説明

通信用鉄塔の点検方法

【課題】作業を漏れなく確実に実施でき、高い精度で状態変化を確認でき、コストを低減でき、かつ作業時間を短縮するとともに作業を簡略化することによって作業効率を改善できる通信用鉄塔の点検方法を提供する。
【解決手段】通信用鉄塔1,21に発生する状態変化を点検する方法において、地上2における通信用鉄塔1,21の外周側で周方向に間隔を空けた複数の外周設置位置P1,P3に設置した撮影装置4を、旋回させて通信用鉄塔1,21の点検範囲に向けた状態で、撮影装置4により前記点検範囲を撮影するステップと、撮影により得られた画像を記録するステップと、記録した画像に基づいて通信用鉄塔1,21の状態変化を観察するステップとを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信用鉄塔に発生する状態変化を点検する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信用アンテナ等の搭載物を設置した鉄塔では、風雨等に晒されること、経年劣化すること等によって、その状態が変化することがある(以下、「状態変化」という)。状態変化の種類としては、例えば、鉄塔を構成する構造物の変形、亀裂、破損、錆等、ネジ、ナット、ボルト、ワッシャ等の締結部材の緩み、欠落、錆等、メッキ部分の変色等、塗装部分の剥離、変色等、溶接部分の変形、亀裂、破損、錆等が、挙げられる。このような状態変化は、大型かつ高層の建造物である鉄塔を長期間に渡って安定的に維持するためには好ましくない。そこで、定期的に状態変化の有無を点検することが行なわれており、問題となる状態変化が確認された場合には、鉄塔に補修が施されている。
【0003】
上述のように鉄塔を長期間に渡って安定的に維持するために、点検作業には、鉄塔の複数の点検箇所を漏れなく確実に観察し、かつ高い精度で状態変化を発見することが要求されている。このような高い要求に応じるために、従来の点検作業では、作業者が直接的に目視することにより状態変化の有無を判断している。例えば、特許文献1のように、足場を鉄塔に設置して、作業者が、この足場を用いて鉄塔に登って点検箇所に移動し、点検箇所を直接的に目視することにより観察し、点検箇所の状態変化の有無を判断している。このような点検作業は、鉄塔全体に対しても行なわれている。
【0004】
また、鉄塔に登って点検箇所に移動すること、及び状態変化の有無を判断することには、作業者に高い技術が要求され、このような高い技術を習得するためには、作業者が多くの経験を必要とする。そのため、鉄塔の点検は、主に、経験豊富な熟練の作業者によって行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−126959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の点検作業に用いられる足場は、耐久性、強度等の要求により大重量となっており、特許文献1の点検作業では、大重量の足場を鉄塔の上部のような高所に持ち上げた状態で設置している。このような大重量の足場を持ち上げること、及び高所で足場を設置することには、多くの労力が必要となっている。また、通信用鉄塔等が山間部に設置されている場合、大重量の足場を山間部に搬送することもまた、多くの労力が必要となっている。さらに、多くの場合、山間部では鉄塔周辺に森林等が存在し、かつ都市部では鉄塔周辺に駐車場等が設けられているので、鉄塔の周辺に十分なスペースを確保することが難しくなっている。そのため、足場の設置に用いられる資材を鉄塔周辺に保管することが難しくなっている。
【0007】
また、作業者が足場を用いて鉄塔に登って点検箇所に移動し、かつ状態変化の有無を高い精度で判断することには、多くの時間が費やされる。特に、鉄塔の全体を点検しようとする場合、作業者が鉄塔の全体に渡って移動し、多数の点検箇所における状態変化の有無を高い精度で判断する必要があるので、非常に多くの時間が費やされる。作業者が鉄塔の上部のような高所でかつ不安定な状態で状態変化の有無を判断することもまた、非常に難しいものである。上述のように、鉄塔の点検作業は、主に経験豊富な熟練の作業者によって行われているが、熟練の作業者を育てるためには、非常に多くの労力、コスト、及び時間が必要となる。そのため、点検作業を簡略化することが望まれている。
【0008】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、作業を漏れなく確実に実施でき、高い精度で状態変化を確認でき、コストを低減でき、かつ作業時間を短縮するとともに作業を簡略化することによって作業効率を改善できる通信用鉄塔の点検方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するために、本発明の通信用鉄塔の点検方法は、通信用鉄塔の状態変化を点検する方法において、地上における前記通信用鉄塔の外周側で周方向に間隔を空けた複数の外周設置位置に設置した撮影装置を、旋回させて前記通信用鉄塔の点検範囲に向けた状態で、前記撮影装置により前記点検範囲を撮影するステップと、前記撮影により得られた画像を記録するステップと、前記記録した画像に基づいて前記通信用鉄塔の状態変化を観察するステップとを含む。
