説明

連結部保持構造

【課題】シートベルトにより乗員を拘束していない場合であっても、バックルが車両にぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止する。
【解決手段】シートベルトの使用時にタングS11が連結するバックルS3と、一端がバックルS3に繋がれているリンクベルトBと、リンクベルトBの他端に繋がれている固定プレートと、固定プレートに挿通しており、固定プレートを車体に固定するボルト1と、ボルト1が挿通しており、固定プレートよりも車体側に配設されており、シートベルトの未使用時にバックルS3を保持するベルト4を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室後部に乗車した車椅子の乗員を拘束するシートベルト装置の連結部を保持する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、福祉車両において、ショルダベルトの係止金具(タング)が、車両内部に配設される係止バックル(連結部)に連結するように支持する車椅子用シートベルト装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−173483号公報(要約、図6など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術によれば、シートベルトにより乗員を拘束していないとき、つまり未使用のときには係止バックルが固定されていない。このため、車両の揺れなどにより、係止バックルが車両にぶつかり、騒音の発生や内装部品の損傷を招くおそれがある。
【0005】
そこで、本発明では、シートベルトにより乗員を拘束していない場合であっても、バックルが車両にぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、シートベルトの使用時にタングが連結する連結部と、一端が前記連結部に繋がれている帯状部と、前記帯状部の他端に繋がれている固定部と、前記固定部に挿通しており、前記固定部を車体に固定する挿通部と、前記挿通部が挿通しており、前記固定部よりも車体側に配設されており、前記シートベルトの未使用時に前記連結部を保持する保持部を備えることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、連結部は、挿通部によって車体に固定されている固定部と、帯状部を介して繋がれており、車両の内装部品(例:内装パネル、装飾品)の近くに位置している。もし、シートベルトが未使用のときは、連結部は、保持部によって保持されているので、車両の揺れなどがあっても連結部が車両にぶつかることもない。よって、連結部が車両にぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止することができる。
【0008】
また、前記挿通部が挿通しており、前記保持部よりも車体側に配設されており、前記保持部が前記挿通部から抜けることを防止する抜け防止部を備えるとよい。
【0009】
かかる構成によれば、挿通部を用いて固定部を車体に固定する作業を行う際に、保持部が挿通部から抜けることを防止することができる。例えば、挿通部の挿通方向において、抜け防止部が保持部を車体側から部分的に被覆していれば、保持部が挿通部から抜けることはない。
【0010】
前記挿通部が挿通しており、前記固定部と前記保持部との間に配設されており、前記挿通部が前記車体に固定されている箇所を含む所定の領域を車室側から隠蔽する隠蔽部を備えるとよい。
【0011】
かかる構成によれば、挿通部が車体に固定されている箇所を、車両の利用者が車室側から見たとしても、その利用者には主に隠蔽部しか見えない。よって、隠蔽部よりも車体側にある車体の内部が見えてしまうことを防止することができる。
【0012】
前記挿通部が挿通しており、前記隠蔽部と前記抜け防止部との間に配設されているとともに、前記挿通部が挿通する前記保持部の挿通孔に配設された挟み込み防止部を備えており、前記挿通部の挿通方向において、前記挟み込み防止部は、前記保持部よりも厚いとよい。
【0013】
かかる構成によれば、挟み込み防止部によって、前記隠蔽部と前記抜け防止部と間に相当量の隙間が形成されるので、保持部の挟み込みを防止することができる。これにより、挿通部が固定部を車体に固定するときに生じるトルクのトルクダウンを防止することができ、挿通部によって固定部を良好に車体に固定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シートベルトにより乗員を拘束していない場合であっても、バックルが車両にぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の車両を模式的に示す前面図である。
【図2】連結部保持構造の斜視図であり、特に、シートベルト使用時の状態を示している。
