説明

連結要素を緩めるための器具および工具とそのような器具からなるキット

チャックを有する衝撃工具とともに使用するための、固着連結要素を緩めるための器具であって、一端に、衝撃工具(4)に連結するための連結部分(3)を有し、他端に、衝撃力(F)を与えるための打撃面(6)を有する、ストライカーハンマー(2); ストライカー(2)に対抗し、当該打撃面(6)に対面する受け面(8)を有する、対抗作用体(7); 当該ストライカー(2)を、当該対抗作用体(7)に対して、当該打撃面(6)と当該受け面(8)との間が所定の距離(dmin)に保たれるように、保持し、緩めるべき対(C)の要素(P、B)の少なくとも一つを収容するのに適した保持手段(9)、を有すること、を特徴とする器具。連結した連結要素を緩めるための衝撃工具。当該器具および/または当該工具からなる、固着連結要素を緩めるためのキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的に言えば、手持ち式の工具の分野で用途を見出すものであり、具体的には、固着した連結要素たとえばねじ込み式継手を緩めるための打撃器具に関する。
【0002】
さらに、本発明は、そのような器具を一部として含む打撃工具に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的な機械的仕事特に車両の分野においては、ねじ込み式継手または要素たとえばナットまたはボルトによる、取り外しできる連結要素、または場合によってはこれとは異なるタイプの要素たとえばブローチまたはピンによる取り外しできる連結要素は、しばしば固着することが知られている。
【0004】
その場合、点検修理または保守においては、適当な取り外し技法および工具によって、要素対の要素を緩める必要がある。
【0005】
これらの工具は、機械的力たとえばトルクを要素対の要素の一つまたは両方に及ぼして、取り外すことを意図するものである。
【0006】
一般に、そのために、電気工具が使用され、この工具は、対の一方または両方の要素に嵌合するような形の部分と係合して、必要なトルクを与えるのに適するような特殊な形状のヘッドを有している。
【0007】
これらの解決策は、いくつかの欠点を有しており、それらのうちもっともよくあるのは、酸化したねじまたはその部分的相互貫入により固着した継手の場合、工具の有効性が低下するということである。
【0008】
この場合、さび除去溶剤の使用は有効でないことがあり、そのときには、溶剤浸入のために、衝撃的な力を与えて、二つの連結面の間の酸化物層を破壊する必要が生じる。
【0009】
ある種の手操作技法特に車両修理で使用されるものは、継手に対して両側から二つのストライカーを使用するというものである。
【0010】
特に、ストライカーの一方は金床として使用し、対の第一の要素に接触させて静置し、もう一方のストライカーは作業者が緩めるための衝撃力を与えるために使用される。
【0011】
しかし、作業者が使用できるスペースは非常に小さいため、この作業の実用性が低下する。
【0012】
たとえば、リフト上に配置した車両におけるホイールアラインメントの場合、位置合わせ用ピンが固着することがあり、なんらかの手作業を行う必要がある。
【0013】
その場合、車両をリフトからさらに持上げて車輪を取り外す必要があり、作業時間が長くなり、費用も増大することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の包括的目的は、ねじ込み式またはかみ合い式またはしまりばめ式の連結された連結要素を緩めるための、安価で使用の簡単な器具を提供することにより、前記欠点を除去することである。
【0015】
本発明の一つの個別的目的は、小さくてほとんど利用不可能なスペースの場合でも使用できる、連結要素を緩めるための器具を提供することである。
【0016】
本発明のもう一つの個別的目的は、二つ以上の車輪を有する車両を、運転配置にしたまま点検修理するために使用できる、連結された連結要素を緩めるための器具を提供することである。
【0017】
本発明の重要なもう一つの個別的目的は、限られた作業スペースの場合でも、迅速で簡単な緩め作業が保証できる、ねじ込み式継手を緩めるための動力作動式工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以上の目的およびその他の目的は、以下で十分に説明するように、請求項1に定義する連結された連結要素を緩めるための器具によって、達成される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の器具により、ねじ込み式継手を非常に小さなスペースにおいても緩めることができる。
