説明

通信装置、撮像装置及びネットワークシステム

【課題】 撮像装置等から通信装置に対してストリーミング送信している状況でケーブルが抜かれる等してネットワークが切断され、再びケーブルが接続された場合に、切断される前の状態で再開できるようにする。
【解決手段】 デフォルトで設定されているモードをカメラモードとするデジタルビデオカメラ200は、ビデオストリーミングをホストPC100に対して送信している最中にUSBケーブル300が抜かれたとすると、そのことを検出し、現在のモードがデフォルト設定とは異なるVTRモードである場合は、VTRモード状態であったことを保持しておく。そして、USBケーブル300が接続されたことを検出したデジタルビデオカメラ200は、保持してあるモード状態(VTRモード)に従って、デジタルビデオカメラ200のモードをVTRモードに変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばUSB(Universal Serial Bus Protocol)規格に準拠したデジタルインターフェースを有する通信装置、撮像装置、ネットワークシステム、制御方法、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタルビデオカメラとパーソナルコンピュータ(PC)とをUSB(Universal Serial Bus Protocol)1.1(例えば、非特許文献1参照)に準拠したデジタルインターフェースで接続したシステムが存在する。USB規格には、USB1.1の他にも、USB2.0(例えば、非特許文献2参照)が存在する。
【0003】
このような機能を有するデジタルビデオカメラからPCに対してUSBインターフェースを介して接続し、ビデオストリーミングの送信を行っている最中に、USBケーブルが抜かれた後、再びケーブルを接続した場合、デジタルビデオカメラはデフォルトで設定されているモードで再開する。
【0004】
また、複数の画像設定情報を有しており、USBインターフェースを用いてPCからの遠隔操作により画像設定を切替える仕組みがUSB Device Class Definition for Video Devicesに記載されている。このような機能を有するデジタルビデオカメラからPCに対してUSBインターフェースを介して接続し、ビデオストリーミングの送信を行っている最中に、USBケーブルが抜かれた後、再びケーブルを接続した場合、デジタルビデオカメラはPCと最適な画像フォーマットを探して設定を行い、ケーブルが切断される前の設定と異なる可能性が発生する。
【0005】
例えば、図7に示すように、デジタルビデオカメラは画像設定を3つ有し、画像設定「1」では最も高画質なDVフォーマットで動画を流す。画像設定「2」、「3」ではビデオチャット用等に用いるためのMotion JPEGフォーマットで、画像設定「2」では画像サイズを優先したもの、画像設定「3」ではフレームレートを優先したものとする。通常は、画像設定「1」を流せる条件であれば画像設定「1」を設定する。そして、画像設定「1」ができない場合は、USBのバスが遅いものか、ビデオチャット等のインターネットで使用するかが考えられ、この場合は画像設定「2」か「3」を設定することになる。
【0006】
【非特許文献1】Universal Serial Bus Specification Revision 1.1, September 23, 1998
【非特許文献2】Universal Serial Bus Specification Revision 2.0, April 27, 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ビデオストリーミング中にケーブルが抜かれた場合は、ユーザにとって意図しない出来事である可能性が高く、ユーザの混乱を招くおそれがあるため、再びケーブルを接続した場合は、それまでケーブルを接続していた状態で再開することが望ましい。
【0008】
前述したように画像設定「2」か「3」を設定する場合、その画像設定「2」か「3」かはユーザの好みによって分かれると考えられる。このように様々な要因で適切な画像設定が選ばれることから、ケーブルで抜かれる前の設定で再開されることはユーザの混乱を回避することができる。
【0009】
本発明は、撮像装置等から通信装置に対してストリーミング送信している状況でケーブルが抜かれる等してネットワークが切断され、再びケーブルが接続された場合に、切断される前の状態で再開できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信装置は、機能に応じて設定されるモードを複数有し、ネットワークを介して接続された他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する通信装置であって、デフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する手段を備えた点に特徴を有する。
本発明の撮像装置は、映像を撮影する撮影用モードと映像を再生する再生用モードの二つのモードを有し、ネットワークを介して接続された通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する撮像装置であって、デフォルトのモードが再生用モードである場合において、撮影用モードで前記通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、撮影用モードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持した撮影用モードで動作を再開する手段を備えた点に特徴を有する。
本発明の他の撮像装置は、映像を撮影する撮影用モードと映像を再生する再生用モードの二つのモードを有し、ネットワークを介して接続された通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する撮像装置であって、デフォルトのモードが撮影用モードである場合において、再生用モードで前記通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、再生用モードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持した再生用モードで動作を再開する手段を備えた点に特徴を有する。
