説明

通電用ナット

【課題】ねじ込まれるボルトと通電する通電用ナットにおいて、ボルトとの通電性能を向上させることを目的とする。
【解決手段】ねじ山無しナット部14のナット穴の内壁には、ナット穴内壁に沿って円環形状を描くよう、導電性部材用溝が設けられる。導電性部材26には、ボルトがねじ込まれることにより変形し、ねじ溝が刻まれるものを用いる。また、液体の状態で加工が可能であり、加工後に凝固させることができる部材を用いることが好適である。導電性部材26として液体の状態で加工可能な部材を用いる場合には、導電性部材26は、導電性部材用溝に沿って塗布される。また、導電性部材26として固体の状態で加工する部材を用いる場合には、導電性部材26は、導電性部材用溝にはめ込まれる。導電性部材26がなす円環形状の内径は、ねじ込まれるボルトのねじ溝の径とほぼ同一か、それよりも小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ込まれるボルトと通電する通電用ナットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電気機器は車体を接地導体とすることが多い。このような電気機器は、接地すべき部分をボルトとナットによって車体に固定する構成とすることができる。また、電気製品に内蔵される回路基板は、電気製品の筐体を接地導体とすることが多い。このような回路基板は、その接地導体面を筐体に接触させ、ボルトとナットによって筐体に固定する構成とすることができる。
【0003】
接地用のボルトには、外観を良くするために予め塗装が施されることがある。しかし、ねじ溝が刻まれた部分に塗料が付着した状態で、そのボルトにナットを取り付けたとしても、塗料によってボルトとナットとの間の通電が妨げられる。これによって、電気機器、回路基板等の接地導体への電気的な接触が妨げられるという問題が生じる。
【0004】
そこで、特開平11−62938号公報に開示されているように、ボルトのねじ溝に付着した異物を、ナットのねじ山によって取り除く技術が考え出されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−62938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
塗装されたボルトに特許文献1に記載のナットを取り付ける場合、ボルトのねじ溝の全区間のうち、塗料が十分に剥離され、かつ、ナットのねじ山と十分な圧力を以て接触しているねじ溝の区間によって導電性能が維持される。しかし、このようなねじ溝区間を十分長くすることができない場合には、ボルトとナットとの間の導電性能が不十分となるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような課題に対してなされたものである。すなわち、ねじ込まれるボルトと通電する通電用ナットにおいて、ボルトとの通電性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ナット穴の一方の開口側から他方の開口側に向かうと共に径が小さくなるねじ山が設けられた通電用ナットにおいて、ねじ込まれるボルトとの接触により変形する導電性部材を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る通電用ナットにおいては、前記ねじ山は、前記一方の開口からナット穴の中途の位置までのナット穴壁面に設けられ、前記導電性部材は、前記ねじ山が設けられる領域よりも前記他方の開口側に設けられることが好適である。
【0010】
また、本発明に係る通電用ナットにおいては、前記導電性部材と前記ねじ山が設けられる領域との間のナット穴壁面に、ねじ込まれたボルトと接触する突起部を設けたことが好適である。
【0011】