【0010】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔が多角形の横断面を有する場合、前記複数の外周設置位置が前記多角形の横断面の角部に対応している。
【0011】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔が円形の横断面を有する場合、前記複数の外周設置位置が少なくとも3箇所となっている。
【0012】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記撮影するステップにて、地上における前記通信用鉄塔の内部中央に位置する内部設置位置に設置した撮影装置をさらに用いる。
【0013】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔の高さ方向の上部又は中間部に取付けられた通信用搭載物に発生する状態変化を点検する。
【0014】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記撮影装置として、高感度ビデオカメラを用いる。
【0015】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔の状態変化が、該通信用鉄塔に設けられた締結部材の緩みとなっている。
【0016】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔の状態変化が、前記通信用鉄塔に設けられた要素の表面の変色又は形状変化となっている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
通信用鉄塔に発生する状態変化を点検する方法において、地上における前記通信用鉄塔の外周側で周方向に間隔を空けた複数の外周設置位置に設置した撮影装置を、旋回させて前記通信用鉄塔の点検範囲に向けた状態で、前記撮影装置により前記点検範囲を撮影するステップと、前記撮影により得られた画像を記録するステップと、前記記録した画像に基づいて前記通信用鉄塔の状態変化を観察するステップとを含む。そのため、前記撮影装置等の機材の搬送及び設置が容易であり、かつ安定した状態を維持し易い地上で、点検作業を済ませることができるので、従来のように、大重量の足場を通信用鉄塔周辺に運んで設置する必要がなく、作業者が鉄塔に登る必要がなく、例えば、鉄塔全体を点検する場合に、作業者が広い範囲を移動する必要がなくなる。その結果、作業時間を短縮でき、作業を簡略化でき、ひいては作業効率を改善し、コストを低減できる。特に、前記撮影装置が、地上において前記通信用鉄塔の外周側で周方向に間隔を空けた複数の外周設置位置に設置されているので、安定した状態で、前記複数の外周設置位置から前記通信用鉄塔の外周側の広い範囲を点検漏れなく確実に、かつ高い精度で撮影できる。このように撮影した画像を記録し、この記録した画像に基づいて前記通信用鉄塔の状態変化を、前記通信用鉄塔以外の安定した場所で、状態変化の判断基準となるデータ等と比較しながら観察できるので、点検作業を簡略化でき、かつ漏れなく確実にかつ高い精度で前記通信用鉄塔の広い範囲を点検できる。作業を簡略化することによって、経験の少ない作業者であっても点検作業を容易に実施でき、作業者を育てるための多くの労力、コスト、及び時間を削減できる。そのため、従来と比較して、作業効率を著しく改善し、かつコストを著しく低減できる。さらに、前記通信用鉄塔の外周側で周方向に間隔を空けた複数の外周設置位置に前記撮影装置を設置するスペースを確保すればよく、従来のように、足場のための資材を保管するスペースを確保する必要がないので、限られた範囲で効率的に点検作業を実施できる。
【0018】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔が多角形の横断面を有する場合、前記複数の外周設置位置が前記多角形の横断面の角部に対応している。または、前記通信用鉄塔が円形の横断面を有する場合、前記複数の外周設置位置が少なくとも3箇所となっている。そのため、前記通信用鉄塔の広い範囲を、漏れなく確実に、かつ高い精度で撮影でき、その結果、漏れなく確実に、かつ高い精度で前記通信用鉄塔の広い範囲を点検できる。
【0019】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記撮影するステップにて、地上における前記通信用鉄塔の内部中央に位置する内部設置位置に設置した撮影装置をさらに用いるので、前記通信用鉄塔の内部の広い範囲についても、漏れなく確実に、かつ高い精度で撮影でき、その結果、漏れなく確実に、かつ高い精度で前記通信用鉄塔の広い範囲を点検できる。
