説明

通信システム、通信方法、ならびに、プログラム

【課題】通信相手との信頼関係を構築しやすくする。
【解決手段】通信システムを構成する各端末210において、記憶部301は、通信可能な他の端末のユーザの画像を記憶する。画像送信部302は、情報の送受を開始しようとする相手側端末にユーザの画像を送信する。画像受信部303は、相手側端末からユーザの画像を受信する。確認部304は、受信された画像を端末210のユーザに提示しユーザの画像であることの確認を促す。確認送信部305は確認結果を送信する。確認受信部306は確認結果を受信する。情報送受部307は、情報の送受を開始しようとする双方の端末において、受信された画像が端末のユーザの画像であることが確認された場合に、情報を送受する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信相手との信頼関係を構築しやすくするために好適な通信システム、通信方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが簡単に持ち歩くことができ、無線LAN(Local Area Network)等を用いたアドホックな通信で直接情報をやりとりしたり、公衆のアクセスポイントなどのインフラストラクチャを利用した通信で情報をやりとりしたりすることができる携帯端末が広く普及している。
【0003】
一方で、複数のユーザ(プレイヤー)のそれぞれがネットワークで接続されている端末を操作して、仮想空間内において通信対戦したり協力して課題をクリアしたりするゲームがある。例えば、複数のユーザがネットワークを介して勝敗・順位・得点等を争うゲームでは、形勢が不利な状況になったユーザが不正に通信を切断してゲームを終わらせたり、相手ユーザに嫌がらせをするいわゆる迷惑プレイをしたりすることがある。このような好ましくない行為は、ゲーム進行に支障を来すほか、ユーザのゲームへの興味や信用を失わせる原因に成りかねない。
【0004】
例えば特許文献1には、ゲーム中に好ましくない行為を防止するために、現在プレイヤーが行っている行動に応じた演出を行わせ、プレイヤーが乱暴な行動や迷惑な行動などをとろうとしている場合に、そのような行動を抑止するような演出を実行して、未然防止をはかるゲーム機が開示されている。このゲーム機は、例えばプレイヤーの行動をカメラで撮影し画像解析を行ってプレイヤーの行動を判定し、対応する演出を行って興味を引きつけたりなだめたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−143755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、不正に通信を切断したり迷惑プレイをしたりするといった好ましくない行為は、全く相手を知らない者同士で相互通信を行う際に起こりやすい傾向にある。また、対戦ゲームを最後まで一緒にやり遂げるなど、一度でも正常に相互通信を終えたことがある者同士や、少しでも相手のことを知っている者同士では、上述のような好ましくない行為は起こりにくくなる傾向にある。しかし、従来技術では、ユーザは、特に遠隔地にいて直接会うことが困難な状況において、通信する相手について知ることが難しく、また、通信する相手に自分を知ってもらうことが難しいため、信頼関係を築けないことが多く、結果として迷惑行為が起きやすいという問題があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するものであり、通信相手との信頼関係を構築しやすくするために好適な通信システム、通信方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0009】
本発明の第1の観点に係る通信システムは、複数の端末が通信して情報を送受する通信システムであって、複数の端末のそれぞれは、記憶部、画像送信部、画像受信部、確認部、確認送信部、確認受信部、情報送受部を備える。
記憶部は、端末が通信可能な他の端末のユーザの画像を記憶する。
画像送信部は、記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信する。
画像受信部は、相手方端末から送信された画像を受信する。
確認部は、受信された画像を端末のユーザに提示して確認を促す。
確認送信部は、確認がされると、その旨を相手方端末に送信する。
確認受信部は、相手方端末から確認がされた旨を受信する。
情報送受部は、端末と相手方端末とで確認がされると、相手方端末との通信を行って情報を送受する。
【0010】
本発明の通信システムで送受される情報は、例えば、端末同士が直接通信したりインターネット等のネットワークを介して通信したりして一緒に同じゲームを行うときのゲーム情報や、電子メールやチャット等のメッセージなどである。これらの情報は、今から通信しようとする相手が本人であることが確認された後に送受信される。なお、端末同士が無線LAN等で直接通信するモードを“アドホックモード”といい、インターネット等の設備を介して端末同士が通信するモードを“インフラストラクチャモード”という。各端末は、これら2つのモードからどちらかを選択して通信することができる。
【0011】
端末には、上記2つのモードの少なくともいずれか一方で通信が可能な他の端末のユーザの画像が記憶されている。ユーザの画像とは、具体的には、ユーザの顔写真、ユーザが撮影した任意の写真、ユーザが作成した任意の画像などである。ユーザの画像は、写っている人物が自分であることをそのユーザ本人が確認できる画像、もしくは、撮影・作成した者が自分であることを撮影者・作成者本人が確認できる画像であることが望ましい。
【0012】
端末は、相手側端末と情報の送受を始める前に、端末に記憶されている相手側端末の画像を、相手側端末に送信する。ユーザの画像を送信する側の端末を“リクエストする側の端末”ともいい、ユーザの画像を受信する側の端末を“リクエストされる側の端末”ともいう。ユーザの画像を受信した相手側端末は、相手側端末のユーザに、その画像が相手側端末のユーザの画像であることの確認を要求する。画像を見た相手側端末のユーザが自分の画像であると確認すると、相手側端末のユーザはその旨を入力する。リクエストされる側の端末は、リクエストする側の端末にその旨を応答する。
