逐次的弁タイミングを有する弁付き雄型ルアー・コネクタ
【課題】係合が外れたとき、コネクタの使用者がルアーの先端面に残る有害な薬物から保護されるように、雄型−雌型接続部において雄型ルアー・コネクタを密閉するルアー接続部を提供する。
【解決手段】雄型コネクタ200は、2つの内部弁206、208と、真空状態形成構造体212、210とを有し、非係合の間、コネクタ間の境界面に残るいずれの流体も雄コネクタに引き戻し、次いで雄コネクタの遠位先端を密閉するように構成される。両方の弁は、雌型コネクタの前方面によって動かすことができるアクチュエータ・プラグ224によって開閉される。弾性部材210は雄型弁を閉鎖位置に偏向し、コネクタの係合が外れると、真空状態を形成する可変の内部容積212を含む。雄型弁は、雄型コネクタによって形成される真空状態が最大の流体ドロー・バック効果を有するように、内部雌型コネクタ弁の閉鎖と共に特定のシーケンスに合わせられる。
【解決手段】雄型コネクタ200は、2つの内部弁206、208と、真空状態形成構造体212、210とを有し、非係合の間、コネクタ間の境界面に残るいずれの流体も雄コネクタに引き戻し、次いで雄コネクタの遠位先端を密閉するように構成される。両方の弁は、雌型コネクタの前方面によって動かすことができるアクチュエータ・プラグ224によって開閉される。弾性部材210は雄型弁を閉鎖位置に偏向し、コネクタの係合が外れると、真空状態を形成する可変の内部容積212を含む。雄型弁は、雄型コネクタによって形成される真空状態が最大の流体ドロー・バック効果を有するように、内部雌型コネクタ弁の閉鎖と共に特定のシーケンスに合わせられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公開番号第2003/0032940号、現在は米国特許第6,745,998A1号である2001年8月10日に出願された出願第09/927,109号の一部継続出願である公開番号第2003/0136932A1号である2003年3月13日に出願された出願第10/389,652号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、雄型ルアーを介する流路を開放するために、雌型ルアー弁に取り付ける改良された雄型ルアー・コネクタ装置に関する。ルアーの係合が達成されると、これらの弁は医療用液体の流れの投与で使用するために、病院において静脈内(IV)装置の接続に使用される。
【0003】
ルアー装置は特に、IVに接続された管材料に雄型及び雌型コネクタ部を共に相互接続する要望のある様々な医療用途で使用される。IV流体交換の最も一般的なタイプは、IV装置に取り付けられた対応する容器で受け入れられるように設計されたノズルを装着したシリンジを使用する。容器は、患者の静脈に延在するIVに挿入されたラインに流体を導く中空の管状カニューレ又はポストを有することが多い。
【0004】
典型的なルアー接続は、雌型ルアー・コネクタに挿入される雄型ルアー・コネクタを利用する。雄型ルアー・コネクタは雌型ルアー・コネクタのねじ山にねじ込まれ、流体が接続部から逃げたり漏出することなく2つのコネクタ間を通ることができるように2つのコネクタを係合する。これらの接続部は弛んだり外れたりしやすいので、これらの管を通る流体は漏れる可能性が常にある。化学療法処置で使用されるような有害な薬物を使用する場合、流体が漏れる可能性は危険な問題になる恐れがある。さらに、コネクタが係合しているとき流体が漏出しないとしても、一旦コネクタの係合が外れると、コネクタの先端に残っている流体の残余量はなお危険なものとなりうる。この量はコネクタから漏れる量より少ないかもしれないが、それに曝されるいずれの人にも害を与えるのに十分に有意でありうる。
【0005】
したがって、ルアーが互いに係合すると、中に含まれる流体物質を確実に包含するルアー接続部が必要とされている。また係合が外れたとき、コネクタの使用者がルアーの先端面に残る有害な薬物から保護されるように、雄型−雌型接続部において雄型ルアー・コネクタを密閉するルアー接続部が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
簡潔に及び一般的な用語において、本発明は、雌型コネクタから外れると部分的真空状態を形成して、雄型及び雌型コネクタ間の境界面にある流体を該境界面から引き出す雄型弁付きコネクタを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によると、医療用流体の流れのために前方接触面及び内部弁を有する雌型ルアー・コネクタと接続する雄型ルアー・コネクタであり、該雄型ルアー・コネクタが、雌型ルアー・コネクタと係合し境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、雄型コネクタが雌型コネクタとの係合から外れる間、該雌型弁が閉鎖している期間に、管状筐体の遠位端に部分的な真空状態を形成する減圧手段とを備え、該減圧手段は、雄型及び雌型コネクタが非係合状態である間、境界面から該境界面に残る流体を引き出す雄型ルアー・コネクタが提供される。より詳細な態様で、減圧手段は管状筐体内に配置され、管状筐体の近位端を通る流体の流れを制御する第1の弁を備える。減圧手段はまた、管状筐体の遠位端を通る流体の流れを制御する第2の弁を備え、減圧手段はまた、該減圧手段が部分的な真空状態を形成する間、第2の弁を開放したままに制御するためのものでもある。
【0008】
本発明によるさらに詳細な態様で、減圧手段はまた、雌型コネクタが雄型コネクタとの係合から外れる間、雌型コネクタ弁が閉鎖した後、最初に第1の弁を閉鎖するように制御し、第2の弁を開放したままに制御するためのものである。減圧手段は第1及び第2の弁の開閉を制御するアクチュエータを備え、さらに第1及び第2の弁を開閉するようにアクチュエータを制御するために、雌型コネクタの前方接触面によって移動可能であるように配置される作用面を備える。第1の弁は管状筐体の近位端に配置される近位弁を備え、第2の弁は管状筐体の遠位端に配置される遠位弁を備え、アクチュエータは近位弁及び遠位弁を共に開閉するために管状筐体内に配置される。
【0009】
さらに別の態様で、減圧手段はさらに、近位弁及び遠位弁を共に閉鎖するためにアクチュエータを偏向するように配置される弾性部材を備える。弾性部材は、雄型コネクタが雌型コネクタとの係合から外れると第1の容積を有し、雄型コネクタが雌型コネクタと係合すると第1の容積より小さい第2の容積を有する、流体が中を流れる内部可変容積空隙を有し、弾性部材は、雌型及び雄型コネクタが非係合状態にあり遠位弁が閉鎖する間、第2の容積から第1の容積に移る際部分的真空状態を形成する。より詳細には、空隙は雄型及び雌型コネクタが係合すると第2の容積を有し、雄型及び雌型コネクタが非係合状態にあると該空隙が第1の容積に移り、これにより部分的真空状態を形成する。
【0010】
さらに別の詳細な態様で、弾性部材は遠位弁用の弁台座と近位弁用の弁台座とを提供し、アクチュエータは遠位弁を閉鎖するために遠位弁台座に嵌合する遠位弁用の遠位弁部材を提供し、近位弁を閉鎖するために近位弁台座に嵌合する近位弁用の近位弁部材を提供する。弾性部材は作用面を形成し、アクチュエータは弾性部材に接触して弾性部材内に配置され、雌型コネクタの前方接触面との係合による弾性部材の移動により、遠位弁及び近位弁を開閉するアクチュエータの対応する移動が生じる。
【0011】
他の態様で、医療用流体の流れための経路を確立するために前方接触面及び内部弁を有する雌型コネクタと接続する雄型コネクタであって、該雄型コネクタが、雌型ルアー・コネクタと係合し境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、管状筐体の遠位端を通る流体の流れを制御するのに使用するために配置される第1の弁台座と、管状筐体内に配置され、第1の弁台座を越える流体の流れを阻止するために第1の弁台座に係合する第1の弁部材を有する内部プラグと、第1の弁台座に係合するように内部プラグを偏向するために管状筐体内に配置され、第1の弁が閉鎖すると第1の容積を有し、第1の弁が開放されていると、第1の容積より小さい第2の容積を有する内部可変容積空隙を有する弾性部材とを備え、該弾性部材が、雌型コネクタの雄型コネクタとの係合により弾性部材空隙が第2の容積に移り、雌型コネクタが雄型コネクタとの係合から外れることにより該空隙が第2の容積から第1の容積に移り、これにより部分的真空状態を形成するように配置される雄型コネクタが提供される。
【0012】
本発明による方法の態様によると、雄型コネクタが、雌型コネクタと係合する遠位端と、近位端と、内部弁とを含み、前記雌型コネクタが、前記雄型コネクタと係合する近位端と、遠位端と、内部弁とを含む雄型コネクタを雌型コネクタとの係合から外す方法であり、該方法が、雄型コネクタの近位端の流体から雄型コネクタと雌型コネクタの間の境界面を隔離するために、雄型コネクタの近位端で雄型コネクタ内の第1の弁を閉鎖することと、境界面から境界面に残る流体を引き出すために、雄型コネクタと雌型コネクタの境界面に部分的真空状態を形成することとを含む方法が提供される。さらに詳細な態様で、該方法はさらに部分的真空状態を形成するステップの間雌型コネクタの内部弁を閉鎖するステップを含む。該方法はさらに部分的真空状態を形成するステップの後、雄型コネクタの遠位端で弁を閉じるステップをも含む。該方法は部分的真空状態を形成するステップが、雄型コネクタ内に部分的真空状態を形成することと、境界面の流体を雄型コネクタ内に引き込むこととを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ルアー取付け具の雄型ルアーと雌型ルアーの接続の2つの構成要素の側面図である。
【図2】図1の線2−2で切り取った拡大断面図である。
【図3】構成要素が部分的に係合した状態の図2と同様の図である。
【図4】構成要素が完全に係合した状態の図3と同様の図である。
【図5】代替の一体形成されたばね部材を示す、図2の一部と同様の図である。
【図6】代替の単段式弁を示す、図5と同様の図である。
【図7】開放した弁を示す、図6と同様の図である。
【図8】ボールタイプの弁を示す、図5と同様の図である。
【図9】代替の摺動作用弁を示す断面図である。
【図10】開放した弁を示す図9と同様の図である。
【図11】代替の摺動作用弁を示す図9と同様の図である。
【図12】カニューレ又はポストを有さない雌型ルアー弁と共に使用する代替の弁を示す図10と同様の図である。
【図13】筐体要素を含まない雄型ルアー弁の図である。
【図14】スリーブを含まない雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図14)から開放位置(図15)までの移動を示す図11と同様の図である。
【図15】スリーブを含まない雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図14)から開放位置(図15)までの移動を示す図11と同様の図である。
【図16】弾性部材の内部に中央密閉部材を有する雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図16)から開放位置(図17)までの移動を示す図14及び15と同様の図である。
【図17】弾性部材の内部に中央密閉部材を有する雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図16)から開放位置(図17)までの移動を示す図14及び15と同様の図である。
【図18】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、後方に推し進められ弾性部材を後退させて開放する、弾性部材に組み込まれた周辺フランジを有する雄型ルアーを示す、図11と同様の図である。
【図19】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、弾性部材が後方に推し進められ、これが後退し開放するように十分な摩擦接続をもたらす平滑な外側接触面を備えた弾性部材を有する雄型ルアーの外観及び作用を示す図である。
【図20】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、弾性部材が後方に推し進められ、これが後退し開放するように十分な摩擦接続をもたらす平滑な外側接触面を備えた弾性部材を有する雄型ルアーの外観及び作用を示す図である。
【図21】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、弾性部材が後方に推し進められ、これが後退し開放するように十分な摩擦接続をもたらす平滑な外側接触面を備えた弾性部材を有する雄型ルアーの外観及び作用を示す図である。
【図22】弾性部材の壁の中に突出しこれを外側に広げて、雄型ルアーの筐体のガイドの中に又はそれを通って延在させる半径方向延長部を有する弾性部材の内部に中央密封部材を有する雄型ルアーであって、このガイドがコア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーの接触面と係合し、この係合により弾性部材が後退し、開放されて、流体がルアー間及びそれらの中を流れるようにする雄型ルアーを示す、図16及び17と同様の図である。
【図23】弾性部材の壁の中に突出しこれを外側に広げて、雄型ルアーの筐体のガイドの中に又はそれを通って延在させる半径方向延長部を有する弾性部材の内部に中央密封部材を有する雄型ルアーであって、このガイドがコア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーの接触面と係合し、この係合により弾性部材が後退し、開放されて、流体がルアー間及びそれらの中を流れるようにする雄型ルアーを示す、図16及び17と同様の図である。