【0020】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔の高さ方向の上部又は中間部に取付けられた通信用搭載物に発生する状態変化を点検するので、前記通信用鉄塔において重要な機能を果たすアンテナ等の搭載物のみを点検する場合においても、作業時間を短縮でき、作業を簡略化でき、ひいては作業効率を改善し、コストを低減できる。
【0021】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記撮影装置として、高感度ビデオカメラを用いるので、前記通信用鉄塔、特に、地上から離れた位置にある前記通信用鉄塔の上部を、高い精度で撮影でき、高い精度で前記通信用鉄塔を点検できる。
【0022】
本発明の通信用鉄塔の点検方法では、前記通信用鉄塔の状態変化が、前記通信用鉄塔に設けられた要素の表面の変色又は形状変化となっているので、前記通信用鉄塔を構成する構造物の変形、亀裂、破損、錆等、メッキ部分の変色等、塗装部分の剥離、変色等、ネジ、ナット、ボルト、ワッシャ等の締結部材の欠落、錆等、溶接部分の変形、亀裂、破損、錆等を、確実に点検できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る点検システム及び点検方法を用いて通信用鉄塔を点検している状態の一例を概略的に示す側面図である。
【図2】図1のA−A断面において、本発明の第1実施形態に係る点検システム及び点検方法を用いて通信用鉄塔を点検している状態の一例を概略的に示す図である。
【図3】点検対象となるナットに緩みが発生した状態を示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る点検システム及び方法を用いて点検される通信用鉄塔の一例を示す側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る点検システム及び方法を用いて、通信用鉄塔の脚部全体を撮影する作業を概略的に示す側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る点検システム及び方法を用いて、通信用鉄塔の脚部間に位置する複数の骨格部材全体を撮影する作業を概略的に示す側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るシステム及び方法を用いて通信用鉄塔を点検している状態の概略を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る通信用鉄塔(以下、「鉄塔」という)の点検方法を用いた点検システムを、以下に説明する。
図1及び図2に示すように、鉄塔1は、地上2から上方に向かって延び、かつ四角錘状に形成された骨格を有しており、鉄塔1の横断面は四角形状となっている。この鉄塔1の点検に用いられる点検システム3は、鉄塔1を撮影する撮影装置として構成されたビデオカメラ4を備えている。点検システム3は、ビデオカメラ4により撮影された画像を記録する記録装置5を備えている。点検システム3は、記録装置5により記録された画像に基づいて鉄塔1の状態変化を観察する観察装置として構成されるモニタ6を備えている。
【0025】
鉄塔1には、4つの角部1aに対応して、鉄塔1の上下方向全体に沿って脚部7がそれぞれ設けられており、脚部7同士の間には複数の骨格部材8が設けられている。鉄塔1には搭載物が取付けられており、一例として、図1に示すように、鉄塔1の頂上にアンテナ9が取付けられている。アンテナ9は締結部材によって鉄塔1に取付けられ、アンテナ9にはケーブル(図示せず)が接続され、当該ケーブルをアンテナ9に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられている。鉄塔1には、締結部材として複数のナット10が、ネジ要素として鉄塔1に取付けられたボルト11と螺合して取付けられている(図3を参照)。また、鉄塔1には、溶接、メッキ、塗装等が施されている(図示せず)。
【0026】
ビデオカメラ4は、その光軸4aを地上2に対して上方に向け、かつその光軸4aを水平方向左右に向けるように旋回可能に構成されている。このような旋回によって、ビデオカメラ4が、鉄塔1の点検範囲に向くこととなる。ここで一例として、ビデオカメラ4は次のような性能を有するとよいが、これに限定されない。ビデオカメラ4が、高感度ビデオカメラであるとよい。ビデオカメラ4が1000mm以上の遠端焦点距離を有しているとよい。ビデオカメラ4がフルハイビジョン記録で動画撮影可能であるとよい。明るさについて、ビデオカメラ4が、感度F11以上、かつ最低被写体照度0.016ルクス以上の高感度CCDを備えているとよい。ビデオカメラ4が音声記録可能に構成されているとよい。ビデオカメラ4が、600%以上のダイナミックレンジを有しているとよい。
【0027】
図1では、記録装置5がビデオカメラ4の外部に設けられた状態で示されているが、記録装置5は、ビデオカメラ4に内蔵されていてもよい。モニタ6は、記録装置5により記録された画像を表示可能とするように構成されている。