【図3】連結部保持構造の斜視図であり、特に、シートベルト未使用時の状態を示している。
【図4】図2に示すA−A線で位置設定部を切断したときの後視断面図である。
【図5】位置設定部の分解斜視図である。
【図6】小判型プレートと、内装パネルと、車体パネルの雌ねじおよびピンとの位置関係を示す下面図である。
【図7】(a)が、回転防止部の斜視図であり、(b)が、回転防止部の上面図であり、(c)が、回転防止部の右面図である。
【図8】取付前の位置設定部の後視断面図である。
【図9】(a)が、変形例の連結部保持構造の斜視図であり、(b)が、変形例の連結部保持構造の右面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら説明する。説明の便宜上、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態において、図1に示した車両が直進する方向を「前」とし、その他の方向は、各図に従う。
【0017】
図1は、本実施形態の車両を模式的に示す前面図である。車両Vは、例えば、車椅子Cに着座している乗員Pを車室後部に乗載できる福祉車両である。車両Vは、例えば、不図示の車椅子リフト移送装置を備えており、車椅子Cに着座している乗員Pを車両Vの後方から車室後部に移送するとよい。車椅子リフト移送装置の詳細は、例えば、特許文献1に開示されているが、車両Vが備える車椅子リフト移送装置は、特許文献1のものと同一である必要はない。
【0018】
車両Vは、車椅子Cに着座している乗員Pの身体を拘束するシートベルト装置を備えている。シートベルト装置は、乗員Pの上半身を拘束するショルダベルト装置Sと、乗員Pの腰部を拘束するラップベルト装置Lと、を備え、3点式シートベルトを実現する。シートベルト装置の一部は、例えば、前記した車椅子リフト移送装置が備えていてもよいし、車両Vが備えていてもよい。本実施形態では、車両Vがシートベルト装置を備えているとする。
【0019】
ラップベルト装置Lは、ウェビングL1と、リトラクタL2と、バックルL3と、を備えている。
ウェビングL1は、乗員Pの腰まわりに延設可能な帯形状のベルトである。ウェビングL1は、例えば、ポリエステル製である。ウェビングL1の先端には、バックルL3と連結するタングL11が接続されている。
リトラクタL2は、ウェビングL1を巻き取って収納する。リトラクタL2は、車両Vの車体内部右下に位置している。
バックルL3は、ウェビングL1のタングL11と着脱可能に連結する。バックルL3は、車両Vの車体内部左下に位置している。
【0020】
ショルダベルト装置Sは、ウェビングS1と、リトラクタS2と、バックルS3(連結部)と、を備えている。
ウェビングS1は、乗員Pの腰から肩にかけて延設可能な帯形状のベルトである。ウェビングS1は、例えば、ポリエステル製である。ウェビングS1の先端には、バックルS3と連結するタングS11が接続されている。
リトラクタS2は、ウェビングS1を巻き取って収納する。リトラクタS2は、車両Vの車体内部左下に位置している。
バックルS3は、ウェビングS1のタングS11と着脱可能に連結する。バックルS3は、車室後部の右上隅領域またはその付近領域に位置している。バックルS3は、リンクベルトBを介して、車室後部の右上隅領域において、車両Vのルーフを構成する車体パネルの車室側に取り付けられている位置設定部Mと繋がっている。位置設定部Mは、バックルS3の位置を車室後部の右上隅領域またはその付近領域に設定する。バックルS3と、リンクベルトBと、位置設定部Mとにより、本実施形態の連結部保持構造が実現される。
【0021】
位置設定部Mに関して詳細に説明する。
図2は、連結部保持構造の斜視図であり、特に、シートベルト使用時の状態を示している。図3は、連結部保持構造の斜視図であり、特に、シートベルト未使用時の状態を示している。なお、「シートベルト使用時」とは、ショルダベルト装置SのウェビングS1を延設し、タングS11がバックルS3と連結することで、少なくとも乗員Pの上半身を拘束している時を意味する。「シートベルト未使用時」とは、前記した「シートベルト使用時」以外の時を意味する。
【0022】
図2および図3は、主に、連結部保持構造の構成要素となる前記バックルS3(連結部)と、リンクベルトB(帯状部)と、位置設定部Mとを図示している。そして、図2および図3は、車両Vのルーフを構成する車体パネルRに、位置設定部Mが車室側から取り付けられているとき(取付後)の様子を示している。ただし、表現の便宜上、図2では、連結部保持構造の位置設定部Mを車体パネルRから引き離して図示している。また、図3では、車体パネルRと、バックルS3との図示は省略している。
【0023】