また、本発明は、ナット穴の一方の開口からナット穴の中途の位置までのナット穴壁面に設けられたねじ山と、前記ねじ山が設けられる領域よりも他方の開口側に設けられ、ねじ込まれるボルトとの接触により変形する導電性部材と、前記導電性部材と、前記ねじ山が設けられる領域との間のナット穴壁面に設けられ、ねじ込まれたボルトと接触する突起部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る通電用ナットにおいては、前記導電性部材は、前記他方の開口側の前記通電用ナットの端部に設けられることが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ボルトとの通電性能が良好な通電用ナットを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1(a)は第1の実施形態に係る通電用ナット10の斜視図である。また、図1(b)は、図1(a)の直線ABで通電用ナット10を切断したときの断面図である。通電用ナット10は、ねじ山付きナット部12およびねじ山無しナット部14を含んで構成される。これらの構成部材は、鉄、銅、アルミニウム等の金属によって形成される。ねじ山付きナット部12およびねじ山無しナット部14は、延伸方向に垂直な断面の形状が同一のナット穴を有し、ナット穴が整合するよう熱圧着等によって接合される。ねじ山付きナット部12の開口18側の開口端には、開口端を環状に囲むフランジ16が設けられる。フランジ16は、ねじ山付きナット部12と一体化させて形成することができる。
【0015】
ねじ山付きナット部12のナット穴の内壁には、ナット穴の開口18からねじ山無しナット部14に向かう方向に螺旋を描くねじ溝20が刻まれる。ねじ溝20と共に形成されるねじ山22の断面は、略三角形あるいは略台形をなす。図1(c)は図1(b)の破線の丸印で囲まれた部分の拡大図である。ねじ山22は、開口18から螺旋を描きつつねじ山無しナット14の方向へ進むにつれて高さが高くなるよう形成される。すなわち、ねじ山22の頂上が描く軌跡は、ねじ山無しナット14の方向へ進むと共に径が小さくなる。高さが最も高くなる部分のねじ山22の径は、ねじ込まれるボルトのねじ溝の径とほぼ同一とする。なお、ここでは、図1(b)に示すように、ねじ山無しナット14に最も近い位置でのねじ山高さを最も高くした構成としているが、開口18からねじ山無しナット部14に向かう方向に螺旋を描く途中でねじ山の高さが最も高くなる構成としてもよい。
【0016】
ねじ山無しナット部14のナット穴の内壁には、導電性部材26を固定するための導電性部材用溝24が設けられる。導電性部材用溝24は、ねじ山無しナット部14のナット穴壁面の任意の位置に設けることができる。ここでは、構成例として、ナット穴内壁に沿って円環形状を描くよう、導電性部材用溝24が設けられるものとする。
【0017】
導電性部材26には、ボルトがねじ込まれることにより変形し、ねじ溝が形成されるものを用いる。また、液体の状態で加工が可能であり、加工後に凝固させることができる部材を用いることが好適である。このような部材としては、例えば、導電性物質を混入したナイロン、半田等がある。導電性部材26は、弾性部材であってもよい。
【0018】
導電性部材26として液体の状態で加工可能な部材を用いる場合には、導電性部材26は、導電性部材用溝24に沿って塗布される。また、導電性部材26として固体の状態で加工する部材を用いる場合には、導電性部材26は、導電性部材用溝24にはめ込まれる。導電性部材26がなす円環形状の内径は、ねじ込まれるボルトのねじ溝の径とほぼ同一か、それよりも小さくする。
【0019】
その他の構成例として、ねじ山無しナット部14の上側の開口の縁に沿って、ナット穴の内壁に導電性部材26を設けてもよい。また、導電性部材26の固着強度が十分である場合には、導電性部材用溝24を設けない構成とすることもできる。さらに、図2に示すように、ねじ山無しナット部14の上側の開口端面に、開口に沿って導電性部材26を設けてもよい。また、ねじ山無しナット部14の上側の開口を覆い、ボルトによって貫通されるよう導電性部材26を設けてもよい。
【0020】
次に、第1の実施形態に係る通電用ナットおよびボルトを用いて、電気機器を接地導体板に固定する場合の例について図3および図4を参照して説明する。
【0021】
図3(a)に示すように、ボルト28は、接地導体板34に開けられたボルト穴34Hを図3(a)の下方から貫通する。ボルト28は、その頭部30が接地導体板34に接したところで接地導体板34と電気的に接触しつつ固定される。車両等においては車体が接地導体として用いられることが多い。また、図3(a)のようにボルト28が取り付けられた状態で塗装が施されることが多い。そこで、図3(a)に示す接地導体板34の両面には、ボルト28の頭部30に覆われている部分を除き塗料が塗られているものとする。そして、ボルト28は、頭部30および接地導体板34の上方に突出した部分に塗料が塗られているものとする。