【0013】
ユーザの画像の送受信と、応答の送受信は、情報の送受をしようとする双方の端末で行われる。リクエストする側の端末は、送信した画像が相手側端末のユーザの画像であることが確認され、且つ、送信された画像が自端末のユーザの画像であることが確認されると、情報の送受を開始する(例えばネットワーク対戦ゲームを開始する)。
【0014】
本発明によれば、相手ユーザの端末に記憶されている画像が自分の画像であることがお互いに確認された場合に、情報の送受が行われる。互いに相手ユーザがなりすましや嫌がらせ等ではないことが確認された後に、本題の情報の送受が行われるので、通信相手との信頼関係が構築しやすくなる。
【0015】
複数の端末のそれぞれは、相手方端末のユーザを撮影する撮影部を更に備えてもよい。
また、情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像が記憶部に記憶されていない場合、画像送信部は、「記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信」するのに代えて、「撮影部によって撮影された相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信」してもよい。
そして、端末と相手方端末とで確認がされると、記憶部は、撮影された画像を相手方端末のユーザの画像として記憶してもよい。
【0016】
本発明によれば、相手側端末のユーザの画像がまだ端末に記憶されていない場合には、新たに相手側端末のユーザの画像を撮影することができる。ただし、撮影された画像が自端末に保存されるのは、自端末によって撮影された画像が相手側端末のユーザの画像であることが相手側端末のユーザ本人によって確認され、且つ、相手側端末によって撮影された画像が自端末のユーザの画像であることが自端末のユーザ本人によって確認された後である。従って、ユーザの画像を隠し撮り等で入手して情報の送受を試みるような不正を防止することができる。
【0017】
複数の端末は、アドホックモードもしくはインフラストラクチャモードによる通信が可能であってもよい。
そして、画像送信部が、撮影された相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信するのは、相手方端末とアドホックモードによる通信が可能な場合であってもよい。
【0018】
すなわち、直接相手ユーザを撮り合って確認できる状況では、その場で相手ユーザの画像を撮影して交換すればよい。本発明によれば、少なくとも一度は相手ユーザの画像を撮影して確認し合うので、通信の信用度が増す。
【0019】
画像送信部が、記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信するのは、相手方端末とアドホックモードもしくはインフラストラクチャモードによる通信が可能な場合であってもよい。
【0020】
本発明によれば、直接相手ユーザを撮り合ってその場で相手ユーザを確認でき、且つ、情報の送受ができた後は、それ以降、お互い遠隔地にいて直接相手を見られない状況でも、相手ユーザを信用して情報を送受できるようになる。
【0021】
本発明のその他の観点に係る通信方法は、複数の端末が通信して情報を送受する通信方法であって、複数の端末のそれぞれは、記憶部、画像送信部、画像受信部、確認部、確認送信部、確認受信部、情報送受部を有し、画像送信ステップ、画像受信ステップ、確認ステップ、確認送信ステップ、確認受信ステップ、情報送受ステップを備える。
記憶部には、端末が通信可能な他の端末のユーザの画像が記憶される。
画像送信ステップでは、画像送信部が、記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信する。
画像受信ステップでは、画像受信部が、相手方端末から送信された画像を受信する。
確認ステップでは、確認部が、受信された画像を端末のユーザに提示して確認を促す。
確認送信ステップでは、確認がされると、確認送信部が、その旨を相手方端末に送信する。
確認受信ステップでは、確認受信部が、相手方端末から確認がされた旨を受信する。
情報送受ステップでは、端末と相手方端末とで確認がされると、情報送受部が、相手方端末との通信を行って情報を送受する。
【0022】
本発明によれば、通信相手との信頼関係が構築しやすくなる。
【0023】
本発明のその他の観点にかかるプログラムは、コンピュータを、記憶部、画像送信部、画像受信部、確認部、確認送信部、確認受信部、情報送受部として機能させる。
記憶部は、通信可能な他のコンピュータのユーザの画像を記憶する。
画像送信部は、記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方コンピュータのユーザの画像を相手方コンピュータに送信する。
画像受信部は、相手方コンピュータから送信された画像を受信する。
確認部は、受信された画像をコンピュータのユーザに提示して確認を促す。
確認送信部は、確認がされると、その旨を相手方コンピュータに送信する。
確認受信部は、相手方コンピュータから確認がされた旨を受信する。
情報送受部は、コンピュータと相手方コンピュータとで確認がされると、相手方コンピュータとの通信を行って情報を送受する。
【0024】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作する通信システムとして機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通信相手との信頼関係を構築しやすくするために好適な通信システム、通信方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の通信システムが実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】(a)と(b)は、通信システムの概要構成を示す図である。