【0020】
さらに、二つ以上の車輪を有する車両の場合、これらの車輪を取り外す必要がない。
【0021】
別の側面において、本発明は、連結要素を緩めるためのキットを提供する。当該キットは、本発明の器具、当該器具とともに使用する、緩めるべき要素の一つに作用する補助レンチ、および当該器具に連結されるようになっている随意の衝撃工具からなる。
【0022】
当該レンチは、当該器具および当該衝撃工具なしでも使用することができる。
【0023】
本発明の有利な実施形態は、特許請求の範囲によって明確に定められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のその他の特徴および利点は、本発明の器具と工具のいくつかの好ましい非排他的実施形態の詳細な説明、ならびに本発明の緩めキットの一部であるレンチの詳細な説明により、さらにはっきりするであろう。これらは、添付の図面を参照することにより、非限定例として説明される。
【0025】
添付の図面において、連結された連結要素を緩めるための器具の全体を参照番号1で示す。器具1は、たとえばねじ、かみ合いまたはしまりばめ連結によって連結された少なくとも一対の要素からなるタイプの継手を緩めるために使用することができる。
【0026】
器具1は、二つ以上の相互連結接触面が外側層またはこれらの部分貫入層の酸化によって生じる微小結合を有する、ナットとねじ、ドエルとピンのアセンブリ、ボルトその他の継手に対して使用することができる。
【0027】
非限定例として、本発明の器具1は、車両修理の分野での用途を見出しうるものであり、たとえばホイールアラインメント作業においてねじ込み継手を緩めるために使用することができる。
【0028】
当該器具の使用例を図3に示す。この例においては、緩めるべき対Cは、第一の雄ねじ要素たとえばピンPと第二の雌ねじ要素たとえばブッシングBとからなる。
【0029】
本発明においては、緩め器具1は、打撃ハンマーまたはストライカー2を有し、ストライカー2は、縦軸Xを定め、軸の一端に連結部分3を有している。部分3は、図4に参照番号4で全体を示す外部衝撃工具に簡便に連結できるようになっている。衝撃工具4は、当該ストライカーに軸方向の並進または振動運動を起こさせるのに適している。
【0030】
特に、連結部分3は、図4に破線で外形を示すチャック5に取り付けられるようにすることができる。
【0031】
ストライカー2は、また、他端に打撃面6を有し、当該打撃面は、対Cの要素P、Bの少なくとも一つに対面して当該一つと相互作用し、当該一つに衝撃力Fを与えるようになっている。
【0032】
対Cの要素P、Bの少なくとも一つに対面する対抗作用体7が、ストライカー2から遠いほうの側に備えられ、打撃面6に対して軸に関してずれた対抗受け面8を有している。当該対抗受け面8は、緩めるべき継手Cの要素P、Bの一つと接触して、衝撃力Fに対抗している間、当該一つの軸方向並進を防ぐようになっている。
【0033】
本発明の独特の特徴により、保持手段9が、ストライカー2を対抗体7に対して保持するために備えられている。
【0034】
特に、保持手段9は、打撃面6と受け面8とを長さ方向に最小長さ方向距離dMINだけ離して保持するように設計されている。この距離により、面8と9との間に、緩めるべき対Cを収容するのに適したスペース10を適切に定めることができる。
【0035】
図3に示す実施形態の場合、円筒形ブッシングBとピンPからなる、緩めるべき対Cは、ストライカー2がブッシングBの側面Sにその作用を及ぼすように配置することができる。受け面8も、ブッシングBの側面Sと接触しうる。
【0036】
しかし、本発明の器具1は、他のタイプの継手Cにも使用することもできると理解すべきである。他のタイプの継手においては、スペース10内に、別様に配置されるように、たとえばブッシングBとピンPとが軸方向に配置されるようにすることもできる。
【0037】
本発明の好ましい構成においては、保持手段9が長さ方向に延びたチューブ式フレーム11を有することができる。当該フレームは、ストライカー2を収容するための第一の中空端部分12と対抗作用体7を収容するための第二の中空端部分13とを有する。
【0038】
チューブ式フレーム11は、第二の部分13において横断方向壁15によって閉じられる側壁14を有する実質的に円筒形のものとすることができる。