また、特に、図4から図7を参照して、位置設定部Mの内部構造に関する説明をする。図4は、図2に示すA−A線で位置設定部を切断したときの後視断面図である。図5は、位置設定部の分解斜視図である。図6は、小判型プレートと、内装パネルと、車体パネルの雌ねじおよびピンとの位置関係を示す下面図である。図7は、(a)が、回転防止部の斜視図であり、(b)が、回転防止部の上面図であり、(c)が、回転防止部の右面図である。説明の便宜上、図7(b)では、回転防止部6とともに固定プレート11も図示している。また、図7(c)では、回転防止部6とともに固定プレート11と、小判型プレート5も二点鎖線で図示している。
【0024】
図2に示すように、リンクベルトBは、両端が輪形状を呈する係止部を備えている帯形状のベルトである。リンクベルトBは、例えば、ポリエステル製である。リンクベルトBの一端の係止部がバックルS3の端部に係止することで、リンクベルトBとバックルS3とが繋がれている。リンクベルトBの他端の係止部が位置設定部Mが備えている固定プレート11(例えば、図4参照)に係止することで、リンクベルトBと位置設定部Mとが繋がれている。
【0025】
位置設定部Mは、ボルト1(挿通部)と、ワッシャ2(抜け防止部)と、第一カラー3(抜け防止部となり得る)と、ベルト4(保持部)と、小判型プレート5(隠蔽部)と、回転防止部6と、カバー7と、第二カラー8(挟み込み防止部)と、第三カラー9と、ベアリング10と、固定プレート11(固定部)とを備えている。
【0026】
(ボルト1)
ボルト1は、いわゆる六角ボルトであり、ワッシャ2と、第一カラー3と、ベルト4と、小判型プレート5と、回転防止部6と、カバー7の上面部と、第二カラー8と、第三カラー9と、ベアリング10と、固定プレート11にに挿通している。ボルト1の軸部1aは、車体パネルRに対して、例えば溶接で固定されている雌ねじR1と螺合している。雌ねじR1は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈し、内周面にはボルト1と螺合するためのねじ溝が形成されている。また、雌ねじR1は、車体パネルRへの溶接箇所となるフランジ部を備えている。ボルト1が雌ねじR1に螺合することにより、位置設定部Mの少なくともカバー7が、車室側、つまり車両Vの内装を構成する内装パネルI(図4参照)の下側に取り付けられる。なお、ボルト1の頭部1b(図4参照)は、カバー7の内部にある。ボルト1は、例えば、金属製である。
【0027】
図4に示すように、ボルト1は、前記したボルト1の軸部1aと、前記した頭部1bと、フランジ部1cとから構成されている。軸部1aは、第一軸部1a1と、第二軸部1a2とから構成されている。
【0028】
第一軸部1a1は、ボルト1の先端部となり、第一軸部1a1の外周面全体に、雌ねじR1と、ワッシャ2と螺合するためのねじ溝が設けられている。
第二軸部1a2は、軸部1aの根元部を形成しており、ベアリング10に内嵌している。第二軸部1a2の直径は、第一軸部1a1の直径よりも大きい。第二軸部1a2に形成されている上面部は、ベアリング10の上フランジ部10aの上面部と面一となっている。
フランジ部1cは、第二軸部1a2と、頭部1bとの間に位置し、円盤形状を呈している。フランジ部1cの上面は、ベアリング10の下フランジ部10bの下面に当接している。フランジ部1cの直径は、ベアリング10の下フランジ部10bの外径と同一である。
【0029】
(ワッシャ2)
ワッシャ2は、内周側がボルト1と螺合するように等間隔に切り欠かれて形成された凸形状部を有している。ワッシャ2は、第一カラー3の上面に、つまり、第一カラー3よりも車体側に配設されており、ボルト1が挿通している。また、位置設定部Mが車体パネルRに取り付けられているとき、ワッシャ2は、雌ねじR1の下端に当接している。つまり、位置設定部Mを取り付ける際、ワッシャ2が雌ねじR1の下端に当接するまでボルト1を締め付ける。ワッシャ2は、ボルト1と螺合するため、所定の条件を満たせば、ボルト1が挿通している構成要素を上方から押さえることができる。よって、ワッシャ2は、ボルト1に挿通している構成要素、特に、ベルト4がボルト1から抜けるのを防止することができる。ワッシャ2は、例えば、金属製である。
【0030】
(第一カラー3)
第一カラー3は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している。第一カラー3は、ベルト4よりも上方に配設されており、ボルト1が挿通している。第一カラー3の外径は、ワッシャ2の外径よりも大きい。第一カラー3は、ボルト1の軸方向(上下方向)におけるワッシャ2の位置を所定の位置に定めることで、位置設定部Mを取り付けるときに、回転防止部6の第一壁部6bが車体パネルRに接触することを防止することができる。また、第一カラー3は、位置設定部Mを取り付けるときに、小判型プレート5が内装パネルIに当接することを回避できる程度の上下方向の厚さを有している(例えば、図4参照)。第一カラー3は、例えば、金属製である。
【0031】