【図24】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の側面立面図である。
【図25】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の端面立面図である。
【図26】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の側面立面図である。
【図27】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の端面立面図である。
【図28】雌型コネクタから分離する間、逐次的弁のタイミングが行われ、先端から過剰の流体を除去するために雄型ルアー・コネクタ端部に部分的真空状態を生成するのに使用する、本発明の態様による複数弁付き雄型ルアー・コネクタの切り欠け概略図である。
【図29】係合に先立ち、適合した雌型弁付きコネクタと位置合わせされた雄型コネクタを示す、図28の雄型コネクタの側面断面図である。
【図30】雄型コネクタの近位弁と雌型コネクタの弁が閉鎖したままの間、雄型コネクタの遠位弁が開放する位置まで、雄型及び雌型コネクタが部分的に係合するようになることを除いて、図29と同様の図である。
【図31】雄型コネクタの近位弁が閉じたままのとき、雄型コネクタの遠位弁が開放し雌型コネクタの弁が開放する位置まで、雄型及び雌型コネクタがさらに部分的に係合するようになることを除いて、図30と同様の図である。
【図32】雄型及び雌型コネクタが完全に係合するようになり、雄型コネクタの遠位弁及び近位弁の両方が開放し、さらに流体の流れが完全に両方のコネクタを通るように雌型コネクタも開放することを除いて、図31と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に上記の及び他の特徴及び利点は、本発明の原則の例証の目的で示される添付の図面と併せて、以下の好ましい実施例の詳細な説明から明確になろう。
本発明は、同様の部品に同様の参照番号が付される添付の図面と併せて、本発明の例示的実施例である以下の詳細の説明からよりよく理解されるであろう。
【0015】
図1は、ルアー取付け具の雄型ルアーと雌型ルアーの接続の2つの構成要素の側面図である。取付け具は、既存のフラッシュ・トップ雌型ルアー弁を有する雌型ルアーと係合することを意図された雄型ルアー10から構成される。雌型ルアー24は、特定のタイプに限定されるものではないが、典型的なルアーをここに示す。ここに示す雌型ルアーは、弁が閉鎖したものである。この雌型ルアー24は、カニューレ又はポスト26を備えた筐体要素28を含む。筐体28の前方端の外側面に、雌型ルアー24の雄型ルアー10との係合を可能にするねじ山30がある。この実施例で、雄型ルアー10は筐体要素12から構成される。筐体12の内壁は、雌型ルアー・コネクタの対応するねじ山30と係合するねじ山32を含む。筐体12は、前方に突出し、第1のくびれ領域36及び第2のくびれ領域38(図2参照のこと)を有する直径が縮小した内部管状部分16を有する。内部管状部分は、前方の開口33(図2参照のこと)と内部チャンバ13を画定する。弁部材18は、弾性部材、すなわちばね14によって開口33を密閉する延長位置へ偏向される。ばね14は、チャンバ13の遠位端と弁部材18の間で作用する。(本明細書で使用されるように、“遠位”は雄型ルアーの後方端部であり、“近位”は前方端部であり、すなわち、図1及び2に示される図において左右の端部である。)弁部材18は、弾性部20及び前方先端部材22を含む。図1は、係合していない位置の2つのルアー10、24を示す。他のタイプの雌型ルアー弁はカニューレ又はポストを含まない。例証の目的で、Leinsingによる米国特許第5,676,346号及びWerschmidtによる米国特許第5,782,816号は、これらのタイプのルアー弁を示す。
【0016】
図2から5は、互いに係合するようになる際の雄型ルアー10及び雌型ルアー24を示す。図2は、完全に係合が外れた2つのルアー10、24を示す。カニューレ又はポスト26は、2つのルアーの間の流体の出入口のための開口40を有してよい。他のダクト・システム(図示せず)が可能であり、使用することができる。カニューレ又はポスト26は、スリーブ34内のチャンバ内に取り付けられる。スリーブ34は、ゴム製又は他の任意の好適な弾性物質であってよく、弁部材のストッパーとして機能する。スリーブ34は、図2の係合が外れた位置で閉鎖して密閉される前方端開口35を有する。雄型ルアーは、第1のくびれ領域36と、第1のくびれ領域36から後方に離間した第2のくびれ領域38とを有する前方端部を有する。図3は、雌型ルアー24の中に挿入され始める雄型ルアー10を示す。ねじ山30、32が係合し始めると、筐体12の前方端33が、開口35が開放させられてカニューレ26の端部を越えるまで、スリーブ34を後方に押す。次いでカニューレ又はポスト26は、弁部材18の先端と接触するようになり、これを後方に押し始め、これによりカニューレ又はポスト26は弁要素前方部22を移動させる。この移動によって、第1のくびれ領域36の密閉面がその台座から分離し始める。先端部材22が後方に押され始めると、第2の弾性部20が縮み、弁要素空隙19を圧縮する。これにより第1のくびれ領域36が密閉から解放され、空隙19に含まれていた液体を移動させる。この移動した液体は、一時的に雌型ルアー弁24へと流れる。このような圧力が加わると、弁部材が圧縮され、さらに内側のチャンバ13内へ押し込まれる。
【0017】
図4は、雌型24及び雄型10がさらに一層係合したときのルアー部材の位置付けを示す。カニューレ又はポスト26は、先端部材22をさらに押し始め、第1の弾性部材14を縮め、その結果第2のくびれ領域38が密閉から解放される。この位置で図4の矢印で示すように、雄型ルアーの真空部21にさらにカニューレ又はポストが挿入されることによって、より多くの液体が移動する。カニューレ又はポスト26の開口40によって、流体が雌型ルアー24の中を通り外に出ることが可能になる。この移動した液体は、作用が逆になると再び満たされるであろう容積を形成する。
【0018】
雄型ルアー弁10が雌型ルアー弁24から外れると、2つの弁が接続している間移動した液体の容積は元の位置に戻り、これにより相対的真空状態を形成する。雌型ルアー24を雄型ルアー10から取り外すと、第2のくびれ領域38によって形成される主要な密閉部がこの台座と接触する。このことによって真空部21を上流の液体から隔離させる。カニューレ又はポスト26が引き戻されると、弾性部20がその縮んでいない自然の形状に戻るので、空隙19は元に戻る。このように回復すると、液体は空隙19へ引き込まれる。第2のくびれ領域38が閉鎖されるので、液体は雄型ルアー10と雌型ルアー24の間の境界面から引き出されるであろう。この効果は、カニューレ又はポスト26が引き戻される際に元に戻されなければならない、カニューレ又はポスト26によって示される容積によって高められる。この形成される相対的真空状態は、第1のくびれ領域36の密閉面が再びその台座と接触するまで、真空部に液体を引き込もうとするであろう。
【0019】
図5は、弁部材42に一体式に接続されたばね14と共に弁部材が形成されることを除いて、上記の2段式弁と同様のタイプを示す。筐体12は内部スリーブ16を含み、内部スリーブ16の内側に内部チャンバ13が配置される。この実施例の機能は、弁部材42と一体式に接続されるばね14がゴム弾性の又は他のタイプの材料で構成することができることを除いて、先に述べた実施例と同様である。
【0020】
図6及び7は、本発明の他の実施例による雄型ルアーを示す。この装置は、一体式の弾性部材を備えた単段式ルアー弁である。この実施例で雄型ルアーは、雌型ルアー30の対応するねじ山と係合するために、筐体の内壁にねじ山32を備える筐体12を有する。内部チャンバ13は、弾性部材及び先端と共に一体式に形成される弁部材42によって密閉される。したがって、この新規の弁部材42は別個の弾性部材を含むのはなく、すべての部材が1つの部品に形成されることを除いて、先の実施例のように機能する。この実施例は雌型ルアーが弁部材42と係合すると、部材42が、上述のようにいくつかの異なる部品としてではなく、単一の部品として動く単段式ルアーを示す。図7は、雌型ルアー24と係合し流体が流れるようにする図6のルアーを示す。2つのルアー10、24が係合すると、雌型ルアー24のカニューレ又はポスト26が弁部材42を縮ませ、カニューレ又はポスト26の開口40を介して、また弁部材42の後方端部の開口44を介して流体が流れるようにする。
【0021】
図8は本発明の別の実施例を示す。この実施例で、雄型ルアーの筐体12は先の実施例と同様である。さらに、内側スリーブ16内に弾性部材、すなわちばね14が含まれる。しかしながらこの実施例で、弾性部材の端部に含まれる弁はボール46として示される。このボールは、例えばゴム弾性の材料のように様々なタイプの材料で形成することができる。さらに、チャンバ13の前方端部開口は、ボール弁46を収容する一部が球状の台座47として例示される。当業者は弾性部材、すなわちばね14の端部に含まれる弁は、様々な形状であってよいことを認識するであろう。しかしながら、雄型ルアー10の先端の形状は、雌型ルアー24の先端の形状に対応するものである必要がある。
【0022】
図9及び10は、修正された雄型ルアーが、先の実施例の雌型ルアー24に解放可能に固定可能な本発明のさらに別の実施例による修正されたコネクタを示す。修正された雄型ルアーは、円筒形の外壁52と、後方端部53から円筒形筐体の中へ突出し、筐体の長さの一部に沿って延在する内部管状支持体54とを備えた筐体を備える。外壁52は、雌型ルアーねじ山30と係合する内部ねじ山32と、筐体の後方端部53から延出し、筐体の前方端部から外へ突出する内部支持体54より長い直径とを有する。弾性スリーブ、すなわちブラダー部材56は、その後方端部で管状部材55と支持体54の間に固定され、その前方端部開口57まで管状部材55内で前方に突出する。ブラダー部材56は、図9の延長した非接続位置にあるとき、管状部材55の内側に先細になった端部によって閉鎖され密閉される前方端部開口58を有する。ブラダー部材56の前方端部58は、図9に示す位置において雄型ルアーの端部開口57を密閉するための弁として作用する。
【0023】
雄型ルアーの管状部材55は、筐体の内側円筒形壁52より直径が小さいので、部材55と内壁52の間に環状の間隙を残す。摺動スリーブ60は、この環状間隙の管状部材55の上に摺動可能に取り付けられる。スリーブ60は、直径方向に対向する開口62を有し、管状部材55は、対向する細長く、軸方向に延在するスロット64を有する。内部ブラダー、すなわちスリーブ部材56の反対方向に向けられたガイド部分65(例えばタブ、ウイング又はフィン)は、スロット64を通して開口62へ半径方向に外側に突出する。したがってスリーブが図9の完全に延出した位置にある場合、これは摺動スリーブを図示の位置へ前方に引っ張るであろう。ブラダー部材56の波形部分66は、ブラダー部材56の前方端及び摺動スリーブ60を延長位置に偏向させるためのばねとして作用する。
【0024】
図10は雄型ルアー50と接続する雌型ルアー24を示す。雌型ルアー筐体の前方端は、雄型筐体の円筒形壁にねじ込まれると、これは摺動スリーブ60の前方端67と係合し、スリーブ、したがってブラダー部材56を後方に推し進め、ブラダー部材の前方端部を管状部材55の前方端開口との密閉係合から引き離す。示されるように、これにより前方端開口58がばね式に開くようになる。同時に管状部材55の前方端は、スリーブ34がカニューレ26の端部を越えて進み、このカニューレが管状部材の開放した前方端へ延在するように、雌型ルアーのスリーブ34を後方に押す。これにより、内部管状支持体、ブラダー部材56の開口端部58、及びカニューレ26の開口40を経由して2つのルアーを通って流体が流れるようになる。ルアーが分離すると、ブラダー部材56の圧縮された波形部分66が、移動して管状部材55の前方端との密閉係合に戻るように前方端部を推し進め、いずれの流体の漏出も防ぐ。
【0025】
図11は弾性スリーブ、すなわちブラダー部材56が波形部分を有さず、代わりに別個のばね部材68を有することを除いて、代替の摺動作動弁を示す図9と同様の図である。ばね部材68は例えば、金属又は弾性ゴム材料で形成されるいずれのタイプであってよい。雄型ルアー弁の機能は同様であり、単にばね部材68が、先の波形部材と代わるだけである。
【0026】
図12は、カニューレ又はポストを有さない雌型ルアー弁と共に使用する代替の弁を示す、図10と同様の図である。筐体28の前方端の外側面は、雄型ルアー弁の摺動スリーブ60の前方端67と係合しこれを圧縮する。雌型ルアー弁筐体28の前方端がさらに摺動スリーブ60を移動させ続けるので、ブラダー部材56は後方に移動し続け、管状部材55の前方端開口との密閉係合からブラダー部材の前方端部を引き離す。これにより前方端開口58がばね式に開放する。これにより、内部管状支持体、ブラダー部材56の開口端部58を経由して2つのルアーを通って流体が流れるようになる。ルアーが分離すると、先に記載したような密閉係合が再び生じる。
【0027】
図13は筐体要素を包含しない雄型ルアー弁を示す。この図は、雄型ルアー弁が筐体要素に包含されず代わりに自立型でありうることを除いて、図2と同様である。しかしながら雄型ルアー弁の機能は、雌型ルアー筐体との係合が雄型ルアー筐体に対して行われないことを除いては、図2について説明したものと同様である。
【0028】
