置(3)を備えてもよい。この形態によれば、レシーバー液体を攪拌することにより、透過試験をより有効に実施することができる。
【0011】
攪拌装置を備えた透過試験装置の一形態において、前記レシーバー液体を攪拌する攪拌部材(B)を前記ウェルに備えてもよい。この形態によれば、攪拌装置により攪拌部材が揺動して、ウェル内を移動する。これにより、レシーバー液体を十分に攪拌することができる。
【0012】
本発明の透過試験器具は、レシーバー液体(R)を受け入れ可能な複数のウェル(W)を有するウェルプレート(10)に設置可能な透過試験器具(22、30)であって、少なくとも2個以上のウェルを内部に取り込む大きさで、前記ウェルプレートの上部に配置されるべき透過性を有する膜(21)を保持する膜保持枠(22)と、前記膜保持枠内の膜上に密着配置可能で、前記ウェルプレートのウェルと前記膜を挟んで上下に連なるように複数の貫通孔(31)が設けられている供給プレート(30)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0013】
本発明の透過試験器具によれば、ウェルプレートのウェルの位置と同じ間隔で供給プレートの貫通孔が設けられている。膜を保持した膜保持枠と供給プレートとをウェルプレートの上部に設置すると、一枚の膜に対して少なくとも2個以上のウェルと貫通孔との対が構成される。これにより、複数の対に対して一枚の膜で透過試験ができる。従って、簡易な構成で多数の試料の透過性を平行して試験することが可能な透過試験器具を提供することができる。
【0014】
本発明の透過試験器具の一形態において、前記ウェルプレートを振動させて前記ウェルプレート内のレシーバー液体を攪拌する攪拌装置(3)をさらに備えてもよい。攪拌装置を備えることにより、透過試験をより有効に実施することができる透過試験器具を提供することができる。
【0015】
本発明の透過試験器具は、レシーバー液体(R)を受け入れ可能な複数のウェル(W)を有するウェルプレート(10)と、前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の貫通孔(31)が設けられている供給プレート(30)との間に設置可能な透過試験器具(21、22)であって、少なくとも2個以上のウェルを内部に取り込む大きさで、前記ウェルプレートの上部に配置されるべき培養膜組織(21)と、前記培養膜組織を保持する膜保持枠(22)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0016】
本発明の透過試験器具によれば、ウェルプレートのウェルの位置と同じ間隔で供給プレートの貫通孔が設けられている。培養膜組織を保持した膜保持枠をウェルプレートと供給プレートとの間に設置すると、一枚の膜に対して少なくとも2個以上のウェルと貫通孔との対が構成される。これにより、複数の対に対して一枚の膜で透過試験ができる。従って、簡易な構成で多数の試料の透過性を平行して試験することが可能な透過試験器具を提供することができる。
【0017】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
以上に説明したように、本発明の透過試験装置によると、供給プレートの貫通孔の位置がウェルプレートのウェルの位置と同じ間隔で設けられているので、貫通孔とウェルとがそれぞれ対となる。膜保持枠により少なくとも2個以上の対に挟まれるように一枚の膜が挟まれ、供給プレートは膜に対して密着されるように設置される。これにより、貫通孔はドナー液体を保持でき、複数の対に対して一枚の膜で透過試験ができる。従って、簡易な構成で多数の試料の透過性を平行して試験することができる。よって、作業者の負担を軽減し、作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の一形態に係る透過試験装置を示す概略図である。透過試験装置1は、試料の透過性を試験するウェルプレートユニット2と、ウェルプレートユニット2内の試料を攪拌するための攪拌装置3と、ウェルプレートユニット2内の試料の温度を均一化する金属プレート4とを備える。ウェルプレートユニット2についての詳細は後述する。攪拌装置3は、ウェルプレートユニット2を載置する載置部5と、載置部5上に設置されてウェルプレートユニット2に熱を供給する熱供給プレート6とを備える。載置部5は、図示しない駆動装置により所定の振幅で揺動する。水平方向で少なくとも一つの方向に揺動すればよい。例えば、直線往復運動や水平回転運動するように載置部5を駆動すればよい。駆動装置としては、電動モータ等が利用される。
