説明

連結可能な布団

【課題】厚みのある部分布団の上端縁部を膨出してその連結部上に横臥しても違和感のない快適な睡眠が可能で、移動時等には小さな部分布団に分離出来る連結可能な布団の提供。
【解決手段】 互いに対向する略長方体の一方、又は他方の部分布団1a、1bの表面の少なくとも一辺に形成されたヘム2、2´と、夫々のヘム2,2´に沿って取り付けられスライドファスナー15を形成する歯列16f,17fを夫々の一方端に有する一対の帯状体16,17を分離して備えた連結可能な一方、又は他方の部分布団1a、1bとであって、各ヘム2,2´は各部分布団本体から膨出部2a,2a´を形成され、前記スライドファスナー15を形成する歯列16f,17fを夫々の一方端に有する夫々の帯状体16,17の夫々の他方端16c、17cが前記膨出部2a,2a´の下側に沿って取付けられたことを特徴とする連結可能な部分布団1a,1b。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝具の布団に関し、詳しくは連結部を有し同様な構成の部分布団を複数連結可能として大型の布団を形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活様式が欧風化されて、体位も向上して寝具についても、例えばマットレス(厚い西洋風の敷布団)や和風の敷布団においてセミダブルやダブルサイズ、クイーンサイズ、キングサイズと言った大型のものが用いられる場合が多くなってきている。
ところでベッドのマットレスにしても敷布団にしても、大型化すると移動や収納や布団干し等の場合には、一人での作業が大変であり、そのために連結可能な部分布団を連結させて大型の布団にしたり、大型の布団を部分布団に分離できたり、小さく折畳めるもの等が求められるようになり、従来、多くの連結可能な布団が提案されている。
【0003】
例えば、部分布団の端部を、互いにスライドファスナーにて連結して大型の布団を形成させる。そして、大型の布団を移動させる時には、スライドファスナーを分離させて部分布団に分解して運ぶことが出来る大型の布団があったり、或いは、大型の布団がZ字形に折畳めるように、前後に連結する三つの部分布団において、中心となる部分布団の前後に各々部分布団をスライドファスナーにて連結し、前方のスライドファスナーは互いに当接する部分布団の上方縁に取付けられ、後方のスライドファスナーは互いに当接する部分布団の下方縁に取付けて、Z字形に折畳むことが可能となる大型の布団があった。
【0004】
尚、本願発明に関連する公知技術として次の特許文献1及び特許文献2を挙げることが出来る。
【0005】
【特許文献1】実公昭36―18563号公報
【特許文献2】実用新案登録第3089922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、従来技術に係るスライドファスナーにより部分布団を連結して大型の布団を形成させる布団では、たといシーツ等が使われていたとしても、スライドファスナーが使用者の体に当接し不快感があつたり、或いは、Z字形に折畳み可能な大型の布団の繋ぎ部のスライドファスナーが部分布団の厚みの下方に存在する場合には、使用時に身体が連結部に嵌り込みやはり不快感があった。
【0007】
このため、本来快適性が求められる睡眠用の布団においてスライドファスナーが使用者の体に当接し不快感があつたり、Z字形に折畳み可能な大型の布団の繋ぎ部に身体が嵌り込みやはり不快感があったりすることを避けるために、布団に横臥する位置をずらせたりしても、睡眠時の寝返り等で知らず知らずに不快感の生ずる位置に来てしまうと言うような不具合があった。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部分布団を連結して大型の布団を形成する場合、厚みのある部分布団を、上下の二方向にて連結部材(夫々結合と分離可能)を設け、その部分布団の上端縁部を膨出して上方寄りの連結部材を覆うようにし、その連結部上に横臥しても違和感のない快適な睡眠が可能で、移動時等には小さな部分布団に分離出来る連結可能な部分布団を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、略長方体の一方の部分布団の表面の少なくとも一辺に形成されたヘムと、前記一方の部分布団に対向する、略長方体の他方の部分布団の表面の少なくとも一辺に形成されたヘムと、夫々のヘムに沿って取り付けられスライドファスナーを形成する歯列を一方端に有する一対の帯状体を分離して備えた連結可能な、一方の部分布団と、他方の部分布団とであって、各ヘムは部分布団本体から膨出部を形成され、前記スライドファスナーを形成する歯列を一方端に有する夫々の帯状体の他方端が前記膨出部の下側に沿って取付けられたことを特徴とする連結可能な部分布団である。