図14及び15は摺動スリーブ60を包含しない雄型ルアー100の実施例を示す。ルアー筐体102は、その上に弾性スリーブ又は部材106を配置した管状突出導管118を有する。弾性部材106のベース114は、筐体102の内部端壁112に当接し、管状突出部材104の内部端によって所定の場所に固定される。弾性部材106は、部材104の管状部分のスロット110にそれぞれ配置される1つ又は複数の側面に突出するフィン108を有する。雄型ルアーが閉鎖すると(図14)、弾性部材106の先端116の開口が閉じ、雄型ルアー100の開放端部120を密閉する。雄型ルアーが、接触面126を有するが中心コア・ロッド又はカニューレを有さない(図15)雌型ルアー128と係合すると、面126はフィン108と係合し、雄型ルアーが雌型ルアーの中への移動することによって、フィン108が108’で示すようにスロット110内で誘導され、該フィンを矢印107で示すように筐体102へと後方に移動させ、106’で示すように弾性部材のベローズ部分を圧縮する。このことによって116’で示すように先端を開放させ、流体が開口120を通って、導管118の流路124及び122並びに筐体102にそれぞれ流れるようになる。周辺突出部132はOリングシールとして機能し、ルアーが係合すると、弾性部材106の突出する前方縁部130が部材140の内側の傾斜面134と係合して密閉又は「ストッパー」効果を与え、Oリングシール領域を流体の流れがない、乾燥状態に保つ。
【0029】
多くの図において簡略化のために、雌型ルアー128自体は示さないが、雄型ルアー100の要素の動きのみを示す。このような動きは、図2、3、12及び15のような(限定するものではないが)他の図に示す方法における雄型/雌型ルアー係合した結果であることが理解されよう。同様に流体が中を流れる際、それらの係合位置に雄型及び雌型ルアーを維持するためのねじ山又は他の固定装置も、簡略化のためにすべての図において示さないが、図2、3、4、10及び12(限定するものではないが)で示すように、これらが存在することが理解されよう。
【0030】
図16及び17は、図14及び15のものと同様であるが、内部プラグ138が導管118内にありチャネル148がプラグ138を通り越す実施例を示す。これらチャネルは、導管118の壁に形成する、又は導管118に接続された離間した支持体(図示せず)にプラグ138を装着するか、又はいずれかの他の便利な方法で形成されてよい。プラグ138の周辺面142は、雄型ルアーが閉鎖すると(図16)、140で示すように弾性部材106の内側面の半径方向のランド144と接触する。雄型ルアーが雌型ルアーに進入すると、接触面126がフィン108と接触し、図17の108’で示すようにフィンを後方に押し、これにより106’で示すように弾性部材を圧縮し、ランド144を固定されたプラグ138の面142との接触から移動させる。弾性部材の圧縮はまた、116’で示すように弾性部材の先端116を開放する。矢印146で示すように、開口120を通って導管124へ入り、プラグ138の周辺でチャネル148を通る流体の流れも可能になる。ランド114の軸方向の位置及び幅は、いつプラグ縁部142との接触が行われ、又は失われるか、これによりルアーがいつ開閉するかを決定し、また流体の逆流を回避する又は最小にするために真空効果を提供するように変更することができる。
【0031】
図18から21は、図21に示すように、雌型ルアー128と係合することで、雌型ルアーの接触面126が、弾性部材106の外側面152と直接接触するルアーの内側面となる「軟質」雄型ルアー100の実施例を示す。図18で、肩150と、108のようなフィンで、雌型ルアーの接触面と係合することができる突出構造でありうる周辺フランジとの2つの任意の要素を示す。肩150は、筐体102の部分102’内の連続する半径方向の肩であってよく、又は部分102’に半径方向に位置合わせされた離間した突起から構成されてよい(部分102’は、別個の部材であるが筐体102の受け台に取り付けられる部材として、図18及び19に示すが、筐体102の残りの部分と一体にしてもよい)。肩150は、雌型ルアー128の接触面126と係合し、2つのルアーの相対的移動を停止させ、これにより雄型及び雌型ルアーが係合することができる深さを制限する制限装置として機能する。突起109は、接触面126と部材106の面152の係合を分担することによって、弾性部材106の圧縮を助けることができる。部材106の先端領域116は図18及び19に示すように厚くされ、雌型ルアーの係合するネック内に若干拡張して、更なる密閉効果をもたらすことができる。
【0032】
図20及び21において、任意の延長した筐体102を有し、部材106の面152が面126と接触して係合することによって雄型及び雌型ルアーが完全に係合するようにする軟質の雄型ルアー100を示す。このような剛性導管118の上の部材106の係合及び圧縮により、先端116が開放し且つ端部120を通る流れが可能になる。
【0033】
更なる実施例を図22から27に示す。図22及び23の実施例で、弁部材42の機能と同様の機能の内部プラグ154を示す。プラグ154は、弾性部材106の半径方向ポケット156に挿入された一体式フィン又は半径方向フランジ158を有する。雌型ルアーとの係合により、106’、156’及び158’でそれぞれ示すように、雌型ルアー接触面が弾性部材106、そのポケット156及びフィン又はフランジ158を後方に押し、これによりプラグ154のプラグ・ヘッド160を160’で示す位置に引き戻して端部120を開放して導管124に流体を流す。
【0034】
図24から27はその先端116”にスリット162を有する成型された弾性部材106aを示す。雌型ルアー128と接触すると、弾性部材106aの外側面152が雌型ルアーの接触面126と摩擦係合することにより、図に示すように弾性部材106aが変形し、これにより162’で示すようにスリット162が開放して導管124に流体が流れるようになる。
【0035】
次に図28から32を参照すると、本発明の態様による雄型コネクタ200、及び本発明の態様による逐次的弁のタイミングを実証する種々の係合構成での雌型コネクタ202を示す。
【0036】
ここで図28を参照すると、雄型コネクタ200は切り欠け斜視形態で示され、内部空隙212を有する弾性部材210を含む。弾性部材は縮められず、内部空隙は第1の内部容積を有する。弾性部材は、筐体214内及び管状突出部材216内に取り付けられる。弾性部材のベース218は、筐体の内壁220に接触し、管状突出部材の近位端222によって所定の位置に固定される。内部プラグ224は、弾性部材内に取り付けられる。プラグは、弾性部材の遠位端230によって形成される弁台座228と結合する遠位弁部材226を含む。内部プラグは、弾性部材によって形成される近位弁台座234と結合する近位弁部材232を含み、これはこの実施例ではポペット弁208のタイプとなる。内部プラグは、弾性部材に形成される半径方向ポケット238に挿入される一体式フィン又は半径方向フランジ236を含む。弾性部材は以下に記載するように、近位方向の逆の力が弾性部材を部分的に縮める又は圧縮させない限り、遠位方向に偏向力を与え、それ自体及び内部プラグを図28に示す構成に戻すようにする。
【0037】
図29は分離したばかりの2つのルアー・コネクタ200及び202を示す。この位置で雌型ルアー・コネクタ202の弁204は閉鎖され、雄型ルアー・コネクタ200の第1の遠位弁206及び第2の近位弁208が閉鎖される。いずれかのコネクタを通る流れは、それぞれの弁が閉鎖するので妨げられる。
【0038】
雄型コネクタ200をより詳細に見ると、コネクタは、内部空隙212を有する弾性部材210を含む。図28で弾性部材は縮められず、内部空隙は第1の内部容積を有する。弾性部材は、筐体214及び管状突出部材216に取り付けられる。弾性部材のベース218は筐体の内壁220に接触し、管状突出部材の近位端222によって所定の位置に固定される。内部プラグ224は弾性部材に取り付けられる。プラグは、弾性部材の遠位端230によって形成される弁台座228と結合する遠位弁部材226を含む。内部プラグは、弾性部材によって形成される近位弁台座234と結合する近位弁部材232を含み、この実施例でこれはポペット弁タイプ208となる。内部プラグは、弾性部材で形成される半径方向ポケット238に挿入される一体式フィン又は半径方向フランジ236を含む。弾性部材は以下に記載するように、近位方向の逆の力が弾性部材を圧縮させない限り、遠位方向に偏向力を与え、それ自体及び内部プラグを図28に示す構成に戻すようにする。
【0039】
図28及び29を共に参照すると、雄型コネクタ200が雌型コネクタ202と係合することにより、雌型コネクタ接触面240が弾性部材の作用面244を近位方向に押し、これにより弾性部材接触面244、ポケット238及びフィン236及び内部プラグ224をまた近位方向に移動させる。十分な近位方向の移動が起こると、以下に詳細に記載するように、プラグは遠位弁台座228から外れ、これにより遠位弁206を開放し、近位弁台座234との係合から外れ、これにより近位弁208を開放する。管状突出部材216は、雌型コネクタ接触面240と接触することができるように、弾性部材の作用面244が中を通って突出するスロット242を含む。管状突出部材216はこの実施例で、他の形状も可能であるが標準ルアーの形状で形成される。筐体214は、2つを共により確実に固定するために、雌型コネクタのねじ山248と係合する内部ねじ山246を含んでよい。
【0040】
雌型コネクタ202は、雌型弁204を形成するその近位端252に開口を有する内部ピストン250を含む。ピストンが一定の距離だけ雌型コネクタの筐体254内に移動すると、これが開放されることによって雌型弁が開放し、流体が雌型コネクタを通って流れるようになる。
【0041】
次に図30を参照すると、部分的に互いに連結した雄型200及び雌型202コネクタを示す。この位置で、雌型ルアー・コネクタの前方接触面240は、雄型ルアー・コネクタの作用面244を近位方向に第1の遠位弁206を開放するのに十分遠くに押しやるが、雄型コネクタの第2の近位弁208は閉じたままである。この位置で次に弾性部材の空隙212がわずかに縮み、図28に示す空隙の第1の容積より小さい内部容積を有する。管状突出部材、すなわち雄型ルアー部分216の遠位端256は、雌型ルアー・コネクタ202のピストン250を遠位方向に一部の距離だけ押しやる。雌型ルアー・コネクタの弁204は、ピストンの移動に関わらず依然として閉鎖している。
【0042】
したがってこの図30において、2つのコネクタ200及び202が互いに係合しているので、雄型コネクタの遠位弁206が最初に開放するが、雄型コネクタの近位弁208及び雌型コネクタ弁204は閉鎖したままである。これは種々の部品の移動の相対的な距離及びサイズによるものである。雄型コネクタ弾性部材210の近位弁台座234は、プラグ224が遠位弁206を開放するのに必要な距離より長い距離を移動するまで、その弁208が開放しないよう十分な長さに設計される。近位弁が開放するのに必要とする移動距離は、遠位弁が開放に達するまでの移動距離より長い。同様に、雄型コネクタの遠位弁を開放するためのプラグの移動距離は、雌型コネクタ弁を開放するのに必要な雌型コネクタのピストン250の移動距離より小さくなるように選択される。
【0043】
図31は、図30よりさらに共に結合した雄型200及び雌型202ルアー・コネクタを示す。この構成で雄型ルアー・コネクタの遠位端256は、次に雌型コネクタ弁204が開放し、次に雌型コネクタを流れる流体が生じることができるように、雌型コネクタのピストン250を遠位方向により遠くに押しやる。雌型コネクタの接触面240は、さらに弾性部材210の作用面244を一層近位方向へ押しやり、さらに遠位弁206を開放するが、近位弁208は依然として閉鎖したままである。したがって、雄型及び雌型コネクタ間の3つの弁のうち2つの弁は、今のところ開放している。次に雌型コネクタを流体が通ることができるが、近位、すなわち上流弁208が閉じたままであることから雄型コネクタを通る流体の流れは妨げられたままである。明らかであるように、開放するのに必要とされる近位弁の移動の距離は、雄型コネクタ200の遠位弁206の移動距離、及び開放に達するために雌型コネクタ弁204に移動する距離より長い。したがってこの実施例で、雄型コネクタの遠位弁を開放するための内部プラグ224の移動距離は、雌型コネクタ弁204を開放するのに必要とされる雌型コネクタのピストン250の移動距離より小さくなるように選択され、さらに雌型コネクタ弁を開放するより近位弁208を開放する方が長くなる。
【0044】
図32は、3つのすべての示される弁が開放し、流体が両方のコネクタの間及びそれらの中を流れることができるような雄型200及び雌型202ルアー・コネクタの完全な作用効果のある係合を示す。この構成で、雌型コネクタ接触面240は、近位弁208を開放するために、近位方向に十分遠くに雄型コネクタの作用面244を押しやる。弾性部材210の圧縮可能な縮み空隙212は、完全に縮み、先の図28から31に示す容積よりもさらに小さい内部容積を有する。したがって本発明の態様による2つの弁、遠位すなわち下流弁及び近位すなわち上流弁を有する雄型コネクタの、内部弁を有する雌型コネクタとの結合において、開放する第1の弁は遠位雄型コネクタ弁である。開放する第2の弁は雌型コネクタ弁であり、開放する最後の弁は近位雄型コネクタ弁である。流体は次に上流ライン260から雄型コネクタ200を通り、雌型コネクタ202を通り下流ライン262を通って出る。この場合、上流及び下流ラインは共に医療用管材料として示すが、他の装置を使用することもできる。さらに雄型コネクタ200の上流接続装置258をルアー雌型コネクタとして示すが、他のタイプの結合装置を使用することもできる。同様に雌型コネクタ202の下流結合装置264を雄型ルアー・コネクタとして示すが、他のタイプの結合装置を使用することもできる。
【0045】