【0039】
第一の中空部分12において、フレーム11は、ストライカー2に外部からアクセスするための、また工具4に当該フレームを取り付けるための横方向開口16を有することができる。
【0040】
さらに、特殊成形された開口17を、緩めるべき対Cの要素PおよびBの少なくとも一つを実質的に半径方向Yに受容するために、フレーム11の側壁14に備えることができる。
【0041】
図面に示す実施形態においては、側部開口17は、かなり規則的なへり18を有し、チューブ式フレーム11の側壁14の実質的に円筒形の部分を、たとえばフライス削りによって、除去することにより作られる。
【0042】
しかし、側部開口17は、図4に示すような不規則な形状を有することもでき、たとえば、対Cを、スペース10内で二つの面6と8との間にしっかりと保持するために、横方向のへこみ19を有することができる。
【0043】
しかし、場合によっては、緩めるべき対Cのそれぞれのタイプに応じて、任意の形と寸法の開口17を備えることもできる。
【0044】
好ましい非排他的構成においては、打撃面6は実質的に平坦で半径方向に広がるようにすることができる。受け面8も、実質的に平坦で半径方向に広がり、打撃ハンマー6の半径φ2よりも大きな半径φ1を有するようにすることができる。
【0045】
好ましくは、弾性対抗作用手段20を、チューブ式フレーム11に備えることができ、この手段は、対抗作用体7にその作用を及ぼして、当該対抗作用体をストライカー2に向けて押し、衝撃力Fの結果として対Cの第二の要素Bによって伝えられる保持反作用Rに対抗する。
【0046】
本発明の好ましい非限定的実施形態においては、弾性対抗作用手段20は、らせんばね21を含むことができる。
【0047】
ばね21は、実質的に軸方向に作用することができ、チューブ式フレーム11の閉鎖壁15に接触する固定端の一巻き22と、対抗作用体7に接触する軸方向に可動の反対端の一巻き23を有する。
【0048】
閉鎖壁15は、随意に、中心孔24を有することができ、この孔は、反動によって生じる対抗作用体7の並進運動時に、空気が排出されるようにする。
【0049】
ストライカー2の連結部分3は、ストライカー2に軸方向Xの並進または振動運動を行わせるのに適した外部電動衝撃工具4に着脱自在にストライカー2を取り付けるための固定手段25を有することができる。
【0050】
固定手段25は、通常電動工具たとえば電動ドリルおよびビットに備えられる衝撃工具4に取り付けるのに適した、それ自体は公知のチャック5を有することができる。
【0051】
チャック5は、中空として、チューブ式フレーム11と同軸のストライカー2の連結部分3を収容して保持するのに適するようにすることができる。
【0052】
円筒形ブッシング26は、また、ストライカー2を摺動自在に収容するために、フレーム11の第一の中空部分12内に保持することができる。
【0053】
ブッシング26は、また、軸方向Xの並進または振動運動が与えられたときに、縦軸Xに沿って、ストライカー2を案内する任務をも有する。
【0054】
ブッシング26は、内部円筒体28と同軸の外部円筒金属体27を有することができる。
【0055】
内部円筒体28は、割合に小さな摩擦係数の材料からなる、ストライカー2と接触するようになっている内面を有することができる。たとえば、内部円筒体28は、テフロン(登録商標)その他の材料で作ることができる。
【0056】
しかし、前記の材料は本発明の範囲を限定することを意図するものではない。というのは、すべての要素を、それぞれの特定用途における機械的抵抗および軽量化要件に応じて、金属、プラスチックまたは複合材料で作ることができるからである。
【0057】
フレーム11は、衝撃工具4への着脱自在の連結のための、着脱自在の固定手段29を備えることができる。
【0058】
たとえば、固定手段29は、フレーム11を電動工具4に着脱自在に固定するために、固定手段29の端に、フレーム11の長さ方向スロット31を覆うクランプ30を有することができる。
【0059】
別の側面において、本発明は、ねじ込み継手Cを緩めるための工具4に関する。この工具は、前記器具1に連結するのに適しており、また長さ方向Xに振動することのできるヘッド32を有する。
【0060】
工具4は、公知の電動工具、すなわち空気圧パーカッションビットとすることができるが、これは必ずしも本発明の器具1とともに用いるために特別に設計されたものでなくてもよい。ヘッド32は、着脱自在のチャック5を有することができ、当該チャックに本発明の器具1を着脱自在にとりつけることができる。
