説明

通気機構を備えた衣服

【課題】特定の身体部位に対して効果的に通気を行う衣服を提供する。
【解決手段】着用者の身体の一部を覆う少なくとも1つの覆い部1、2を備えた衣服であって、少なくとも1つの覆い部が、着用者の身体の一部に対して通気を行う通気機構が取り付けられた少なくとも1つの正面側吸気開口部6を有し、通気機構が、少なくとも1つの正面側吸気開口部に連通する上流側端部10と、下流側端部11とを備える少なくとも1つの空気配給カップリング9を備え、少なくとも1つの空気配給カップリングが、上流側端部から下流側端部へ空気を流通させる少なくとも1つの流通チャネル12が設けられた鞘部を備え、少なくとも1つの流通チャネルが、鞘部を介して着用者の身体の一部に集中して通気を行う少なくとも1つの通気路16を備え、空気配給カップリングの下流側端部が、衣服から空気を排気するための排気カップリング20に連通している衣服に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者の身体の一部を覆うための少なくとも1つの覆い部を備えた衣服に関する。
【0002】
本発明は特に衣服に関し、具体的には、スポーツ活動またはレジャー活動(例えば、スキー、スノーボード、クロスカントリー式スキー、ローラースケート、ランニング、サイクリング、乗馬、バイクの運転、または、ゴーカートの運転など)を行う場合に着用する上着に関する。
【背景技術】
【0003】
気候条件が好ましくない場合(例えば、低温の天候または暴風雨時)に着用者を保護するために、この種の衣服の大半は耐候性を有しており、または、少なくとも防風性の衣服として機能するものが多い。
【0004】
この目的を達成するために、このような衣服は、空気と空気中の水分との透過率が低い耐候性の材料からなる覆い部を備えることがあるため、上記覆い部に覆われている着用者の身体部位において熱による不快な状態が発生してしまう。
【0005】
さらに、このような衣服の着用者が運動を伴った活動をした場合、衣服が相対風に吹きつけられて着用者の身体に少なくとも部分的に纏わり付くことがあり、熱による不快感が増大してしまう。特に、高速運動を伴った活動(例えば、スキー、バイクの運転など)をした場合、このような現象は着用者にとって極めて不快なものとなる。
【0006】
これらの課題を解決するために、外気取入用の開口部が設けられた衣服が公知である。特に、開口部と向かい合った身体部位に対して通気(ventilation)を行うために、開口部は外気を衣服内に取り入れるように配置されている。これにより、身体部位の温度を下げ、汗を蒸発させている。
【0007】
例えば、文献US5727256は、腰背部と側部とのそれぞれに配置された外気の吸気口と、1つの肩部にそれぞれ配置された、温められた空気の排気口とを備える上着であって、外気の吸気口のそれぞれが、ジッパーによって被われたメッシュ生地の断片を含んでいる上着が記載されている。
【0008】
したがって、通気により着用者の身体を乾かすために外気が衣服内へと取り入れられるので、衣服内の温かく湿った空気には、流動効果によって着用者の身体に沿って上昇し、排気口から排気される流れが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5727256号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記文献の衣服では、衣服内の最適な空気の流れを発生させることができないため、十分満足のいくものではなかった。さらに、上記文献の衣服では、湿度に一番敏感な身体部位に集中して通気を行うができず、低温度に一番敏感な身体部位を外気から遠ざけることもできなかった。
【0011】
本発明は、着用者の特定の身体部位に対して効果的に通気を行うという特定の目的のために、衣服内での最適な空気の流れを可能にする少なくとも1つの通気機構を衣服に設けることを提案して、従来技術を改良することを目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、本発明は、着用者の身体の一部を覆う少なくとも1つの覆い部を備えた衣服であって、上記少なくとも1つの覆い部が、上記着用者の身体の一部に対して通気を行う通気機構が取り付けられた少なくとも1つの正面側吸気開口部を有し、上記通気機構が、上記少なくとも1つの正面側吸気開口部に連通する上流側端部と、下流側端部とを備える少なくとも1つの空気配給カップリングを備え、上記少なくとも1つの空気配給カップリングが、上記上流側端部から上記下流側端部へ空気を流通させる少なくとも1つの流通チャネルが設けられた鞘部を備え、上記少なくとも1つの流通チャネルが、上記鞘部を介して上記着用者の身体の一部に集中して通気を行う少なくとも1つの通気路を備え、上記空気配給カップリングの上記下流側端部が、上記衣服から空気を排気するための排気カップリングに連通している衣服を提案する。
【0013】