雄型コネクタ200と雌型コネクタ202の互いの係合からの開放又は分離は、上述のような弁開放のシーケンスと逆の弁閉鎖シーケンスとなるであろう。ちょうど詳細に記載したように、コネクタは図32において共に完全に作用効果のある係合を示し、流体が両方の弁を通って流れることができる。図31に係合が外れたときの弁閉鎖の第1段階を示す。雄型及び雌型ルアー・コネクタの分離が始まると、弾性部材がもたらす偏向力によって、雌型ルアー・コネクタの接触面240が遠位方向に移動することにより、雄型ルアー・コネクタの弾性部材210の作用面244のやはり遠位方向への移動が可能になる。図31に示すように、雄型コネクタの近位弁208は閉鎖しているが、雄型コネクタの遠位弁206及び雌型コネクタ弁204は開放したままである。したがって図31の構成において、次に雄型コネクタが、雄型コネクタ近位雌型コネクタ258に接続されうるように、上流ラインにあるいずれの流体に対しても閉鎖する。図31に上流ライン260を強調した形態で示す。この構成で、次いで雄型コネクタの内部構成要素、及びこれにより雌型コネクタは、いずれの上流の流体からも隔離される。
【0046】
図30は、雄型コネクタ200及び雌型コネクタ202の分離時の弁閉鎖の第2段階を示す。雄型及び雌型ルアー・コネクタの分離がさらに続くと、雄型ルアー・コネクタの遠位端256が後退して近位方向に移動し、これにより雌型ルアー・コネクタのピストン250も近位方向に戻ることにより、雌型コネクタ弁204を閉鎖することになる。次に雌型コネクタを通る流体の流れが妨げられる。したがって、ここで雄型及び雌型コネクタが共に上流ライン260及び下流ライン262のいずれの流体からも隔離される。
【0047】
雄型コネクタ200が図30の構成から図29の構成に移動し、その間弾性部材210が遠位方向に移動して遠位弁206を閉鎖する際、部分的真空状態が雄型コネクタ内に形成される。これは、弾性部材が図30の構成から図29の構成に戻る際、弾性部材210の空隙212が内部容積内で増大するからである。弾性部材の内部容積が増大し始めるとすぐに、雄型コネクタに流体を引き込むのに使用することができる部分的真空状態が形成される。互いの及び雌型コネクタの弁と関連するコネクタの弁の適切な順序付けによって、この部分的真空状態の力は、雄型コネクタと雌型コネクタ202の間の境界面に向けられ、これによりこの境界面に残っている流体を雄型コネクタに引き込む。
【0048】
この時点で唯一開いたままの弁が雄型コネクタの遠位弁206であるように、弁は順序付けされるので、この部分的真空状態が存在することで、遠位弁206が閉鎖する前に、2つのコネクタ200及び202の間の境界面、及び弾性部材210の遠位先端すなわち端部230に残っているいずれの流体も雄型コネクタに引き込む。コネクタがさらに分離すると、弾性部材の空隙212はさらに拡張し、図29の構成に示すように遠位弁206が最終的に閉鎖するまでに、2つのコネクタの境界面からより多くの流体を引き込む。したがって図29の構成で、その遠位端に雄型コネクタ200を有する上流ライン260、及びその近位端に雌型コネクタ202を有する下流ライン262の両方がそれぞれのコネクタによって密閉され、それぞれがラインを隔離するための少なくとも1つの内部弁を有する。上流ライン260を隔離する場合、雄型コネクタ200はラインの遠位端を密閉し、雌型コネクタ202との係合から外れる又は分離すると、コネクタの遠位端から過剰な流体をさらに引き出す。これは、苛性流体が上流ラインによって伝導され、この流体の一部が雌型及び雄型コネクタの間の境界面の表面に到達しうる場合に特に有益な特徴である。これらのコネクタが完全に分離し、このような苛性流体がその表面に残る場合、この苛性流体をコネクタを扱う臨床家に送達することができる。この種の流体は、皮膚表面に添加されるとヘルス・ケア・ワーカー及び患者に創傷を与える恐れがあるので、この真空状態による上流ラインでのこの流体の封じ込め、ドロー・バック機能は特に有益である。
【0049】
図28から32に、コネクタの端部における管260及び262を示すが、これは単に例示の目的であり、制限的なものを意図するものではない。種々の伝導性のもの、容器及び他の構成要素は示される管の代わりに使用することができる。例えば、雄型コネクタ200は管に接続される代わりにシリンジのノズル端部を形成してよい。雌型コネクタ202は例として、雄型コネクタに接続されたシリンジからの流体を医療用物質の小瓶に注入し、混合し、次いでシリンジに引き戻す小瓶アダプター又は小瓶アクセス装置の一部を形成してよい。他の用途が可能である。
【0050】
上述の雄型ルアーの種々の実施例は、操作者がコネクタを流れる潜在的に危険な流体と接触する危険を低減させる、雄型及び雌型ルアーが分離する際の雄型ルアーの端部開口の自動密閉を提供する。
【0051】
本発明のいくつかの例示の実施例を例示の目的でのみ上記に記載してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲から逸脱することなく開示の実施例に修正することができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0052】
200 雄型コネクタ
202 雌型コネクタ
204 雌型弁
210 弾性部材
222 近位端
230 遠位端
240 雌型コネクタ接触面
【技術分野】
【0001】
本発明は、公開番号第2003/0032940号、現在は米国特許第6,745,998A1号である2001年8月10日に出願された出願第09/927,109号の一部継続出願である公開番号第2003/0136932A1号である2003年3月13日に出願された出願第10/389,652号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、雄型ルアーを介する流路を開放するために、雌型ルアー弁に取り付ける改良された雄型ルアー・コネクタ装置に関する。ルアーの係合が達成されると、これらの弁は医療用液体の流れの投与で使用するために、病院において静脈内(IV)装置の接続に使用される。
【0003】
ルアー装置は特に、IVに接続された管材料に雄型及び雌型コネクタ部を共に相互接続する要望のある様々な医療用途で使用される。IV流体交換の最も一般的なタイプは、IV装置に取り付けられた対応する容器で受け入れられるように設計されたノズルを装着したシリンジを使用する。容器は、患者の静脈に延在するIVに挿入されたラインに流体を導く中空の管状カニューレ又はポストを有することが多い。
【0004】
典型的なルアー接続は、雌型ルアー・コネクタに挿入される雄型ルアー・コネクタを利用する。雄型ルアー・コネクタは雌型ルアー・コネクタのねじ山にねじ込まれ、流体が接続部から逃げたり漏出することなく2つのコネクタ間を通ることができるように2つのコネクタを係合する。これらの接続部は弛んだり外れたりしやすいので、これらの管を通る流体は漏れる可能性が常にある。化学療法処置で使用されるような有害な薬物を使用する場合、流体が漏れる可能性は危険な問題になる恐れがある。さらに、コネクタが係合しているとき流体が漏出しないとしても、一旦コネクタの係合が外れると、コネクタの先端に残っている流体の残余量はなお危険なものとなりうる。この量はコネクタから漏れる量より少ないかもしれないが、それに曝されるいずれの人にも害を与えるのに十分に有意でありうる。
【0005】
したがって、ルアーが互いに係合すると、中に含まれる流体物質を確実に包含するルアー接続部が必要とされている。また係合が外れたとき、コネクタの使用者がルアーの先端面に残る有害な薬物から保護されるように、雄型−雌型接続部において雄型ルアー・コネクタを密閉するルアー接続部が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
簡潔に及び一般的な用語において、本発明は、雌型コネクタから外れると部分的真空状態を形成して、雄型及び雌型コネクタ間の境界面にある流体を該境界面から引き出す雄型弁付きコネクタを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によると、医療用流体の流れのために前方接触面及び内部弁を有する雌型ルアー・コネクタと接続する雄型ルアー・コネクタであり、該雄型ルアー・コネクタが、雌型ルアー・コネクタと係合し境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、雄型コネクタが雌型コネクタとの係合から外れる間、該雌型弁が閉鎖している期間に、管状筐体の遠位端に部分的な真空状態を形成する減圧手段とを備え、該減圧手段は、雄型及び雌型コネクタが非係合状態である間、境界面から該境界面に残る流体を引き出す雄型ルアー・コネクタが提供される。より詳細な態様で、減圧手段は管状筐体内に配置され、管状筐体の近位端を通る流体の流れを制御する第1の弁を備える。減圧手段はまた、管状筐体の遠位端を通る流体の流れを制御する第2の弁を備え、減圧手段はまた、該減圧手段が部分的な真空状態を形成する間、第2の弁を開放したままに制御するためのものでもある。
【0008】
本発明によるさらに詳細な態様で、減圧手段はまた、雌型コネクタが雄型コネクタとの係合から外れる間、雌型コネクタ弁が閉鎖した後、最初に第1の弁を閉鎖するように制御し、第2の弁を開放したままに制御するためのものである。減圧手段は第1及び第2の弁の開閉を制御するアクチュエータを備え、さらに第1及び第2の弁を開閉するようにアクチュエータを制御するために、雌型コネクタの前方接触面によって移動可能であるように配置される作用面を備える。第1の弁は管状筐体の近位端に配置される近位弁を備え、第2の弁は管状筐体の遠位端に配置される遠位弁を備え、アクチュエータは近位弁及び遠位弁を共に開閉するために管状筐体内に配置される。
【0009】
さらに別の態様で、減圧手段はさらに、近位弁及び遠位弁を共に閉鎖するためにアクチュエータを偏向するように配置される弾性部材を備える。弾性部材は、雄型コネクタが雌型コネクタとの係合から外れると第1の容積を有し、雄型コネクタが雌型コネクタと係合すると第1の容積より小さい第2の容積を有する、流体が中を流れる内部可変容積空隙を有し、弾性部材は、雌型及び雄型コネクタが非係合状態にあり遠位弁が閉鎖する間、第2の容積から第1の容積に移る際部分的真空状態を形成する。より詳細には、空隙は雄型及び雌型コネクタが係合すると第2の容積を有し、雄型及び雌型コネクタが非係合状態にあると該空隙が第1の容積に移り、これにより部分的真空状態を形成する。
【0010】
さらに別の詳細な態様で、弾性部材は遠位弁用の弁台座と近位弁用の弁台座とを提供し、アクチュエータは遠位弁を閉鎖するために遠位弁台座に嵌合する遠位弁用の遠位弁部材を提供し、近位弁を閉鎖するために近位弁台座に嵌合する近位弁用の近位弁部材を提供する。弾性部材は作用面を形成し、アクチュエータは弾性部材に接触して弾性部材内に配置され、雌型コネクタの前方接触面との係合による弾性部材の移動により、遠位弁及び近位弁を開閉するアクチュエータの対応する移動が生じる。
【0011】
他の態様で、医療用流体の流れための経路を確立するために前方接触面及び内部弁を有する雌型コネクタと接続する雄型コネクタであって、該雄型コネクタが、雌型ルアー・コネクタと係合し境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、管状筐体の遠位端を通る流体の流れを制御するのに使用するために配置される第1の弁台座と、管状筐体内に配置され、第1の弁台座を越える流体の流れを阻止するために第1の弁台座に係合する第1の弁部材を有する内部プラグと、第1の弁台座に係合するように内部プラグを偏向するために管状筐体内に配置され、第1の弁が閉鎖すると第1の容積を有し、第1の弁が開放されていると、第1の容積より小さい第2の容積を有する内部可変容積空隙を有する弾性部材とを備え、該弾性部材が、雌型コネクタの雄型コネクタとの係合により弾性部材空隙が第2の容積に移り、雌型コネクタが雄型コネクタとの係合から外れることにより該空隙が第2の容積から第1の容積に移り、これにより部分的真空状態を形成するように配置される雄型コネクタが提供される。
【0012】
本発明による方法の態様によると、雄型コネクタが、雌型コネクタと係合する遠位端と、近位端と、内部弁とを含み、前記雌型コネクタが、前記雄型コネクタと係合する近位端と、遠位端と、内部弁とを含む雄型コネクタを雌型コネクタとの係合から外す方法であり、該方法が、雄型コネクタの近位端の流体から雄型コネクタと雌型コネクタの間の境界面を隔離するために、雄型コネクタの近位端で雄型コネクタ内の第1の弁を閉鎖することと、境界面から境界面に残る流体を引き出すために、雄型コネクタと雌型コネクタの境界面に部分的真空状態を形成することとを含む方法が提供される。さらに詳細な態様で、該方法はさらに部分的真空状態を形成するステップの間雌型コネクタの内部弁を閉鎖するステップを含む。該方法はさらに部分的真空状態を形成するステップの後、雄型コネクタの遠位端で弁を閉じるステップをも含む。該方法は部分的真空状態を形成するステップが、雄型コネクタ内に部分的真空状態を形成することと、境界面の流体を雄型コネクタ内に引き込むこととを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ルアー取付け具の雄型ルアーと雌型ルアーの接続の2つの構成要素の側面図である。
【図2】図1の線2−2で切り取った拡大断面図である。
【図3】構成要素が部分的に係合した状態の図2と同様の図である。
【図4】構成要素が完全に係合した状態の図3と同様の図である。
【図5】代替の一体形成されたばね部材を示す、図2の一部と同様の図である。
【図6】代替の単段式弁を示す、図5と同様の図である。
【図7】開放した弁を示す、図6と同様の図である。
【図8】ボールタイプの弁を示す、図5と同様の図である。
【図9】代替の摺動作用弁を示す断面図である。
【図10】開放した弁を示す図9と同様の図である。
【図11】代替の摺動作用弁を示す図9と同様の図である。
【図12】カニューレ又はポストを有さない雌型ルアー弁と共に使用する代替の弁を示す図10と同様の図である。