【0010】
上記請求項1の発明の場合、一方の部分布団と他方の部分布団とは互いの対向するヘムの膨出部の下側に各々一方の帯状体と他方の帯状体とを覆い隠す状態と成している。即ち、一方の帯状体の歯列と,他方の帯状体の歯列とを連結してスライドファスナーを形成することにより、対向する夫々の部分布団のヘムからの膨出部により、取っ手付きスライド金具等を含むスライドファスナーを被覆している。
【0011】
請求項2の発明は、前記縁部の前記膨出部の下側に沿って他方端にて取付けられている前記スライドファスナーを形成する各々の前記歯列を一方端に有する夫々の前記帯状体の下方に、雌雄ファスナーを形成する雌ファスナーと雄ファスナーとが、互いに対向当接し得る各マチの位置に分離して取付けられることを特徴とする請求項1に記載の連結可能な一方の部分布団と他方の部分布団である。
【0012】
上記請求項2の発明の場合、一方の部分布団と他方の部分布団とを、前記ヘムの前記膨出部の下側に沿って上方では連結部材のスライドファスナーにて、下方では連結部材の雌雄ファスナーにて夫々連結させることが可能な、一方の部分布団と他方の部分布団である。
【0013】
請求項3の発明は、一方の部分布団と他方の部分布団とを、対向する各ヘムの膨出部とを互いに当接させると共に、上下二方向の連結部材にて連結してなることを特徴とする大型の布団である。
【0014】
上記請求項3の発明の場合、一方の部分布団と他方の部分布団とをスライドファスナーと、雌雄ファスナーとにて連結されて成る大型の布団では、一方の部分布団と他方の部分布団との連結部は、互いの膨出部同士が押圧し合い突っ張り合って当接している直下にてスライドファスナーが被覆されている。そのために、各部分布団の連結部に上下方向から力が加えられても、この力に抗するように弾性力が働いている。そして、スライドファスナーも剥き出しでなく、覆われている。更に、連結部材であるスライドファスナーの下方にて、別の連結部材である雌雄のファスナーにて連結されている。即ち、一方の部分布団と他方の部分布団との連結部は、上下二方向に複数の連結部材により連結されているので、一方の部分布団と他方の部分布団との連結部が離れることが無くて、身体も挟まるようなことも無く、その心配も不要で、快適な睡眠が確保されて便利である。そして、大型の布団でも、移動や収納や布団干し等の場合には、大型の布団を構成する部分布団の連結部を分離できて、小さな部分布団に分けることが出来る。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように請求項1の発明によれば、一方の部分布団と他方の部分布団とは互いの対向するヘムの膨出部の下側に各々一方の帯状体と他方の帯状体とを覆い隠す状態とすることが出来る。即ち、一方の帯状体の歯列と,他方の帯状体の歯列とを連結してスライドファスナーを形成することにより、対向する夫々の部分布団のヘムからの膨出部により、取っ手付きスライド金具等を含むスライドファスナーを被覆することが出来、睡眠時に、ファスナー等が身体に当接する不快感を防止出来る。
【0016】
請求項2の発明によれば、一方の部分布団と他方の部分布団とを、前記ヘムの前記膨出部の下側に沿って設けられている、上下二方向の連結部材のうち、上方では連結部材のスライドファスナーにて、下方では連結部材の雌雄ファスナーにて夫々連結させることが可能であり、互いに厚みのある一方の部分布団と他方の部分布団との接続部を上下の二方向で確実に連結することが出来る。
【0017】
請求項3の発明によれば、一方の部分布団と他方の部分布団とをスライドファスナーと、雌雄ファスナーとにて連結されて成る大型の布団では、一方の部分布団と他方の部分布団との連結部は、互いの膨出部同士が押圧し合い突っ張り合って当接している直下にてスライドファスナーが被覆されている。そのために、各部分布団の連結部に上下方向から力が加えられても、この力に抗するように弾性力が働いていると共に、スライドファスナーも剥き出しでなく覆われている。互いに厚みのある一方の部分布団と他方の部分布団との連結部は、上方のスライドファスナーと、下方の雌雄のファスナーとの、上下の二方向に複数の連結部材により連結されているので、一方の部分布団と他方の部分布団との連結部が離れることが無くて、身体も挟まるようなことも無く、その心配も不要で、快適な睡眠が確保されていて便利である。更に、大型の布団でも、移動や収納や布団干し等の場合には、大型の布団を構成する部分布団の連結部を分離できて、小さな部分布団に分けることが出来るために、一人での作業が容易にできて便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1〜図6は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は一方の部分布団の外観斜視図である。図2は、図1のA―B―C線の断面図、図3は他方の部分布団の外観斜視図である。図4は、図3のD―E―F線の断面図、図5は、一方の部分布団と、他方の部分布団とを連結させた大型の布団の外観斜視図である。図6は、図5のG−G線の断面図である。