本発明の他の撮像装置は、ネットワークを介して接続された通信装置からの切替要求に応じて送信又は受信する画像設定を切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する撮像装置であって、前記通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときの画像設定を保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持した画像設定で動作を再開する手段を備えた点に特徴を有する。
本発明のネットワークシステムは、通信装置と他の通信装置とがネットワークを介して接続し、前記通信装置は、機能に応じて設定されるモードを複数有し、前記他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備するネットワークシステムであって、前記通信装置がデフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する手段を備え点に特徴を有する。
本発明の通信装置の制御方法は、機能に応じて設定されるモードを複数有し、ネットワークを介して接続された他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する通信装置の制御方法であって、前記通信装置がデフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する手順を有する点に特徴を有する。
本発明のコンピュータプログラムは、機能に応じて設定されるモードを複数有し、ネットワークを介して接続された他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する通信装置に用いられるコンピュータプログラムであって、前記通信装置がデフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する処理を実行させる点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ケーブルが抜かれる等してネットワークが切断された場合に、そのときのモードや画像設定を保持して、再びケーブルが接続された場合に、切断される前のモードや画像設定で再開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<第1の実施例>
本発明の第1の実施例に係る撮像装置は、USBのビデオストリーミングを流すためのUSB Device Class Definition for Video Devices の機能を有し、通信装置とUSBケーブルで接続されている。撮像装置は動画や静止画を撮影するモード(カメラモード)と、メディアに保存されたデータを再生するモード(VTRモード)を有している。また、本発明の第1の実施例に係る撮像装置は、USB1.1又はUSB2.0に準拠したデジタルインターフェースを有する。
【0013】
上記モードのうちデフォルトのモードがカメラモードである場合、VTRモードで撮像装置から通信装置に対してビデオストリーミングを流している最中にUSBケーブルが抜かれた場合、撮像装置では切断前のモード情報を保持しておき、再びPCとUSBケーブルが接続された際、保持してあるVTRモードのまま接続を再開する。
【0014】
以下、本実施例について説明する。図2に、本実施例におけるデジタルビデオカメラ200の構成を示す。デジタルビデオカメラ200において、記録時には、撮像制御部201は、デジタルカメラ部208を制御することで被写体の映像及び静止画の撮影を行う。デジタルカメラ部208より取り込まれた映像及び静止画データは、画像処理部205によって然るべき映像及び静止画フォーマットに圧縮され、圧縮されたデータは記録制御部204によってテープ等の着脱可能記録部209に転送記録される。
【0015】
一方、再生時には、着脱可能記録部209に記録されている映像及び静止画は、再生制御部203よって読み出され、画像処理部205によって然るべき映像及び静止画フォーマットに従って伸張され、伸張されたデータは表示部210に転送され表示される。
【0016】
また、USBインターフェース207に外部装置が接続されている場合には、デジタルインターフェース制御部(DIF制御部)206によって画像処理部205により圧縮された映像及び静止画データによってUSBインターフェース207を介して出力される。USBインターフェース207は、USB1.1又はUSB2.0に準拠したデジタルインターフェースである。
【0017】
各制御部は、データ/アドレスバス212によって接続され、データ転送はこのバスを介して行われ、各制御部に対する制御をメイン制御部202が行う。
【0018】
ここで、図1に示すように、デジタルビデオカメラ200がホストコントローラとなるパーソナルコンピュータ(ホストPC)100とUSBケーブル300を介して接続されているとする。ホストPC100はデジタルビデオカメラ200によって撮影されている映像をUSBケーブル300を介してリアルタイムに取得する。
【0019】
また、ホストPC100は、静止画の撮影要求をデジタルビデオカメラ200にUSBケーブル300を介して送信することも可能である。
【0020】
また、デジタルビデオカメラ200は、デジタルカメラ部208から入力されたデータをUSBインターフェース207からUSBケーブル300に出力したり、着脱可能記録部209に記録したりする撮影を目的にしたカメラモードと、着脱可能記録部209から出力されたデータを表示部210に表示したり、USBインターフェース207からUSBケーブル300に出力したりする再生を目的としたVTRモードとを有している。
【0021】
これらカメラモードとVTRモードの切り替えをホストPC100から遠隔操作で行う場合、USB Device Class Definition for Video Devicesに規定されているSU_INPUT_SELECT_CONTROLコマンド(図4を参照)を使用して行う。