本発明の他の特別な特徴および利点は、添付の図面を参照した以下の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1a】図1aは本発明の一実施形態に係る衣服を図式的に示し、前を閉じた状態の衣服(図1a)を示す。
【図1b】図1bは本発明の一実施形態に係る衣服を図式的に示し、前を開いた状態の衣服(図1b)を示す。
【図2】図2は図1に示す衣服の正面側の開口部の横断面を図式的に示す。
【図3】図3の(a)は本発明に係る通気機構のチャネルの形成を図式的に示し、図3の(b)は線A−Aに沿った図3の(a)の断面図を示し、図3の(c)は線B−Bに沿った図3の(a)の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記図面を参照して、着用者の身体の一部を覆う少なくとも1つの覆い部を備えた衣服を以下に説明する。図示する実施形態によれば、衣服は胴部を覆うための覆い部を備える上着であって、この覆い部は胸部1と背部2を有する。さらに、上着は、着用者の腕を覆うための覆い部をそれぞれ構成する2つの袖部3と、着用者の首を覆うための覆い部を構成する襟部4とを備える。
【0016】
特に、スポーツ活動やレジャー活動(例えば、スキー、スノーボード、クロスカントリー式スキー、ローラースケート、ランニング、サイクリング、乗馬、オートバイの運転、または、ゴーカートの運転)に従事する場合に衣服を着用してもよい。
【0017】
この目的を達成するために、天候条件が好ましくない場合(例えば、低温の天候または暴風雨時)に着用者を保護できるように、衣服は耐候性を有する衣服であってもよく、または、少なくとも風よけ用ジャンパーとして機能する衣服であってもよい。このような衣服とするために、衣服は、本質的に不透水性の材料からなる外層部5を備える。
【0018】
衣服の覆い部は、この覆い部に覆われる身体部位に対して外気を供給する通気機構が取り付けられた少なくとも1つの正面側吸気開口部6を有する。
【0019】
正面側吸気開口部6に密閉手段7を設けてもよく、この密閉手段7は通気機構内に取り入れられた外気流Fを調節するために調整されてもよい。特に、密閉手段7を使用して正面側吸気開口部6のサイズを調整できる。したがって、着用者は、通気を行いたい場合、外気を取り入れるために正面側吸気開口部6を開く。同様に、着用者は、低温の外気の侵入を遮断したい場合および/または通気を中止したい場合、正面側吸気開口部6を閉じるために密閉手段7を作動させる。
【0020】
図中では、正面側吸気開口部6は、胸部1の外層部5に設けられた縦型のスリットの形態を取り、このスリットの高さは約15cmとすることができる。さらに、密閉手段7はファスナー部を備え、例えば、このファスナー部の各側方端部7aがスリットの1つの側方エッジ部に縫い付けられている。特に、図2では、スリットを規定し、密閉手段7が結び付けられるように、外層部5の側方エッジ部5aが衣服の内側で折り畳まれている。
【0021】
さらに、この衣服は外層部5の内側面に配置された裏地8を備え、この裏地8が外層部5のスリットと向かい合って形成されたスリットを有し、裏地8の2つの側方エッジ部8aが1つの側方エッジ部5aにそれぞれ縫い付けられている。
【0022】
胸部1上の正面側吸気開口部6の位置は、特に衣服の着用者がバックパックを背負っている場合、着用者の手が簡単に届き、バックパックによって塞がれにくい場所にあるので、スポーツ活動を行う場合に特に適切であるといえる。さらに、着用者が高速運動(例えば、サイクリング、乗馬、オートバイの運転、または、スキー)を行っている場合、正面側吸気開口部6が最適な量の外気を上着内に取り入れることができる。
【0023】
通気機構は、正面側吸気開口部6に連通している上流側端部10と、下流側端部11とを有する少なくとも1つの空気配給カップリング9を備える。図示している実施形態では、空気配給カップリング9は裏地8に設けられ、衣服の曲線をなぞりながら胸部1と背部2とに渡って実質的に水平に延伸し、斜めに屈折している箇所がないので、空気配給カップリング9内の空気流が妨げられることがない。
【0024】
空気配給カップリング9が、上流側端部10から下流側端部11へと空気を流通させる少なくとも1つの流通チャネル12が形成されている鞘部を有している。これを実現するために、鞘部は、着用者に対向するように意図された内面13と、裏地8上に配置された外面14とを有し、内面13と外面14とは気密材料から構成される。
【0025】
図2に関連して、外面14は端部14aを備え、この端部14aは、例えば、縫い付けや、スナップボタンまたは接着ストリップ(Velcro(登録商標)など)などの可逆的な方式によって内側裏地8に固定されている。
【0026】