【0020】
図1を参照して、一方の部分布団1aは、表地4と裏地5とがマチ6で繋がれた略長方体の布団で、表面と裏面の各々の四隅は丸くRを取ってある。内部には綿、ポリウレタンフォーム、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の軟質弾性部材12が収容されている。表地4とマチ6、マチ6と裏地5は、夫々表地4又は裏地5の平面方向の周縁に突出してへム(縁縫い)2を形成して接続されている。この他に、マチ6を設けない構成とするとヘム2は表地4と裏地5との間に直接接合した状態で形成される。
【0021】
図1,図2を参照して、ヘム2の内、一方の長手方向では、ヘム膨出部2aを設けている。これは、表地4の表地膨出端部4aと、長手方向マチ6aのマチ膨出端部6bとの間から突出している軟質弾性部材膨出部12aを、ヘム布2bにて外側から包み、ヘム布折返し端部上2cと、表地膨出端部4aとを上方から重ね、ヘム布折返し端部下2dと、スライドファスナ15の受け口側帯状本体16aの他方端16cとを、マチ膨出端部6bに下から重ねて、縫合糸8aにて縫合し、図2の紙面に垂直な方向に連続的な縫合部8を設け、一方の部分布団1aの本体の一部において、膨出部2aを形成している。尚、図示しないが、膨出部2aにおいて、図2の紙面に垂直な方向のヘム布2bの手前側と先方側との両端部近傍にて、ヘム布2bを上下合わせて図2の紙面に平行な方向に前記縫合糸8aにて、ヘム膨出部2aのヘム布2bの両端部を縫合し、軟質弾性部材12aを収容している。
【0022】
ところで、図1,図2を参照して、スライドファスナー15を形成する受け口側帯状体16の受け口側帯状本体16aの歯列16fを有する一方端16bであって、その手前端部には受け口16eを有する箱16dが固着され、それに続いて歯列16fが固着されて長手方向に延在している。更に、この箱16dに当接可能で、且つ、前記歯列16fに一方の係合離脱溝18aにてスライド金具18が摺動自在に遊嵌されている。前記箱16dに当接したスライド金具18の他方の係合離脱溝18bは、前記箱16dの受け口16eに接続して、後述するスライドファスナー15の差し込み側帯状体17の蝶棒17dを挿入可能とされている。(尚、受け口側帯状体16の歯列16fに遊嵌されている前記スライド金具18の一方の係合離脱溝18aは、受け口側帯状本体16aの前記一方端16bの歯列16f先端部にて、図示せぬストッパ部材により抜け防止が図られている。)
【0023】
そして、長手方向マチ6aにおいて、ヘム膨出部2aの下側に沿って他方端16cにて取付けられているスライドファスナー15を形成する受け口側帯状体16の下方に平行に、雌雄ファスナー21を形成する雌ファスナー22が設けられている(ここでは4箇所)。雌ファスナー22は一方の平面上に密集して生えている細い繊維のリング状の突起部23を有していて、後述する雄ファスナ25の他方の平面上に密集して起立して生えている小型のフック状の突起部26と合わさり、互いに引掛り合い固着し合う。そして、この雌雄ファスナー21は、端部から引掛り合いを外して引き剥がすことが出来、繰返し使用可能な連結部材である。(図2、図4参照)
【0024】
図3を参照して、他方の部分布団1bは、表地4´と裏地5´とがマチ6´で繋がれた略長方体の布団で、表面と裏面の各々の四隅は丸くRを取ってある。内部には綿、ポリウレタンフォーム、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の軟質弾性部材12´が収容されている。表地4´とマチ6´、マチ6´と裏地5´は、夫々表地4´又は裏地5´の平面方向の周縁に突出してへム(縁縫い)2´を形成して接続されている。この他に、マチ6´を設けない構成にするとヘム2´は表地4´と裏地5´との間に直接接合した状態で形成される。
【0025】