【0028】
ビデオカメラ4の設置位置について説明する。
図1及び図2を参照すると、ビデオカメラ4は、地上2における鉄塔1の外周側に位置する4つの外周設置位置P1に設置される。4つの外周設置位置P1は、鉄塔1の4つの角部1aに対応するように外周方向に互いに間隔を空けて位置し、かつ鉄塔1の根元外周から所定の距離dに位置している。また、ビデオカメラ4は、地上2における鉄塔1の中心1bに位置する内部設置位置P2に設置される。
【0029】
ナット10の緩みを点検する場合のビデオカメラ4について説明する。
図3を参照すると、ナット10の緩みを点検する場合には、ビデオカメラ4は、ナット10と、該ナット10に対向する鉄塔1のナット取付面1c側に付勢されたワッシャ12との間における隙間Gを撮影する。さらに、隙間Gの間隔を距離hとし、距離hが所定の距離閾値以上となった場合に、ナット10が緩んだものと判定する。そのため、撮影かつ記録した画像において、隙間Gの距離hが上述の距離閾値以上となったことを点検可能とすることが要求される。ここで、隙間Gを撮影する際には、ビデオカメラ4の光軸4aがナット取付面1cに対して角度wとなっており、ビデオカメラ4が外周設置位置P1に近い点検範囲を撮影する際には、角度wが大きくなり、ビデオカメラ4が外周設置位置P1から離れた点検範囲を撮影する際には、角度wが小さくなる。しかしながら、角度wが大きくなると、隙間Gを点検することが困難となる。
【0030】
点検対象となるナット10について説明する。
代表例として、図4に示すように、鉄塔1を標準的な高さ40mのアングル鉄塔として、鉄塔1を高さ方向に17の部位B1〜B17に分けて点検範囲を定める。この場合、各部位B1〜B17に設けられたナット10の総数に対して鉄塔1の強度上確認を必要とするナット10の数の比率Rを、次のように求めた。
締結部材の強度をFとし、設計応力をcとすると、安全率Sは、次の(式1)のようになる。
S=F/c ・・・(式1)
次に、各部位B1〜B17に設けられたナット10の総数をNとすると、鉄塔1の強度上確認を必要とするナット10の数Mは、次の(式2)のようになる。
M=N/S ・・・(式2)
このような計算の結果、上述の比率Rは表1に示すような値となった。
【0031】
【表1】

【0032】
表1によれば、鉄塔1の点検範囲を、鉄塔1の高さの約1/3の割合で、部位B1〜B9に相当する上部13と、部位B10〜B14に相当する中間部14と、部位B15〜B17に相当する下部15とに分けた場合、次のことが確認できる。上部13のナット10については、その総数に対して70%以上かつ100%未満の数のナット10を撮影し、かつ観察すればよい。中間部14のナット10については、その総数に対して75%以上かつ100%未満の数のナット10を撮影し、かつ観察すればよい。下部15のナット10については、その総数に対して80%以上かつ100%未満の数のナット10を撮影し、かつ観察すればよい。そのため、地上2のビデオカメラ4から鉄塔1を撮影する際に、ナット10が鉄塔1に設けられた構造物に隠れること等によって、ビデオカメラ4が全てのナット10を撮影できない場合でも、少なくとも上述の割合でナット10を撮影し、記録し、かつ観察することによって、従来のように、鉄塔1を確実に点検できる。また、上述の割合のナット10を撮影し、かつ観察する時間は、著しく短縮されることとなる。鉄塔1のアンテナ9は、一般的に、このような鉄塔1の頂部を含んだ上部13、又は中間部14に取付けられている。
【0033】
なお、通常の鉄塔は、下部から上部に向かって必要とする強度が増加する構造となっているので、鉄塔が標準的な高さ40mのアングル鉄塔以外である場合にも、鉄塔の上部、中間部、及び下部にて点検を必要とされるナット10の数は、同様となる。鉄塔1の上部13、中間部14、及び下部15に設けられたナット10の全てが、それぞれ撮影可能であれば、全てのナット10(すなわち、その総数に対して100%のナット10)を撮影し、かつ観察してもよい。また、表1の鉄塔1の各部位B1〜B17における比率Rに基づいて、鉄塔1をその高さの1/3以外の割合で分けて、これら分けた部分のそれぞれで、ナット10の総数に対する撮影及び観察対象のナット10の数の比率を定めてもよい。例えば、鉄塔1を分ける割合を、鉄塔1の高さの1/2、1/4、1/5等としてもよく、鉄塔1を均等に分けなくてもよい。表1の鉄塔1の各部位B1〜B17における比率Rに基づけば、ナット10の総数に対する撮影及び観察対象のナット10の数の比率を、どのように設定してもよい。
【0034】