さらに、内面13と外面14は2つの側方ブリッジ部15を介して互いに接続され、側方ブリッジ部15は、空気を流通させる少なくとも1つのチャネル12を内面13と外面14との間に形成することによって内面13と外面14とを互いから隔てた状態に保持するように設けられている。図3の(a)に関しては、側方ブリッジ部15は、例えば、気密性発泡材料からなるスペーサである。特に、これらスペーサ15は、各辺の長さが5mmの四角形状の断面を有するものであってもよい。
【0027】
流通チャネル12は、着用者の身体の一部に集中して通気を行うための少なくとも1つの通気路16を、鞘部を介して備えている。特に、通気路16は内面13に形成された切口によって構成され、この切口は透気性の材料(例えば、メッシュ状の布地)によって覆われている。
【0028】
したがって、空気配給カップリング9の内面13および外面14と側方ブリッジ部15とが気密性を有するため、空気配給カップリング9に流入する外気流F1は、通気路16と向かい合った着用者の身体部位に外気を供給するように、通気路16に到達するまで流通チャネル12内を導かれる。
【0029】
さらに、正面側吸気開口部6を介して空気配給カップリング9内へ流入する外気の誘導が向上するように、上流側端部10に吸気室17を設けてもよい。図2に関して、吸気室17は、空気配給カップリング9内へ外気を透過する材料(例えばメッシュ状の布地)からなる上流側層18によって規定される。
【0030】
さらに、吸気室17は、気密材料からなる下流側層19によって規定され、この下流側層19は、例えば、縫い付けや、スナップボタンまたは接着ストリップ(Velcro(登録商標)など)などの可逆的な方式によって裏地8に固定された第1の端部19aと、空気配給カップリング9の内面13に固定された第2の端部19bとを備えている。
【0031】
さらに、吸気室17の内法寸法は、空気配給カップリング9の内法寸法よりも大きくてもよい。これにより、吸気室17が、外気の最適な取り入れを生じさせることが可能になる。これは、チャネル12内を流通環している外気流F1の上流側の供給を行うように外気を蓄えることが可能であることを意味する。
【0032】
流通チャネル12の内法寸法は、上流側端部10から下流側端部11に向かってサイズが減少してもよい。これを実現するために、図3の(a)に関しては、空気配給カップリング9が上流側端部から下流側端部に向けて収束するように、空気配給カップリング9の2つの側面端部9aが水平方向に対して例えば約5%の勾配で傾いている。したがって、流通チャネル12によって、通気の拡散を減少し、着用者の身体の一部に対してより対象の絞れた通気を行うことができる。
【0033】
温められた空気の排気を可能にするために、空気配給カップリング9の下流側端部11が、衣服から空気を排気するための排気カップリング20と連通している。図示する実施形態では、温められた空気を排気カップリング20から排気する自然対流を利用できるように、排気カップリング20が背部2に取り付けられ、裏地8上に配置された状態で実質的に垂直に延伸している。
【0034】
排気カップリング20が、背部2に形成された背面側の排気開口部(図示せず)と連通する下流側端部20aを備えている。特に、背面側の排気開口部は、背部2の首の領域のうち首筋の領域に形成されてもよく、特に背部2と襟部4との接合部に近接して形成されてもよい。
【0035】
排気カップリング20は、気密材料からなる外面21と透気性の材料から少なくとも部分的になる内面22とを有する鞘部を備えている。図1bと図3では、通気路23が、内面22に形成された切口によって形成され、この切口が通気性の材料(例えば、メッシュ状の布地)によって覆われている。
【0036】
さらに、排気カップリング20の内面22と外面21とが2つの側方ブリッジ部24を介して互いに接続され、この2つの側方ブリッジ部24は内面22と外面21の間に空気流通チャネル25を形成することで内面22と外面21を互いから隔てた状態に保持するように設けられている。側方ブリッジ部24は、例えば気密性発泡材料からなるスペーサでもよく、各辺の長さが5mmの四角形状の断面を有するものでもよい。
【0037】
これにより、空気流F2が、通気路23と向かい合った身体部位における換気を集中的に行う排気カップリング20の内を流通できるようになる。さらに、通気路23によって、排気カップリング20が衣服内の温められた空気を排気することが可能になる。
【0038】
図示する実施形態では、空気配給カップリング9から発生する外気流F1を空気流通チャネル25に供給するように、空気配給カップリング9の下流側端部が排気カップリング20の上流側端部と結び付けられている。さらに、外面21および内面22と側方ブリッジ部24とが気密性を有しているため、排気カップリング20内を流通する空気流F2が、背面側の排気開口部に到達するまで空気流通チャネル25内を導かれる。
【0039】
着用者の身体の一部に対してより良い通気を行えるようにするために、通気機構が、2つの正面側吸気開口部6と2つの空気配給カップリング9とを備え、この2つの空気配給カップリング9のそれぞれの側端部10が正面側の正面側吸気開口部6のうち1つと連通し、下流側端部11が1つの排気カップリング20と連通していてもよい。