【図3】通信端末の機能的な構成を示す図である。
【図4】ユーザに確認を促す画面の構成例を示す図である。
【図5】情報を送受する画面の構成例を示す図である。
【図6】情報を送受する画面の他の構成例を示す図である。
【図7】通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】情報を送受する相手ユーザを選択する画面の構成例を示す図である。
【図9】実施形態2の通信端末の機能的な構成を示す図である。
【図10】通信処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0028】
図1は、プログラムを実行することにより本発明の通信システムの機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。
【0029】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)ドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0030】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態の通信端末が実現される。
【0031】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0032】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0033】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0034】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤーがダンスゲームやサッカーゲームなどのゲームの実行の際に行う操作入力を受け付ける。インターフェース104には、複数のコントローラ105が接続されていてもよい。
【0035】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームのプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワークを用いたゲームのチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、コントローラ105を介して操作入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0036】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0037】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニター(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0038】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0039】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0040】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0041】
また、ゲームの画像などの情報をDVD−ROMに用意しておき、これをフレームメモリに展開することによって、ゲームの様子などを画面に表示することができるようになる。
【0042】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカー(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。
【0043】
音声処理部109では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータはそのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換され、スピーカーから音声が出力される。
【0044】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)や他の情報処理装置100に接続するためのものであり、LANを構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0045】
カメラ111は、ユーザが任意のタイミングでシャッターを押圧することにより、ユーザの顔や姿などを撮影する。カメラ111で撮影される画像は、典型的には静止画像であるが、動画像でもよい。カメラ111によって撮影されて得られた画像データは、外部メモリ106等に記憶される。
【0046】
また、カメラ111は、主に情報処理装置100のユーザが自分自身を撮影する際に都合が良いように設けられた内向きのレンズと、主に情報処理装置100のユーザが他人を撮影する際に都合が良いように設けられた外向きのレンズと、を備えている。カメラ111は、2種類の異なった角度から撮影することができる。
【0047】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0048】
次に、図2(a),(b)を用いて、本実施形態の通信システム200の概要を説明する。通信システム200には、上述の同等のハードウェア構成を有する複数の通信端末210が含まれる。
【0049】
通信システム200を構成する通信端末210のそれぞれは、相互に通信が可能である。通信モードには、アクセスポイントAPを介さずに無線LANで直接通信する“アドホックモード”と、アクセスポイントAPを介して通信する“インフラストラクチャモード”とがある。