【0061】
すなわち、ヘッド32は、振動運動を、縦軸Xに沿って、ストライカー2に伝達し、ストライカー2が、スペース10内に配置された、緩めるべき対Cの要素P、Bの一つに一回以上の衝撃力Fを伝達する。
【0062】
図5および6に示すのは、器具1と組み合わせて使用するための補助レンチ33である。この補助レンチは、緩めるべき対Cの連結要素の一つたとえば要素Pと係合し、当該要素の回転を容易にし、対Cのねじが緩むのを促進する。
【0063】
レンチ33は、本発明の器具1および/または衝撃工具4と組み合わせて、緩めキットとして提供することができる。
【0064】
しかし、レンチ33の独特の特徴により、以下に述べるように、器具1および工具4なしに、それだけで使用することもできる。
【0065】
言い換えると、レンチ33のみによっても、緩め作用が得られるということである。
【0066】
このレンチは、使用者がつかむことのできるハンドル34と、一つの緩めるべき要素Pを少なくとも部分的に収容する中心受け座36を有するつかみリング35とを有する。
【0067】
リング35は、ハンドル34と一体の第一の部分35´と着脱自在の固定手段によって第一の部分35´に着脱自在に取り付けられる第二の部分35´´とを有し、受け座36を開くことができ、緩めるべき要素Pを収容することができる。
【0068】
本発明の好ましい非限定実施形態の場合、ハンドル34は、実質的に広がりの主軸Lに沿って延びている。リングの二つの部分35´、35´´は、実質的に、広がりの軸Lに直交する軸に関して対称である。
【0069】
二つの部分35´、35´´は、一対のねじ37、38、ボルトその他の要素によって、着脱自在に相互取り付けすることができ、これらの要素は、二つのリング部分35´、35´´に成形されたそれぞれの整列穴対と係合する。
【0070】
特に、第一のリング部分35´は、一対の止まり穴39、39´を有し、第二のリング部分35´´は、それぞれの止まり穴39、39´と整列するようになっている一対の通り穴40、40´を有する。
【0071】
二つのリング部分35´、35´´が相互取り付けされると、受け座36が閉じ、意図する特定用途にしたがって適当に成形された側壁41を定める。
【0072】
特に、受け座36の側壁41の形は、レンチ33の使用を意図する、緩めるべき対Cの要素Pの断面に合わせて選択することができる。
【0073】
特に有利な、ここに示す実施形態の場合、受け座36の側壁41は、第一の実質的に円筒形の軸方向部分41´と、当該第一の部分に隣接し、実質的に角柱状の第二の軸方向部分41´´とを有する。
【0074】
特に、第二の軸方向部分41´´は、六角形の連結要素Pと係合する六角形の断面を有する。
【0075】
使用においては、レンチ33を、緩めるべき要素Pの一つと係合させるために、二つのリング部分35´、35´´は、保持手段37、38を取り外すことによって取り外すことができ、したがって二つの半分36´、36´´に分割された中心受け座36にアクセスすることができる。
【0076】
次に、緩めるべき要素Pを、第一のリング部分35´によって定められる受け座36の半分36´内に配置する。それから、第二の部分35´´を配置すると、緩めるべき要素Pを収容した閉じた受け座36が形成される。最後に、二つのリング部分35´、35´´を相互固定し、緩めるべき要素Pに、必要なねじ緩めトルクを与えることができる。
【0077】
レンチ33を器具1と組み合わせれば、器具1と一緒に使用することができ、したがって衝撃力Fと同時にトルクを与えることができる。
【0078】
しかし、レンチ33は、器具1の使用の前または後に使用することもできる。
【0079】
注意すべきことは、レンチ33は、器具1および/または衝撃工具4なしでも使用することができ、必ずしも本発明のキットの一部分となる必要はない、ということである。
【0080】
この場合、レンチ33は、その利点を保持する。すなわち、緩めるべき要素Pのための閉じた受け座36を形成する能力、したがって緩めるべき要素Pに大きなトルクを及ぼし、当該要素からのはずれを防止する能力、を保持するが、それでも開くことが可能であり、したがって、緩めるべき要素へのアクセスが難しい場合でも、使用できる。
【0081】