【図13】筐体要素を含まない雄型ルアー弁の図である。
【図14】スリーブを含まない雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図14)から開放位置(図15)までの移動を示す図11と同様の図である。
【図15】スリーブを含まない雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図14)から開放位置(図15)までの移動を示す図11と同様の図である。
【図16】弾性部材の内部に中央密閉部材を有する雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図16)から開放位置(図17)までの移動を示す図14及び15と同様の図である。
【図17】弾性部材の内部に中央密閉部材を有する雄型ルアーを示し、コア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーと接触する間、雄型ルアーの閉鎖位置(図16)から開放位置(図17)までの移動を示す図14及び15と同様の図である。
【図18】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、後方に推し進められ弾性部材を後退させて開放する、弾性部材に組み込まれた周辺フランジを有する雄型ルアーを示す、図11と同様の図である。
【図19】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、弾性部材が後方に推し進められ、これが後退し開放するように十分な摩擦接続をもたらす平滑な外側接触面を備えた弾性部材を有する雄型ルアーの外観及び作用を示す図である。
【図20】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、弾性部材が後方に推し進められ、これが後退し開放するように十分な摩擦接続をもたらす平滑な外側接触面を備えた弾性部材を有する雄型ルアーの外観及び作用を示す図である。
【図21】雌型ルアー(コア・ロッド又はカニューレを有さない)の接触面と接触すると、弾性部材が後方に推し進められ、これが後退し開放するように十分な摩擦接続をもたらす平滑な外側接触面を備えた弾性部材を有する雄型ルアーの外観及び作用を示す図である。
【図22】弾性部材の壁の中に突出しこれを外側に広げて、雄型ルアーの筐体のガイドの中に又はそれを通って延在させる半径方向延長部を有する弾性部材の内部に中央密封部材を有する雄型ルアーであって、このガイドがコア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーの接触面と係合し、この係合により弾性部材が後退し、開放されて、流体がルアー間及びそれらの中を流れるようにする雄型ルアーを示す、図16及び17と同様の図である。
【図23】弾性部材の壁の中に突出しこれを外側に広げて、雄型ルアーの筐体のガイドの中に又はそれを通って延在させる半径方向延長部を有する弾性部材の内部に中央密封部材を有する雄型ルアーであって、このガイドがコア・ロッド又はカニューレを有さない雌型ルアーの接触面と係合し、この係合により弾性部材が後退し、開放されて、流体がルアー間及びそれらの中を流れるようにする雄型ルアーを示す、図16及び17と同様の図である。
【図24】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の側面立面図である。
【図25】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の端面立面図である。
【図26】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の側面立面図である。
【図27】スリット開口を備えたわずかに膨らんだ先端を有し、概ね円錐形の接触くぼみを備えた雌型ルアーの内側面と接触する間、該スリットが圧縮され開放する雄型ルアーの弾性部材の別の実施例の端面立面図である。
【図28】雌型コネクタから分離する間、逐次的弁のタイミングが行われ、先端から過剰の流体を除去するために雄型ルアー・コネクタ端部に部分的真空状態を生成するのに使用する、本発明の態様による複数弁付き雄型ルアー・コネクタの切り欠け概略図である。
【図29】係合に先立ち、適合した雌型弁付きコネクタと位置合わせされた雄型コネクタを示す、図28の雄型コネクタの側面断面図である。
【図30】雄型コネクタの近位弁と雌型コネクタの弁が閉鎖したままの間、雄型コネクタの遠位弁が開放する位置まで、雄型及び雌型コネクタが部分的に係合するようになることを除いて、図29と同様の図である。
【図31】雄型コネクタの近位弁が閉じたままのとき、雄型コネクタの遠位弁が開放し雌型コネクタの弁が開放する位置まで、雄型及び雌型コネクタがさらに部分的に係合するようになることを除いて、図30と同様の図である。
【図32】雄型及び雌型コネクタが完全に係合するようになり、雄型コネクタの遠位弁及び近位弁の両方が開放し、さらに流体の流れが完全に両方のコネクタを通るように雌型コネクタも開放することを除いて、図31と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に上記の及び他の特徴及び利点は、本発明の原則の例証の目的で示される添付の図面と併せて、以下の好ましい実施例の詳細な説明から明確になろう。
本発明は、同様の部品に同様の参照番号が付される添付の図面と併せて、本発明の例示的実施例である以下の詳細の説明からよりよく理解されるであろう。
【0015】
図1は、ルアー取付け具の雄型ルアーと雌型ルアーの接続の2つの構成要素の側面図である。取付け具は、既存のフラッシュ・トップ雌型ルアー弁を有する雌型ルアーと係合することを意図された雄型ルアー10から構成される。雌型ルアー24は、特定のタイプに限定されるものではないが、典型的なルアーをここに示す。ここに示す雌型ルアーは、弁が閉鎖したものである。この雌型ルアー24は、カニューレ又はポスト26を備えた筐体要素28を含む。筐体28の前方端の外側面に、雌型ルアー24の雄型ルアー10との係合を可能にするねじ山30がある。この実施例で、雄型ルアー10は筐体要素12から構成される。筐体12の内壁は、雌型ルアー・コネクタの対応するねじ山30と係合するねじ山32を含む。筐体12は、前方に突出し、第1のくびれ領域36及び第2のくびれ領域38(図2参照のこと)を有する直径が縮小した内部管状部分16を有する。内部管状部分は、前方の開口33(図2参照のこと)と内部チャンバ13を画定する。弁部材18は、弾性部材、すなわちばね14によって開口33を密閉する延長位置へ偏向される。ばね14は、チャンバ13の遠位端と弁部材18の間で作用する。(本明細書で使用されるように、“遠位”は雄型ルアーの後方端部であり、“近位”は前方端部であり、すなわち、図1及び2に示される図において左右の端部である。)弁部材18は、弾性部20及び前方先端部材22を含む。図1は、係合していない位置の2つのルアー10、24を示す。他のタイプの雌型ルアー弁はカニューレ又はポストを含まない。例証の目的で、Leinsingによる米国特許第5,676,346号及びWerschmidtによる米国特許第5,782,816号は、これらのタイプのルアー弁を示す。
【0016】
図2から5は、互いに係合するようになる際の雄型ルアー10及び雌型ルアー24を示す。図2は、完全に係合が外れた2つのルアー10、24を示す。カニューレ又はポスト26は、2つのルアーの間の流体の出入口のための開口40を有してよい。他のダクト・システム(図示せず)が可能であり、使用することができる。カニューレ又はポスト26は、スリーブ34内のチャンバ内に取り付けられる。スリーブ34は、ゴム製又は他の任意の好適な弾性物質であってよく、弁部材のストッパーとして機能する。スリーブ34は、図2の係合が外れた位置で閉鎖して密閉される前方端開口35を有する。雄型ルアーは、第1のくびれ領域36と、第1のくびれ領域36から後方に離間した第2のくびれ領域38とを有する前方端部を有する。図3は、雌型ルアー24の中に挿入され始める雄型ルアー10を示す。ねじ山30、32が係合し始めると、筐体12の前方端33が、開口35が開放させられてカニューレ26の端部を越えるまで、スリーブ34を後方に押す。次いでカニューレ又はポスト26は、弁部材18の先端と接触するようになり、これを後方に押し始め、これによりカニューレ又はポスト26は弁要素前方部22を移動させる。この移動によって、第1のくびれ領域36の密閉面がその台座から分離し始める。先端部材22が後方に押され始めると、第2の弾性部20が縮み、弁要素空隙19を圧縮する。これにより第1のくびれ領域36が密閉から解放され、空隙19に含まれていた液体を移動させる。この移動した液体は、一時的に雌型ルアー弁24へと流れる。このような圧力が加わると、弁部材が圧縮され、さらに内側のチャンバ13内へ押し込まれる。
【0017】
図4は、雌型24及び雄型10がさらに一層係合したときのルアー部材の位置付けを示す。カニューレ又はポスト26は、先端部材22をさらに押し始め、第1の弾性部材14を縮め、その結果第2のくびれ領域38が密閉から解放される。この位置で図4の矢印で示すように、雄型ルアーの真空部21にさらにカニューレ又はポストが挿入されることによって、より多くの液体が移動する。カニューレ又はポスト26の開口40によって、流体が雌型ルアー24の中を通り外に出ることが可能になる。この移動した液体は、作用が逆になると再び満たされるであろう容積を形成する。
【0018】
雄型ルアー弁10が雌型ルアー弁24から外れると、2つの弁が接続している間移動した液体の容積は元の位置に戻り、これにより相対的真空状態を形成する。雌型ルアー24を雄型ルアー10から取り外すと、第2のくびれ領域38によって形成される主要な密閉部がこの台座と接触する。このことによって真空部21を上流の液体から隔離させる。カニューレ又はポスト26が引き戻されると、弾性部20がその縮んでいない自然の形状に戻るので、空隙19は元に戻る。このように回復すると、液体は空隙19へ引き込まれる。第2のくびれ領域38が閉鎖されるので、液体は雄型ルアー10と雌型ルアー24の間の境界面から引き出されるであろう。この効果は、カニューレ又はポスト26が引き戻される際に元に戻されなければならない、カニューレ又はポスト26によって示される容積によって高められる。この形成される相対的真空状態は、第1のくびれ領域36の密閉面が再びその台座と接触するまで、真空部に液体を引き込もうとするであろう。
【0019】
図5は、弁部材42に一体式に接続されたばね14と共に弁部材が形成されることを除いて、上記の2段式弁と同様のタイプを示す。筐体12は内部スリーブ16を含み、内部スリーブ16の内側に内部チャンバ13が配置される。この実施例の機能は、弁部材42と一体式に接続されるばね14がゴム弾性の又は他のタイプの材料で構成することができることを除いて、先に述べた実施例と同様である。
【0020】
図6及び7は、本発明の他の実施例による雄型ルアーを示す。この装置は、一体式の弾性部材を備えた単段式ルアー弁である。この実施例で雄型ルアーは、雌型ルアー30の対応するねじ山と係合するために、筐体の内壁にねじ山32を備える筐体12を有する。内部チャンバ13は、弾性部材及び先端と共に一体式に形成される弁部材42によって密閉される。したがって、この新規の弁部材42は別個の弾性部材を含むのはなく、すべての部材が1つの部品に形成されることを除いて、先の実施例のように機能する。この実施例は雌型ルアーが弁部材42と係合すると、部材42が、上述のようにいくつかの異なる部品としてではなく、単一の部品として動く単段式ルアーを示す。図7は、雌型ルアー24と係合し流体が流れるようにする図6のルアーを示す。2つのルアー10、24が係合すると、雌型ルアー24のカニューレ又はポスト26が弁部材42を縮ませ、カニューレ又はポスト26の開口40を介して、また弁部材42の後方端部の開口44を介して流体が流れるようにする。
【0021】
図8は本発明の別の実施例を示す。この実施例で、雄型ルアーの筐体12は先の実施例と同様である。さらに、内側スリーブ16内に弾性部材、すなわちばね14が含まれる。しかしながらこの実施例で、弾性部材の端部に含まれる弁はボール46として示される。このボールは、例えばゴム弾性の材料のように様々なタイプの材料で形成することができる。さらに、チャンバ13の前方端部開口は、ボール弁46を収容する一部が球状の台座47として例示される。当業者は弾性部材、すなわちばね14の端部に含まれる弁は、様々な形状であってよいことを認識するであろう。しかしながら、雄型ルアー10の先端の形状は、雌型ルアー24の先端の形状に対応するものである必要がある。
【0022】
図9及び10は、修正された雄型ルアーが、先の実施例の雌型ルアー24に解放可能に固定可能な本発明のさらに別の実施例による修正されたコネクタを示す。修正された雄型ルアーは、円筒形の外壁52と、後方端部53から円筒形筐体の中へ突出し、筐体の長さの一部に沿って延在する内部管状支持体54とを備えた筐体を備える。外壁52は、雌型ルアーねじ山30と係合する内部ねじ山32と、筐体の後方端部53から延出し、筐体の前方端部から外へ突出する内部支持体54より長い直径とを有する。弾性スリーブ、すなわちブラダー部材56は、その後方端部で管状部材55と支持体54の間に固定され、その前方端部開口57まで管状部材55内で前方に突出する。ブラダー部材56は、図9の延長した非接続位置にあるとき、管状部材55の内側に先細になった端部によって閉鎖され密閉される前方端部開口58を有する。ブラダー部材56の前方端部58は、図9に示す位置において雄型ルアーの端部開口57を密閉するための弁として作用する。
【0023】