【0022】
図3には、本実施例におけるデジタルビデオカメラ200のUSBインターフェース207におけるユニット構成を示す。本構成ではデジタルカメラ部301から入力されたデータをカメラ制御部302へ送りUSBの出力305とする場合と、テープメディア303から出力されたデータをUSBの出力305とする場合とがある構成とし、USB−IFで出力するソースをセレクターユニット304で切替える構成とする。
【0023】
デジタルビデオカメラ200はホストPC100からSU_INPUT_SELECT_CONTROLコマンドで指定されたソース(302又は303)を切替える。ここで、カメラ制御部302が指定されている場合はカメラモード、テープメディア303が指定されている場合はVTRモードとなり、ホストPC100側では指定したセレクタの位置によってデジタルビデオカメラ200のモードが判別可能となる。
【0024】
図5に本実施例における処理動作の流れを示す。デジタルビデオカメラ200は、動画のストリーミングのやり取りを行うUSB Device Class Definition for Video Devicesに基づいてビデオストリーミングをホストPC100に対して送信している。なお、デフォルトで設定されているモードをカメラモードとする。
【0025】
ここで、USBケーブル300が抜かれたとすると、デジタルビデオカメラ200ではUSBケーブル300が抜かれたことをUSBの二つの差動信号線であるD+及びD-の電圧レベル3.3Vを下回る状態を2.5μsec以上継続したことにより検出する(S001)。USBのバス状態に関しては図6に示す。
【0026】
デジタルビデオカメラ200のビデオストリーミング送信中(S002)で且つ現在のモードがデフォルト設定とは異なるVTRモードである場合(S003)は、VTRモード状態であったことをDIF制御部206の内部RAM領域内に保持しておく(S004)。
【0027】
そして、USBの二つの差動信号線であるD+及びD-のいずれかの電圧レベル3.3Vとなった場合にUSBケーブル300が接続されたことを検出する(S005)。検出したデジタルビデオカメラ200は、DIF制御部206の内部RAM領域に保持してあるモード状態がVTRモードであることをモードの状態を管理しているメイン制御部202に対して通知し(S006)、デジタルビデオカメラ200のモードをVTRモードに変更する。
【0028】
以上の動作をすることにより、USBケーブル300が接続された場合においても保持していたモードのままホストPC100と接続することが可能となる。このことにより、再接続時にデフォルトのモードに切り替わることなく、ユーザに違和感を与えることがなくなる。なお、本実施例においてはネットワークにUSBケーブル300を用いたが、無線通信やIEEE1394インターフェースであってもよい。
【0029】
<第2の実施例>
上記第1の実施例ではデフォルトのモード設定がカメラモードであったが、本実施例ではデフォルトのモード設定がVTRモードであるとする。そして、カメラモードで撮像装置から通信装置に対してビデオストリーミングを流している最中にUSBケーブルが抜かれた場合、撮像装置では切断前のモード情報を保持しておき、再びPCとUSBケーブルが接続された際、保持してあるカメラモードのまま接続を再開する。
【0030】
第1の実施例と同様に動画のストリーミングのやり取りを行うUSB Device Class Definition for Video Devicesに基づいてビデオストリーミングをホストPC100に対して送信している。
【0031】
ここで、USBケーブル300が抜かれたとすると、デジタルビデオカメラ200ではUSBケーブル300が抜かれたことをUSBの二つの差動信号線であるD+及びD-の電圧レベル3.3Vを下回る状態を2.5μsec以上継続したことにより検出する(S001)。USBのバス状態に関しては図6に示す。
【0032】
デジタルビデオカメラ200のビデオストリーミング送信中(S002)で且つ現在のモードがデフォルト設定とは異なるカメラモードである場合(S003)は、カメラモード状態であったことをDIF制御部206の内部RAM領域内に保持しておく(S004)。
【0033】
そして、USBの二つの差動信号線であるD+及びD-のいずれかの電圧レベル3.3Vとなった場合にUSBケーブル300が接続されたことを検出する(S005)。検出したデジタルビデオカメラ200は、DIF制御部206の内部RAM領域に保持してあるモード状態がカメラモードであることをモードの状態を管理しているメイン制御部202に対して通知し(S006)、デジタルビデオカメラ200のモードをカメラモードに変更する。
【0034】
以上の動作をすることにより、USBケーブル300が接続された場合においても保持していたモードのままホストPC100と接続することが可能となる。このことにより、再接続時にデフォルトのモードに切り替わることなく、ユーザに違和感を与えることがなくなる。なお、本実施例においてはネットワークにUSBケーブル300を用いたが、無線通信やIEEE1394インターフェースであってもよい。
【0035】
<第3の実施例>
本発明に係る撮像装置は、USBのビデオストリーミングを流すためのUSB Device Class Definition for Video Devices の機能を有し、通信装置とUSBケーブルを介して接続されている。撮像装置は例えばMotion JPEGストリーミングとDVストリーミング等の画像フォーマットを有しており、Motion JPEGではVGAやQVGA等の設定項目を有し、ホストPCからリモートでこれらのストリーミング設定を変更することが可能である。撮像装置から通信装置に対してビデオストリーミングを流している最中にUSBケーブルが抜かれた場合、撮像装置では切断前の画像設定情報を保持しておく。再びPCとUSBケーブルが接続された際、保持してあるビデオストリーミング設定をホストPCとのネゴシエーション時に通知することにより、ケーブルが切断される前の画像設定で接続を再開する。
【0036】