本発明の器具、工具、レンチおよびキットは、特許請求の範囲に開示する発明的概念の範囲内で、いくつかの変更または変形を行うことができる。本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の器具、工具およびキットのすべての細部は、技術的に同等の他の部品によって置き換えることができ、材料は、それぞれの必要に応じて変えることができる。
【0082】
以上、本発明の器具、工具、レンチおよびキットに関して、添付の図面に示す特定実施形態を参照しつつ説明したが、明細書および特許請求の範囲で引用した番号は、本発明をわかりやすくするためだけのものであり、いかなる意味でも特許請求の範囲の限定を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の器具の分解斜視図である。
【図2】本発明の器具の部分断面側面図である。
【図3】一つの特定用途における本発明の器具の部分斜視図である。
【図4】本発明の衝撃工具の側面図である。
【図5】本発明の器具と組み合わせて使用するためのレンチの正面図である。
【図6】図5のレンチの断面側面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 本発明の器具
2 ストライカー
3 連結部分
4 衝撃工具
5 チャック
6 打撃面
7 対抗作用体
8 対抗受け面
9 保持手段
10 スペース
11 チューブ式フレーム
12 第一の中空端部分
13 第二の中空端部分
14 側壁
15 横断方向壁
16 横方向開口
17 側部開口
18 へり
19 へこみ
20 弾性対抗作用手段
21 らせんばね
22 21の固定端の一巻き
23 21の22と反対端の一巻き
24 中心孔
25 固定手段
26 円筒形ブッシング
27 外部円筒金属体
28 内部円筒体
29 固定手段
30 クランプ
31 長さ方向スロット
32 ヘッド
33 補助レンチ
34 ハンドル
35 つかみリング
35´ 35の第一の部分
35´´ 35の第二の部分
36 受け座
36´ 36の部分
36´´ 36の部分
37 ねじ
38 ねじ
39 止まり穴
39´ 止まり穴
40 通り穴
40´ 通り穴
41 側壁
41´ 41の軸方向部分
41´´ 41の第二の軸方向部分
B ブッシング
C 緩めるべき対
dmin 距離
F 打撃力
L 広がりの主軸
P ピン
R 保持反作用
S Bの側面
X 縦軸
Y 半径方向
φ1 8の半径
φ2 6の半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャックを有する衝撃工具とともに使用するための、固着連結要素を緩めるための器具であって、
- 一端に、衝撃工具(4)のチャック(5)に取り付けるのに適した連結部分(3)を有し、他端に、衝撃力(F)を与えるようになっている打撃面(6)を有する、ストライカー(2)、
- 当該ストライカー(2)に対向し、当該衝撃力(F)に対抗作用するために当該打撃面(6)に対面する受け面(8)を有する、対抗作用体(7)、
- 当該ストライカー(2)を、当該対抗作用体(7)に対して、当該打撃面(6)と当該受け面(8)との間が所定の距離(dMIN)に保たれるように、保持し、緩めるべき対(C)の要素(P、B)の少なくとも一つを収容するのに適した保持手段(9)、
を有すること、
を特徴とする器具。
【請求項2】
当該保持手段(9)が、当該ストライカー(2)を収容するための第一の中空端部分(12)と、当該対抗作用体(7)を収容するための第二の中空端部分(13)とを有する長さ方向に延びたチューブ式フレーム(11)を有することを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項3】
当該チューブ式フレーム(11)が、当該打撃面(6)と当該受け面(8)との間に、実質的に半径方向(Y)に、緩めるべき対(C)を収容するのに適した開口(17)を備えた側壁(14)を有することを特徴とする請求項2に記載の器具。
【請求項4】
当該ストライカー(2)の当該打撃面(6)が実質的に平坦で、横断方向に広がっていることを特徴とする請求項1から3の中のいずれか一つに記載の器具。
【請求項5】
当該受け面(8)が実質的に横断方向に広がっており、当該受け面(8)の半径(φ1)が当該ストライカー(2)の当該打撃面(6)の半径(φ2)よりも大きいことを特徴とする請求項1から4の中のいずれか一つに記載の器具。
【請求項6】