さらに、観察装置として、モニタ6に加えて、ナット10の緩みを判定する緩み判定部が設けられてもよく、この緩み判定部は、ナット10の緩みを、隙間Gの距離閾値に基づいて判定可能に構成されているとよい。観察装置として、モニタ6に加えて、鉄塔1の要素の表面に発生する変色を判定する変色判定部が設けられてもよく、変色判定部は、鉄塔1を構成する構造物の亀裂、破損、錆等、ネジ、ナット10、ボルト11、ワッシャ12等の締結部材の錆等、メッキ部分の変色等、塗装部分の剥離、変色等、溶接部分の亀裂、破損、錆等に相当する変色を、基準となる色彩に基づいて判定可能に構成されているとよい。観察装置として、モニタ6に加えて、鉄塔1の要素の形状変化を判定する変形判定部が設けられていてもよく、鉄塔1を構成する構造物の変形、亀裂、破損等、塗装部分の剥離等、ネジ、ナット10、ボルト11、ワッシャ12等の締結部材の欠落等、溶接部分の変形、亀裂、破損等に相当する形状変化を、基準となる形状に基づいて判定可能に構成されていてもよい。なお、観察装置として、モニタ6に加えて、緩み判定部及び変色判定部の組合せが設けられてもよい。観察装置として、モニタ6に加えて、緩み判定部及び変形判定部の組合せが設けられてもよい。観察装置として、モニタ6に加えて、変色判定部及び変形判定部の組合せが設けられてもよい。観察装置として、モニタ6に加えて、緩み判定部、変色判定部及び変形判定部の組合せが設けられてもよい。
【0035】
第1実施形態に係る鉄塔1の点検方法について説明する。
ビデオカメラ4を、4つの外周設置位置P1の内1つに設置する。
次に鉄塔1の外周を撮影し、撮影した画像を記録する。まず、鉄塔1の脚部7を撮影する。図5に示すように、この撮影では、ビデオカメラ4を、脚部7の下方から上方に向けて旋回させながら、脚部7を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。その後、ビデオカメラ4を設置した外周設置位置P1から鉄塔1に向かって脚部7の右側の範囲に位置する骨格部材8を撮影する。図2及び図6に示すように、この撮影では、ビデオカメラ4を、脚部7の右側の範囲に対して、Z字形状及び/又はコ字形状を繰り返して描くように下方から上方に向けて旋回させながら、脚部7の右側の骨格部材8を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。その後、ビデオカメラ4を設置した外周設置位置P1から鉄塔1に向かって脚部7の左側の範囲に位置する骨格部材8を撮影する。図2及び図6に示すように、この撮影では、ビデオカメラ4を、脚部7の左側の範囲に対して、Z字状又はコ字状を繰り返して描くように下方から上方に向けて旋回させながら、脚部7の左側の骨格部材8を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。
次に鉄塔1に取付けられたアンテナ9を撮影し、撮影した画像を記録する。ビデオカメラ4を、上方のアンテナ9に向けた状態で、アンテナ9を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。なお、アンテナ9の撮影においては、特に、アンテナ9の締結部材、ケーブル、コネクタ等が、撮影されることが好ましい。
このように、ビデオカメラ4によって鉄塔1、アンテナ9等を撮影し、かつ撮影した画像を記録装置5に記録することを、4つの外周設置位置P1における他の位置において、繰り返し行なう。
さらに、ビデオカメラ4を内部設置位置P2に設置し、当該ビデオカメラ4を、水平方向、及び下方から上方に向かって旋回させながら、鉄塔1の内部を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。
これらの作業によって記録装置5に記録された画像をモニタ6に表示して、作業者が鉄塔1の状態変化を観察する。
【0036】
鉄塔1の状態変化として、鉄塔1を構成する構造物の変形、亀裂、破損、錆等、ネジ、ナット10、ボルト11、ワッシャ12等の締結部材の緩み、欠落、錆等、メッキ部分の変色等、塗装部分の剥離、変色等、溶接部分の変形、亀裂、破損、錆等が確認された場合には、鉄塔1を補修する。なお、ナット10の緩みを確認する場合には、上部13のナット10については、その総数に対して70%以上のナット10を撮影し、かつ観察する。中間部14のナット10については、その総数に対して75%以上のナット10を撮影し、かつ観察する。下部15のナット10については、その総数に対して80%以上のナット10を撮影し、かつ観察する。さらに、ナット10と鉄塔1のナット取付面1cとの間における隙間Gの間隔の距離hが、所定の距離閾値以上となった場合に、ナット10が緩んだものと判定する。
【0037】