雄型ルアーの管状部材55は、筐体の内側円筒形壁52より直径が小さいので、部材55と内壁52の間に環状の間隙を残す。摺動スリーブ60は、この環状間隙の管状部材55の上に摺動可能に取り付けられる。スリーブ60は、直径方向に対向する開口62を有し、管状部材55は、対向する細長く、軸方向に延在するスロット64を有する。内部ブラダー、すなわちスリーブ部材56の反対方向に向けられたガイド部分65(例えばタブ、ウイング又はフィン)は、スロット64を通して開口62へ半径方向に外側に突出する。したがってスリーブが図9の完全に延出した位置にある場合、これは摺動スリーブを図示の位置へ前方に引っ張るであろう。ブラダー部材56の波形部分66は、ブラダー部材56の前方端及び摺動スリーブ60を延長位置に偏向させるためのばねとして作用する。
【0024】
図10は雄型ルアー50と接続する雌型ルアー24を示す。雌型ルアー筐体の前方端は、雄型筐体の円筒形壁にねじ込まれると、これは摺動スリーブ60の前方端67と係合し、スリーブ、したがってブラダー部材56を後方に推し進め、ブラダー部材の前方端部を管状部材55の前方端開口との密閉係合から引き離す。示されるように、これにより前方端開口58がばね式に開くようになる。同時に管状部材55の前方端は、スリーブ34がカニューレ26の端部を越えて進み、このカニューレが管状部材の開放した前方端へ延在するように、雌型ルアーのスリーブ34を後方に押す。これにより、内部管状支持体、ブラダー部材56の開口端部58、及びカニューレ26の開口40を経由して2つのルアーを通って流体が流れるようになる。ルアーが分離すると、ブラダー部材56の圧縮された波形部分66が、移動して管状部材55の前方端との密閉係合に戻るように前方端部を推し進め、いずれの流体の漏出も防ぐ。
【0025】
図11は弾性スリーブ、すなわちブラダー部材56が波形部分を有さず、代わりに別個のばね部材68を有することを除いて、代替の摺動作動弁を示す図9と同様の図である。ばね部材68は例えば、金属又は弾性ゴム材料で形成されるいずれのタイプであってよい。雄型ルアー弁の機能は同様であり、単にばね部材68が、先の波形部材と代わるだけである。
【0026】
図12は、カニューレ又はポストを有さない雌型ルアー弁と共に使用する代替の弁を示す、図10と同様の図である。筐体28の前方端の外側面は、雄型ルアー弁の摺動スリーブ60の前方端67と係合しこれを圧縮する。雌型ルアー弁筐体28の前方端がさらに摺動スリーブ60を移動させ続けるので、ブラダー部材56は後方に移動し続け、管状部材55の前方端開口との密閉係合からブラダー部材の前方端部を引き離す。これにより前方端開口58がばね式に開放する。これにより、内部管状支持体、ブラダー部材56の開口端部58を経由して2つのルアーを通って流体が流れるようになる。ルアーが分離すると、先に記載したような密閉係合が再び生じる。
【0027】
図13は筐体要素を包含しない雄型ルアー弁を示す。この図は、雄型ルアー弁が筐体要素に包含されず代わりに自立型でありうることを除いて、図2と同様である。しかしながら雄型ルアー弁の機能は、雌型ルアー筐体との係合が雄型ルアー筐体に対して行われないことを除いては、図2について説明したものと同様である。
【0028】
図14及び15は摺動スリーブ60を包含しない雄型ルアー100の実施例を示す。ルアー筐体102は、その上に弾性スリーブ又は部材106を配置した管状突出導管118を有する。弾性部材106のベース114は、筐体102の内部端壁112に当接し、管状突出部材104の内部端によって所定の場所に固定される。弾性部材106は、部材104の管状部分のスロット110にそれぞれ配置される1つ又は複数の側面に突出するフィン108を有する。雄型ルアーが閉鎖すると(図14)、弾性部材106の先端116の開口が閉じ、雄型ルアー100の開放端部120を密閉する。雄型ルアーが、接触面126を有するが中心コア・ロッド又はカニューレを有さない(図15)雌型ルアー128と係合すると、面126はフィン108と係合し、雄型ルアーが雌型ルアーの中への移動することによって、フィン108が108’で示すようにスロット110内で誘導され、該フィンを矢印107で示すように筐体102へと後方に移動させ、106’で示すように弾性部材のベローズ部分を圧縮する。このことによって116’で示すように先端を開放させ、流体が開口120を通って、導管118の流路124及び122並びに筐体102にそれぞれ流れるようになる。周辺突出部132はOリングシールとして機能し、ルアーが係合すると、弾性部材106の突出する前方縁部130が部材140の内側の傾斜面134と係合して密閉又は「ストッパー」効果を与え、Oリングシール領域を流体の流れがない、乾燥状態に保つ。
【0029】
多くの図において簡略化のために、雌型ルアー128自体は示さないが、雄型ルアー100の要素の動きのみを示す。このような動きは、図2、3、12及び15のような(限定するものではないが)他の図に示す方法における雄型/雌型ルアー係合した結果であることが理解されよう。同様に流体が中を流れる際、それらの係合位置に雄型及び雌型ルアーを維持するためのねじ山又は他の固定装置も、簡略化のためにすべての図において示さないが、図2、3、4、10及び12(限定するものではないが)で示すように、これらが存在することが理解されよう。
【0030】
図16及び17は、図14及び15のものと同様であるが、内部プラグ138が導管118内にありチャネル148がプラグ138を通り越す実施例を示す。これらチャネルは、導管118の壁に形成する、又は導管118に接続された離間した支持体(図示せず)にプラグ138を装着するか、又はいずれかの他の便利な方法で形成されてよい。プラグ138の周辺面142は、雄型ルアーが閉鎖すると(図16)、140で示すように弾性部材106の内側面の半径方向のランド144と接触する。雄型ルアーが雌型ルアーに進入すると、接触面126がフィン108と接触し、図17の108’で示すようにフィンを後方に押し、これにより106’で示すように弾性部材を圧縮し、ランド144を固定されたプラグ138の面142との接触から移動させる。弾性部材の圧縮はまた、116’で示すように弾性部材の先端116を開放する。矢印146で示すように、開口120を通って導管124へ入り、プラグ138の周辺でチャネル148を通る流体の流れも可能になる。ランド114の軸方向の位置及び幅は、いつプラグ縁部142との接触が行われ、又は失われるか、これによりルアーがいつ開閉するかを決定し、また流体の逆流を回避する又は最小にするために真空効果を提供するように変更することができる。
【0031】
図18から21は、図21に示すように、雌型ルアー128と係合することで、雌型ルアーの接触面126が、弾性部材106の外側面152と直接接触するルアーの内側面となる「軟質」雄型ルアー100の実施例を示す。図18で、肩150と、108のようなフィンで、雌型ルアーの接触面と係合することができる突出構造でありうる周辺フランジとの2つの任意の要素を示す。肩150は、筐体102の部分102’内の連続する半径方向の肩であってよく、又は部分102’に半径方向に位置合わせされた離間した突起から構成されてよい(部分102’は、別個の部材であるが筐体102の受け台に取り付けられる部材として、図18及び19に示すが、筐体102の残りの部分と一体にしてもよい)。肩150は、雌型ルアー128の接触面126と係合し、2つのルアーの相対的移動を停止させ、これにより雄型及び雌型ルアーが係合することができる深さを制限する制限装置として機能する。突起109は、接触面126と部材106の面152の係合を分担することによって、弾性部材106の圧縮を助けることができる。部材106の先端領域116は図18及び19に示すように厚くされ、雌型ルアーの係合するネック内に若干拡張して、更なる密閉効果をもたらすことができる。
【0032】
図20及び21において、任意の延長した筐体102を有し、部材106の面152が面126と接触して係合することによって雄型及び雌型ルアーが完全に係合するようにする軟質の雄型ルアー100を示す。このような剛性導管118の上の部材106の係合及び圧縮により、先端116が開放し且つ端部120を通る流れが可能になる。
【0033】
更なる実施例を図22から27に示す。図22及び23の実施例で、弁部材42の機能と同様の機能の内部プラグ154を示す。プラグ154は、弾性部材106の半径方向ポケット156に挿入された一体式フィン又は半径方向フランジ158を有する。雌型ルアーとの係合により、106’、156’及び158’でそれぞれ示すように、雌型ルアー接触面が弾性部材106、そのポケット156及びフィン又はフランジ158を後方に押し、これによりプラグ154のプラグ・ヘッド160を160’で示す位置に引き戻して端部120を開放して導管124に流体を流す。
【0034】
図24から27はその先端116”にスリット162を有する成型された弾性部材106aを示す。雌型ルアー128と接触すると、弾性部材106aの外側面152が雌型ルアーの接触面126と摩擦係合することにより、図に示すように弾性部材106aが変形し、これにより162’で示すようにスリット162が開放して導管124に流体が流れるようになる。
【0035】
次に図28から32を参照すると、本発明の態様による雄型コネクタ200、及び本発明の態様による逐次的弁のタイミングを実証する種々の係合構成での雌型コネクタ202を示す。
【0036】
ここで図28を参照すると、雄型コネクタ200は切り欠け斜視形態で示され、内部空隙212を有する弾性部材210を含む。弾性部材は縮められず、内部空隙は第1の内部容積を有する。弾性部材は、筐体214内及び管状突出部材216内に取り付けられる。弾性部材のベース218は、筐体の内壁220に接触し、管状突出部材の近位端222によって所定の位置に固定される。内部プラグ224は、弾性部材内に取り付けられる。プラグは、弾性部材の遠位端230によって形成される弁台座228と結合する遠位弁部材226を含む。内部プラグは、弾性部材によって形成される近位弁台座234と結合する近位弁部材232を含み、これはこの実施例ではポペット弁208のタイプとなる。内部プラグは、弾性部材に形成される半径方向ポケット238に挿入される一体式フィン又は半径方向フランジ236を含む。弾性部材は以下に記載するように、近位方向の逆の力が弾性部材を部分的に縮める又は圧縮させない限り、遠位方向に偏向力を与え、それ自体及び内部プラグを図28に示す構成に戻すようにする。
【0037】
図29は分離したばかりの2つのルアー・コネクタ200及び202を示す。この位置で雌型ルアー・コネクタ202の弁204は閉鎖され、雄型ルアー・コネクタ200の第1の遠位弁206及び第2の近位弁208が閉鎖される。いずれかのコネクタを通る流れは、それぞれの弁が閉鎖するので妨げられる。
【0038】
雄型コネクタ200をより詳細に見ると、コネクタは、内部空隙212を有する弾性部材210を含む。図28で弾性部材は縮められず、内部空隙は第1の内部容積を有する。弾性部材は、筐体214及び管状突出部材216に取り付けられる。弾性部材のベース218は筐体の内壁220に接触し、管状突出部材の近位端222によって所定の位置に固定される。内部プラグ224は弾性部材に取り付けられる。プラグは、弾性部材の遠位端230によって形成される弁台座228と結合する遠位弁部材226を含む。内部プラグは、弾性部材によって形成される近位弁台座234と結合する近位弁部材232を含み、この実施例でこれはポペット弁タイプ208となる。内部プラグは、弾性部材で形成される半径方向ポケット238に挿入される一体式フィン又は半径方向フランジ236を含む。弾性部材は以下に記載するように、近位方向の逆の力が弾性部材を圧縮させない限り、遠位方向に偏向力を与え、それ自体及び内部プラグを図28に示す構成に戻すようにする。
【0039】
図28及び29を共に参照すると、雄型コネクタ200が雌型コネクタ202と係合することにより、雌型コネクタ接触面240が弾性部材の作用面244を近位方向に押し、これにより弾性部材接触面244、ポケット238及びフィン236及び内部プラグ224をまた近位方向に移動させる。十分な近位方向の移動が起こると、以下に詳細に記載するように、プラグは遠位弁台座228から外れ、これにより遠位弁206を開放し、近位弁台座234との係合から外れ、これにより近位弁208を開放する。管状突出部材216は、雌型コネクタ接触面240と接触することができるように、弾性部材の作用面244が中を通って突出するスロット242を含む。管状突出部材216はこの実施例で、他の形状も可能であるが標準ルアーの形状で形成される。筐体214は、2つを共により確実に固定するために、雌型コネクタのねじ山248と係合する内部ねじ山246を含んでよい。
【0040】
雌型コネクタ202は、雌型弁204を形成するその近位端252に開口を有する内部ピストン250を含む。ピストンが一定の距離だけ雌型コネクタの筐体254内に移動すると、これが開放されることによって雌型弁が開放し、流体が雌型コネクタを通って流れるようになる。
【0041】
次に図30を参照すると、部分的に互いに連結した雄型200及び雌型202コネクタを示す。この位置で、雌型ルアー・コネクタの前方接触面240は、雄型ルアー・コネクタの作用面244を近位方向に第1の遠位弁206を開放するのに十分遠くに押しやるが、雄型コネクタの第2の近位弁208は閉じたままである。この位置で次に弾性部材の空隙212がわずかに縮み、図28に示す空隙の第1の容積より小さい内部容積を有する。管状突出部材、すなわち雄型ルアー部分216の遠位端256は、雌型ルアー・コネクタ202のピストン250を遠位方向に一部の距離だけ押しやる。雌型ルアー・コネクタの弁204は、ピストンの移動に関わらず依然として閉鎖している。
【0042】