【0020】
熱供給プレート6は、熱伝導性のよい素材、例えば金属等で構成される。図示の例では、熱供給プレート6は載置部5上に4つ設置されている。攪拌装置3は、内部に図示しない温度調整装置を備え、その温度調整装置により熱供給プレート6に対して熱が供給される。熱供給プレート6には、熱供給プレート6を囲む仕切り7が設けられている。仕切り7は、熱供給プレート6に載置されるウェルプレートユニット2を保持する。これにより、攪拌装置3の揺動によるウェルプレートユニット2の移動を制限する。金属プレート4は熱供給プレート6の上に設置され、金属プレート4の上にはウェルプレートユニット2が設置可能である。金属プレート4は、複数の凹部8を備える。複数の凹部8は、後述するウェルプレート10の複数のウェルW(図3)を嵌め込み可能に設けられる。
【0021】
図2はウェルプレートユニット2の斜視図であり、図3はその側面図である。ウェルプレートユニット2は、レシーバー液体Rを受け入れ可能なウェルプレート10と、ウェルプレート10の上部に配置される透過部20と、透過部20の上部に配置されてドナー液体Dを受け入れ可能な供給プレート30とを備える。図示の例では、1つのウェルプレート10に対して透過部20及び供給プレート30が2つずつ設置されている。レシーバー液体R及びドナー液体Dは、透過試験のために調製された試料を用いる。
【0022】
図4はウェルプレート10の上面図である。ウェルプレート10は、マトリクス状に並べられた複数のウェルWを有する。図示のウェルプレート10は96個のウェルWを有している。各ウェルWは略円筒状で、ウェル上部W1は開口が形成され、かつウェル底部W2は閉じている。ウェル上部W1からレシーバー液体Rを注入可能である。ウェル底部W2の直径は、ウェル上部W1の直径よりも若干小さい。ウェルプレート10は、各種市販のウェルプレートを利用してもよい。また、レシーバー液体Rの注入対象のウェルWには、攪拌部材としての攪拌球Bが1つずつ入れられる。攪拌球Bは、球状で、白金により形成される。また、攪拌球Bは、ウェル底部W2内で回転移動可能な程度の大きさであればよい。
【0023】
図5は透過部20の上面図である。透過部20は、透過性を有する膜としての透過膜21と、透過膜21を保持する膜保持枠22と、膜保持枠22に透過膜21を固定する留め具23とを備える。透過膜21は、ドナー液体Dの透過性を試験する膜であり、例えば、ラット等の生物から摘出した皮膚や、人工膜、培養膜組織等が利用される。培養膜組織とは、細胞を培養することによって得られる膜状の組織のことをいい、培養皮膚や培養角膜などが挙げられる。これらの膜は、透過試験の目的に応じて選択される。膜保持枠22は、透過膜21の縁を保持してウェルプレート10上に設置可能である。膜保持枠22は、少なくとも2個以上のウェルWを内部に取り込む大きさである。膜保持枠22は、複数のウェルWに対して一枚の透過膜21が利用されるようにして透過膜21を保持する。図示の例では、膜保持枠22は、40個のウェルWを内部に取り込んでいる。膜保持枠22の大きさは、ウェルプレート10の大きさ、又は使用する透過膜21の大きさに応じて決定してもよい。また、試験で利用するウェルWの個数に応じて大きさを決定してもよい。膜保持枠22は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂により形成される。膜保持枠22と透過膜21とは留め具23で留められる。膜保持枠22は、留め具23を留めたことによる割れが生じることなく、透過膜21を保持できる程度の強度があればよい。留め具23は、金属からなる芯で、例えば、タッカーやステープラー等の各種市販の装置を利用して留められる。また、その他にも接着剤等を利用することにより、透過膜21を膜保持枠22に固定してもよい。膜保持枠22の内周22aは、供給プレート30の外周30a(図6)と略一致する。膜保持枠22内に供給プレート30を嵌め込むことで、供給プレート30は透過部20に対して位置決めされる。
【0024】
図6は供給プレート30の上面図である。供給プレート30は、例えば、ガラスといった薬物の吸着がない素材で形成される。供給プレート30は、供給プレート30を貫通する円筒形状の複数の貫通孔31を有する。貫通孔31は、供給プレート30がウェルプレート10の上部に設置されたときに、ウェルプレート10の複数のウェルWと上下に連なるように供給プレート30に設けられている。これにより、一対の貫通孔31及びウェルWがウェルプレートユニット2に複数形成される。供給プレート30は透過部20の上部に設置されて、透過膜21と供給プレート底部30bとが密着する。この状態でドナー液体Dが貫通孔31に注入可能となる。