【0050】
図2(a)は、アドホックモードにおける通信システム200を表す図である。通信端末210Aと通信端末210Bは、無線LANにより、ゲームデータなどの様々な情報を送受信できる。本実施形態では、アドホックモードにおいては、最大で4台の通信端末同士でアドホック通信が可能である。
【0051】
図2(b)は、インフラストラクチャモードにおける通信システム200を表す図である。通信端末210Aと通信端末210Bは、インターネット等のネットワーク220に接続するアクセスポイントAPを介して、様々な情報を送受信できる。ネットワーク220は、LAN、WAN(Wide Area Network)、専用回線などでもよい。
【0052】
通信システム200に含まれる通信端末210の数は2つに限定されず任意である。以下の説明では、本発明をより理解しやすくするために、通信システム200は2台の通信端末210A,210Bから構成されるものとする。
【0053】
通信端末210Aと通信端末210Bが通信するとき、通信端末210A側から見て通信端末210Bのこと(あるいは通信端末210B側から見て通信端末210Aのこと)を“相手側端末”と呼ぶ。
【0054】
次に、本実施形態の通信端末210の機能的な構成について説明する。図2(a),(b)に示される通信システム200には2つの通信端末210A,210Bが含まれるが、これらは同等の機能を有している。図3に示すように、通信端末210A,210Bは、それぞれ、記憶部301、画像送信部302、画像受信部303、確認部304、確認送信部305、確認受信部306、情報送受部307を備える。
【0055】
記憶部301は、通信端末210が通信可能な他の通信端末210のユーザの画像を記憶する。すなわち、通信端末210Aの記憶部301は通信端末210Bのユーザの画像を記憶し、通信端末210Bの記憶部301は通信端末210Aのユーザの画像を記憶する。CPU 101と外部メモリ106が協働して記憶部301として機能する。
【0056】
ユーザの画像とは、ユーザを識別するための画像であり、典型的にはユーザの顔が写った写真である。CPU 101は、ユーザからの指示入力により、カメラ111を制御してユーザの画像を撮影し、外部メモリ106に記憶する。ユーザの画像は、ユーザ本人が見て自分自身が写っていることが確認できる画像であることが望ましい。
【0057】
外部メモリ106には、ユーザが使用する通信端末210の識別情報と、ユーザの識別情報と、ユーザの画像と、が対応付けられて記憶される。
【0058】
通信端末210の識別情報は、例えば、通信端末210のシリアルナンバー、MAC(Media Access Control)アドレス、ネットワークアドレス、端末名などである。
【0059】
ユーザの識別情報は、例えばユーザ名であり、後述の情報送受部307によって情報が送受信される際に互いに相手を呼び合うために用いられる。ただし、ユーザの識別情報を上述の通信端末210の識別情報で代用してもよい。
【0060】
なお、CPU 101は、ユーザが通信端末210又は他の撮影装置を用いて撮影した風景などの画像や、ユーザが通信端末210又は他のコンピュータを用いて描いた絵の画像を、ユーザの画像として扱ってもよい。このような場合、ユーザの画像は、ユーザ本人が見て自分自身が撮影又は作成したことが確認できる画像であることが望ましい。
【0061】
画像送信部302は、記憶部301に記憶されているユーザの画像のうち、情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信する。CPU 101と外部メモリ106とNIC 110が協働して画像送信部302として機能する。
【0062】
情報の送受とは、相手方端末のユーザがなりすましや人違いではなく確かにユーザ本人であることが確認された後に行われる、対戦ゲームのデータの送信と受信や、チャットや電子メールのデータの送信と受信などのことである。
【0063】
ユーザは、通信端末210の表面に配置されるボタンや、コントローラ105が備えるボタンなどを押圧して、情報の送受を開始する旨を指示することができる。この指示には、情報の送受を開始したい相手ユーザを指定する情報が含まれる。CPU 101は、情報の送受を開始する旨の指示を受け付けると、指定された相手ユーザに対応する画像を外部メモリ106から読み出す。そして、CPU 101は、指定された相手ユーザに対応する相手方端末に、読み出した画像と、情報の送受を開始するリクエストと、を送信する。
【0064】
画像受信部303は、相手方端末から送信された画像と、相手方端末から送信された情報の送受を開始するリクエストと、を受信する。CPU 101と外部メモリ106とNIC 110が協働して画像受信部303として機能する。
【0065】
確認部304は、画像受信部303によって受信された画像を通信端末210のユーザに提示して、画像の確認を促す。CPU 101と画像処理部108が協働して確認部304として機能する。
【0066】
より詳細には、図4に示すように、CPU 101は、画像処理部108を制御して、受信された画像400をユーザが閲覧できるようにモニターに表示させる。CPU 101は、画像400をモニターに表示させると共に、表示された画像400に写っている人物がユーザ本人であるか否か、あるいは、表示された画像400を撮影又は作成した人がユーザ本人であるか否か、を示す入力をユーザから受け付ける。そして、CPU 101は、受け付けられた入力に基づいて、受信された画像400がユーザの画像であるか否かを判別する。
【0067】
モニターの表面はタッチパネルになっている。CPU 101は、ボタン画像が表示されているタッチパネル部分がタッチペンや指等で押圧されると、押圧されたボタン画像に対応付けられる指示がユーザによってなされたと判別する。以下の説明では、ボタン画像が表示されているタッチパネル部分が押圧されることを“ボタンが押圧される”と表現する。