(ベルト4)
ベルト4は、帯形状を呈しており、面的に着脱できるファスナを備えている。本実施形態のベルト4は、例えば、樹脂製でであり、その一端領域の上面側にのみ、フック状に起毛された領域(フック)が形成されており、その他端領域の下面側にのみ、ループ状に密集して起毛された領域(ループ)とが形成されている(図5参照)。このフックとループとを押し付けるだけで貼り付けることができ、その後剥がしたり、再度貼り付けたりすることが自在にできる。また、ベルト4は、小判型プレート5の上面に、つまり、小判型プレート5よりも車体側に配設されており、ボルト1が挿通するための円形柱状の挿通孔4aを有する(図5参照)。
【0032】
本実施形態では、位置設定部Mに用いる第一カラー3の外径は、ベルト4の挿通孔4aの直径よりも大きい。すると、第一カラー3が車体側から(上方から)ベルト4を部分的に被覆することになる。よって、ボルト1を用いて固定プレート11を車体に固定する作業中、位置設定部Mを取り付けるとき、ベルト4がボルト1から抜けることを防止することができる。また、第一カラー3の外径をベルト4の挿通孔4aの直径よりも大きくした場合、ワッシャ2の外径は、挿通孔4aの直径よりも小さくしてもよい。そのように小さな直径となるワッシャ2であっても、第一カラー3を上方から押さえることができ、ベルト4が抜けることはない。
【0033】
一方、位置設定部Mに第一カラー3を用いないような構成を実現してもよい。この場合、ワッシャ2の外径をベルト4の挿通孔4aの直径よりも大きくする必要がある。このように設計すれば、ワッシャ2が車体側から(上方から)ベルト4を部分的に被覆することになる。よって、位置設定部Mの取り付けの際、ワッシャ2により、ベルト4がボルト1から抜けることを防止することができる。
なお、本実施形態では、第一カラー3を用い、ベルト4の挿通孔4aの直径よりも大きな外径となるワッシャ2を用いる。
【0034】
(小判型プレート5)
小判型プレート5は、水平方向に延びている小判型の板形状を呈している。小判型プレート5は、ボルト1と、回転防止部6の第一壁部6bとがそれぞれ挿通するための挿通孔5a、5b(図5など参照)を有している。小判型プレート5は、例えば、金属製である。小判型プレート5に関する詳細は後記する。
【0035】
図5に示すとおり、小判型プレート5は、ボルト1が挿通する挿通孔5aと、回転防止部6の第一壁部6bが挿通する挿通孔5bとを備えている。挿通孔5aは円形状を呈しており、挿通孔5bは矩形状を呈している。図6の下面図に示すとおり、小判型プレート5は、位置設定部Mを車体パネルRに取り付けるために内装パネルIに形成された孔Iaを車室側から被覆できる程度の大きさを有している。よって、車体パネルRに取り付けた位置設定部Mを、車両Vの利用者が車室側から見たとしても、小判型プレート5によって、内装パネルIに形成された孔Iaよりも車体側に存在する車体パネルRの雌ねじR1およびピンR2などが隠蔽される。よって、ボルト1が車体に固定されている箇所を含む所定の領域(具体的には、例えば、位置設定部Mを取り付けていないときに、内装パネルIに形成された孔Iaから見える領域)を車室側から隠蔽し、小判型プレート5よりも車体側にある車体の内部が見えてしまうことを防止することができる。
【0036】
(回転防止部6)
回転防止部6は、位置設定部M全体と、位置設定部Mの各構成要素と、リンクベルトBと、バックルS3とがボルト1の軸周りに回転することを防止する。回転防止部6は、例えば、金属製である。なお、ベルト4をボルト1の軸周りに回転させようとしても、ベルト4は、回転防止部6の第一壁部6bに当接する。よって、第一壁部6bは、ベルト4がボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
【0037】
図5および図7に示すとおり、回転防止部6は、平板部6aと、前記した第一壁部6bと、前後一対の第二壁部6cとを備えている。
【0038】
平板部6aは、右方向に延びている舌片型の板形状を呈している。平板部6aは、ボルト1が挿通する挿通孔6a1を備えている。第一壁部6bが小判型プレート5の挿通孔5bを下側から挿通すると(例えば、図7(c)参照)、平板部6aの上面に、つまり、車体側に小判型プレート5が配設される。また、図4に示すとおり、平板部6aは、第三カラー9の上面に、つまり、車体側に配設されている。
【0039】
第一壁部6bは、平板部6aの左端から上方に立設した舌片型の板形状を呈している。そして、第一壁部6bの先端部に、例えば曲げ加工を施すことにより、第一壁部6bの先端部は、左方に延び、水平方向の面を形成している。第一壁部6bには、平板部6aの左端の中央から前記先端部の一部に亘る挿通孔6b1が形成されている。挿通孔6b1は、位置設定部Mが車体パネルRに取り付けられるときに、車体パネルRに対して、例えば溶接で固定されて垂下している円柱状のピンR2が挿通する孔である(図4参照)。挿通孔6b1が形成されることにより、第一壁部6bは、右方視略逆U字形状を呈している。