本実施例のデジタルビデオカメラの構成概略については第1の実施例で述べたものと同様であるものとする。ここでホストPC100とデジタルビデオカメラ200間で画像設定を行うためのネゴシエーションを図8に示す。また、図10A〜図10DにUSB Device Class Definition for Video Devicesに規定されているVS_PROBE_CONTROLコマンド及びVS_COMMIT_CONTROLコマンドの構成を示す。同図にあるように、画像設定として、画像フォーマット、フレームレート、画像サイズ、圧縮率、フレームインターバル、転送レートの項目を含んでいる。
【0037】
まず、画像設定の細かい設定をホストPC100側で決めた後、ホストPC100からデジタルビデオカメラ200に対して、PROBE_CONTROLのSET_CURコマンドを送信する(S201)。
【0038】
PROBE_CONTROLのSET_CURコマンドを受信したデジタルビデオカメラ200は、コマンドで設定された値のうち、デバイス側で問題なく送れると判断した項目はホストPC100で設定された値にProbe値を設定し、それ以外の項目に関してはデジタルビデオカメラ200で決めた設定値をProbe値とする。
【0039】
その後、ホストPC100はPROBEの値がどうなったかを確認するため、PROBE_CONTROLのGET_CURコマンドを送信して、デジタルビデオカメラ200でホストPC100からの要求を踏まえて設定された値を取得する(S202)。
【0040】
取得した結果、ホストPC100側で問題がなければ、COMMIT_CONTROLのSET_CURコマンドを送信して、ストリーミングの設定を行う(S203)。
【0041】
COMMIT_CONTROLのSET_CURコマンドを受信したデジタルビデオカメラ200は、COMMITの設定値を送られてきた値に設定する。
【0042】
その後、ホストPC100はSELECT_ALTERNATE_INTERFACEコマンドを送信し(S204)、コマンドを受信したデジタルビデオカメラ200はストリーミング転送を開始する。
【0043】
図9に本実施例における処理動作の流れを示す。動画のストリーミングのやり取りを行うUSB Device Class Definition for Video Devicesに基づいて画像設定「2」でビデオストリーミングをPCに対して送信している。
【0044】
ここで、USBケーブル300が抜かれたとすると、デジタルビデオカメラ200ではUSBケーブル300が抜かれたことをUSBの二つの差動信号線であるD+及びD-の電圧レベル3.3Vを下回る状態を2.5μsec以上継続したことにより検出する(S101)。USBのバス状態に関しては図6に示す。
【0045】
デジタルビデオカメラ200のビデオストリーミング送信中(S102)である場合は、現在のストリーミング設定値をDIF制御部206の内部RAM領域内に保持しておく(S004)。
【0046】
そして、USBの二つの差動信号線であるD+及びD-のいずれかの電圧レベル3.3Vとなった場合にUSBケーブル300が接続されたことを検出する(S104)。
【0047】
検出した後、ホストPC100とストリーミングのネゴシエーションが行われる。ネゴシエーションの仕方は上述した方法となる。その際、ホストPC100から送られてくるPROBE_CONTROLのGET_CURコマンド受信時には、DIF制御部206の内部RAM領域に保持してあるストリーミング情報をProbe値としてホストPCに通知する(S105)。
【0048】
ホストPC100がデジタルビデオカメラ200の設定したProbe値で問題がなければ、その値を設定してCOMMIT_CONTROLのSET_CURが送られてくる。もし問題がある場合は、再度ホストPC100からPROBE_CONTROLのSET_CURが送られてくるため(S106)、その場合は通常のネゴシエーションに戻りホストPC100からの設定値を反映した値をProbe値として設定して(S107)、画像設定を完了させる。
【0049】
以上の動作をすることにより、ネットワークが切断する前のストリーミング状態で再開することが可能となる。なお、本実施例においてはネットワークにUSBケーブルを用いたが、無線通信やIEEE1394インターフェースであってもよい。
【0050】
なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0051】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0052】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0053】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0054】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】デジタルビデオカメラとホストPCとが接続されるネットワークシステムを示す図である。
【図2】デジタルビデオカメラの構成を示す図である。
【図3】USB_IFのユニット構成を示す図である。
【図4】USB Device Class Definition for Video Devicesに規定されているSU_INPUT_SELECT_CONTROLコマンドの構成を説明するための図である。
【図5】第1の実施例における処理動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】USBのバス状態とD+及びD-信号レベルを説明するための図である。
【図7】画像設定の一例を示す図である。
【図8】画像設定のネゴシエーションを説明するためのシーケンスチャートである。
【図9】第3の実施例における処理動作の流れを示すフローチャートである。
【図10A】USB Device Class Definition for Video Devicesに規定されているVS_PROBE_CONTROLコマンド及びVS_COMMIT_CONTROLコマンドの構成を説明するための図である。
【図10B】USB Device Class Definition for Video Devicesに規定されているVS_PROBE_CONTROLコマンド及びVS_COMMIT_CONTROLコマンドの構成を説明するための図である。