【0025】
次に本発明の一形態に係る透過試験装置1を利用した試験の手順について説明する。まず、ウェルプレートユニット2での準備を説明する。ウェルプレート10の複数のウェルWのうち、試験で使用するウェルWに対して攪拌球Bと、レシーバー液体Rとを入れる。本形態では、透過部20及び供給プレート30を2つずつ使用しているので、設置の都合上、一部に利用されないウェルW3が存在する。次に、透過部20をウェルプレート10の所定の位置に設置する。ウェルWと貫通孔31とが上下に連なるように膜保持枠22の位置を予め設定しておけばよい。なお、試験精度の観点からウェルW内に空気が入らないようにして透過部20を設置するとよい。供給プレート30は、膜保持枠22内に設置する。供給プレート30の外周30aが膜保持枠22の内周22aに嵌め込まれて膜保持枠22内に固定されることにより位置決めされる。そして、ドナー液体Dを貫通孔31に注入する。注入するドナー液体Dは試験の目的に応じて調製される。例えば、試験対象となる試料の混合割合を貫通孔31毎に変化させてもよい。なお、レシーバー液体R及びドナー液体Dは、市販されている各種分注装置によりウェルW及び貫通孔31に注入してもよい。
【0026】
攪拌装置3の熱供給プレート6には、予め金属プレート4が設置される。準備が終了したウェルプレートユニット2は、金属プレート4の複数の凹部8のそれぞれと、ウェルプレート10の複数のウェルWのそれぞれのウェル底部W2の外周とが嵌め込まれるようにして攪拌装置3に載置される。熱供給プレート6は、所定の温度に設定されて金属プレート4に熱を供給する。金属プレート4を介して加温されるため、それぞれのウェルWは均一な温度に保たれる。攪拌装置3により載置部5に載置されたウェルプレートユニット2が振動する。これにより、攪拌球BがウェルW内を回転移動して、レシーバー液体Rが攪拌される。透過試験の目的に応じて攪拌に要する時間は設定される。なお、透過膜21が培養膜組織であれば、その細胞が破壊されない程度の速度と振幅で振動させるとよい。攪拌中、各貫通孔31に注入されたドナー液体Dの透過膜21に対する透過性が試験される。所定の時間の後、攪拌が終了される。複数のウェルWのレシーバー液体Rがそれぞれ採取されて試料の透過度が測定される。
【0027】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。本形態では、攪拌装置3の載置部5に熱供給プレート6が4つ設置された例で説明したが、これに限定されず、任意の設置数の攪拌装置を利用してもよい。例えば、熱供給プレート6が1つ設置された攪拌装置3を利用してもよい。載置部5のスペースが熱供給プレート6の1つ分で足りるので、攪拌装置3の設置スペースが少なくてすむ。
【0028】
本形態では、攪拌装置3によりウェルプレートユニット2を振動させて攪拌球BがウェルW内を回転移動することでレシーバー液体Rを攪拌したが、これに限定されない。例えば、攪拌装置としてマグネチックスターラーや電磁スターラー等の各種周知技術を利用したスターラーを用いてもよい。各種スターラーによってウェルWのそれぞれに入れられた回転子が回転されるのでレシーバー液体を攪拌できる。
【0029】
本形態では、金属プレート4を設置してウェルプレート10を加温したが、これに限定されない。金属プレート4は、ウェルプレート10のウェル底部W2の外周の形状が非水平の場合や、ウェルプレート10を載置したときにウェル底部W2が載置面と接触しない構成の場合等に有効である。例えば、ウェル底部の外周の形状が水平で載置面と接触する場合は、金属プレート4を省略して、熱供給プレート6にウェルプレート10を直接設置してもよい。また、温度調整装置は、ウェルプレートに熱を供給して加温するだけではなく、ウェルプレートを冷却してもよい。
【0030】
透過部20及び供給プレート30をウェルプレート10に対して2つずつ設置した例で説明したが、これに限定されない。例えば、1つのウェルプレート10に対して透過部20及び供給プレート30が1つずつの設置でもよい。また、実験対象となる透過膜21に合わせて、3つ以上の透過部20を設けてもよい。複数のウェルに対して1つの透過膜21を利用することで、多数の試料の透過性を並行して試験することができる。透過部20は、実験により適宜設計してもよい。供給プレート30は、膜保持枠22の設計に合わせて作成すればよい。
【0031】