【0040】
すでに説明したとおり、第一壁部6bは、ベルト4がボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。また、挿通孔6b1に挿通しているピンR2は、ボルト1の軸周りに回転すると第一壁部6bと係止するので、第一壁部6bがボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
【0041】
前後一対の第二壁部6cの一つは、平板部6aの前端から前方に延設しており、さらに下方に延設している矩形片である。また、第二壁部6cのもう一つは、平板部6aの後端から後方に延設しており、さらに下方に延設している矩形片である。よって、第二壁部6c、6cは、右方視略逆L字形状を呈している。図7(b)に示すとおり、第二壁部6c、6cは、固定プレート11よりも前後外側にまで延設している。さらに、図7(c)に示すとおり、第二壁部6c、6cの下端は、固定プレート11の水平方向に延びている下面よりも下方にまで延設している。よって、固定プレート11は、ボルト1の軸周りに回転すると第二壁部6c、6cと係止するので、第二壁部6c、6cがボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
結果的に、第一壁部6bと、第二壁部6c、6cとを備える回転防止部6は、車体パネルRに対して、位置設定部Mを含む連結部保持構造全体がボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
【0042】
(カバー7)
カバー7は、車両Vの利用者が見ることができる位置設定部Mの外観を構成する。カバー7は、リンクベルトBと係止する箇所は開口している。カバー7は、位置設定部Mの構成要素の一部を保護するとともに、利用者から隠蔽することができる。カバー7は、例えば樹脂製であり、互いに嵌合できるように2つの部分から構成するとよい。例えば、使用前の位置設定部Mを車体パネルRに取り付けた後、位置設定部Mの構成要素の一部を保護できる位置で、カバー7を構成する前記2つの部分を嵌合させるとよい。
【0043】
(第二カラー8)
第二カラー8は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している。第二カラー8は、第一カラー3と小判型プレート5との間に配設されており、ボルト1が挿通している。つまり、第一カラー3は、第二カラー8の上面に配設されており、第二カラー8は、小判型プレート5の上面、つまり、小判型プレート5よりも車体側にに配設されている。さらに、第二カラー8の外径は、ベルト4の挿通孔4aの直径よりも小さい。よって、第二カラー8は、ベルト4の挿通孔4aを挿通している。さらに、上下方向において、第二カラー8の厚さは、ベルト4の厚さよりも厚い。よって、第二カラー8がベルト4の挿通孔4aを挿通することで、第一カラー3と小判型プレート5と間に相当量の隙間Gが形成される。
【0044】
よって、第一カラー3と小判型プレート5とによるベルト4の挟み込みを防止することができる。これにより、ボルト1が固定プレート11を車体に固定するときに生じるトルクのトルクダウンを防止することができる、ボルト1によって固定プレート11を良好に車体に固定することができる。もし、樹脂製などの剛性の小さいベルト4を挟み込んだ状態で、ボルト1で締め付けると、そのボルト1の締め付けにより生じるトルクが小さくなってしまう。その結果、ボルト1が雌ねじR2から外れてしまう可能性が大きくなる。そこで、剛性の大きな第二カラー8を用いて、ベルト4の挟み込みを回避する。第二カラー8は、例えば、金属製である。
【0045】
なお、第一カラー3を用いない場合は、第二カラー8によって、ワッシャ2と小判型プレート5との間に相当量の隙間が形成される。よって、ワッシャ2と小判型プレート5とによるベルト4の挟み込みを防止することができる。
【0046】
(第三カラー9)
第三カラー9は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している。図4に示すとおり、第三カラー9は、ベアリング10の上フランジ部10aの上面、かつ、ボルト1の第二軸部1a2の上面に、つまり、車体側に配設されており、ボルト1が挿通している。ボルト1の軸方向における第三カラー9の厚さは、例えば、カバー7上部と、回転防止部6との当接、特に、平板部6aとの当接を防止できる程度の厚さである。したがって、第三カラー9の下部は、カバー7の内部にある。第三カラー9は、例えば、金属製である。
【0047】
(ベアリング10)