当該チューブ式フレーム(11)が、弾性対抗作用手段(20)を有し、当該手段が、当該対抗作用体(7)に作用を及ぼして、当該対抗作用体を当該ストライカー(2)に向かって押し、当該衝撃力(F)の結果として対(C)によって伝達される保持反作用(R)に対抗することを特徴とする請求項5に記載の器具。
【請求項7】
当該弾性対抗作用手段(20)が、ばね(21)を有し、当該ばねが、実質的に軸方向に作用し、当該チューブ式フレーム(11)に取り付けられる固定端(22)と当該対抗作用体(7)に対して作用する反対側の軸方向に可動の端(23)とを有することを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項8】
当該ストライカー(2)の当該連結部分(3)が、当該ストライカー(2)に複数の長さ方向順次振動を与えるのに適した衝撃工具(4)に当該連結部分を取り付けるための固定手段(25)を有することを特徴とする請求項1から7の中のいずれか一つに記載の器具。
【請求項9】
当該固定手段(25)が、チャック(5)を有し、当該チャックが、当該衝撃工具(4)に取り付けられるようになっていて、当該チューブ式フレーム(11)と同軸の当該打撃ハンマー(2)の当該連結部分(3)を収容して保持するための空洞を有することを特徴とする請求項8に記載の器具。
【請求項10】
当該チューブ式フレーム(11)の当該第一の端部分(12)が、内部に円筒形ブッシング(26)を有し、当該ブッシングが、当該ストライカー(2)を、その長さ方向振動運動時に、当該縦軸(X)に沿って案内するようになっていることを特徴とする請求項1から9の中のいずれか一つに記載の器具。
【請求項11】
当該チューブ式フレーム(11)が、当該フレームを着脱自在に外部衝撃工具(4)に取り付けるための手段(29)を有することを特徴とする請求項1から10の中のいずれか一つに記載の器具。
【請求項12】
連結された連結要素を緩めるための衝撃工具であって、
縦軸(X)に沿って振動することのできるヘッド(32)と請求項1から11の中のいずれか一つに記載の器具(1)とを有し、当該器具が、長さ方向の振動運動を受けるために当該ヘッド(32)に着脱自在に取り付けられるようになっており、
当該器具(1)が、ストライカー(2)を有し、当該ストライカーが、当該振動ヘッド(32)に着脱自在に取り付けられるようになっている連結部分(3)を備えていて、当該振動運動を受けて、緩めるべき連結要素(P、B)の対(C)に少なくとも一回の衝撃力(F)を与えることによって、当該振動運動に応答すること、
を特徴とする衝撃工具。
【請求項13】
固着連結要素を緩めるためのキットであって、
請求項1から12の中のいずれか一つに記載の器具(1)と補助レンチ(33)とからなり、当該レンチが、緩めるべき連結要素(P)の一つに対して使用されるようになっていて、当該打撃面(6)によって衝撃力(F)を及ぼすのと同時または及ぼしたあとに当該連結要素(P)の回転を促進すること、
を特徴とするキット。
【請求項14】
当該レンチが、使用者が保持するようになっているハンドル(34)と、一つの緩めるべき当該要素(P)を部分的に収容するための中心受け座(36)を有するつかみリング(35)とからなり、
当該リング(35)が、当該ハンドル(34)と一体の第一の部分(35´)と、当該第一の部分(35´)に着脱自在に保持されて当該受け座(36)の開放と緩めるべき要素(P)の収容とを可能にする第二の部分(35´´)とからなること、
を特徴とする請求項13に記載のキット。
【請求項15】
当該受け座(36)が、側壁(41)を有し、当該側壁が、第一の実質的に円筒形の軸方向部分(41´)と当該第一の軸方向部分(41´)に隣接する第二の実質的に角柱状の軸方向部分(41´´)とを有することを特徴とする請求項14に記載のキット。
【請求項16】
請求項12に記載の衝撃工具(4)からなることを特徴とする請求項13から15の中のいずれか一つに記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−516782(P2012−516782A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548829(P2011−548829)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050522
【国際公開番号】WO2010/089710
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(511189399)
【Fターム(参考)】