以上のように本発明の第1実施形態によれば、ビデオカメラ4の機材の搬送及び設置が容易であり、かつ安定した状態を維持し易い地上2で、点検作業を済ませることができるので、従来のように、大重量の足場を通信用鉄塔周辺に運んで設置する必要がなく、作業者が鉄塔に登る必要がなく、例えば、鉄塔1全体を点検する場合に、作業者が広い範囲を移動する必要がなくなる。その結果、作業時間を短縮でき、作業を簡略化でき、ひいては作業効率を改善し、コストを低減できる。特に、ビデオカメラ4が、地上2で鉄塔1の外周設置位置P1に設置されているので、安定した状態を維持できる地上2で、外周設置位置P1から鉄塔1全体のような広い範囲を点検漏れなく確実に、かつ高い精度に撮影できる。このように撮影した画像を記録し、この記録した画像に基づいて鉄塔1の状態変化を、鉄塔以外の安定した場所で、状態変化の判断基準となるデータ等と比較しながら観察できるので、点検作業を簡略化でき、かつ漏れなく確実にかつ高い精度で鉄塔1の広い範囲を点検できる。このように作業を簡略化することによって、経験の少ない作業者であっても点検作業を容易に実施でき、作業者を育てるための多くの労力、コスト、及び時間を削減できる。そのため、従来と比較して、作業効率を著しく改善し、かつコストを著しく低減できる。さらに、鉄塔1の外周側ではビデオカメラ4を設置する外周設置位置P1にスペースを確保すればよく、従来のように、足場のための資材を保管するスペースを確保する必要がないので、従来と比較して限られた範囲で効率的に点検作業を実施できる。
【0038】
本発明の第1実施形態によれば、鉄塔1の内部に位置する内部設置位置P2にビデオカメラ4を設置するので、鉄塔1の内部についても、漏れなく確実にかつ高い精度で撮影でき、その結果、漏れなく確実に、かつ高い精度で鉄塔1の広い範囲を点検できる。
【0039】
本発明の第1実施形態によれば、ビデオカメラ4が高感度カメラとなっているので、鉄塔1、特に、地上2から離れた位置にある通信用鉄塔1の上部13を、高い精度で撮影でき、高い精度で鉄塔1を点検できる。
【0040】
本発明の第1実施形態によれば、鉄塔1の状態変化として、鉄塔1に設けられた要素の表面の変色又は形状変化を点検できるので、鉄塔1を構成する構造物の変形、亀裂、破損、錆等、メッキ部分の変色等、塗装部分の剥離、変色等、ネジ、ナット10、ボルト11、ワッシャ12等の締結部材の欠落、錆等、溶接部分の変形、亀裂、破損、錆等を、確実に点検できる。
【0041】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る鉄塔の点検システム及び点検方法について以下に説明する。第2実施形態の鉄塔の点検システム及び点検方法は、基本的には、第1実施形態の鉄塔の点検システム及び点検方法と同様になっている。第1実施形態と同様な要素は、第1実施形態と同様の符号および名称を用いて説明する。ここでは、第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0042】
第2実施形態では、第1実施形態と同様の点検システム3を用いる。第2実施形態では、図7に示すように、鉄塔21は、地上2から上方に向かって延び、かつ円柱状に形成された骨格部材22を有しており、鉄塔21の横断面は、中心21aを有する円形状となっている。鉄塔21の外周には、互いに周方向に間隔を空けて配置された3つのアンテナ柱23が設けられている。なお、特に図示はしないが、アンテナ柱23は、第1実施形態と同様に分けた鉄塔21の上部又は中間部に取付けられている。さらに、鉄塔21には、締結部材として複数のナット10が取付けられている。鉄塔21には、溶接、メッキ、塗装等が施されている。
【0043】
ビデオカメラ4の設置位置について説明する。
図7を参照すると、ビデオカメラ4は、地上2における鉄塔21の外周側に位置する3つの外周設置位置P3に設置される。3つの外周設置位置P3は、周方向におけるアンテナ柱23同士の間の中間に位置し、かつ鉄塔21の根元外周から第1実施形態と同様の所定の距離dに位置している(図示せず)。
【0044】
第2実施形態に係る鉄塔21の点検方法について説明する。
ビデオカメラ4を、3つの外周設置位置P3の内1つに設置する。
次に鉄塔21を撮影し、撮影した画像を記録する。まず、鉄塔21のアンテナ柱23同士の間に位置する骨格部材22を撮影する。第1実施形態の骨格部材8の撮影と同様に、この撮影では、ビデオカメラ4を、鉄塔21の骨格部材22の点検範囲に対して、Z字形状及び/又はコ字形状を繰り返して描くように下方から上方に向けて旋回させながら、鉄塔21の骨格部材22を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。その後、ビデオカメラ4を設置した外周設置位置P3から鉄塔21に向かって右側のアンテナ柱23を撮影する。第1実施形態の脚部7の撮影と同様に、ビデオカメラ4を、右側のアンテナ柱23の下方から上方に向けて旋回させながら、右側のアンテナ柱23を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。その後、ビデオカメラ4を設置した外周設置位置P3から鉄塔21に向かって左側のアンテナ柱23を撮影する。第1実施形態の脚部7の撮影と同様に、ビデオカメラ4を、左側のアンテナ柱23の下方から上方に向けて旋回させながら、左側のアンテナ柱23を連続的に撮影し、このように撮影した画像を記録装置5に記録する。
このように、ビデオカメラ4によって鉄塔21を撮影し、かつ撮影した画像を記録装置5に記録することを、3つの外周設置位置P3における他の位置において、繰り返し行なう。