ベアリング10は、上下方向に軸を有する円筒形状を呈している(図5など参照)。ベアリング10の上端には、上フランジ部10aが水平方向に延びている。ベアリング10の下端には、下フランジ部10bが水平方向に延びている。このような形状を呈するベアリング10は、固定プレート11に外嵌している。ベアリング10は、カバー7の内部にある。ベアリング10は、例えば、金属製である。
【0048】
(固定プレート11)
固定プレート11は、図4に示すように、水平方向に延びている矩形状の平板であって、その平板がカバー7の上部の形状におよそ沿うように折り曲げられた形状を呈している。固定プレート11には、ボルト1が挿通するとともに、ベアリング10に内嵌する挿通孔11aが形成されている。また、固定プレート11の左端には、リンクベルトBが係止している。固定プレート11、例えば、金属製である。
【0049】
≪動作例≫
ここで、シートベルトの使用に関する本実施形態の動作例について説明する。
図2に示すように、シートベルト使用時では、タングS11がバックルS3と連結している。このとき、ベルト4のフックとループとは貼り合わされていない状態になっている。よって、ベルト4は、バックルS3を保持していない。
【0050】
一方、図3に示すように、シートベルト未使用時では、バックルS3は、タングS11とは連結していない。よって、車両Vの利用者は、バックルS3を手に取り、リンクベルトBを畳み、バックルS3を位置設定部Mの下方にまで動かすことができる。利用者は、バックルS3を位置設定部Mの下方にまで動かし、ベルト4の一端を手に取り、バックルS3の下方を通過させて、バックルS3と、リンクベルトBと、位置設定部Mからなる連結部保持構造全体の周囲にベルト4を巻きつける。巻きつけた後、利用者は、ベルト4のフックとループとを貼り合わせる。これにより、ベルト4は、バックルS3を保持することができる。よって、例えば、走行中に車両Vが揺れたとしても、バックルS3が車両Vにぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品(例:内装パネル、装飾品)の損傷を防止することができる。
【0051】
図8を参照して、位置設定部Mを車体パネルRに取り付けることに関する本実施形態の動作例について説明する。
図8は、取付前の位置設定部の後視断面図である。図8の後視断面図における切断面は、図4と同様であり、図2に示すA−A線で切断したときの切断面である。
【0052】
車体パネルRに取り付ける前の位置設定部Mには、リンクベルトBが繋がれており、リンクベルトBにはバックルS3が繋がれている。位置設定部Mにおいて、ワッシャ2と、第一カラー3と、ベルト4と、小判型プレート5と、回転防止部6と、第二カラー8と、第三カラー9と、ベアリング10と、固定プレート11に対し、ボルト1が挿通している。そして、ワッシャ2が第一カラー3を上方から押さえつけることで、位置設定部Mのこれらの構成要素を固定している。ただし、位置設定部Mは、取付前ではカバー7を備えておらず(図示の便宜上、カバー7を二点鎖線で表示している)、ボルト1の頭部1bや固定プレート11などが露出している状態である。また、ベルト4は、フックとループとが剥がされている状態である。
【0053】
車両Vの業者は、このような状態の位置設定部Mを手に取り、内装パネルIに形成されている孔を通過させ、内装パネルIの上方にある車体パネルRの雌ねじR1の手前まで動かす。そして、業者は、スパナなどの工具を用いて、位置設定部Mのボルト1を雌ねじR1に螺合させる。その際、業者は、回転防止部6の第一壁部6bの挿通孔6b1に、車体パネルRのピンR2を挿通させる。業者が雌ねじR1に対してボルト1をさらに螺合させると、ワッシャ2が雌ねじR1の下端に当接する。この当接を以って、ボルト1と雌ねじR1との螺合を完了することができる。
【0054】
その後、業者は、2つの部分からなるカバー7を手に取り、ボルト1の頭部1bや固定プレート11などを覆うように2つの部分を嵌合する。この嵌合を以って車体パネルRに対する位置設定部Mの取り付けを終了することができる。位置設定部Mの取り付け後の状態は、図4に示したものに等しい。
【0055】
位置設定部Mの取り付けの作業の間、第一カラー3は、ベルト4のボルト1からの抜けを防止している。
【0056】
≪まとめ≫
本実施形態によれば、シートベルトにより乗員を拘束していない場合であっても、バックルS3が車両Vにぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止することができる。バックルS3は、ボルト1によって車体に固定されている固定プレート11と、帯状部を介して繋がれており、車両Vの内装部品(例:内装パネル、装飾品)の近くに位置している。もし、シートベルトが未使用のときは、バックルS3は、ベルト4によって保持されているので、車両Vの揺れなどがあってもバックルS3が車両Vにぶつかることもないからである。
【0057】