【0068】
ボタン410がユーザによって押圧された場合、CPU 101は、表示された画像がユーザの画像であると判別する。一方、ボタン420がユーザによって押圧された場合、CPU 101は、表示された画像がユーザの画像ではないと判別する。
【0069】
確認送信部305は、ユーザに提示された画像(相手方端末から受信した画像)がユーザの画像であると判別されると、ユーザの画像であることが確認がされたことを示す応答データを相手方端末に送信する。確認送信部305は、ユーザに提示された画像がユーザの画像ではないと判別されると、ユーザの画像ではないことを示す応答データを相手方端末に送信してもよい。CPU 101とNIC 109が協働して確認送信部305として機能する。
【0070】
確認受信部306は、ユーザの画像であることが確認されたことを示す応答データを相手方端末から受信する。確認受信部306は、ユーザの画像ではないことを示す応答データを相手方端末から受信してもよい。CPU 101とNIC 109が協働して確認受信部306として機能する。
【0071】
情報送受部307は、ユーザの画像であることが確認されたことを示す応答データを相手方端末から確認受信部306が受信し、且つ、相手方端末から送信された画像が自端末のユーザの画像であると判別すると、相手方端末との通信を行って情報を送受する。CPU 101とNIC 110が協働して情報送受部307として機能する。
【0072】
すなわち、画像送信部302と画像受信部303による画像の送受信、及び、確認送信部305と確認受信部306による応答の送受信が、自端末と相手方端末の両方で行われる。そして、自端末から相手方端末に送信された画像が相手方端末のユーザの画像であることが確認され、且つ、相手方端末から自端末に送信された画像が自端末のユーザの画像であることが確認された場合に、自端末と相手方端末との間で情報の送受が開始される。
【0073】
例えば、CPU 101は、図5に示すように、自端末のユーザと、応答データが送られてきた相手方端末のユーザと、が対戦するゲームを開始する。この場合、開始するゲームのパラメータを送信したり受信したりすることが“情報の送受”に相当する。ゲームの内容は本発明によって限定されない。
【0074】
例えば、CPU 101は、図6に示すように、自端末のユーザと、応答データが送られてきた相手方端末のユーザと、の間で電子メールを交換したりチャットを開始したりする。この場合、電子メールの送信と受信、あるいはチャットデータの送信と受信が“情報の送受”に相当する。
【0075】
次に、本実施形態の上記各部が実行する通信処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。ここでは、相手に情報の送受をリクエストする側を自端末と呼び、リクエストされる側を相手方端末と呼ぶことにする。なお、通信モードは、アドホックモードとインフラストラクチャモードのどちらでもよい。
【0076】
まず、自端末のCPU 101は、情報の送受を開始する旨の指示を自端末のユーザから受け付ける(ステップS701)。
【0077】
例えば図8に示すように、CPU 101は、予め登録されたユーザリスト(お友達リスト)の中からいずれかのユーザを選択するための画面をモニターに表示させ、情報の送受を開始したい相手ユーザを選択する指示を受け付ける。ユーザは、ユーザリストに含まれる各ユーザに対応付けられたボタンを押圧することにより、相手ユーザを選択する。自端末のユーザによって相手ユーザが選択されると、CPU 101は、選択された相手ユーザに対応付けられる通信端末210(相手方端末)との情報の送受を開始する旨の指示を受け付けたと判別する。
【0078】
情報の送受を開始する旨の指示を受け付けると、自端末のCPU 101は、相手方端末のユーザの画像を外部メモリ106から読み出して取得する(ステップS702)。
【0079】
自端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、ステップS702で取得した画像を相手方端末に送信する(ステップS703)。このとき、CPU 101は、ステップS702で取得した画像と自端末の識別情報とを相手方端末に送信してもよい。
【0080】
相手方端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、画像を受信する(ステップS704)。
【0081】
相手方端末のCPU 101は、ステップS704で受信した画像を相手方端末のユーザに提示する(ステップS705)。CPU 101は、図4に示すように、受信した画像をモニターに表示させ、表示された画像が相手方端末のユーザの画像であるか否かを示す入力を受け付ける。
【0082】
相手方端末のCPU 101は、ユーザからの入力に基づいて、受信した画像が相手方端末のユーザの画像であるか否かを判別する(ステップS706)。
【0083】
例えば、相手方端末のユーザは、表示された画像が自分の顔写真であることを確認した場合、表示された画像が自分の画像であることを示すボタンを押圧し、そうでない場合、表示された画像が自分の画像ではないことを示すボタンを押圧する。CPU 101は、いずれのボタンが押圧されたかに基づいて、受信した画像がユーザの画像であるか否かを判別する。
【0084】
受信した画像がユーザの画像であると判別した場合(ステップS706;YES)、相手方端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、受信した画像がユーザの画像である旨の応答を自端末に送信する(ステップS707)。
【0085】
一方、受信した画像がユーザの画像ではないと判別した場合(ステップS706;NO)、自端末と相手方端末の各CPU 101は、通信処理を終了する。なお、相手方端末のCPU 101は、受信した画像がユーザの画像ではない旨の応答を自端末に送信してもよい。
【0086】