図3,図4を参照して、ヘム2´の内、一方の長手方向では、ヘム膨出部2a´を設けている。これは、表地4´の表地膨出端部4a´と、長手方向マチ6a´のマチ膨出端部6b´との間から突出している軟質弾性部材膨出部12a´を、ヘム布2b´にて外側から包み、ヘム布折返し端部上2c´と、表地膨出端部4a´とを上方から重ね、ヘム布折返し端部下2d´と、スライドファスナ15の差し込み側帯状本体17aの他方端17cとを、マチ膨出端部6b´に下から重ねて、縫合糸8a´にて縫合し、図4の紙面に垂直な方向に連続的な縫合部8´を設けて、他方の部分布団1bの本体の一部において、膨出部2a´を形成している。尚、図示しないが、膨出部2a´において、図4の紙面に垂直な方向のヘム布2b´の手前側と先方側との両端部近傍にて、ヘム布2b´を上下合わせて、図4の紙面に平行な方向に前記縫合糸8a´にて、ヘム膨出部2a´のヘム布2b´の両端部を縫合し、軟質弾性部材12a´を収容している。
【0026】
ところで、図3、図4を参照して、スライドファスナー15を形成する差し込み側帯状体17の差し込み側帯状本体17aの歯列17fを有する一方端17bであって、その手前端部には前記受け口16eに挿入される蝶棒17dが固着され、それに続いて歯列17fが固着されて長手方向に延在している。更に、スライドファスナー15の差し込み側帯状体17の蝶棒17dは、前記箱16dに当接した前記スライド金具18の他方の係合離脱溝18bと、前記箱16dの受け口16eとに挿入され(図1、図3参照)、前記スライド金具18の取っ手18cを手指にて摘まんで前記スライド金具18を摺動させて、受け口側帯状体16の歯列16fと、差し込み側帯状体17の歯列17fとを噛合わせてスライドファスナー15を連結させ得る。(尚、差し込み側帯状体17の歯列17fに遊嵌されている前記スライド金具18の他方の係合離脱溝18bは、差し込み側帯状本体17aの前記一方端17bの歯列17f先端部にて、図示せぬストッパ部材により抜け防止が図られている。)
【0027】
そして、長手方向マチ6a´において、ヘム膨出部2a´の下側に沿って他方端17cにて取付けられているスライドファスナー15を形成する差し込み側帯状体17の下方に平行に、雌雄ファスナー21を形成する雄ファスナー25が設けられている(ここでは4箇所)。雄ファスナー25は他方の平面上に密集して起立して生えている小型のフック状の突起部26を有していて、前記したように雌ファスナ22の一方の平面上に密集して生えている細い繊維のリング状の突起部23と合わさり、互いに引掛り合い固着し合う。そして、この雌雄ファスナー21は、端部から引掛り合いを外して引き剥がすことが出来、繰返し使用可能な連結部材である。(図2、図4参照)
【0028】
図5、図6を参照して、一方の部分布団1aの表地4と他方の部分布団1bの表地4´とを表面に配置して、一方の部分布団1aと他方の部分布団1bとを連結して大型の布団1を形成させる。一方の部分布団1aの長手方向のマチ6aと、他方の部分布団1bの長手方向のマチ6a´とを向き合わせて、次に、片方の手にて一方の部分布団1aのスライドファスナー15を形成する受け口側帯状体16において、前記箱16dに前記スライド金具18を当接させつつ、前記箱16dと前記スライド金具18とを摘まみ、前記スライド金具18の他方の係合離脱溝18bと、これに連続する前記箱16dの受け口16eとがほぼ一直線上になるように支持し、他の片方の手にて前記スライドファスナー15を形成する差し込み側帯状体17の蝶棒17dを摘まみ、前記蝶棒17dを前記他方の係合離脱溝18bと前記受け口16eとに挿入させる。
【0029】
次に、ヘム膨出部2aを片一方の手にて押さえておいて、他の片方の手指にて、前記スライド金具18の取っ手18cを摘まんで前記スライド金具18を摺動させて、前記受け口側帯状体16の歯列16fと、前記差し込み側帯状体17の歯列17fとを噛合わせてスライドファスナー15を連結する。即ち、互いに表地4,4´を上方に向けて、一方の部分布団1aと他方の部分布団1bとをスライドファスナー15にて連結したことになる。
【0030】
次に、一方の部分布団1aのマチ6aと他方の部分布団1bのマチ6a´とを圧着するように、長手方向の他のマチ6cと6c´とを互いに近付ける方向に押圧する。これにより図6に示すように、一方の部分布団1aと他方の部分布団1bとは互いに対向するヘム膨出部2a,2a´同士が押圧し合い、下方の受け口側帯状体16と差し込み側帯状体17とを覆い隠す状態と成し、歯列16f,17fや取っ手18c付きスライド金具18等を含むスライドファスナー15を被覆している。このスライドファスナー15の下方では長手方向マチ6a,6a´の各々の雌ファスナー22と、雄ファスナー25とが当接され、雌雄のファスナー21が連結されて、大型の布団1が形成される。
【0031】