また、ボルト1を用いて固定プレート11を車体に固定する作業を行う際に、ベルト4が挿通部から抜けることを防止することができる。例えば、ボルト1の軸方向において、ワッシャ2によりボルト1から抜けることのない第一カラー3がベルト4を車体側から部分的に被覆している。よって、ボルト1を用いて固定プレート11を車体に固定する作業を行う際に、ベルト4がボルト1から抜けることはない。
【0058】
また、ボルト1が車体に固定されている箇所(車体パネルRの雌ねじR1がある位置など)を、車両Vの利用者が車室側から見たとしても、その利用者には主に小判型プレート5しか見えない。よって、小判型プレート5よりも車体側にある車体の内部が見えてしまうことを防止することができる。
【0059】
また、第二カラー8によって、小判型プレート5と第一カラー3と間に相当量の隙間が形成されるので、ベルト4の挟み込みを防止することができる。これにより、ボルト1が固定プレート11を車体に固定するときに生じるトルクのトルクダウンを防止することができ、ボルト1によって固定プレート1を良好に車体に固定することができる。
【0060】
≪その他≫
なお、前記実施形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれに限定されるものではない。したがって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、実施形式を種々変形することが可能である。
【0061】
まず、連結部保持構造の変形例について説明する。
図9は、(a)が、変形例の連結部保持構造の斜視図であり、(b)が、変形例の連結部保持構造の右面図である。図9は、特に、シートベルト未使用時の状態を示している。図9の連結部保持構造は、図3の連結部保持構造と比較して、ベルト4の代わりに把持部12(保持部)が用いられている点が異なる。
【0062】
把持部12は、上側板12aと、アーム板12b、12bと、ヒンジ12c、12cとを備えている。把持部12は、例えば、金属製である。
【0063】
上側板12aは、前後方向を長手方向とする略矩形状の平板である。上側板12aは、小判型プレート5の上面、つまり、車体側に配設されており、ボルト1が挿通するための円形の挿通孔(不図示)を有する。上側板12aの前端、後端は、ヒンジ12c、12cと係合するように曲げ加工が施されている。
【0064】
アーム板12b、12bは、位置設定部Mよりも前後方向外側の位置にあり、上側板12aから下方に延びており、さらに前後方向内側に延びている折り曲げ板である。アーム板12b、12bは、左右方向視略L字形状を呈している。アーム板12b、12bの上端は、ヒンジ12c、12cと係合するように曲げ加工が施されている。
【0065】
ヒンジ12c、12cは、左右方向に延びる円柱棒である。ヒンジ12c、12cは、上側板12aに対し、アーム板12b、12bが連結部保持構造よりも前後方向外側に回動自在に動くことを可能にする。
【0066】
なお、把持部12は、上側板12aおよびアーム板12b、12bを接続するバネ(不図示)を備えている。このバネは、アーム板12b、12bが回動することで付勢力が発生し、アーム板12b、12bとを定位置に戻す。前記定位置とは、アーム板12b、12bが上側板12aから下方に延設している位置であり、図9に示した状態となる位置である。
また、把持部12がボルト1の軸周りに回転しようとしても、回転防止部6の第一壁部6bに当接する。よって、第一壁部6bは、把持部12がボルト1の軸周りに回転することを防止することができる。
【0067】
次に、この変形例の連結部保持構造の動作例について説明する。
シートベルト未使用時では、車両Vの利用者は、タングS11から解放されているバックルS3を手に取り、リンクベルトBを畳み、バックルS3を位置設定部Mの下方にまで動かす。続いて、利用者は、アーム板12b、12bの片方を手に取り、前後方向外側に動かし、把持部12を拡げ、バックルS3を把持部12内部に収める。収めた後、利用者が、手にしたアーム板12bを離すと、バネの付勢力により、アーム板12bが定位置に戻る。アーム板12b、12bの下部は、バックルS3を下方から支持することができる(図9(b)参照)。これにより、把持部12は、バックルS3を保持することができる。よって、例えば、走行中に車両Vが揺れたとしても、バックルS3が車両Vにぶつかることに起因する騒音の発生や内装部品の損傷を防止することができる。
【0068】
本実施形態では、車両Vのルーフを構成する車体パネルRに対し、位置設定部Mを下方から上方へ取り付けるようにした。つまり、位置設定部Mのボルト1の軸方向が上下方向と同一であった(例えば、図4参照)。しかし、位置設定部Mは、例えば、車両Vのサイドを構成するパネルに対して取り付けるようにしてもよい。よって、位置設定部Mのボルト1の軸方向(挿通方向)は、上下方向に限らず、左右方向、斜め上斜め下の方向であってもよく、車室側から車両側までの方向と呼ぶことができる。
【0069】