【0045】
以上のように本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0046】
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0047】
例えば、本発明の第1変形例として、第1実施形態、又は第2実施形態において、鉄塔1のアンテナ9のみ、又は鉄塔21のアンテナ柱23のみが点検されてもよい。鉄塔1,21において重要な機能を果たすアンテナ9のみ、又はアンテナ柱23のみを点検する場合においても、作業時間を短縮でき、作業を簡略化でき、ひいては作業効率を改善し、コストを低減できる。
【0048】
本発明の第2変形例として、第1実施形態の鉄塔1の横断面が、四角形状以外の多角形であってもよい。この場合、ビデオカメラ4の外周設置位置は、横断面の多角形の角部に対応して位置するとよい。第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0049】
本発明の第3変形例として、第1実施形態のビデオカメラ4の内部設置位置P2が、鉄塔1の中心1bの周囲における複数箇所に位置していてもよい。第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
本発明の第4変形例として、第1実施形態における外周設置位置P1に設置されたビデオカメラ4を用いた点検方法について、鉄塔1の脚部7、脚部7の左側の範囲、脚部7の右側の範囲の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。鉄塔1の左側の範囲、脚部7、脚部7の右側の範囲の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。鉄塔1の左側の範囲、脚部7の右側の範囲、脚部7の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。鉄塔1の右側の範囲、脚部7、脚部7の左側の範囲の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。鉄塔1の右側の範囲、脚部7の左側、脚部7の範囲の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。また、このような外周設置位置P1に設置されたビデオカメラ4を用いた撮影及び記録の前に、内部設置位置P2に設置されたビデオカメラ4を用いた撮影又は記録が行なわれてもよい。第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0051】
本発明の第5変形例として、第2実施形態のビデオカメラ4の外周設置位置P3が、4つ以上であってもよい。第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
本発明の第6変形例として、第2実施形態において、ビデオカメラ4が、地上2における鉄塔21の中心21aに位置する内部設置位置に設置され、このように設置されたビデオカメラ4によって鉄塔21の内部が撮影されてもよい。また、内部設置位置は、鉄塔21の中心21aの周囲における複数箇所に位置していてもよい。このような内部設置位置に設置されたビデオカメラ4を用いた撮影又は記録が、外周設置位置P3に設置されたビデオカメラ4を用いた撮影及び記録の前後いずれで行なわれてもよい。第2実施形態の鉄塔21の内部についても、漏れなく確実にかつ高い精度で撮影でき、その結果、漏れなく確実に、かつ高い精度で鉄塔21の広い範囲を点検できる。
【0053】
本発明の第7変形例として、第2実施形態の点検方法において、鉄塔21の骨格部材22、左側のアンテナ柱23、右側のアンテナ柱23の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。右側のアンテナ柱23、鉄塔21の骨格部材22、左側のアンテナ柱23の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。右側のアンテナ柱23、左側のアンテナ柱23、鉄塔21の骨格部材22の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。左側のアンテナ柱23、鉄塔21の骨格部材22、右側のアンテナ柱23の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。左側のアンテナ柱23、右側のアンテナ柱23、鉄塔21の骨格部材22の順で、撮影及び記録が行なわれてもよい。第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
本発明の第8変形例として、第1実施形態及び第2実施形態において、撮影装置がビデオカメラ4以外であってもよい。例えば、撮影装置が、静止画像を撮影するカメラであってもよい。第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0055】