自端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、相手方端末からの応答を受信する(ステップS708)。
【0087】
自端末のCPU 101は、ステップS708で受信した応答に基づいて、情報の送受を開始するか否かを判別する。自端末のCPU 101は、ステップS703で送信した画像が相手方端末のユーザの画像である旨の応答を受信した場合、情報の送受を開始する(ステップS709)。
【0088】
一方、ステップS703で送信した画像が相手方端末のユーザの画像ではない旨の応答を受信した場合、もしくは、ステップS703で送信してから所定時間以上応答を受信しなかった場合(タイムオーバーの場合)、自端末のCPU 101は通信処理を終了する。
【0089】
情報の送受を開始すると、自端末のCPU 101は、情報の送受を終了するか否かを判別する(ステップS710)。例えば、CPU 101は、情報の送受を終了する旨の指示を自端末のユーザから受け付けた場合、情報の送受を終了すると判別する。例えば、CPU 101は、自端末のユーザと相手方端末のユーザとの間で行われるゲームが終了した場合、情報の送受を終了すると判別する。
【0090】
情報の送受を終了しないと判別した場合(ステップS710;NO)、自端末と相手方端末の各CPU 101は、情報の送受を続行する。情報の送受を終了すると判別した場合(ステップS710;YES)、自端末と相手方端末の各CPU 101は、情報の送受を終了する。
【0091】
本実施形態によれば、相手ユーザと情報を送受したいユーザは、その相手ユーザが写った画像(又はその相手が撮影した画像、又はその相手ユーザが作成した画像)を通信端末210に所有していなければならず、且つ、その画像が相手ユーザが写った画像(又はその相手ユーザが撮影した画像、又はその相手ユーザが作成した画像)であることが相手ユーザ本人によって確認されなければならない。したがって、通信の際のいたずらやなりすまし等を防止することができ、通信相手との信頼関係が構築しやすくなる。例えば、通信相手が遠隔地にいて本人であることを直接目で見て確認することが困難な場合でも、相手ユーザが確かに本人であるという信頼性を保持できるようになる。
【0092】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、通信端末210は、通信相手のユーザの画像を新たに撮影して保存することが可能である。
【0093】
図9は、本実施形態の通信端末210の機能的な構成を示す図である。通信端末210は、撮影部901を更に備える。
【0094】
撮影部901は、ユーザの画像を撮影する。CPU 101と外部メモリ106とカメラ111が協働して撮影部901として機能する。
【0095】
CPU 101は、自端末のユーザの指示に応じて撮影する。例えば、自端末のユーザは、これから情報を送受したい相手ユーザの顔写真などを撮影する。
【0096】
画像送信部302は、上述したように、記憶部301に記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を相手方端末に送信する。本実施形態の画像送信部302は、更に、情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像であって、撮影部901によって撮影された画像を、相手方端末に送信する。
【0097】
記憶部301は、自端末から相手方端末に送信された画像が相手方端末のユーザの画像であることが確認され、且つ、相手方端末から自端末に送信された画像が自端末のユーザの画像であることが確認された場合、すなわち自端末と相手方端末の両方で画像が確認された場合に、撮影部901によって撮影された画像を相手方端末のユーザの画像として記憶する。
【0098】
次に、本実施形態の通信処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。本実施形態では、通信を開始したいユーザ同士が互いに相手の顔などを撮影できる程度に近くにおり、通信端末210がアドホックモードで通信することを想定している。
【0099】
まず、自端末のCPU 101は、情報の送受を開始する旨の指示を自端末のユーザから受け付ける(ステップS1001)。
【0100】
自端末のCPU 101は、指示された相手方端末のユーザの画像が外部メモリ106に既に保存されているか否かを判別する(ステップS1002)。
【0101】
相手方端末のユーザの画像が保存されていない場合(ステップS1002;NO)、自端末のCPU 101は、ユーザからの指示に応じて、情報の送受を開始したい相手方端末のユーザの画像を撮影する(ステップS1003)。例えば、ユーザは、所定の撮影ボタンを押圧して、相手方端末のユーザの顔などを撮影する。撮影された画像は、RAM 103に一時記憶される。
【0102】
相手方端末のユーザの画像が保存されている場合(ステップS1002;YES)、自端末のCPU 101は、外部メモリ106から相手方端末のユーザの画像を読み出す(ステップS1004)。
【0103】
自端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、ステップS1003で撮影した画像、又は、ステップS1004で読み出した画像を、相手方端末に送信する(ステップS1005)。
【0104】
相手方端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、自端末によって撮影された画像を受信する(ステップS1006)。
【0105】
相手方端末のCPU 101は、ステップS1006で受信した画像を相手方端末のユーザに提示する(ステップS1007)。
【0106】
相手方端末のCPU 101は、ユーザからの入力に基づいて、受信した画像が相手方端末のユーザの画像であるか否かを判別する(ステップS1008)。
【0107】