また、本実施形態では、ボルト1が車体パネルRの雌ねじR1に螺合することにより、位置設定部Mを固定した。しかし、例えば、ボルト1の代わりに円柱状のピンを用い、前記ピンの先端と嵌合するピン受け部を車体パネルRに固定してもよい。これにより、例えば、車両Vの業者が、位置設定部Mの構成要素に挿通したピンを前記ピン受け部に嵌合させれば、位置設定部Mを固定することができる。
【0070】
また、本実施形態では、ベルト4の挿通孔4aに収まる第二カラー8によって、ベルト4のための隙間を形成するようにした(例えば、図4参照)。しかし、第二カラー8の代わりに、ボルト1が挿通する挿通孔を備えるとともに、ベルト4に外嵌する形状を呈する外嵌部材を用いてもよい。外嵌部材は、例えば、金属製であり、相応の大きさの剛性を備えている。外嵌部材の車体側の面(上面)は、第一カラー3の車室側の面(下面)に当接している。また、外嵌部材の車室側の面は、小判型プレート5の車体側の面に当接している。外嵌部材の内部がベルト4用の隙間を形成している。よって、第一カラー3と小判型プレート5とによるベルト4の挟み込みを防止することができる。
【0071】
また、連結部保持構造の変形例(図9参照)として説明した位置設定部Mの把持部12は、樹脂製であってもよい。そして、樹脂製の把持部12を図9に示したものと同一の形状となるように一体成形してもよい。把持部12を樹脂製にすることにより、把持部12自身の弾性を大きくすることができ、金属製の把持部12に用いたバネ(図9では不図示)を不要とすることができる。
【0072】
また、連結部保持構造の変形例(図9参照)として説明した位置設定部Mにおいて、把持部12は、ボルト1の周方向に延びることで、位置設定部Mを前後左右から囲む周方向板を備えていてもよい。この周方向板は、例えば、アーム板12b、12bの上下方向に延びている板状部分の左右両端の一部から左右方向に延びており、さらに前後方向内側に延びている4つのL字形状板として構成するとよい。把持部12が周方向板を備えれば、例えば、車両Vの揺れなどにより、バックルS3が把持部12から左側または右側に動いて落下してしまうという事態を回避することができる。
【0073】
本実施形態で説明した技術的な事項を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。
その他、本発明に必要となる各種部材の形状、材質、配置など具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
S ショルダベルト装置
S11 タング
S3 バックル(連結部)
B リンクベルト(帯状部)
M 位置設定部
1 ボルト(挿通部)
2 ワッシャ(抜け防止部)
3 第一カラー(抜け防止部となり得る)
4 ベルト(保持部)
5 小判型プレート(隠蔽部)
6 回転防止部
7 カバー
8 第二カラー(挟み込み防止部)
9 第三カラー
10 ベアリング
11 固定プレート(固定部)
12 把持部(保持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトの使用時にタングが連結する連結部と、
一端が前記連結部に繋がれている帯状部と、
前記帯状部の他端に繋がれている固定部と、
前記固定部に挿通しており、前記固定部を車体に固定する挿通部と、
前記挿通部が挿通しており、前記固定部よりも車体側に配設されており、前記シートベルトの未使用時に前記連結部を保持する保持部を備える
ことを特徴とする連結部保持構造。
【請求項2】
前記挿通部が挿通しており、前記保持部よりも車体側に配設されており、前記保持部が前記挿通部から抜けることを防止する抜け防止部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の連結部保持構造。
【請求項3】
前記挿通部が挿通しており、前記固定部と前記保持部との間に配設されており、前記挿通部が前記車体に固定されている箇所を含む所定の領域を車室側から隠蔽する隠蔽部を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連結部保持構造。
【請求項4】
前記挿通部が挿通しており、前記隠蔽部と前記抜け防止部との間に配設されているとともに、前記挿通部が挿通する前記保持部の挿通孔に配設された挟み込み防止部を備えており、
前記挿通部の挿通方向において、前記挟み込み防止部は、前記保持部よりも厚い
ことを特徴とする請求項3に記載の連結部保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−107544(P2013−107544A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255371(P2011−255371)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)