ウェルWが96個設けられたウェルプレート10で説明したが、これに限定されない。例えば、6個、12個、24個、48個、384個又は1536個等のウェルを有するウェルプレートを利用してもよい。これらの場合においても、複数のウェルに対して1つの透過膜21を利用することで多数の試料の透過性を平行して試験することができる。ウェルに入れられる攪拌球の大きさは、ウェルの大きさに応じて決定すればよい。攪拌装置による揺動の振幅に応じて決定してもよい。また、一つのウェルに対して複数の攪拌球を入れてもよい。ウェル底部の面積が大きい場合は、攪拌球の移動を制限する仕切りを設けて各仕切り内にそれぞれ攪拌球をウェルに入れてもよい。
【0032】
攪拌球Bの形状は球に限定されない。例えば、円盤形状や楕円形状であってもよい。攪拌装置3による揺動により移動可能な形状であれば、いずれの形状でもよい。また、攪拌球Bの素材として白金を利用した例で説明したが、これに限定されない。例えば、ガラスやステンレスといった薬物の吸着がない材料で形成されていてもよい。また、比較的質量の大きい金属をフッ素樹脂で覆ってもよい。回転安定性及び耐薬品性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一形態に係る透過試験装置を示す概略図。
【図2】ウェルプレートユニットの斜視図。
【図3】ウェルプレートユニットの側面図。
【図4】ウェルプレートの上面図。
【図5】透過部の上面図。
【図6】供給プレートの上面図。
【符号の説明】
【0034】
1 透過試験装置
2 ウェルプレートユニット
3 攪拌装置
10 ウェルプレート
20 透過部
21 透過膜(膜)
22 膜保持枠
30 供給プレート
31 貫通孔
B 攪拌球(攪拌部材)
D ドナー液体
R レシーバー液体
W ウェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシーバー液体を受け入れ可能な複数のウェルを有するウェルプレートと、
少なくとも2個以上のウェルを内部に取り込む大きさで、前記ウェルプレートの上部に配置されるべき透過性を有する膜を保持する膜保持枠と、
前記膜保持枠内の膜上に密着配置可能で、前記ウェルプレートのウェルと前記膜を挟んで上下に連なるように複数の貫通孔が設けられている供給プレートと、
を備えたことを特徴とする透過試験装置。
【請求項2】
前記膜保持枠の内周は、前記供給プレートを嵌め込み可能な大きさであることを特徴とする請求項1に記載の透過試験装置。
【請求項3】
前記ウェルプレートの温度を調整する温度調整装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の透過試験装置。
【請求項4】
前記複数のウェルのそれぞれの底部の外周を嵌め込み可能な複数の凹部が設けられた金属プレートをさらに備え、前記温度調整装置は前記金属プレートを加温することを特徴とする請求項3に記載の透過試験装置。
【請求項5】
前記ウェルプレートを振動させて前記ウェルプレート内のレシーバー液体を攪拌する攪拌装置を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透過試験装置。
【請求項6】
前記レシーバー液体を攪拌する攪拌部材を前記ウェルに備えたことを特徴とする請求項5に記載の透過試験装置。
【請求項7】
レシーバー液体を受け入れ可能な複数のウェルを有するウェルプレートに設置可能な透過試験器具であって、
少なくとも2個以上のウェルを内部に取り込む大きさで、前記ウェルプレートの上部に配置されるべき透過性を有する膜を保持する膜保持枠と、
前記膜保持枠内の膜上に密着配置可能で、前記ウェルプレートのウェルと前記膜を挟んで上下に連なるように複数の貫通孔が設けられている供給プレートと、
を備えたことを特徴とする透過試験器具。
【請求項8】
前記ウェルプレートを振動させて前記ウェルプレート内のレシーバー液体を攪拌する攪拌装置をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の透過試験器具。
【請求項9】
レシーバー液体を受け入れ可能な複数のウェルを有するウェルプレートと、前記ウェルプレートのウェルと上下に連なるように複数の貫通孔が設けられている供給プレートとの間に設置可能な透過試験器具であって、
少なくとも2個以上のウェルを内部に取り込む大きさで、前記ウェルプレートの上部に配置されるべき培養膜組織と、
前記培養膜組織を保持する膜保持枠と、
を備えたことを特徴とする透過試験器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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