例えば、相手方端末のユーザは、表示された画像が自分の顔写真であることを確認した場合、表示された画像が自分の画像であることを示すボタンを押圧し、そうでない場合、表示された画像が自分の画像ではないことを示すボタンを押圧する。CPU 101は、いずれのボタンが押圧されたかに基づいて、受信した画像がユーザの画像であるか否かを判別する。
【0108】
受信した画像がユーザの画像であると判別した場合(ステップS1008;YES)、相手方端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、受信した画像がユーザの画像である旨の応答を自端末に送信する(ステップS1009)。この応答には、相手側端末の識別情報が含まれていてもよい。
【0109】
一方、受信した画像がユーザの画像ではないと判別した場合(ステップS1008;NO)、自端末と相手方端末の各CPU 101は、通信処理を終了する。なお、相手方端末のCPU 101は、受信した画像がユーザの画像ではない旨の応答を自端末に送信してもよい。
【0110】
自端末のCPU 101は、NIC 110を制御して、相手方端末からの応答を受信する(ステップS1010)。
【0111】
自端末のCPU 101は、ステップS1010で受信した応答に基づいて、情報の送受を開始するか否かを判別する。自端末のCPU 101は、ステップS1005で送信した画像がステップS1003で撮影された画像であって、且つ、ステップS1010で相手方端末のユーザの画像である旨の応答を受信した場合、ステップS1003で撮影された画像を外部メモリ106に保存する(ステップS1011)。CPU 101は、ステップS1003で撮影された画像と、ステップS1010で受信した応答に含まれる相手方端末の識別情報と、を対応付けて保存してもよい。
【0112】
そして、自端末のCPU 101は、相手方端末との情報の送受を開始する(ステップS1012)。
【0113】
一方、自端末のCPU 101は、ステップS1003で送信した画像が相手方端末のユーザの画像ではない旨の応答を受信した場合、もしくは、ステップS1005で送信してから所定時間以上応答を受信しなかった場合(タイムオーバーの場合)、RAM 103に一時記憶されている画像を消去し、通信処理を終了する。
【0114】
情報の送受を開始すると、自端末のCPU 101は、情報の送受を終了するか否かを判別する(ステップS1013)。例えば、CPU 101は、情報の送受を終了する旨の指示を自端末のユーザから受け付けた場合、情報の送受を終了すると判別する。例えば、CPU 101は、自端末のユーザと相手方端末のユーザとの間で行われるゲームが終了した場合、情報の送受を終了すると判別する。
【0115】
情報の送受を終了しないと判別した場合(ステップS1013;NO)、自端末と相手方端末の各CPU 101は、情報の送受を続行する。情報の送受を終了すると判別した場合(ステップS1013;YES)、自端末と相手方端末の各CPU 101は、情報の送受を終了する。
【0116】
本実施形態では、撮影された画像がアドホックモードで自端末から相手方端末に送信され、受信した画像が相手方端末のユーザの画像であることが相手方端末のユーザによって確認された場合に、画像が自端末に保存される。つまり、自端末によって撮影された画像は、相手方端末のユーザの同意が得られれば保存されるが、同意されなければ保存されない。従って、もし相手ユーザを不正に隠し撮りしようとしても、通信端末210に写真を保存することができない。
【0117】
上記ステップS1001〜S1013の処理は、情報の送受を開始しようとする双方の通信端末210にて実行される。従って、自端末のユーザと相手方端末のユーザがいずれも同意した場合にのみ、互いに相手ユーザの画像を自分の通信端末210に保存することができる。そして、自端末のユーザと相手方端末のユーザがいずれも同意した場合にのみ、互いに相手ユーザと情報を送受することができるようになる。
【0118】
例えば、対戦ゲームを始めたいユーザ(リクエストする側)が今まで一度も対戦したことがない相手ユーザ(リクエストされる側)と対戦したい場合には、本実施形態で説明したように、相手ユーザの顔写真などの画像を撮らせてもらい、その相手ユーザが使っている通信端末210にアドホックモードで送信する。また、ユーザは、相手ユーザに自分の顔写真などを撮影してもらい、自分が使っている通信端末210にアドホックモードで送信してもらう。リクエストする側のユーザが、相手ユーザから送られてきた画像は確かに自分のものであると判断し、且つ、リクエストされる側のユーザが、相手ユーザから送られてきた画像は確かに自分のものであると判断した場合に、各々の通信端末210に相手ユーザの画像が保存され、対戦ゲームが開始される。
【0119】
本実施形態の通信処理によって互いに間近で確認し合った者同士は、撮影した画像を保存することを相手に許した(許された)仲であり、例えば対戦ゲームの途中に不正に通信を切断するといった行為をする(される)恐れが少ないと考えられ、相手ユーザに対する信頼感が深まる。これら両者が再び対戦したい(情報を送受したい)場合には、再度相手ユーザを撮影する必要はなく、通信端末210に保存された画像を互いに送って“嫌がらせ”や“なりすまし”ではないことを確認すればよい。よって、本実施形態の通信処理によってアドホックモードでお互いに確認した後は、遠く離れたアクセスポイントを経由して上記実施形態1の通信処理によってインフラストラクチャモードで安心して対戦ゲームをプレイすることができる。
【0120】
十分な信頼関係がまだ築かれていない初めての相手方端末との情報の送受のときであって、アドホックモードによる通信が可能な場合に、本実施形態2の通信処理を行うことが望ましく、2回目以降の情報の送受のときであって、アドホックモードによる通信又はインフラストラクチャモードによる通信が可能な場合に、上記実施形態1の通信処理を行うことが望ましい。
【0121】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0122】