したがってこの図30において、2つのコネクタ200及び202が互いに係合しているので、雄型コネクタの遠位弁206が最初に開放するが、雄型コネクタの近位弁208及び雌型コネクタ弁204は閉鎖したままである。これは種々の部品の移動の相対的な距離及びサイズによるものである。雄型コネクタ弾性部材210の近位弁台座234は、プラグ224が遠位弁206を開放するのに必要な距離より長い距離を移動するまで、その弁208が開放しないよう十分な長さに設計される。近位弁が開放するのに必要とする移動距離は、遠位弁が開放に達するまでの移動距離より長い。同様に、雄型コネクタの遠位弁を開放するためのプラグの移動距離は、雌型コネクタ弁を開放するのに必要な雌型コネクタのピストン250の移動距離より小さくなるように選択される。
【0043】
図31は、図30よりさらに共に結合した雄型200及び雌型202ルアー・コネクタを示す。この構成で雄型ルアー・コネクタの遠位端256は、次に雌型コネクタ弁204が開放し、次に雌型コネクタを流れる流体が生じることができるように、雌型コネクタのピストン250を遠位方向により遠くに押しやる。雌型コネクタの接触面240は、さらに弾性部材210の作用面244を一層近位方向へ押しやり、さらに遠位弁206を開放するが、近位弁208は依然として閉鎖したままである。したがって、雄型及び雌型コネクタ間の3つの弁のうち2つの弁は、今のところ開放している。次に雌型コネクタを流体が通ることができるが、近位、すなわち上流弁208が閉じたままであることから雄型コネクタを通る流体の流れは妨げられたままである。明らかであるように、開放するのに必要とされる近位弁の移動の距離は、雄型コネクタ200の遠位弁206の移動距離、及び開放に達するために雌型コネクタ弁204に移動する距離より長い。したがってこの実施例で、雄型コネクタの遠位弁を開放するための内部プラグ224の移動距離は、雌型コネクタ弁204を開放するのに必要とされる雌型コネクタのピストン250の移動距離より小さくなるように選択され、さらに雌型コネクタ弁を開放するより近位弁208を開放する方が長くなる。
【0044】
図32は、3つのすべての示される弁が開放し、流体が両方のコネクタの間及びそれらの中を流れることができるような雄型200及び雌型202ルアー・コネクタの完全な作用効果のある係合を示す。この構成で、雌型コネクタ接触面240は、近位弁208を開放するために、近位方向に十分遠くに雄型コネクタの作用面244を押しやる。弾性部材210の圧縮可能な縮み空隙212は、完全に縮み、先の図28から31に示す容積よりもさらに小さい内部容積を有する。したがって本発明の態様による2つの弁、遠位すなわち下流弁及び近位すなわち上流弁を有する雄型コネクタの、内部弁を有する雌型コネクタとの結合において、開放する第1の弁は遠位雄型コネクタ弁である。開放する第2の弁は雌型コネクタ弁であり、開放する最後の弁は近位雄型コネクタ弁である。流体は次に上流ライン260から雄型コネクタ200を通り、雌型コネクタ202を通り下流ライン262を通って出る。この場合、上流及び下流ラインは共に医療用管材料として示すが、他の装置を使用することもできる。さらに雄型コネクタ200の上流接続装置258をルアー雌型コネクタとして示すが、他のタイプの結合装置を使用することもできる。同様に雌型コネクタ202の下流結合装置264を雄型ルアー・コネクタとして示すが、他のタイプの結合装置を使用することもできる。
【0045】
雄型コネクタ200と雌型コネクタ202の互いの係合からの開放又は分離は、上述のような弁開放のシーケンスと逆の弁閉鎖シーケンスとなるであろう。ちょうど詳細に記載したように、コネクタは図32において共に完全に作用効果のある係合を示し、流体が両方の弁を通って流れることができる。図31に係合が外れたときの弁閉鎖の第1段階を示す。雄型及び雌型ルアー・コネクタの分離が始まると、弾性部材がもたらす偏向力によって、雌型ルアー・コネクタの接触面240が遠位方向に移動することにより、雄型ルアー・コネクタの弾性部材210の作用面244のやはり遠位方向への移動が可能になる。図31に示すように、雄型コネクタの近位弁208は閉鎖しているが、雄型コネクタの遠位弁206及び雌型コネクタ弁204は開放したままである。したがって図31の構成において、次に雄型コネクタが、雄型コネクタ近位雌型コネクタ258に接続されうるように、上流ラインにあるいずれの流体に対しても閉鎖する。図31に上流ライン260を強調した形態で示す。この構成で、次いで雄型コネクタの内部構成要素、及びこれにより雌型コネクタは、いずれの上流の流体からも隔離される。
【0046】
図30は、雄型コネクタ200及び雌型コネクタ202の分離時の弁閉鎖の第2段階を示す。雄型及び雌型ルアー・コネクタの分離がさらに続くと、雄型ルアー・コネクタの遠位端256が後退して近位方向に移動し、これにより雌型ルアー・コネクタのピストン250も近位方向に戻ることにより、雌型コネクタ弁204を閉鎖することになる。次に雌型コネクタを通る流体の流れが妨げられる。したがって、ここで雄型及び雌型コネクタが共に上流ライン260及び下流ライン262のいずれの流体からも隔離される。
【0047】
雄型コネクタ200が図30の構成から図29の構成に移動し、その間弾性部材210が遠位方向に移動して遠位弁206を閉鎖する際、部分的真空状態が雄型コネクタ内に形成される。これは、弾性部材が図30の構成から図29の構成に戻る際、弾性部材210の空隙212が内部容積内で増大するからである。弾性部材の内部容積が増大し始めるとすぐに、雄型コネクタに流体を引き込むのに使用することができる部分的真空状態が形成される。互いの及び雌型コネクタの弁と関連するコネクタの弁の適切な順序付けによって、この部分的真空状態の力は、雄型コネクタと雌型コネクタ202の間の境界面に向けられ、これによりこの境界面に残っている流体を雄型コネクタに引き込む。
【0048】
この時点で唯一開いたままの弁が雄型コネクタの遠位弁206であるように、弁は順序付けされるので、この部分的真空状態が存在することで、遠位弁206が閉鎖する前に、2つのコネクタ200及び202の間の境界面、及び弾性部材210の遠位先端すなわち端部230に残っているいずれの流体も雄型コネクタに引き込む。コネクタがさらに分離すると、弾性部材の空隙212はさらに拡張し、図29の構成に示すように遠位弁206が最終的に閉鎖するまでに、2つのコネクタの境界面からより多くの流体を引き込む。したがって図29の構成で、その遠位端に雄型コネクタ200を有する上流ライン260、及びその近位端に雌型コネクタ202を有する下流ライン262の両方がそれぞれのコネクタによって密閉され、それぞれがラインを隔離するための少なくとも1つの内部弁を有する。上流ライン260を隔離する場合、雄型コネクタ200はラインの遠位端を密閉し、雌型コネクタ202との係合から外れる又は分離すると、コネクタの遠位端から過剰な流体をさらに引き出す。これは、苛性流体が上流ラインによって伝導され、この流体の一部が雌型及び雄型コネクタの間の境界面の表面に到達しうる場合に特に有益な特徴である。これらのコネクタが完全に分離し、このような苛性流体がその表面に残る場合、この苛性流体をコネクタを扱う臨床家に送達することができる。この種の流体は、皮膚表面に添加されるとヘルス・ケア・ワーカー及び患者に創傷を与える恐れがあるので、この真空状態による上流ラインでのこの流体の封じ込め、ドロー・バック機能は特に有益である。
【0049】
図28から32に、コネクタの端部における管260及び262を示すが、これは単に例示の目的であり、制限的なものを意図するものではない。種々の伝導性のもの、容器及び他の構成要素は示される管の代わりに使用することができる。例えば、雄型コネクタ200は管に接続される代わりにシリンジのノズル端部を形成してよい。雌型コネクタ202は例として、雄型コネクタに接続されたシリンジからの流体を医療用物質の小瓶に注入し、混合し、次いでシリンジに引き戻す小瓶アダプター又は小瓶アクセス装置の一部を形成してよい。他の用途が可能である。
【0050】
上述の雄型ルアーの種々の実施例は、操作者がコネクタを流れる潜在的に危険な流体と接触する危険を低減させる、雄型及び雌型ルアーが分離する際の雄型ルアーの端部開口の自動密閉を提供する。
【0051】
本発明のいくつかの例示の実施例を例示の目的でのみ上記に記載してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲から逸脱することなく開示の実施例に修正することができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0052】
200 雄型コネクタ
202 雌型コネクタ
204 雌型弁
210 弾性部材
222 近位端
230 遠位端
240 雌型コネクタ接触面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用流体の流れのために前方接触面及び内部弁を有する雌型ルアー・コネクタと接続する雄型ルアー・コネクタであって、
前記雌型ルアー・コネクタと係合し、境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、
前記雄型コネクタが前記雌型コネクタとの係合から外れ前記雌型弁が閉鎖している期間に、前記管状筐体の前記遠位端に部分的真空状態を形成する減圧手段とを備え、
前記減圧手段が、前記雄型及び雌型コネクタが非係合状態である間、前記境界面から前記境界面に残る流体を引き出す雄型ルアー・コネクタ。
【請求項2】
前記減圧手段が前記管状筐体内に配置される、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項3】
前記減圧手段が、前記管状筐体の前記近位端を通る前記流体の流れを制御する第1の弁を備える、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項4】
前記減圧手段が、前記管状筐体の前記遠位端を通る前記流体の流れを制御する第2の弁を備える、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項5】
前記減圧手段が前記管状筐体の前記近位端を通る前記流体の流れを制御する第1の弁を備え、
前記減圧手段が前記管状筐体の前記遠位端を通る前記流体の流れを制御する第2の弁を備え、
前記減圧手段がまた、前記減圧手段が前記部分的真空状態を形成する間、前記第2の弁を開放したままに制御する、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項6】
前記減圧手段がまた、前記雌型コネクタが前記雄コネクタとの係合から外れる間、前記雌型コネクタ弁が閉鎖した後、前記第1の弁を最初に閉鎖するように制御し、前記第2の弁が開放したままであるように制御する、請求項5に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項7】
前記減圧手段が、前記第1の弁及び第2の弁の開閉を制御するアクチュエータを備え、
前記減圧手段がさらに、前記第1の弁及び第2の弁を開閉するようにアクチュエータを制御するために、前記雌型コネクタの前記前方接触面によって移動可能であるように配置される作用面を備える、請求項5に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項8】
前記第1の弁が管状筐体の近位端に配置される近位弁を備え、
前記第2の弁が管状筐体の遠位端に配置される遠位弁を備え、
前記アクチュエータが、前記近位及び遠位弁を共に開閉するために、管状筐体内に配置される請求項7に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項9】
前記減圧手段がさらに、前記近位及び遠位弁を共に閉鎖するためにアクチュエータを偏向するように配置される弾性部材を備える、請求項8に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項10】
前記弾性部材が、前記近位及び遠位弁が閉鎖されると第1の容積を有し、前記遠位弁が開放されていると前記第1の容積より小さい第2の容積を有する、中を流体が流れる内部可変容積空隙を有し、
前記弾性部材が、前記遠位弁が閉鎖する間、前記第2の容積から前記第1の容積に移る際、部分的真空状態を形成する、請求項9に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項11】
前記空隙が、前記雄型及び雌型コネクタが係合すると前記第2の容積を有し、
前記空隙が、前記雄型及び雌型コネクタが非係合状態にあると前記第1の容積に移り、これにより前記部分的真空状態を形成する、請求項10に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項12】
前記弾性部材が前記遠位弁用の弁台座及び前記近位弁用の弁台座を形成し、
前記アクチュエータが、前記遠位弁を閉鎖するために前記遠位弁台座に嵌合する前記遠位弁用の遠位弁部材を提供し、前記近位弁を閉鎖するために前記近位弁台座に嵌合する前記近位弁用の近位弁部材を提供する、請求項11に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項13】
前記弾性部材が作用面を提供し、
前記アクチュエータが前記弾性部材に接触して前記弾性部材内に配置され、
前記雌型コネクタの前記前方接触面との係合による前記弾性部材の移動により、前記遠位及び近位弁を開閉するアクチュエータの対応する移動が生じる、
請求項12に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項14】
医療用流体の流れのための経路を確立するために前方接触面及び内部弁を有する雌型コネクタと接続する雄型コネクタであって、
前記雌型ルアー・コネクタと係合し、境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、
前記管状筐体の前記遠位端を通る流体の流れを制御するのに使用するために配置される第1の弁台座と、