【0022】
図3(b)のように、電気機器導体板32は、ボルト穴32Hにボルト28を貫通させつつ接地導体板34に重ねられる。ここでは、接地導体板34に塗料が塗られている一方で、電気機器導体板32には塗料が塗られていないものとする。
【0023】
図4に通電用ナット10を締め付ける工程を示す。通電用ナット10をボルト28に取り付ける際には、図4(a)の下方の開口にボルト28の先端を合わせ通電用ナット10を締め付け方向に回す。これによって、通電用ナット10のねじ山は、ボルト28のねじ溝に案内され、通電用ナット10は、図4(a)の下方向に移動する。
【0024】
図4(a)に示す例では、通電用ナット10の最上のねじ山は、ボルト28のねじ溝の深い位置に接触する。この位置では、ボルト28のねじ溝は、通電用ナット10のねじ山から強い圧力を受ける。したがって、ボルト28のねじ溝区間のうち、通電用ナット10のねじ山の先端が溝の深い位置に接触した区間に塗布された塗料を剥離することができる。
【0025】
図4(a)の状態において通電用ナット10を締め付け方向に回し、通電用ナット10をさらに下方向に移動させると、ボルト28の先端は導電性部材26に接触する。通電用ナット10を締め付け方向にさらに回し、導電性部材26が形成する円環の内側にボルト28がねじ込まれることにより、導電性部材26の内側にはボルト28のねじ山によってねじ溝が刻まれる。
【0026】
導電性部材26にねじ溝が刻まれた後は、通電用ナット10の締め付け方向への回転により、導電性部材26とボルト28とが密に接触しつつ、通電用ナット10は下方に移動する。そして、図4(b)のようにフランジ16およびねじ山付きナット部12の開口端が電気機器導体板32に接触すると共に、電気機器導体板32と接地導体板34は、通電用ナット10およびボルト28によって締め付けられる。これによって、通電用ナット10と電気機器導体板32とが電気的に接触する。
【0027】
このような構成によれば、通電用ナット10が締め付けられる過程において、ボルト28のねじ溝に塗布された塗料を、通電用ナット10のねじ山によって剥離することができる。そして、導電性部材26に形成されたねじ溝およびねじ山と、ボルト28のねじ山およびねじ溝とが勘合することで、ボルト28と導電性部材26とを電気的に接触させることができる。
【0028】
上記のように、ボルト28は接地導体板34に電気的に接触する。そして、ボルト28は、導電性部材26を介して通電用ナット10に電気的に接続される。したがって、通電用ナット10およびボルト28による締め付けによって、フランジ16およびねじ山付きナット部12の開口端が電気機器導体板32に接触することで、接地導体板34と電気機器導体板32とを電気的に接続することができる。導電性部材26は、ボルト28に密着するため、導電性部材26を用いない場合に比して、接地導体板34と電気機器導体板32との間の通電性能を向上させることができる。さらに、導電性部材26がボルト28に密着することにより、通電用ナット10の緩みを防止することができる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施形態に係る通電用ナットについて説明する。図5(a)は第2の実施形態に係る通電用ナット36の斜視図である。図5(a)では、ねじ山無しナット部14を破線で示し、ねじ山付きナット部38を実線で示している。図1の構成部と同一の構成部については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
ねじ山付きナット部38およびねじ山無しナット部14は、延伸方向に垂直な断面の形状が同一であるナット穴を有する。ねじ山付きナット部38は、ねじ山無しナット部14とナット穴が整合するよう熱圧着等によって接合される。
【0031】
図5(b)は、図5(a)の直線CDでねじ山付きナット部38を切断したときの断面図である。ねじ山付きナット部38には、ナット穴の開口42からねじ山無しナット部14へと向かう方向に螺旋を描くねじ溝44が刻まれる。ねじ溝44は、ナット穴内部の中途の位置で終端する。ねじ溝44が刻まれない領域のナット穴延伸方向の長さは、後述するリーマ部40を設けることが可能であるという条件の下、任意とすることができる。