【0040】
これにより、図1では、胸部1が、2つの正面側吸気開口部6aおよび6bと2つの空気配給カップリング9とを備え、この空気配給カップリング9のそれぞれの上流側端部10が正面側吸気開口部6aおよび6bのうち1つと連通している。なお、図中左側の正面側吸気開口部6aについては閉じた状態が示され、図中右側の正面側吸気開口部6bについては開口状態が示されている。
【0041】
さらに、各空気配給カップリング9が、両脇下の領域にそれぞれ設けられた通気路16を備え、脇下の領域は、胸部1と背部2の間と袖部3の下方とに配置されている。さらに、排気カップリング20が、背部2の脊柱部の領域に配置された通気路23を備え、空気配給カップリング9のそれぞれの下流側端部11が排気カップリング20に通じている。
【0042】
一実施形態によれば、空気配給カップリング9が複数の流通チャネル12aおよび12bを備え、複数のチャネル12aおよび12bのそれぞれが、上流側端部10と下流側端部11の間に空気の流通を平行に生じさせるように、上流側端部10と下流側端部11の間を延伸し、複数のチャネル12aおよび12bのそれぞれが少なくとも1つの通気路16aおよび16bを備え、少なくとも1つの通気路16aおよび16bが、この通路と向かい合った一部の身体部位に対して集中して通気を行う。
【0043】
特に、図3の(a)では、空気配給カップリング9が、上層チャネル12aと、下層チャネル12bと、気密材料26からなり、空気配給カップリング9の内面13と外面14とを接続しているブリッジとを備え、上層チャネル12aと下層チャネル12bとがブリッジの両側にそれぞれ設けられている。気密材料26からなるブリッジは、例えば、気泡を含み、各辺の大きさが5mmの四角形状の断面を有していてもよい。
【0044】
上層チャネル12aが、上述の脇下の領域(例えば、袖部3の3cm下方)に配置された通気路16aを備える。同様に、下層チャネル12bが、背部2の脊柱部の領域に近接(例えば、背部2の脊柱部の領域から6cm〜8cm離れた位置)して配置された通気路16bを備える。さらに、通気路16aおよび16bのそれぞれが、例えば、各辺の大きさが5mmの四角形状を有する形態である。
【0045】
さらに、排気カップリング20が流通チャネル12の通気路16a、16bより高い(領域に)通気路23を備え、温められた空気用の通気路が背部2の脊柱部の領域と、特に上層チャネル12aの通気路16aより高い領域とに配置されている。
【0046】
衣服は、着用者がスポーツをしている場合でも何ら制約を加えることのない柔軟で、軽く、目立たない通気機構を備える。さらに、通気機構は、衣服上に簡易に構成および配置されるものであってよい。さらに、通気機構は衣服と共に洗濯可能であり、全身体の外観を損ねこともない。
【0047】
特に、着用者が望むように通気機構を利用したり、利用を避けられるように、通気機構を裏地8に着脱可能に設けてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の身体の一部を覆う少なくとも1つの覆い部(1、2)を備えた衣服であって、
上記少なくとも1つの覆い部(1、2)が、上記着用者の身体の一部に対して通気を行う通気機構が取り付けられた少なくとも1つの正面側吸気開口部(6、6a、6b)を有し、
上記通気機構が、上記少なくとも1つの正面側吸気開口部(6、6a、6b)に連通する上流側端部(10)と、下流側端部(11)とを備える少なくとも1つの空気配給カップリング(9)を備え、
上記少なくとも1つの空気配給カップリング(9)が、上記上流側端部から上記下流側端部へ空気を流通させる少なくとも1つの流通チャネル(12、12a、12b)が設けられた鞘部を備え、上記少なくとも1つの流通チャネル(12、12a、12b)が、上記鞘部を介して上記着用者の身体の一部に集中して通気を行う少なくとも1つの通気路(16、16a、16b)を備え、
上記空気配給カップリング(9)の上記下流側端部(11)が、上記衣服から空気を排気するための排気カップリング(20)に連通していることを特徴とする衣服。
【請求項2】
上記排気カップリング(20)が、上記覆い部(2)に設けられた背面側排気開口部に連通している下流側端部(20a)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の衣服。
【請求項3】
上記排気カップリング(20)が、気密材料からなる外面(21)と少なくとも部分的に通気性材料からなる内面(22)とを備える鞘部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の衣服。
【請求項4】
上記排気カップリング(20)の上記内面(22)と上記外面(21)とを互いに隔てた状態に保持するように設けられた2つの側方ブリッジ部(24)によって、上記内面(22)と上記外面(21)とが互いに接続されることで、上記内面(22)と上記外面(21)との間に空気流通チャネル(25)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の衣服。