この様に、一方の部分布団1aと他方の部分布団1bとをスライドファスナー15と、雌雄ファスナー21とにて連結されて成る大型の布団1では、一方の部分布団1aと他方の部分布団1bとの連結部は、スライドファスナー15が連結されている直上にて、互いに対向するヘム膨出部2a,2a´同士が押圧し合い突っ張り合って当接しており、上下方向から力が加えられても、この力に抗するように弾性力が働いている。更に、互いに対向するヘム膨出部2a,2a´同士にてスライドファスナー15が被覆されているので、この大型の布団1を使用して睡眠をとるために、連結部上に横臥しても、スライドファスナー15も剥き出しでなく覆われており、適度な弾力性があり違和感が無く良い感触が得られ、そして、スライドファスナー15と雌雄のファスナー21との複数の連結部材(15,21)により連結されているので、一方の部分布団1aと他方の部分布団1bとの連結部が離れることが無くて、身体も挟まるようなことも無く、その心配も不要で、快適な睡眠が確保されて便利である。
【0032】
ここで、一方の部分布団1aの長手方向のマチ6aに、スライドファスナー15の受け口側帯状体16と、雌雄ファスナー21の雌ファスナー22とを設け、他方の部分布団1bの長手方向のマチ6a´にスライドファスナー15の差し込み側帯状体17と、雌雄ファスナー21の雄ファスナー25とを設けているが、この一方の部分布団1aと他方の部分布団1bとを取り換えて設けても良く、或いは、互いに短い方のマチ6、6´に設けても良い。但し、連続的に縫合されスライドファスナー15を形成する、受け口側帯状体16の箱16dの取付け方向と、差し込み側帯状体17の蝶棒17dの取付け方向とを一致させながら対向するヘム膨出部2a,2a´の下方部位に分離逢着する必要がある。更に、雌雄ファスナー21を形成する、雌ファスナー22と雄ファスナー25とが対向当接し得るマチ6、6´の位置に分離取付けする必要もある。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は家庭用品の寝具の布団を製造、販売する産業分野や、病院やホテル業界で利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る一方の部分布団の外観斜視図である。
【図2】図1のA―B―C線の断面図である。
【図3】本発明に係る他方の部分布団の外観斜視図である。
【図4】図3のD―E―F線の断面図である。
【図5】本発明に係る一方の部分布団と、他方の部分布団とを連結させた大型の布団の外観斜視 図である。
【図6】図5のG−G線の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…大型の布団、1a…一方の部分布団、1b…他方の部分布団、2…ヘム(縁縫い)、2a…ヘム膨出部、2b…ヘム布、4…表地、6…マチ、6a…長手方向マチ、8…縫合部、12…軟質弾性部材、12a…軟質弾性部材膨出部、15…スライドファスナー、16…受け口側帯状体、16d…箱、16f,17f…歯列、17…差し込み側帯状体、17d…蝶棒、18…スライド金具、21…雌雄ファスナー、22…雌ファスナー、25…雄ファスナー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方体の一方の部分布団の表面の少なくとも一辺に形成されたヘムと、前記一方の部分布団に対向する、略長方体の他方の部分布団の表面の少なくとも一辺に形成されたヘムと、夫々のヘムに沿って取り付けられスライドファスナーを形成する歯列を一方端に有する一対の帯状体を分離して備えた連結可能な、一方の部分布団と、他方の部分布団とであって、各ヘムは部分布団本体から膨出部を形成され、前記スライドファスナーを形成する歯列を一方端に有する夫々の帯状体の他方端が前記膨出部の下側に沿って取付けられたことを特徴とする連結可能な部分布団。
【請求項2】
前記膨出部の下側に沿って取付けられている前記スライドファスナーを形成する各々の前記歯列を一方端に有する夫々の前記帯状体の下方に、雌雄ファスナーを形成する雌ファスナーと雄ファスナーとが、互いに対向当接し得る各マチの位置に分離して取付けられることを特徴とする請求項1に記載の連結可能な一方の部分布団と他方の部分布団。
【請求項3】
一方の部分布団と他方の部分布団とを、対向する各ヘムの膨出部とを互いに当接させると共に、上下二方向の連結部材にて連結してなることを特徴とする大型の布団。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−82669(P2007−82669A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273592(P2005−273592)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(596094337)丸三綿業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】