【0032】
ねじ溝44と共に形成されるねじ山46は、第1の実施形態と同様、ねじ山付きナット部38の開口42から螺旋を描きつつねじ山無しナット14の方向へ進むにつれて高さが高くなるよう形成される。
【0033】
ねじ山付きナット部38の、開口42とは反対側の開口48付近のナット穴内壁にはリーマ部40が設けられる。リーマ部40は、ねじ山付きナット部38のナット穴の内側方向に突出した刃形状の突起部である。図5(a)のリーマ部40の例では、略三角錐形状に形成され、頂点がナット穴の内側方向に向けられ、略三角推形状の一辺を刃先として、刃先とするその一つの辺が図5(a)のナット穴の内側斜め下を臨むよう形成される。また、図5(a)の例では、リーマ部40は、ナット穴の開口周辺に120°間隔で設けられる。さらに、リーマ部40は、ナット穴の開口48から突出しないよう、開口面で平坦になるよう形成される。リーマ部40をこのような形状にすることで、ねじ込まれたボルトのねじ山に刃先を接触させることができる。
【0034】
次に、第2の実施形態に係る通電用ナットおよびボルトを用いて、電気機器を接地導体板に固定する場合の例について図6を参照して説明する。図3および図4と同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図6(a)は、下方の開口にボルト28の先端を合わせ通電用ナット36を締め付け方向に回し、ボルト28先端に最も近いねじ山がリーマ部40の刃先に接触した状態を示す。図6(b)は、図6(a)の破線の丸印で囲まれた部分の拡大図である。図6(b)に示すように、リーマ部40の刃先は、ボルト28のねじ山のボルト先端側の側面に接触する。これによって、通電用ナット36が締め付け方向に回され、通電用ナット36が下方に移動すると共に、ボルト28のねじ山区間のうち、リーマ部40と接触した区間に塗布された塗料を剥離することができる。リーマ部40の刃先の傾斜をボルト28のねじ山の傾斜とほぼ等しくし、通電用ナット36の最上のねじ山の上側の側面と、リーマ部40の刃先との間隔を、ボルト28のねじ山の半ピッチの奇数倍の距離か、それより、やや短い距離とすることで、リーマ部40は十分な圧力を以て塗料を剥離することができる。
【0036】
図6(a)の状態から通電用ナット36を締め付け方向に回し、通電用ナット36をさらに下方に移動させると、ボルト28の先端は導電性部材26に接触する。通電用ナット36を締め付け方向にさらに回し、導電性部材26が形成する円環の内側にボルト28がねじ込まれることにより、導電性部材26の内側にはボルト28のねじ山によってねじ溝が刻まれる。
【0037】
導電性部材26にねじ溝が刻まれた後は、通電用ナット36の締め付け方向への回転により、導電性部材26とボルト28とが密に接触しつつ、通電用ナット36は下方に移動する。そして、図6(b)のようにフランジ16およびねじ山付きナット部38の開口端が電気機器導体板32に接触すると共に、電気機器導体板32と接地導体板34は、通電用ナット36およびボルト28によって締め付けられる。これによって、通電用ナット36と電気機器導体板32とが電気的に接触する。
【0038】
このような構成によれば、通電用ナット36が締め付けられる過程において、ボルト28のねじ溝に塗布された塗料を、通電用ナット36のねじ山によって剥離することができる。さらに、ボルト28のねじ山のボルト先端側の側面に塗布された塗料を、リーマ部40によって剥離することができる。そして、導電性部材26に形成されたねじ溝およびねじ山と、ボルト28のねじ山およびねじ溝とが勘合することで、ボルト28と導電性部材26とを電気的に接触させることができる。
【0039】
上記のように、ボルト28は接地導体板34に電気的に接触する。そして、ボルト28は、導電性部材26を介して通電用ナット10に電気的に接続される。したがって、通電用ナット10およびボルト28による締め付けによって、フランジ16およびねじ山付きナット部12の開口端が電気機器導体板32に接触することで、接地導体板34と電気機器導体板32とを電気的に接続することができる。導電性部材26は、ボルト28に密着するため、導電性部材26を用いない場合に比して、接地導体板34と電気機器導体板32との間の通電性能を向上させることができる。さらに、導電性部材26がボルト28に密着することにより、通電用ナット36の緩みを防止することができる。