本発明の第9変形例として、第1実施形態及び第2実施形態において、複数のビデオカメラ4を外周設置位置、及び/又は内部設置位置に設置して、複数のビデオカメラ4が、同時に鉄塔1の点検範囲を撮影してもよい。点検作業の時間を短縮でき、点検作業を効率化できる。
【0056】
[実施例1]
本発明の第1実施形態に係る点検方法を用いた実施例1を説明する。鉄塔1は、標準的な高さ40mのアングル鉄塔となっており、このような鉄塔1の各部位B1〜B17を、第1実施形態に係る点検方法によって撮影した。なお、外周設置位置P1と鉄塔1の根元外周との間の距離dを2.5mとした。その結果、各部位B1〜B17のナット10の総数に対して撮影可能であったナット10の数の比率Tは、表2のような値となった。
【0057】
【表2】

【0058】
表2によれば、本発明の点検方法では、地上2に設置したビデオカメラ4によって、鉄塔1の全体で80%以上のナット10が撮影可能であった。
【0059】
[実施例2]
本発明の第1実施形態に係る点検方法を用いた実施例2を説明する。ビデオカメラ4の光軸4aがナット取付面1cに対して角度wを60度となっている状態で、ナット10と、ナット取付面1c側に付勢されたナット10との間に隙間Gが形成された場合と、隙間Gが形成されていない場合とを撮影した。なお、実施例2では、ナット10は、M22となっており、隙間Gの距離閾値を2mmと設定して、隙間Gの距離hを2mmとした状態としている。このような撮影の結果、角度wが60度の場合、隙間を有さずに緩みの発生していないナット10と、隙間を有して緩みの発生したナット10とが明確に区別されて、ナットに緩みが発生していることが観察できた。
【符号の説明】
【0060】
1 鉄塔
1a 角部
2 地上
3 点検システム
4 ビデオカメラ
5 記録装置
6 モニタ
9 アンテナ
10 ナット
11 ボルト
12 ワッシャ
13 上部
14 中間部
21 鉄塔
23 アンテナ柱
B1〜B17 部位
G 隙間
P1,P3 外周設置位置
P2 内部設置位置
d,h 距離
w 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信用鉄塔に発生する状態変化を点検する方法において、
地上における前記通信用鉄塔の外周側で周方向に間隔を空けた複数の外周設置位置に設置した撮影装置を、旋回させて前記通信用鉄塔の点検範囲に向けた状態で、前記撮影装置により前記点検範囲を撮影するステップと、
前記撮影により得られた画像を記録するステップと、
前記記録した画像に基づいて前記通信用鉄塔の状態変化を観察するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記通信用鉄塔が多角形の横断面を有する場合、前記複数の外周設置位置が前記多角形の横断面の角部に対応している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信用鉄塔が円形の横断面を有する場合、前記複数の外周設置位置が少なくとも3箇所となっている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記撮影するステップにて、地上における前記通信用鉄塔の内部中央に位置する内部設置位置に設置した撮影装置をさらに用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記通信用鉄塔の高さ方向の上部又は中間部に取付けられた通信用搭載物に発生する状態変化を点検する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記撮影装置として、高感度ビデオカメラを用いる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記通信用鉄塔の状態変化が、該通信用鉄塔に設けられた締結部材の緩みとなっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記通信用鉄塔の状態変化が、前記通信用鉄塔に設けられた要素の表面の変色又は形状変化となっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−21646(P2013−21646A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155837(P2011−155837)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【特許番号】特許第5083923号(P5083923)
【特許公報発行日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【出願人】(511172140)KDDIエンジニアリング株式会社 (1)
【出願人】(000217653)電気興業株式会社 (105)
【Fターム(参考)】