【請求項5】
上記空気配給カップリング(9)の上記鞘部が気密材料からなり、
上記通気路(16、16a、16b)が、上記鞘部の内面(13)に形成された切口によって構成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の衣服。
【請求項6】
上記切口が通気性材料によって覆われていることを特徴とする請求項5に記載の衣服。
【請求項7】
上記空気配給カップリング(9)の上記鞘部が、2つの側方ブリッジ部(15)を介して互いに接続された内面(13)と外面(14)を備え、上記2つの側方ブリッジ部(15)が、上記内面(13)と外面(14)を互いに隔てた状態に保持するように配列されることで、上記内面(13)と外面(14)との間に少なくとも1つの空気流通チャネル(12)が形成されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の衣服。
【請求項8】
上記空気配給カップリング(9)が実質的に水平に延伸し、上記排気カップリング(20)が実質的に垂直に延伸していることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の衣服。
【請求項9】
上記通気機構が2つの空気配給カップリング(9)を備え、これら2つの空気配給カップリング(9)の上流側端部(10)が正面側吸気開口部(6a、6b)にそれぞれ連通し、下流側端部(11)が同一の排気カップリング(20)に連通していることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の衣服。
【請求項10】
上記空気配給カップリング(9)が複数の流通チャネル(12a、12b)を備え、上記複数の流通チャネル(12a、12b)のそれぞれが、上記上流側端部(10)と上記下流側端部(11)との間に空気を平行して流通させるように、上記上流側端部(10)と上記下流側端部(11)の間を延伸し、
上記複数の流通チャネル(12a、12b)のそれぞれが、上記着用者の身体の一部に集中して通気を行う少なくとも1つの通気路(16a、16b)を備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の衣服。
【請求項11】
上記空気配給カップリング(9)が気密材料(26)からなるブリッジ部を備え、該ブリッジ部が上記空気配給カップリング(9)の内面(13)と外面(14)とを接続し、
上記ブリッジ部の一方側と他方側とに流通チャネル(12a、12b)がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項10に記載の衣服。
【請求項12】
上記正面側排気開口部(6、6a、6b)に密閉手段7が設けられ、該密閉手段7は上記通気機構に取り入れられる空気流を調節が調整可能であることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の衣服。
【請求項13】
上記空気配給カップリング(9)の上記上流側端部(10)に吸気室(17)が設けられていることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の衣服。
【請求項14】
上記吸気室(17)が、該吸気室(17)内へ空気を通過させる材料からなる上流層(18)によって規定されていることを特徴とする請求項13に記載の衣服。
【請求項15】
上記吸気室(17)の内法寸法が上記空気配給カップリング(9)の内法寸法よりも大きいことを特徴とする請求項13または14に記載の衣服。
【請求項16】
上記流通チャネル(9)の内法寸法が、上記上流側端部(10)から上記下流側端部(11)に向かって小さくなることを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の衣服。
【請求項17】
上記通気機構が上記覆い部(1、2)の内面(8)に着脱可能に搭載されていることを特徴とする請求項1から16の何れか1項に記載の衣服。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−79480(P2013−79480A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222071(P2012−222071)
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【出願人】(508372593)
【氏名又は名称原語表記】DECATHLON
【住所又は居所原語表記】4 BOULEVARD DE MONS, 59650 VILLENEUVE D’ASCQ, FRANCE
【Fターム(参考)】