前記管状筐体内に配置され、前記第1の弁台座を越える流体の流れを阻止するために前記第1の弁台座に係合する第1の弁部材を有する内部プラグと、
前記第1の弁台座に係合するように前記内部プラグを偏向するために前記管状筐体内に配置され、前記第1の弁が閉鎖すると第1の容積を有し、前記第1の弁が開放すると、前記第1の容積より小さい第2の容積を有する内部可変容積空隙を有する弾性部材とを備え、
前記弾性部材が、前記雌型コネクタの前記雄型コネクタとの係合により前記弾性部材空隙が前記第2の容積に移り、前記雌型コネクタが前記雄型コネクタとの係合から外れることにより前記第2の容積から前記第1の容積に移り、これにより部分的真空状態を形成するように配置される雄型コネクタ。
【請求項15】
前記第1の弁台座が前記筐体の前記近位端に配置され、
前記弾性部材空隙が前記第2の容積から前記第1の容積に移ることにより、前記管状筐体の前記遠位端に前記部分的真空状態を形成して、非係合状態の間、前記雄型及び雌型コネクタ間の境界面に存在する医療用流体を引き出す、請求項14に記載の雄型コネクタ。
【請求項16】
前記弾性部材が、前記雌型コネクタが閉鎖した後ある期間、前記空隙が前記第1の容積に移り、前記部分的真空状態が、非係合状態の間、前記雄型及び雌型コネクタ間の境界面に存在する医療用流体を引き出すように配置される、請求項15に記載の雄型コネクタ。
【請求項17】
前記第1の弁台座が、前記管状筐体の前記遠位端を通る前記流体の流れを制御するのに使用するために配置される遠位弁台座であり、
前記雄型コネクタがさらに、前記管状筐体の前記近位端を通る前記流体の流れを制御するのに使用するために配置される近位弁台座を備え、
前記第1の弁部材が、前記遠位弁台座を越える前記流体の流れを阻止するために前記遠位弁台座と係合する遠位弁部材であり、さらに前記近位弁台座を越える前記流体の流れを阻止するために前記近位弁台座と係合する近位弁部材を備え、
前記弾性部材が前記遠位弁台座及び前記近位弁台座の双方と係合するために前記内部プラグを偏向し、前記空隙の前記第1の容積は、前記近位及び遠位弁が閉鎖されているとき存在し、前記空隙の前記第2の容積は前記遠位弁が開放されているとき存在する、請求項16に記載の雄型コネクタ。
【請求項18】
雄型コネクタが雌型コネクタと係合する遠位端と、近位端と、内部弁とを含み、前記雌型コネクタが、前記雄型コネクタと係合する近位端と、遠位端と、内部弁とを含む雄型コネクタを雌型コネクタとの係合から外す方法であって、
前記雄型コネクタの前記近位端の流体から前記雄型コネクタと前記雌型コネクタの間の境界面を隔離するために、前記雄型コネクタの前記近位端で前記雄型コネクタ内の第1の弁を閉鎖することと、
前記境界面から前記境界面に残る流体を引き出すために、前記雄型コネクタと雌型コネクタの前記境界面に部分的真空状態を形成することとを含む方法。
【請求項19】
部分的真空状態を形成するステップの前に、前記雌型コネクタの前記内部弁を閉鎖するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
部分的真空状態を形成するステップの後に、前記雄型コネクタの前記遠位端で弁を閉鎖するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記部分的真空状態を形成するステップが、前記雄型コネクタ内に部分的真空状態を形成することと、前記境界面にある流体を雄型コネクタ内に引き込むこととを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
医療用流体の流れのために前方接触面及び内部弁を有する雌型ルアー・コネクタと接続する雄型ルアー・コネクタであって、
前記雌型ルアー・コネクタと係合し、境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、
前記雄型コネクタが前記雌型コネクタとの係合から外れ前記雌型弁が閉鎖している期間に、前記管状筐体の前記遠位端に部分的真空状態を形成する減圧手段とを備え、
前記減圧手段が、前記雄型及び雌型コネクタが非係合状態である間、前記境界面から前記境界面に残る流体を引き出す雄型ルアー・コネクタ。
【請求項2】
前記減圧手段が前記管状筐体内に配置される、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項3】
前記減圧手段が、前記管状筐体の前記近位端を通る前記流体の流れを制御する第1の弁を備える、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項4】
前記減圧手段が、前記管状筐体の前記遠位端を通る前記流体の流れを制御する第2の弁を備える、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項5】
前記減圧手段が前記管状筐体の前記近位端を通る前記流体の流れを制御する第1の弁を備え、
前記減圧手段が前記管状筐体の前記遠位端を通る前記流体の流れを制御する第2の弁を備え、
前記減圧手段がまた、前記減圧手段が前記部分的真空状態を形成する間、前記第2の弁を開放したままに制御する、請求項1に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項6】
前記減圧手段がまた、前記雌型コネクタが前記雄コネクタとの係合から外れる間、前記雌型コネクタ弁が閉鎖した後、前記第1の弁を最初に閉鎖するように制御し、前記第2の弁が開放したままであるように制御する、請求項5に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項7】
前記減圧手段が、前記第1の弁及び第2の弁の開閉を制御するアクチュエータを備え、
前記減圧手段がさらに、前記第1の弁及び第2の弁を開閉するようにアクチュエータを制御するために、前記雌型コネクタの前記前方接触面によって移動可能であるように配置される作用面を備える、請求項5に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項8】
前記第1の弁が管状筐体の近位端に配置される近位弁を備え、
前記第2の弁が管状筐体の遠位端に配置される遠位弁を備え、
前記アクチュエータが、前記近位及び遠位弁を共に開閉するために、管状筐体内に配置される請求項7に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項9】
前記減圧手段がさらに、前記近位及び遠位弁を共に閉鎖するためにアクチュエータを偏向するように配置される弾性部材を備える、請求項8に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項10】
前記弾性部材が、前記近位及び遠位弁が閉鎖されると第1の容積を有し、前記遠位弁が開放されていると前記第1の容積より小さい第2の容積を有する、中を流体が流れる内部可変容積空隙を有し、
前記弾性部材が、前記遠位弁が閉鎖する間、前記第2の容積から前記第1の容積に移る際、部分的真空状態を形成する、請求項9に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項11】
前記空隙が、前記雄型及び雌型コネクタが係合すると前記第2の容積を有し、
前記空隙が、前記雄型及び雌型コネクタが非係合状態にあると前記第1の容積に移り、これにより前記部分的真空状態を形成する、請求項10に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項12】
前記弾性部材が前記遠位弁用の弁台座及び前記近位弁用の弁台座を形成し、
前記アクチュエータが、前記遠位弁を閉鎖するために前記遠位弁台座に嵌合する前記遠位弁用の遠位弁部材を提供し、前記近位弁を閉鎖するために前記近位弁台座に嵌合する前記近位弁用の近位弁部材を提供する、請求項11に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項13】
前記弾性部材が作用面を提供し、
前記アクチュエータが前記弾性部材に接触して前記弾性部材内に配置され、
前記雌型コネクタの前記前方接触面との係合による前記弾性部材の移動により、前記遠位及び近位弁を開閉するアクチュエータの対応する移動が生じる、
請求項12に記載の雄型ルアー・コネクタ。
【請求項14】
医療用流体の流れのための経路を確立するために前方接触面及び内部弁を有する雌型コネクタと接続する雄型コネクタであって、
前記雌型ルアー・コネクタと係合し、境界面を確立するように構成される遠位端、及び近位端を有する管状筐体と、
前記管状筐体の前記遠位端を通る流体の流れを制御するのに使用するために配置される第1の弁台座と、
前記管状筐体内に配置され、前記第1の弁台座を越える流体の流れを阻止するために前記第1の弁台座に係合する第1の弁部材を有する内部プラグと、
前記第1の弁台座に係合するように前記内部プラグを偏向するために前記管状筐体内に配置され、前記第1の弁が閉鎖すると第1の容積を有し、前記第1の弁が開放すると、前記第1の容積より小さい第2の容積を有する内部可変容積空隙を有する弾性部材とを備え、
前記弾性部材が、前記雌型コネクタの前記雄型コネクタとの係合により前記弾性部材空隙が前記第2の容積に移り、前記雌型コネクタが前記雄型コネクタとの係合から外れることにより前記第2の容積から前記第1の容積に移り、これにより部分的真空状態を形成するように配置される雄型コネクタ。
【請求項15】
前記第1の弁台座が前記筐体の前記近位端に配置され、
前記弾性部材空隙が前記第2の容積から前記第1の容積に移ることにより、前記管状筐体の前記遠位端に前記部分的真空状態を形成して、非係合状態の間、前記雄型及び雌型コネクタ間の境界面に存在する医療用流体を引き出す、請求項14に記載の雄型コネクタ。
【請求項16】
前記弾性部材が、前記雌型コネクタが閉鎖した後ある期間、前記空隙が前記第1の容積に移り、前記部分的真空状態が、非係合状態の間、前記雄型及び雌型コネクタ間の境界面に存在する医療用流体を引き出すように配置される、請求項15に記載の雄型コネクタ。
【請求項17】
前記第1の弁台座が、前記管状筐体の前記遠位端を通る前記流体の流れを制御するのに使用するために配置される遠位弁台座であり、
前記雄型コネクタがさらに、前記管状筐体の前記近位端を通る前記流体の流れを制御するのに使用するために配置される近位弁台座を備え、
前記第1の弁部材が、前記遠位弁台座を越える前記流体の流れを阻止するために前記遠位弁台座と係合する遠位弁部材であり、さらに前記近位弁台座を越える前記流体の流れを阻止するために前記近位弁台座と係合する近位弁部材を備え、
前記弾性部材が前記遠位弁台座及び前記近位弁台座の双方と係合するために前記内部プラグを偏向し、前記空隙の前記第1の容積は、前記近位及び遠位弁が閉鎖されているとき存在し、前記空隙の前記第2の容積は前記遠位弁が開放されているとき存在する、請求項16に記載の雄型コネクタ。
【請求項18】
雄型コネクタが雌型コネクタと係合する遠位端と、近位端と、内部弁とを含み、前記雌型コネクタが、前記雄型コネクタと係合する近位端と、遠位端と、内部弁とを含む雄型コネクタを雌型コネクタとの係合から外す方法であって、
前記雄型コネクタの前記近位端の流体から前記雄型コネクタと前記雌型コネクタの間の境界面を隔離するために、前記雄型コネクタの前記近位端で前記雄型コネクタ内の第1の弁を閉鎖することと、
前記境界面から前記境界面に残る流体を引き出すために、前記雄型コネクタと雌型コネクタの前記境界面に部分的真空状態を形成することとを含む方法。
【請求項19】
部分的真空状態を形成するステップの前に、前記雌型コネクタの前記内部弁を閉鎖するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
部分的真空状態を形成するステップの後に、前記雄型コネクタの前記遠位端で弁を閉鎖するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記部分的真空状態を形成するステップが、前記雄型コネクタ内に部分的真空状態を形成することと、前記境界面にある流体を雄型コネクタ内に引き込むこととを含む、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
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【図21】
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【図23】
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【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2012−176265(P2012−176265A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−112594(P2012−112594)
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【分割の表示】特願2007−545517(P2007−545517)の分割
【原出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(505403186)ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【分割の表示】特願2007−545517(P2007−545517)の分割
【原出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(505403186)ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
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