通信端末210の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0123】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0124】
以上説明したように、本発明によれば、通信相手との信頼関係を構築しやすくするために好適な通信システム、通信方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0125】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 通信システム
210,210A,210B 通信端末
220 ネットワーク
301 記憶部
302 画像送信部
303 画像受信部
304 確認部
305 確認送信部
306 確認受信部
307 情報送受部
400 画像(ユーザの画像)
410,420 ボタン
901 撮影部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末が通信して情報を送受する通信システムであって、
前記複数の端末のそれぞれは、
前記端末が通信可能な他の端末のユーザの画像を記憶する記憶部と、
前記記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を前記相手方端末に送信する画像送信部と、
前記相手方端末から送信された画像を受信する画像受信部と、
前記受信された画像を前記端末のユーザに提示して確認を促す確認部と、
前記確認がされると、その旨を前記相手方端末に送信する確認送信部と、
前記相手方端末から前記確認がされた旨を受信する確認受信部と、
前記端末と前記相手方端末とで前記確認がされると、前記相手方端末との通信を行って情報を送受する情報送受部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記複数の端末のそれぞれは、相手方端末のユーザを撮影する撮影部を更に備え、
情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像が前記記憶部に記憶されていない場合、前記画像送信部は、「前記記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を前記相手方端末に送信」するのに代えて、「前記撮影部によって撮影された前記相手方端末のユーザの画像を前記相手方端末に送信」し、
前記端末と前記相手方端末とで確認がされると、前記記憶部は、前記撮影された画像を前記相手方端末のユーザの画像として記憶する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムであって、
前記複数の端末は、アドホックモードもしくはインフラストラクチャモードによる通信が可能であり、
前記画像送信部が、前記撮影された前記相手方端末のユーザの画像を前記相手方端末に送信するのは、前記相手方端末とアドホックモードによる通信が可能な場合である、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の通信システムであって、
前記画像送信部が、前記記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を前記相手方端末に送信するのは、前記相手方端末とアドホックモードもしくはインフラストラクチャモードによる通信が可能な場合である、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
複数の端末が通信して情報を送受する通信方法であって、
前記複数の端末のそれぞれは、記憶部、画像送信部、画像受信部、確認部、確認送信部、確認受信部、情報送受部を有し、
前記記憶部には、前記端末が通信可能な他の端末のユーザの画像が記憶され、
前記画像送信部が、前記記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方端末のユーザの画像を前記相手方端末に送信する画像送信ステップと、
前記画像受信部が、前記相手方端末から送信された画像を受信する画像受信ステップと、
前記確認部が、前記受信された画像を前記端末のユーザに提示して確認を促す確認ステップと、
前記確認がされると、前記確認送信部が、その旨を前記相手方端末に送信する確認送信ステップと、
前記確認受信部が、前記相手方端末から前記確認がされた旨を受信する確認受信ステップと、
前記端末と前記相手方端末とで前記確認がされると、前記情報送受部が、前記相手方端末との通信を行って情報を送受する情報送受ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項6】
コンピュータを、
通信可能な他のコンピュータのユーザの画像を記憶する記憶部、
前記記憶される画像のうち情報の送受を開始しようとする相手方コンピュータのユーザの画像を前記相手方コンピュータに送信する画像送信部、
前記相手方コンピュータから送信された画像を受信する画像受信部、
前記受信された画像を前記コンピュータのユーザに提示して確認を促す確認部、
前記確認がされると、その旨を前記相手方コンピュータに送信する確認送信部、
前記相手方コンピュータから前記確認がされた旨を受信する確認受信部、
前記コンピュータと前記相手方コンピュータとで前記確認がされると、前記相手方コンピュータとの通信を行って情報を送受する情報送受部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−8566(P2011−8566A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151815(P2009−151815)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】