【図10C】USB Device Class Definition for Video Devicesに規定されているVS_PROBE_CONTROLコマンド及びVS_COMMIT_CONTROLコマンドの構成を説明するための図である。
【図10D】USB Device Class Definition for Video Devicesに規定されているVS_PROBE_CONTROLコマンド及びVS_COMMIT_CONTROLコマンドの構成を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
100 ホストPC
200 デジタルビデオカメラ
300 USBケーブル
201 撮像制御部
202 メイン制御部
203 再生制御部
204 記録制御部
205 画像処理部
206 DIF制御部
207 USBインターフェース
208 デジタルカメラ部
209 着脱可能記録部
210 表示部
212 データ/アドレスバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能に応じて設定されるモードを複数有し、ネットワークを介して接続された他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する通信装置であって、
デフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する手段を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
映像を撮影する撮影用モードと映像を再生する再生用モードの二つのモードを有し、ネットワークを介して接続された通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する撮像装置であって、
デフォルトのモードが再生用モードである場合において、撮影用モードで前記通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、撮影用モードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持した撮影用モードで動作を再開する手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
映像を撮影する撮影用モードと映像を再生する再生用モードの二つのモードを有し、ネットワークを介して接続された通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する撮像装置であって、
デフォルトのモードが撮影用モードである場合において、再生用モードで前記通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、再生用モードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持した再生用モードで動作を再開する手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された通信装置からの切替要求に応じて送信又は受信する画像設定を切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する撮像装置であって、
前記通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときの画像設定を保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持した画像設定で動作を再開する手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記画像設定は、画像フォーマット、フレームレート、画像サイズ、圧縮率、フレームインターバル、転送レートの項目のいずれかを含むことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
通信装置と他の通信装置とがネットワークを介して接続し、前記通信装置は、機能に応じて設定されるモードを複数有し、前記他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備するネットワークシステムであって、
前記通信装置がデフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する手段を備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項7】
機能に応じて設定されるモードを複数有し、ネットワークを介して接続された他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する通信装置の制御方法であって、
前記通信装置がデフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する手順を有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
機能に応じて設定されるモードを複数有し、ネットワークを介して接続された他の通信装置からのモード切替要求に応じて前記モードを切替える機能と、前記ネットワークを介してストリーミング送信又は受信する機能とを具備する通信装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
前記通信装置がデフォルトで設定されているモードと異なるモードで前記他の通信装置と前記ネットワークを介して接続し、前記他の通信装置に対してストリーミング送信又は受信している状況で前記ネットワークが切断された場合、接続していたときのモードを保持し、再びネットワーク接続された場合に、その保持したモードで動作を再開する処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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