【0040】
なお、ここでは第2の実施形態に係る通電用ナットとして、図5(b)に示されるように、開口42から螺旋を描きつつ、ねじ山無しナット14の方向へ進むにつれて高さが高くなるよう形成されたねじ山46を有するものを採り上げた。リーマ部40の塗料剥離性能が十分である場合には、図5(c)に示すように、開口42付近の高さを維持して螺旋を描くねじ山50を有するねじ山付きナット部52を採用してもよい。
【0041】
また、リーマ部は、上述の形状に限られず、ねじ込まれたボルトのねじ山の側面に刃先を接触させることができる形状であればよい。リーマ部の個数も、塗料剥離性能に応じて増減させることができる。
【0042】
さらに、上記では、ねじ山付きナット部とねじ山なしナット部とが別体として構成されたものについて採り上げたが、これらを一体化して通電用ナットを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1の実施形態に係る通電用ボルトを示す図である。
【図2】導電性部材の別の配置例を示す図である。
【図3】ボルトを接地導体板に貫通させて固定し、さらに、接地導体板に電気機器導体板を重ねる工程を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る通電用ナットおよびボルトによって、電気機器導体板および接地導体板を締め付ける工程を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るねじ山付きナット部を示す図である。
【図6】第2の実施形態に係る通電用ナットおよびボルトによって、電気機器導体板および接地導体板を締め付ける工程を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10,36 通電用ナット、12,38,52 ねじ山付きナット部、14 ねじ山無しナット部、16 フランジ、18,42,48 開口、20,44 ねじ溝、22,46,50 ねじ山、26 導電性部材、28 ボルト、30 頭部、32 電気機器導体板、32H,34H ボルト穴、34 接地導体板、40 リーマ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナット穴の一方の開口側から他方の開口側に向かうと共に径が小さくなるねじ山が設けられた通電用ナットにおいて、
ねじ込まれるボルトとの接触により変形する導電性部材を備えることを特徴とする通電用ナット。
【請求項2】
請求項1に記載の通電用ナットにおいて、
前記ねじ山は、
前記一方の開口からナット穴の中途の位置までのナット穴壁面に設けられ、
前記導電性部材は、
前記ねじ山が設けられる領域よりも前記他方の開口側に設けられることを特徴とする通電用ナット。
【請求項3】
請求項2に記載の通電用ナットにおいて、
前記導電性部材と前記ねじ山が設けられる領域との間のナット穴壁面に、ねじ込まれたボルトと接触する突起部を設けたことを特徴とする通電用ナット。
【請求項4】
ナット穴の一方の開口からナット穴の中途の位置までのナット穴壁面に設けられたねじ山と、
前記ねじ山が設けられる領域よりも前記他方の開口側に設けられ、ねじ込まれたボルトとの接触により変形する導電性部材と、
前記導電性部材と、前記ねじ山が設けられる領域との間のナット穴壁面に設けられ、ねじ込まれたボルトと接触する突起部と、
を備えることを特徴とする通電用ナット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通電用ナットにおいて、
前記導電性部材は、
前記他方の開口側の前記通電用ナットの端部に設けられることを特徴とする通電用ナット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−250318(P2009−250318A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97749(P2008−97749)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)